JP2014191092A - センサレスリニアモータ及び手振れ補正ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】 制御性の良い多相の手振れ補正用センサレスリニアモータを提供する。
【解決手段】手振れ補正用センサレスリニアモータは、手振れ補正レンズに結合された可動子51と、可動子51を駆動する固定子52を有し、固定子52は、磁性体からなるコア520とそこに巻回された駆動用コイル524を有し、可動子51は、厚さ方向に磁化され、駆動用コイル524に対向する複数の磁極を有する永久磁石511と、電機子に巻回されて駆動用コイル524の電流変化を検出する検出用コイル60、61を有するとともに、パルス幅変調信号に従って駆動用コイル524に駆動電流を供給する駆動回路8と、検出用コイル60、61の出力電圧が入力されると、可動子51の変位位置に対応した位置信号を出力する位置制御回路9を有する。
【選択図】 図9
【解決手段】手振れ補正用センサレスリニアモータは、手振れ補正レンズに結合された可動子51と、可動子51を駆動する固定子52を有し、固定子52は、磁性体からなるコア520とそこに巻回された駆動用コイル524を有し、可動子51は、厚さ方向に磁化され、駆動用コイル524に対向する複数の磁極を有する永久磁石511と、電機子に巻回されて駆動用コイル524の電流変化を検出する検出用コイル60、61を有するとともに、パルス幅変調信号に従って駆動用コイル524に駆動電流を供給する駆動回路8と、検出用コイル60、61の出力電圧が入力されると、可動子51の変位位置に対応した位置信号を出力する位置制御回路9を有する。
【選択図】 図9
Description
本発明は、ホール素子のような位置センサを使用しないセンサレスリニアモータ及び、光学機器に加わる振れに起因する像振れを防止するために、手振れ補正レンズを移動させるセンサレスリニアモータを備えた手振れ補正ユニットに関する。
光学機器を含む種々の用途に使用される同期モータは、原理上、固定子が発生する移動磁界と可動子の磁極とが同期しないと連続的にトルクを発生しないため、可動子の状態に合わせて移動磁界を制御する必要がある。このような同期モータの制御として、可動子の磁極位置を検知する磁極位置センサ(例えばホール素子)を設けないセンサレス制御がある。例えば特許文献1には、励磁コイルに発生する逆起電圧に重畳する誘導ノイズを抑制して位置検出精度を高めるようにした構成が開示されている。また特許文献2には、振動型のリニアアクチュエータの駆動回路を安価に構成するための駆動方法が記載されている。
また、デジタルカメラなどの撮像用光学機器では、撮影レンズの長焦点化や高倍率ズーム化に伴い、高画質の写真を撮影するために、カメラボディーや交換レンズに手振れ防止機構を搭載することが一般的になっている。すなわち従来の手振れ補正機能を備えたカメラにおいては、角速度センサ等を用いた手ぶれ検出手段によりカメラに生じた手振れを検出し、その検出量に基づき、撮影レンズの一部である補正レンズあるいは撮像素子をシフトさせて、撮像素子と撮影光学系の光軸とを相対変位させることで撮像面の振れを補正することが行われている。
光学式手振れ補正装置としては、従来から光軸と垂直な平面上で補正レンズ(又は撮像素子)を並進運動させ、さらに回転運動させることが提案されている。例えば特許文献3には、補正レンズなどの可動部を並進運動させるための駆動手段を回転させるための駆動手段として共用させるとともに、駆動磁石を磁気的中立線が補正レンズの光軸を中心とする円周のほぼ半径方向に向くように配置することにより、回転方向の駆動ができ、回転制御が可能になることが開示されている。
特許文献3のように空芯コイルと可動磁石を有する駆動装置(ボイスコイルモータ)をレンズ鏡筒内に設ける場合、コンパクトな構造にするために、磁気特性の大なる希土類−鉄―ボロン系焼結磁石が使用される。この希土類−鉄―ボロン系焼結磁石は、高温環境下での磁気特性低下を防止する(減磁率向上)ために、希土類元素として、重希土類元素(例えばDy)を約数%添加することにより保磁力の向上を図っている。Dyは地殻埋蔵量が少ないことに加えて、採掘できる地域が限られているため、輸入価格が高騰している。しかも国内で生産される希土類−鉄―ボロン系焼結磁石に含まれるDyは全て輸入されるため、価格高騰による影響(供給が不安定になる等)が少なくない。そこで近年、Dyの添加量を低減するために特殊な製造方法(例えば粒界拡散法)を採用する動きもあるが、専用の設備が必要でまたDyをゼロにはできないので、実用的見地から十分な対策とは言えない。
また、手振れ補正装置では、ボイスコイルモータに替えて電磁石の吸引力と反発力により可動部を駆動することが提案されている。例えば特許文献4には、固定支持基板に固定したX用第1磁石及びY用第1磁石とステージ部材に固定したX用第2磁石及びY用第2磁石の間に生じる磁力を利用してステージ部材を固定支持基板に対してX方向とY方向に移動させることにより、電磁石と鉄芯を利用した従来技術に比べてより少ない電力でステージ部材を駆動できるようにしたステージ装置が記載されている。
しかし、一般的な同期モータには、制御性が良い3相モータが用いられており、2相の同期モータに対し高効率でしかも実用性のある(簡素化された)制御技術は提案されていなかった。したがってセンサレスタイプのリニアモータは、特定の用途(例えば特許文献2参照)には採用されているに止まり、撮像用光学機器には未採用であった。
特許文献3のように空芯コイルと可動磁石を有する駆動装置(ボイスコイルモータ)では、コンパクトな構造で、レンズシフトに必要な推力を発生させるために、駆動用磁石として、重希土類元素(例えばDy)を含む希土類−鉄−ボロン系焼結磁石を使用することが必要不可欠であるが、特に重希土類元素については採掘できる地域が限られていることで、原材料価格の影響を受け、価格高騰による影響(供給が不安定になる等)が少なくない。また、特許文献4に記載されたステージ装置は、X方向及びYに、各々2つの電磁石を必要とするので、装置の大型化及びコストの上昇を招来する。この構造では、吸引力による第1磁石と第2磁石のヨーク間のギャップ変化が生じ、しかも吸引力はヨークと磁石のギャップの2乗に反比例して、直線的に変化しないため、正確な位置制御が困難となる。しかもホール素子をアクチュエータの中心に配置できないので、吸引力の発生位置とホール素子の位置が異なり、回転などの傾きが発生した場合は、実際の移動量と異なる出力信号が発生し、また位置ずれ現象が拡大する。
したがって本発明の目的は、制御性の良い多相の手振れ補正用センサレスリニアモータを提供することである。
本発明の他の目的は、重希土類元素を含まない永久磁石を有する駆動手段を備えたコンパクトな手振れ補正ユニットを提供することである。
本発明の手振れ補正用センサレスリニアモータは、手振れ補正レンズに結合された可動子と、前記可動子を駆動する固定子を有する手振れ補正用センサレスリニアモータであって、前記固定子は、磁性体からなるコアとそこに巻回された駆動用コイルを有し、前記可動子は、厚さ方向に磁化され、前記駆動用コイルに対向する複数の磁極を有する永久磁石と、前記固定子に巻回されて前記駆動用コイルの電流変化を検出する検出用コイルを有するとともに、パルス幅変調信号に従って前記駆動用コイルに駆動電流を供給するドライブ回路と、前記検出用コイルの出力電圧が入力されると、前記可動子の変位位置に対応した位置信号を出力する位置検出回路を有し、前記位置検出回路は、前記パルス幅変調信号に同期してサンプリング信号を生成するサンプリング信号発生部と、前記サンプリング信号に同期して、前記検出用コイルの出力電圧をサンプリングすることにより、前記位置信号を出力する同期サンプリング部を有することを特徴とするものである。
本発明のセンサレスリニアモータにおいて、前記検出用コイルは、前記可動子の移動方向の少なくとも一方の端部に設けることができる。
本発明の手振れ補正ユニットは、
レンズ鏡筒内に固定される固定枠と、
補正レンズを保持し、光軸方向から見て前記固定枠に対向しかつ光軸と直交する面内で移動可能に支持されるシフト枠と、
前記シフト枠に保持された、永久磁石(重希土類元素を含まない)を有する磁石部材と、前記固定枠に保持された磁性体からなるコアとそこに巻回された駆動用コイルを含み、前記シフト枠を光軸と直交する平面内で移動させるアキシャルギャップ型リニアモータと、
前記コアに巻回された検出コイルを含む位置検出手段を備えた構造とすることができる。
レンズ鏡筒内に固定される固定枠と、
補正レンズを保持し、光軸方向から見て前記固定枠に対向しかつ光軸と直交する面内で移動可能に支持されるシフト枠と、
前記シフト枠に保持された、永久磁石(重希土類元素を含まない)を有する磁石部材と、前記固定枠に保持された磁性体からなるコアとそこに巻回された駆動用コイルを含み、前記シフト枠を光軸と直交する平面内で移動させるアキシャルギャップ型リニアモータと、
前記コアに巻回された検出コイルを含む位置検出手段を備えた構造とすることができる。
本発明の手振れ補正ユニットにおいて、前記永久磁石は、等方性希土類ボンド磁石又は焼結フェライト磁石で形成することができる。
本発明のセンサレスリニアモータによれば、多相(例えば2相)の同期モータに適切な駆動信号を供給できるので、小型の制御機器のコスト低減と小型軽量化を図ることが可能となる。しかも特定の固定子(多スロット)を採用して、吸引と反発の両方を効率よく使う構造により、大きな推力を引き出すことができる。
本発明の手振れ補正ユニットによれば、重希土類元素を含まない永久磁石を使用するので、コスト低減と安定した生産が可能となる。しかも重希土類元素を含まない永久磁石の使用に加えて、特定の固定子(多スロット)を採用して、吸引と反発の両方を効率よく使う構造により、大きな推力を引き出すことができる。
本発明によれば、アキシャルギャップ型のリニアモータを使用するので、電磁石方式と異なり、レンズシフト時に磁石とコア(コイル間)のギャップが変化しないため、安定した推力発生とレンズをガタなくスムーズに移動させることが可能となる。
本発明によれば、アキシャル方向(光軸方向)での磁気吸引力により、吸引用のヨーク等を設けるまでもなく、常にアキシャル方向(光軸方向)への吸引力でレンズ枠を保持でき、且つ無通電時でも磁気的中立点(中心)に保持できる。
本発明の詳細を添付図面により説明する。
{デジタルカメラ}
図1に示すデジタル一眼レフカメラ(以下単にカメラという。)10は、光学フィルタ(不図示)を介して被写体の光学像を結像する固体撮像素子(例えばCCD)12を含むボディー11と、複数のレンズ群L1〜L4からなる撮像光学系14を有するレンズ鏡筒13とを備えている。本実施の形態においては、ファインダー上で被写体を観察中にも手振れ防止機能を視認できるようにするために、手振れ補正手段としてレンズシフト方式を採用している。このレンズシフト方式では、手振れ補正レンズ群が光軸と直交方向に変位した時にシフト状態での収差を良好に補正し、また撮影者の手振れの最大補正角度振れに対応した最大レンズシフト量を適切な値にすることが重要である。これらの条件を満足するようなレンズ群を補正レンズ群として選定すればよく、例えば第4レンズ群L4を構成するレンズの少なくとも一部を手振れ補正レンズとしてシフトさせればよい。
図1に示すデジタル一眼レフカメラ(以下単にカメラという。)10は、光学フィルタ(不図示)を介して被写体の光学像を結像する固体撮像素子(例えばCCD)12を含むボディー11と、複数のレンズ群L1〜L4からなる撮像光学系14を有するレンズ鏡筒13とを備えている。本実施の形態においては、ファインダー上で被写体を観察中にも手振れ防止機能を視認できるようにするために、手振れ補正手段としてレンズシフト方式を採用している。このレンズシフト方式では、手振れ補正レンズ群が光軸と直交方向に変位した時にシフト状態での収差を良好に補正し、また撮影者の手振れの最大補正角度振れに対応した最大レンズシフト量を適切な値にすることが重要である。これらの条件を満足するようなレンズ群を補正レンズ群として選定すればよく、例えば第4レンズ群L4を構成するレンズの少なくとも一部を手振れ補正レンズとしてシフトさせればよい。
カメラボディー11の内部には、縦方向の手振れ量と横方向の手振れ量を検出するために、例えば2つのジャイロセンサ15a、15bで検出された手振れ量(角加速度)は制御部16に入力されて、手振れ量に応じた駆動電流を、手振れ補正ユニット1に内蔵された、後述の補正レンズ駆動手段(アキシャルギャップ型リニアモータ1)の駆動部17に供給して補正レンズの位置を制御することにより、入射光軸を偏移させて手振れの少ない画像を得ることができる。また補正レンズの位置信号を制御部16に入力して、フィードバック制御される。
[手振れ補正ユニット]
手振れ補正ユニット1の構成を図2〜7により説明する。手振れ補正ユニット1は、1枚又は複数枚のレンズからなる補正レンズ(不図示)を有するシフト枠2と、シフト枠2をレンズ鏡筒13(図1参照)内に保持するための固定枠3と、シフト枠2を光軸に対して垂直な面内で駆動するアキシャルギャップ型リニアモータ(以下単に「リニアモータ」という。)5a、5b、5cを備えている。この手振れ補正ユニット1は、非撮像時に補正レンズを光軸と一致する位置に静止しておくことができる。すなわち、補正レンズを動作させるスイッチが動作しない手振れ補正オフ状態では、無通電で補正レンズを中立状態(光軸と同軸状態)に保持し、手振れ補正が可能な手振れ補正オン状態では、リニアモータ5a、5b、5cの少なくとも1つを駆動して所望のシフト量を確保できるようにする。この手振れ補正ユニット1の各部の詳細は次の通りである。
手振れ補正ユニット1の構成を図2〜7により説明する。手振れ補正ユニット1は、1枚又は複数枚のレンズからなる補正レンズ(不図示)を有するシフト枠2と、シフト枠2をレンズ鏡筒13(図1参照)内に保持するための固定枠3と、シフト枠2を光軸に対して垂直な面内で駆動するアキシャルギャップ型リニアモータ(以下単に「リニアモータ」という。)5a、5b、5cを備えている。この手振れ補正ユニット1は、非撮像時に補正レンズを光軸と一致する位置に静止しておくことができる。すなわち、補正レンズを動作させるスイッチが動作しない手振れ補正オフ状態では、無通電で補正レンズを中立状態(光軸と同軸状態)に保持し、手振れ補正が可能な手振れ補正オン状態では、リニアモータ5a、5b、5cの少なくとも1つを駆動して所望のシフト量を確保できるようにする。この手振れ補正ユニット1の各部の詳細は次の通りである。
[シフト枠及び固定枠]
シフト枠2は、補正レンズ(不図示)の外周縁を保持しかつ半円弧状の突出部20a、20b、20cを有する、非磁性体からなるリング状の部材である。固定枠3は、光軸方向から見てシフト枠2に重なるように形成された、非磁性体からなるリング状の部材である。光軸方向から見てシフト枠2と固定枠3の間には、複数の球体4a、4b、4c[例えば鋼球又は非磁性体(例えばオーステナイト系ステンレス鋼やセラミックス等)からなる球体]を介装することにより、光軸方向(Z方向)に対して垂直な平面(X方向及びそれと直交するY方向を含む面)において任意の方向に移動可能な状態で支持されるので、摺動(摩擦)抵抗が低減され、微小な角度振れを補正することが可能となる。
シフト枠2は、補正レンズ(不図示)の外周縁を保持しかつ半円弧状の突出部20a、20b、20cを有する、非磁性体からなるリング状の部材である。固定枠3は、光軸方向から見てシフト枠2に重なるように形成された、非磁性体からなるリング状の部材である。光軸方向から見てシフト枠2と固定枠3の間には、複数の球体4a、4b、4c[例えば鋼球又は非磁性体(例えばオーステナイト系ステンレス鋼やセラミックス等)からなる球体]を介装することにより、光軸方向(Z方向)に対して垂直な平面(X方向及びそれと直交するY方向を含む面)において任意の方向に移動可能な状態で支持されるので、摺動(摩擦)抵抗が低減され、微小な角度振れを補正することが可能となる。
シフト枠2は、図3,4及び6に示すように、円周方向に沿って等角度間隔(120°)に形成された平面からみて矩形状の磁気回路保持部21a、21b、21c有し、各保持部にリニアモータ5a、5b、5cを構成する可動子51a、51b、51cが装着される。これらの保持部は、可動子の装着を容易に行えるようにするために、エッジ部に逃げ溝が設けられている。各保持部21a、21b、21cの中間には、球体4a、4b、4cの一部が挿入可能な円孔を有する収容部20a、20b、20cが形成されている。
固定枠3は、図2、図3及び図5に示すように、円周方向に沿って等角度間隔(120°)に形成された平面からみて矩形状の保持部31a、31b、31cを有し、各保持部にリニアモータ5a、5b、5cを構成する電機子52a、52b、52cが装着される。電機子52aは、固定枠3の背面に延出する一対のアーム32a、33aにネジ525で固定されている。他の電機子52b、52cも同様に、固定枠3の背面に延出する一対のアーム32b、33b、32c、33cにネジ525で固定されている。また固定枠3のシフト枠2と対向する側の面に球体の一部を受取る収容部30a、30b、30を有する。
[リニアモータ]
補正レンズを移動させるためのリニアモータ5a、5b、5cは、図2〜図4に示すように、シフト枠2に固設された磁石部、固定枠3に固設された電機子を有する構成としているため、リニアモータの運動により配線を引き回すことが無いため、コイルの断線を防止することができる。
補正レンズを移動させるためのリニアモータ5a、5b、5cは、図2〜図4に示すように、シフト枠2に固設された磁石部、固定枠3に固設された電機子を有する構成としているため、リニアモータの運動により配線を引き回すことが無いため、コイルの断線を防止することができる。
補正レンズを保持するシフト枠2に固定された可動子(磁石部)51a、51b、51cは、強磁性体(例えばSS材等の鉄鋼材料)からなる平板状のバックヨーク510a、510b、510cと、厚さ方向に磁化されかつ長手方向に沿って異極性の磁極が隣接する、直方体状の駆動用磁石511a、511b、511cを有する。光軸方向から見て駆動用磁石511a、511b、511cの投影面積は、後述の固定子を構成するコアの面積よりも小なるように形成されているので、コギングトルクが低減され、円滑な直線移動が可能となる。
駆動用磁石511a、511b、511cは、例えば等方性希土類ボンド磁石で形成することができる。等方性希土類ボンド磁石としては、等方性希土類磁石粉末(例えばNd−Fe−B系磁石粉末又はSm−Fe−N系磁石粉末)を樹脂(熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂)で結着した永久磁石を使用することができる。各駆動用磁石は、シフト枠2の外周縁側の複数個所(3個所)に形成された磁気回路保持部21a、21b、21cに固設される。複数(3個)の駆動用コイル31a〜31cと対向する位置に設けられた複数の永久磁石511a〜511cを含む。これらの永久磁石511a、511b、511cはいずれも厚さ方向(光軸方向)に磁化され、しかも駆動用コイルと対向する側の面に極性の異なる一対の磁極が存在するように磁化されている。また各磁石の駆動用コイルと反対側の面に平板状のバックヨーク510a、510b、510cが設けられている。各永久磁石511a、511b、511cは、実質的に重希土類元素を含まないので、価格変動が少なく、モータの安定した生産が可能となる。
本発明において使用される希土類ボンド磁石は、希土類磁石粉末(表面を樹脂で被覆してもよい)と、この希土類磁石粉末を結着するバインダー樹脂を必須成分として含有し、例えば63.66〜79.58kJ/m3[8〜10MGOe]の最大エネルギー積を有する。希土類磁石粉末は、Yを含む希土類元素(R)と、遷移金属(TM)とを含む合金からなり、希土類元素(R)とホウ素(B)と遷移元素(TM)との正方晶化合物であるR2TM14B1型結晶の集合体が好ましく、製造上除去困難な不可避の不純物も含み得る。例えば、SmCo5、Sm2TM17などのSm−Co系合金、Nd−Fe−B系合金、Pr−Fe−B系合金、Nd−Pr−Fe−B系合金、Ce−Nd−Fe−B系合金、Ce−Pr−Nd−Fe−B系合金などのR−Fe−B系合金、Sm2Fe17N3などのSm−Fe−N系合金などが挙げられ、複数種の磁石粉末を混合した混合磁石粉末(例えばNd−Fe−B系等方性磁石粉末とSm−Fe−N系等方性磁石粉末)であってもよい。
前記R−TM−B系合金において、遷移金属(TM)としては、Fe、Co、Niなどが挙げられ、これらを1種または2種以上含むことができる。通常は、遷移金属として、Feが使用されるが、Feの一部をCo、Niなどの他の遷移金属で置換したものでもよい。また、磁気特性を向上させるために、磁石粉末中には、必要に応じて、B、Al、Mo、Cu、Ga、Si、Ti、Ta、Zr、Hf、Ag、Znなどを含有することもできる。
上記の希土類元素(R)としては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb等の1種または2種以上を用い得るが、Ndが好ましい。また磁石原料中のNdの一部がPrに置換されても、磁気特性への影響は少なく、NdとPrの混在した希土類原料(ジジム)は比較的安価に入手可能なため、Ndの他に、Prを含んでもよい。但し本発明においては、Dy、TbまたはHoなどの重希土類元素は、産出地域が限られかつ高価なため、磁石粉末の製造に使用する磁石原料は、Dy、TbおよびHoを可能な限り含まないことが必要である。
上記の希土類磁石粉末をバインダー樹脂と加熱混練後冷却固化することによりボンド磁石の原料となるコンパウンドが得られる。希土類磁石粉末は、一般にコンパウンド中に、85〜98質量%を含むことができる。このコンパウンドを例えば圧縮成形あるいは射出成形等の手法により成形することによりボンド磁石が得られる。圧縮成形の場合、バインダー樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂(必要に応じて硬化剤が添加される)が使用され、射出成形の場合、バインダー樹脂は、PPS、PA等の熱可塑性樹脂が使用される。
上記永久磁石は、最大エネルギー積が、63.66〜79.58kJ/m3(8〜10MGOe)のものであれば、コンパクトなリニアモータを構成しかつ補正レンズの駆動に必要な推力を得ることができるが、希土類ボンド磁石以外の永久磁石(例えば異方性焼結フェライト磁石)を使用することも可能である。
上記リニアモータの固定子(電機子)52a、52b、52cは、固定枠3の外周縁側に円周方向に沿って等角度間隔(120°ピッチ)で形成された磁気回路保持部31a、31b、31cに装着され、固定枠3の背面側から延出するアーム32a、32b、32c、33a、33b、33cにネジ525により固定されている。固定子52aは、3つの突極を有する(複数のスロットを有する)磁性体からなるコア520aと、中央コア部521aに巻回された駆動用コイル524aを有する。この駆動用コイルは、駆動電流を供給するために、電源に接続されたフレキシブルプリント基板7に実装されている。固定子52b、52cは、固定子52aと同様に3つの突極を有するコア520b、520cと、そこに巻回された駆動用コイル524b、524cを有する。各コア520a、520b、520cは、例えばケイ素鋼板を積層して形成することができる。また積層コアの代わりに、圧粉磁心で形成したコアを用いることができる。
本発明においては、図3に示すようにリニアモータを光軸方向から見た場合に、磁石面積をコアの面積よりもシフト枠の必要移動量分以上に小さくすることが好ましい。例えばシフト枠が、X方向及びY方向に±0.5mm(半径0.5mmの円内)で移動する場合、磁石の面積をコアの面積よりも{(X+(0.5×2))mm以上}×{(Y+(0.5×2))mm}だけ小さくすることにより、磁石が移動可能範囲の端部まで移動してもコアの面積内に収まるようになり、原点に復帰するための磁気吸引力を低減でき、もってコギングトルクが低減され、円滑な移動を行うことができる。
[位置検出手段]
上記のリニアモータ5(5a、5b、5c)で補正レンズを駆動する場合、補正レンズを支持するシフト枠2の移動量に基づいてフィードバック制御するために、シフト枠2の移動量を検出する位置検出手段が設けられる。本発明においては、位置検出手段を形成するために、駆動用コイル524(524a、524b、524c)が巻回された中央コア部521(521a、521b、521c)と異なるコア部に、駆動用コイルの電流変化を検出する検出コイルが巻回される。この検出用コイルは、駆動用コイルの電流変化を検出するもので、可動子の変位により発生する誘導起電力を相殺するように構成される。すなわち、本発明においては、少なくとも一方の端部コア部522(522a、522b、522c)又は端部コア部523(523a、523b、523c)に検出用コイル60(60a、60b、60c)又は61(61a、61b、61c)が巻回されることにより、磁束の通り易さが変わるため、可動子の移動量に比例した電圧が誘導される。この誘導起電力は、可動子の移動量(磁力変化)に直線的に比例するので、移動量に対応した電圧を位置制御回路に出力することができる。
上記のリニアモータ5(5a、5b、5c)で補正レンズを駆動する場合、補正レンズを支持するシフト枠2の移動量に基づいてフィードバック制御するために、シフト枠2の移動量を検出する位置検出手段が設けられる。本発明においては、位置検出手段を形成するために、駆動用コイル524(524a、524b、524c)が巻回された中央コア部521(521a、521b、521c)と異なるコア部に、駆動用コイルの電流変化を検出する検出コイルが巻回される。この検出用コイルは、駆動用コイルの電流変化を検出するもので、可動子の変位により発生する誘導起電力を相殺するように構成される。すなわち、本発明においては、少なくとも一方の端部コア部522(522a、522b、522c)又は端部コア部523(523a、523b、523c)に検出用コイル60(60a、60b、60c)又は61(61a、61b、61c)が巻回されることにより、磁束の通り易さが変わるため、可動子の移動量に比例した電圧が誘導される。この誘導起電力は、可動子の移動量(磁力変化)に直線的に比例するので、移動量に対応した電圧を位置制御回路に出力することができる。
本発明においては、端部コア部の一方に検出コイルを設けることにより、誘導起電力を取り出すことができるが(図12参照)、図7及び9に示すように、複数(両方)の端部コア部に位置検出コイルを設けて、出力の差分又は平均値を算出する構成とすることも可能であり、この構成により、位置検出精度を向上することができる。
本発明のセンサレスリニアモータは、図8の基本ブロック図に示すように、直流電源80に接続され、トランジスタとそれに逆並列に接続されたフライホイールダイオードを有するスイッチ回路81と、スイッチ回路をPWM制御するためにPWM信号を生成する制御信号生成回路82を含むドライブ回路8と、検出コイルから取り出された誘動起電力に基づいて駆動信号を出力する位置制御回路9を備えている。
位置制御回路9は、図9に示すように構成することができる。すなわち位置制御回路9は、検出コイル60、61の差電圧を増幅する差動増幅回路91と、パルス発生回路92から出力された位置検出用基準信号と、差動増幅回路から出力された位置信号に基づいてサンプリング信号を生成するサンプリング信号生成回路93と、サンプリング信号生成回路から出力された信号から位置信号を生成する差分演算回路94と、この位置信号から駆動信号を生成する位置制御回路95と、制御信号とパルス波から駆動信号を合成するセンサレス駆動演算回路96を有する。
[位置検出動作]
検出原理−1
本発明の手振れ補正ユニットにおける位置検出動作は、次の通りである。可動部が移動することにより、電機子を構成するコアを流れる磁束の通り易さが変化し、もって検出コイルから出力される電圧が変化する。
例えば駆動コイルにパルス状の交番電圧[図11(a)]を供給して、図10に示すように可動子を一端から他端に移動させると、検出コイル60の出力電圧と検出コイル61の出力電圧を差動増幅して得られた電圧は、図11(b)〜(d)に示すように変化する。すなわち可動子が図10(a)に示す端部位置にある時は、図11(b)に示す検出電圧(Vp11)が出力され、可動子が図10(b)に示す略中央位置に移動した時は、図11(c)に示すように低い検出電圧(Vp12)が出力され、可動子が図10(c)に示す端部位置まで移動した時は、図11(d)に示すように極性が反転した検出電圧(Vp13)が出力される。
検出原理−1
本発明の手振れ補正ユニットにおける位置検出動作は、次の通りである。可動部が移動することにより、電機子を構成するコアを流れる磁束の通り易さが変化し、もって検出コイルから出力される電圧が変化する。
例えば駆動コイルにパルス状の交番電圧[図11(a)]を供給して、図10に示すように可動子を一端から他端に移動させると、検出コイル60の出力電圧と検出コイル61の出力電圧を差動増幅して得られた電圧は、図11(b)〜(d)に示すように変化する。すなわち可動子が図10(a)に示す端部位置にある時は、図11(b)に示す検出電圧(Vp11)が出力され、可動子が図10(b)に示す略中央位置に移動した時は、図11(c)に示すように低い検出電圧(Vp12)が出力され、可動子が図10(c)に示す端部位置まで移動した時は、図11(d)に示すように極性が反転した検出電圧(Vp13)が出力される。
検出原理−2
本発明においては、1つの検出コイルを設ける場合でも、可動部が移動することにより、電機子を構成するコアを流れる磁束の通り易さが変化し、もって検出コイルから出力される電圧が変化する。例えば駆動コイルにパルス状の交番電圧[図11(a)]を供給して、図12に示すように可動子を一端から他端に移動させると、検出コイルの出力電圧は、図13に示すように変化する。すなわち可動子が図12(a)に示す端部位置にある時は、図13(a)に示す検出電圧Vp21が出力され、可動子が図12(b)に示す略中央位置に移動した時は、図13(b)に示すように低い検出電圧Vp22が出力され、可動子が図12(c)に示す端部位置まで移動した時は、図13(c)に示すようにさらに低い検出電圧Vp23が出力される。
本発明においては、1つの検出コイルを設ける場合でも、可動部が移動することにより、電機子を構成するコアを流れる磁束の通り易さが変化し、もって検出コイルから出力される電圧が変化する。例えば駆動コイルにパルス状の交番電圧[図11(a)]を供給して、図12に示すように可動子を一端から他端に移動させると、検出コイルの出力電圧は、図13に示すように変化する。すなわち可動子が図12(a)に示す端部位置にある時は、図13(a)に示す検出電圧Vp21が出力され、可動子が図12(b)に示す略中央位置に移動した時は、図13(b)に示すように低い検出電圧Vp22が出力され、可動子が図12(c)に示す端部位置まで移動した時は、図13(c)に示すようにさらに低い検出電圧Vp23が出力される。
(アナログ制御)
上記の原理で検出した出力電圧に基づいてアナログ制御を行う場合は、図14に示すように、アナログ信号(図14(a)参照)に、パルス幅変調信号(図14(b)参照)を重畳させて形成した制御信号(図14(c)参照)を駆動コイルに印加する。その結果、変位量の大小により、図15に示すように検出電圧が変化する。すなわち、可動子が図10(a)に示す端部位置にある時は、図15(a)に示す検出電圧が出力され、可動子が図10(b)に示す略中央位置に移動した時は、図15(b)に示すように低い検出電圧が出力され、可動子が図10(c)に示す端部位置まで移動した時は、図15(c)に示すように極性が180°反転した検出電圧が出力される。
上記の原理で検出した出力電圧に基づいてアナログ制御を行う場合は、図14に示すように、アナログ信号(図14(a)参照)に、パルス幅変調信号(図14(b)参照)を重畳させて形成した制御信号(図14(c)参照)を駆動コイルに印加する。その結果、変位量の大小により、図15に示すように検出電圧が変化する。すなわち、可動子が図10(a)に示す端部位置にある時は、図15(a)に示す検出電圧が出力され、可動子が図10(b)に示す略中央位置に移動した時は、図15(b)に示すように低い検出電圧が出力され、可動子が図10(c)に示す端部位置まで移動した時は、図15(c)に示すように極性が180°反転した検出電圧が出力される。
(位置データ変換)
図16及び図17に示すように、パルス幅変調された出力信号から、位置データが抽出される。すなわち、図16(a)に示す重畳信号(パルス状の交番電圧)に同期して、2つの相(A相、B相)でサンプリングを行うことにより、変位量を検出することができる。例えば可動子が、図10(a)に示す端部位置にある場合は、図16(a)に示す2つの検出コイルの出力電圧を差動増幅することにより、図16(b)に示すサンプリング出力Vout1が得られる。また可動子が、図10(c)に示す端部位置に移動した場合は、図17(a)に示す検出コイルの出力電圧を差動増幅することにより、図17(b)に示すサンプリング出力Vout2が得られる。
図16及び図17に示すように、パルス幅変調された出力信号から、位置データが抽出される。すなわち、図16(a)に示す重畳信号(パルス状の交番電圧)に同期して、2つの相(A相、B相)でサンプリングを行うことにより、変位量を検出することができる。例えば可動子が、図10(a)に示す端部位置にある場合は、図16(a)に示す2つの検出コイルの出力電圧を差動増幅することにより、図16(b)に示すサンプリング出力Vout1が得られる。また可動子が、図10(c)に示す端部位置に移動した場合は、図17(a)に示す検出コイルの出力電圧を差動増幅することにより、図17(b)に示すサンプリング出力Vout2が得られる。
(デジタル制御)
本発明においては、実用上の理由で(例えば消費電力低減のため)、駆動コイルをPWM方式で駆動するデジタル制御を採用することが好ましい。すなわち、駆動コイルに図18(a)に示すPWM信号(Vdp)を印加すると、検出コイルには、図18(b)に示す検出電圧(Vpc)が得られる。図18(b)において、矢印P1、矢印P2及び矢印P3は各々、可動子が図10(a)、図10(b)、図10(c)の位置にあることを示す。
本発明においては、実用上の理由で(例えば消費電力低減のため)、駆動コイルをPWM方式で駆動するデジタル制御を採用することが好ましい。すなわち、駆動コイルに図18(a)に示すPWM信号(Vdp)を印加すると、検出コイルには、図18(b)に示す検出電圧(Vpc)が得られる。図18(b)において、矢印P1、矢印P2及び矢印P3は各々、可動子が図10(a)、図10(b)、図10(c)の位置にあることを示す。
PWM制御1
このデジタル制御においては、特定のタイミングで特定の駆動信号を印加することにより、変位量を検出することができる。例えば検出コイルの検出電圧に2相(A相、B相)の駆動信号を印加することにより(図19(a)参照)、図19(b)に示すサンプリング出力(ΔS1、ΔS2:変位量)を得ることができる。なお、図19(b)において、B相は一定ではなく、A相の変位に対向して変位する。
このデジタル制御においては、特定のタイミングで特定の駆動信号を印加することにより、変位量を検出することができる。例えば検出コイルの検出電圧に2相(A相、B相)の駆動信号を印加することにより(図19(a)参照)、図19(b)に示すサンプリング出力(ΔS1、ΔS2:変位量)を得ることができる。なお、図19(b)において、B相は一定ではなく、A相の変位に対向して変位する。
PWM制御2
また、デジタル制御においては、コイル印加信号のレベル毎にサンプリングして、変位量を検出することができる。例えば図19(a)に示すように、検出コイルに印加するPWM信号(図19(a)参照)を3相(F相、O相、R相)でサンプリングすることにより(図20(a)参照)、図20(b)に示す電圧が検出され、図20(c)に示すサンプリング出力(ΔS3:変位量)を得ることができる。但し、図20(c)において、R相は印加電圧が反転するので、変位量は反転する。
また、デジタル制御においては、コイル印加信号のレベル毎にサンプリングして、変位量を検出することができる。例えば図19(a)に示すように、検出コイルに印加するPWM信号(図19(a)参照)を3相(F相、O相、R相)でサンプリングすることにより(図20(a)参照)、図20(b)に示す電圧が検出され、図20(c)に示すサンプリング出力(ΔS3:変位量)を得ることができる。但し、図20(c)において、R相は印加電圧が反転するので、変位量は反転する。
[リニアモータの動作]
例えば上記のリニアモータ5bの駆動用コイル524bに通電して、コア520bの端面に、図7に示すような極性の磁極を発生させると、可動子51bの永久磁石511bは端部コア部522bのS極に吸引され、かつ中央コア部521bのN極と永久磁石511bのコア側のN極と吸引及び永久磁石511bのコア側面S極と反発力を発生し、さらに端部コア部523bのS極からの反発力も受けるので、可動子51bは矢印S1方向に移動する。一方駆動コイル524bに供給する電流の向きを反転させると、コア520bの端面には、図7に( )内に示す極性の磁極が発生して、可動子51bは矢印S2方向に移動する。すなわちリニアモータ5bの可動子51bは、光軸方向と垂直な平面において、光軸(Z軸)に対して並進又は回転移動する。他のリニアモータ5a、5cもリニアモータ5bと同様に駆動することができる。従って、各駆動用コイルに供給する電流の極性及び/又は大きさを変えることにより、推力の大きさと向きを調整することができるので、各リニアモータに発生する推力を合成することにより、シフト枠2を光軸と垂直な面内で任意の方向に駆動することができる。他のリニアモータ5a、5cも上記と同様に駆動される。この駆動量を制御回路にフィードバックして、目標位置に補正レンズを移動させることができる。
例えば上記のリニアモータ5bの駆動用コイル524bに通電して、コア520bの端面に、図7に示すような極性の磁極を発生させると、可動子51bの永久磁石511bは端部コア部522bのS極に吸引され、かつ中央コア部521bのN極と永久磁石511bのコア側のN極と吸引及び永久磁石511bのコア側面S極と反発力を発生し、さらに端部コア部523bのS極からの反発力も受けるので、可動子51bは矢印S1方向に移動する。一方駆動コイル524bに供給する電流の向きを反転させると、コア520bの端面には、図7に( )内に示す極性の磁極が発生して、可動子51bは矢印S2方向に移動する。すなわちリニアモータ5bの可動子51bは、光軸方向と垂直な平面において、光軸(Z軸)に対して並進又は回転移動する。他のリニアモータ5a、5cもリニアモータ5bと同様に駆動することができる。従って、各駆動用コイルに供給する電流の極性及び/又は大きさを変えることにより、推力の大きさと向きを調整することができるので、各リニアモータに発生する推力を合成することにより、シフト枠2を光軸と垂直な面内で任意の方向に駆動することができる。他のリニアモータ5a、5cも上記と同様に駆動される。この駆動量を制御回路にフィードバックして、目標位置に補正レンズを移動させることができる。
[手振れ補正動作]
本発明においては、例えば次の手順で手振れ補正動作を実行することができる。手振れ量検出部(ジャイロセンサ)5で手振れ量(カメラ本体の揺れ、例えば角速度)を検出し、制御回路に入力される。制御回路では、振れ量演算部でこの振れ量から角度を演算し(積分などの演算処理を行い)、撮影モード判別部でレンズ位置情報とシャッター及びモードスイッチ情報から撮影モードを判別し、次いで補正量演算部で手振れ補正量(手振れ角度×焦点距離×α)を算出し、この補正量だけリニアモータを駆動する動作が実行される。この補正動作(補正レンズの移動量を制御回路にフィードバックして、目標位置に補正レンズを移動させる)により、手振れにより変動した入射光軸を光軸方向に偏移させることで、手振れが補正された光学像を得ることができる。
本発明においては、例えば次の手順で手振れ補正動作を実行することができる。手振れ量検出部(ジャイロセンサ)5で手振れ量(カメラ本体の揺れ、例えば角速度)を検出し、制御回路に入力される。制御回路では、振れ量演算部でこの振れ量から角度を演算し(積分などの演算処理を行い)、撮影モード判別部でレンズ位置情報とシャッター及びモードスイッチ情報から撮影モードを判別し、次いで補正量演算部で手振れ補正量(手振れ角度×焦点距離×α)を算出し、この補正量だけリニアモータを駆動する動作が実行される。この補正動作(補正レンズの移動量を制御回路にフィードバックして、目標位置に補正レンズを移動させる)により、手振れにより変動した入射光軸を光軸方向に偏移させることで、手振れが補正された光学像を得ることができる。
本実施の形態の手振れ補正ユニットによれば、次のような効果が得られる。
(1)補正レンズの駆動手段として、重希土類元素を含まない永久磁石(例えば等方性希土類ボンド磁石又は焼結フェライト磁石)を有するアキシャルギャップ型リニアモータを使用するので、手振れ補正ユニットの低コスト化を図ることができ、また安定した推力発生が可能で、補正レンズの円滑な移動を行うことができる。
(1)補正レンズの駆動手段として、重希土類元素を含まない永久磁石(例えば等方性希土類ボンド磁石又は焼結フェライト磁石)を有するアキシャルギャップ型リニアモータを使用するので、手振れ補正ユニットの低コスト化を図ることができ、また安定した推力発生が可能で、補正レンズの円滑な移動を行うことができる。
(2)2極3スロット化した電機子を有するので、コギングトルクが低減され、シフト枠の円滑な移動が可能となるとともに、吸引と反発を効率よく利用でき、希土類焼結磁石を用いずに大きな推力を取り出すことができる。
(3)磁石面積をコアの面積よりもシフト枠の必要移動量分以上に小さくするので、シフト枠が移動可能な範囲内で、均一な磁気吸引力が発生し、もって円滑な移動が可能となる。
(4)ホール素子を使用しないので、ホール素子がモータ基板(例えばFPC)からなくなることで、駆動部の設計の自由度が高くなり、手振れ補正ユニットの小型化及び軽量化設計を行う上での制約が少なくなるとともに、次のような利点がある。
(4.1)駆動部に直接、検出用コイルを巻回し、そこで位置検出を行う構造とするので、磁石との位置関係のズレを大幅に低減できる。
(4.2)ホール素子の代わりに巻線を使用するので、低コスト化が図れ、しかもメーカ依存が解消される。ホール素子を使用すると、ホール素子ランド位置が重要なので、FPCも高価となる。またホール素子を使用すると、ホール素子が実装されたFPCを他の部材(固定枠など)に実装することになり、磁石との絶対位置精度(一般的に±0.1mm以下)を確保するために、組立て後の位置検査や調整工程を必要とする。
(4.4)FPCの配線設計が簡素化され、片面フレキ化などのコスト低減が可能となる。例えばホール素子を使用した場合、1つのホール素子について12本(4本×3個)の配線が必要なのに対し、1つのコイルでは6本(2本×3個)の配線で済ませることができる。
(4.1)駆動部に直接、検出用コイルを巻回し、そこで位置検出を行う構造とするので、磁石との位置関係のズレを大幅に低減できる。
(4.2)ホール素子の代わりに巻線を使用するので、低コスト化が図れ、しかもメーカ依存が解消される。ホール素子を使用すると、ホール素子ランド位置が重要なので、FPCも高価となる。またホール素子を使用すると、ホール素子が実装されたFPCを他の部材(固定枠など)に実装することになり、磁石との絶対位置精度(一般的に±0.1mm以下)を確保するために、組立て後の位置検査や調整工程を必要とする。
(4.4)FPCの配線設計が簡素化され、片面フレキ化などのコスト低減が可能となる。例えばホール素子を使用した場合、1つのホール素子について12本(4本×3個)の配線が必要なのに対し、1つのコイルでは6本(2本×3個)の配線で済ませることができる。
(5)光軸方向から見た平面において、3つのリニモータを同心円状にかつ等角度間隔で配置するので、アキシャル方向の磁気吸引力を均一に保つことができるとともに、3つの球体で可動部を支持するので、ガイドレール等の案内手段が不要となるので、構造が簡素化かされしかも補正レンズの安定した移動を行うことができる。
1:手振れ補正ユニット、
2:シフト枠、20a、20b、20c:収容部、21a、21b、21c:磁気回路保持部、
3:固定枠、30a、30b、30c:円孔、31a、31b、31c:電機子保持部、32a、32b、32c、33a、33b、33c:アーム、
4:球体、
5、5a、5b、5c:リニアモータ、
51、51a、51b、51c:可動子、510、510a、510b、510c:バックヨーク、511、511a、511b、511c:永久磁石、
52、52a、52b、52c:固定子、520、520a、520b、520c:コア、521、521a、521b、521c:中央コア部、522、522a、522b、522c、523、523a、523b、523c:端部コア部、524、524a、524b、524c:駆動用コイル、
6、6a、6b、6c:位置検出部材、60、60a、60b、60c、61、61a、61b、61c:検出用コイル、
7:FPC、
8:駆動回路、80:直流電源、81:スイッチ回路、82:センサレス駆動演算回路、
9:位置制御回路、91:差動増幅回路、92:位置検出信号発生回路、93:サンプル回路、94:差分演算回路、95:位置制御回路、96:信号合成回路、
10:カメラ、11:ボディー、12:撮像部、13:レンズ鏡筒、14:撮像光学系、L1、L2、L3、L4:レンズ群、15a、15b:振れ量検出部、16:制御部、17:駆動部
2:シフト枠、20a、20b、20c:収容部、21a、21b、21c:磁気回路保持部、
3:固定枠、30a、30b、30c:円孔、31a、31b、31c:電機子保持部、32a、32b、32c、33a、33b、33c:アーム、
4:球体、
5、5a、5b、5c:リニアモータ、
51、51a、51b、51c:可動子、510、510a、510b、510c:バックヨーク、511、511a、511b、511c:永久磁石、
52、52a、52b、52c:固定子、520、520a、520b、520c:コア、521、521a、521b、521c:中央コア部、522、522a、522b、522c、523、523a、523b、523c:端部コア部、524、524a、524b、524c:駆動用コイル、
6、6a、6b、6c:位置検出部材、60、60a、60b、60c、61、61a、61b、61c:検出用コイル、
7:FPC、
8:駆動回路、80:直流電源、81:スイッチ回路、82:センサレス駆動演算回路、
9:位置制御回路、91:差動増幅回路、92:位置検出信号発生回路、93:サンプル回路、94:差分演算回路、95:位置制御回路、96:信号合成回路、
10:カメラ、11:ボディー、12:撮像部、13:レンズ鏡筒、14:撮像光学系、L1、L2、L3、L4:レンズ群、15a、15b:振れ量検出部、16:制御部、17:駆動部
Claims (4)
- 手振れ補正レンズに結合された可動子と、前記可動子を駆動する固定子を有する手振れ補正用センサレスリニアモータであって、
前記固定子は、磁性体からなるコアと、駆動用コイルと、前記駆動用コイルの電流変化を検出する検出用コイルを有し、
前記可動子は、厚さ方向に磁化され、前記駆動用コイルに対向する複数の磁極を有する永久磁石を有するとともに、
パルス幅変調信号に従って前記駆動用コイルに駆動電流を供給するドライブ回路と、
前記検出用コイルの出力電圧が入力されると、前記可動子の変位位置に対応した位置信号を出力する位置検出回路を有し、
前記位置検出回路は、前記パルス幅変調信号に同期してサンプリング信号を生成するサンプリング信号発生部と、前記サンプリング信号に同期して、前記検出用コイルの出力電圧をサンプリングすることにより、前記位置信号を出力する同期サンプリング部を有することを特徴とする手振れ補正用センサレスリニアモータ。 - 前記検出用コイルは、前記可動子の移動方向の少なくとも一方の端部に設けられることを特徴とする手振れ補正用センサレスリニアモータ。
- レンズ鏡筒内に固定される固定枠と、
補正レンズを保持し、光軸方向から見て前記固定枠に対向しかつ光軸と直交する面内で移動可能に支持されるシフト枠と、
前記シフト枠に保持された、永久磁石(重希土類元素を含まない)を有する可動子と、前記固定枠に保持された磁性体からなるコアとそこに巻回された駆動用コイルを含み、前記シフト枠を光軸と直交する平面内で移動させるリニアモータと、
前記コアに巻回された検出コイルを含む位置検出手段を備えたことを特徴とする手振れ補正ユニット。 - 前記永久磁石は、等方性希土類ボンド磁石又は焼結フェライト磁石からなることを特徴とする請求項3に記載の手振れ補正ユニット。
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