JP2014190959A - 目標追尾装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】擬似更新後融合航跡誤差算出処理部17により算出された擬似更新後融合航跡誤差と更新前融合航跡誤差から、融合航跡誤差が最も小さくなる目標とセンサの組み合わせを特定することで、各々のセンサが観測する目標を決定する。
【選択図】図1
Description
この目標追尾装置が使用している追尾フィルタは、各センサの観測値を中央の1箇所の追尾フィルタに集中的に集める集中型の追尾フィルタである。
各センサはネットワークに接続されており、特に、ネットワークの通信容量を考慮することなく、各センサの観測値がネットワーク経由で中央の1箇所の追尾フィルタに集められる。
また、各センサの観測値が中央の1箇所の追尾フィルタに集められるため、中央の追尾フィルタが故障して使用できなくなると、目標を追尾することができなくなる課題があった。
図1はこの発明の実施の形態1による目標追尾装置を示す構成図である。
図1の例では、N台の目標追尾装置1−1〜1−Nがネットワーク2(例えば、LAN、インターネットなど)に接続されており、目標追尾装置1−1〜1−Nは自己の追尾フィルタで生成した再追尾航跡をネットワーク2経由で互いに送受信することで、複数の再追尾航跡から融合航跡を生成するようにしている。
目標追尾装置1−1〜1−Nの構成は必ずしも同一である必要はないが、基本的には同一である。
以下、目標追尾装置1−1の内部構成を代表的に説明する。
自センサ再追尾航跡生成処理部12は信号処理器11から出力された自センサ観測値をカルマンフィルタ等の追尾フィルタに入力することで、目標の航跡を示すセンサ航跡を生成する処理を実施する。
また、自センサ再追尾航跡生成処理部12は信号処理器11から出力された自センサ観測値の中から、そのセンサ航跡と相関している自センサ観測値を選択し(図15を参照)、再度、その自センサ観測値をカルマンフィルタ等の追尾フィルタに入力することで、目標の航跡を示す再追尾航跡を生成し、その再追尾航跡を自センサ再追尾航跡送信処理部22に出力する処理を実施する。
なお、信号処理器11及び自センサ再追尾航跡生成処理部12から再追尾航跡生成手段が構成されている。
目標追尾装置1−1の自センサ再追尾航跡生成処理部12により生成された再追尾航跡については、後述する自センサ再追尾航跡送信処理部22からネットワーク2に送信されたのち、そのネットワーク2から取得するようにしてもよいし、自センサ再追尾航跡送信処理部22から直接取得するようにしてもよい。
なお、融合航跡生成処理部13は融合航跡生成手段を構成している。
擬似観測誤差出力処理部15は融合航跡生成処理部13により生成された融合航跡を各々のセンサ観測値に換算し、擬似観測誤差DB14を参照して、各々のセンサ観測値に対応するセンサ観測誤差パラメータを擬似観測誤差として擬似再追尾航跡誤差算出処理部16に出力する処理を実施する。
なお、擬似観測誤差DB14及び擬似観測誤差出力処理部15から擬似観測誤差出力手段が構成されている。
擬似更新後融合航跡誤差算出処理部17は擬似再追尾航跡誤差算出処理部16から出力された擬似再追尾航跡誤差を用いて、融合航跡生成処理部13により生成された融合航跡における融合航跡誤差を更新する処理を実施する。なお、擬似更新後融合航跡誤差算出処理部17は融合航跡誤差更新手段を構成している。
センサ貢献度行列生成処理部19はセンサ貢献度算出処理部18により算出された目標毎の各々のセンサのセンサ貢献度を示すセンサ貢献度行列を生成する処理を実施する。
目標−センサ割当処理部20はセンサ貢献度行列生成処理部19により生成されたセンサ貢献度行列を参照して、センサ貢献度の総和が最大になる目標とセンサの組み合わせを特定することで、各々のセンサが観測する目標を決定する処理を実施する。
なお、センサ貢献度算出処理部18、センサ貢献度行列生成処理部19及び目標−センサ割当処理部20から観測目標決定手段が構成されている。
自己の目標追尾装置1−1の自センサ再追尾航跡送信処理部22に対する再追尾航跡の送信要求については、ネットワーク2経由で出力するようにしてもよいし、直接出力するようにしてもよい。
なお、送信要求出力処理部21は送信要求手段を構成している。
また、自センサ再追尾航跡送信処理部22は自センサ再追尾航跡生成処理部12により生成された再追尾航跡を用いて融合航跡が生成された場合に、その融合航跡における融合航跡誤差の低減量が所定値より大きければ、他の目標追尾装置1−2〜1−Nから再追尾航跡の送信要求を受信していなくても、その再追尾航跡を他の目標追尾装置1−2〜1−Nに送信する処理を実施する。また、その再追尾航跡をネットワーク2経由又は直接に、その融合航跡を融合航跡生成処理部13に出力する処理を実施する。
なお、自センサ再追尾航跡送信処理部22は再追尾航跡送信手段を構成している。
目標追尾装置がコンピュータで構成されている場合、擬似観測誤差DB14をコンピュータのメモリ上に構成するとともに、信号処理器11、自センサ再追尾航跡生成処理部12、融合航跡生成処理部13、擬似観測誤差出力処理部15、擬似再追尾航跡誤差算出処理部16、擬似更新後融合航跡誤差算出処理部17、センサ貢献度算出処理部18、センサ貢献度行列生成処理部19、目標−センサ割当処理部20、送信要求出力処理部21及び自センサ再追尾航跡送信処理部22の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
N台の目標追尾装置1−1〜1−Nは、上述したように基本的に同じ構成であり、自己の追尾フィルタで生成した再追尾航跡をネットワーク2経由で互いに送受信することで、複数の再追尾航跡から融合航跡を生成して、目標を追尾している。
以下、目標追尾装置1−1の処理内容を説明するが、説明の便宜上、目標追尾装置1−1が搭載しているセンサを自センサと称し、目標追尾装置1−2〜1−Nが搭載しているセンサを他センサと称する。
目標追尾装置1−1の自センサ再追尾航跡生成処理部12は、信号処理器11から自センサ観測値を受けると、その自センサ観測値をカルマンフィルタ等の追尾フィルタに入力することでセンサ航跡(他センサ観測値を使用せずに、自センサ観測値だけを使用して生成した目標の航跡)を生成する。
自センサ再追尾航跡生成処理部12は、センサ航跡と相関している自センサ観測値を選択すると、再度、その自センサ観測値をカルマンフィルタ等の追尾フィルタに入力することで、目標の航跡を示す再追尾航跡を生成し、その再追尾航跡を自センサ再追尾航跡送信処理部22に出力する。
また、融合航跡生成処理部13は、自己の目標追尾装置1−1の自センサ再追尾航跡送信処理部22からネットワーク2経由で送信された再追尾航跡(目標追尾装置1−1の自センサ再追尾航跡生成処理部12により生成された再追尾航跡)を受信する。
目標追尾装置1−1の自センサ再追尾航跡生成処理部12により生成された再追尾航跡については、ネットワーク2経由ではなく、自センサ再追尾航跡送信処理部22から直接取得するようにしてもよい。
融合航跡生成処理部13は、更新後融合航跡を生成すると、その更新後融合航跡をカルマンフィルタ等の追尾フィルタに入力し、その追尾フィルタの航跡予測処理によって、更新前融合航跡を生成し、その更新前融合航跡を擬似観測誤差出力処理部15、擬似更新後融合航跡誤差算出処理部17、センサ貢献度算出処理部18及び自センサ再追尾航跡送信処理部22に出力する。
このような場合にも、融合航跡生成処理部13は、再追尾航跡を受信すると、上記と同様にして、更新前融合航跡を生成する。
図2はセンサ観測値及びセンサ観測誤差パラメータの一例を示す説明図である。
図2において、Rはセンサ観測値である距離、σRはセンサ観測誤差パラメータである距離観測誤差パラメータ、σEはセンサ観測誤差パラメータである仰角観測誤差パラメータ、σAzはセンサ観測誤差パラメータである方位角観測誤差パラメータである。
図2の例では、センサ観測値である距離Rに対応する距離観測誤差パラメータσR、仰角観測誤差パラメータσE及び方位角観測誤差パラメータσAzが、距離Rの昇順又は降順で並んでいる。
これらのセンサ観測誤差パラメータは既知である。
また、距離Rと距離変化率dRを観測するセンサの場合、擬似観測誤差DB14が、図4に示すように、センサ観測値である距離Rに対応するセンサ観測誤差パラメータ(距離観測誤差パラメータσR、距離変化率観測誤差パラメータσdR)を格納していてもよい。
また、図2〜4は、1センサ分のセンサ観測値及びセンサ観測誤差パラメータだけを記載しているが、実際には、自センサ及び他センサの数分だけ、擬似観測誤差DB14が、センサ観測値及びセンサ観測誤差パラメータを格納している。
さらに、図2〜4では、データ列で表しているが、センサ観測誤差パラメータは、距離や時間に関する関数で表される式で表してもよい。また、センサの種類、センサの観測するデータ内容により、擬似観測誤差DB14のデータ構成又は関数式の構成を変えることが可能である。
擬似観測誤差DB14により格納されているセンサ観測値が図2のように距離Rの場合、融合航跡生成処理部13から出力された更新前融合航跡を距離Rに換算する。更新前融合航跡をセンサ観測値に換算する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
擬似観測誤差出力処理部15は、更新前融合航跡を各々のセンサ観測値に換算すると、擬似観測誤差DB14から各々のセンサ観測値に対応するセンサ観測誤差パラメータを取得する。
例えば、擬似観測誤差DB14により格納されているセンサ観測誤差パラメータが図2の場合、擬似観測誤差DB14から、センサ観測値である距離Rに対応する距離観測誤差パラメータσR、仰角観測誤差パラメータσE及び方位角観測誤差パラメータσAzを取得する。
Bpseudo=diag[σR2,σE2,σAz2] (1)
式(1)において、diagは括弧内の成分を持つ対角行列を表す記号である。
なお、擬似観測誤差出力処理部15は、図5のように、擬似観測誤差計算開始時刻から目標追尾装置1からのデータ要求時刻まで、擬似観測誤差を計算する時刻毎に、擬似観測誤差Bpseudoを計算する。
以下、擬似観測誤差Bpseudoを計算する時刻を擬似観測誤差計算時刻と称し、擬似観測誤差計算時刻毎に、更新前融合航跡から換算した距離が異なり、その換算距離に対応するセンサ観測誤差パラメータの値も変わるため、擬似観測誤差Bpseudoの値も変わる。
なお、擬似観測誤差計算開始時刻は、更新前融合航跡の時刻であり、データ要求時刻は、ネットワーク2から再追尾航跡を実際にもらいたい時刻である。
図6は擬似再追尾航跡誤差算出処理部16における擬似再追尾航跡誤差算出処理を示す説明図である。
即ち、カルマンフィルタ等の追尾フィルタにおける位置・速度等の状態ベクトルの予測計算や更新計算を行わずに、位置・速度等の状態ベクトルの誤差共分散行列の予測計算や更新計算だけを実施(誤差共分散行列のみの追尾を実施)して、擬似再追尾航跡誤差Cpseudoを求めている。
各センサ単体で追尾する航跡のことをセンサ航跡と称すると、擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの行列の次数はセンサ航跡の次数となる。
具体的には、例えば、センサ航跡が、3次元の位置と速度からなるベクトルとすると、センサ航跡のベクトルの次数が6次元になるため、擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの行列の次数は6次であり、擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの行列は6行6列の行列になる。
センサ航跡、融合航跡及び再追尾航跡は、直交座標や極座標など、ユーザが望む座標で定義することが可能である。
図6の数直線及びその楕円は、時刻t1,t2,・・・の擬似観測誤差Bpseudoを使用して、擬似再追尾航跡誤差Cpseudoを計算している様子を表している。
そして、図6は、他センサ又は自センサに係る擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの計算を、自己の目標追尾装置1で行っていることを表している。
ここで、擬似再追尾航跡誤差Cpseudoは、時系列の擬似観測誤差Bpseudoを圧縮した情報量に相当する。
ここで、融合航跡生成処理部13により生成された更新前融合航跡は、位置・速度等の状態ベクトルと誤差共分散行列を含んでおり、更新前融合航跡の誤差共分散行列が更新前融合航跡誤差P(−)に相当する。
擬似更新後融合航跡誤差算出処理部17は、擬似再追尾航跡誤差算出処理部16から出力された擬似再追尾航跡誤差Cpseudoと、融合航跡生成処理部13から出力された更新前融合航跡とを用いて、擬似更新後融合航跡誤差を算出する。擬似更新後融合航跡誤差の算出処理自体は公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
そして、カルマンフィルタ等の追尾フィルタにおける誤差共分散行列の算出式に基づいて、データ要求時刻における擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)を算出する。
即ち、擬似更新後融合航跡誤差算出処理部17は、カルマンフィルタ等の追尾フィルタにおける観測誤差共分散行列を擬似再追尾航跡誤差とし、カルマンフィルタ等の追尾フィルタの予測誤差共分散行列を更新前融合航跡誤差として、データ要求時刻における擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)を算出し、その擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)をセンサ貢献度算出処理部18に出力する。
なお、擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)が、更新後の更新前融合航跡誤差P(−)に相当する。
以下、センサ貢献度算出処理部18によるセンサ貢献度の算出処理を具体的に説明する。
ここで、図7は擬似再追尾航跡誤差の算出処理と、擬似更新後融合航跡誤差の算出処理とを示す説明図である。
図7の左上の噴出しは、図6における擬似再追尾航跡誤差算出処理と同じである。
図7の右上の噴出しは、擬似再追尾航跡誤差算出処理部16から擬似再追尾航跡誤差Cpseudoと、融合航跡生成処理部13から出力された更新前融合航跡における更新前融合航跡誤差P(−)とを用いて、擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)を算出する処理を示すものである。
擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(+)は、図7において、色を塗りつぶした楕円体に相当する。
また、擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)の大きさを表す楕円体の長半径が、擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)の最大固有値λpseudo(+)に相当する。
擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)の最大固有値λpseudo(+)は、更新前融合航跡誤差P(−)の最大固有値λ(−)よりも小さくなっていることが期待される。
センサ貢献度=|λ(−)−λpseudo(+)| (2)
式(2)の右辺は、更新前融合航跡誤差P(−)の最大固有値λ(−)と、擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)の最大固有値λpseudo(+)との差の絶対値(ユークリッドノルム等)を表している。
式(2)でセンサ貢献度を定義した場合、センサ貢献度が大きい程、擬似再追尾航跡誤差Cpseudoを更新前融合航跡誤差P(−)に付加することにより、擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)の縮小効果が大きくなる。
センサ貢献度=1/|λ(−)−λpseudo(+)| (3)
式(3)でセンサ貢献度を定義した場合、センサ貢献度が小さい程、擬似再追尾航跡誤差Cpseudoを更新前融合航跡誤差P(−)に付加することにより、擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)の縮小効果が大きくなる。
同様に、擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)の最大固有値λpseudo(+)は、擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)のスペクトルノルムと等しい。
更新前融合航跡誤差P(−)の最大固有値λ(−)及び擬似更新後融合航跡誤差λpseudo(−)の最大固有値λpseudo(+)の大きさを表すノルムを一般化して、更新前融合航跡誤差P(−)の最大固有値λ(−)のノルムをμ(−)、擬似更新後融合航跡誤差λpseudo(−)の最大固有値λpseudo(+)のノルムをμpseudo(+)とする。
このようにした場合、式(2)の代わりに、下記の式(4)でセンサ貢献度を定義するようにしてもよい。
センサ貢献度=|μ(−)−μpseudo(+)| (4)
また、式(2)〜(4)では、センサ貢献度をノルムの差の絶対値で表しているが、下記の式(5)に示すように、センサ貢献度を比で表すようにしてもよい。
センサ貢献度=μ(−)/μpseudo(+) (5)
図8はセンサ貢献度行列生成処理部19により生成されるセンサ貢献度行列の一例を示す説明図である。
図8では、目標追尾装置(センサ)の台数が2、目標の数が2である例を示しており、行数と列数が同じ2である。
ただし、これは一例に過ぎず、センサ数と目標数は異なっていてもよく、行数と列数は異なっていてもよい。
なお、図8における「20」「10」「18」「2」の数値はセンサ貢献度を示しており、例えば、式(2)でセンサ貢献度が定義されている場合、この数値が大きい程、当該センサによる擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)の縮小効果が大きくなる。
ここで、図9は目標−センサ割当処理部20による各センサの観測目標の決定処理を示す説明図である。
図9を参照しながら、目標−センサ割当処理部20の処理内容を具体的に説明する。
図9の左図は図8におけるセンサ貢献度行列と同じであり、図9の右図は目標−センサ割当行列を示している。
(センサA−目標T1)&(センサB−目標T2)の組み合わせでは、センサ貢献度の総和が22(=20+2)であり、(センサA−目標T2)&(センサB−目標T1)の組み合わせでは、センサ貢献度の総和が(28=10+2)である。
したがって、(センサA−目標T2)&(センサB−目標T1)の組み合わせの方が、センサ貢献度の総和が大きくなるため、センサAが観測する目標を目標T2に決定し、センサBが観測する目標を目標T1に決定する。
目標−センサ割当行列は、センサAが観測する目標が目標T2で、センサBが観測する目標が目標T1であることを表している。
因みに、目標−センサ割当行列において、“1”はセンサに目標が割り当てられていることを示すフラグであり、“0”はセンサに目標が割り当てられていないことを示すフラグである。
目標−センサ割当処理部20は、各々のセンサが観測する目標を決定して、その結果を示す目標−センサ割当行列を生成すると、その目標−センサ割当行列を送信要求出力処理部21に出力する。
図9の例では、センサAが観測する目標が目標T2で、センサBが観測する目標が目標T1であるため、センサAを搭載している目標追尾装置1に対して、センサAの観測値から生成された目標T2の再追尾航跡の送信要求をネットワーク経由2で出力する。
また、センサBを搭載している目標追尾装置1に対して、センサBの観測値から生成された目標T1の再追尾航跡の送信要求をネットワーク経由2で出力する。
例えば、センサAを搭載している目標追尾装置が目標追尾装置1−1、センサBを搭載している目標追尾装置が目標追尾装置1−2であれば、センサAの観測値から生成された目標T2の再追尾航跡の送信要求をネットワーク経由2で目標追尾装置1−1に出力し、センサBの観測値から生成された目標T1の再追尾航跡の送信要求をネットワーク経由2で目標追尾装置1−2に出力する。
なお、目標追尾装置1−1に出力する再追尾航跡の送信要求は、ネットワーク経由2ではなく、目標追尾装置1−1の自センサ再追尾航跡送信処理部22に対して直接出力するようにしてもよい。
例えば、目標追尾装置1−1の送信要求出力処理部21から、目標T2の再追尾航跡の送信要求を受けている場合には、自センサ再追尾航跡生成処理部12により生成された目標T2の再追尾航跡をネットワーク2経由で、目標追尾装置1−1の融合航跡生成処理部13に出力する(あるいは、直接に融合航跡生成処理部13に出力する)。
例えば、他の目標追尾装置1−Nの送信要求出力処理部21から、目標T1の再追尾航跡の送信要求を受けているような場合には、自センサ再追尾航跡生成処理部12により生成された目標T1の再追尾航跡をネットワーク2経由で他の目標追尾装置1−Nに送信する。
即ち、自センサ再追尾航跡送信処理部22は、自センサ再追尾航跡生成処理部12から出力された再追尾航跡と、融合航跡生成処理部13から出力された更新前融合航跡とをカルマンフィルタ等の追尾フィルタに入力して、仮の更新後融合航跡を生成する。
[判定処理(1)]
λ(−)>TH1 (6)
ただし、TH1は事前に設定される送信判定用閾値である。
自センサ再追尾航跡送信処理部22は、式(6)が成立する場合、再追尾航跡を送信することに決定し、式(6)が成立しない場合、判定処理(2)を実施する。
λ(−)<TH2 (7)
ただし、TH2は事前に設定される送信判定用閾値であり、TH1>TH2である。
自センサ再追尾航跡送信処理部22は、式(7)が成立する場合、再追尾航跡の送信を保留し、式(7)が成立しない場合、判定処理(3)を実施する。
[判定処理(3)]
TH2≦λ(−)≦TH1 (8)
|λ(−)−λassumed(+)|≧TH3 (9)
ただし、TH2は事前に設定される送信判定用閾値であり、||は絶対値(ユークリッドノルム)を表している。
自センサ再追尾航跡送信処理部22は、式(8)が成立する場合、式(9)が成立すれば、再追尾航跡を送信することに決定し、式(9)が成立しなければ、再追尾航跡を送信しないことに決定する。
また、式(8)が成立しない場合も、再追尾航跡を送信しないことに決定する。
図10の例では、判定処理(1)において、更新前融合航跡の最大固有値λ(−)が送信判定用閾値TH1より小さいため、「送信する」旨の決定が行われず、送信の是非が判定処理(2)に委ねられる。
判定処理(2)では、更新前融合航跡の最大固有値λ(−)が送信判定用閾値TH2より大きいため、「送信を保留する」旨の決定が行われず、送信の是非が判定処理(3)に委ねられる。
判定処理(3)では、更新前融合航跡の最大固有値λ(−)が送信判定用閾値TH2より大きく、かつ、送信判定用閾値TH1より小さいため、最大固有値λ(−)と最大固有値λassumed(+)の差の絶対値が送信判定用閾値TH3より大きいか否かが判定され、その絶対値が送信判定用閾値TH3より大きいため、「送信する」旨の決定が行われる。
[従来技術の問題点]
(1)各センサの観測値が中央の1箇所の追尾フィルタに集める集中型の追尾フィルタであるため、中央の1箇所の追尾フィルタが故障すると、融合航跡を生成することができなくなる。
(2)各センサからの観測値を無制限にネットワークに送信するため、ネットワークの通信量が増大する。
(3)ネットワークの通信量が増大すると、各センサからの観測値をネットワークに流すことができなくなることがある。
(4)各センサからの観測値をネットワークに流すことができなくなると、中央の1箇所の追尾フィルタにより生成される融合航跡の精度が劣化する。
(5)精度が劣化した融合航跡のフィードバックにより、センサに対する目標の割当が不適正になることがある。
(1)1台の目標追尾装置1の追尾フィルタが故障しても、他の目標追尾装置1の追尾フィルタが故障していなければ、融合航跡の生成を継続することができる。
(2)必要最小限のデータ(再追尾航跡)だけがネットワーク2に送出されるため、ネットワークの通信量を低減することができる。
(3)観測値を圧縮した自センサ再追尾航跡を使用することにより、ネットワーク2の通信量を低減することができる。
(4)ネットワーク2の通信容量に制限がある場合でも、必要なデータ(再追尾航跡)の欠落を防止して、追尾フィルタにおける融合航跡精度の劣化を防止することができる。
図11はこの発明の実施の形態2による目標追尾装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
センサ貢献度算出制御部30は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、擬似再追尾航跡誤差算出処理部16における擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの算出周期Tsがセンサ毎に異なる場合、センサ貢献度算出処理部18におけるセンサ貢献度の算出周期Tcを各々のセンサに係る擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの算出周期Tsの最大値に設定する処理を実施する。なお、センサ貢献度算出制御部30は観測目標決定手段を構成している。
ここでは、上記実施の形態1と相違する部分だけを説明する。
センサ貢献度算出制御部30は、ネットワーク2からデータ(再追尾航跡)を得ていない状況で、擬似再追尾航跡誤差算出処理部16における擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの算出周期Tsが異なる各センサのセンサ貢献度を算出できるような制御を行う。
図12はセンサ貢献度算出制御部30によるセンサ貢献度算出制御処理を示す説明図である。
図12では、2台のセンサA,センサBを想定し、センサAに係る擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの算出周期がTs=2、センサBに係る擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの算出周期がTs=5である。
また、センサ貢献度の算出周期がTcである。
図12の(1)では、時刻3と時刻Tc(Tc=5)で擬似再追尾航跡誤差Cpseudoを使用できることを表している。
図12の(2)では、時刻0の擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)から時刻3まで予測している。これは、(Tc−Ts×(Nc−1))の間、予測することに相当する。
そして、時刻3において、擬似再追尾航跡誤差Cpseudoを用いて、擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)を更新している。
次に、時刻3における擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)から、時刻Tc(Tc=5)まで予測している。これは、Tsの間、予測することに相当する。
次に、時刻Tc(Tc=5)において、擬似再追尾航跡誤差Cpseudoを用いて、擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)を更新している。
図12の(2)における時刻3と時刻Tc(Tc=5)で、擬似再追尾航跡誤差Cpseudoを用いている箇所は、図12の(1)の各時刻の実線のバーが表している使用する擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)に対応している。
図12の(3)では、時刻Tc(Tc=5)で擬似再追尾航跡誤差Cpseudoを使用できることを表している。
図12の(4)はセンサBを使用した場合の擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)の入力タイムラインである。
図12の(4)では、時刻0の擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)から時刻Tc(Tc=5)まで予測している。これは、Tsの間、予測することに相当する。
そして、時刻Tcにおいて、擬似再追尾航跡誤差Cpseudoを用いて、擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)を更新している。
(1)センサ貢献度の算出周期Tc=擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの算出周期Tsの最大値とする
(2)時刻0で更新前融合航跡を得る
(3)擬似トラックレット使用回数Ncを下記の式(10)によって算出する。
Nc=[Tc/Ts] (10)
ただし、[x]はxを超えない最大の整数である。
(4)最終時刻Tcで更新を行うように予測と更新を繰り返し、擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)を算出する。以下、(a),(b)を行う。
(a)融合航跡誤差を(Tc−Ts×(Nc−1))時間予測する。
この予測を行う理由は、データの入力状況により、センサ貢献度の算出周期Tc
内にデータが入らない場合がある。そのため、少なくともNc回は、データが入力
されるため、融合航跡誤差を(Tc−Ts×(Nc−1))時間予測する。
(b)Nc回、擬似再追尾航跡誤差Cpseudoを使用して、予測と更新を繰り返し
行う。
(5)(4)の結果得られる最終的な擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)からセンサ貢献度を算出する。
擬似更新後融合航跡誤差算出処理部17及びセンサ貢献度算出処理部18では、図12や上記の(1)〜(5)の処理を行う。
図13はこの発明の実施の形態3による目標追尾装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
センサ貢献度算出制御部40は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、擬似再追尾航跡誤差算出処理部16における擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの算出周期Tsがセンサ毎に異なる場合、センサ貢献度算出処理部18におけるセンサ貢献度の算出周期Tcを各々のセンサに係る擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの算出周期Tsの最小公倍数に設定する処理を実施する。なお、センサ貢献度算出制御部40は観測目標決定手段を構成している。
これにより、センサ貢献度算出処理部18は、各々のセンサに係る擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの算出周期Tsの最小公倍数の周期Tcで、センサ貢献度を算出するようになる。
図14はこの発明の実施の形態4による目標追尾装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
二進探知情報出力処理部51はネットワーク2に対するインタフェース機器や、CPUを実装している半導体集積回路などから構成されており、目標追尾装置1−1が搭載しているセンサの観測時刻毎に、自センサ再追尾航跡生成処理部12により生成されたセンサ航跡と相関している自センサ観測値が信号処理器11から得られているか否かを判定し、その判定結果をフラグ(得られている場合=1、得られていない場合=0)で表している二進探知情報をネットワーク2経由で目標追尾装置1−1〜1−Nに送信する処理を実施する。なお、二進探知情報出力処理部51は探知情報送信手段を構成している。
ここでは、上記実施の形態1と相違する部分だけを説明する。
二進探知情報出力処理部51は、目標追尾装置1−1が搭載しているセンサの観測時刻毎に、自センサ再追尾航跡生成処理部12により生成されたセンサ航跡と相関している自センサ観測値が信号処理器11から得られているか否かを判定する。
図15は時刻1〜3における自センサ観測値の取得状況の一例を示す説明図である。
図15の例では、時刻1において、自センサ再追尾航跡生成処理部12により生成されたセンサ航跡と相関している自センサ観測値が1つ取得され、そのセンサ航跡と相関していない自センサ観測値が2つ取得されている。
時刻2では、センサ航跡と相関している自センサ観測値が取得されておらず、そのセンサ航跡と相関していない自センサ観測値が1つ取得されている。
時刻3では、センサ航跡と相関している自センサ観測値が1つ取得され、そのセンサ航跡と相関していない自センサ観測値が1つ取得されている。
したがって、図15の場合、時刻1,3では、センサ航跡と相関している自センサ観測値が取得されていると判定され、時刻2では、センサ航跡と相関している自センサ観測値が取得されていないと判定される。
以下、得られている場合の1のフラグを探知フラグと称し、得られていない場合の0のフラグを非探知フラグと称する。
図15の場合、時刻1,3では、探知フラグを表す二進探知情報を送信し、時刻2では、非探知フラグを表す二進探知情報を送信する。
図16は目標を探知している状況で探知フラグを表す二進探知情報を送信し、目標を探知していない状況で非探知フラグを表す二進探知情報を送信している旨を示す説明図である。
探知比率DR=探知フラグ数/(探知フラグ数+非探知フラグ数) (11)
使用個数設定処理部52は、探知比率DRを算出すると、下記の式(12)に示すように、その探知比率DRから擬似更新後融合航跡誤差算出処理部17が擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)を算出する際に用いる擬似再追尾航跡誤差Cpseudoの個数を更新し、更新後の個数Ns’を擬似更新後融合航跡誤差算出処理部17に設定する。
Ns’=[dr×Ns] (12)
式(12)において、Nsは更新前の個数である。
[x]はxを超えない最大の整数である。
更新前融合航跡誤差P(−)の更新処理は、上記実施の形態1と同様である。
上記実施の形態1〜4では、各々のセンサが1つのリソースを有している場合について示したが、この実施の形態5では、各々のセンサが複数のリソースを有している場合について説明する。
例えば、センサがレーダである場合、レーダのビームがリソースに相当する。
センサ貢献度算出処理部61は擬似更新後融合航跡誤差算出処理部17による更新前後の融合航跡誤差を用いて、目標毎に、各々のセンサにおけるリソースの観測値が融合航跡誤差の低減に寄与する度合を示すセンサ貢献度を算出する処理を実施する。
センサ貢献度行列生成処理部62はセンサ貢献度算出処理部61により算出された目標毎の各々のリソースのセンサ貢献度を示すセンサ貢献度行列を生成する処理を実施する。
余剰リソース割当処理部64は現在の目標の数が各々のセンサが有するリソースの総数より少なく、観測する目標が割り当てられていない余剰のリソースが生じる場合、目標−センサ割当処理部63により既にリソースが割り当てられているいずれかの目標に対して、余剰のリソースを更に割り当てる指示を目標−センサ割当処理部63に出力する一方、新たな目標が現れてリソースが不足する場合、いずれかの目標に割り当てられている余剰のリソースを解放して、そのリソースを新たな目標に割り当てる指示を目標−センサ割当処理部63に出力する処理を実施する。
なお、センサ貢献度算出処理部61、センサ貢献度行列生成処理部62、目標−センサ割当処理部63及び余剰リソース割当処理部64から観測目標決定手段が構成されている。
目標追尾装置がコンピュータで構成されている場合、擬似観測誤差DB14をコンピュータのメモリ上に構成するとともに、信号処理器11、自センサ再追尾航跡生成処理部12、融合航跡生成処理部13、擬似観測誤差出力処理部15、擬似再追尾航跡誤差算出処理部16、擬似更新後融合航跡誤差算出処理部17、センサ貢献度算出処理部61、センサ貢献度行列生成処理部62、目標−センサ割当処理部63、余剰リソース割当処理部64、送信要求出力処理部21及び自センサ再追尾航跡送信処理部22の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
ここでは、上記実施の形態1と相違する部分だけを説明する。
センサ貢献度算出処理部61は、擬似更新後融合航跡誤差算出処理部17から擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)を受けると、その擬似更新後融合航跡誤差Ppseudo(−)と融合航跡生成処理部13から出力された更新前融合航跡とを用いて、目標毎に、各々のセンサにおけるリソースの観測値が融合航跡誤差の低減に寄与する度合を示すセンサ貢献度を算出する。
センサ貢献度算出処理部61におけるセンサ貢献度の算出処理は、各々のリソースのセンサ貢献度を算出する点で、各々のセンサのセンサ貢献度を算出する図1のセンサ貢献度算出処理部18と相違しているが、センサ貢献度の算出処理自体は同じである。
例えば、センサAが2つのリソースA1,A2を有し、センサBが2つのリソースB1,B2を有するとき、現在、3個の目標T1,T2,T3が存在する場合、目標毎に、リソースA1,A2,B1,B2のセンサ貢献度を算出する。
図18はセンサ貢献度行列生成処理部62により生成されるセンサ貢献度行列の一例を示す説明図である。
図18では、リソースの数が4、目標の数が3である例を示している。
なお、図18における丸数字はセンサ貢献度を識別する値であり、センサ貢献度の具体的な数値を表しているものではない。
目標−センサ割当処理部63により特定される組み合わせが目標とリソースである点で、目標とセンサの組み合わせを特定する図1の目標−センサ割当処理部20と相違しているが、組み合わせの特定処理自体は同じである。
図18の例では、(リソースA1−目標T2)&(リソースA2−目標T3)&(リソースB1−目標T1)の組み合わせにおけるセンサ貢献度の総和が最大となり、リソースA1が観測する目標を目標T2、リソースA2が観測する目標を目標T3、リソースB1が観測する目標を目標T1に決定している。
このため、リソースB2は、観測する目標が割り当てられていない余剰のリソースとなっている。
余剰リソース割当処理部64は、目標−センサ割当処理部63からリソースB2が余剰のリソースになっている旨の通知を受けると、目標−センサ割当処理部63により既にリソースが割り当てられている目標T1,T2,T3のいずれかに、余剰のリソースであるリソースB2を更に割り当てる指示を目標−センサ割当処理部63に出力する。
目標−センサ割当処理部63は、余剰リソース割当処理部64から余剰のリソースであるリソースB2を更に割り当てる指示を受けると、目標T1,T2,T3のいずれかに、リソースB2を更に割り当てるようにする。
例えば、既にリソースが割り当てられている目標T1,T2,T3の中で、センサ貢献度が最大のリソースが割り当てられている目標に対して、余剰のリソースを更に割り当てるように設定されていれば、センサ貢献度が最大のリソースが割り当てられている目標に対して、リソースB2を更に割り当てるようにする。
具体的には、目標T1に割り当てられているリソースB1のセンサ貢献度が「18」、目標T2に割り当てられているリソースA1のセンサ貢献度が「15」、目標T3に割り当てられているリソースA2のセンサ貢献度が「20」であるとすれば、目標T3に対して、リソースB2を更に割り当てるようにする。
この場合、リソースA1が目標T2を観測し、リソースA2,B2が目標T3を観測し、リソースB1が目標T1を観測することになる。
具体的には、目標T1に割り当てられているリソースB1のセンサ貢献度が「18」、目標T2に割り当てられているリソースA1のセンサ貢献度が「15」、目標T3に割り当てられているリソースA2のセンサ貢献度が「20」であるとすれば、目標T2に対して、リソースB2を更に割り当てるようにする。
この場合、リソースA1,B2が目標T2を観測し、リソースA2が目標T3を観測し、リソースB1が目標T1を観測することになる。
目標−センサ割当処理部63は、余剰リソース割当処理部64から余剰のリソースであるリソースB2を解放して、そのリソースB2を新たな目標T4に割り当てる指示を受けると、目標T1,T2,T3のいずれかに割り当てられているリソースB2を解放して、そのリソースB2を新たな目標T4に割り当てるようにする。
余剰のリソースとして、リソースB2の他に、リソースB3がある場合、上記の例では、目標T3に対して、リソースB2を更に割り当てるとともに、目標T1に対して、リソースB3を更に割り当てるようにする。
このように、複数の余剰のリソースを割り当てている状況で、新たな目標T4が現れてリソースが不足する場合、複数の余剰のリソースを割り当てられている目標T1,T3のうち、先に割り当てられているリソースのセンサ貢献度が小さい方の目標を選択し、その目標に割り当てられているリソースを解放する。
上記の例では、目標T1に割り当てられているリソースB1のセンサ貢献度が「18」、目標T3に割り当てられているリソースA2のセンサ貢献度が「20」であるため、目標T1に割り当てられているリソースB3(余剰のリソース)を解放する。
例えば、余剰のリソースとして、リソースB2の他に、リソースB3がある場合、上記の例では、目標T2に対して、リソースB2を更に割り当てるとともに、目標T1に対して、リソースB3を更に割り当てるようにする。
このように、複数の余剰のリソースを割り当てている状況で、新たな目標T4が現れてリソースが不足する場合、複数の余剰のリソースを割り当てられている目標T1,T2のうち、先に割り当てられているリソースのセンサ貢献度が大きい方の目標を選択し、その目標に割り当てられているリソースを解放する。
上記の例では、目標T1に割り当てられているリソースB1のセンサ貢献度が「18」、目標T2に割り当てられているリソースA1のセンサ貢献度が「15」であるため、目標T1に割り当てられているリソースB3(余剰のリソース)を解放する。
図19はこの発明の実施の形態6による目標追尾装置を示す構成図であり、図において、図17と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
余剰リソース割当処理部70は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、現在の目標の数が各々のセンサが有するリソースの総数より少なく、観測する目標が割り当てられていない余剰のリソースが生じる場合、各目標に対して、余剰のリソースを更に割り当てた場合のセンサ貢献度の再算出指示をセンサ貢献度算出処理部61に出力するとともに、センサ貢献度行列の再生成指示をセンサ貢献度行列生成処理部62に出力する処理を実施する。
また、余剰リソース割当処理部70はセンサ貢献度行列生成処理部62により再生成されたセンサ貢献度行列を参照して、再度、センサ貢献度の総和が最大になる目標とリソースの組み合わせを特定することで、各々のリソースが観測する目標を再決定する指示を目標−センサ割当処理部63に出力する処理を実施する。
なお、余剰リソース割当処理部70は観測目標決定手段を構成している。
ここでは、上記実施の形態5と相違する部分だけを説明する。
図20はセンサ貢献度行列生成処理部62により生成されるセンサ貢献度行列の一例を示す説明図である。
特に、図20(1)は余剰リソース割当処理部70から再生成指示を受ける前に生成されたセンサ貢献度行列であり、図18と同じものである。
図20(2)〜(4)は余剰リソース割当処理部70から再生成指示を受けて再生成されたセンサ貢献度行列である。
目標−センサ割当処理部63は、各々のリソースが観測する目標を決定すると、余剰のリソースがなければ、その決定結果を送信要求出力処理部21に出力するが、リソースB2が余剰のリソースであるため、その旨を余剰リソース割当処理部70に通知する。
即ち、余剰リソース割当処理部70は、目標T1,T2,T3に対して、リソースA1とリソースB2(余剰のリソース)を割り当てた場合のセンサ貢献度の再算出を指示するとともに(図12(2)を参照)、目標T1,T2,T3に対して、リソースA2とリソースB2(余剰のリソース)を割り当てた場合のセンサ貢献度の再算出を指示する(図12(3)を参照)。また、目標T1,T2,T3に対して、リソースB1とリソースB2(余剰のリソース)を割り当てた場合のセンサ貢献度の再算出を指示する(図12(4)を参照)。
目標−センサ割当処理部63は、余剰リソース割当処理部70から各々のリソースが観測する目標を再決定する指示を受けると、センサ貢献度行列生成処理部62により再生成された図20(2)〜(4)のセンサ貢献度行列を参照して、センサ貢献度の総和が最大になる目標とリソースの組み合わせを特定することで、各々のリソースが観測する目標を決定する。
そして、目標−センサ割当処理部63は、特定した3つの組み合わせに係るセンサ貢献度の総和を比較して、3つの組み合わせの中から、センサ貢献度の総和が最も大きい組み合わせを選択し、その選択した組み合わせにしたがって各々のリソースが観測する目標を決定する。
このとき、図20(4)のセンサ貢献度行列から特定された組み合わせが、例えば、(リソースA1−目標T2)&(リソースA2−目標T3)&(リソース(B1+B2)−目標T1)であれば、リソースA1が観測する目標を目標T2、リソースA2が観測する目標を目標T3、リソースB1,B2が観測する目標を目標T1に決定する。
図21はこの発明の実施の形態7による目標追尾装置を示す構成図であり、図において、図17と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
重複割当設定処理部80は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、各目標に対して、センサ貢献度が高い上位n個のリソースの割当を目標−センサ割当処理部63に指示する処理を実施する。なお、重複割当設定処理部80は観測目標決定手段を構成している。
ここでは、上記実施の形態5と相違する部分だけを説明する。
図22はセンサ貢献度行列生成処理部62により生成されるセンサ貢献度行列の一例を示す説明図である。
また、図23は目標−センサ割当処理部63により生成される目標−センサ割当行列の一例を示す説明図である。
例えば、重複割当設定処理部80において、事前にn=2に設定されていれば、センサ貢献度が高い上位2個のリソースの割当を目標−センサ割当処理部63に指示する。
図23の例では、目標T1に対するリソースA1,B1のセンサ貢献度が、リソースA2,B2のセンサ貢献度より高いために、目標T1に対するリソースをリソースA1,B1に決定している。
また、目標T2に対するリソースA1,A2のセンサ貢献度が、リソースB1,B2のセンサ貢献度より高いために、目標T2に対するリソースをリソースA1,A2に決定している。
また、目標T3に対するリソースA2,B2のセンサ貢献度が、リソースA1,B1のセンサ貢献度より高いために、目標T3に対するリソースをリソースA2,B2に決定している。
図24はこの発明の実施の形態8による目標追尾装置を示す構成図であり、図において、図21と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
重複割当設定処理部90はネットワーク2に対するインタフェース機器や、CPUを実装している半導体集積回路などから構成されており、ネットワーク2の通信負荷量に応じて、リソースの重複割当数を変更する処理を実施する。なお、重複割当設定処理部90は観測目標決定手段を構成している。
具体的には、重複割当設定処理部90は、ネットワーク2の通信負荷量を監視し、その通信負荷量が予め設定されている閾値Thaより小さければ、nを所定の大きな値(例えば、n=3)に設定する。
また、通信負荷量が閾値Tha以上であるが、予め設定されている閾値Thbより小さければ、nを所定の中程度の値(例えば、n=2)に設定する。ただし、Tha<Thbである。
また、通信負荷量が閾値Thb以上であれば、nを所定の小さいな値(例えば、n=1)に設定する。
このように、ネットワーク2の通信負荷量が多い程、nの値を小さな値に変更するように制御する。
Claims (13)
- 自己が搭載しているセンサの目標観測値を用いて、目標の航跡を示すセンサ航跡を生成するとともに、上記センサの目標観測値の中で、上記センサ航跡と相関している目標観測値を用いて、目標の航跡を示す再追尾航跡を生成する再追尾航跡生成手段と、
上記再追尾航跡生成手段により生成された再追尾航跡と、他の目標追尾装置から送信された再追尾航跡とを融合して、目標の融合航跡を生成する融合航跡生成手段と、
上記融合航跡生成手段により生成された融合航跡を各々のセンサの目標観測値に換算し、各々のセンサの目標観測値に対応するセンサ観測誤差パラメータを擬似観測誤差として出力する擬似観測誤差出力手段と、
上記擬似観測誤差出力手段から出力された各々のセンサの擬似観測誤差から、各々のセンサが各目標を観測すると仮定した場合の航跡誤差である擬似再追尾航跡誤差を算出する擬似再追尾航跡誤差算出手段と、
上記擬似再追尾航跡誤差算出手段により算出された擬似再追尾航跡誤差を用いて、上記融合航跡生成手段により生成された融合航跡における融合航跡誤差を更新する融合航跡誤差更新手段と、
上記融合航跡誤差更新手段による更新前後の融合航跡誤差から、上記融合航跡誤差が最も小さくなる目標とセンサの組み合わせを特定することで、各々のセンサが観測する目標を決定する観測目標決定手段と、
上記観測目標決定手段により観測する目標が決定されたセンサを搭載している他の目標追尾装置に対して、上記センサの目標観測値から生成された上記目標の再追尾航跡の送信を要求する送信要求手段と、
他の目標追尾装置から再追尾航跡の送信要求を受信すると、上記再追尾航跡生成手段により生成された再追尾航跡を他の目標追尾装置に送信する再追尾航跡送信手段と
を備えた目標追尾装置。 - 再追尾航跡送信手段は、再追尾航跡生成手段により生成された再追尾航跡を用いて融合航跡が生成された場合において、上記融合航跡における融合航跡誤差の低減量が所定値より大きければ、他の目標追尾装置から再追尾航跡の送信要求を受信していなくても、上記再追尾航跡を他の目標追尾装置に送信することを特徴とする請求項1記載の目標追尾装置。
- 観測目標決定手段は、融合航跡誤差更新手段による更新前後の融合航跡誤差を用いて、目標毎に、各々のセンサの目標観測値が融合航跡誤差の低減に寄与する度合を示すセンサ貢献度を算出し、上記センサ貢献度の総和が最大になる目標とセンサの組み合わせを特定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の目標追尾装置。
- 観測目標決定手段は、擬似再追尾航跡誤差算出手段における擬似再追尾航跡誤差の算出周期がセンサ毎に異なる場合、センサ貢献度の算出周期を各々のセンサに係る擬似再追尾航跡誤差の算出周期の最大値に設定し、その設定した算出周期でセンサ貢献度を算出することを特徴とする請求項3記載の目標追尾装置。
- 観測目標決定手段は、擬似再追尾航跡誤差算出手段における擬似再追尾航跡誤差の算出周期がセンサ毎に異なる場合、センサ貢献度の算出周期を各々のセンサに係る擬似再追尾航跡誤差の算出周期の最小公倍数に設定し、その設定した算出周期でセンサ貢献度を算出することを特徴とする請求項3記載の目標追尾装置。
- 自己が搭載しているセンサの観測時刻毎に、再追尾航跡生成手段により生成されたセンサ航跡と相関している上記センサの目標観測値の有無を判定し、その判定結果を示す探知情報を他の目標追尾装置に送信する探知情報送信手段と、
上記判定結果と他の目標追尾装置から送信された探知情報が示す判定結果から、融合航跡誤差更新手段による融合航跡誤差の更新に用いる擬似再追尾航跡誤差の個数を設定する使用個数設定手段と
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の目標追尾装置。 - 観測目標決定手段は、各々のセンサが1以上のリソースを有している場合、融合航跡誤差更新手段による更新前後の融合航跡誤差を用いて、目標毎に、各々のセンサにおけるリソースの目標観測値が融合航跡誤差の低減に寄与する度合を示すセンサ貢献度を算出し、上記センサ貢献度の総和が最大になる目標とリソースの組み合わせを特定することで、各々のリソースが観測する目標を決定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の目標追尾装置。
- 観測目標決定手段は、現在の目標の数が各々のセンサが有するリソースの総数より少なく、観測する目標が割り当てられていない余剰のリソースが生じる場合、既にリソースが割り当てられているいずれかの目標に対して、余剰のリソースを更に割り当てる一方、新たな目標が現れてリソースが不足する場合、いずれかの目標に割り当てられている余剰のリソースを解放して、上記リソースを新たな目標に割り当てることを特徴とする請求項7記載の目標追尾装置。
- 観測目標決定手段は、既にリソースが割り当てられている目標の中で、センサ貢献度が最大のリソースが割り当てられている目標に対して、余剰のリソースを更に割り当てることを特徴とする請求項8記載の目標追尾装置。
- 観測目標決定手段は、既にリソースが割り当てられている目標の中で、センサ貢献度が最小のリソースが割り当てられている目標に対して、余剰のリソースを更に割り当てることを特徴とする請求項8記載の目標追尾装置。
- 観測目標決定手段は、各目標に対して、余剰のリソースを更に割り当てた場合のセンサ貢献度を再算出し、再算出後のセンサ貢献度の総和が最大になる目標とリソースの組み合わせを特定することで、各々のリソースが観測する目標を再決定することを特徴とする請求項8記載の目標追尾装置。
- 観測目標決定手段は、各々のセンサが1以上のリソースを有している場合、融合航跡誤差更新手段による更新前後の融合航跡誤差を用いて、目標毎に、各々のセンサにおけるリソースの目標観測値が融合航跡誤差の低減に寄与する度合を示すセンサ貢献度を算出し、各目標に対して、センサ貢献度が高い上位n個のリソースを割り当てることを特徴とする請求項1または請求項2記載の目標追尾装置。
- 観測目標決定手段は、他の目標追尾装置との間のネットワークの通信負荷量に応じて、リソースを割り当てる上位n個の数を変えることを特徴とする請求項12記載の目標追尾装置。
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