JP2014190877A - 表面改質層特性評価用装置及び表面改質層の特性評価方法 - Google Patents

表面改質層特性評価用装置及び表面改質層の特性評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温雰囲気下における表面改質層の特性の評価を行うことができる表面改質層特性評価用装置を提供する。
【解決手段】 第1部材101を支持する第1支持体1と、第1支持体1を回転軸線L周りに回転させるように構成されている回転駆動機構2と、第2部材102の接触面が第1部材101の接触面と対峙して位置するように第2部材102を支持する第2支持体4と、第2支持体4と第1支持体1とを相対的に近づける方向及び第2支持体4と第1支持体1とを相対的に遠ざける方向に第1支持体1及び第2支持体4の少なくとも何れか一方を進退動させる進退駆動機構5と、回転駆動機構2と進退駆動機構5とを制御する制御器6と、を備え、制御器6は、回転駆動機構2を制御して第1支持体1を所定の回転数で回転させ、進退駆動機構5を制御して所定の回転数で回転する第1支持体1に支持された第1部材101の接触面と第2部材102の接触面とを接触させて表面改質層を所定の押圧力で押圧する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材の表面に形成された表面改質層の特性を評価する表面改質層評価用装置及び表面改質層の特性評価方法に関する。
従来から、薄膜の特性を評価する装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
この装置は、所謂スクラッチ試験を行うための装置であり、薄膜上に研磨痕を付するための圧子と、薄膜の破壊に伴って発生する弾性波を検出するAEセンサと、薄膜に付与される荷重を検出するロードセルと、AEセンサで検出されたAE信号を増幅するAE増幅器と、ロードセルで検出された圧子の荷重を増幅するロードセル増幅器と、前記AE信号及び庄子の荷重を夫々X軸方向とY軸方向に記録するX−Yレコーダとを備える。そして、基板上に形成された薄膜の機械的特性を測定するに際して、この薄膜上に圧子を押し付けたまま薄膜の形成されている基板を移動させながら負荷した荷重を増加させて行き、基板から薄膜が剥離する際に発生するアコーデックエミッションをAEセンサにより検知すると共に、圧子の荷重負荷状態をロードセルにより検知し、両者を夫々増幅器で増幅したのちX−Yレコーダにより記録し、この記録に基づいて基板上に形成された薄膜の機械的特性を評価する。
特開平1−316632号公報
ところで、近年、薄膜を含む表面改質層を有する機械部品を高温雰囲気下で用いることが多くなっており、この機械部品の高温雰囲気下での材料特性を把握する必要性が高まっている。
しかし、特許文献1に記載の装置は、室温での薄膜の機械的特性の評価に用いられるものであり、高温雰囲気下における特性の評価に用いることができないという問題があった。したがって、高温雰囲気下で用いられる表面改質層を有する機械部品の寿命予測等は、実機を用いて評価せざるを得ないことがあり、多大な費用と時間を要していた。
上記課題を解決するため、本発明のある態様に係る表面改質層特性評価用装置は、第1部材及び前記第2部材の少なくとも何れか一方の接触面に形成されている表面改質層を評価する表面改質層特性評価用装置であって、前記第1部材を支持する第1支持体と、前記第1支持体を回転軸線周りに回転させるように構成されている回転駆動機構と、前記第2部材の接触面が前記第1部材の接触面と対峙して位置するように前記第2部材を支持する第2支持体と、前記第2支持体と前記第1支持体とを相対的に近づける方向及び前記第2支持体と前記第1支持体とを相対的に遠ざける方向に前記第1支持体及び前記第2支持体の少なくとも何れか一方を進退動させる進退駆動機構と、前記回転駆動機構と前記進退駆動機構とを制御する制御器と、を備え、前記制御器は、前記回転駆動機構を制御して前記第1支持体を所定の回転数で回転させ、前記進退駆動機構を制御して前記所定の回転数で回転する第1支持体に支持された前記第1部材の接触面と前記第2部材の接触面とを接触させて前記表面改質層を所定の押圧力で押圧するように構成されている。
この構成によれば、第1部材の接触面と第2部材の接触面とを接触させて表面改質層を所定の押圧力で押圧し、摩擦熱を発生させ、この摩擦熱によって高温雰囲気を形成することができる。そして、この雰囲気の下で第1部材及び/又は第2部材の接触面に形成された接触痕を評価することによって、高温雰囲気下における表面改質層の特性の評価を行うことができる。
前記第1部材の接触面及び前記第2部材の接触面は平面であり、前記回転駆動機構は、前記第1支持体に支持された前記第1部材の接触面と直交する方向に延びる回転軸線周りに前記第1支持体を回転させるように構成され、前記第2支持体は、前記第2部材の接触面が前記第1部材の接触面と平行に延びるように前記第2部材を支持するように構成され、前記進退駆動機構は、前記回転軸線が延びる方向に前記第1支持体及び前記第2支持体の少なくとも何れか一方を他方に対して進退動させてもよい。
この構成によれば、第1部材及び第2部材の接触面に発生する摩擦熱は、周速の小さい回転中心部から周速の大きい外方に向かうに従って多くなり、第1部材及び第2部材の接触面は回転中心から外方に向かうに従って高温となる。したがって、第1部材及び第2部材の接触面上に形成された接触痕を、連続する所定の範囲の温度雰囲気下において形成されたものとすることができる。よって、様々な温度雰囲気下における表面改質層の特性の評価をこの接触痕に基づいて短時間で簡便に行うことができる。
前記第1支持体の回転を停止させる回転停止機構を備え、前記制御器は、更に前記回転停止機構を制御するように構成され、前記制御器は、前記進退駆動機構を制御して前記所定の回転数で回転する第1支持体に支持された前記第1部材の接触面と前記第2部材の接触面とを接触させて前記表面改質層を所定の押圧力で押圧してから所定の時間が経過したと判定すると、前記回転停止機構を制御して前記第1支持体の回転を停止し、且つ、前記進退駆動機構を制御して前記表面改質層の押圧を停止するように構成されていてもよい。
この構成によれば、表面改質層の特性を精度よく評価することができる。
前記表面改質層は、CVD法又はPVD法によって形成した薄膜であってもよい。
この構成によれば、CVD法又はPVD法によって形成した薄膜の評価に適用することができる。
前記表面改質層は、DLC薄膜であってもよい。
この構成によれば、DLC薄膜の評価に適用することができる。
上記課題を解決するため、本発明のある態様に係る表面改質層の特性評価方法は、第1部材及び前記第2部材の少なくとも何れか一方の接触面に形成されている表面改質層の特性評価方法であって、前記第1部材及び前記第2部材の何れか一方を回転させ、前記第1部材の接触面と前記第2部材の接触面とを接触させて前記表面改質層を押圧し、前記表面改質層に形成された接触痕を評価する。
この構成によれば、第1部材の接触面及び第2部材の接触面の何れか一方を他方に押圧し、摩擦熱を発生させ、この摩擦熱によって高温雰囲気を形成することができる。そして、この雰囲気の下で第1部材及び/又は第2部材の接触面に形成された接触痕を評価することによって、高温雰囲気下における表面改質層の特性の評価を行うことができる。
本発明は、高温雰囲気下における表面改質層の特性の評価を行うことができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る表面改質層特性評価用装置の構成例を概略的に示す図である。 図1の表面改質層特性評価用装置の制御系統の構成例を概略的に示すブロック図である 図1の表面改質層特性評価用装置の動作例を示すフローチャートである。 図1の表面改質層特性評価用装置の動作例を概略的に示す図である。 図1の表面改質層特性評価用装置の動作例を示すタイムチャートである。 図1の表面改質層特性評価用装置を用いて接触痕を形成した第1部材の接触面を示す写真である。 図1の表面改質層特性評価用装置を用いて接触痕を形成した第2部材の接触面を示す写真である。 本発明の実施の形態に係る表面改質層特性評価用装置の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態)
[全体の構成例]
図1は、本発明の実施の形態に係る表面改質層特性評価用装置100の構成例を概略的に示す図である。
図1に示すように、表面改質層特性評価用装置100は、第1部材101及び第2部材102の少なくとも何れか一方の接触面に形成されている表面改質層を評価する装置である。本実施の形態において、第1部材101は、円柱状に形成され、その接触面は、軸線に直交する円形の平面で構成されている。また、第2部材102は、平板状に形成されている。そして、第2部材102の接触面は平面に形成され、そこに表面改質層102aが形成されている。なお、第1部材101及び第2部材102の形状は、上記の形状に限定されるものではない。
そして、第1部材101及び第2部材102の材質として、ステンレス鋼が例示されるがこれに限られるものではない。また、表面改質層の種類は、特に限定されず、基材の表面を改質して形成したもの、及び異種表面層を形成したものが含まれる。基材の表面を改質して形成したものとして、窒化等の基材の表面に化合物を生成したもの、表面焼入れ、浸炭焼入れ等の基材の表面の組織を変化させたもの、ピーニング等の基材の表面の組織を塑性変形させたものが例示される。また、異種表面層を形成したものとして、CVD(Chemical Vapor Deposition)法又はPVD(Physical Vapor Deposition)法等の蒸着によって薄膜を形成したもの、メッキ等の電気・化学的被覆によって薄膜を形成したもの、溶射等の溶融した金属によって薄膜を形成したものが例示される。
そして、表面改質層特性評価用装置100は、第1支持体1と、回転駆動機構2と、回転停止機構3と、第2支持体4と、進退駆動機構5と、制御器6(図2参照)とを備える。
第1支持体1は、第1部材101を固定する第1チャック装置10と、先端部が第1チャック装置10と連結されている第1回転軸11とを備えている。そして、第1チャック装置10及び第1回転軸11は、軸受12に支持されており、回動軸線L周りに回転するように構成されている。軸受12は、回転軸線Lと第1部材101の中心軸とが一致するように第1支持体1を支持している。したがって、回転軸線Lは、第1部材101の接触面内を通るように構成されている。また、軸受12は、回転軸線Lが第1支持体1に支持された第1部材101の接触面と直交する方向に延びるように第1支持体1を支持している。
回転駆動機構2は、駆動部21と第2回転軸22とを有し、第1支持体1を回転軸線L周りに回転させるように構成されている。
駆動部21は、公知のアクチュエータによって構成され、本実施の形態においては、モータであるがこれに限られるものではない。駆動部21の出力軸には、主動プーリー23が固定されている。
第2回転軸22は、回動軸線L周りに回転するように構成されている。また、第2回転軸22は、駆動部21の出力軸と平行に延びるように配置されている。第2回転軸22の基端部には、従動プーリー24が固定されている。そして、主動プーリー23及び従動プーリー24には、伝導ベルト25が巻回されている。これによって、駆動部21の駆動力によって第2回転軸22が回転するように構成されている。
回転停止機構3は、ブレーキ本体31と、クラッチ32とを備えている。
ブレーキ本体31は、第1支持体1の回転を阻止する機構であり、これを作動させることによって、第1支持体1の回転を停止させることができる。また、これを解除することによって、第1支持体1が自由に回転することができるようになっている。
クラッチ32は、第2回転軸22の先端部と回転停止機構3との間に介在するように配設され、第2回転軸22と回転停止機構3及び第1支持体1との接続及び接続の解除を行う機構である。したがって、クラッチ32によって第2回転軸22と回転停止機構3及び第1支持体1とを接続することによって、駆動部21の回転力を第1支持体1に伝達することができる。また、第2回転軸22と回転停止機構3及び第1支持体1との接続を解除することによって、駆動部21の回転力が第1支持体1に伝達されないようにすることができる。
第2支持体4は、第2部材102を固定する第2チャック装置40を備えている。そして、第2チャック装置40は、支持部42に支持されている。支持部42は、第2チャック装置40が支持する第2部材102の接触面の中心部を回転軸線Lが通ると共に、回転軸線Lが第2チャック装置40に支持された第2部材102の接触面と直交する方向に延びるように第2チャック装置40を支持している。したがって、第2チャック装置40に第2部材102を固定することによって、第2部材102は、接触面の表面改質層102aが第1部材101の接触面と対峙して位置するように第2チャック装置40に支持される。また、第2部材102は、第2部材102の接触面の表面改質層102aが第1部材101の接触面と平行に延びて位置するように第2チャック装置40に支持される。
進退駆動機構5は、第2支持体4を第1支持体1に対して相対的に近づける方向及び第2支持体4を第1支持体1に対して相対的に遠ざける方向に第2支持体4を進退動させる駆動機構であり、シリンダ機構51とガイド機構52とを備える。なお、進退駆動機構5はこの構成に限られるものではなく、例えばボールねじ機構であってもよい。本実施の形態において、進退駆動機構5は、第2支持体4を回転軸線Lが延びる方向に進退動させるように構成されている。
シリンダ機構51は、回転軸線Lが延在する方向に延びるシリンダ53と、シリンダ53に摺動可能に収容されたピストン54とを有するアクチュエータである。したがって、シリンダ機構51は、その作動によって、ピストン54が回転軸線Lが延在する方向に進退動するように構成されている。そして、ピストン54の先端部は、支持部42に固定されている。
ガイド機構52は、回転軸線Lが延在する方法に延びるガイドレール55と、ガイドレール55に沿って移動可能なスライダ56とを有する。そして、上記支持部42は、スライダ56に固定されている。したがって、シリンダ機構51の作動によって、第2チャック装置40に固定された第2部材102は、回転軸線Lが延びる方向に進退動する。
[制御器の構成例]
図2は、表面改質層特性評価用装置100の制御系統の構成例を概略的に示すブロック図である。
表面改質層特性評価用装置100が備える制御器6は、例えば、CPU等の演算器を有する制御部61と、ROM及びRAM等のメモリを有する記憶部62とを備えている。制御部61は、集中制御する単独の制御器で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御する複数の制御器で構成されてもよい。
制御部61は、回転駆動機構2、回転停止機構3、及び進退駆動機構5を制御する。
記憶部62は、所定の制御プログラムが制御されていて、制御部61がこれらの制御ブログラムを読み出して実行することにより、表面改質層特性評価用装置100の動作が制御される。また、制御部61は、後述する所定の回転数N、圧力P、及び時間tを記憶している。これらの所定の回転数N、圧力P、及び時間tは、図示しない入力部を介して入力され、記憶部62に格納される。
[動作例]
次に、表面改質層特性評価用装置100の動作例を説明する。
図3は、表面改質層特性評価用装置100の動作例を示すフローチャートである。図4は、表面改質層特性評価用装置100の動作例を概略的に示す図である。図5は、表面改質層特性評価用装置100の動作例を示すタイムチャートである。
まず、第1部材101を第1チャック装置10に固定すると共に、第2部材102を第2チャック装置40に固定する。
次に、図4(a)及び図5に示すように、制御部61は、駆動部21を駆動し、第1部材101を所定の回転数Nで回転させる(ステップS11)。
次に、図4(b)に示すように、制御部61は、シリンダ機構51を駆動し、第2部材102を第1部材101に向かって動かして、第2部材102の接触面の表面改質層102aを第1部材101の接触面に接触させる。そして、図4(c)及び図5に示すように、制御部61は、表面改質層102aを所定の圧力Pで押圧するようにシリンダ機構51を制御する(ステップS12)。なお、本実施の形態においては、上述の通り、進退駆動機構5は、第2支持体4を回転軸線Lが延びる方向に進退動させるので、表面改質層102aを垂直に押圧する。これによって、第1部材101の接触面が第2部材102の接触面の表面改質層102a上を摺動し、それぞれに接触痕が形成される。
ところで、回転する第1部材101は、回転軸線L付近においては周速が低く、回転軸線Lから離れるに従い周速が速くなる。よって、第1部材101及び第2部材102の接触面は摩擦によって発熱するが、この発熱は、周速の小さい回転中心、即ち回転軸線L付近から外方に向かうに従って多くなる。すなわち、第1部材101及び第2部材102の接触面は、回転軸線L付近から外方に向かうにしたがって高温となる。したがって、第1部材101及び第2部材102の接触面上に形成された接触痕を、連続する所定の範囲の温度雰囲気下において形成されたものとすることができる。よって、表面改質層特性評価用装置100は、様々な温度雰囲気下における表面改質層の特性の評価をこの接触痕に基づいて短時間で簡便に行うことができる。
次に、制御部61は、第2部材102の接触面の表面改質層102aが第1部材101の接触面に所定の圧力Pで押圧されてから所定の時間tが経過したと判定すると(ステップS13)、図4(d)及び図5に示すように、回転停止機構3のクラッチ32によって第2回転軸22と回転停止機構3及び第1支持体1との接続を解除すると共に、ブレーキ本体31を作動させることによって、第1支持体1の回転を急停止させる(ステップS14)。なお、このステップにおいて、第1部材101と第2部材102とが離間するように構成してもよい。これによって、第1部材101の接触面が第2部材102の接触面の表面改質層102a上を摺動する時間を精度よく規定することができ、ひいては、表面改質層102aの特性を精度よく評価することができる。
次に、第1部材101及び第2部材102を、それぞれ第1チャック装置10及び第2チャック装置40から取り外し、第1部材101の接触面及び/又は第2部材102の接触面の表面改質層102aに形成された接触痕の分析を行うことによって、表面改質層の特性の評価を行う。例えば、第2部材102の接触面の表面改質層102aの状態を分析し、これに基づいて、第2部材102の基材と表面改質層102aとの密着性の評価を行うことができる。また、回動軸線Lから薄膜の損傷が始まる領域までの距離を測定することによって、温度雰囲気に応じた表面改質層102aの特性を評価することができる。
また、第1部材101の接触面の成分の分析(例えば、エネルギー分散型X線分析)を行うことによって、第1部材101に対する第2部材102の薄膜の凝着性の評価を行うことができる。なお、評価の対象とする特性は、上記の項目に限定されない。
以上に説明したように、本発明の表面改質層特性評価用装置100は、回転する第1部材101の接触面と第2部材102の接触面とを接触させて表面改質層102aを所定の押圧力で押圧し、摩擦熱を発生させることができる。したがって、摩擦熱による高温雰囲気下において第1部材101及び/又は第2部材102の接触面に形成した接触痕を評価することによって、高温雰囲気下における表面改質層の特性の評価を行うことができる。
また、第1部材101及び第2部材102の接触面に発生する摩擦熱は、周速の小さい回転軸線L付近から周速の大きい外方に向かうに従って多くなり、第1部材101及び第2部材102の接触面は第1部材101の回転軸線から外方に向かうにしたがって高温となる。したがって、第1部材101及び第2部材102の接触面上に形成された接触痕を、連続する所定の範囲の温度雰囲気下において形成されたものとすることができる。よって、様々な温度雰囲気下における表面改質層の特性の評価をこの接触痕に基づいて短時間で簡便に行うことができる。
(実施例)
次に、本発明に係る具体的な実施例について詳細に説明する。
図6は、上記実施の形態の表面改質層特性評価用装置100を用いて接触痕を形成した第1部材101の接触面を示す図である。図7は、上記実施の形態の表面改質層特性評価用装置100を用いて接触痕を形成した第2部材102の接触面を示す図である。
本実施例における第1部材101は、19mmの径を有するオーステナイト系ステンレス鋼である。また、第2部材102は、基材が25mm角であって厚さ10mmの板状に形成されたオーステナイト系ステンレス鋼であって、接触面にプラズマCVD法でDLC(diamond‐like carbon)薄膜を成膜したものである。このDLC薄膜の膜厚は、3マイクロメートルである。
そして、圧力Pを7MPa、時間tを0.4s、及び回転数Nを1800rpmに設定し、上記動作例に従って表面改質層特性評価用装置100を動作させて第1部材101及び第2部材102に接触痕を結成した結果を図6及び図7に示した。
図6に示すように、第1部材101の接触面には、ほぼ全面に亘って摩擦痕が認められる。特に、周速が速く摩擦による発熱の多い外周部付近には顕著な摩擦痕が認められる。
また、図7に示すように、第2部材102の接触面には、周速が低く摩擦による発熱の小さい中心部付近に接触痕が認められるが、顕著なDLC薄膜の損傷は確認されない。その一方で、周速が速く摩擦による発熱の多い外周部付近にはDLC薄膜の剥離及び損傷が認められる。
<変形例>
上記実施の形態においては、第2支持体4を第1支持体1に対して相対的に近づけて表面改質層102aを押圧したがこれに限られるものではない。これに代えて、図8に示すように、第1支持体1を第2支持体4に対して相対的に近づけて表面改質層202aを押圧してもよい。
また、上記実施の形態においては、第1部材101及び第2部材102の接触面は平面としたがこれに限られるものではない。これに代えて、例えば、図8に示すように、第1部材201を先端部を丸めた円錐状に形成し、この先端部を接触面としてもよい。そして、第1部材201を回転させ、この回転する第1部材201の先端部によって、第1部材201の表面改質層202aを所定の押圧力で押圧し、その接触部分に高温雰囲気を形成し、接触痕を形成してもよい。また、第1部材101及び第2部材102の接触面をいずれも曲面としてもよい。
更に、上記実施の形態においては、一方の部材(第2部材102)を他方の部材(第1部材101)の接触面と直交する方向に動かして、一方の部材の接触面によって他方の部材の接触面を垂直に押圧したがこれに限られるものではない。これに代えて、例えば、図8に示すように、第1部材201を第2部材202の接触面(表面改質層202a)と交差する方向、即ち、表面改質層202aに対して所定角度傾斜する方向に動かして、第1部材201の先端部によって第2部材202の表面改質層202aを接触させて、押圧してもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本件発明は、機械部品の特性評価に適用することができる。
1 第1支持体
2 回転駆動機構
3 回転停止機構
4 第2支持体
5 進退駆動機構
6 制御器
10 第1チャック装置
11 第1回転軸
12 軸受
21 駆動部
22 第2回転軸
23 主動プーリー
24 従動プーリー
25 伝導ベルト
26 軸受
31 ブレーキ本体
32 クラッチ
40 第2チャック装置
41 第3回転軸
42 支持部
51 シリンダ機構
52 ガイド機構
53 シリンダ
54 ピストン
55 ガイドレール
56 スライダ
61 制御部
62 記憶部
100 表面改質層特性評価用装置
101 第1部材
102 第2部材
102a 表面改質層
上記課題を解決するため、本発明のある態様に係る表面改質層特性評価用装置は、第1部材及び第2部材の少なくとも何れか一方の接触面に形成されている表面改質層を評価する表面改質層特性評価用装置であって、前記第1部材を支持する第1支持体と、前記第1支持体を回転軸線周りに回転させるように構成されている回転駆動機構と、前記第2部材の接触面が前記第1部材の接触面と対峙して位置するように前記第2部材を支持する第2支持体と、前記第2支持体と前記第1支持体とを相対的に近づける方向及び前記第2支持体と前記第1支持体とを相対的に遠ざける方向に前記第1支持体及び前記第2支持体の少なくとも何れか一方を進退動させる進退駆動機構と、前記回転駆動機構と前記進退駆動機構とを制御する制御器と、を備え、前記制御器は、前記回転駆動機構を制御して前記第1支持体を所定の回転数で回転させ、前記進退駆動機構を制御して前記所定の回転数で回転する第1支持体に支持された前記第1部材の接触面と前記第2部材の接触面とを接触させて前記表面改質層を所定の押圧力で押圧するように構成されている。
上記課題を解決するため、本発明のある態様に係る表面改質層の特性評価方法は、第1部材及び第2部材の少なくとも何れか一方の接触面に形成されている表面改質層の特性評価方法であって、前記第1部材及び前記第2部材の何れか一方を回転させ、前記第1部材の接触面と前記第2部材の接触面とを接触させて前記表面改質層を押圧し、前記表面改質層に形成された接触痕を評価する。

Claims (6)

  1. 第1部材及び前記第2部材の少なくとも何れか一方の接触面に形成されている表面改質層を評価する表面改質層特性評価用装置であって、
    前記第1部材を支持する第1支持体と、
    前記第1支持体を回転軸線周りに回転させるように構成されている回転駆動機構と、
    前記第2部材の接触面が前記第1部材の接触面と対峙して位置するように前記第2部材を支持する第2支持体と、
    前記第2支持体と前記第1支持体とを相対的に近づける方向及び前記第2支持体と前記第1支持体とを相対的に遠ざける方向に前記第1支持体及び前記第2支持体の少なくとも何れか一方を進退動させる進退駆動機構と、
    前記回転駆動機構と前記進退駆動機構とを制御する制御器と、を備え、
    前記制御器は、
    前記回転駆動機構を制御して前記第1支持体を所定の回転数で回転させ、
    前記進退駆動機構を制御して前記所定の回転数で回転する第1支持体に支持された前記第1部材の接触面と前記第2部材の接触面とを接触させて前記表面改質層を所定の押圧力で押圧するように構成されている、表面改質層特性評価用装置。
  2. 前記第1部材の接触面及び前記第2部材の接触面は平面であり、
    前記回転駆動機構は、前記第1支持体に支持された前記第1部材の接触面と直交する方向に延びる回転軸線周りに前記第1支持体を回転させるように構成され、
    前記第2支持体は、前記第2部材の接触面が前記第1部材の接触面と平行に延びるように前記第2部材を支持するように構成され、
    前記進退駆動機構は、前記回転軸線が延びる方向に前記第1支持体及び前記第2支持体の少なくとも何れか一方を他方に対して進退動させる、請求項1に記載の表面改質層特性評価用装置。
  3. 前記第1支持体の回転を停止させる回転停止機構を備え、
    前記制御器は、更に前記回転停止機構を制御するように構成され、
    前記制御器は、前記進退駆動機構を制御して前記所定の回転数で回転する第1支持体に支持された前記第1部材の接触面と前記第2部材の接触面とを接触させて前記表面改質層を所定の押圧力で押圧してから所定の時間が経過したと判定すると、前記回転停止機構を制御して前記第1支持体の回転を停止し、且つ、前記進退駆動機構を制御して前記表面改質層の押圧を停止するように構成されている、請求項1又は2に記載の表面改質層特性評価用装置。
  4. 前記表面改質層は、CVD法又はPVD法によって形成した薄膜である、請求項1乃至3の何れかに記載の表面改質層特性評価用装置。
  5. 前記表面改質層は、DLC薄膜である、請求項1乃至4の何れかに記載の表面改質層特性評価用装置。
  6. 第1部材及び前記第2部材の少なくとも何れか一方の接触面に形成されている表面改質層の特性評価方法であって、
    前記第1部材及び前記第2部材の何れか一方を回転させ、前記第1部材の接触面と前記第2部材の接触面とを接触させて前記表面改質層を押圧し、前記表面改質層に形成された接触痕を評価する、表面改質層の特性評価方法。
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