JP2014190479A - 車両用パワーユニットの変速装置 - Google Patents

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善昭 塚田
Takashi Ozeki
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Abstract

【課題】主変速機と、駆動輪に連動、連結される出力取り出し部材に主変速機からの動力を変速して伝達し得る副変速機とを備える車両用パワーユニットの変速装置において、副変速機での変速比をエンジンの出力状態に応じて自動的に切換え可能とする。
【解決手段】副変速機36が、遊星ギヤ機構54と、その遊星ギヤ機構54のサンギヤ58の一方向の回転を規制するロック機構55と、主変速機35の出力軸39および遊星ギヤ機構54のリングギヤ59間を常時接続するとともに遊星キャリア61および出力軸39間の動力伝達を断・接可能な切換えクラッチ56と、出力軸39および遊星キャリア61間の動力伝達の切換えクラッチ56による断・接を出力軸39から入力される駆動力の大きさに応じて自動的に行わせるようにした切換え機構57とを備え、出力軸39から遊星ギヤ機構54の遊星キャリア61を介して出力取り出し部材40に動力が伝達される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両に搭載されるエンジンからの動力を変速して出力軸に伝達する主変速機と、駆動輪に連動、連結される出力取り出し部材を有するとともに前記主変速機の前記出力軸から入力される動力を回転数差が生じるように変速して前記出力取り出し部材に伝達し得る副変速機とを備える車両用パワーユニットの変速装置に関する。
副変速機として遊星ギヤ機構を用いることによって有段変速機である主変速機の変速歯車の個数を削減し、変速装置の小型化を図るようにしたものが、特許文献1で知られている。
特開昭61−282648号公報
上記特許文献1で開示されたものでは、運転者のマニュアル操作によって回動するシフトドラムに連動して遊星ギヤ機構での動力伝達経路を切換えることで変速するようにしているが、運転者のマニュアル操作によらず、エンジンの出力状態に応じて副変速機の変速比が自動的に切換えられるようにすれば運転者には使い勝手がよく、そのような変速装置の実現が望まれている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、副変速機での変速比をエンジンの出力状態に応じて自動的に切換え得るようにした車両用パワーユニットの変速装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、車両に搭載されるエンジンからの動力を変速して出力軸に伝達する主変速機と、駆動輪に連動、連結される出力取り出し部材を有するとともに前記主変速機の前記出力軸から入力される動力を回転数差が生じるように変速して前記出力取り出し部材に伝達し得る副変速機とを備える車両用パワーユニットの変速装置において、前記副変速機が、前記主変速機の前記出力軸と同軸に配置されるサンギヤ、該サンギヤを同軸に囲繞するリングギヤ、前記サンギヤおよび前記リングギヤに噛合する複数の遊星ギヤ、ならびに複数の遊星ギヤを回転自在に保持する遊星キャリアを備える遊星ギヤ機構と、前記サンギヤの一方向の回転を規制するロック機構と、前記出力軸および前記リングギヤ間を常時接続するとともに前記出力軸および前記遊星キャリア間の動力伝達を断・接可能な切換えクラッチと、前記出力軸および前記遊星キャリア間の動力伝達の前記切換えクラッチによる断・接を前記出力軸から入力される駆動力の大きさに応じて自動的に行わせるようにした切換え機構とを備え、前記出力軸から前記遊星キャリアを介して前記出力取り出し部材に動力を伝達するように構成されるることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記切換えクラッチが、前記リングギヤおよび前記出力軸とともに回転するクラッチインナと、前記遊星キャリアとともに回転するクラッチアウタと、前記クラッチインナに係合する複数枚の第1クラッチ板と、それらの第1クラッチ板と交互に配置されて前記クラッチアウタに係合される複数枚の第2クラッチ板とを有する多板クラッチであることを第2の特徴とする。
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記切換え機構は、前記クラッチインナおよび前記出力軸が、傾斜スプラインを介して接続されて成ることを第3の特徴とする。
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、前記切換えクラッチは、前記クラッチインナおよび前記クラッチアウタ間を接続する側に前記クラッチインナを付勢する付勢手段を備え、前記傾斜スプラインの傾斜角度が、前記出力軸から入力される駆動力を前記クラッチインナおよび前記クラッチアウタ間を遮断する側に前記クラッチインナを押圧する力に変換するように設定されることを第4の特徴とする。
本発明は、第2〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、前記クラッチアウタに、前記遊星キャリアの一部を構成するキャリア構成部材が一体に成形されることを第5の特徴とする。
本発明は、第1〜第5の特徴の構成のいずれかに加えて、前記駆動輪に動力を伝達するドライブチェーンが巻き掛けられるドライブスプロケットが前記出力取り出し部材に固設され、前記副変速機が、前記ドライブスプロケットを前記主変速機との間に挟む位置に配置されることを第6の特徴とする。
本発明は、第6の特徴の構成に加えて、前記出力軸を同軸に囲繞する円筒状に形成される前記出力取り出し部材が、前記出力軸に軸受を介して相対回転自在に支承されることを第7の特徴とする。
さらに本発明は、第1〜第7の特徴の構成のいずれかに加えて、前記ロック機構が、前記副変速機のケーシングに固定されるラチエット歯と、前記サンギヤの一方向の回転時に前記ラチエット歯に係合するようにして前記サンギヤ側に設けられるラチェット爪とから成ることを第8の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、副変速機が遊星ギヤ機構を備え、主変速機の出力軸から遊星ギヤ機構に入力される動力を、ロック機構によってサンギヤの回転を規制した状態でリングギヤから遊星ギヤおよび遊星キャリアを介して出力取り出し部材に伝達する状態と、遊星ギヤ機構を一体となって回転させるようにして遊星キャリアから出力取り出し部材に伝達する状態とを、出力軸から入力される駆動力の大きさに応じた切換え機構による切換えクラッチの断・接切換えによって行うようにしたので、出力軸から入力される駆動力の大きさによって副変速機での変速比を自動的に切換えることができる。
また本発明の第2の特徴によれば、切換えクラッチが多板クラッチであるので、クラッチ板の結合面積を増加させて比較的大きな駆動力の場合でも外径の小さな切換えクラッチとすることができ、副変速機ひいては変速装置の小型化を図ることができる。
本発明の第3の特徴によれば、クラッチインナおよび出力軸が、傾斜スプラインを介して接続されるようにして切換え機構を構成するので、簡単な構造で切換え機構を構成することができ、切換え機構の配置による副変速機の大型化を抑制することができる。
本発明の第4の特徴によれば、切換えクラッチがクラッチインナおよびクラッチアウタ間を接続する側にクラッチインナを付勢する付勢手段を備え、切換え機構が、出力軸から入力される駆動力を切換えクラッチのクラッチインナおよびクラッチアウタ間を遮断する側にクラッチインナを押圧する力に変換するので、切換えクラッチの付勢手段の付勢力が切換え機構に及ぶようにして部品点数の増加を抑制することができる。
本発明の第5の特徴によれば、遊星キャリアの一部を構成するキャリア構成部材がクラッチアウタに一体に成形されるので、部品点数の低減を図ることができる。
本発明の第6の特徴によれば、出力取り出し部材に固設されるドライブスプロケットを主変速機との間に挟むようにして副変速機が配置されるので、副変速機を有することなく主変速機のみを有する車両に対して、副変速機を追加することでドライブスプロケットの位置を大きく変える必要がなく、したがって完成車としてのレイアウトを大きく変えることが不要となる。
本発明の第7の特徴によれば、円筒状の出力取り出し部材が出力軸に軸受を介して相対回転自在に支承されるので、出力取り出し部材を支持するための軸を特別に設ける必要がなく、部品点数の増加を回避して変速装置の小型化を図ることができる。
さらに本発明の第8の特徴によれば、ロック機構を、ケーシング側のラチエット歯と、サンギヤ側のラチェット爪とで構成するようにして、簡単かつコンパクトにロック機構を構成することができ、変速装置の大型化を抑制することができる。
自動二輪車の側面図である。 図1の2ー2線に沿うパワーユニットの断面図である。 図2の要部拡大図である。 図3の4ー4線断面図である。
本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお以下の説明で、前後、左右および上下は、自動二輪車に乗車した乗員から見た方向を言うものとする。
先ず図1において、この自動二輪車の車体フレームFは、フロントフォーク5を操向可能に支承するヘッドパイプ6と、該ヘッドパイプ6から後下がりに延びるメインフレーム7と、メインフレーム7の後部に連設されて後上がりに延びる左右一対のリヤフレーム8…とを備え、前記フロントフォーク5の下端に前輪WFが軸支され、フロントフォーク5の上部にはバー状の操向ハンドル9が連結される。
メインフレーム7の中間部両側面にはハンガプレート10…がそれぞれ固着され、メインフレーム7の後部両側面にピボットプレート11…が固着される。前記ピボットプレート11…には、リヤフォーク12の前端部が上下に揺動可能に支承されており、リヤフォーク12の後端に後輪WRが軸支される。また車体フレームFにおけるリヤフレーム8…およびリヤフォーク12間にはリヤクッション13が設けられる。
前記後輪WRを駆動する動力を発揮するパワーユニットPは、前記車体フレームFに搭載されるエンジンEと、該エンジンEのクランクケース18内に一部が収容される変速装置15(図2参照)とで構成されるものであり、シリンダ軸線をわずかに前上がりとしたエンジンEが前記メインフレーム7の下方に配置され、このエンジンEは、前記ハンガプレート10…およびピボットプレート11…で支持されるようにして車体フレームFに懸架される。また前記パワーユニットPの上方には乗車用シート14が配置される。
図2を併せて参照して、前記エンジンEのエンジン本体16は、車幅方向に延びるクランクシャフト17を回転自在に支承するクランクケース18と、前記クランクシャフト17に連接されるピストン21を摺動自在に嵌合させるシリンダボア22を有して前記クランクケース18に結合されるシリンダブロック19と、前記ピストン21の頂部を臨ませる燃焼室23を前記シリンダブロック19との間に形成するようにしてシリンダブロック19に結合されるシリンダヘッド20とを備える。
前記クランクケース18から左側方に突出したクランクシャフト17の一端部には、発電機24のアウターロータ25が固定され、前記発電機24を覆う発電機カバー26が前記クランクケース18の左側に結合される。
前記発電機24および前記クランクケース18間で前記クランクシャフト17には、前記シリンダヘッド20側に配設される動弁機構(図示せず)にクランクシャフト17の回転動力を伝達する調時伝動機構27の一部を構成する駆動スプロケット28が固定される。また前記駆動スプロケット28を前記クランクケース18との間に挟む位置に配置されるスタータドリブンギヤ29が、前記クランクシャフト17に相対回転自在に支承されており、このスタータドリブンギヤ29は一方向クラッチ30を介して前記発電機24のアウターロータ25に連結される。而して前記スタータドリブンギヤ29は、エンジン本体16に配設されるスタータモータ(図示せず)に連動、連結されるものであり、スタータモータからの始動用回転動力は、スタータドリブンギヤ29、一方向クラッチ30およびアウターロータ25を介してクランクシャフト17に伝達されることになる。
クランクケース18から右側方に突出したクランクシャフト17の他端部には、該クランクシャフト17を同軸に囲繞する円筒状の筒軸33が相対回転自在に装着されており、クランクシャフト17は遠心クラッチ34を介して前記筒軸33に連結される。
前記変速装置15は、エンジンEから動力が伝達される入力軸38からの回転動力を回転数差が生じるように変速して出力軸39に伝達する主変速機35と、後輪WRに連動、連結される出力取り出し部材40を有するとともに前記主変速機35の前記出力軸39から入力される動力を回転数差が生じるように変速して前記出力取り出し部材40に伝達し得る副変速機36とを備え、前記主変速機35は前記クランクケース18内に収容され、前記副変速機36は、前記クランクケース18に連設されて該クランクケース18の左側方に配置されるケーシング37内に収容される。
前記主変速機35は、前記クランクシャフト17と平行な軸線まわりに回転することを可能として前記クランクケース18に回転自在に支承される入力軸38および出力軸39間に、選択的に確立可能な複数変速段の歯車列、たとえば第1速〜第4速歯車列G1,G2,G3,G4が設けられて成る。
前記遠心クラッチ34を介して前記クランクシャフト17に連結される前記筒軸33は、一次減速装置41、ダンパラバー42および多板クラッチ43を介して前記主変速機35の入力軸38に連結される。
前記一次減速装置41は、前記筒軸33に設けられる駆動歯車44と、該駆動歯車44に噛合する被動歯車45とから成るものであり、被動歯車45は、前記クランクケース18の右側壁からの前記入力軸38の突出部に相対回転自在に支承される。前記多板クラッチ43は、前記一次減速装置41の被動歯車45にダンパラバー42を介して連結されるクラッチアウタ46と、前記入力軸38に固定されるクラッチインナ47とを備える。
図3を併せて参照して、前記ケーシング37は、前記クランクケース18の左側壁に一体に連設されるケース半体49と、そのケース半体49に外側方から結合されるケース半体50とで構成され、前記クランクケース18の左側壁をボールベアリング52および環状のシール部材53を介して回転自在に貫通した前記出力軸39は、前記ケース半体49を回転自在に貫通して前記ケーシング37内に突入される、このケーシング37内で前記出力軸39の端部は前記ケース半体50にボールベアリング51を介して回転自在に支承される。
前記副変速機36は、前記出力軸39と同軸に配置されるサンギヤ58、該サンギヤ58を同軸に囲繞するリングギヤ59、前記サンギヤ58および前記リングギヤ59に噛合する複数の遊星ギヤ60…、ならびに複数の遊星ギヤ…を回転自在に保持するとともに前記出力取り出し部材40に連動、連結される遊星キャリア61を備える遊星ギヤ機構54と、前記サンギヤ58の一方向の回転を規制するロック機構55と、前記出力軸39および前記リングギヤ59間を常時接続するとともに前記出力軸39および前記遊星キャリア61間の動力伝達を断・接可能な切換えクラッチ56と、前記出力軸39および前記遊星キャリア61間の動力伝達の前記切換えクラッチ56による断・接を前記出力軸39から入力される駆動力の大きさに応じて自動的に行わせるようにした切換え機構57とを備える。
前記切換えクラッチ56は、前記リングギヤ59および前記出力軸39とともに回転するクラッチインナ63と、前記遊星キャリア61とともに回転するクラッチアウタ64と、前記クラッチインナ63に係合する複数たとえば2枚の第1クラッチ板65,65と、それらの第1クラッチ板65…と交互に配置されて前記クラッチアウタ64に係合される複数枚たとえば3枚の第2クラッチ板66,66,66と、前記クラッチインナ63および前記クラッチアウタ64間を接続する側に前記クラッチインナ63を付勢する付勢手段である皿ばね67とを有する。
交互に配置される第1および第2クラッチ板65…,66…は、押圧板68および受圧板69間に挟まれており、前記クラッチアウタ64に装着される止め輪70と、前記押圧板68との間に、前記皿ばね67と、スラストベアリング71とが介装される。また前記受圧板69は、前記皿ばね67で付勢される第1および第2クラッチ板65…,66…を受けるように配置されており、第1および第2クラッチ板65…,66…とは反対側から前記受圧板69に係合する止め輪72が前記クラッチアウタ64に装着される。
また前記クラッチインナ63の外周には、前記皿ばね67と反対側から前記押圧板68の内周部に対向する環状の押圧段部73が形成されており、前記クラッチインナ63が前記皿ばね67側に移動すると、前記押圧段部73が前記押圧板68の内周に当接し、第1および第2クラッチ板65…,66…の摩擦係合を解除する側に皿ばね67の付勢力に抗して押圧板68が移動し、クラッチインナ63およびクラッチアウタ64間の動力伝達が遮断される。
前記切換え機構57は、前記クラッチインナ63および前記出力軸39が、傾斜スプライン74を介して接続されて成るものであり、前記傾斜スプライン74の傾斜角度が、前記出力軸39から入力される駆動力を前記クラッチインナ63および前記クラッチアウタ64間を遮断する側に前記クラッチインナ63を押圧する力に変換するように設定される。すなわち前記出力軸39から前記クラッチインナ63に入力される駆動力は、前記押圧段部73で前記押圧板68を皿ばね67の付勢力に抗して矢印75で示す方向に押圧する力に変換される。
前記リングギヤ59は、前記クラッチインナ63に一体に形成される。また前記遊星キャリア61は、前記遊星ギヤ60…を相互間に挟む一対の支持板76,77が、複数の前記遊星ギヤ60…を個別に回転自在に支持する軸部材78…を介して連結されて成るものであり、この遊星キャリア61の一部を構成するキャリア構成部材である一方の前記支持板76が前記クラッチアウタ64に一体に形成される。
前記出力取り出し部材40は、前記出力軸39を同軸に囲繞する円筒状に形成されており、前記出力軸39に軸受である一対のニードルエアリング79,79を介して回転自在に支承され、前記ケーシング37のケース半体49を回転自在に貫通し、該ケース半体49および前記出力取り出し部材40間には環状のシール部材80が介装される。
前記ケーシング37内で前記出力取り出し部材40の端部には円筒状のボス部材81が相対回転不能に結合されており、このボス部材81に、前記遊星キャリア61における支持板77が固定される。すなわち出力取り出し部材40は前記遊星キャリア61とともに回転する。
図4を併せて参照して、前記サンギヤ58は、前記出力取り出し部材40に相対回転自在に支承されており、このサンギヤ58の一方向の回転を規制するロック機構55は、副変速機36のケーシング37におけるケース半体49の内面に固定されるリング状のラチェット部材82の内周に設けられる複数のラチェット歯83,83…と、それらのラチェット歯83,83…に係合することを可能として前記サンギヤ58側に設けられる複数のラチェット爪84,84…とから成る。
前記サンギヤ58には円板状の回転板86が固着されており、この回転板86に枢軸87,87…を介して前記ラチェット爪84,84…が回動可能に支持されており、前記サンギヤ58および前記回転板86が、図4の矢印88で示す一方向に回転する際に前記ラチェット爪84,84…が前記ラチェット歯83,83…に係合することで前記サンギヤ58の回転が規制される。
ところで前記切換えクラッチ56が遮断状態となったときに遊星ギヤ機構54では、切換えクラッチ56のクラッチインナ63とともにリングギヤ59が回転すると、遊星ギヤ60…を介してサンギヤ58には、リングギヤ59とは逆方向に回転させようとする力が作用するが、前記ロック機構55が規制するサンギヤ58の前記一方向88は、前記リングギヤ59とは逆方向の回転方向である。
前記クランクケース17および前記ケーシング37間で前記出力取り出し部材40の端部および前記クランクケース14の左側壁間にはワッシャ90が介装され、前記出力取り出し部材40の端部および前記出力軸39間には環状のシール部材89が介装される。
また前記クランクケース17および前記ケーシング37間で前記出力取り出し部材40の外周には、前記後輪WRに動力を伝達するドライブチェーン92が巻き掛けられるドライブスプロケット91が固設されるものであり、この実施の形態では前記出力取り出し部材40にドライブスプロケット91が一体に形成される。このようなドライブスプロケット91の配置ににより、前記副変速機36は、前記ドライブスプロケット91を前記主変速機35との間に挟む位置に配置されることになる。
次にこの実施の形態の作用について説明すると、主変速機35とともに変速装置15を構成するとともに後輪WRに連動、連結される出力取り出し部材40を有する副変速機36が、主変速機35の出力軸39と同軸に配置されるサンギヤ58、該サンギヤ58を同軸に囲繞するリングギヤ59、前記サンギヤ58および前記リングギヤ59に噛合する複数の遊星ギヤ60…、ならびに複数の遊星ギヤ60…を回転自在に保持する遊星キャリア61を備える遊星ギヤ機構54と、前記サンギヤ58の一方向の回転を規制するロック機構55と、前記出力軸39および前記リングギヤ59間を常時接続するとともに前記出力軸39および前記遊星キャリア61間の動力伝達を断・接可能な切換えクラッチ56と、前記出力軸39および前記遊星キャリア61間の動力伝達の前記切換えクラッチ56による断・接を前記出力軸39から入力される駆動力の大きさに応じて自動的に行わせるようにした切換え機構57とを備え、前記出力軸39から前記遊星キャリア61を介して前記出力取り出し部材40に動力を伝達するように構成される。
したがって副変速機36では、主変速機35の出力軸39から遊星ギヤ機構54に入力される動力を、ロック機構55によってサンギヤ58の回転を規制した状態でリングギヤ59から遊星ギヤ60…および遊星キャリア61を介して出力取り出し部材40に伝達する状態と、遊星ギヤ機構54を一体となって回転させるようにして遊星キャリア61から出力取り出し部材40に伝達する状態とを、出力軸39から入力される駆動力の大きさに応じた切換え機構57による切換えクラッチ56の断・接切換えによって行うことになり、出力軸39から入力される駆動力の大きさによって副変速機36での変速比を自動的に切換えることができる。
また前記切換えクラッチ56が、前記リングギヤ59および前記出力軸39とともに回転するクラッチインナ63と、前記遊星キャリア61とともに回転するクラッチアウタ64と、前記クラッチインナ63に係合する複数枚の第1クラッチ板65…と、それらの第1クラッチ板65…と交互に配置されて前記クラッチアウタ64に係合される複数枚の第2クラッチ板66…とを有する多板クラッチであるので、クラッチ板65…,66…の結合面積を増加させて比較的大きな駆動力の場合でも外径の小さな切換えクラッチ56とすることができ、副変速機36ひいては変速装置15の小型化を図ることができる。
また前記切換え機構57は、前記クラッチインナ63および前記出力軸39が、傾斜スプライン74を介して接続されて成るので、簡単な構造で切換え機構57を構成することができ、切換え機構57の配置による副変速機36の大型化を抑制することができる。
また前記切換えクラッチ56は、前記クラッチインナ63および前記クラッチアウタ64間を接続する側に前記クラッチインナ63を付勢する皿ばね67を備え、前記傾斜スプライン74の傾斜角度が、前記出力軸39から入力される駆動力を前記クラッチインナ63および前記クラッチアウタ64間を遮断する側に前記クラッチインナ63を押圧する力に変換するように設定されるので、切換えクラッチ56の皿ばね67の付勢力が切換え機構57に及ぶようにして部品点数の増加を抑制することができる。
また前記クラッチアウタ64に、前記遊星キャリア61の一部を構成する支持板76が一体に成形されるので、部品点数の低減を図ることができる。
また前記後輪WRに動力を伝達するドライブチェーン92が巻き掛けられるドライブスプロケット91が前記出力取り出し部材40に固設され、前記副変速機36が、前記ドライブスプロケット91を前記主変速機35との間に挟む位置に配置されるので、副変速機を有することなく主変速機35のみを有するこれまでの車両に対して、副変速機36を追加することでドライブスプロケット91の位置を大きく変える必要がなく、したがって完成車としてのレイアウトを大きく変えることが不要となる。
また前記出力軸39を同軸に囲繞する円筒状に形成される前記出力取り出し部材40が、前記出力軸39に一対のニードルベアリング79,79を介して相対回転自在に支承されるので、出力取り出し部材40を支持するための軸を特別に設ける必要がなく、部品点数の増加を回避して変速装置15の小型化を図ることができる。
さらに前記ロック機構55が、前記副変速機36のケーシング37に固定されるラチエット歯83,83…と、前記サンギヤ54の一方向の回転時に前記ラチエット歯83,83…に係合するようにして前記サンギヤ54側に設けられるラチェット爪84,84…とから成るので、簡単かつコンパクトにロック機構55を構成することができ、変速装置15の大型化を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
15・・・変速装置
35・・・主変速機
36・・・副変速機
38・・・入力軸
39・・・出力軸
40・・・出力取り出し部材
54・・・遊星ギヤ機構
55・・・ロック機構
56・・・切換えクラッチ
57・・・切換え機構
58・・・サンギヤ
59・・・リングギヤ
60・・・遊星ギヤ
61・・・遊星キャリア
63・・・クラッチインナ
64・・・クラッチアウタ
65・・・第1クラッチ板
66・・・第2クラッチ板
67・・・付勢手段である皿ばね
74・・・傾斜スプライン
76・・・キャリア構成部材である支持板
79・・・軸受であるニードルベアリング
83・・・ラチエット歯
84・・・ラチェット爪
91・・・ドライブスプロケット
92・・・ドライブチェーン
E・・・エンジン
P・・・パワーユニット
WR・・・駆動輪である後輪

Claims (8)

  1. 車両に搭載されるエンジン(E)からの動力を変速して出力軸(39)に伝達する主変速機(35)と、駆動輪(WR)に連動、連結される出力取り出し部材(40)を有するとともに前記主変速機(35)の前記出力軸(39)から入力される動力を回転数差が生じるように変速して前記出力取り出し部材(40)に伝達し得る副変速機(36)とを備える車両用パワーユニットの変速装置において、前記副変速機(36)が、前記主変速機(35)の前記出力軸(39)と同軸に配置されるサンギヤ(58)、該サンギヤ(58)を同軸に囲繞するリングギヤ(59)、前記サンギヤ(58)および前記リングギヤ(59)に噛合する複数の遊星ギヤ(60)、ならびに複数の遊星ギヤ(60)を回転自在に保持する遊星キャリア(61)を備える遊星ギヤ機構(54)と、前記サンギヤ(58)の一方向の回転を規制するロック機構(55)と、前記出力軸(39)および前記リングギヤ(59)間を常時接続するとともに前記出力軸(39)および前記遊星キャリア(61)間の動力伝達を断・接可能な切換えクラッチ(56)と、前記出力軸(39)および前記遊星キャリア(61)間の動力伝達の前記切換えクラッチ(56)による断・接を前記出力軸(39)から入力される駆動力の大きさに応じて自動的に行わせるようにした切換え機構(57)とを備え、前記出力軸(39)から前記遊星キャリア(61)を介して前記出力取り出し部材(40)に動力を伝達するように構成されることを特徴とする車両用パワーユニットの変速装置。
  2. 前記切換えクラッチ(56)が、前記リングギヤ(59)および前記出力軸(39)とともに回転するクラッチインナ(63)と、前記遊星キャリア(61)とともに回転するクラッチアウタ(64)と、前記クラッチインナ(63)に係合する複数枚の第1クラッチ板(65)と、それらの第1クラッチ板(65)と交互に配置されて前記クラッチアウタ(64)に係合される複数枚の第2クラッチ板(66)とを有する多板クラッチであることを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニットの変速装置。
  3. 前記切換え機構(57)は、前記クラッチインナ(63)および前記出力軸(39)が、傾斜スプライン(74)を介して接続されて成ることを特徴とする請求項1または2記載の車両用パワーユニットの変速装置。
  4. 前記切換えクラッチ(56)は、前記クラッチインナ(63)および前記クラッチアウタ(64)間を接続する側に前記クラッチインナ(63)を付勢する付勢手段(67)を備え、前記傾斜スプライン(74)の傾斜角度が、前記出力軸(39)から入力される駆動力を前記クラッチインナ(63)および前記クラッチアウタ(64)間を遮断する側に前記クラッチインナ(63)を押圧する力に変換するように設定されることを特徴とする請求項3記載の車両用パワーユニットの変速装置。
  5. 前記クラッチアウタ(64)に、前記遊星キャリア(61)の一部を構成するキャリア構成部材(76)が一体に成形されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の車両用パワーユニットの変速装置。
  6. 前記駆動輪(WR)に動力を伝達するドライブチェーン(92)が巻き掛けられるドライブスプロケット(91)が前記出力取り出し部材(40)材に固設され、前記副変速機(36)が、前記ドライブスプロケット(91)を前記主変速機(35)との間に挟む位置に配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用パワーユニットの変速装置。
  7. 前記出力軸(39)を同軸に囲繞する円筒状に形成される前記出力取り出し部材(40)が、前記出力軸(39)に軸受(79)を介して相対回転自在に支承されることを特徴とする請求項6記載の車両用パワーユニットの変速装置。
  8. 前記ロック機構(55)が、前記副変速機(36)のケーシング(37)に固定されるラチエット歯(83)と、前記サンギヤ(58)の一方向の回転時に前記ラチエット歯(83)に係合するようにして前記サンギヤ(58)側に設けられるラチェット爪(84)とから成ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用パワーユニットの変速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023178815A1 (zh) * 2022-03-21 2023-09-28 赫菲斯科技(深圳)有限公司 一种含有行星轮系的新型传动机构、系统及变速器

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