JP2014190382A - 車両用自動変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両用自動変速機は、4個の回転要素を有する第1遊星歯車群1と3個の回転要素を有する第2遊星歯車組2を備える。これらの回転要素を第1、第2遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて共通速度線図上に並べ、第1要素〜第7要素とする。入力軸Iを第1クラッチ3で第1要素11に、また第2クラッチ4で第5要素21に、また第3クラッチ5で第3要素12にそれぞれ連結可能とし、出力部材9を第2要素14に常時連結し、第3要素12を第1ブレーキ6で静止部8に固定可能にし、第4要素16を第6要素24に常時連結し、第5要素21または第6要素24の一方を第2ブレーキ7で静止部8に固定可能とし、第7要素22を静止部8に常時固定した。
【選択図】図1
Description
上記従来の車両用自動変速機にあっては、レシオ・カバーレッジ(全変速比幅、すなわち前進1速のギヤ比を最高変速段のギヤ比で割った値)が6.1と小さい。そこで、このレシオ・カバーレッジをより拡大した値に設定しようとすると、この場合、適切な段間比(隣合う変速比間でのギヤ比間の比)が得られないといった問題がある。
入力軸と、
出力部材と、
静止部と、
第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、および第4回転要素の4個の回転要素を有する第1遊星歯車群と、
第5回転要素、第6回転要素、および第7回転要素の3個の回転要素を有する第2遊星歯車組と、
第1クラッチ、第2クラッチ、第3クラッチ、第1ブレーキ、および第2ブレーキの5個の摩擦締結要素と、
を備え、
第1遊星歯車群の4個の回転要素を、共通速度線図上で第1遊星歯車群の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第1要素、第2要素、第3要素、第4要素とし、
第2遊星歯車組の3個の回転要素を、共通速度線図上で第2遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第5要素、第6要素、第7要素とし、
入力軸を、第1クラッチの締結により第1要素に、また第2クラッチの締結により第5要素に、また第3クラッチの締結により第3要素にそれぞれ連結可能とし、
出力部材を、第2要素に常時連結し、
第3要素を、第1ブレーキの締結により静止部に固定可能にし、
第4要素を、第6要素に常時連結し、
第5要素または第6要素の一方を、第2ブレーキの締結により静止部に固定可能とし、
第7要素を、静止部に常時固定した、
ことを特徴とする。
第1遊星歯車群が、ラビニョ・タイプの遊星歯車組である、
ことを特徴とする。
第1クラッチが、第1速〜第4速で締結し、
第2クラッチが、第3速、第5速、および後進で締結し、
第3クラッチが、第4側〜第6速で締結し、
第1ブレーキが、第1速、および後進で締結し、
第2ブレーキが、第2速、および第6速で締結する、
ことを特徴とする。
第1要素が、第1遊星歯車群のシングル・ピニオン側の第1サン・ギヤであり、
第2要素が、第1遊星歯車群のピニオン・キャリヤであり、
第3要素が、第1遊星歯車群のリング・ギヤであり、
第4要素が、第1遊星歯車群のダブル・ピニオン側の第2サン・ギヤであり、
第5要素が、第2遊星歯車組のサン・ギヤであり、
第6要素が、第2遊星歯車組のピニオン・キャリヤであり、
第7要素が、第2遊星歯車組のリング・ギヤである、
ことを特徴とする。
この実施例1の車両用自動変速機は、エンジン前置き前輪駆動車やエンジン後置き後輪駆動車といった、いわゆるエンジン横置きタイプの車両に適用される。
図1に、実施例1の車両用自動変速機のスケルトンを示す。なお、図1では、自動変速機の入力軸Iの中心軸から上半分のみを描いてあり、下半分は上半分と軸対称なので図示を省略している。
入力軸Iは、図示しないエンジンに図示しないトルク・コンバータ等を介して連結可能であり、出力部材9は、入力軸Iと同軸に配置され、図示しない伝達歯車や差動歯車装置を介して駆動輪に連結されている。
ダブル・ピニオン側の遊星歯車組は、第2サン・ギヤ16と、リング・ギヤ12(シングル・ピニオン側の遊星歯車組のリング・ギヤ12と共通)と、第2サン・ギヤ15に噛み合うインナ・ピニオン15と、これとリング・ギヤ12とにかみ合うアウタ・ピニオン13(シングル・ピニオン側の遊星歯車組のピニオン13と共通)と、アウタ・ピニオン13およびインナ・ピニオン15を回転自在に指示するピニオン・キャリヤ14(シングル・ピニオン側の遊星歯車組のピニオン・キャリヤ14と共通)と、を備えている。
また、第1遊星歯車群1のダブル・ピニオン側の遊星歯車組の歯数比α2(第2ギヤ16の歯数/リング・ギヤ12の歯数)は、たとえば0.459に設定してある。
また、第2遊星歯車組2の歯数比α3(サン・ギヤ21の歯数/リング・ギヤ22の歯数)は、たとえば0.658に設定してある。
まず、第1遊星歯車群1にあっては、第1サン・ギヤ11が第1クラッチ3の締結により入力軸Iに連結可能であり、リング・ギヤ12が第3クラッチ5の締結により入力軸Iに連結可能であるとともに第1ブレーキ6の締結により自動変速機のケース8に固定可能であり、ピニオン・キャリヤ14が出力部材9に常時連結され、第2サン・ギヤ16が第2遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に常時連結されている。
作動表は、この横方向には各速度段を第1速〜第6速、および後進を表しており、縦方向には、各摩擦締結要素が並べられている。作動表中、〇印はその摩擦締結要素が締結状態にされることを、また空白はその摩擦締結要素が解放状態であることをそれぞれ示す。
なお、作動表中の下方には、各変速段のギヤ比、自動変速機でのレシオ・カバーレッジR/C、およびリバース/1速のギヤ比間の比(Rev/1st)のそれぞれの値を記載してある。
ここで、共通速度線図とは、縦軸に各回転要素の回転速度を取り、横軸にこれら回転要素を第1遊星歯車群1のシングル・ピニオン側の遊星歯車組の歯数比α1およびダブル・ピニオン側の遊星歯車組の歯数比α2、第2遊星歯車組2の歯数比α3大きさに応じて割り振った線図である。
すなわち、横軸上に、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組の場合には、リング・ギヤ、ピニオン・キャリヤ、サン・ギヤ3個の回転要素の回転速度軸を、この順に(左右いずれの方向でもよい)、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤ間の大きさをこの遊星歯車組の歯数比αとした場合、ピニオン・キャリヤおよびサン・ギヤ間の大きさが1となる割合でそれぞれ離して配置したものである。
この場合、縦軸には、回転速度ゼロより上方にエンジンと同じ回転方向の回転速度をとり、回転速度ゼロより下方にエンジンと逆回転方向の回転速度をとるようにする。
なお、ダブル・ピニオン・タイプの遊星歯車組の場合には、サン・ギヤ、リング・ギヤ、ピニオン・キャリヤの順に(左右いずれの方向でもよい)、上記間隔は同じにして配置する。
また、共通速度線図にあっては、リング・ギヤ、ピニオン、サン・ギヤのそれぞれの噛み合い関係は歯と歯とが1対1で噛み合うリニアな関係となるので、各回転要素の回転速度を結ぶと直線関係となる。
すなわち、速度軸は、第1遊星歯車群1では、第1サン・ギヤ11(本発明の第1要素)の回転速度軸がS1に相当し、リング・ギヤ12(本発明の第3要素)の回転速度軸がR1に相当し、ピニオン・キャリヤ14(本発明の第2要素)の回転速度軸がC1に相当し、第2サン・ギヤ(本発明の第4要素)の回転速度軸がS2に相当する。
また、第2遊星歯車組2では、サン・ギヤ21(本発明の第5要素)の回転速度軸がS3に相当し、リング・ギヤ22(本発明の第7要素)の回転速度軸がR3に相当し、ピニオン・キャリヤ24(本発明の第6要素)の回転速度軸がC3に相当する。
なお、図3〜図9の各共通速度線図において、入力は○で、また出力は△で表してある。入力軸Iの回転速度は、ギヤ比の計算を容易にするため、共通速度線図では1としてある。また、以下の各変速段でのギヤ比は、α1〜α3をそれぞれ上記のように0.355、0.459、0.658に設定した場合の値である。
なお、エンジンが稼働している間であっても、上記NやPのセレクト位置にあるときは、第1〜第3クラッチ3〜5が解放されているので、第1遊星歯車群1および第2遊星歯車組2の回転要素は回転駆動されることはない。
すなわち、第1速では、第1クラッチ3および第1ブレーキ6が締結される。
したがって、図3に示すように、第1遊星歯車群1では、第1サン・ギヤ11が第1クラッチ3の締結により入力軸Iに連結されて入力軸Iと同じ回転方向に同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ12が第1ブレーキ6の締結によりケース8に固定されて回転速度0となる。したがって、これらを通る直線とピニオン・キャリヤ14および第2サン・ギヤ16の回転速度軸C1、S2との交差点が、ピニオン・キャリヤ14、第2サン・ギヤ16の回転速度となる。
この場合、ピニオン・キャリヤ14は、エンジンと同じ回転方向に減速回転速度で回転し、第2サン・ギヤ16は、エンジンとは逆方向に減速回転速度で回転する。
この結果、ピニオン・キャリヤ14と一体の出力部材9は、エンジンと同じ回転方向に、減速回転速度である第1速(ギヤ比3.814)で回転する。
なお、第2遊星歯車組2では、リング・ギヤ22がケース8に常時固定されて回転速度が0で、ピニオン・キャリヤ24が第1遊星歯車群1の第2サン・ギヤ21に連結されてエンジンとは逆回転方向に減速回転速度で回転する。したがって、サン・ギヤ21は、エンジンとは逆回転方向にピニオン・キャリヤ24より早い減速回転速度で回転する。
すなわち、第2遊星歯車組2では、サン・ギヤ21が第2ブレーキ7の締結によりケース8に固定されて回転速度0であり、リング・ギヤ22が常時ケース8に固定されて回転速度0であるので、これらを通る直線とピニオン・キャリヤ24の回転速度軸C3との交差点がピニオン・キャリヤ24の回転速度となる。この場合、ピニオン・キャリヤ24の回転速度は、0となる。
一方、第1遊星歯車群1では、第1サン・ギヤ11が第1クラッチ3の締結により入力軸Iに連結さえてこれと同じ回転方向に同じ回転速度で回転し、第2サン・ギヤ16が第2遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に連結されてこれと同じ回転速度、すなわち回転速度0となる。したがって、これらを通る直線とピニオン・キャリヤ14およびリング・ギヤ12の回転速度軸C1、 R1と交差する点が、ピニオン・キャリヤ14およびリング・ギヤ12の回転速度になる。
この場合、ピニオン・キャリヤ14は、エンジンと同じ回転方向に減速回転速度で回転し、リング・ギヤ12は、エンジンと同じ回転方向にピニオン・キャリヤ14より遅い減速回転速度で回転する。
この結果、ピニオン・キャリヤ14と一体の出力部材9は、エンジンと同じ回転方向に第1速時より早い減速回転速度である第2速(ギヤ比2.293)で回転する。
すなわち、第2遊星歯車組2では、リング・ギヤ22がケース8に常時固定で回転速度0であり、サン・ギヤ21が第2クラッチ4の締結により入力軸Iに連結されてこれと同じ回転方向に同じ回転速度で回転するので、これらを通る直線とピニオン・キャリヤ24の回転速度軸C3との交差点が、ピニオン・キャリヤ24の回転速度となる。
この場合、ニオン・キャリヤ24の回転速度は、エンジンと同じ回転方向に減速回転底度で回転する。
一方、第1遊星歯車群1では、第1サン・ギヤ11が第1クラッチ3の締結により入力軸Iと同じ回転方向に同じ回転速度で回転し、第2サン・ギヤ16が第2遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に連結されてこれと同じ回転方向に同じ減速回転速度で回転する。したがって、これらを通る直線とピニオン・キャリヤ14およびリング・ギヤ12の回転速度軸C1、 R1との交差点が、ピニオン・キャリヤ14、リング・ギヤ12の回転速度になる。
この場合、ピニオン・キャリヤ14は、エンジンと同じ回転方向に第2速時より早い減速回転速度で回転し、リング・ギヤ12は、エンジンと同じ回転方向にピニオン・キャリヤ14より遅い減速回転速度で回転する。
この結果、ピニオン・キャリヤ14と一体の出力部材9は、エンジンと同じ回転方向に第2速時より早い減速回転速度である第3速(ギヤ比1.515)で回転する。
すなわち、第1遊星歯車群1では、第1サン・ギヤ11が第21ラッチ3の締結により入力軸Iと同じ回転方向に同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ12が第3クラッチ5の締結により入力軸Iに連結されてこれと同じ回転方向に同じ回転速度で回転する。したがって、第1サン・ギヤ11、リング・ギヤ12、ピニオン・キャリヤ14、第2サン・ギヤ16は、すべて入力軸Iと同じ回転方向に同じ回転速度で回転する。
この結果、ピニオン・キャリヤ14と一体の出力部材9は、エンジンと同じ回転方向に直結比である第4速(ギヤ比1.000)で回転する
なお、第2遊星歯車組2では、ピニオン・キャリヤ24が第1遊星歯車群1の第2サン・ギヤ16に連結されてこれと同じ回転方向に同じ回転速度、すなわち入力軸Iと同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ21が第2ブレーキ7の締結によりケース8に固定されて回転速度0である。したがって、これらを通る直線とサン・ギヤ21の回転速度軸S3との交差点が、サン・ギヤ21の回転速度となる。この場合、サン・ギヤ21の回転速度は、エンジンと同じ回転方向に増速回転速度で回転する。
このとき、第2遊星歯車組2は、第3速時と同じ状態である。すなわち、サン・ギヤ21が入力軸Iと同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22が回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が減速回転速度で回転する。
一方、第1遊星歯車群1では、第2サン・ギヤ16が第2遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に連結されてこれと同じ減速回転速度で回転し、リング・ギヤ12が第3クラッチ5の締結により入力軸Iに連結してこれと同じ回転方向に同じ回転速度で回転する。したがって、これらを通る直線とピニオン・キャリヤ14および第1サン・ギヤ11の回転速度軸C1、S1との交差点が、ピニオン・キャリヤ14および第1サン・ギヤ11の回転速度になる。
この場合、第1サン・ギヤ11は、エンジンと同じ回転方向に最も早い増速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ14は、エンジンと同じ回転方向に第1サン・ギヤ11より遅い増速回転速度で回転する。
この結果、ピニオン・キャリヤ14と一体の出力部材9は、エンジンと同じ回転方向に第4速より早い増速回転速度である第5速(ギヤ比0.661)で回転する。
すなわち、第2遊星歯車組2は、第2速時と同じ状態となる。すなわち、リング・ギヤ22がケース8に常時固定されて回転速度0であり、ピニオン・キャリヤ24が第2ブレーキ7の締結によりケース8に固定されて回転速度が0であるので、サン・ギヤ21、ピニオン・キャリヤ24、およびリング・ギヤ22の回転速度は、すべて0である。
一方、第1遊星歯車群1では、第2サン・ギヤ16が第2遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に連結されて回転速度が0であり、リング・ギヤ12が第3クラッチ5の締結により入力軸Iに連結されてこれと同じ回転方向に同じ回転速度で回転する。したがって、これらを通る直線と第1サン・ギヤ11およびピニオン・キャリヤ14の回転速度軸S1、 C1との交差点が、第1サン・ギヤ11およびピニオン・キャリヤ14の回転速度となる。
この場合、第1サン・ギヤ11は、エンジンの回転方向と同じ方向に最速の増速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ14は第1サン・ギヤ11の回転速度より遅いが第5速時より早い増速回転速度で回転する。
この結果、ピニオン・キャリヤ14と一体の出力部材9も、エンジンと同じ回転方向に第5速より早い増速回転速度である第6速(ギヤ比0.541)で回転する。
すなわち、第2遊星歯車組2は、サン・ギヤ21が第2クラッチ7の締結により入力軸Iに連結されてこれと同じ回転方向に同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22がケース8に常時連結されて回転速度が0となる。したがって、これらを通る直線とピニオン・キャリヤ24の回転速度軸C3との交差点が、ピニオン・キャリヤ24の回転速度となる。この場合、ピニオン・キャリヤ24は、エンジンと同じ回転方向に減速回転速度で回転する。
一方、第1遊星歯車群1では、リング・ギヤ12が第1ブレーキ6の締結によりケース8に固定されて回転速度が0であり、第2サン・ギヤ16が第2遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に連結されてエンジンと同じ回転方向に減速回転速度で回転する。したがって、これらを通る直線と第1サン・ギヤ11およびピニオン・キャリヤ14の回転速度軸S1、 C1との交差点が、第1サン・ギヤ1およびピニオン・キャリヤ14の回転速度となる。
この場合、第1サン・ギヤ11は、エンジンとは逆方向に増速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ14は、エンジンとは逆方向に減速回転速度で回転する。
この結果、ピニオン・キャリヤ14と一体の出力部材9は、後進比(ギヤ比-2.965:-はエンジンの回転方向と逆方向を意味する)で回転し、車両を後進させる。
また、段間比は、第1速と第2速との間で1.663、第2速と第3速との間で1.514、第3速と第4速との間で1.515、第4速と第5速との間で1.513、第5速と第6速との間で1.222となって、適切な段間比を得ることができる。
また、リバース/1速のギヤ比間の比(Rev/1st)は0.777となって、発進時と後進時とにあって、アクセル・ペダルの踏込量に対する出力差がそれほど大きくならないので、ドライバーに操作上の違和感をもたせることがない。
実施例1の自動変速機にあっては、第1遊星歯車群1にラビニョ・タイプの遊星歯車組を用い、第2遊星歯車組2にシングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組を用いるとともに、3個のクラッチ3、4、5および2個のブレーキ6、7からなる5個の摩擦締結要素を備えるようにしたので、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組だけの場合に比べて回転要素数や回転要素間を連結するメンバ数を少なくすることができる。したがって、自動変速機の軸方向の寸法が短くなってコンパクトになり、車両への搭載性が向上するとともに、その重量や製造コストも低減することができる。
また、クラッチを3個にしてブレーキを2個に抑えたので、燃費の向上を図ることができる。また、第1クラッチ3、第3クラッチ5および第1ブレーキ6を、また第2クラッチ4と第2ブレーキ7を、それぞれ入れ子状に、すなわち軸上で半径方向に重ねて配置することが可能となるので、自動変速機の軸寸法が短くなり車両搭載性が向上する。
この結果、実施例2の自動変速機も実施例1の自動変速機と同様に作用し、実施例1と同様の効果を得ることができる。
1 第1遊星歯車群
11 第1サン・ギヤ(第1要素)
12 リング・ギヤ(第3要素)
13 ピニオン(アウタ・ピニオン)
14 ピニオン・キャリヤ(第2要素)
15 インナ・ピニオン
16 第2サン・ギヤ(第4要素)
2 第2遊星歯車組
21 サン・ギヤ(第5要素)
22 リング・ギヤ(第7要素)
23 ピニオン
24 ピニオン・キャリヤ(第6要素)
3 第1クラッチ
4 第2クラッチ
5 第3クラッチ
6 第1ブレーキ
7 第2ブレーキ
8 ケース(静止部)
9 出力部材
Claims (4)
- 入力軸と、
出力部材と、
静止部と、
第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、および第4回転要素の4個の回転要素を有する第1遊星歯車群と、
第5回転要素、第6回転要素、および第7回転要素の3個の回転要素を有する第2遊星歯車組と、
第1クラッチ、第2クラッチ、第3クラッチ、第1ブレーキ、および第2ブレーキの5個の摩擦締結要素と、
を備え、
第1遊星歯車群の4個の回転要素を、共通速度線図上で第1遊星歯車群の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第1要素、第2要素、第3要素、第4要素とし、
第2遊星歯車組の3個の回転要素を、共通速度線図上で第2遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第5要素、第6要素、第7要素とし、
前記入力軸は、前記第1クラッチの締結により前記第1要素に、また前記第2クラッチの締結により前記第5要素に、また前記第3クラッチの締結により前記第3要素にそれぞれ連結可能とし、
前記出力部材は、前記第2要素に常時連結し、
前記前記第3要素は、前記第1ブレーキの締結により前記静止部に固定可能にし、
前記第4要素は、前記第6要素に常時連結し、
前記第5要素または前記第6要素の一方は、前記第2ブレーキの締結により前記静止部に固定可能とし、
前記第7要素は、前記静止部に常時固定した、
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1に記載の車両用自動変速機において、
前記第1遊星歯車群は、ラビニョ・タイプの遊星歯車組である、
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両用自動変速機において、
前記第1クラッチは、第1速〜第4速で締結し、
前記第2クラッチは、第3速、第5速、および後進で締結し、
前記第3クラッチは、第4側〜第6速で締結し、
前記第1ブレーキが、第1速、および後進で締結し、
前記第2ブレーキが、第2速、および第6速で締結する、
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用自動変速機において、
前記第1遊星歯車群は、ラビニョ・タイプの遊星歯車組であり、
前記第2遊星歯車組は、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組であり、
前記第1要素は、前記第1遊星歯車群のシングル・ピニオン側の第1サン・ギヤであり、
前記第2要素は、前記第1遊星歯車群のピニオン・キャリヤであり、
前記第3要素が、前記第1遊星歯車群のリング・ギヤであり、
前記第4要素は、前記第1遊星歯車群のダブル・ピニオン側の第2サン・ギヤであり、
前記第5要素は、前記第2遊星歯車組のサン・ギヤであり、
前記第6要素は、前記第2遊星歯車組のピニオン・キャリヤであり、
前記第7要素は、前記第2遊星歯車組のリング・ギヤである、
ことを特徴とする車両用自動変速機。
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