JP5897490B2 - 車両用自動変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用自動変速機に関する。
従来の車両用自動変速機としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来の車両用自動変速機は、3組のシングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組と、2個のクラッチおよび3個のブレーキの油圧作動による摩擦締結要素と、を有し、前進6速後進1速を得るようにしている。
特開2003−240068号公報
しかしながら、上記従来の車両用自動変速機には、以下に説明するような問題がある。
上記従来の車両用自動変速機で各変速段を得るには、上記5個のうち2個の摩擦締結要素に選択的に締結圧を供給し、残り3個の摩擦締結要素は解放状態にしている。この結果、解放状態にある摩擦締結要素が3個、引きずり状態となるため、その分、燃費が悪化するといった問題がある。特に、ブレーキはこの一方の側が自動変速機ケースであるため、潤滑油の排出性がクラッチよりも劣る結果、クラッチに比べて引きずり抵抗が大きくなるが、この従来の自動変速機ではブレーキが3個も用いているため、燃費はさらに悪化することになる。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、解放状態にあって引きずりを発生する摩擦締結要素の個数を低減して燃費を向上させることができるようにした車両用自動変速機を提供することにある。
この目的のため本発明による車両用自動変速機は、
入力軸と、
出力部材と、
静止部と、
1要素、第2要素、第3要素、および第4要素、の4個の回転要素を有する第1遊星歯車組と、
5要素、第6要素、および第7要素の3個の回転要素を有する第2遊星歯車組と、
第1クラッチ、第2クラッチ、第3クラッチ、第1ブレーキ、および第2ブレーキの5個の摩擦締結要素と、
を備え、
第1遊星歯車の4個の回転要素を、共通速度線図上で第1遊星歯車の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第1要素、第2要素、第3要素、第4要素とし、
第2遊星歯車組の3個の回転要素を、共通速度線図上で第2遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第5要素、第6要素、第7要素とし、
入力軸を、第2要素に常時連結し、
出力部材を、第6要素に常時連結し、
第1要素を、第1クラッチの締結により第5要素に連結可能とするとともに、第1ブレーキの締結により静止部に固定可能であり、
第3要素を、第2クラッチの締結により第7要素に連結可能とし、
第4要素を、第3クラッチの締結により第5要素に連結可能とし、
第7要素を第2ブレーキの締結により静止部に固定可能とした、
ことを特徴とする。
また、好ましくは、第1遊星歯車組が、ラビニョ・タイプの遊星歯車組である、
ことを特徴とする。
また、好ましくは、第1クラッチが、第1速、第3速、第4速および第5速で締結し、
第2クラッチが、第3速〜第6速および後進で締結し、
第3クラッチが、第1速、第2速、第4速、第6速および後進で締結し、
第1ブレーキが、第2速、第5速、および第6速で締結し、
第2ブレーキが、第1速〜第3速、および後進で締結する、
ことを特徴とする。
また、好ましくは、第1要素が、第1遊星歯車組の第1サン・ギヤであり、
第2要素が、第1遊星歯車組のピニオン・キャリヤであり、
第3要素が、第1遊星歯車組のリング・ギヤであり、
第4要素が、第1遊星歯車組の第2サン・ギヤであり、
第5要素が、第2遊星歯車組のサン・ギヤであり、
第6要素が、第2遊星歯車組のピニオン・キャリヤであ
第7要素が、第2遊星歯車組のリング・ギヤである、
ことを特徴とする。
本発明は、第1遊星歯車組にラビニョ・タイプの遊星歯車組を用い、第2遊星歯車組にシングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組を用いるとともに、3個のクラッチおよび2個のブレーキからなる5の摩擦締結要素を備えるようにして、3個の摩擦締結要素を締結し、その場合解放する摩擦締結要素は2個としたので、解放されている摩擦締結要素の引きずりによるロスを低減できることとなり、燃費を向上させることができる。この場合、より引きずりが強くなるブレーキが2個と従来技術より少なくなるので、その分、燃費がさらに向上することになる。
また、第1遊星歯車組をラビニョ・タイプの遊星歯車組としたので、6個の回転要素で構成される2組のシングル・ピニオン・タイプのものに比べて回転要素が4個だけで済む上、ピニオン・キャリヤも2個から1個で済む。したがって、要素数の低減により、軸方向の寸法や重量も低減できてコンパクトになり、車両への搭載性が向上するとともにコストも低減することができる。
本発明の実施例1に係る車両用自動変速機のスケルトンを示す図である。 実施例1の車両用自動変速機で用いる摩擦締結要素の作動および各変速段でのギヤを示す作動表を表す図である。 実施例1の車両用自動変速機における、前進第1速での共通速度線図である。 実施例1の車両用自動変速機における、前進第2速での共通速度線図である。 実施例1の車両用自動変速機における、前進第3速での共通速度線図である。 実施例1の車両用自動変速機における、前進第4速での共通速度線図である。 実施例1の車両用自動変速機における、前進第5速での共通速度線図である。 実施例1の車両用自動変速機における、前進第6速での共通速度線図である。 実施例1の車両用自動変速機における、後進での共通速度線図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
まず、実施例1の車両用自動変速機の全体構成を説明する。
この実施例1の車両用自動変速機は、エンジン前置き前輪駆動車やエンジン後置き後輪駆動車の、いわゆるエンジン横置きタイプに適用される。
図1に、実施例1の車両用自動変速機のスケルトンを示す。なお、図1では、中心軸(入力軸Iの中心軸を通る軸)から上半分を描いてあり、下半分は省略している。
同図に示すように、実施例1の車両用自動変速機は、入力軸Iと、出力部材9と、第1遊星歯車組1と、第2遊星歯車組2と、第1クラッチ、第2クラッチ4、第3クラッチの3個のクラッチ、第1ブレーキ、および第2ブレーキからなる油圧作動の摩擦締結要素と、自動変速機のケース(本発明の静止部に相当)8と、を備えている。
入力軸Iは、図示しないエンジン(本発明の駆動源に相当)にトルク・コンバータ等を介して連結可能であり、出力部材は、図示しない伝達歯車や差動歯車装置を介して駆動輪に連結されている。
第1遊星歯車組1は、いわゆるラビニョ・タイプの遊星歯車組であって、本実施例1ではシングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組とダブル・ピニオン・タイプの遊星歯車組とが、リング・ギヤとピニオン・キャリヤとが共通にされて組み合わされ、第1サン・ギヤ11、第2サン・ギヤ16、第1ピニオン・キャリヤ15、第1リング・ギヤ12の4個の回転要素を有する歯車組で構成されている。
すなわち、第1遊星歯車組1は、中心側で軸方向に互いに離間されて配置された第1サン・ギヤ11と、第2サン・ギヤ16と、第1サン・ギヤ11の外周側でこれと噛み合う複数の第1アウタ・ピニオン13と、第1アウタ・ピニオン13および第2サン・ギヤ16に噛み合う複数の第1インナ・ピニオン14と、第1アウタ・ピニオン13および第1インナ・ピニオン14を回転自在に支持する第1ピニオン・キャリヤ15と、第1アウタ・ピニオン13に噛み合う第1リング・ギヤ12と、を有している。
上述したように共通化された回転要素は、第1リング・ギヤ12が第1遊星歯車組1のダブル・ピニオン・タイプ側の第2リング・ギヤを兼ね、また第1ピニオン・キャリヤ15が第1遊星歯車組1のダブル・ピニオン・タイプ側の第2ピニオン・キャリヤを兼ねている。
なお、第1遊星歯車組1のシングル・ピニオン・タイプ側の歯数比α1(第1サン・ギヤ11の歯数比/第1リング・ギヤ12の歯数比)は、たとえば0.493に設定してある。
また、第1遊星歯車組1のダブル・ピニオン・タイプ側の歯数比α2(第2サン・ギヤ16の歯数比/第1リング・ギヤ12の歯数比)は、たとえば0.534に設定してある。
一方、第2遊星歯車組2は、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組であって、3個の回転要素、すなわち、中心側に配置された第3サン・ギヤ21と、この半径方向外側に配置された第3リング・ギヤ22と、第3サン・ギヤ21および第3リング・ギヤ22の間に配置されてこれら両方に噛み合う複数の第3ピニオン23を回転自在に支持する第3ピニオン・キャリヤ24と、を有している。
ここで、第2遊星歯車組2の歯数比α3(第3サン・ギヤ21の歯数比/第3リング・ギヤ22の歯数比)は、たとえば0.327に設定してある。
上記第1遊星歯車組1および第2遊星歯車組2の各回転要素は、以下に説明するようにそれぞれ連結、連結可能、固定可能とされる。
まず、第1遊星歯車組1にあっては、第1サン・ギヤ11が第1クラッチの締結により第3サン・ギヤ21に連結可能であるとともに、第1リング・ギヤ12が第2クラッチ4の締結により第3リング・ギヤ22に連結可能であり、第1ピニオン・キャリヤ15が入力軸Iに常時連結され、第2サン・ギヤ16が第3クラッチの締結により第3サン・ギヤ21に連結可能である。
第2遊星歯車組2にあっては、第3サン・ギヤ21が、上述のように、第1クラッチの締結により第1サン・ギヤ11に連結可能であるとともに、第3クラッチの締結により第2サン・ギヤ16に連結可能である。また、第3サン・ギヤ21は、第1クラッチの締結により第1サン・ギヤ11に固定可能である。
第3リング・ギヤ22は、上述のように第2クラッチ4の締結により第1リング・ギヤ12に連結可能であるとともに、第2ブレーキの締結によりケース8に固定可能である。第3ピニオン・キャリヤ24は、出力部材9に連結されている。
上記のように連結した実施例1の自動変速機における各摩擦締結要素の締結・解放を、図2の作動表に示してある。作動表は、この横方向には各速度段を第1速から第6速まで、および後進を表しており、縦方向には、各摩擦締結要素が並べられている。作動表中、〇印はその摩擦締結要素が締結状態にされることを、また空白はその摩擦締結要素が解放状態であることをそれぞれ示す。
なお、作動表の下方には、各変速段のギヤ比、自動変速機でのレシオ・カバーレッジ(R/C:全変速比幅であり、前進1速のギヤ比を最高変速段のギヤ比で割った値)、およびリバース比/1速比(Rev/1st)を記載してある。
また、上記各摩擦締結要素は、図示しないコントローラにより電子制御される図示しないコントロール・バルブからの圧油の供給、抜きにより、それらの締結、解放が制御される。これらのコントローラやコントロール・バルブの構成および作用はよく知られているので、ここではそれらの説明は省略する。
次に、各変速段における動力の伝達経路を、そのときの共通速度線図を用いて説明する。
ここで、共通速度線図とは、縦軸に各回転要素の回転速度を取り、横軸にこれら回転要素を第1〜第3遊星歯車組1〜3の歯数比α1〜α3の大きさに応じて割り振った線図である。
すなわち、横軸上に、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組の場合には、リング・ギヤ、ピニオン・キャリヤ、サン・ギヤ3個の回転要素の回転速度軸を、この順に(左右いずれの方向でもよい)、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤ間の大きさをこの遊星歯車組の歯数比αとした場合、ピニオン・キャリヤおよびサン・ギヤ間の大きさが1となる割合でそれぞれ離して配置したものである。
この場合、縦軸には、回転速度ゼロより上方にエンジンと同じ回転方向の回転速度をとり、回転速度ゼロより下方にエンジンと逆回転方向の回転速度をとるようにする。
共通速度線図にあっては、リング・ギヤ、ピニオン、サン・ギヤのそれぞれの噛み合い関係は歯と歯とが1対1で噛み合うリニアな関係となるので、各回転要素の回転速度を結ぶと直線関係となる。
また、各変速段の共通速度線図を示す図3〜図9にあっては、同図中、左側から右側に向けて第1遊星歯車組1、第2遊星歯車組2の順で配置されており、これらのサン・ギヤはS、ピニオン・キャリヤはC、リング・ギヤはRで表し、これらの添え字1、2、3はそれぞれが所属する遊星歯車組の番号(第1、第2)をまた最後の添え字-s、-dはそれぞれ第1遊星歯車組1のシングル・ピニオン・タイプ側、ダブル・ピニオン・タイプ側を表す。
すなわち、速度軸は、第1遊星歯車組1のシングル・ピニオン・タイプ側の第1サン・ギヤ11がS1-s、第1ピニオン・キャリヤ15がC1、第1リング・ギヤ12がR1、ダブル・ピニオン・タイプ側がS1-dで表され、これらはそれぞれ本発明の第1要素、第2要素、第3要素、第4要素に相当する。また、第2遊星歯車組2の第3サン・ギヤ21がS2、第3ピニオン・キャリヤ24がC2、第3リング・ギヤ22はR2が表され、これらはそれぞれ本発明の第5要素、第6要素、第7要素に相当する。
したがって、共通速度線図は、図3〜図9すべてにおいて、同図中、左側から右側に向けて第1サン・ギヤ11(第1要素)、第1ピニオン・キャリヤ15(第2要素)、第1リング・ギヤ12(第3要素)、第2サン・ギヤ16(第4要素)、第3サン・ギヤ21(第5要素)、第3ピニオン・キャリヤ24(第6要素)、第3リング・ギヤ22(第7要素)にそれぞれ対応する速度軸S1-s、C1、R1、S1-d、S2、C2、R2がこれらの順に並ぶことになる。なお、図3〜図9の各共通速度線図において、入力は○で、また出力は△で表してある。入力軸Iの回転速度は、ギヤ比の計算を容易にするため、共通速度線図では1としてある。また、以下の各変速段でのギヤ比は、α1〜α3をそれぞれ上記のように0.493、0.534、0.327に設定した場合の値である。
まず、自動変速機がN(ニュートラル)位置やP(パーク)位置にあるときは、すべての摩擦締結要素には締結圧が供給されないため、第1遊星歯車組1および第2遊星歯車組2はすべてフリーの状態にあり、これらは動力を伝えない。この結果、エンジンからの動力は、出力部材9には伝わらない。
なお、エンジンが稼働している間は、いずれのセレクト位置にあっても、第1ピニオン・キャリヤ15が入力軸Iに連結されてこれと同じ回転速度で回転している。
ドライバーが図示しないセレクト・レバーをD(ドライブ、すなわち前進走行)位置に移動させると、車両は発進する。この発進時では車速が低いので、まず、第1速が成立する。
すなわち、第1速では、第1クラッチ6、第3クラッチ3、および第2ブレーキ5が締結される。
したがって、第1クラッチ6および第3クラッチ3の締結により、第1遊星歯車組1の第1サン・ギヤ11および第2サン・ギ16と第2遊星歯車組2の第3サン・ギヤ21とは、同じ回転速度で回転する。このとき、第1ピニオン・キャリヤ15が入力軸Iと同じ回転速度で回転しているので、第1サン・ギヤ11、第2サン・ギ16、第3サン・ギヤ21も入力軸Iと同じ回転速度で回転する。
この結果、第1遊星歯車組1はすべての回転要素が一体となって入力軸Iと同じ回転速度で回転する
一方、第2遊星歯車組2では、第3サン・ギヤ21が上記のように入力軸Iと同じ回転速度で回転し、第2ブレーキ5の締結により第3リング・ギヤ22がケース8に固定されて回転速度0となるので、第3ピニオン・キャリヤ24およびこれと一体の出力部材9は、第3サン・ギヤ21の回転速度1と第3リング・ギヤ22の回転速度0とを結ぶ直線がC2の速度軸と交わる点の回転速度、すなわち減速回転速度である第1速(ギヤ比4.058)で回転する。
車速が上昇すると、コントローラが第1クラッチ6を解放するとともに第1ブレーキ7を締結して第1速から第2速にシフトする。このとき、第3クラッチ3および第2ブレーキ5の締結は第1速のそのままである。この状態での共通速度線図を図4に示す。
このとき、第1遊星歯車組1では、第1ピニオン・キャリヤ15が入力軸Iと同じ回転速度で回転し、シングル・ピニオン・タイプ側の第1サン・ギヤ11が第1ブレーキ7の締結によりケース8に固定されて回転速度0となるので、これらを結ぶ直線と第1リング・ギヤ12に相当するR1の速度軸との交点が第1リング・ギヤ12の回転速度となり、この速度はオーバードライブ回転速度となる。また、ダブル・ピニオン・タイプ側の第2サン・ギヤ16は、上記直線とS1-dの速度線との交点でのオーバードライブ回転速度となるが、この回転速度は第1リング・ギヤ12のオーバードライブ回転速度より早い。
一方、第2遊星歯車組2では、第3サン・ギヤ21が第3クラッチ3の締結により第2サン・ギヤ16に連結されてこれと同じオーバードライブ回転速度で回転し、第3リング・ギヤ22が第1速の場合と同様に第2ブレーキ5の締結によりケース8に固定されて回転速度0となるので、第3ピニオン・キャリヤ24およびこれに連結された出力部材9は、第3サン・ギヤ21の上記オーバードライブ回転速度と第3リング・ギヤ22の回転速度0とを結ぶ直線がC2の速度軸と交わる点の回転底度、すなわち、第1速より早い減速回転速度である第2速(ギヤ比2.111)で回転する。
さらに車速が上昇して、コントローラが第3クラッチ3および第1ブレーキ7を解放するとともに、第1クラッチ6および第2クラッチ4を締結すると、自動変速機は第2速から第3速になる。このとき、第2ブレーキ5の締結はそのまま維持される。この状態での共通速度線図を図5に示す。
このとき、第1遊星歯車組1では、第1ピニオン・キャリヤ15が入力軸Iと同じ回転速度で回転し、シングル・ピニオン・タイプ側の第1リング・ギヤ12が第2ブレーキ5の締結によりケース8に固定されて回転速度0となる。したがって、これらを結ぶ直線がS1-sやS1-dの各速度軸と交差する点がそれぞれ第1サン・ギヤ11および第2サン・ギヤ16の回転速度となる。すなわち、第1サン・ギヤ11はオーバードライブ回転速度で回転し、第2サン・ギヤ16はエンジンの回転方向とは逆の減速回転速度で回転する。
一方、第2遊星歯車組2では、第3サン・ギヤ21が第1クラッチ6の締結により第1サン・ギヤ11に連結されてこれと同じオーバードライブ回転速度で回転し、第3リング・ギヤ22が第1速および第2速の場合と同様に第2ブレーキ5の締結によりケース8に固定されて回転速度0となるので、第3ピニオン・キャリヤ24およびこれに連結された出力部材9は、第3サン・ギヤ21の上記オーバードライブ回転速度と第3リング・ギヤ22の回転速度0とを結ぶ直線がC2の速度軸と交わる点の回転底度、すなわち、第2速より早い減速回転速度である第3速(ギヤ比1.339)で回転する。
さらに車速が上昇して、コントローラが第2ブレーキ5を解放するとともに、第3クラッチ3を締結すると、自動変速機は第3速から第4速になる。このとき、第1クラッチ6および第2クラッチ4の締結はそのまま維持される。この状態での共通速度線図を図6に示す。
このとき、第1遊星歯車組1では、第1ピニオン・キャリヤ15が入力軸Iに連結されてこれと同じ回転速度で回転し、第1クラッチ6および第3クラッチ3の締結により第1サン・ギヤ11、第2サン・ギヤ16が第2遊星歯車組2の第3サン・ギヤ21と同じ回転速度で回転し、また第1リング・ギヤ12が第2クラッチ4の締結により第2遊星歯車組2の第3リング・ギヤ22と同じ回転速度で回転する。
したがって、第1遊星歯車組1および第2遊星歯車組2の回転要素は、すべて一体となって回転する。この結果、第3ピニオン・キャリヤ24およびこれに連結された出力部材9は、直結比となる第4速(ギヤ比1.000)で回転する。
さらに車速が上昇して、コントローラが第3クラッチ3を解放するとともに、第1ブレーキ7を締結すると、自動変速機は第4速から第5速になる。このとき、第1クラッチ6および第2クラッチ4の締結はそのまま維持される。この状態での共通速度線図を図7に示す。
このとき、第1遊星歯車組1は、第2速の場合と同じ状態であり、第1ピニオン・キャリヤ15は入力軸Iと同じ回転速度で回転し、第1サン・ギヤ11は第1ブレーキ7の締結により回転速度0であり、第1リング・ギヤ12はオーバードライブ回転速度で回転し、第2サン・ギヤ16はさらに早いオーバードライブ回転速度で回転する。
第2遊星歯車組2では、第3リング・ギヤ22が第2クラッチ4の締結によりこれと同じオーバードライブ回転速度で回転し、第3サン・ギヤ21が第1クラッチ6および第1ブレーキ7の締結により回転速度0であるので、これらを結ぶ直線とC2の速度軸とが交わる点が第3ピニオン・キャリヤ24およびこれに連結された出力部材9の回転速度となり、オーバードライブ回転速度となる第5速(ギヤ比0.889)で回転する。
さらに車速が上昇して、コントローラが第1クラッチ6を解放するとともに、第3クラッチ3を締結すると、自動変速機は第5速から第6速になる。このとき、第2クラッチ4および第1ブレーキ7の締結はそのまま維持される。この状態での共通速度線図を図8に示す。
このとき、第1遊星歯車組1は、第2速および第5速の場合と同じ状態であり、第1ピニオン・キャリヤ15は入力軸Iと同じ回転速度で回転し、第1サン・ギヤ11は第1ブレーキ7の締結により回転速度0であり、第1リング・ギヤ12はオーバードライブ回転速度で回転し、第2サン・ギヤ16はさらに早いオーバードライブ回転速度で回転する。
第2遊星歯車組2では、第3サン・ギヤ21が第3クラッチ3の締結により第2サン・ギヤ16に連結されてこれと同じオーバードライブ回転速度で回転し、第3リング・ギヤ22が第2クラッチ4の締結により第1リング・ギヤ12に連結されて第3サン・ギヤ21のオーバードライブ回転速度より遅いオーバードライブ回転速度で回転するので、第3ピニオン・キャリヤ24およびこれに連結された出力部材9は、それらのオーバードライブ回転速度の間の速さで第5速より早いオーバードライブ回転速度となる第6速(ギヤ比0.626)で回転する。
以上は、D位置におけるアップシフトの作動について説明したが、D位置におけるダウンシフトは、上記とは逆方向の作動になるが、各変速段での作動はいずれでも同じであるので、それらの説明は省略する。
次に、車両停止状態でドライバーがセレクト・レバーをR(リバース:後進)位置に移動させると、コントローラは、第2クラッチ4、第3クラッチ3、および第2ブレーキ5を締結する。この状態での共通速度線図を図9に示す。
このとき、第1遊星歯車組1は、第3速の場合と同じ状態となり、第1ピニオン・キャリヤ15が入力軸Iと同じ回転速度で回転し、シングル・ピニオン・タイプ側の第1リング・ギヤ12が第2ブレーキ5の締結によりケース8に固定されて回転速度0となる。したがって、これらを結ぶ直線がS1-sやS1-dの各速度軸と交差する点がそれぞれ第1サン・ギヤ11および第2サン・ギヤ16の回転速度となる。すなわち、第1サン・ギヤ11はオーバードライブ回転速度で回転し、第2サン・ギヤ16はエンジンの回転方向とは逆の減速回転速度で回転する。
一方、第2遊星歯車組2では、第3サン・ギヤ21が第3クラッチ3の締結により第2サン・ギヤ16に連結されてこれと同じ回転速度、すなわちエンジンの回転方向とは逆の減速回転速度で回転し、第3リング・ギヤ22が第2ブレーキ5の締結でケース8に固定されて回転速度0となるので、第3ピニオン・キャリヤ24およびこれに連結された出力部材9は、それらの回転速度を結ぶ直線とC2の速度軸との交点、すなわちエンジンの回転方向とは逆の減速回転速度となるリバースの速度(ギヤ比-4.648、ここで-はエンジンとは逆方向の回転を表す)で回転する。
なお、この実施例1の自動変速機にあっては、レシオ・カバーレッジ(R/C値)は6.487となって、低速段から高速段まで幅広いギヤ比が得られる。
また、リバース比/1速比(Rev/1st)は1.145となって、発進時と後進時とにあってアクセル・ペダルの踏込量に対する出力差が少ないので、ドライバーに違和感をもたせることがない。
以上説明したように、実施例1の自動変速機は、以下の効果を有する。
実施例1の自動変速機にあっては、第1遊星歯車組1にラビニョ・タイプの遊星歯車組を用い、第2遊星歯車組2にシングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組を用いるとともに、3個のクラッチ3、4、6および2個のブレーキ5、7からなる5の摩擦締結要素を備えるようにして、3個の摩擦締結要素を締結し、その場合解放する摩擦締結要素は2個としたので、解放されている摩擦締結要素の引きずりによるロスを低減できることとなり、燃費を向上させることができる。
この場合、より引きずりが強くなるブレーキが2個と従来技術より少なくなるので、その分、燃費がさらに向上することになる。
また、第1遊星歯車組2にラビニョ・タイプの遊星歯車組を用いたので、6個の回転要素で構成される2組のシングル・ピニオン・タイプのものに比べて回転要素が4個だけで済む上、ピニオン・キャリヤも2個から1個で済む。
したがって、要素数の低減により、軸方向の寸法や重量も低減できてコンパクトになり、車両への搭載性が向上するとともにコストも低減することができる。
また、レシオ・カバーレッジも6.487と従来のものより大きくでき、しかもこの場合、良い段間比を確保することが可能となる。したがって、低速段での大きな駆動力による発進・登坂能力を向上させることができ、高速段では、エンジン回転数を下げてエンジン騒音の低減・燃費の向上を図ることができる。
また、実施例1の自動変速機にあっては、リバース比/1速比(Rev/1st)が1.145となって、発進時と後進時とにあってアクセル・ペダルの踏込量に対する出力差がほとんどないので、ドライバーに違和感をもたせないようにすることができる。
以上、本発明を上記実施例に基づき説明してきたが、本発明は上記実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があった場合でも、本発明に含まれる。
たとえば、上記α1〜α3の値は、実施例の値に限られず、必要に応じて適宜変更してもよい。
また、本発明の自動変速機は、エンジン前置き前輪駆動車やエンジン後置き後輪駆動車に限られない。
I 入力軸
1 第1遊星歯車組
11 第1サン・ギヤ(第1要素)
12 第1リング・ギヤ(第3要素)
13 第1アウタ・ピニオン
14 第1インナ・ピニオン
15 第1ピニオン・キャリヤ(第2要素)
16 第2サン・ギヤ
2 第2遊星歯車組
21 第3サン・ギヤ(第5要素)
22 第3リング・ギヤ(第7要素)
23 第3ピニオン
24 第3ピニオン・キャリヤ(第6要素)
6 第1クラッチ
4 第2クラッチ
3 第3クラッチ
7 第1ブレーキ
5 第2ブレーキ
8 ケース(静止部)
9 出力部材

Claims (4)

  1. 入力軸と、
    出力部材と、
    静止部と、
    1要素、第2要素、第3要素、および第4要素、の4個の回転要素を有する第1遊星歯車組と、
    5要素、第6要素、および第7要素の3個の回転要素を有する第2遊星歯車組と、
    第1クラッチ、第2クラッチ、第3クラッチ、第1ブレーキ、および第2ブレーキの5個の摩擦締結要素と、
    を備え、
    前記第1遊星歯車の4個の回転要素を、共通速度線図上で前記第1遊星歯車の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に前記第1要素、前記第2要素、前記第3要素、前記第4要素とし、
    第2遊星歯車組の3個の回転要素を、共通速度線図上で第2遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に前記第5要素、前記第6要素、前記第7要素とし、
    前記入力軸を、前記第2要素に常時連結し、
    前記出力部材を、前記第6要素に常時連結し、
    前記第1要素を、前記第1クラッチの締結により前記第5要素に連結可能とするとともに、前記第1ブレーキの締結により前記静止部に固定可能であり、
    前記第3要素を、前記第2クラッチの締結により前記第7要素に連結可能とし、
    前記第4要素を、前記第3クラッチの締結により前記第5要素に連結可能とし、
    前記第7要素を前記2ブレーキの締結により前記静止部に固定可能とした、
    ことを特徴とする車両用自動変速機。
  2. 請求項1に記載の車両用自動変速機において、
    前記第1遊星歯車組は、ラビニョ・タイプの遊星歯車組である、
    ことを特徴とする車両用自動変速機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用自動変速機において、
    前記第1クラッチは、第1速、第3速、第4速および第5速で締結し、
    前記第2クラッチは、第3速〜第6速および後進で締結し、
    前記第3クラッチは、第1速、第2速、第4速、第6速および後進で締結し、
    前記第1ブレーキは、第2速、第5速、および第6速で締結し、
    前記第2ブレーキは、第1速〜第3速、および後進で締結する、
    ことを特徴とする車両用自動変速機。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用自動変速機において、
    前記第1遊星歯車は、ラビニョ・タイプの遊星歯車組であり、
    前記第1要素は、前記第1遊星歯車組の第1サン・ギヤであり、
    前記第2要素は、前記第1遊星歯車組のピニオン・キャリヤであり、
    前記第3要素は、前記第1遊星歯車組のリング・ギヤであり、
    前記第4要素は、前記第1遊星歯車組の第2サン・ギヤであり、
    前記第5要素は、前記第2遊星歯車組のサン・ギヤであり、
    前記第6要素は、前記第2遊星歯車組のピニオン・キャリヤであ
    前記第7要素は、前記第2遊星歯車組のリング・ギヤである、
    ことを特徴とする車両用自動変速機。
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