JP2014190195A - ガスタービンプラント、及びガスタービンプラントの運転方法 - Google Patents
ガスタービンプラント、及びガスタービンプラントの運転方法Info
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Abstract
【解決手段】燃料Fを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器21、及び燃焼ガスで駆動するタービン31を有するガスタービン10と、ガスタービンからの排ガスEGの熱を利用して蒸気を発生させる排熱回収ボイラ110と、排熱回収ボイラの排ガスから見た最上流部において、排ガスの一部に燃料を投入して燃焼させる助燃燃焼器141と、助燃燃焼器の下流に設置された助燃部熱交換器142と、を備え、助燃燃焼器141を通る排ガスの一部と、助燃燃焼器141を通らない排ガスの残りの部分とが、排熱回収ボイラ110の内部で合流することを特徴とするガスタービンプラント。
【選択図】図1
Description
このガスタービンコンバインドプラントは、ガスタービンの起動時において助燃バーナにより排熱回収ボイラでの蒸気発生を促進させることによって、プラントの全負荷到達時間に至る時間を短縮することができる。
本発明のガスタービンプラントは、燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器、及び該燃焼ガスで駆動するタービンを有するガスタービンと、前記ガスタービンからの排ガスの熱を利用して蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラの排ガスから見た最上流部において、前記排ガスの一部に燃料を投入して燃焼させる助燃燃焼器と、前記助燃燃焼器の下流に設置された助燃部熱交換器と、を備え、前記助燃燃焼器を通る排ガスの一部と、前記助燃燃焼器を通らない排ガスの残りの部分とが、前記排熱回収ボイラの内部で合流することを特徴とする。
加熱される媒体が水の場合、全ての排ガスに助燃燃料を投入した場合を比較例とすると、本発明のガスタービンプラントでは、排ガスの一部に比較例と同量の燃料を供給して助燃するため、排ガスの一部の温度が比較例の排ガスの温度と比較して高温となり、蒸気の温度も比較例の温度と比較して、高くすることができる。
比較例では、助燃後の排ガスに含まれている熱が蒸気の過熱に多く利用されないため、本実施形態と比べて水の蒸発に利用される熱量が多くなる。よって、比較例においては低温の蒸気が大量に発生し、対して、本実施形態においては高温の蒸気が少量発生することとなる。比較例においては、大量の蒸気流量となるので、復水器で放出されるエネルギー量が大きくなるのに対し、本実施形態においては、少量の蒸気流量となるので、復水器で放出されるエネルギーは小さくなる。よって、本実施形態は熱効率を高めることができる。
一方、加熱される媒体が、ガスタービンの燃焼器に供給される空気や燃料の場合、ガスタービンの燃焼ガスのエネルギーが増加するため、ガスタービンの熱効率を高めることができる。
圧縮機11の出口と燃焼器21とは圧縮空気流路12によって接続されており、この圧縮空気流路12を介して圧縮機11で圧縮された圧縮空気Aが燃焼器21に供給される。
また、排熱回収ボイラ110は、低圧蒸気LSを発生する低圧蒸気発生部111aと、中圧蒸気ISを発生する中圧蒸気発生部111bと、高圧蒸気HS(第一蒸気)を発生する高圧蒸気発生部111cと、高圧蒸気タービン121cを駆動させた蒸気を再過熱する再熱部115と、排ガスEGの一部に燃料Fを投入して燃焼させる助燃燃焼器141と、助燃燃焼器141の下流に設置された助燃部熱交換器142と、を有している。また、排熱回収ボイラ110は、図示しないが、助燃燃焼器141に供給される燃料の投入量は、助燃燃料調整手段を有している。
なお、ここでは、各々の蒸気タービン121a,121b,121cに発電機122が設けられているが、低圧蒸気タービン121a、中圧蒸気タービン121b、高圧蒸気タービン121cの合計3基の蒸気タービンに対して、1基の発電機122を設けてもよい。
即ち、区画壁143は、排熱回収ボイラ110に導入される排ガスEGが、排熱回収ボイラ110内で、区画壁143の一方側と他方側とに分かれて流れるように配置されている。
低圧過熱器114aと低圧蒸気タービン121aの蒸気入口とは、低圧過熱器114aからの低圧蒸気LSを低圧蒸気タービン121aに送る低圧蒸気ライン132で接続されている。
高圧蒸気タービン121cの蒸気出口と第一再熱器115aの蒸気入口とは、高圧蒸気タービン121cからの高圧蒸気HSを第一再熱器115aに送る高圧蒸気回収ライン139で接続されている。
ガスタービン10の圧縮機11は、大気中の空気NAを圧縮し、圧縮した空気Aを圧縮空気流路12を介して燃焼器21に供給する。また、燃焼器21には、燃料流路29からの燃料Fも供給される。燃焼器21内では、圧縮空気A中で燃料Fが燃焼して、高温高圧の燃焼ガスが生成される。この燃焼ガスは、タービン31に送られ、このタービン31のタービンロータを回転させる。このタービンロータの回転で、ガスタービン10に接続されている発電機15は発電する。
一方、助燃燃焼器141には、第二燃料流路29bを介して燃料Fが供給される。燃料量は、助燃燃料調整手段によって調整される。これにより、助燃燃焼器141で助燃が実施され、助燃燃焼器141下流側の排ガスEGの温度が上昇する。
さらに、超臨界圧ボイラ(温度が擬臨界温度よりも低い超臨界圧の水を擬臨界温度を超えて加熱する装置、ただし、擬臨界温度とは定圧比熱が極大となる温度をいう)も含むものとする。
そして、この蒸気は、助燃部熱交換器142でさらに過熱されて高圧蒸気HSとなる。この高圧蒸気HSは、高圧蒸気ライン138を介して高圧蒸気タービン121cに供給される。
中圧蒸気タービン121bを駆動させた再熱蒸気RHSは、中圧蒸気回収ライン137及び低圧蒸気ライン132を介して、低圧蒸気タービン121aに供給される。
以下、その原理を説明する。
図2(a)、図2(b)に、排ガスと水(蒸気)の流れに伴うそれぞれの熱量と温度の関係(TQ線図)を図示する。図2において、縦軸が温度であり、横軸が熱量である。図2(a)は、全ての排ガスEGに助燃燃料を投入した場合(以下、比較例と呼ぶ)のTQ線図である。図2(b)は、排ガスEGの一部に助燃燃料を投入した本実施形態の場合のTQ線図である。また、図2(c)は、図2(a)と図2(b)とを重ね合わせたうえで、重複する部分を白抜きで示した図である。
なお、比較例と、本実施形態とでは、投入する燃料の量を同じとする。また、助燃後の排ガス中に含まれる熱量も同じである。
一方、水は図2において右から左に行くに従って、節炭器で予熱された後、蒸発器で蒸発し、過熱器で過熱される。
しかしながら、助燃後の排ガスに含まれる熱量は、本実施形態と比較例は同じである。このため、比較例は、本実施形態と比べて水の蒸発に利用される熱量が多くなる。
この結果、比較例は本実施形態と比べて蒸気発生量が多くなる。よって、比較例においては低温の蒸気が大量に発生し、対して、本実施形態においては高温の蒸気が少量発生することとなる。
即ち、比較例と本実施形態を比較した図2(c)において、A部の面積よりB+C部の面積の方が小さくなり、熱を有効に利用できたことになる。
次に、第一実施形態のガスタービンプラントの変形例について説明する。
図3に示すように、変形例1のガスタービンプラントは、助燃部熱交換器142が第二再熱器115bの蒸気出口に接続され、助燃燃焼器141が、第二再熱器115bの蒸気出口に接続された助燃部熱交換器142の熱交換に用いられる排ガスEGを昇温するように配置されていることを特徴としている。
即ち、本実施形態の助燃部熱交換器142は、中圧蒸気ISを過熱するように構成されている。換言すれば、助燃部熱交換器142によって過熱される蒸気は、高圧蒸気HSに限ることはない。
なお、本変形例のように助燃部熱交換器142が中圧蒸気ISを過熱する構成では、高圧蒸気HSを過熱する場合と比較して、蒸気としては最も温度が高い、助燃部熱交換器142で過熱された蒸気の圧力が低く、助燃部熱交換器142の伝熱管や助燃部熱交換器で過熱された蒸気を輸送する配管の応力を低減し、クリープ強度の条件を緩和することができる。
次に、第一実施形態のガスタービンプラントの別の変形例について説明する。
図4に示すように、本実施形態のガスタービンプラントの助燃燃焼器141及び助燃部熱交換器142は、排熱回収ボイラ110のケーシングに対して独立したケーシング145に収められていることを特徴としている。排熱回収ボイラ110のケーシングと、ケーシング145とは、助燃部熱交換器142によって利用された排ガスEGを排熱回収ボイラ110のケーシングに導入する排ガス配管146によって接続されている。
図5に示すように、本実施形態のガスタービンプラントは、助燃部熱交換器142を用いて圧縮機11から供給される圧縮空気Aを予熱することを特徴としている。即ち、助燃部熱交換器142によって加熱される流体は、蒸気に限ることはない。
また、助燃部熱交換器142で得られる熱をより効率的に圧縮空気Aに与えることができるため、ガスタービンや排熱を利用するボトミングサイクルの熱効率をより高めることができる。
次に、第二実施形態のガスタービンプラントの変形例について説明する。
図6に示すように、本変形例のガスタービンプラントは、助燃部熱交換器142を用いて燃焼器21に供給される燃料Fを予熱することを特徴としている。
例えば、予熱前後で燃料流量を一定とした場合、予熱により燃焼器21に持ち込む熱量が増大し、(ガスタービン10の)タービン入口温度が上昇、(圧力比一定であれば)排ガス温度も上がり、蒸気温度を高くできるため、ボトミングサイクルの効率も上がる。
また、(ガスタービン10の)タービン入口温度を一定とする場合、予熱により、単位質量の燃料が持つ熱量が増大し、同等のタービン入口温度を得るのに必要な燃料が減少する。熱効率の分母が小さくなることになり、ガスタービン/ボトミング共に効率が上がる。
図7に示すように、本実施形態のガスタービンプラントは、助燃部熱交換器142によって過熱された蒸気を用いて、圧縮空気A及び燃料Fを予熱することを特徴としている。
具体的には、助燃部熱交換器142によって過熱された蒸気は、予熱蒸気ライン147を介して圧縮空気流路12上、及び燃料流路29上に設置され、予熱器として機能する熱交換器51,52の伝熱管に導入されるようになっている。熱交換器51,52にて利用された蒸気は、予熱蒸気回収ライン148を介して第二再熱器115bで再び過熱された後、中圧蒸気タービン121bに供給される。
図8に示すように、本実施形態のガスタービンプラントは、区画壁143の助燃燃焼器141及び助燃部熱交換器142が配置されている一方側とは反対側の他方側に形成される空隙Sに、流量調整手段60が設けられていることを特徴としている。流量調整手段60は、助燃燃焼器141を通る排ガスEGと助燃燃焼器141を通らない排ガスEGの流量配分を調整する手段である。
または、図11に示すように、ダンパ63を設けてもよい。ダンパ63は、一対のダンパ本体64と、ダンパ本体64を回動自在に保持する回転軸65とを有しており、排ガスEGの流量を調整可能に構成されている。
図12に示すように、本実施形態の流量調整手段は、助燃燃焼器141を通る排ガスEGの流路に設けられ、流量増加手段として機能する昇圧手段67である。即ち、流量調整手段60は、排ガスEGの助燃部熱交換器142によって損失した圧力を回復させる昇圧手段67である。
具体的には、昇圧手段67は、流通する流体の流速を高めるファンや、ブロワなどによって構成することができる。
11 圧縮機
12 圧縮空気流路
15 発電機
21 燃焼器
29 燃料流路
29b 第二燃料流路
31 タービン
51,52 熱交換器(予熱器)
40 煙突
60 流量調整手段
67 昇圧手段(流量増加手段)
100 排熱回収装置
111a 低圧蒸気発生部
111b 中圧蒸気発生部
111c 高圧蒸気発生部
112a 低圧節炭器
112b 中圧節炭器
112c 第一高圧節炭器
112d 第二高圧節炭器
113a 低圧蒸発器
113b 中圧蒸発器
113c 高圧蒸発器
114a 低圧過熱器
114b 中圧過熱器
114c 第一高圧過熱器
114d 第二高圧過熱器
115 再熱部
115a 第一再熱器
115b 第二再熱器
116b 中圧ポンプ
116c 高圧ポンプ
121a 低圧蒸気タービン(蒸気タービン)
121b 中圧蒸気タービン(第二蒸気タービン)
121c 高圧蒸気タービン(第一蒸気タービン)
122 発電機
123 復水器
124 給水ポンプ
131 給水ライン
132 低圧蒸気ライン
133 中圧蒸気ライン
136 再熱蒸気ライン
137 中圧蒸気回収ライン
138 高圧蒸気ライン
139 高圧蒸気回収ライン
141 助燃燃焼器
142 助燃部熱交換器
143 区画壁
145 ケーシング
146 排ガス配管
147 予熱蒸気ライン
148 予熱蒸気回収ライン
A 圧縮空気
EG 排ガス
F 燃料
LS 低圧蒸気
IS 中圧蒸気(第二蒸気)
HS 高圧蒸気(第一蒸気)
S 空隙
Claims (12)
- 燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器、及び該燃焼ガスで駆動するタービンを有するガスタービンと、
前記ガスタービンからの排ガスの熱を利用して蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、
排熱回収ボイラの排ガスから見た最上流部において、前記排ガスの一部に燃料を投入して燃焼させる助燃燃焼器と、
前記助燃燃焼器の下流に設置された助燃部熱交換器と、を備え、
前記助燃燃焼器を通る排ガスの一部と、前記助燃燃焼器を通らない排ガスの残りの部分とが、前記排熱回収ボイラの内部で合流することを特徴とするガスタービンプラント。 - 前記排ガスの一部と、前記排ガスの残りの部分とは、前記排熱回収ボイラ中の最も上流側に設けられた蒸発器よりも上流側で合流することを特徴とする請求項1に記載のガスタービンプラント。
- 蒸気タービンを備え、
前記助燃部熱交換器で加熱する流体は前記蒸気タービンに供給される蒸気であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスタービンプラント。 - 前記排熱回収ボイラで発生した第一蒸気で駆動する第一蒸気タービンと、前記第一蒸気より低圧の蒸気である第二蒸気で駆動する第二蒸気タービンとを備え、
前記助燃部熱交換器は、前記第一蒸気と前記第二蒸気のうち少なくとも一方を過熱することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガスタービンプラント。 - 前記助燃部熱交換器は、前記燃焼器に供給される空気と燃料のうち少なくとも一方を加熱することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスタービンプラント。
- 前記燃焼器に供給される空気と燃料のうち少なくとも一方を予熱する予熱器と、
前記予熱器に前記助燃部熱交換器で過熱された蒸気を供給する予熱蒸気ラインと、を備えることを特徴とする請求項3に記載のガスタービンプラント。 - 前記助燃燃焼器を通る前記排ガスの前記一部と、前記助燃燃焼器を通らない前記排ガスの前記残りの部分との流量配分を調整する流量調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のガスタービンプラント
- 前記流量調整手段は、前記助燃燃焼器を通らない前記排ガスの前記残りの部分の流れの抵抗となる圧損体であることを特徴とする請求項7に記載のガスタービンプラント。
- 前記流量調整手段は、前記助燃燃焼器を通る前記排ガスの前記一部の流れの流量を増加させる流量増加手段であることを特徴とする請求項7に記載のガスタービンプラント。
- 前記助燃燃焼器に供給される燃料の投入量を調整する助燃燃料調整手段を有する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のガスタービンプラント。
- 前記助燃燃焼器を通る排ガスの一部と、前記助燃燃焼器を通らない排ガスの残りの部分とは、排熱回収ボイラ内に設けられた区画壁によって分離されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のガスタービンプラント。
- 燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器、及び該燃焼ガスで駆動するタービンを有するガスタービンと、前記ガスタービンからの排ガスの熱を利用して蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、を有するガスタービンプラントの運転方法であって、
排熱回収ボイラの排ガスから見た最上流部において、前記排ガスの一部に前記燃料を投入して助燃させる工程と、
前記助燃により得られる熱を回収する熱回収工程と、を有することを特徴とするガスタービンプラントの運転方法。
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