JP2014190126A - 既設管更生システム及び既設管更生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】歪み変形が生じた既設管の更生を好適に実行することのできる既設管更生システム及び既設管更生方法を提供すること。
【解決手段】 下水管等の既設管路の更生を行う管路更生システムにおいて、既設管に生じた歪み変形部分を復元する管路復元機構と、上記管路復元機構の進行方向後方に配され、上記管路復元機構により復元された部分の内周面に補強材を施す補強材施与装置と、上記管路復元機構及び上記補強材施与装置を、該補強材施与装置が上記復元された既設管部分に位置するように移動させる移動手段と、を有し、上記補強材施与装置は、上記補強材が装着される補強材被装着体と、該装着された補強材が上記復元された部分の内周面に施されるように、該補強材を拡径する補強材拡径手段と、該拡径された補強材を硬化させる補強材硬化手段と、を有することを特徴とする管路更生システムを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、既設管更生システム及び既設管更生方法に関し、特に、塩化ビニル等の熱可塑性樹脂で構成された既設管の歪み変形部分を復元更生するために好適な既設管更生システム既設管更生方法に関する。
一般に下水管渠などの地中に埋設される管については、設置からの年数の経過による様々な変形、例えば、ズレによる段差の発生や歪み変形による径の変化などが生じることは不可避である。
特に塩化ビニル等の熱可塑性樹脂で構成された既設管は、土圧が長時間作用する等の要因により局所的に歪み変形が生じ、管の断面が略楕円形状となる。このような歪み変形は、管の流下能力の低下の原因となり、また、これを放置すると管の破損を招く恐れがあるところ好ましくなく、更生が必要である。
このような管の断面の変形に対して更生を行う従来技術として、例えば、隣り合うマンホールの間に伸長配置されている既設管において、パッカとよばれる圧縮空気により膨張する円筒状の膨張ゴムを備えた装置を導入し、該膨張ゴムに供給する圧縮空気の力で既設管の歪み変形部分を押圧して復元させる方法が行われていた。
また、特許文献1には、既設管における上記歪み変形を押し戻し、既設管の形状を復元するための押し戻し装置(本発明者らによる)を用いること提案されている。当該装置を用いれば、上述の局所的な歪み変形部分を押し戻し装置により押し戻し、既設管の形状を元の円形に復元させた後に補強材を施すことができるので、再度の歪み変形を防止する良好な管路更生を行うことができる。
特開2006−257722号公報
しかしながら、上記従来技術では、歪み変形部分の押し戻しを圧縮空気による押圧力のみで行っているので復元能力が不十分であり、管路を完全に円形に復元することが難しい。また、この復元部分に変形癖が付いていることと相俟って、補強材を施す前に歪み変形が再発するという問題があった。更に、特許文献1に記載の装置では、押し戻し装置を用いているので押圧による復元能力は確保されるが、依然として、補強材を施す前に歪み変形が再発するという問題は解決されない。
本発明はこれら課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、歪み変形が生じた既設管の更生を好適に実行することのできる既設管更生システム及び既設管更生方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、下水管等の既設管路の更生を行う管路更生システムにおいて、
既設管に生じた歪み変形部分を復元する管路復元機構と、
上記管路復元機構の進行方向後方に配され、上記管路復元機構により復元された部分の内周面に補強材を施す補強材施与装置と、
上記管路復元機構及び上記補強材施与装置を、該補強材施与装置が上記復元された既設管部分に位置するように移動させる移動手段と、を有し、
上記補強材施与装置は、
上記補強材が装着される補強材被装着体と、
該装着された補強材が上記復元された部分の内周面に施されるように、該補強材を拡径する補強材拡径手段と、
該拡径された補強材を硬化させる補強材硬化手段と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、先ず、管路復元機構をその移動手段により既設管における局所歪み変形部分に移動させ、管路復元機構により既設管の歪み変形部分が復元されるとともに、当該復元に続く一連の工程として、管路復元機構の後方に設けられた補強材施与装置が上記変形部分に位置するように、該補強材施与装置を前方に移動手段で移動させる。更に、その後、補強材施与装置の補強材拡径手段により補強材を拡径させて、該拡径状態で補強材を硬化手段により硬化させる。これにより、局所的な歪み変形部分に対して上記管路復元機構による復元を行った後の一連の工程として、当該部分に補強材を施して硬化させることで既設管の復元部分が速やかに補強されるので、復元の後で補強材を施す前において土圧等の要因により復元部分が再度歪み変形することを確実に防止して、好適な既設管の更生に資することとなる。
また、本発明においては、上記既設管が熱可塑性樹脂により形成され、上記管路復元機構が上記歪み変形部分を押し戻すように押圧する押圧手段を有し、上記管路復元機構による上記歪み変形部分の復元の前に該歪み変形部分を加熱する加熱手段と、上記管路復元機構による上記歪み変形部分の押し戻しの後に該押し戻された部分を冷却する冷却手段と、をさらに備えることが好ましい。
これによれば、熱可塑性樹脂で形成されている既設管路の歪み変形部分を加熱して、当該歪み変形部分が軟化している状態で上記歪み変形部分の押圧手段による押し戻しを行うことができる。従って、歪み変形部分の復元のための押圧が容易となる。また、当該復元が終了した後には、加熱手段による加熱が終了されて復元部分は徐々に冷却して硬化することとなる。すなわち、この復元部分は押圧手段により押し戻された状態の形状で硬化してその形状が強固に保持されることとなる。従って、押圧手段による押し戻し状態が解除された後であっても、復元部分は土圧等による再度の歪み変形を促す力に対して十分な耐久力を発揮することとなるので、押し戻し状態が解除されてから補強材が施されるまでの間における当該復元部分の再度の変形をより確実に防止することができる。
一方で、当該押圧後の復元部分においては、上記冷却手段を用いて冷却を行うことで、より速やかに復元部分の上記形状保持状態を実現することができる。具体的には、上記押し戻しによる復元を行った際に冷却手段により復元部分を冷却することで、復元部分の形状保持がより素早く実現されることとなるので、押し戻し状態を解除することができるまでの時間(復元部分が十分な耐久力を得るまでの時間)を大幅に短縮することができ、結果として更生工程全体の時間の低減に資することとなる。
更に、本発明においては、
上記押圧手段が、上記歪み変形部分に当接する押圧板を有し、
該押圧板には、
上記加熱手段として、加熱された加熱媒体を上記歪み変形部分の内周面に供給する加熱媒体供給管と、
上記冷却手段として、冷却された媒体を上記押し戻された部分に供給する冷却媒体供給管と、が貫設されたことを特徴とする。
これによれば、押圧板を用いて上記押し戻しを行うことで、歪み変形部分を該押圧板の面積の範囲において均一に押圧することができる。そして、この押圧板に加熱媒体や冷却媒体を供給するための加熱媒体管及び冷却媒体供給管が貫設されたことから、加熱対象である歪み変形部分、及び冷却対象である復元部分に対して確実且つ効率的に加熱及び冷却することができる。特に、歪み変形部分の加熱を行う際には、既設管における当該変形部分以外の加熱不要部分を加熱して軟化させてしまうことを確実に防止することができる。
更に、補強材が、光硬化性樹脂により形成され、上記補強材硬化手段が、上記光硬化性樹脂を硬化させる波長の光を発する発光体を有するものであることが好ましい。
一般に、光硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂と比較して硬化開始から硬化終了までに要する反応時間が極めて短いことが知られている。一方で、本発明においては、上述のように補強材が上記復元部分に施され、その後、この補強材を硬化させる必要があるが、補強材の硬化反応は一般に発熱反応であるから、この発熱により補強材だけでなく復元部分にまで熱が伝達しその温度が上昇してしまう恐れがある。このように復元部分に熱が伝達してしまうと熱可塑性樹脂の既設管の復元部分が軟化し、土圧等の要因で再び変形する恐れがある。従って、既設管の歪み変形部分の復元が完了した後は、補強材の硬化反応による熱が既設管に伝達する前に速やかに補強材の硬化反応を終了させるべきである。このような状況に対して、本発明では、補強材を光硬化性樹脂で形成することで、上記復元部分が熱伝達により軟化する前に速やかに硬化反応を終了させることができ、補強材の硬化過程においても復元部分の歪み変形が確実に防止されて、結果として管路更生作業の効率を劇的に高めることができる。
また、上記補強材施与装置は、上記管路復元機構の後方に連結されることが好ましい。これにより、例えば、管路復元機構による歪み変形部分の復元が終了した後に、補強材施与装置による復元部分への補強材の施与に迅速に移行することができる。また、管路復元機構による復元が終了した後にこれを前方に移動させることにともない、後方に連結された補強材施与装置も共に移動させることができるので、上記移動手段の構成も簡素化される。
更に、本発明は、上記管路更生システムを用いて行う管路更生方法であって、
上記管路更生システムを、その管路復元機構が上記既設管路の歪み変形部分に位置するように移動させる管路復元機構位置合わせ工程と、
上記管路復元機構位置合わせ工程の後、上記既設管内の歪み変形部分を上記管路復元機構により復元する復元工程と、
上記復元工程の後に、上記補強材施与装置が上記既設管の押圧された部分の位置に到達するように、上記管路更生システムを移動させる補強材施与装置位置合わせ工程と、
上記補強材施与装置位置合わせ工程の後、上記補強材を拡径させる補強材拡径工程と、
上記拡径工程の後、上記補強材を上記補強材硬化手段により硬化させる補強材硬化工程と、
を有することを特徴とする。
このように上記管路更生システムを用いて各工程を行うことで、局所的な歪み変形部分に対して上記復元を行った後の一連の工程として、当該復元部分に補強材を施して硬化させることで既設管の復元部分が速やかに補強されるので、復元の後で補強材を施す前において土圧等の要因により復元部分が再度の歪み変形することを確実に防止することができ、結果として好適な既設管の更生に資することとなる。
本発明によれば、局所的な歪み変形部分に対して上記復元を行った後の一連の工程として、当該復元部分に補強材を施して硬化させることで既設管の復元部分が速やかに補強されるので、復元の後で補強材を施す前において土圧等の要因により復元部分が再度の歪み変形することを確実に防止して、好適な既設管の更生に資することとなる。これにより、本発明に係る管路更生システム及び管路更生方法により更生された既設管は、その断面形状もほぼ確実に正常な形状として戻り、強度も一定水準以上に高く保たれることとなり、結果として管路としての機能が確実に正常な状態に回復することとなる。
本発明の実施の形態に係る管路更生システムを既設管(下水道本管)内に導入した状態を示している。 管路更生システムの構成を説明する図である。 パッカスリーブにおける筒体の拡径動作を説明する図である。 本発明に係るフローチャートである。 本実施の形態に係る管路更生システムを用いた更生工程を説明する図である。 本実施の形態に係る管路更生システムを用いた更生工程を説明する図である。 本実施の形態に係る管路更生システムを用いた更生工程を説明する図である。 本実施の形態に係る管路更生システムを用いた更生工程を説明する図である。 本実施の形態に係る管路更生システムを用いた更生工程を説明する図である。 本実施の形態に係る管路更生システムを用いた更生工程を説明する図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態では、マンホール間の下水本管、特に熱可塑性樹脂管である塩ビ管の部分更生を行う場合を例として説明する。図1には、本発明の実施の形態に係る管路更生システムを既設管内に導入した状態を示しており、図2には、管路更生システムの構成を拡大して示している。
本実施の形態では、図示のように、更生対象の既設管である本管100は、いわゆるマンホールと呼ばれる縦坑200と300との間に形成されている。本管100は、複数の単管が連結されることで縦杭200、300間に伸長する一つの管として構成されており、単管の一つにおいて、歪み変形100aが生じている。この歪み変形部分100aは、例えば、土圧及び単管の経年劣化が相俟って生じるものである。本実施の形態では、歪み変形部分100aの部分更生に管路更生システム10が用いられる。以下、この管路更生システム10の構成について説明する。
管路更生システム10は、マンホール300から200方向に進行するものであり、この管路更生システム10は、移動機構としての牽引機構によりマンホール200側に引かれるものである。牽引機構は図示のように、管路更生システム10に結合されたワイヤ70を巻き上げて牽引する地上に設置される牽引駆動装置72とから構成されている。管路更生システム10は、ワイヤ70、及び牽引駆動装置72により牽引移動可能に構成されており、目的位置に配置可能に構成されている。なお、移動機構としては、この様な牽引機構に限られず、管路更生システム10に直接自走機能を持たせる構成とすることも可能である。
管路更生システム10は、実際に既設管路100を復元させる管路復元機構としての押し戻し装置12と、この押し戻し装置12に紐状の連結具13を介して進行方向後方(図の右側)に結合された補強材施与装置としてのパッカスリーブ14と、を有している。なお、本実施の形態では、このように押し戻し装置12の後方にパッカスリーブ14が連結されていることで、上記ワイヤ70及び牽引駆動装置72による牽引で、押し戻し装置12及びパッカスリーブ14をまとめて容易に移動させることができる。
押し戻し装置12は、管路内周面を押圧する上部押圧板20と底部押圧板22とを含む構成を有する。この上部押圧板20及び底部押圧板22は、管路更生システム10の管軸方向に直交する方向にその間隔が伸縮して拡張・収縮するように構成されており、各押圧板20,22の表面形状は外側へ凸の円弧状に形成されており、好適には変形していない正常な既設管路100の内周面の曲率に近い曲率の円弧状に形成されている。底部押圧板22は、上部押圧板20と相似な形状を有するが、既設管路内壁の押圧動作の際における押し戻し装置12の設置状態の安定化を図るために、上部押圧板20よりも外表面の面積が大きく形成されている。これにより、上部押圧板20にて変形部分の押し戻し動作を行う際に、装置全体の傾きやぐらつきが有効に防止される。なお、上記拡張・収縮は、押し戻し装置12の本体部12aに設けられた油圧ピストン26により、図示しない内部油圧機構によって自動的に上部押圧板20と底部押圧板22との間隔を拡張し、又は収縮させることで行われる。
更に、上部押圧板20を拡張させて歪み変形部分100aに押圧させる際、すなわち、本管100の歪み変形部分100aを復元させる際には、当該復元をスムーズに行うことができるように歪み変形部分100aの塑性を向上させることが好ましい。このために、当該歪み変形部分100aを加熱する加熱手段を設けることが可能である。本実施の形態で、加熱手段は、ガス式ヒータ、電気式ヒータ、又はヒートポンプ等の加熱空気を生成する図示しない種々の加熱装置と、生成された加熱空気を歪み変形部分100aの表面に送給するために、上部押圧板20を貫通して設けられている加熱空気供給管29から成る。
また、歪み変形部分100aの押し戻しが終了した後においては、逆に、押し戻しにより復元された部分の温度が高い状態であると、押し戻し装置12による押圧状態を解除した際に直ぐに歪み変形が再発する恐れがある。従って、復元された部分をいち早く硬化状態とするために、当該部分の冷却を行う冷却手段を設けることが好ましい。
冷却手段としては、空冷又は水冷等の当業者が適宜選択し得る種々の手段が採用できるが、例えば、上記加熱空気供給管29を冷却空気の供給管として兼用し、所定の冷却空気生成手段により当該供給管29から既設管100の復元部分に冷却空気を供給するようにしても良い。また、冷却空気を供給する管を加熱空気供給管29は別に設けても良い。更には、上記復元部分に冷却水をあてることを可能とする任意の冷却水供給機構を構成するようにしても良い。
次に、パッカスリーブ14の構成について説明する。特に図2等を参照すれば理解されるように、パッカスリーブ14は、押し戻し装置12に連結具13を介して連結された金属製の前端板14aと、この前端板14aに対して装置の移動方向において反対側に位置する金属製の後端板14bを有しており、この前端板14aと後端板14bの間を架け渡すように弾性筒体40が装着されている。また、この弾性筒体40の内部においては、略円柱棒状のLEDランプ支持体44が既設管100の略中心軸に沿って設けられている。
さらに、このLEDランプ支持体44には、その全周面に亘って複数個のLEDランプ46が周方向及び径方向に一定間隔で均等に設けられている。そして、弾性筒体40には、LEDランプ46の光により硬化する光硬化性樹脂で形成された補強材42が巻回装着されている。
弾性筒体40、一端部分が前端板14aにおける後端板14b側の面の縁部に固着されており、他端部分が後端板14bにおける前端板14a側の面の縁部に固定されている。
すなわち、弾性筒体40は、LEDランプ支持体44を全て覆った状態で取り付けられているとともに、前端板14a及び後端板14bを両端部として拘束されていることとなる。
一方で、弾性筒体40を後方で固着させている後端板14bには、空気供給管62が連通して設けられており、この空気供給管62の供給口62aは、弾性筒体40の内部に位置している。すなわち、空気供給管62を介して圧縮空気を供給することで、弾性筒体40内部に圧縮空気が供給され、弾性筒体40が膨張するようになっている。すなわち、本実施の形態では、弾性筒体40の拡径を、弾性筒体40の内部に圧縮空気を供給することで行うので、その拡径及び収縮を容易且つ迅速に行うことができる。
また、図2等において示されているように、弾性筒体40は、前端板14a及び後端板14bへの取り付け状態において、その内部空間の収量がLEDランプ支持体44の径に対して十分に大きくなるように構成されていることが好ましい。このような構成が好ましい理由は、弾性筒体40内部に十分に多量の圧縮空気を供給して、当該弾性筒体40を膨張させて後述する補強材42を拡径させるとともに、該補強材42を十分な押圧力をもって既設管100の内周面(歪み変形部分100a)に押し当てることができるようにするためである。
弾性筒体40の材質の一例としては、補強材42内部からの光を透過させることができるように光透過性のゴムが用いられる。特に、弾性筒体40は、既設管100の内面に補強材42を押し当てる程度まで拡径される必要があるところ、十分な拡径に耐え得る柔軟性及び弾性を有する性質を、上記光透過性と合わせて備える必要がある。このような条件を満たす材料としては、例えば、耐熱性、耐候性に優れたEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)を加硫することによって得られるゴムが好適である。なお、弾性筒体40の材質については、必ずしもゴムに限定されるものではない。すなわち、補強材42を拡径させるための弾性及びLEDランプ46により光を透過させる光透過性を備えるのであれば、ゴム製のものに代えて、他の樹脂材料、金属材料、無機材料、或いはこれらの2種以上の混合材料を用いても良い。
補強材42は、弾性筒体40を介して透過した光を受け硬化する性質を有し、弾性筒体40と同様、十分な拡径に耐え得る柔軟性や弾性を有する性質を備える材料で形成される必要がある。特に、本実施の形態では、補強材42が不織布状の光硬化性樹脂で形成されている。この材料としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂とガラスクロスや不織布を交互にオーバーレイすることによって得られるFRP製の材料で構成される。なお、エポキシアクリレート樹脂やビニルエステル樹脂を種々の補強繊維で補強した素材を用いても良い。
特に、この材料には、BDK(ベンジルジメチルメタール)等の光重合開始剤を添加することが好適である。光重合開始剤としては紫外線により樹脂の重合を促進する紫外線用重合開始剤を使用することもできるが、紫外線及び可視光線の両方の作用で樹脂の重合を促進できるものを用いることが望ましい。
一方、LEDランプ支持体44の周面に設けられたLEDランプ46は、光硬化性樹脂である補強材42を硬化させる光を発する光源として用いられるものであり、パッカスリーブ44に後方側から後端部14bを介して接続された電源ケーブル60により電力を受けて所定の波長の光を発する。このLEDランプ46による光の波長は、補強材42を構成する光硬化性樹脂又は光重合開始剤の種類や所望の硬化時間等の関係で適宜調整することが可能であるが、例えば、赤外領域の波長を有するもの、可視光域の波長を有するもの、紫外領域の波長を有するもの、或いはこれらの複合光を使用することができる。ここで、光硬化性樹脂で形成された補強材42を照射するLEDランプ46は、弾性筒体40の内部のLEDランプ支持体44において全周に均等に設けられているので、補強材42は、その全周に亘って均一に効率よく硬化されることとなり、更生工程全体をより効率的に行うことができる。なお、LEDランプ46の電源は、上記電源ケーブル60による電源に代えて或いはこれとともに、LEDランプ支持体44内部に電池等を設けるなどして確保しても良い。
更に、前端板14a及び後端板14bには、それぞれ、パッカスリーブ14を既設管100の中心軸位置に支持するともに、押し戻し装置12の牽引に伴いパッカスリーブ14を移動させるための走行体49が設けられている。走行体49は、既設管100の内周面に接する走行輪51を有しており、この走行輪51は、走行体49の先端部分及び後端部分において放射状方向に伸長して既設管100内の表面の凹凸などの段差に合わせて伸縮可能に構成された伸縮支持棒状体53の先端に設けられている(図2参照)。これにより、パッカスリーブ14は、上記牽引手段による押し戻し装置12の移動に伴い、スムーズに既設管100内を走行することができる。
図3は、本実施の形態に係るパッカスリーブ14の動作を説明する図であり、(a)はパッカスリーブ14における弾性筒体40の縮径状態を示す一部断面図であり、(b)はパッカスリーブ14における弾性筒体40の拡径状態を示す一部断面図である。なお、参考として、既設管100の断面を破線で示している。パッカスリーブ14は、既設管100において生じていた歪変形部分100aが押し戻し装置12により復元した後に、当該復元部分に対して施されるものである。
図示のように、パッカスリーブの弾性筒体40、補強材42、及び既設管100の内径Dの関係については、弾性筒体40の外径をd1、補強材42の外径をd2、及び既設管100の内径をDとすれば、d1<d2<Dが成り立つ。また、弾性筒体40の拡径時において、図3(b)に示すように、補強材42が既設管100の更生対象部分を押圧可能となるように、弾性筒体40の外径d1が調整される必要がある。なお、弾性筒体40の横断面形状は、図では略円形状で示されているが、これに限られるものではなく、アーチ形、多角形、楕円形あるいは卵形の断面形状であってもよい。
以下、上記構成を有する管路更生システム10を用いた管路更生の流れを説明する。図4は、管路更生の工程を説明するフローチャートであり、図5〜10は、管路更生の工程に応じた管路更生システム10の動きを説明する説明図である。
先ず、更生を行うに当たっては、作業箇所に水が流れ込まないようにする前準備として、本管100の上流側をせき止めるため堰き止め部材101がマンホール200の上流側に設置される(図1参照)。この際に、管路更生システム10は、本管100の入り口から導入され、歪み変形部分100aの付近に配置される。
そして、ステップS101において、図5(a)及び図5(b)に示すように、管路更生システム10の押し戻し装置12における上部押圧板20が歪み変形部分100aに対向するように、該管路更生システム10全体を牽引機構70、72により牽引する(管路復元機構位置合わせ工程)。
次に、ステップS102において、上記位置合わせの後、押し戻し工程(復元工程)が行われる。具体的には、図6(a)に示すように、先ず、押し戻し装置12の拡張・収縮機構により、上部押圧板20を上昇させることで歪み変形部分100aに当接させることで、押し戻し装置12が上部押圧板20及び底部押圧板22により上部及び下部で支持された安定状態とされる。なお、図示しないが、上部押圧板20と歪み変形部分100aとの本管100の周方向における位置がずれているような場合には、例えば、図示しない所定の回転機構を用いることで上部押圧板20を上記径方向に沿って所望角度回転させて、位置合わせを行うようにしても良い。
そして、図6(b)に示すように、上部押圧板20をさらに上昇させる方向に力をかけるとともに底部押圧板22を下降させるように力をかけ、歪み変形部分100aを押し戻す動作が行われる。これにより、歪み変形部分100aは元の正常な形に復元される。以下では、「歪み変形部分100a」について、押し戻し装置12による復元が行われる前の状態を示す際には「歪み変形部分100a」と記載し、押し戻し装置12による復元が行われた後の状態を示す場合には、これを「復元部分100a」と記載する。
ここで、本実施の形態において、本管100は、熱可塑性樹脂であるポリ塩化ビニルにより形成されている。従って、当該押し戻し作業においては、このような熱可塑性樹脂を加熱した状態とすることで、作業の効率や容易化が図られることとなる。特に、本実施の形態では、図示しない加熱装置を用いて生成された加熱空気が、加熱空気供給管29により歪み変形部分100aの表面に送給される。これにより、押し戻しの際には、熱可塑性の塩ビ管である本管100の歪み変形部分100aが軟化した状態となるので、当該歪み変形部分100aは容易に復元されることなる。また、本実施の形態において行われる加熱は、例えば、歪み変形部分100aがいわゆる塩ビ管の熱変形温度として知られている57℃〜80℃程度となるように行われる。
なお、上記加熱空気による歪み変形部分100aの加熱は、上部押圧板20の上昇による押し戻し動作を行う前に開始しても良い。しかし、歪み変形部分100aが全く支持されていない状態で当該部分の加熱を行うと、歪み変形部分100aの軟化にともない土圧等の要因でかえって歪み変形が大きくなってしまうおそれがあるので、少なくともステップS102における上部押圧板20を歪み変形部分100aに当接させた状態、すなわち、歪み変形部分100aをある程度の力をもって支持した状態で加熱を開始することが好ましい。
更に、歪み変形部分100aを上部押圧板20により復元した後には、上記加熱装置による加熱を停止し、当該部分を図示しない冷却手段により冷却する。これにより、復元した部分が速やかに硬化して当該復元形状は強固に保持されることとる。ここで、冷却手段は、上述のように当業者が想起し得る種々の手段を採用することができるが、特に、冷却空気を歪み変形部分100aに照射することができる構成、すなわち、冷却空気供給装置を採用することが好ましい。なお、冷却手段は必須の構成ではないので、これを設けなくても本発明に係る作用を得ることはできる。しかし、この場合には、上記加熱装置による加熱を停止した後、復元した部分が冷めて硬化するまで時間を置いて、当該復元した部分の形状が保持状態となるまで待った後、次の工程に移ることが好ましい。
次に、ステップS103において、図7に示すように、押し戻し装置12の上部押圧板20を下降及び底部押圧板22を上昇させる収縮動作を行う(押圧状態解除工程)。この状態では、上部押圧板20による支えが無い状態で復元部分100aには土圧が生じているので、放置すればまた歪み変形が生じることとなる。
しかし、本実施の形態では、ステップS102で、上記復元が終了した後において復元部分100aを冷却していることから、その部分が硬化して形状保持状態となっているので、復元部分100aに対する押圧状態を解除して復元部分100aに土圧が生じたとしても、土圧による変形自体が遅効的であることと相俟って、補強までの間における復元部分100aの歪み変形の再発が確実に防止される。
ステップS104において、上記押圧状態解除工程の後に、図8に示すように、パッカスリーブ14が復元部分100aの位置に到達するように、ワイヤ70、及び牽引駆動装置72により管路更生システム10全体を前方(図の左側)に移動させる。なお、図8においては復元部分100aの復元前の状態を2点鎖線で示している。すなわち、パッカスリーブ14の補強材42で復元部分100aを補強するために、位置合わせを行う(補強材施与装置位置合わせ工程)。
ステップS105において、上記補強材施与装置位置合わせ工程の後に、図9に示すように、パッカスリーブ14の補強材42を拡径させる(補強材拡径工程)。拡径は、圧縮空気供給管29を介して、弾性筒体40内の空間に圧縮空気を供給することにより行われる。なお、圧縮空気の供給圧力及び供給時間は、弾性筒体40及び補強材42の材質、及び弾性筒体40内部の空間の容積等の種々の条件により適宜好適に設定される。
上記図9(a)を参照すると理解されるように、弾性筒体40が圧縮空気の供給により拡張することで、この弾性筒体40に巻回された補強材42を挟んだ状態で本管100の復元部分100aが外方に押し広げられる。特に、この押し広げ動作は弾性筒体40と復元部分100aとの間において、補強材42を介した周方向及び径方向における均一な面接触状態を維持しつつ行われる。したがって、復元部分100aに対して補強材42を介して周方向及び径方向において均一な力を与えることができ、応力集中による補強材42の破断の原因となり得る、補強材42と復元部分100aの間における不均一な接触が防止される。
ステップS106において、上記補修材拡径工程の後、拡径された補強材42を硬化させる(補強材硬化工程)。具体的には、弾性筒体40内部の発光体保持体44に保持されたLEDランプ46を発光させて、弾性筒体40を介して補強材42を照射することにより、光硬化性樹脂で形成された補強材42を硬化させる。
ここで、一般に、光硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂と比較して硬化開始から硬化終了までに要する反応時間が極めて短いことが知られている。一方で、本実施の形態においては、上述のように補強材42が復元部分100aに施され、その後、この補強材42を硬化させる必要があるが、補強材42の硬化反応は一般に発熱反応であるから、この発熱により熱可塑性樹脂の既設管の復元部分100aの温度が上昇してしまうと、復元部分100aが軟化し再び変形する恐れがある。従って、復元部分100aの押し戻しが完了した後は、補強材の硬化反応による熱が既設管に伝達する前に速やかに補強材42の硬化反応を終了させるべきである。このような状況に対して、本実施の形態のように補強材42を光硬化性樹脂で形成することで、既設管100の復元部分100aが軟化する前に速やかにその硬化反応を終了させることができ、復元部分100aに対する補強作用を確実に発揮することができる。
次に、ステップS107において、図9(b)に示すように、弾性筒体40内部の圧縮空気を抜いて、当該弾性筒体40の拡径状態を解除する(筒体拡径解除工程)。これにより、補強材42のみが既設管100の復元部分100aに密着した状態とされつつ、弾性筒体40が収縮し、補強材42を介した復元部分100aへの押圧状態が解除される。
そして、ステップS108において、図10に示すように、上記筒体拡径解除工程の後、管路更生システム10を回収する。すなわち、既に補強材42が既設管100に施された状態であるので、ワイヤ70及び牽引駆動装置72により管路押し戻し装置12を牽引して、管路押し戻し装置12及びこれに連結具13を介して一体となったパッカスリーブ14を前方に移送させ、所定の回収場所において管路更生システム10を回収する。なお、この際、走行体49の走行輪51は、補強材42の内周面上を走行することとなる。従って、補強材42の厚みにより形成される既設管100の内周面との間の段差部分を走行輪51が乗り越えられるように、当該走行において伸縮棒状体53が適宜収縮・伸長することとなる。
以上説明したように、本実施の形態に係る既設管更生システム10によれば、局所的な歪み変形部分100aに対して管路押し戻し装置12による歪み変形部分100aの復元を行った後に、歪み変形部分100aの復元に続く一連の工程として、管路押し戻し装置12の後方に設けられたパッカスリーブ14が復元部分100aの内面に補強材42を施すこととなる。従って、上記歪み変形部分100aの管路押し戻し装置12による復元に引き続いて一連の工程として速やかに、補強材42による復元部分100aの補強がなされるので、復元の後で補強材42を施す前の間において、土圧等の要因により復元部分100aが再度歪み変形することを確実に防止することができ、結果として好適な既設管100の更生に資することとなる。
また、本実施の形態においては、管路押し戻し装置12が、歪み変形部分100aの押し戻しの際に上記歪み変形部分100aに押圧させる上部押圧板20及び下部押圧板22を有し、特に上部押圧板20には、図示しない加熱装置により加熱された加熱媒体を歪み変形部分100a部分の内周面に供給する加熱媒体供給管29、及び冷却空気を復元部分100aに供給する冷却媒体供給管と、が貫設されており、当該加熱媒体により塩ビ管である既設管路100を加熱して、当該既設管路が軟化している状態で、上記歪み変形部分100aの押圧板20、22の押圧による押し戻しを行っている。従って、歪み変形部分100aの押圧による復元を極めて容易且つ効率的に行うことができる。
そして、復元が終了した後には、加熱が終了され復元部分100aは徐々に冷却して硬化することとなる。すなわち、この復元部分100aは、その形状が強固に保持されることとなる。従って、押し戻し装置12による押し戻し状態が解除された後であっても、復元部分100aの形状が強固に維持されたままとなるので、押し戻し状態が解除されてから補強材42が施されるまでの間における当該部分100aの再度の変形を確実に防止することができ、また、上記形状の保持は冷却により素早く実現されることとなるので、押圧板20、22による押し戻し状態を解除することができるまでの時間(復元部分100aが十分な耐久力を得るまでの時間)を大幅に短縮することができ、更生工程全体の時間の低減に資することとなる。
そして、この押圧板20に加熱媒体や冷却媒体を供給するための加熱媒体管29及び冷却空気管が貫設されることで、加熱対象である歪み変形部分100a、及び冷却対象である復元部分100aにピンポイントに加熱媒体及び冷却媒体を供給することができ、確実且つ効率的な加熱及び冷却を実現することができる。特に、歪み変形部分100aの加熱を行う際には、当該変形部分100a以外の既設管100の加熱不要部分を加熱して軟化させてしまうことを確実に防止することができる。
更に、本実施の形態において、補強材42が、光硬化性樹脂により形成され、これをLEDランプ46により硬化させるようにした点が極めて好適である。これにより、光硬化反応により発せられた熱が既設管100の復元部分100aに到達する前に或いは到達してもこれに変形を与えるほどの温度上昇をもたらす前に、補強材42の硬化反応を終了させることができる。従って、補強材42の硬化工程においても復元部分100aの再度の歪み変形が確実に防止されて、結果として管路更生作業の効率を劇的に高めることができる。
なお、補強材42を硬化させる発光源としてLEDの代わりに、作業場所や作業スペース等の種々の作業環境条件に応じて水銀ランプ、ガリウムランプ、ハロゲンランプ、及びメタルハライドランプ等の他の種類の発光源を用いても良い。一方で、LEDランプは、その発光時における発熱量が他の光源と比較して少ないことが知られているので、本実施の形態のように既設管100の復元部分100aに熱が伝達することを極力避けたい場合には、LEDランプを用いることがもっとも好ましい。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、本実施の形態では、歪み変形部分100aの復元を行うために拡径・収縮する押圧板20、22を有する押し戻し装置12を用いたが、当該復元を行うための機構はこれに限られるものではなく、当該押し戻し装置12に代えて、例えば、圧縮空気を用いて復元を行う装置を用いても良い。
また、本実施の形態では補強材42を光硬化性樹脂、弾性筒体40を光透過性ゴムとしたがこれに限られるものではなく、弾性筒体40及び補強材42が一定以上の拡張・収縮性を呈し、補強材42が拡張時に硬化可能であれば他の材質の材料を用いることも可能である。
一方、例えば、弾性筒体40を所定の伝熱性弾性部材としつつ、補強材42を熱硬化性樹脂で形成しても良い。この場合、上記補強材硬化工程においては、LEDランプ46の代わりに所定のヒータ等を用いることで、弾性筒体40を介して補強材42に熱を与えその硬化を行うことができる。特に、この場合、補強材42の熱硬化にともなう熱が復元部分100aに伝わって当該部分の温度を上げて軟化させてしまわないように、所定の断熱材料を補強材42の外側に巻く等の手段を施すようにすることが好ましい。更に、本発明は、既設管の材質が塩化ビニル製のものに限られず、熱硬化性樹脂で形成された他の種々の既設管に適用することができる。
更に、本発明は、既設管が熱可塑性樹脂以外のコンクリート管や陶管である場合にも用いることができる。特にコンクリート管や陶管の場合には、塩ビ管とは異なり弾性が小さいので歪み変形が生じる際には多くの場合ひび割れ等の破壊をともなっており、この状態で押し戻し装置による押し戻し変形を行うと当該破壊部分の破壊がより進行する恐れがある。従って、歪み変形の復元を行う際に用いる押し戻し装置12の上部押圧板20の表面から瞬間硬化材(例えば、即硬性セメントや水ガラス)を地盤側へ注入する機構を設置することが好ましい。これにより、上記破壊部分を修復しつつ押し戻しを行うことができるので、破壊部分の破壊の進行を防止しつつ押し戻しによる復元を行うことができる。この場合特に、押し戻し装置12の上部押圧板20や底部押圧板22の表面に管路内壁への密着性を高めるための弾性部材、例えば、ゴムやウレタン材を装着することが好適である。
このようにゴムやウレタン材を装着することで、押し戻しの過程において管路内壁をより均等に押圧して応力集中を防止して上記破壊部分の破壊の進行をより確実に防ぐことができるとともに、注入した硬化材が管内側に漏れ出してくるのを有効に防止することができるという副次的効果も得られる。
10 管路更生システム
12 押し戻し装置(管路復元機構)
14 パッカスリーブ(補強材施与装置)
15 牽引機構(移動手段)
17 圧縮空気供給手段
20 上部押圧板
22 下部押圧板
40 ゴム製筒体
42 補強材
46 LED(発光体)
47 袋体(補強材拡径手段)
60 空気管(補強材拡径手段)
80 圧縮空気供給手段
100 本管(既設管)
100a 歪み変形部分、復元部分

Claims (6)

  1. 下水管等の既設管路の更生を行う管路更生システムにおいて、
    既設管に生じた歪み変形部分を復元する管路復元機構と、
    上記管路復元機構の進行方向後方に配され、上記管路復元機構により復元された部分の内周面に補強材を施す補強材施与装置と、
    上記管路復元機構及び上記補強材施与装置を、該補強材施与装置が上記復元された既設管部分に位置するように移動させる移動手段と、を有し、
    上記補強材施与装置は、
    上記補強材が装着される補強材被装着体と、
    該装着された補強材が上記復元された部分の内周面に施されるように、該補強材を拡径する補強材拡径手段と、
    該拡径された補強材を硬化させる補強材硬化手段と、
    を有することを特徴とする管路更生システム。
  2. 上記既設管は、熱可塑性樹脂により形成され、
    上記管路復元機構が、上記歪み変形部分を押し戻すように押圧する押圧手段を有し、
    上記押圧手段による上記歪み変形部分の押圧前に該歪み変形部分を加熱する加熱手段と、
    上記押圧手段による上記歪み変形部分の押し戻しの後で且つ押圧状態を解除する前に該押し戻された部分を冷却する冷却手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の管路更生システム。
  3. 上記押圧手段が、上記歪み変形部分に当接する押圧板を有し、
    該押圧板には、
    上記加熱手段として、加熱された加熱媒体を上記歪み変形部分の内周面に供給する加熱媒体供給管と、
    上記冷却手段として、冷却された媒体を上記押し戻された部分に供給する冷却媒体供給管と、が貫設されたことを特徴とする請求項2に記載の管路更生システム。
  4. 上記補強材が、光硬化性樹脂により形成され、
    上記補強材硬化手段が、上記光硬化性樹脂を硬化させる波長の光を発する発光体を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の管路更生システム。
  5. 上記補強材施与装置は、上記管路復元機構の後方に連結されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の管路更生システム。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の管路更生システムを用いて行う管路更生方法であって、
    上記管路更生システムを、その管路復元機構が上記既設管路の歪み変形部分に位置するように移動させる管路復元機構位置合わせ工程と、
    上記管路復元機構位置合わせ工程の後、上記既設管内の歪み変形部分を上記管路復元機構により復元する復元工程と、
    上記復元工程の後に、上記補強材施与装置が上記既設管の押圧された部分の位置に到達するように、上記管路更生システムを移動させる補強材施与装置位置合わせ工程と、
    上記補強材施与装置位置合わせ工程の後、上記補強材を拡径させる補強材拡径工程と、
    上記拡径工程の後、上記補強材を上記補強材硬化手段により硬化させる補強材硬化工程と、
    を有することを特徴とする管路更生方法。
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