JP2014188747A - 延伸フィルムの製造方法及びフィルム延伸設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムに擦り傷や波板状のシワを発生させることなく、搬送方向に延伸する。
【解決手段】低速ローラ対41と高速ローラ対42とのローラ周速差により、フィルム15を搬送方向に延伸する。延伸前のフィルム15を予熱室20で加熱風36の吹き出しによりフィルム15を予熱する。従来の予熱ローラによるフィルムへの熱伝導による直接加熱に比べて、加熱風36によりフィルム15を加熱するため、熱膨張による波板状のシワの発生が無くなる。シワの発生が無くなるため、擦り傷の発生が抑えられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一対のローラの周速差によりフィルムを搬送方向に延伸する延伸フィルムの製造方法及びフィルム延伸設備に関する。
一般に、熱可塑性樹脂フィルムの製造は大きく分けて、溶液製膜法と溶融製膜法とに分類される。溶液製膜法では、熱可塑性樹脂が溶剤に溶解されたドープをダイから支持体、例えば冷却ドラムや乾燥バンド上に流延した後、剥がしてフィルムとする。また、溶融製膜法は、熱可塑性樹脂を押出機で溶融した後、ダイから支持体、例えば冷却ドラム上に押し出した後、剥がしてフィルムにする。
これらの方法により製膜された熱可塑性フィルム、例えばセルロースアシレートフィルムは、通常、縦方向(搬送方向)、横方向(幅方向)に延伸することによって、面内レターデーション(Re)、厚み方向のレターデーション(Rth)を発現させる。これにより、液晶表示装置の位相差フィルムとして使用する際に、視野角拡大を図ることができる(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
熱可塑性フィルムを縦方向に延伸する場合には、複数本の予熱ローラで熱可塑性フィルムを予熱した後に、一対の延伸ローラの周速差により縦方向に延伸加工する。この場合に、複数本の予熱ローラにフィルムが接触して、フィルム表面に擦り傷が発生したり、シワが発生したりする問題があった。このため、特許文献3の延伸フィルムの製造方法では、複数本の予熱ローラと上流側の延伸ローラの周速度を、各ローラへのフィルム接触前後での温度変化に基づき、下流に向かうに従い次第に増速させて、各予熱ローラ間に適度な張力を付与して擦り傷やシワの発生を抑えている。具体的には、予熱ローラにフィルムが接触する前後の温度差ΔTに一定の係数を乗じて、上流側の予熱ローラに対する下流側の予熱ローラの増速分を求めている。また、それぞれの予熱ローラにフィルムが接触する時間を0.5秒以上10秒以下の範囲にしている。
特表平6−501040号公報 特開2001−42130号公報 特開2008−213332号公報
ところで、最近の液晶表示装置は、軽量、薄型、高品質が求められるようになり、使用されるフィルムも、例えば25μm〜100μm程度の薄く高品質なものが求められている。このような薄型フィルムを縦延伸して製造する場合には、特許文献3のような予熱ローラによる予熱方法でも限界があり、フィルム表面に擦り傷が発生したり、シワが発生したりすることがあり、改善が求められていた。
本発明はこのような課題を解決するものであり、フィルムの薄手化に対応可能であり、フィルムに擦り傷やシワを発生させることのない延伸フィルムの製造方法及びフィルム延伸設備を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の延伸フィルムの製造方法は、ガラス転移温度がTgである帯状の熱可塑性樹脂からなるフィルムを搬送方向に延伸して延伸フィルムを製造する方法であり、予熱工程と延伸工程を含む。延伸工程は、搬送方向に離間して配置される低速ローラ及び高速ローラを有し、両者の周速差によりフィルムを搬送方向に延伸する。低速ローラは、フィルムに接触してフィルムをTg℃以上(Tg+20)℃以下の延伸温度Teに加熱する。予熱工程は延伸工程の前に行われる。この予熱工程は、予熱室内に加熱風を供給してフィルムを(Te−40)℃以上(Tg−5)℃以下に予熱する。
高速ローラは、低速ローラを経たフィルムを、(Tg−100)℃以上(Tg−5)℃以下に冷却することが好ましい。また、予熱室内でのフィルムのテンションは20N/m以上200N/m以下であることが好ましい。
予熱室は、搬送方向に複数の予熱域に区画され、各区画された予熱域の上流側から下流側に向けて予熱温度が上げられ、隣接する下流側予熱域と上流側予熱域の温度差は50℃以下であることが好ましい。
予熱工程は、フィルムの搬送方向を変更しパスを長くするための複数の搬送方向変更部材にフィルムが掛け渡されていることが好ましい。また、搬送方向変更部材はフリーローラまたはターンバーであることが好ましい。
搬送方向変更部材は、搬送方向に複数のグループに区画される。そして、グループ毎の搬送方向変更部材は、上流側から下流側に向けて温度が次第に上げられることが好ましい。
隣接する下流側グループと上流側グループの搬送方向変更部材の温度差は50℃以下であることが好ましい。
上記目的を達成するために、本発明のフィルム延伸設備は、ガラス転移温度がTgである帯状の熱可塑性樹脂からなるフィルムを搬送方向に延伸して延伸フィルムを製造する。フィルム延伸設備は、予熱部及び縦延伸部を備える。縦延伸部は、搬送方向に離間して配置される低速ローラ及び高速ローラを有し、両者の周速差によりフィルムを搬送方向に延伸する。低速ローラは、フィルムに接触してフィルムをTg℃以上(Tg+20)℃以下の延伸温度Teに加熱する。予熱部は縦延伸部の前に配される。この予熱部は、予熱室内に加熱風を供給してフィルムを(Te−40)℃以上(Tg−5)℃以下に予熱する。
本発明によれば、延伸工程の前に、フィルムのガラス転移温度をTgとし、フィルムの延伸温度をTe(TeはTg℃以上(Tg+20)℃以下)とした際に、予熱室内に加熱風を供給してフィルムを(Te−40)℃以上(Tg−5)℃以下に予熱することにより、従来のように予熱ローラに接触させてフィルムを加熱するものと異なり、予熱ローラ上でのフィルム膨張に起因する波板状のシワの発生が無くなる。
本発明のフィルム延伸設備の一例の概要を示す側面図である。 予熱室を複数に区画した別実施形態のフィルム延伸設備の一例の概要を示す側面図である。 予熱室内のフリーローラを温度調節する別実施形態の予熱室の概要を示す側面図である。 ターンバーを用いた別実施形態の予熱室の概要を示す側面図である。 延伸温度Teと予熱温度Tpとの適正範囲を示すグラフである。
図1に示すように、本発明のフィルム延伸設備10は予熱部11、縦延伸部12を備える。フィルム延伸設備10には、入口側に前工程装置13が接続され、出口側に後工程装置14が接続される。前工程装置13としては、図示しない製膜設備、フィルム送出装置などがある。製膜設備としては周知の溶液製膜設備、溶融製膜設備などが用いられる。フィルム送出装置は、製膜設備からフィルム15が直接送られる場合と異なり、製膜後にロール状に巻き取られたロールフィルムからフィルム15を引き出して、フィルム15を供給する。後工程装置14として、縦延伸の後に、横延伸する場合に用いられるクリップテンタや、フィルム巻取り装置などがある。縦延伸に続いて横延伸を連続して行わない場合には、クリップテンタが省略され、フィルム巻取り装置によりロール状にフィルム15が巻き取られる。
延伸するフィルム15は熱可塑性樹脂フィルムであれば良く、例えば位相差フィルムなどの光学フィルムに用いるのに適しているセルロースアシレートやノルボルネン系樹脂、アクリル、ポリカーボネート製のフィルム15が好ましい。
前工程装置13とフィルム延伸設備10との間には、テンション調節部16が設けられている。テンション調節部16はフリーローラ17a,17b間のテンションローラ18をシフト機構19により昇降させて、予熱部11内のフィルム15のテンションを一定に維持する。予熱部11内のフィルムテンションは20N/m以上200N/m以下が好ましい。20N/m以上であると、フリーローラ25の回転不良が生じることがなく、フィルム15への擦り傷の発生が抑えられる。また、200N/m以下であると、予熱部11内で縦延伸が生じることがなく、縦延伸部12で適正な縦延伸が行われる。
予熱部11は、予熱室20を備える。予熱室20内には、上下方向に離間して複数のフリーローラ(搬送方向変更部材)25が配されている。これらフリーローラ25間にフィルム15が交互に巻き掛けられることによって、フィルム15が各ローラ25間で上下方向に搬送され、予熱室20内のフィルム経路(パス)が長く設定されている。
予熱室20のフィルムパス長は予熱温度Tpやフィルム15の搬送速度にもよるが、例えば5m以上50m以下が好ましい。フリーローラ25は、例えば直径が80mmであり、フィルム15の巻き掛けによるフィルム15とフリーローラ25との接触面積が小さくされている。フリーローラ25の直径は、好ましくは40mm以上150mm以下である。40mm以上であるとフリーローラ25に撓みが生じることがなく、撓みに起因する回転ムラや傷の発生が抑えられる。また、150mm以下であると、フリーローラ25との接触時間が適正な範囲になり、シワが抑制される他に、フリーローラ25の回転不良に起因するフィルムの擦り傷の発生が抑えられる。フリーローラ25は、外周面がハードクロムメッキされていることが好ましい。ハードクロムメッキが施されることにより、フィルム15との密着性が向上し、フィルム15が滑りにくくなる。
予熱部11内には、例えば上側に送気ノズル31が、下側に排気ノズル32が配されている。送気ノズル31及び排気ノズル32にはダクト33を介して送風機34及び温度調節器35が接続されている。温度調節器35は、加熱媒体例えば空気を所望の温度に加熱する。送風機34は、ダクト33を介して、温度調節器35で温度が調節された空気を送気ノズル31に送る。送気ノズル31からは加熱空気が送り出され、この加熱風36によって予熱部11内のフィルム15を一定温度に予熱する。加熱風36は予熱室20内でフィルム15の側方から回り込み、フィルム15の上面及び下面の全体を予熱する。
加熱風36による予熱温度Tpは、延伸可能となる温度(延伸温度)Teよりも低い温度にする必要がある。そこで、フィルム15のガラス転移温度をTgとした際に、予熱部11内に加熱風36を供給してフィルム15を(Te−40)℃以上(Tg−5)℃以下に予熱する。延伸温度TeはTg℃以上(Tg+20)℃以下である。また、送気ノズル31からの加熱風の吹き出し速度は2m/sec以上15m/sec以下が好ましい。2m/sec以上であると、予熱室20の温度を均一に保つことができ、延伸ムラの発生が無くなる。また、15m/sec以下であると、フィルム15のばたつきに起因する擦り傷の発生が無くなる。
予熱部11を経て一定温度に予熱されたフィルム15は、縦延伸部12に送られる。縦延伸部12は、低速ローラ対41、高速ローラ対42、冷却ローラ43を備える。低速ローラ対41は低速ローラ41aとニップローラ41bとを有する。高速ローラ対42は、高速ローラ42aとニップローラ42bとを有する。低速ローラ41a、高速ローラ42a、冷却ローラ43には、温調媒体循環部から個別に温調媒体、例えばオイルや加圧蒸気が供給される。この温調媒体の循環供給によって、各ローラ41a,42a,43は所望の表面温度に設定される。例えば、低速ローラ41aの温度はTg℃以上(Tg+20)℃以下であり、高速ローラ42aの温度は(Tg−100)℃以上(Tg−5)℃以下であり、冷却ローラ43の温度は20℃以上(Tg−100)℃以下である。これら各ローラ41a,42a,43にフィルム15が接触することにより、フィルム15は各ローラ41a,42a,43の表面温度と同じ温度に加熱、または冷却される。
各ローラ41a,42a,43には、図示は省略したが、モータが接続されており、所望の回転速度で回転が可能になっている。そして、低速ローラ41aと高速ローラ42aの周速差によって、フィルム15は搬送方向に引き延ばされて縦延伸される。低速ローラ41aと高速ローラ42aの周速差は延伸倍率によって適宜変更され、低速ローラ41aの周速は例えば20m/min以上80m/min以下の範囲で設定することが好ましい。20m/min以上とすることにより製造効率を低下させることなくなる。また、80m/min以下とすることにより、フィルム15と低速ローラ41aとの接触時間を確保して、確実に加熱することができる。
縦延伸を行う際には、縦延伸倍率は、1.0より大きく1.5以下の範囲であることが好ましい。縦延伸倍率が1.0より大きく1.5以下の範囲である場合に、厚みムラが生じることを抑制でき、発現するレターデーションの変動を抑制することができる。
予熱部11で、フィルム15を(Te−40)℃以上に予熱することにより、縦延伸部12の低速ローラ41aでのフィルム15への加熱時の温度上昇量が大きくなり過ぎることがなく、低速ローラ41a上で波板状のシワの発生が抑えられる。また、予熱部11で、フィルム15を(Tg−5)℃以下に予熱することにより、予熱部11内でフィルム15が延伸されることがなく、縦延伸部12で均一に延伸することができる。
縦延伸部12で縦延伸されたフィルム15は、後工程装置14の例えばフィルム巻取り機によって、フィルムロールに巻き取られる。
本実施形態では、予熱室20に加熱風36を送り込み、加熱風36によって加熱するため、従来の予熱ローラによる熱伝導による加熱と異なり、予熱ローラ上でフィルム15が熱膨張して波板状になることがなく、シワや擦り傷の発生が抑えられる。特に、フィルム15の延伸前の厚みが、25μm以上100μm以下、好ましくは25μm以上60μm以下である薄膜フィルムに対して、シワや擦り傷の発生が抑えられる。
なお、一つの予熱室20を同一温度で予熱すると、フリーローラ25の温度も予熱室50の室温に近い温度になりうる。このため、予熱室50に入ったフィルム15は、予熱室50の出口温度まで高められた入口側のフリーローラ25に接触するため、フィルム15が熱膨張してフィルム幅方向に凹凸を繰り返す波板状のシワになる懸念がある。これを防ぐために、フリーローラ25の熱伝達による加熱を抑えるべく、フリーローラ25の直径をできるだけ細くし、またそのラップ角も小さくする。このため、フィルム搬送速度が40m/minの場合に、フリーローラ25の直径を40mm以上150mm以下にして、加熱風36で加熱されたフリーローラ25がフィルム15に接触しても、熱膨張して変形を起こさないようにする。実際には、フリーローラ25は、連続して送られてくるフィルム15(予熱室20の温度よりも低い温度である)との接触によって、予熱室20内の温度よりも低い温度になっているので、フリーローラ25へのフィルム接触により熱変形は発生しないこともある。
上記実施形態では、1個の予熱室20でフィルム15を加熱しているが、図2に示すように、予熱室50を隔壁49によりフィルム搬送方向に複数個に区画した予熱域50a〜50cを有する予熱部51としてよい。なお、上記実施形態と同一構成部材には同一符号が付してある。この第2実施形態の場合には、各予熱域50a〜50cに、送気ノズル31、排気ノズル32、ダクト33、送風機34、温度調節器35を設けて、各予熱域50a〜50c内の温度をフィルム搬送方向で次第に高くなるように設定する。隣接する予熱室20間の温度差は、例えば20℃以上50℃以下である。この温度差が20℃以上の場合には、区画数を適正な範囲に減らすことができ設備効率が向上する。また、50℃以下の場合には、隣接する予熱域間で空気のやりとりによる温度不均一が発生することがなく、延伸ムラにならない。
各予熱域50a〜50cの区画数は、予熱温度Tpに応じて増減する。例えば、一つの予熱室50を同一温度で予熱すると、予熱室50に入ったフィルム15は、予熱室50の出口温度まで高められた入口側のフリーローラ25に接触するため、フィルム15が熱膨張しフィルム幅方向に凹凸を繰り返す波板状のシワになる懸念がある。これを防ぐために、加熱風36で加熱されたフリーローラ25がフィルム15に接触しても熱膨張して変形を起こさない程度に、各予熱域50a〜50cの予熱温度Tpを小さく設定する。そして、複数の予熱域50a〜50cによって縦延伸に可能な温度にまで、段階的に予熱する。
また、予熱室50を複数個に区画する代わりに、図3に示すような一つの予熱室60において、各フリーローラ61に温調機構62a〜62cにより、温調媒体を供給して、フリーローラ61の表面温度をグループ毎に温度調節する予熱部63としてもよい。この場合には、入口側から順にグループ毎にフリーローラ61の表面温度を高くする。各フリーローラ61の表面温度は、フィルム15が接触し熱膨張により波板状のシワが発生することがない温度に設定する。なお、温度調節はグループ毎に行う他に、フリーローラ61毎に温度調節してもよい。更には、図2に示すように区画された予熱室50内のフリーローラ25に対して、同様にして温度調節してもよい。隣接する下流側グループと上流側グループのフリーローラ61の温度差は50℃以下であり、最上流グループのフリーローラ61の温度は予熱室50の外部室温に対して+20℃以上50℃以下の範囲である。
上記各実施形態では、フリーローラ25,61を用いて、予熱室20,50,60内でのフィルムパス長を長く設定しているが、フリーローラ25,61に代えて、図4に示すように、ターンバー70を用いた予熱部71としてもよい。この場合には、ターンバー70に、送風機72及び温度調節器73を接続して、ターンバー70に浮上空気を供給する。浮上空気は予熱室74の予熱温度Tpと同じに設定しても、または低く設定してもよい。なお、図3及び図4においては、予熱室60,74は図1に示すように、送風機34及び温度調節器35を備えるが、図示は省略している。また、図2の実施形態と同様に、予熱室60,74を複数に区画し、これら各予熱室に対して、送風機34及び温度調節器35を設け、予熱室毎に予熱温度Tpを設定し、入口側から出口側に向かうに従い次第に予熱温度Tpを高くしてもよい。また、図3の実施形態のフリーローラ61と同様に、各ターンバー70からの浮上空気の温度を、各ターンバー70個別に、またはグループ毎に変えて、予熱室74の入口から出口に向かうに従い、次第に高くしてもよい。
上記実施形態では、縦延伸部12として低速ローラ対41及び高速ローラ対42を用いたが、ニップ方式に限らず、溝付き加工ロールなどの高保持力ローラを低速ローラ及び高速ローラに用いてもよい。また、縦延伸部12は、上流側低速ローラ対41と下流側高速ローラ対42とによる1段の縦延伸としたが、複数段の縦延伸としても良い。
Figure 2014188747
フィルム15として、厚みが55μm、幅が600mmであり、Tgが145℃のセルロースアシレートフィルムを用い、予熱、縦延伸、冷却を行った。縦延伸部12では、上流側低速ローラ対41と下流側高速ローラ対42とによる1段の縦延伸を行った。前工程装置13としてフィルム送出機を用い、フィルムロールからフィルム15を引き出して予熱部11に送出し、後工程装置14として、フィルム巻取り機を用い、フィルム15を巻き取ってフィルムロールとした。予熱部11では、予熱室20内に直径が60mmのフリーローラ25を配して、これらにフィルム15を掛け渡し、予熱室20内のフィルムパス長を20mとした。そして、所望のフィルム温度になるように加熱風36を供給して予熱を行った。延伸倍率を1.3倍、延伸長さLe(図1参照)を300mm、冷却温度を100℃、フィルム搬送速度を40m/minとし、上記表1に示すように、予熱温度Tp及び延伸温度Teを変えて、実験1〜実験17を行った。なお、実験1〜実験16では加熱室を用いた加熱風供給による予熱を行い、実験17では予熱ローラに接触させて予熱を行った。
得られた延伸フィルムについて、擦り傷、シワ、延伸ムラを評価した。擦り傷は、マイクロスコープ観察により、シワは目視観察により行った。擦り傷、シワが無い時に優Aとし、擦り傷、シワがあるが許容内の時に良Bとし、許容できない擦り傷、シワの時に不可Cとした。延伸ムラは、長さ5mのサンプルピースの長手方向の最大厚みと最少厚みとの差が3μm以下である時に優Aとし、3μmを超えて5μm以下の時に許容内の良Bとし、5μmを超える時に不可Cとした。実験結果により、加熱風による予熱を行った実験1〜実験16では、予熱温度Tpについては、(延伸温度Te−40)℃未満及び(Tg−5)℃を超えると、擦り傷、シワ、延伸ムラのいずれかの評価で不可Cがあることが分かった。したがって、予熱温度Tpについては、(Te−40)℃以上(Tg−5)℃以下の範囲が適正であることが分かった。また、延伸温度Teについては、Tg未満及び(Tg+20)℃を超えると、擦り傷、シワ、延伸ムラのいずれかの評価で不可Cがあることが分かった。したがって、延伸温度Teについては、Tg℃以上(Tg+20)℃以下の範囲が適正であることが分かった。また、予熱ローラにフィルムを接触させて予熱を行った実験17では延伸ムラは無かったものの、擦り傷及びシワで評価が不可Cとなった。
図5は、上記適正範囲をグラフ化したものであり、ハッチングを付した領域が本願発明の適正条件範囲である。このように、均一な延伸をするためには、延伸温度TeをTg℃以上(Tg+20)℃以下にする必要があり、かつ予熱温度Tpを(Tg−5)℃以下にする必要があることが分かる。また、シワや擦り傷を発生させないためには、予熱温度Tpを(Te−40)℃以上が必要なことが分かる。
10 フィルム延伸設備
11,51,63,71 予熱部
12 縦延伸部
15 フィルム
16 テンション調節部
20,50,60,72 予熱室
25,61 フリーローラ
31 送気ノズル
32 排気ノズル
33 ダクト
34 送風機
35 温度調節器
41 低速ローラ対
41a 低速ローラ
41b,42b ニップローラ
42 高速ローラ対
42a 高速ローラ
43 冷却ローラ
50a,50b,50c 予熱域
70 ターンバー

Claims (10)

  1. ガラス転移温度がTgである帯状の熱可塑性樹脂からなるフィルムを搬送方向に延伸して延伸フィルムを製造する方法において、
    前記搬送方向に離間して配置され、前記フィルムに接触して前記フィルムをTg℃以上(Tg+20)℃以下の延伸温度Teに加熱する低速ローラ、前記低速ローラに対し周速差を有する高速ローラにより、前記フィルムを前記搬送方向に延伸する延伸工程と、
    前記延伸工程の前に、予熱室内に加熱風を供給して前記フィルムを(Te−40)℃以上(Tg−5)℃以下に予熱する予熱工程と、
    を含む延伸フィルムの製造方法。
  2. 前記低速ローラを経たフィルムを、前記高速ローラにより、(Tg−100)℃以上(Tg−5)℃以下に冷却する請求項1記載の延伸フィルムの製造方法。
  3. 前記予熱室内での前記フィルムのテンションは20N/m以上200N/m以下である請求項1または2記載の延伸フィルムの製造方法。
  4. 前記予熱室は、前記搬送方向に複数の予熱域に区画され、
    各区画された予熱域の上流側から下流側に向けて予熱温度が上げられ、隣接する下流側予熱域と上流側予熱域の温度差は50℃以下である請求項1から3いずれか1項記載の延伸フィルムの製造方法。
  5. 前記予熱工程は、前記フィルムの搬送方向を変更する複数の搬送方向変更部材に前記フィルムが掛け渡されている請求項1から4いずれか1項記載の延伸フィルムの製造方法。
  6. 前記搬送方向変更部材はフリーローラである請求項5記載の延伸フィルムの製造方法。
  7. 前記搬送方向変更部材はターンバーである請求項5記載の延伸フィルムの製造方法。
  8. 前記搬送方向変更部材は、前記搬送方向に複数のグループに区画され、グループ毎に前記搬送方向変更部材は、上流側から下流側に向けて温度が次第に上げられる請求項5から7いずれか1項記載の延伸フィルムの製造方法。
  9. 隣接する下流側グループと上流側グループの前記搬送方向変更部材の温度差は50℃以下である請求項8記載の延伸フィルムの製造方法。
  10. ガラス転移温度がTgである帯状の熱可塑性樹脂からなるフィルムを搬送方向に延伸して延伸フィルムを製造するフィルム延伸設備において、
    前記搬送方向に離間して配置され、前記フィルムに接触して前記フィルムをTg℃以上(Tg+20)℃以下の延伸温度Teに加熱する低速ローラ、前記低速ローラに対し周速差を有する高速ローラにより、前記フィルムを前記搬送方向に延伸する縦延伸部と、
    前記縦延伸部の前に配され、予熱室内に加熱風を供給して前記フィルムを(Te−40)℃以上(Tg−5)℃以下に予熱する予熱部と
    を備えるフィルム延伸設備。
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