JP2014188539A - 亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】亜鉛系めっきが施された第1の鋼板1Aと、第1の鋼板1Aよりも厚く非めっきあるいは亜鉛系めっきが施された第2の鋼板1Bとを重ね合わせて抵抗スポット溶接する際、第1の鋼板1Aと第2の鋼板1Bとの板厚比{1.2≦t2/t1≦3.0}、第1の鋼板1Aおよび第2の鋼板1Bの平均板厚{tm1=(t1+t2)/2}で表される平均板厚tm1とした時に、第1の鋼板1Aと第2の鋼板1Bの間を、溶接電流WC{0.80×Ie≦WC≦0.98×Ie}、溶接時間WT1{(10×t1+2)/60≦WT1≦(10×tm1+2)/50}、保持時間HT{HT≦0.2}、スポット溶接時の電極の加圧力EF1{1.96×t1≦EF1≦3.19×tm1}で表される範囲とする。
【選択図】図1
Description
スポット溶接部(溶接継手)の代表的な品質指標としては、引張強さと疲労強度が挙げられる。また、溶接継手の引張強さには、せん断方向に引張荷重を負荷して測定する引張せん断強さ(TSS)と、剥離方向に引張荷重を負荷して測定する十字引張強さ(CTS)がある。また、溶接継手の疲労強度には、せん断方向に引張荷重を負荷して測定する引張せん断疲労強度と、剥離方向に引張荷重を負荷して測定する十字引張疲労強度がある。一般に、引張強さも疲労強度も、スポット溶接部に欠陥(割れや穴等)が無い場合には、設計上問題無い十分に高い値が得られるが、欠陥や割れが存在する場合には、著しい低下が生じる場合がある。
また、特許文献2には、GA鋼板のめっき層最表層に存在する金属Zn(η相)およびAl2O3を低減・除去することにより、電極チップ表面の発熱と電極チップへの金属Znの拡散を抑制し、連続打点性を改善する技術が開示されている。
また、特許文献4には、GI鋼板またはGA鋼板のめっき層表面にFe−P−Oめっき層を形成させることにより、スポット溶接性を改善する技術が開示されている。
さらに、特許文献5および特許文献6には、スポット溶接用の電極の電極先端部あるいは芯部を電極本体とは異なる材料とすることにより、電極寿命を向上させる技術が開示されている。
また、特許文献7には、めっき鋼板と非めっき鋼板のスポット溶接において、規定された目付量、板厚の鋼板、アルミナ分散銅の電極を使用し、規定された電流でスポット溶接を行うことにより、電極寿命を向上させる方法が開示されている。
また、特許文献4の技術は、めっき層の変更を伴うものであり、通常のGI鋼板の溶接性を改善する技術ではない。
また、特許文献7に記載の技術は、溶接条件等によって連続打点性を向上させる技術であるが、この技術をもってしても、全ての鋼種、板厚、板組みで、連続打点性を向上させるのは困難である。
さらに加えて、特許文献1〜7に記載の技術は、いずれも連続打点性を向上させることを目的とする技術ではあるものの、散りの発生や穴あき、割れ等の欠陥の発生を防止することは困難である。
さらに、本発明者等は、抵抗スポット溶接電源に直流電源を用い、電極損耗が少ない正極(+)側を薄い鋼板側に配置した場合には、電極先端での合金化をより効果的に抑制できることを見出した。また、これに加え、合金化した電極先端部を、適宜最適な厚さでドレッシングする方法を採用することで、効果的に合金層を除去することが可能であることを見出した。
これらにより、電極先端での合金化による熱伝導度の低下を抑制し、散り発生や穴あき、割れ等の欠陥発生を防止し、連続打点性を向上させることが可能となることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
1.2≦t2/t1≦3.0 ・・・(1)
tm1=(t1+t2)/2 ・・・(2)
0.80×Ie≦WC≦0.98×Ie ・・・(3)
(10×t1+2)/60≦WT1≦(10×tm1+2)/50 ・・・(4)
HT≦0.2 ・・・(5)
1.96×t1≦EF1≦3.19×tm1 ・・・(6)
{但し、上記(1)〜(6)式において、t1:第1の鋼板の板厚(mm)、t2:第2の鋼板の板厚(mm)、tm1:第1の鋼板および第2の鋼板の平均板厚(mm)、Ie:散り発生電流(kA)、WC:溶接電流(kA)、WT1:溶接時間(s)、HT:溶接通電後に鋼板を電極で加圧する保持時間(s)、EF1:スポット溶接時の電極の加圧力(kN)を示す。}
1.2≦(t3+t4)/t1≦3.0 ・・・(7)
tm2=(t1+t3+t4)/2 ・・・(8)
(10×t1+2)/60≦WT2≦(10×tm2+2)/50 ・・・(9)
1.96×t1≦EF2≦3.19×tm2 ・・・(10)
{但し、上記(7)〜(10)式において、t1:第1の鋼板の板厚(mm)、t3:第3の鋼板の板厚(mm)、t4:第4の鋼板の板厚(mm)、tm2:第1の鋼板、第3の鋼板および第4の鋼板の3枚重ねを2枚重ねと仮定した時の平均板厚(mm)、WT2:溶接時間(s)、EF2:スポット溶接時の電極の加圧力(kN)を示す。}
1.2≦t2/t5≦3.0 ・・・(11)
tm3=(t1+t2+t5)/2 ・・・(12)
(10×t1+2)/60≦WT3≦(10×tm3+2)/50 ・・・(13)
1.96×t1≦EF3≦3.19×tm3 ・・・(14)
{但し、上記(11)〜(14)式において、t1:第1の鋼板の板厚(mm)、t2:第2の鋼板の板厚(mm)、t5:第5の鋼板の板厚(mm)、tm3:第1の鋼板、第2の鋼板および第5の鋼板の3枚重ねを2枚重ねと仮定した時の平均板厚(mm)、WT3:溶接時間(s)、EF3:スポット溶接時の電極の加圧力(kN)を示す。}
[5] 抵抗スポット溶接電源として直流電源を用い、板厚の薄い前記第1の鋼板側が正極(+)、板厚の厚い前記第2の鋼板側が負極(−)となるように電極を配置して抵抗スポット溶接することを特徴とする上記[1]に記載の亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法。
[6] 抵抗スポット溶接電源として直流電源を用い、前記第1の鋼板または前記第5の鋼板の内、何れか薄い側が正極(+)、厚い側が負極(−)となるように電極を配置して抵抗スポット溶接することを特徴とする上記[2]に記載の亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法。
[7] 上記[1]〜[6]の何れか1項に記載の方法を用いて、鋼板同士を重ね合わせて抵抗スポット溶接を連続打点で行う際、鋼板表面に散りが発生した時点で溶接を中断し、電極の表面から0.1〜1.0mmの厚さでドレッシングを行った後、抵抗スポット溶接による連続打点を再開することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法。
以下、本発明の亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法の各実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法は、図1に例示するように、電極2Aに接する側または両面に片面あたり30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆された板厚0.5〜1.0mmの第1の鋼板1Aと、この第1の鋼板1Aよりも板厚が厚い、非めっき、あるいは、片面または両面に片面あたり30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆された板厚0.7〜3.0mmの第2の鋼板1Bとを重ね合わせ、抵抗スポット溶接を行う方法である。具体的には、本実施形態では、第1の鋼板1Aと第2の鋼板1Bとの板厚比を下記(1)式で表される範囲にするとともに、第1の鋼板1Aおよび第2の鋼板1Bの平均板厚を、下記(2)式で表される平均板厚tm1とした時に、重ね合わせられた第1の鋼板1Aと第2の鋼板1Bの間を、溶接電流WC、溶接時間WT1、保持時間HT、スポット溶接時の電極の加圧力EF1の各々を下記(3)〜(6)式で表される条件に設定して抵抗スポット溶接する方法を採用している。
1.2≦t2/t1≦3.0 ・・・(1)
tm1=(t1+t2)/2 ・・・(2)
0.80×Ie≦WC≦0.98×Ie ・・・(3)
(10×t1+2)/60≦WT1≦(10×tm1+2)/50 ・・・(4)
HT≦0.2 ・・・(5)
1.96×t1≦EF1≦3.19×tm1 ・・・(6)
但し、上記(1)〜(6)式において、t1:第1の鋼板1Aの板厚(mm)、t2:第2の鋼板1Bの板厚(mm)、tm1:第1の鋼板1Aおよび第2の鋼板1Bの平均板厚(mm)、Ie:散り発生電流(kA)、WC:溶接電流(kA)、WT1:溶接時間(s)、HT:溶接通電後に鋼板を電極で加圧する保持時間(s)、EF1:スポット溶接時の電極の加圧力(kN)を示す。
図1は、本発明において亜鉛系めっき鋼板(第1の鋼板1A、第2の鋼板1Bを参照)を溶接するのに用いられる、一般的な抵抗スポット溶接方法を説明するための模式図である。
本発明で用いられる抵抗スポット溶接方法とは、まず、被溶接材である亜鉛系めっき鋼板、即ち、本例においては第1の鋼板1Aと第2の鋼板1Bとの2枚を重ね合わせる。そして、これら第1の鋼板1Aおよび第2の鋼板1Bの重ね合わせ部分に対して両側から、即ち、図1に示す例では上下方向から挟み込むように、銅合金からなる電極2A、2Bを押し付けつつ通電することにより、第1の鋼板1Aと第2の鋼板1Bとの間に溶融金属部を形成させる。この溶融金属部は、溶接通電が終了した後、水冷された電極2A、2Bによる抜熱や鋼板自体への熱伝導によって急速に冷却されて凝固し、第1の鋼板1Aと第2の鋼板1Bとの間に、図示例のような断面楕円形状のナゲット(溶接金属部)3が形成される。このようなナゲット3が形成されることにより、第1の鋼板1Aと第2の鋼板1Bとが溶接される。
以下に、本実施形態における被溶接物である亜鉛系めっき鋼板(第1の鋼板1A、第2の鋼板1B)の鋼板特性の限定理由について詳述する。
本実施形態では、被溶接物である亜鉛系めっき鋼板の板厚に関し、まず、第2の鋼板1Bの板厚を、第1の鋼板1Aよりも厚い板厚に規定している。具体的には、第1の鋼板1Aの板厚を0.5〜1.0mmの範囲に規定し、第2の鋼板1Bの板厚を0.7〜3.0mmの範囲に規定したうえで、上記範囲内において、第2の鋼板1Bが第1の鋼板1Aよりも厚い板厚を有するものとしている。
本実施形態では、被溶接物である亜鉛系めっき鋼板表面のめっきに関し、第1の鋼板1Aについては、電極2Aに接する側または両面に、片面あたりで30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆されたものとする。また、第1の鋼板1Aよりも板厚が厚い第2の鋼板1Bについては、非めっきであるか、あるいは、片面または両面に片面あたり30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆されたものとする。
本発明では、被溶接物である亜鉛系めっき鋼板(第1の鋼板1A、第2の鋼板1B)の引張強さについては、特に限定されず、例えば、自動車分野等で一般的に用いられる、引張強さが270〜1800MPa程度の軟鋼板、高強度鋼板に亜鉛系めっきが施されたものを用いることができる。
本発明では、被溶接物である亜鉛系めっき鋼板をなす鋼種については特に限定されず、例えば、軟鋼板(フェライト主体)や、2相組織型(例えば、フェライト中にマルテンサイトを含む組織、フェライト中にベイナイトを含む組織)、加工誘起変態型(フェライト中に残留オーステナイトを含む組織)、微細結晶型(フェライト主体組織)等の高強度鋼板等、何れの型の鋼板であっても良い。何れの鋼種からなる亜鉛系めっき鋼板であっても、本発明のスポット溶接方法を適用することにより、スポット溶接の際の散りの発生や、欠陥、割れが発生するのを防止でき、鋼板の特性を損なうことなく、信頼性の高い溶接継手(溶接金属部)が得られる。
以下に、本実施形態で規定する抵抗スポット溶接の際の溶接条件について、その限定理由を詳述する。
本実施形態においては、抵抗スポット溶接を行う際の溶接電流を、上記(3)式、即ち、次式{0.80×Ie≦WC≦0.98×Ie}で表される範囲に規定する。ここで、上記(3)式中のIe(kA)とは散り発生電流(溶接電流を増加させた時に散りが発生し始める電流)であり、被溶接物である亜鉛系めっき鋼板の鋼種や板厚、板組み、めっきの有無、めっきの目付量等に応じて変化する数値である。
本実施形態においては、抵抗スポット溶接を行う際の溶接時間を、上記(4)式、即ち、次式{(10×t1+2)/60≦WT1≦(10×tm1+2)/50}で表される範囲に規定する。溶接時間(WT1)の範囲は、上記(4)式中に示されるように、その下限は第1の鋼板1Aの板厚t1に依存し、また、上限は、第1の鋼板1Aと第2の鋼板1Bの平均板厚tm1に依存する。
本実施形態においては、上記溶接電流WC、溶接時間WT1の条件で溶接通電した後、引き続き、上記(5)式で表されるように、0.2(s)以下(200(ms)以下)の保持時間HTで電極2A、2Bによって第1の鋼板1Aおよび第2の鋼板1Bを保持する。保持時間HTが200(ms)を超えると、保持時間中に電極先端の合金化反応が進み、散りや欠陥が発生し易くなる。
また、保持時間HTは、電極2A、2Bの先端とめっきとの反応を最小限に防ぐためには、可能な限り短いことが好ましいが、短すぎると、ナゲット中心部で収縮欠陥が発生する場合があるので、溶接時の散りの発生や、欠陥の発生を抑制する効果が確実に得られる最小時間とすることが好ましい。
本実施形態では、上記条件の溶接通電ならびに電極による保持を行う際の、第1の鋼板1Aおよび第2の鋼板1Bに対する電極2A、2Bの加圧力EF1は、下記(6)式で表される範囲に設定すると、上述した散りの発生の防止や欠陥防止の効果が顕著に得られる点から好ましい。
1.96×t1≦EF1≦3.19×tm1 ・・・(6)
但し、上記(6)式において、EF1:スポット溶接時の電極の加圧力(kN)、t1:第1の鋼板1Aの板厚(mm)、tm1:第1の鋼板1Aおよび第2の鋼板1Bの平均板厚(mm)を示す。
本実施形態では、溶接電流WC、溶接時間WT1、保持時間HTおよび電極の加圧力EFの各条件を上記規定とした場合、その通電パターンおよび加圧パターンは、図2のグラフに示すようなパターンとなる。本実施形態では、このような通電パターンおよび加圧パターンにおいて、上記規定範囲内で各条件を設定することができる。また、本発明においては、図2のグラフに示すような通電パターンおよび加圧パターンには限定されず、溶接条件を上記範囲で変更しながら、適宜、異なるパターンに変更することも可能である。
本実施形態では、抵抗スポット溶接に用いる電源は特に限定されず、一般的な交流電源を用いることができるが、その他、直流インバーター等の直流電源を用いることも可能である。
本実施形態においては、上記方法で亜鉛系めっき鋼板同士を重ね合わせて抵抗スポット溶接を連続打点で行う際、第1の鋼板1Aまたは第2の鋼板1Bの何れかの表面に散りが発生した時点で溶接を中断し、電極2A、2Bの表面、特に電極先端の表面から0.1〜1.0mmの厚さでドレッシングを行った後、抵抗スポット溶接による連続打点を再開する方法を採用しても良い。このように、連続打点による抵抗スポット溶接で合金化した電極先端部を、適宜、最適な厚さでドレッシングすることにより、電極先端における発熱増加と熱伝導度の低下を抑制できるので、散りの発生や、穴あき、割れ等の欠陥の発生を防止し、連続打点性を向上させることが可能となる。この際のドレッシングの厚さが0.1mm未満だと、電極表面の合金層が十分に除去されず、散りや欠陥の発生防止効果がない。また、ドレッシングの厚さが1.0mmを超えると、ドレッシングの度に電極の肉厚が薄くなり過ぎ、電極寿命が短くなる。
本発明に係る亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法は、本実施形態で説明したように、鋼板のめっき目付量、板厚および板厚比に加え、溶接電流や溶接時間、保持時間等の抵抗スポット溶接条件を最適化した方法なので、例えば、図1に例示するような電極2が備えられた従来公知の抵抗スポット溶接設備を何ら制限無く採用することが可能である。
本発明の亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法の第2の実施形態について、以下に説明する。
なお、本実施形態では、上記第1の実施形態と共通する構成については、同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。
1.2≦(t3+t4)/t1≦3.0 ・・・(7)
tm2=(t1+t3+t4)/2 ・・・(8)
(10×t1+2)/60≦WT2≦(10×tm2+2)/50 ・・・(9)
1.96×t1≦EF2≦3.19×tm2 ・・・(10)
但し、上記(7)〜(10)式において、t1:第1の鋼板1Aの板厚(mm)、t3:第3の鋼板1Cの板厚(mm)、t4:第4の鋼板1Dの板厚(mm)、tm2:第1の鋼板1A、第3の鋼板1Cおよび第4の鋼板1Dの3枚重ねを2枚重ねと仮定した時の平均板厚(mm)、WT2:溶接時間(s)、EF2:スポット溶接時の電極の加圧力(kN)を示す。
また、本実施形態では、溶接電流WC、保持時間HTの各々を上記(3)、(4)式で表される範囲とする点でも、上記第1の実施形態と同様である。
さらに、本実施形態の抵抗スポット溶接方法は、溶接時間WT2を上記範囲に規定している点で、上記第1の実施形態の抵抗スポット溶接方法とは異なる。
(鋼板の板厚および板厚比)
本実施形態では、被溶接物である亜鉛系めっき鋼板の板厚に関し、まず、第1の実施形態と同様、第3の鋼板1Cの板厚を、第1の鋼板1Aよりも厚い板厚に規定し、且つ、第1の鋼板1Aの板厚を0.5〜1.0mm、第3の鋼板1Cの板厚を0.6〜2.0mmの範囲に規定している。
そして、本実施形態では、上述のように、第3の鋼板1C側に重ね合わせる第4の鋼板1Dを、第1の鋼板1Aよりも板厚が厚いものとしたうえで、第1の鋼板1Aと、第3の鋼板1Cおよび第4の鋼板1Dの合計板厚との比を、上記(7)式、即ち、次式{1.2≦(t3+t4)/t1≦3.0}で表される範囲に規定している。さらに、本実施形態では、第1、3、4の鋼板1A、1C、1Dの平均板厚tm2を、上記(8)式、即ち、次式{tm2=(t1+t3+t4)/2}で表される範囲に規定している。
本実施形態では、被溶接物である亜鉛系めっき鋼板表面のめっきに関し、第1の鋼板1Aについては、上記第1の実施形態における規定と同様とする。そして、第3の鋼板1Cおよび第3の鋼板1C側に重ね合わせられる第4の鋼板1Dについては、非めっきであるか、あるいは、片面または両面に片面あたり30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆されたものとする。
本実施形態では、3枚重ねとする亜鉛系めっき鋼板の板厚に関し、各々の鋼板の関係を上記範囲に規定したうえで、抵抗スポット溶接の際の溶接条件を、以下に詳述する条件に規定する。
本実施形態においては、抵抗スポット溶接を行う際の溶接時間を、上記(9)式、即ち、次式{(10×t1+2)/60≦WT2≦(10×tm2+2)/50}で表される範囲に規定する。本実施形態における溶接時間(WT2)の範囲は、上記(9)式中に示されるように、その下限は第1の鋼板1Aの板厚t1に依存し、また、上限は、第1の鋼板1A、第2の鋼板1Bおよび第3の鋼板1Cの平均板厚tm2に依存する。
本実施形態では、上記第1の実施形態と同様、上記条件の溶接通電ならびに電極による保持を行う際の、第1、3、4の鋼板1A、1C、1Dに対する電極2A、2Bの加圧力EF2は、下記(10)式で表される範囲に設定すると、上述した散りの発生の防止や欠陥防止の効果が顕著に得られる点から好ましい。
1.96×t1≦EF2≦3.19×tm2 ・・・(10)
但し、上記(10)式において、EF2:スポット溶接時の電極の加圧力(kN)、t1:第1の鋼板1Aの板厚(mm)、tm2:第1の鋼板1A、第3の鋼板1Cおよび第4の鋼板1Dの3枚重ねを2枚重ねと仮定した時の平均板厚(mm)を示す。
本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、抵抗スポット溶接に用いる電源は特に限定されず、一般的な交流電源の他、直流インバーター等の直流電源を用いることができる。
また、本実施形態において、抵抗スポット溶接電源に直流電源を用いた場合には、上記第1の実施形態の場合と同様の理由により、板厚の薄い第1の鋼板1A側が正極(+)、板厚の厚い第4の鋼板1D側が負極(−)となるように電極2A、2Bを配置することが好ましい。これにより、電極先端における合金化をより効果的に抑制することができるので、電極先端での発熱増加と熱伝導度の低下を抑制し、散りの発生や、穴あき、割れ等の欠陥発生を防止できるとともに、連続打点性を向上させることが可能となる。
本実施形態では、上記規定以外の条件については、上述した第1の実施形態と同様とすることができる。例えば、通電パターンおよび加圧パターンについても、図2に示すようなパターンと同様のパターンとし、上記規定範囲内で各条件を設定することができる。また、第1の実施形態と同様、通電パターンおよび加圧パターンは、溶接条件を上記範囲で変更しながら、適宜、異なるパターンに変更することも可能である。
また、使用する抵抗スポット溶接設備についても、図3に例示するような電極2が備えられた従来公知の抵抗スポット溶接設備を何ら制限無く採用することが可能である。
さらに、電極のドレッシングについても第1の実施形態と同様の方法で行うことができ、合金化した電極先端部を、適宜、最適な厚さでドレッシングすることで、電極先端における発熱増加と熱伝導度の低下を抑制でき、散りの発生や、穴あき、割れ等の欠陥の発生を防止し、連続打点性を向上させることが可能となる。
本発明の亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法の第3の実施形態について、以下に説明する。
なお、本実施形態では、上記第1および第2の実施形態と共通する構成については同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。
1.2≦t2/t5≦3.0 ・・・(11)
tm3=(t1+t2+t5)/2 ・・・(12)
(10×t1+2)/60≦WT3≦(10×tm3+2)/50 ・・・(13)
1.96×t1≦EF3≦3.19×tm3 ・・・(14)
但し、上記(11)〜(14)式において、t1:第1の鋼板1Aの板厚(mm)、t2:第2の鋼板1Bの板厚(mm)、t5:第5の鋼板1Eの板厚(mm)、tm3:第1の鋼板1A、第2の鋼板1Bおよび第5の鋼板1Eの3枚重ねを2枚重ねと仮定した時の平均板厚(mm)、WT3:溶接時間(s)、EF3:スポット溶接時の電極の加圧力(kN)を示す。
また、本実施形態では、溶接電流WC、保持時間HTの各々を上記(3)、(4)式で表される範囲とする点でも、上記第1および第2の実施形態と同様である。
さらに、本実施形態の抵抗スポット溶接方法は、溶接時間WT3を上記範囲に規定している点で、上記第1および第2の実施形態の抵抗スポット溶接方法とは異なる。
(鋼板の板厚および板厚比)
本実施形態では、被溶接物である亜鉛系めっき鋼板の板厚に関し、まず、第1および第2の実施形態と同様、第2の鋼板1Bの板厚を、第1の鋼板1Aよりも厚い板厚に規定し、且つ、第1の鋼板1Aの板厚を0.5〜1.0mm、第2の鋼板1Bの板厚を0.7〜3.0mmの範囲に規定している。
そして、本実施形態では、上述のように、第2の鋼板1B側に重ね合わせる第4の鋼板1Dを、第1の鋼板1Aよりも板厚が薄いものとしたうえで、第5の鋼板1Eと第2の鋼板1Bとの板厚比を上記(11)式、即ち、次式{1.2≦t2/t5≦3.0}で表される範囲に規定している。さらに、本実施形態では、第1の鋼板1A、第2の鋼板1Bおよび第5の鋼板1Eの平均板厚tm3を、上記(12)式、即ち、次式{tm3=(t1+t2+t5)/2}で表されるように定義に規定している。
本実施形態では、被溶接物である亜鉛系めっき鋼板表面のめっきに関し、第1、2の鋼板1A、1Bについては、上記第1および第2の実施形態における規定と同様とする。そして、第2の鋼板1B側に重ね合わせられる第5の鋼板1Eについては、非めっきであるか、あるいは、片面または両面に片面あたり30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆されたものとする。
本実施形態では、上記第2の実施形態と同様に3枚重ねとする亜鉛系めっき鋼板の板厚に関し、各々の鋼板の関係を上記範囲に規定したうえで、抵抗スポット溶接の際の溶接条件を、以下に詳述する条件に規定する。
本実施形態においては、抵抗スポット溶接を行う際の溶接時間を、上記(13)式、即ち、次式{(10×t1+2)/60≦WT3≦(10×tm3+2)/50}で表される範囲に規定する。本実施形態における溶接時間(WT3)の範囲は、上記(13)式中に示されるように、その下限は第1の鋼板1Aの板厚t1に依存し、また、上限は、第1の鋼板1A、第2の鋼板1Bおよび第5の鋼板1Eの平均板厚tm3に依存する。
本実施形態では、上記第1及び第2の実施形態と同様、上記条件の溶接通電ならびに電極による保持を行う際の、第1の鋼板1A、第2の鋼板1Bおよび第5の鋼板1Eに対する電極2A、2Bの加圧力EF2は、上記同様、下記(14)式で表される範囲に設定すると、上述した散りの発生の防止や欠陥防止の効果が顕著に得られる点から好ましい。
1.96×t1≦EF3≦3.19×tm3 ・・・(14)
但し、上記(14)式において、EF3:スポット溶接時の電極の加圧力(kN)、t1:第1の鋼板1Aの板厚(mm)、tm3:第1の鋼板1A、第2の鋼板1Bおよび第5の鋼板1Eの3枚重ねを2枚重ねと仮定した時の平均板厚(mm)を示す。
本実施形態においても、上記第1および第2の実施形態と同様、抵抗スポット溶接に用いる電源は特に限定されず、一般的な交流電源の他、直流インバーター等の直流電源を用いることができる。なお、本実施形態で抵抗スポット溶接電源に直流電源を用いた場合には、板厚の薄い第1の鋼板1Aまたは板厚の薄い第5の鋼板1Eの内、何れか薄い側が正極(+)、厚い側が負極(−)となるように電極2A、2Bを配置することが好ましい。これにより、上記同様、電極先端における合金化をより効果的に抑制できるので、電極先端での発熱増加と熱伝導度の低下を抑制し、散りの発生や、穴あき、割れ等の欠陥発生を防止できるとともに、連続打点性を向上させることが可能となる。
本実施形態においても、上記第2の実施形態と同様、上記規定以外の溶接条件については、上記第1の実施形態と同様とすることができ、例えば、通電パターンおよび加圧パターンについても同様のパターンとしたうえで、上記規定範囲内で各条件を設定することができる。また、上記同様、通電パターンおよび加圧パターンは、溶接条件を上記範囲で変更しながら、適宜、異なるパターンに変更することも可能である。
また、使用する抵抗スポット溶接設備についても、第2の実施形態と同様、図3に例示するような電極2が備えられた従来公知の抵抗スポット溶接設備を何ら制限無く採用することが可能である。
さらに、電極のドレッシングについても第1および第2の実施形態と同様の方法で行うことができ、これによって電極先端における発熱増加と熱伝導度の低下を抑制できるので、散りの発生や、穴あき、割れ等の欠陥の発生を防止し、連続打点性を向上させることが可能となる。
供試材として、表1に示すような、引張強さ:300〜1190MPa、板厚:0.5〜3.2mmの、非めっき、あるいは、片面または両面に合金化溶融亜鉛めっき(記号:GA)または溶融亜鉛めっき(記号:GI)が施された、軟鋼板(270E)、2相複合組織型鋼板(日本鉄鋼連盟規格:590Y、980Y、1180Y)を用いた。なお、めっきの目付量は45〜120g/m2であった。
下記表1に鋼板特性の一覧を示すとともに、下記表2に溶接条件及び評価結果(観察結果)の一覧を示す。
下記表3に示すような、上記実施例1と同様の各種鋼板を用い、実施例1と同様の手順で各鋼板から上記と同様に試験片を切り出した。
次いで、これらの試験片を、下記表3に示した板組みで3枚重ね合わせ、下記表4に示す溶接条件(本発明の請求項3に記載の溶接条件、および、その範囲外の条件)で、上記実施例1と同様の手順で、スポット溶接を実施し、試験片を作製した。この際、上記と同様に、スポット溶接時の散りの発生状態を目視で確認した。
下記表3に鋼板特性の一覧を示すとともに、下記表4に溶接条件及び評価結果(観察結果)の一覧を示す。
下記表5に示すような、上記実施例1、2と同様の各種鋼板を用い、実施例1、2と同様の手順で、各鋼板から上記と同様に試験片を切り出した。
次いで、これらの試験片を、下記表5に示した板組みで3枚重ね合わせ、下記表6に示す溶接条件(本発明の請求項5に記載の溶接条件、および、その範囲外の条件)で、上記実施例1、2と同様の手順で、スポット溶接を実施し、試験片を作製した。この際、上記と同様に、スポット溶接時の散りの発生状態を目視で確認を行った。
下記表5に鋼板特性の一覧を示すとともに、下記表6に溶接条件及び評価結果(観察結果)の一覧を示す。
1A…第1の鋼板、
1B…第2の鋼板、
1C…第3の鋼板、
1D…第4の鋼板、
1E…第5の鋼板、
2(2A、2B)…電極、
3、30、31…ナゲット
Claims (7)
- 電極に接する側または両面に片面あたり30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆された板厚0.5〜1.0mmの第1の鋼板と、該第1の鋼板よりも板厚が厚い、非めっき、あるいは、片面または両面に片面あたり30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆された板厚0.7〜3.0mmの第2の鋼板とを重ね合わせ、抵抗スポット溶接を行う亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法であって、
前記第1の鋼板と前記第2の鋼板との板厚比を下記(1)式で表される範囲にするとともに、前記第1の鋼板および第2の鋼板の平均板厚を、下記(2)式で表される平均板厚tm1とした時に、
重ね合わせられた前記第1の鋼板と前記第2の鋼板の間を、溶接電流WC、溶接時間WT1、保持時間HT、スポット溶接時の電極の加圧力EF1の各々を下記(3)〜(6)式で表される条件に設定して抵抗スポット溶接することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法。
1.2≦t2/t1≦3.0 ・・・(1)
tm1=(t1+t2)/2 ・・・(2)
0.80×Ie≦WC≦0.98×Ie ・・・(3)
(10×t1+2)/60≦WT1≦(10×tm1+2)/50 ・・・(4)
HT≦0.2 ・・・(5)
1.96×t1≦EF1≦3.19×tm1 ・・・(6)
{但し、上記(1)〜(6)式において、t1:第1の鋼板の板厚(mm)、t2:第2の鋼板の板厚(mm)、tm1:第1の鋼板および第2の鋼板の平均板厚(mm)、Ie:散り発生電流(kA)、WC:溶接電流(kA)、WT1:溶接時間(s)、HT:溶接通電後に鋼板を電極で加圧する保持時間(s)、EF1:スポット溶接時の電極の加圧力(kN)を示す。} - 電極に接する側または両面に片面あたり30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆された板厚0.5〜1.0mmの第1の鋼板と、該第1の鋼板よりも板厚が厚い、非めっき、あるいは、片面または両面に片面あたり30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆された板厚0.6〜2.0mmの第3の鋼板とを重ね合わせ、さらに、前記第3の鋼板側に、前記第1の鋼板よりも板厚が厚く、非めっき、あるいは、片面または両面に片面あたり30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆された板厚0.6〜2.0mmの第4の鋼板を重ね合わせ、抵抗スポット溶接を行う亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法であって、
前記第1の鋼板と、前記第3の鋼板および第4の鋼板の合計板厚との比を下記(7)式で表される範囲にするとともに、前記第1の鋼板、第3の鋼板および第4の鋼板の3枚重ねを2枚重ねと仮定した時の平均板厚を、下記(8)式で表される平均板厚tm2とした時に、
重ね合わせられた前記第1、3、4の鋼板の各々の間を、溶接電流WC、保持時間HTの各々を、請求項1に記載の(3)、(5)式で表される条件に設定するとともに、溶接時間WT2、スポット溶接時の電極の加圧力EF2を下記(9)、(10)式で表される条件に設定して抵抗スポット溶接することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法。
1.2≦(t3+t4)/t1≦3.0 ・・・(7)
tm2=(t1+t3+t4)/2 ・・・(8)
(10×t1+2)/60≦WT2≦(10×tm2+2)/50 ・・・(9)
1.96×t1≦EF2≦3.19×tm2 ・・・(10)
{但し、上記(7)〜(10)式において、t1:第1の鋼板の板厚(mm)、t3:第3の鋼板の板厚(mm)、t4:第4の鋼板の板厚(mm)、tm2:第1の鋼板、第3の鋼板および第4の鋼板の3枚重ねを2枚重ねと仮定した時の平均板厚(mm)、WT2:溶接時間(s)、EF2:スポット溶接時の電極の加圧力(kN)を示す。} - 電極に接する側または両面に片面あたり30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆された板厚0.5〜1.0mmの第1の鋼板と、該第1の鋼板よりも板厚が厚い、非めっき、あるいは、片面または両面に片面あたり30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆された板厚0.7〜3.0mmの第2の鋼板とを重ね合わせ、さらに、前記第2の鋼板側に、該第2の鋼板よりも板厚が薄く、非めっき、あるいは、電極に接する面または両面に片面あたり30〜100g/m2の亜鉛系めっきが被覆された板厚0.5〜1.0mmの第5の鋼板を重ね合わせ、抵抗スポット溶接を行う亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法であって、
前記第1の鋼板と前記第2の鋼板との板厚比を請求項1に記載の(1)式、前記第5の鋼板と前記第2の鋼板との板厚比を下記(11)式で表される範囲に設定するとともに、前記第1の鋼板、前記第2の鋼板および前記第5の鋼板の3枚重ねを2枚重ねと仮定した時の平均板厚を、下記(12)式で表される平均板厚tm3とした時に、
重ね合わせられた前記第1の鋼板、前記第2の鋼板および第5の鋼板の各々の間を、溶接電流WC、保持時間HTの各々を請求項1に記載の(3)、(5)式で表される条件に設定するとともに、溶接時間WT3、スポット溶接時の電極の加圧力EF3を下記(13)、(14)式で表される条件に設定して抵抗スポット溶接することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法。
1.2≦t2/t5≦3.0 ・・・(11)
tm3=(t1+t2+t5)/2 ・・・(12)
(10×t1+2)/60≦WT3≦(10×tm3+2)/50 ・・・(13)
1.96×t1≦EF3≦3.19×tm3 ・・・(14)
{但し、上記(11)〜(14)式において、t1:第1の鋼板の板厚(mm)、t2:第2の鋼板の板厚(mm)、t5:第5の鋼板の板厚(mm)、tm3:第1の鋼板、第2の鋼板および第5の鋼板の3枚重ねを2枚重ねと仮定した時の平均板厚(mm)、WT3:溶接時間(s)、EF3:スポット溶接時の電極の加圧力(kN)を示す。} - 抵抗スポット溶接電源として直流電源を用いることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法。
- 抵抗スポット溶接電源として直流電源を用い、板厚の薄い前記第1の鋼板側が正極(+)、板厚の厚い前記第2の鋼板側が負極(−)となるように電極を配置して抵抗スポット溶接することを特徴とする請求項1に記載の亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法。
- 抵抗スポット溶接電源として直流電源を用い、前記第1の鋼板または前記第5の鋼板の内、何れか薄い側が正極(+)、厚い側が負極(−)となるように電極を配置して抵抗スポット溶接することを特徴とする請求項2に記載の亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法。
- 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の方法を用いて、鋼板同士を重ね合わせて抵抗スポット溶接を連続打点で行う際、鋼板表面に散りが発生した時点で溶接を中断し、電極の表面から0.1〜1.0mmの厚さでドレッシングを行った後、抵抗スポット溶接による連続打点を再開することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の抵抗スポット溶接方法。
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