JP2014188518A - レーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光を走査してワークを加工する場合に、加工位置の違いによる加工ムラを低減する。
【解決手段】調整レンズ151と集光レンズ153の光軸方向の位置が固定され、可動レンズ152は、調整レンズ151と集光レンズ153との間において所定の可動範囲内で光軸方向に移動可能である。調整レンズ151はレーザ光を集め、主面間距離d12が長くなるほど、可動レンズ152に入射するレーザ光の径が小さくなり、可動レンズ152はレーザ光を広げ、主面間距離d23が長くなるほど、可動レンズ152に入射するレーザ光の径が大きくなる。集光レンズ153は、レーザ光をワークの加工面において集光させ、レーザ光はガルバノミラーにより走査される。本発明は、例えば、レーザマーカに適用できる。
【選択図】図7

Description

本発明は、レーザ加工装置に関し、特に、レーザ光を走査してワークを加工するレーザ加工装置に関する。
従来、レーザ光を収束する収束レンズとワークとの間の距離に応じて、収束レンズに入射するレーザ光のビーム径又は広がり角を変更することにより、レーザ光の焦点位置を調整し、ワーク上のレーザ光の加工幅を一定に保つレーザマーカが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5062838号公報
ところで、レーザマーカは、ワークの加工面上でレーザ光を走査して加工を行うが、加工エリアの中心部と周辺部とでは、レーザ光の光路長が異なる。そして、従来のレーザマーカでは、このレーザ光の光路長の差により、加工エリアの中心部と周辺部で、レーザ光のスポット径に差が生じ、加工ムラが生じていた。この点について、図1乃至図5を参照して説明する。
なお、以下、レーザ光の集光点において光軸に垂直な方向の径を集光径と称し、レーザ光がワークの加工面に照射されることにより形成されるスポットの径をスポット径と称し、集光径とスポット径を区別する。
図1は、従来のレーザマーカ1の構成例を示している。レーザマーカ1において、レーザ発振器21から出射されたレーザ光は、光学系22及びガルバノミラー23を介して、ワーク2の加工面に照射され、ワーク2の加工が行われる。また、光学系22により、ワーク2の加工面においてレーザ光が集光するようにレーザ光の焦点位置が調整され、ガルバノミラー23により、レーザ光がワーク2の加工面において互いに直交する2軸方向に走査される。
図2は、光学系22の構成例を示している。光学系22は、可動レンズ51及び集光レンズ52により構成される。なお、以下、説明を簡単にするために、可動レンズ51及び集光レンズ52の厚みが無視できる程度に十分薄く、各レンズの主面を1面として扱うことができるものと仮定して説明する。
可動レンズ51は、所定の可動範囲内で光軸方向に移動可能であり、可動レンズ51と集光レンズ52との間の距離を調整することができる。そして、可動レンズ51と集光レンズ52の間の距離を長くすることにより、光学系22の焦点距離が短くなる。すなわち、集光レンズ52とレーザ光の集光点との間の距離が短くなる。一方、可動レンズ51と集光レンズ52の間の距離を短くすることにより、光学系22の焦点距離が長くなる。すなわち、集光レンズ52とレーザ光の集光点との間の距離が長くなる。
従って、図1に示されるように、ワーク2の加工エリアの中心部を加工する場合、レーザ光の光路Laが短くなるため、可動レンズ51が集光レンズ52から遠ざけられる。一方、ワーク2の加工エリアの周辺部を加工する場合、レーザ光の光路Lbが長くなるため、可動レンズ51が集光レンズ52から近づけられる。
ここで、図2の上の図のように、光学系22の焦点距離が短い場合のレーザ光の集光点Paの集光径と比較して、下の図のように、光学系22の焦点距離が長い場合のレーザ光の集光点Pbの集光径の方が大きくなる。これについて、図3乃至図5を参照して説明する。
図3に示されるように、可動レンズ51と集光レンズ52の主面間距離をd12とし、集光レンズ52の主面と集光点Pとの間の距離、すなわち、光学系22の焦点距離をS2とする。また、可動レンズ51の焦点距離をf1とし、集光レンズ52の焦点距離をf2とし、可動レンズ51へのレーザ光の入射径をφ1とし、集光レンズ52へのレーザ光の入射径をφ2とする。そうすると、次式(1)及び(2)が成り立つ。
Figure 2014188518
そして、焦点距離f1=−30mm、焦点距離f2=98mmとし、主面間距離d12を100mmから110mmの範囲内で変化させた場合、光学系22の焦点距離S2は、主面間距離d12に対して、図4に示されるように変化する。すなわち、主面間距離d12が長くなるほど、焦点距離S2が短くなる。
一方、光学系22のF値(=S2/φ2)は、主面間距離d12に対して、図5に示されるように変化する。すなわち、主面間距離d12が長くなるほど、F値が小さくなる。また、レーザ光の集光径は、光学系22のF値に比例するため、主面間距離d12が長くなり、焦点距離S2が短くなるほど小さくなる。
従って、ワーク2の加工エリアの中心部と周辺部とで、光路長の違いに合わせて光学系22の焦点距離S2を変更すると、図2に示されるように、レーザ光の集光径が変化し、その結果、スポット径にバラツキが生じ、加工ムラが発生する。
そこで、本発明は、レーザ光を走査してワークを加工する場合に、加工位置の違いによる加工ムラを低減できるようにするものである。
本発明の一側面のレーザ加工装置は、レーザ光を走査してワークの加工面を加工するレーザ加工装置において、第1乃至第3のレンズを含む光学系と、光学系から出射されたレーザ光を加工面において走査する走査部とを備え、第1のレンズと第3のレンズの光軸方向の位置が固定され、第2のレンズは、第1のレンズと第3のレンズとの間において所定の可動範囲内で光軸方向に移動可能であり、第1のレンズはレーザ光を集め、第1のレンズと第2のレンズとの間の第1の距離が長くなるほど、第2のレンズに入射するレーザ光の径が小さくなり、第2のレンズはレーザ光を広げ、第2のレンズと第3のレンズとの間の第2の距離が長くなるほど、第2のレンズに入射するレーザ光の径が大きくなり、第3のレンズは、レーザ光を加工面において集光させる。
本発明の一側面のレーザ加工装置においては、第1のレンズと第2のレンズとの間の第1の距離が長くなるほど、第2のレンズに入射するレーザ光の径が小さくなり、第2のレンズと第3のレンズとの間の第2の距離が長くなるほど、第2のレンズに入射するレーザ光の径が大きくなり、第3のレンズにより、レーザ光が加工面において集光し、レーザ光がワークの加工面において走査される。
従って、レーザ光を走査してワークを加工する場合に、加工位置の違いによる加工ムラを低減することができる。
この操作部は、例えば、ガルバノミラー、デジタルミラーデバイス等により構成される。
このレーザ加工装置においては、第2のレンズの可動範囲内において、第1の距離が長くなるほど、加工面におけるレーザ光の集光径を小さくすることができる。
これにより、光学系の焦点距離を変化させても、レーザ光のスポット径を略一定に保つことができる。
このレーザ加工装置においては、第2のレンズの可動範囲内において、前記第1の距離に関わらず、前記加工面における前記レーザ光の集光径が略一定にすることができる。
これにより、光学系の焦点距離を変化させても、レーザ光のスポット径を略一定に保つことができる。
このレーザ加工装置においては、第2のレンズの可動範囲内において、第1の距離が長くなるほど、加工面におけるレーザ光の球面収差を大きくし、第1の距離が短くなるほど、加工面におけるレーザ光の球面収差を小さくすることができる。
これにより、光学系の焦点距離を変化させても、レーザ光のスポット径を略一定に保つことができる。
本発明の一側面によれば、レーザ光を走査してワークを加工する場合に、加工位置の違いによる加工ムラを低減することができる。
従来のレーザマーカの構成例を示すブロック図である。 従来のレーザマーカの光学系の構成例を示す図である。 光学系の各寸法の記号を示す図である。 可動レンズと集光レンズの主面間距離と光学系の焦点距離の関係を示すグラフである。 可動レンズと集光レンズの主面間距離と光学系のF値の関係を示すグラフである。 本発明を適用したレーザマーカの一実施の形態を示すブロック図である。 本発明を適用したレーザマーカの光学系の構成例を示す図である。 光学系の各寸法の記号を示す図である。 レーザ光の入射角によるスポット径の変化を説明するための図である。 調整レンズと可動レンズの主面間距離と光学系の焦点距離の関係を示すグラフである。 調整レンズと可動レンズの主面間距離と光学系のF値の関係を示すグラフである。 従来のレーザマーカのレーザ光の球面収差及びスポット径の特性を示すグラフである。 本発明を適用したレーザマーカのレーザ光の球面収差及びスポット径の特性を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態の効果を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(レーザ光の集光径を調整する場合)
2.第2の実施の形態(レーザ光の球面収差を調整する場合)
3.変形例
<1.第1の実施の形態>
まず、図6乃至図11を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。
[レーザマーカの構成例]
図6は、本発明を適用したレーザマーカの第1の実施の形態を示すブロック図である。
レーザマーカ101は、レーザ光を用いてワーク102の加工面に文字や図形等を印字する装置である。レーザマーカ101は、マーキングヘッド111を含むように構成される。マーキングヘッド111は、レーザ発振器121、光学系122及びガルバノミラー123を含むように構成される。なお、レーザ発振器121と光学系122の間に設けられる光学部品等のレーザマーカ101の一部の部品については、図示を省略している。
レーザ発振器121から出射されたレーザ光は、光学系122及びガルバノミラー123を介して、ワーク102の加工面に照射される。また、光学系122により、ワーク102の加工面においてレーザ光が集光するように、レーザ光の焦点位置が調整される。さらに、後述するように、光学系122により、ワーク102の加工位置により、レーザ光のスポット径がばらつかないように、レーザ光の集光径が調整される。また、ガルバノミラー123により、レーザ光がワーク102の加工面において互いに直交する2軸方向に走査される。
なお、レーザ発振器121の種類や方式は特に限定されるものではなく、レーザマーカ101の仕様や用途等に応じて、任意のものを採用することができる。
図7は、光学系122の構成例を示している。なお、図7の上の図は、光学系122の焦点距離が短い場合の状態を示し、下の図は、光学系122の焦点距離が長い場合の状態を示している。
光学系122は、調整レンズ151、可動レンズ152、及び、集光レンズ153を含むように構成される。なお、以下、説明を簡単にするために、調整レンズ151、可動レンズ152、及び、集光レンズ153の厚みが無視できる程度に十分薄く、各レンズの主面を1面として扱うことができるものと仮定して説明する。
調整レンズ151及び集光レンズ153は、光軸方向の位置が固定されており、可動レンズ152は、調整レンズ151と集光レンズ153の間において、所定の可動範囲内で光軸方向に移動することができる。
調整レンズ151は、レーザ発振器121から出射されたレーザ光が入射し、レーザ光を集める働きをする。従って、可動レンズ152に入射するレーザ光の入射径は、調整レンズ151と可動レンズ152の間の主面間距離d12が短くなるほど大きくなり、主面間距離d12が長くなるほど小さくなる。
なお、調整レンズ151に入射するレーザ光は、平行光であってもよいし、所定の角度を有していてもよい。
可動レンズ152は、レーザ光を広げる働きをする。従って、集光レンズ153に入射するレーザ光の集光径は、調整レンズ151と可動レンズ152の間の主面間距離d23が短くなるほど小さくなり、主面間距離d23が長くなるほど大きくなる。
そして、可動レンズ152を移動させることにより、光学系122の焦点距離が調整され、レーザ光の集光位置が調整される。すなわち、図7に示されるように、可動レンズ152を集光レンズ153の方向に移動し、主面間距離d12が長くなり、主面間距離d23が短くなるほど、レーザ光の集光点が集光レンズ153に近くなる。逆に、可動レンズ152を調整レンズ151の方向に移動し、主面間距離d12が短くなり、主面間距離d23が長くなるほど、レーザ光の集光点が集光レンズ153から遠くなる。
また、光学系122は、焦点距離に関わらず、レーザ光の集光角が略一定になるように設計される。すなわち、光学系122は、図7の集光点Paにレーザ光を集光する場合の集光角2θaと、集光点Paより遠い集光点Pbにレーザ光を集光する場合の集光角2θbが略同じになるように設計される。
例えば、図8に示されるように、調整レンズ151と集光レンズ153の主面間距離をd13とし、調整レンズ151及び可動レンズ152からなる合成レンズの集光位置と可動レンズ152の主面との間の距離をS2とし、調整レンズ151及び可動レンズ152からなる合成レンズの集光位置と集光レンズ153の主面との間の距離をS3とする。また、集光レンズ153の主面と集光点Pとの間の距離、すなわち、光学系の焦点距離をS3’とする。さらに、調整レンズ151、可動レンズ152、集光レンズ153の焦点距離を、それぞれf1、f2、f3とし、調整レンズ151、集光レンズ153へのレーザ光の入射径をそれぞれφ1、φ3とする。そうすると、次式(3)乃至(6)が成り立つ。
Figure 2014188518
そして、光学系122の焦点距離S3’は、主面間距離d12が長くなり、主面間距離d23が短くなるほど短くなる。
ここで、光学系122は、主面間距離d12に関わらず、光学系122のF値(=S3’/φ3)が略一定になるように設計される。これにより、レーザ光の集光径は、光学系122のF値に比例するため、主面間距離d12が変化し、焦点距離S3’が変化しても、レーザ光の集光径は略一定になる。
従って、ワーク102の加工エリアの中心部と周辺部とで、光路の違いに合わせて光学系122の焦点距離S3’を変更しても、スポット径が略一定になる。これにより、レーザ光を走査してワークを加工する場合に、加工位置の違いによる加工ムラを低減し、加工品質を向上させることができる。
また、レーザマーカ101の光学系122は、従来の図1のレーザマーカ1の光学系22に調整レンズ151を追加するだけの簡単な構成により実現することができ、複雑なレンズ設計等は必要ない。
ところで、図9に模式的に示されるように、斜線で示されるレーザ光がワーク102の加工面に照射される位置によって、より厳密には、ワーク102の加工面に対するレーザ光の入射角によって、レーザ光の集光径とスポット径の間の差が変化する。
具体的には、図9の左の図に示されるように、ワーク102の加工エリアの中心部にレーザ光を照射する場合、光学系122の焦点距離S3’が短く設定され、ワーク102の加工面へのレーザ光の入射角は略0になる。従って、レーザ光の集光径φaとレーザ光のスポット径φbは略一致する。
一方、図9の右の図に示されるように、ワーク102の加工エリアの周辺部にレーザ光を照射する場合、光学系122の焦点距離S3’が長く設定され、ワーク102の加工面へのレーザ光の入射角は大きくなる。従って、レーザ光の集光径φaと比較して、レーザ光のスポット径φbは大きくなる。
従って、上述したように、光学系122の焦点距離S3’に対して、レーザ光の集光径を略一定に保つ代わりに、焦点距離S3’が長くなるほど、レーザ光の集光径を小さくするようにしてもよい。
例えば、焦点距離f1=48mm、焦点距離f2=−18mm、焦点距離f3=95mm、主面間距離d13=100mmに設定し、主面間距離d12を13mmから23mmの範囲内で変化させた場合、光学系22の焦点距離S3’は、主面間距離d12に対して、図10に示されるように変化する。すなわち、主面間距離d12が長くなり、主面間距離d23が短くなるほど、焦点距離S3’が短くなる。
一方、光学系122のF値(=S3’/φ3)は、主面間距離d12に対して、図11に示されるように変化する。すなわち、主面間距離d12が長くなり、主面間距離d23が短くなるほど、光学系122のF値が大きくなる。また、レーザ光の集光径は、光学系122のF値に比例するため、主面間距離d12が長くなり、焦点距離S3’が短くなるほど大きくなり、主面間距離d12が短くなり、焦点距離S3’が長くなるほど小さくなる。
従って、焦点距離S3’に対するレーザ光の集光径の変化量を適切に設計することにより、ワーク102の加工エリアの中心部と周辺部とで、レーザ光の入射角が変化することによるスポット径の変動を相殺することができ、より厳密にスポット径を一定に保つことができる。これにより、加工位置の違いによる加工ムラの発生をより低減し、加工品質をより向上させることができる。
<2.第2の実施の形態>
次に、図12乃至図14を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。
なお、本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、図6のレーザマーカ101の光学系122の設計思想が異なる。具体的には、第1の実施の形態では、レーザ光のスポット径を一定に保つために、光学系122の焦点位置に対するレーザ光の集光径を調整するようにしたが、第2の実施の形態では、光学系122の焦点位置に対する球面収差を調整する。
図12の上のグラフは、従来の図1のレーザマーカ1の光学系22の球面収差の特性の例を示し、下のグラフは、レーザマーカ1のスポット径の特性の例を示している。なお、上のグラフの横軸は光学系22の焦点距離S2を示し、縦軸は球面収差を示し、実線は設計値を示し、点線は誤差の範囲を示している。また、下のグラフの横軸は光学系22の焦点距離S2を示し、縦軸はスポット径を示し、実線は設計値を示し、点線は誤差の範囲を示している。
従来のレーザマーカ1においては、図12の上のグラフに示されるように、焦点距離S2に関わらず球面収差が略一定になるように光学系22の設計がなされる。また、図12の下のグラフに示されるように、図1乃至図5を参照して上述したとおり、光学系22の焦点距離S2が長くなるほど、スポット径が大きくなり、加工ムラが生じていた。
一方、図13の上のグラフは、本発明の第2の実施の形態におけるレーザマーカ101の光学系122の球面収差の特性の例を示し、下のグラフは、レーザマーカ101のスポット径の特性の例を示している。
すなわち、レーザマーカ101においては、図13の上のグラフに示されるように、光学系122の焦点距離S3’が最も長くなるときに球面収差が略0になり、焦点距離S3’が短くなるほど球面収差(の絶対値)が大きくなるように設計されている。
従って、図14に模式的に示されるように、主面間距離d12を長くし、光学系122の焦点距離S3’を短くし、レーザ光の集光径が小さくなるほど、集光点(加工面)における球面収差が大きくなり、主面間距離d12を短くし、光学系122の焦点距離S3’を長くし、レーザ光の集光径が大きくなるほど、集光点(加工面)における球面収差が小さくなる。
これにより、光学系122の焦点距離S3’の変化に伴うレーザ光の集光径の変動分が、光学系122の球面収差の変動分により相殺され、図13の下のグラフに示されるように、焦点距離S3’に関わらず、レーザ光のスポット径が略一定に保たれる。例えば、図14の焦点距離S3’が短い場合の集光点Paと、焦点距離S3’が長い場合の集光点Pbとで、レーザ光のスポット径が略一定になる。
この第2の実施の形態の場合、光学系122の焦点距離S3’に関わらずレーザ光の集光径及び球面収差を略一定に保つ必要がないため、第1の実施の形態と比較して、光学設計が容易になり、また、安価で性能が低いレンズを使用することが可能になる。
<3.変形例>
以下、上述した本発明の実施の形態の変形例について説明する。
例えば、本発明の第1の実施の形態と第2の実施の形態を組み合わせるようにしてもよい。すなわち、光学系122の焦点距離S3’に対して、レーザ光の集光径と球面収差の両方を調整して、レーザ光のスポット径を一定に保つようにしてもよい。
また、本発明の第2の実施の形態を、例えば、図1の従来のレーザマーカ1に適用するようにしてもよい。すなわち、調整レンズを設けずに、光学系22の焦点距離S2が長くなるほど、球面収差を小さくし、焦点距離S2が短くなるほど、球面収差を大きくして、レーザ光のスポット径を一定に保つようにしてもよい。
さらに、光学系122の各レンズは、それぞれ1枚のレンズにより構成するようにしてもよいし、複数のレンズにより構成するようにしてもよい。
また、レーザ光を走査する走査手段は、上述したガルバノミラー123に限定されるものではなく、デジタルミラーデバイス等の他の走査デバイスにより構成することが可能である。さらに、本発明は、レーザ光を1軸又は3軸以上の方向に走査する場合にも適用することができる。
また、本発明の適用範囲はレーザマーカに限定されるものではなく、レーザ光を走査してワークの加工を行う装置全般に適用することができる。例えば、レーザ光を用いて基板の加工を行う装置、太陽電池パネル等の薄膜を剥離する装置、穴あけ加工を行う装置等に適用することが可能である。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
101 レーザマーカ
102 ワーク
111 マーキングヘッド
121 レーザ発振器
122 光学系
123 ガルバノミラー
151 調整レンズ
152 可動レンズ
153 集光レンズ

Claims (4)

  1. レーザ光を走査してワークの加工面を加工するレーザ加工装置において、
    第1乃至第3のレンズを含む光学系と、
    前記光学系から出射された前記レーザ光を前記加工面において走査する走査部と
    を備え、
    前記第1のレンズと前記第3のレンズの光軸方向の位置が固定され、前記第2のレンズは、前記第1のレンズと前記第3のレンズとの間において所定の可動範囲内で光軸方向に移動可能であり、
    前記第1のレンズは前記レーザ光を集め、前記第1のレンズと前記第2のレンズとの間の第1の距離が長くなるほど、前記第2のレンズに入射するレーザ光の径が小さくなり、
    前記第2のレンズは前記レーザ光を広げ、前記第2のレンズと前記第3のレンズとの間の第2の距離が長くなるほど、前記第2のレンズに入射するレーザ光の径が大きくなり、
    前記第3のレンズは、前記レーザ光を前記加工面において集光させる
    レーザ加工装置。
  2. 前記第2のレンズの前記可動範囲内において、前記第1の距離が長くなるほど、前記加工面における前記レーザ光の集光径が小さくなる
    請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記第2のレンズの前記可動範囲内において、前記第1の距離に関わらず、前記加工面における前記レーザ光の集光径が略一定になる
    請求項1に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記第2のレンズの前記可動範囲内において、前記第1の距離が長くなるほど、前記加工面における前記レーザ光の球面収差が大きくなり、前記第1の距離が短くなるほど、前記加工面における前記レーザ光の球面収差が小さくなる
    請求項1乃至3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
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