JP2014186086A - プロジェクター - Google Patents

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雅博 齋藤
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Abstract

【課題】簡易な構成で、フォーカスずれを補正でき、高輝度化に対応できるプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクター1は、照明光を変調する表示装置2と、表示装置2による変調光を投射する投射レンズ35とを備えるプロジェクター1であって、表示装置2と投射レンズ35とを保持する保持部材5を備え、保持部材5は、投射レンズ35を保持する第1保持部材50と、第1保持部材50に保持される第2保持部材60と、第2保持部材60に保持されると共に表示装置2を保持する第3保持部材70と、を有し、投射レンズ35の光軸OA方向における保持部材5の温度変化に伴う伸縮方向を含めた伸縮量の総和は、投射レンズ35の焦点距離の温度変化に伴う増減量に対応している。
【選択図】図5

Description

本発明は、プロジェクターに関する。
従来、照明光を変調する表示装置や、表示装置による変調光を投射する投射レンズ等を備えたプロジェクターが知られている。このようなプロジェクターでは、投射レンズがプロジェクター内部の熱により微少に変形し、結果としてフォーカスがずれてしまう場合がある。なお、近年、プロジェクターは、高輝度化が進み、温度上昇によるフォーカスずれの量も大きくなってきている。
特許文献1では、表示装置を支持するホルダー部材と、投射レンズを保持するとともに前記ホルダー部材を支持可能な基部としてのフレーム部材と、フレーム部材から表示装置にかけての部材間に介在する伸縮部材とを有する保持装置とを備え、投射レンズの光軸方向に関する伸縮部材の伸縮量の温度係数を、投射レンズの焦点距離の増減の温度係数と対応させるプロジェクターの構成が開示されている。
また、特許文献1では、投射レンズのフランジを保持するフレーム部材を金属部材で構成している。この場合、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の非鉄金属をダイキャストにより成形して用いることが考えられる。
特開2010−256394号公報
しかし、アルミニウム合金やマグネシウム合金等は、鉄合金等に比べて線膨張係数が高く、プロジェクターの高輝度化を図る場合には、温度上昇によるフレーム部材の伸縮量を加味することも必要となる。また、鉄合金をフレーム部材として用いる場合、切削加工を行うことにより、製造コストが高くなり量産性が低下する。
従って、簡易な構成で、フォーカスずれを補正でき、高輝度化に対応できるプロジェクターが要望されていた。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、照明光を変調する表示装置と、表示装置による変調光を投射する投射レンズとを備えるプロジェクターであって、表示装置と投射レンズとを保持する保持部材を備え、保持部材は、投射レンズを保持する第1の保持部材と、第1の保持部材に保持される第2の保持部材と、第2の保持部材に保持されると共に表示装置を保持する第3の保持部材と、を有し、投射レンズの光軸方向における保持部材の伸縮方向を含めた伸縮量の総和は、投射レンズの焦点距離の増減量に対応していることを特徴とする。
このようなプロジェクターによれば、投射レンズの光軸方向における保持部材の伸縮方向を含めた伸縮量の総和が、投射レンズの焦点距離の増減量に対応するため、温度変化に伴う投射レンズの焦点距離の増減量を、保持部材(第1の保持部材、第2の保持部材、第3の保持部材)の伸縮方向を含めた伸縮量の総和によって補正することが可能となる。従って、簡易な構成で、フォーカスずれを補正でき、高輝度化に対応できるプロジェクターを実現することができる。
[適用例2]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、保持部材の伸縮量の総和に、表示装置の伸縮量も含めることが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、保持部材の伸縮量の総和に、表示装置の伸縮量も含めることにより、投射レンズの焦点距離の増減量に対して、更に対応させることができ、正確にフォーカスずれを補正できる。
[適用例3]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、第1保持部材および第2保持部材と、第3保持部材とは、光軸方向において逆方向に伸縮することが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、第1保持部材および第2保持部材と、第3保持部材とは、光軸方向において逆方向に伸縮することにより、伸縮方向を含めた伸縮量の総和を、投射レンズの焦点距離の増減量に対応させ易くなる。
[適用例4]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、第2保持部材の線膨張係数は、第1保持部材と第3保持部材との線膨張係数より小さいことが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、第2保持部材の伸縮量を小さく抑え、第1保持部材と第3保持部材とは、第2保持部材の伸縮量より大きい伸縮量で、かつ、それぞれ逆方向に伸縮する。これにより、伸縮量の総和を投射レンズの焦点距離の増減量に対応させることを容易に行うことが可能となる。
[適用例5]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、第1保持部材と第2保持部材と第3保持部材とは、積層されていることが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、第1保持部材と第2保持部材と第3保持部材とが積層された構成となるため、保持部材の省スペース化を図ることができる。
[適用例6]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、投射レンズの焦点距離の増減量の温度係数は、負の値であり、保持部材の伸縮量の温度係数は、正の値であり、第1保持部材の一部は、第2保持部材の光路下流側の先端部に連結されており、第2保持部材の光路上流側の先端部は、第3保持部材の光路上流側の先端部に連結されていることが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、投射レンズの焦点距離が温度上昇に伴って減少するが、保持部材が温度上昇に伴って伸びることにより、第3保持部材に保持される表示装置を投射レンズに近づけることができる。これにより、温度上昇に伴う投射レンズの焦点距離の変化に対応させることができる。
[適用例7]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、第1保持部材および第3保持部材は合成樹脂部材で構成され、第2保持部材は金属部材で構成されていることが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、投射レンズを保持する第1保持部材が合成樹脂部材で構成されていることで、成形性が向上し、量産性を向上させることができると共に、高輝度化が図られても、フォーカスずれを補正することができる。
実施形態に係るプロジェクターの光学系の構造を示す模式図。 プロジェクターの投射レンズ、保持部材、表示装置を組み立てた状態を示す斜視図。 プロジェクターの保持部材の分解斜視図。 プロジェクターの表示装置の分解斜視図。 プロジェクターの投射レンズ、保持部材、表示装置を示す概断面図。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係るプロジェクター1の光学系の構造を示す模式図である。図1を参照して、プロジェクター1の光学系の構成と動作を説明する。
本実施形態のプロジェクター1は、ユニット化された光学装置3と、装置全体を覆う外装ケース1Aとを備える。光学装置3は、制御部による制御に基づき、光源装置30から射出された光束を光学的に処理して画像信号に応じた画像光を形成して投射する装置である。
光学装置3は、光源装置30、照明光学装置31、色分離光学装置32、リレー光学装置33、電気光学装置34、および投射レンズ35を備えて構成される。なお、光学装置3を構成する光源装置30、照明光学装置31、色分離光学装置32、リレー光学装置33は、遮光性を有する支持枠体である光学部品用筐体36の内部に略全体が収納される。
また、電気光学装置34と投射レンズ35とは、後述する保持部材5(図2参照)に保持される。そして、この保持部材5に光学部品用筐体36が保持される(または、光学部品用筐体36に保持部材5が保持される)ことにより、光学装置3が構成される。なお、光学装置3を構成する各光学部品は、光学的にアライメントされた状態で固定される。
光源装置30は、光源301およびリフレクター302を備える。光源装置30は、光源301から射出された光束をリフレクター302によって射出方向を揃え、システム光軸SAに略平行な光束にして照明光学装置31に向けて射出する。システム光軸SAは、光源装置30から被照明領域側に射出される光束の中心軸である。本実施形態の光源装置30は、超高圧水銀ランプを用いている。
照明光学装置31は、第1レンズアレイ311と、第2レンズアレイ312と、偏光変換素子313と、重畳レンズ314と、平行化レンズ315と、を備えている。第1レンズアレイ311は、システム光軸SA方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置30から射出された光束を部分光束に分割し、システム光軸SAに沿った方向に射出する。第2レンズアレイ312は、第1レンズアレイ311の小レンズから射出された部分光束に対応して、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。第2レンズアレイ312は、第1レンズアレイ311から射出された部分光束をそれぞれ重畳レンズ314に向けて射出する。
偏光変換素子313は、第2レンズアレイ312から射出されたランダム偏光光となる各部分光束を液晶パネル341で利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有する。なお、第2レンズアレイ312から射出され、偏光変換素子313によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ314によって、液晶パネル341の表面に略重畳される。なお、重畳レンズ314から射出された光束は、平行化レンズ315により平行化されて液晶パネル341に重畳される。平行化レンズ315は、詳細には、後述する3色の色光毎に設けられている。
色分離光学装置32は、第1ダイクロイックミラー321と、第2ダイクロイックミラー322と、反射ミラー323と、を備えている。色分離光学装置32は、照明光学装置31から射出された光束を、赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光の3色の色光に分離する。
リレー光学装置33は、入射側レンズ331と、リレーレンズ333と、反射ミラー332,334と、を備えている。リレー光学装置33は、色分離光学装置32で分離されたR光をR光用の液晶パネル341Rまで導く。なお、本実施形態では、リレー光学装置33がR光を導く構成としているが、これに限定されず、例えば、B光を導く構成としてもよい。
電気光学装置34は、入射側偏光板342と、光変調装置としての液晶パネル341(R光用の液晶パネルを341R、G光用の液晶パネルを341G、B光用の液晶パネルを341Bとする)と、射出側偏光板343と、クロスダイクロイックプリズム344と、を備えている。入射側偏光板342および射出側偏光板343は、液晶パネル341R,341G,341B毎に設けられている。
液晶パネル341(341R,341G,341B)は、色分離光学装置32で色光毎に分離された光束(照明光)を画像信号に応じて変調する。クロスダイクロイックプリズム344は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状を有し、全体として、直方体形状に形成されている。また、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。クロスダイクロイックプリズム344は、液晶パネル341R,341G,341Bで変調された各色光(各変調光)を合成し、投射レンズ35に射出する。
投射レンズ35は、複数のレンズを組み合わせた組レンズで構成され、電気光学装置34で変調され合成された合成光(変調光)による画像光を、所望の拡大率で拡大して、スクリーン上にカラーの静止画又は動画を投射する。
なお、本実施形態では、電気光学装置34により、表示装置2が構成されている。詳細には、電気光学装置34を構成する、クロスダイクロイックプリズム344と、クロスダイクロイックプリズム344に固定される3つの射出側偏光板343と、3つの液晶パネル341とにより、表示装置2が構成されている。なお、電気光学装置34を構成する3つの入射側偏光板342は、光学部品用筐体36に設置される。
図2は、プロジェクター1の投射レンズ35、保持部材5、表示装置2を組み立てた状態を示す斜視図である。図3は、プロジェクター1の保持部材5の分解斜視図である。図4は、プロジェクター1の表示装置2の分解斜視図である。なお、図3と図4とにより、プロジェクター1の保持部材5と表示装置2との分解斜視図を示す。そして、図4には、表示装置2を保持する保持部材5の第3保持部材70も図示している。図5は、プロジェクター1の投射レンズ35、保持部材5、表示装置2を示す概断面図である。図2〜図5を参照して、投射レンズ35、保持部材5、表示装置2の構成と動作を説明する。
図2〜図5に示すように、表示装置2と投射レンズ35とは保持部材5により保持されている。保持部材5は、投射レンズ35を保持する第1保持部材50と、第1保持部材50に保持される第2保持部材60と、第2保持部材60に保持されると共に表示装置2を保持する第3保持部材70と、を有している。なお、保持部材5を構成する第1保持部材50は、光源装置30、照明光学装置31、色分離光学装置32、リレー光学装置33、および入射側偏光板342を内部に収容する光学部品用筐体36も保持している。なお、詳細は後述するが、第1保持部材50と第3保持部材70は合成樹脂部材で構成され、第2保持部材60は金属部材で構成されている。
第1保持部材50は、投射レンズ35の鏡筒351の外周に設けられた固定用フランジ352(図5参照)を支持する鏡筒保持部51と、鏡筒保持部51の上部から光路上流側に突出する保持部52とを備えている。なお、鏡筒保持部51は、光学部品用筐体36も保持する。
図3に示すように、第1保持部材50の鏡筒保持部51は、略矩形の板状に形成されており、中央には丸穴を有する開口部511が形成され、開口部511の周囲には、ナット挿入部512が4つ形成されている。また、鏡筒保持部51は、矩形板状のコーナー部に、孔部513が4つ形成されている。
図2に示すように、鏡筒保持部51の開口部511には、投射レンズ35の鏡筒351が挿入される。そして、ナット挿入部512に挿入したナット514に対して、固定用フランジ352の孔部(図示省略)を介して、ネジ515を螺合させることにより、固定用フランジ352を鏡筒保持部51に保持(固定)することができる。これにより、投射レンズ35を第1保持部材50に保持(固定)することができ、第1保持部材50に対する投射レンズ35のアライメントを行うことができる。
図3に示すように、第1保持部材50の保持部52は、平面視略矩形状の本体521を有している。本体521の上面521aには、2つの固定孔522が下方に向けて形成されている。この固定孔522には、ナット523がインサートされている。また、上面521aの固定孔522の光路上流側には、第2保持部材60を設置する際の基準となる基準突起524と、案内用の案内突起525とが形成されている。
図3に示すように、第2保持部材60は、平面視略矩形状の板状の本体61を有しており、光路下流側の先端部には2つの孔部611が形成されている。また、孔部611の光路上流側には、丸孔の基準孔612と、長孔となる案内孔613とが形成されている。また、光路上流側の先端部には1つの孔部614が形成されている。また、孔部614の横には、丸孔の基準孔615と、長孔となる案内孔616とが形成されている。
図3に示すように、第3保持部材70は、平面視略矩形状の本体71を有している。本体71の上方に突出した上面71aには、1つの固定孔711が下方に向けて形成されている。この固定孔711には、ナット712がインサートされている。また、上面71aの固定孔711の横には、第2保持部材60に保持される際の基準となる基準突起713と、案内用の案内突起714とが形成されている。なお、固定孔711が形成される位置は、第3保持部材70において、光路上流側の先端部となる。本体71の下面71bには、円形で下方向に突出し、図4に示すように、表示装置2(クロスダイクロイックプリズム344)を接着剤等で固定する固定部715が形成されている。
以降では、第1保持部材50、第2保持部材60、第3保持部材70の組み立て方法を説明する。
図3、図5に示すように、第1保持部材50(保持部52)の上方から第2保持部材60を設置する。詳細には、保持部52の基準突起524と案内突起525とが、第2保持部材60の基準孔612と案内孔613とに挿通するように設置する。その後、ネジSC1を第2保持部材60の孔部611に挿通して保持部52の固定孔522に設置したナット523にそれぞれ螺合する。これにより、図5に示すように、第1保持部材50(保持部52)に第2保持部材60が固定(保持)される。
次に、図3、図5に示すように、第2保持部材60の下方から第3保持部材70を設置する。詳細には、第3保持部材70の基準突起713と案内突起714とが、第2保持部材60の基準孔615と案内孔616とに挿通するように設置する。その後、ネジSC2を第2保持部材60の孔部614に挿通して第3保持部材70の固定孔711に設置したナット712に螺合する。これにより、図5に示すように、第2保持部材60に第3保持部材70が固定(保持)される。なお、第2保持部材60は、第1保持部材50と第3保持部材70との中継用の部材として用いている。
第3保持部材70は、表示装置2をアライメントする際のベースの部材となり、図5に示すように、表示装置2を保持(固定)した状態となっている。従って、第3保持部材70を第2保持部材60に保持する際には、表示装置2を保持した状態の第3保持部材70を、第2保持部材60に保持することになる。なお、この組み立てにより、表示装置2と投射レンズ35とのアライメントが行われる。
以降では、表示装置2の構成と組み立てを説明する。
表示装置2は、上述したように、最初に、第3保持部材70の固定部715に、クロスダイクロイックプリズム344の上面344aが接着剤等により固定される。そして、図2、図4に示すように、クロスダイクロイックプリズム344を中心として隣接する3つの側面に、各色光に対応する射出側偏光板343と液晶パネル341とがそれぞれ設置される。
詳細には、図4、図5に示すように、クロスダイクロイックプリズム344の隣接する3つの側面に、射出側偏光板343が設置された固定基板343aが設置される。また、固定基板343aには、後述する固定枠341cが固定される。
図4、図5に示すように、液晶パネル341は保持枠341aの内部に収容されている。液晶パネル341を収容した保持枠341aは、ネジ等により調整枠341bに固定される。そして、保持枠341a(液晶パネル341)を固定した調整枠341bは固定枠341cに固定される。
固定枠341cは、調整枠341bを固定する前に、クロスダイクロイックプリズム344に固定された固定基板343aに固定される。そして、調整枠341bを固定枠341cに固定する際には、固定枠341cを基準として各調整枠341bを6軸方向で調整することにより、液晶パネル341どうしのアライメントを行う。その後、アライメントが終了した調整枠341bを固定枠341cに接着剤等で固定する。
以上の組み立てにより、表示装置2がアライメントされて第3保持部材70に保持される。
図5に示すように、第1保持部材50(保持部52)、第2保持部材60、第3保持部材70は、クロスダイクロイックプリズム344の上面344a側で、積層された構成となるため、保持部材5の省スペース化を図ることができる。また、図2、図5に示すように、保持部材5の平面サイズは、クロスダイクロイックプリズム344の平面サイズと略同等に構成されるため、更に、保持部材5の省スペース化を図ることができる。
以降では、保持部材5の機能に関して説明する。
投射レンズ35は、温度特性を有している。従って、投射レンズ35は、温度変化に伴って、焦点距離が変化する。図5に示すように、常温時(約20℃)における投射レンズ35のバックフォーカス量BF0は、実線で示す液晶パネル341Gの位置に対応するものとなっており、スクリーン(図示省略)上にピントの合った結像が可能となっている。なお、バックフォーカス量BF0は、液晶パネル341Gのみではなく、図5で図示省略する他の液晶パネル341R,341Bの位置にも対応している。
この投射レンズ35が画像投射中に加熱された場合、本実施形態では、実線で示す液晶パネル341G等の位置よりも、二点鎖線で示す液晶パネル341G等の位置、すなわち光路下流側にシフトしたバックフォーカス量BF1となる。本実施形態では、投射レンズ35の焦点距離の増減の温度係数は、負の値であり、温度上昇に伴って焦点距離が短くなるという傾向を有している。
一方、保持部材5も、温度特性を有しており、温度変化に伴って伸縮する。保持部材5が画像投射中に加熱された場合、保持部材5のシステム光軸SA方向の長さが増加する。つまり、保持部材5のシステム光軸SA(光軸OA)方向に関する伸縮量の温度係数は、正の値である。
ここで、投射レンズ35の光軸OAは、システム光軸SA(表示装置2におけるシステム光軸SA)に対して平行であり、上方向に若干ずれて設定されている。これは、表示装置2から射出された画像光(変調光)を投射レンズ35で上側に偏らせて投射させるためである。なお、以降の伸縮量の説明では、システム光軸SAを光軸OAに置き換えて使用する。
以降では、保持部材5の伸縮方向に関して説明する。
第1保持部材50の保持部52は、鏡筒保持部51が固定用フランジ352を保持することで、固定用フランジ352を基準に、光路上流側に伸縮自由となっている。第2保持部材60は、光路下流側の先端部のネジSC1を基準に、光路上流側に伸縮自由となっている。第3保持部材70は、光路上流側の先端部のネジSC2を基準に、光路下流側に伸縮自由となっている。
従って、第1保持部材50および第2保持部材60の伸縮方向と、第3保持部材70の伸縮方向とは、光軸OA方向において逆方向となる。つまり、保持部材5が加熱された場合、第1保持部材50(保持部52)および第2保持部材60は光路上流側に伸び、第3保持部材70は光路下流側に伸びる。
また、表示装置2を構成する各部材も、それぞれ温度特性を有しており、温度変化に伴って伸縮する。なお、表示装置2を構成する各部材の光軸OA方向に関する伸縮量の温度係数は、正の値である。
この構成により、本実施形態では、投射レンズ35の温度上昇に伴ってバックフォーカス量BF1がわずかに短くなるが、保持部材5の伸張に伴って、第3保持部材70に固定される液晶パネル341G等を、投射レンズ35にわずかに接近するように移動させることができる。
つまり、本実施形態では、光軸OA方向における保持部材5の伸縮方向を含めた伸縮量の総和を、投射レンズ35の焦点距離の増減量に対応させることにより、フォーカスずれの発生を防止している。また、保持部材5の伸縮量に、表示装置2の伸縮量も含むことで、投射レンズ35の焦点距離の増減量に、更に対応させることができ、フォーカス差BF1−BF0と略等しくすることにより、更にフォーカスずれの発生を防止している。
なお、本実施形態では、常温時からプロジェクター1の光源装置30がオンされて、投射状態となり、光源装置30の温度が一定(飽和)となった時(この状態を駆動時とする)において、フォーカス差BF1−BF0は、約−4μmとなっている。従って、焦点距離がわずかに短くなっている。
なお、本実施形態では、保持部材5および表示装置2を構成する各部材の常温時と駆動時との温度差を想定して、各部材の選定や、伸縮量に影響する長さ等の設定、を行うことにより、投射レンズ35の焦点距離の増減量に対応させている。
以降では、本実施形態における部材の例や数値の例を用いて、保持部材5の伸縮、および表示装置2の伸縮に関して説明する。
第1保持部材50(保持部52)は、合成樹脂部材で構成される。本実施形態では、第1保持部材50は、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)でガラス繊維が添加された部材を用いている。PPSの線膨張係数は、約2.3×10-5〔1/℃〕であり、第1保持部材50の光軸OA方向の伸縮量に影響する長さが、本実施形態では、約9.5mmである。なお、前述の長さは、第1保持部材50において、固定用フランジ352側の端面を基準に、ネジSC1の中心軸までの長さとしている。この場合の伸縮量の温度係数は、約2.19×10-4〔mm/℃〕となる。
第2保持部材60は、金属部材で構成される。本実施形態では、第2保持部材60は、SECC(電気亜鉛めっき鋼板)の板材を用いている。SECCの線膨張係数は、約1.18×10-5〔1/℃〕であり、第2保持部材60の光軸OA方向の伸縮量に影響する長さが、本実施形態では、約14.7mmである。なお、前述の長さは、第2保持部材60において、ネジSC1の中心軸を基準に、ネジSC2の中心軸までの長さとしている。この場合の伸縮量の温度係数は、約1.73×10-4〔mm/℃〕となる。
第3保持部材70は、合成樹脂部材で構成される。本実施形態では、第3保持部材70は、PC(ポリカーボネート樹脂)でガラス繊維が添加された部材を用いている。PCの線膨張係数は、約5.4×10-5〔1/℃〕であり、第3保持部材70の光軸OA方向の伸縮量に影響する長さが、本実施形態では、約7.7mmである。なお、前述の長さは、第3保持部材70において、ネジSC2の中心軸を基準に、クロスダイクロイックプリズム344の中心位置に相対する位置までの長さとしている。この場合の伸縮量の温度係数は、約4.16×10-4〔mm/℃〕となる。なお、第3保持部材70は、第1保持部材50および第2保持部材60とは、伸縮方向が逆となるため、伸縮量の温度係数は、約−4.16×10-4〔mm/℃〕とする。
ここで、第2保持部材60の線膨張係数(約1.18×10-5〔1/℃〕)は、第1保持部材50の線膨張係数(約2.3×10-5〔1/℃〕)および第3保持部材70の線膨張係数(約5.4×10-5〔1/℃〕)より小さくなっている。
クロスダイクロイックプリズム344は、本実施形態では、BK7(硼珪酸ガラス)を用いている。BK7の線膨張係数は、約0.72×10-5〔1/℃〕であり、クロスダイクロイックプリズム344の光軸OA方向の伸縮量に影響する長さが、本実施形態では、約10mmである。なお、前述の長さは、クロスダイクロイックプリズム344において、クロスダイクロイックプリズム344の中心位置を基準に、光路上流側の端面までの長さとしている。この場合の伸縮量の温度係数は、約0.72×10-4〔mm/℃〕となる。
固定基板343aは、本実施形態では、クロスダイクロイックプリズム344と同様に、BK7を用いている。固定基板343aの光軸OA方向の伸縮量に影響する長さが、本実施形態では、約1.4mmである。なお、前述の長さは、固定基板343aの板厚(光軸OA方向の厚さ)を長さとしている。この場合の伸縮量の温度係数は、約0.1×10-4〔mm/℃〕となる。
液晶パネル341を固定する調整枠341b、固定枠341cは、金属部材で構成される。本実施形態では、調整枠341b、固定枠341cは、SPCC(冷間圧延合板)の板材を用いている。SPCCの線膨張係数は、SECCと同様に、約1.18×10-5〔1/℃〕であり、調整枠341b、固定枠341cの光軸OA方向の伸縮量に影響する長さが、本実施形態では、約4.8mmである。なお、前述の長さは、調整枠341b、固定枠341cにおいて、固定枠341cの光路下流側の端面を基準に、液晶パネル341Gの中心位置に相対する位置までの長さとしている。この場合の伸縮量の温度係数は、約0.57×10-4〔mm/℃〕となる。
以降に、上記のそれぞれの部材の常温時と駆動時との温度差の例を示す。
第1保持部材50の温度差は、約19.5℃となり。第2保持部材60の温度差は、約19.5℃となり、第3保持部材70の温度差は、約36.6℃となり、クロスダイクロイックプリズム344の温度差は、約31.5℃となり、固定基板343aの温度差は、約20℃となる。調整枠341bおよび固定枠341cの温度差は、それぞれ約20℃となる。
以降では、各部材の伸縮量の例を示す。なお、光路上流側に伸びる場合を「+」とし、光路下流側(投射レンズ35側)に伸びる場合を「−」とする。
この場合、第1保持部材50は、約+4.3μm伸びる。第2保持部材60は、約+3.4μm伸びる。第3保持部材70は、約−15.2μm伸びる。クロスダイクロイックプリズム344は、約+2.3μm伸びる。固定基板343aは、約+0.2μm伸びる。調整枠341b、固定枠341cは、約+1.1μm伸びる。
これにより、プロジェクター1が常温時から駆動時となった場合、各部材の伸縮量(伸び量)の総和は、約−4μmとなる。なお、投射レンズ35の焦点距離の増減量(伸縮量)に対応するフォーカス差BF1−BF0は、約−4μmとなっている。また、保持部材5のみの伸縮方向を含めた伸縮量(伸び量)の総和は、約−7.6μmとなる。また、表示装置2のみの伸縮方向を含めた伸縮量(伸び量)の総和は、約+3.6μmとなる。
従って、プロジェクター1が常温時から駆動時となった場合、本実施形態では、投射レンズ35のバックフォーカス量BF0は、約4μm減少するが、保持部材5等の伸張によって液晶パネル341G等が投射レンズ35に対して約4μm近づくことになる。これにより、液晶パネル341G等は、駆動時において、投射レンズ35のバックフォーカス位置に保持されることになる。
このように、保持部材5の伸縮方向を含めた伸縮量(伸び量)の総和を投射レンズ35の焦点距離の伸縮量に対応させることで、焦点距離の伸縮量を補正することが可能となる。また、保持部材5と表示装置2の伸縮方向を含めた伸縮量(伸び量)の総和を、投射レンズ35の焦点距離の伸縮量に略合わせることができる。従って、投射レンズ35の温度上昇に伴うフォーカスずれを補正することができる。
なお、本実施形態における輝度よりも高輝度となる光源装置30を用いた場合にも、本実施形態と同様に、常温時と駆動時との温度差を想定して、適宜、各部材の選定や、伸縮量に影響する長さ等の設定を行うことにより、投射レンズ35の焦点距離の増減量に対応させることができる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態のプロジェクター1は、投射レンズ35の光軸OA方向における保持部材5の伸縮方向を含めた伸縮量の総和を、投射レンズ35の焦点距離の増減量に対応させている。これにより、温度変化に伴う投射レンズ35の焦点距離の増減量を、保持部材5の伸縮方向を含めた伸縮量の総和によって補正することが可能となる。従って、簡易な構成で、フォーカスずれを補正でき、高輝度化に対応できるプロジェクター1を実現することができる。
本実施形態のプロジェクター1は、保持部材5の伸縮量の総和に、表示装置2の伸縮量も含めることにより、投射レンズ35の焦点距離の増減量に対して、更に対応させることができる。そして、保持部材5と表示装置2との伸縮量の総和をフォーカス差BF1−BF0と略等しくすることもでき、正確にフォーカスずれを補正することができる。
本実施形態のプロジェクター1では、第1保持部材50および第2保持部材60と、第3保持部材70とは、光軸OA方向において逆方向に伸縮することにより、伸縮方向を含めた伸縮量の総和を、投射レンズ35の焦点距離の増減量に対応させ易くなる。
本実施形態の第2保持部材60の線膨張係数は、第1保持部材50と第3保持部材70の線膨張係数より小さくなっている。これにより、本実施形態のプロジェクター1は、第2保持部材60の伸縮量を小さく抑え、第1保持部材50と第3保持部材70とは、第2保持部材60の伸縮量より大きい伸縮量で、かつ、それぞれ逆方向に伸縮する。この構成により、伸縮量の総和を投射レンズ35の焦点距離の増減量に対応させることを容易に行うことが可能となる。
本実施形態のプロジェクター1では、第1保持部材50(保持部52)、第2保持部材60、第3保持部材70が、クロスダイクロイックプリズム344の上面344a側で、積層された構成となるため、保持部材5の省スペース化を図ることができる。また、保持部材5の平面サイズは、クロスダイクロイックプリズム344の平面サイズと略同等に構成されるため、更に、保持部材5の省スペース化を図ることができる。
本実施形態のプロジェクター1では、投射レンズ35の焦点距離の増減量の温度係数が、負の値であり、保持部材5の伸縮量の温度係数が、正の値である。そして、第1保持部材50は、第2保持部材60の光路下流側の先端部に連結されており、第2保持部材60の光路上流側の先端部は、第3保持部材70の光路上流側の先端部に連結されている。これにより、投射レンズ35の焦点距離が温度上昇に伴って減少するが、保持部材5が温度上昇に伴って伸びることにより、第3保持部材70に保持される表示装置2を投射レンズ35に近づけることができる。これにより、温度上昇に伴う投射レンズ35の焦点距離の変化に対応させることができる。
本実施形態のプロジェクター1は、投射レンズ35を保持する第1保持部材50が合成樹脂部材(PPS)で構成されることで、第1保持部材50の成形性が向上し、量産性を向上させることができる。また、第2保持部材60を金属部材(SECC)で構成し、第1保持部材50と第3保持部材70との中継用の部材として、伸縮量を抑える。そして、第3保持部材70を合成樹脂部材(PC)で構成し、第1保持部材50の伸縮方向に対して逆方向に伸縮させる。この構成により、温度上昇に伴う投射レンズ35の焦点距離の変化に対応させることができ、高輝度化が図られても、フォーカスずれを補正することができる。
本実施形態のプロジェクター1では、第1保持部材50(保持部52)と第2保持部材60と第3保持部材70とは、クロスダイクロイックプリズム344の上面344a側に設置されている。このため、光軸OA方向に垂直な方向の保持部材5の伸縮に対して、概略、第2保持部材60を中心に、第1保持部材50(保持部52)と第3保持部材70とがそれぞれ逆方向に伸縮する。これにより、表示装置2の光軸OAに垂直な方向における温度上昇に伴う光軸OAとのずれ量を補正することができる。
なお、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や改良等を加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
前記実施形態の保持部材5は、1つの実施形態の例であり、この実施形態に限定されるものではない。保持部材5は、投射レンズ35の温度上昇に伴う焦点距離のずれ量に対応させるように、駆動時での保持部材5のそれぞれの部材に加わる温度(常温時との温度差)を考慮し、線膨張係数を含めた部材の選定や、伸縮量に影響する長さ等を適宜設定して構成することでよい。これは、表示装置2においても同様である。
前記実施形態の保持部材5は、第1保持部材50と第3保持部材70とが合成樹脂部材で構成され、第2保持部材60が金属部材で構成されている。しかし、これに限定されずに、部材の種類を設定することができる。この場合、投射レンズ35の光軸OA方向における保持部材5の伸縮方向を含めた伸縮量の総和が、投射レンズ35の焦点距離の増減量に対応するように構成することでよい。
前記実施形態の保持部材5は、第1保持部材50が合成樹脂部材のPPSで構成され、第3保持部材70が合成樹脂部材のPCで構成されているが、この部材に限定されず、他の合成樹脂部材で構成されてもよい。例えば、ポリアセタール樹脂のPOM(ポリオキシメチレン)やポリエチレン樹脂等により構成されてもよい。
前記実施形態の保持部材5は、第2保持部材60が金属部材のSECCで構成されているが、この部材に限定されず、他の金属部材で構成されてもよい。例えば、アルミニウムの板材やマグネシウムの板材、または、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の非鉄金属をダイキャストにより成形して構成されてもよく、この場合、放熱性も向上させることができる。
前記実施形態の保持部材5は、第1保持部材50(保持部52)と第2保持部材60と第3保持部材70とが積層されている。しかし、保持部材5は、積層されていなくてもよい。
前記実施形態の投射レンズ35の温度係数は負の値(温度上昇により焦点距離が短くなる)としている。しかし、これに限定されず、投射レンズ35の温度係数が正の値(温度上昇により焦点距離が長くなる)としても、保持部材5の材質、長さ等を適宜設定することで、投射レンズ35の焦点距離の増減量に対応させることができる。
前記実施形態の表示装置2を構成する液晶パネル341どうしのアライメントの仕方や、それに伴う表示装置2の組み立て方は、本実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
前記実施形態の保持部材5は、クロスダイクロイックプリズム344の上面344a側に設置される構成としているが、これに限定されるものではなく、クロスダイクロイックプリズム344の下面側に設置する構成であってもよい。
前記実施形態の光源装置30は、超高圧水銀ランプを用いている。しかし、光源装置30は、高輝度発光する種々の放電型のランプを用いることができ、例えば、メタルハライドランプや高圧水銀ランプ等を用いることができる。
前記実施形態のプロジェクター1は、電気光学装置34(表示装置2)として、透過型の液晶パネル341を用いている。しかし、これに限定されず、反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記実施形態のプロジェクター1は、電気光学装置34(表示装置2)として、3つの液晶パネル341R,341G,341Bを用いている。しかし、これに限定されず、1つまたは2つの液晶パネルを用いた電気光学装置、4つ以上の液晶パネルを用いた電気光学装置にも適用可能である。
前記実施形態の光学装置3は、色分離光学装置32、リレー光学装置33、電気光学装置34等を用いて各色の光変調を行っている。しかし、これらに代えて、例えば、光源装置30、照明光学装置31によって照明されるカラーホイールと、マイクロミラーの画素によって構成されカラーホイールの透過光が照射されるデバイス(例えば、DMD(Digital Micromirror Device))とを組み合わせたものを用いることによって、カラーの光変調および合成を行うことでもよい。この場合、保持部材5(第3保持部材70)によって、クロスダイクロイックプリズム344に代えて、マイクロミラー型のデバイスを保持させる構成とすることでよい。
1…プロジェクター、2…表示装置、5…保持部材、35…投射レンズ、50…第1保持部材、52…保持部、60…第2保持部材、70…第3保持部材、341…液晶パネル、343…射出側偏光板、344…クロスダイクロイックプリズム、OA…光軸、BF0,BF1…バックフォーカス量。

Claims (7)

  1. 照明光を変調する表示装置と、当該表示装置による変調光を投射する投射レンズとを備えるプロジェクターであって、
    前記表示装置と前記投射レンズとを保持する保持部材を備え、
    前記保持部材は、
    前記投射レンズを保持する第1の保持部材と、
    前記第1の保持部材に保持される第2の保持部材と、
    前記第2の保持部材に保持されると共に前記表示装置を保持する第3の保持部材と、を有し、
    前記投射レンズの光軸方向における前記保持部材の温度変化に伴う伸縮方向を含めた伸縮量の総和は、前記投射レンズの焦点距離の温度変化に伴う増減量に対応していることを特徴とするプロジェクター。
  2. 請求項1に記載のプロジェクターであって、
    前記保持部材の前記伸縮量の総和に、前記表示装置の伸縮量も含めることを特徴とするプロジェクター。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプロジェクターであって、
    前記第1保持部材および前記第2保持部材と、前記第3保持部材とは、前記光軸方向において逆方向に伸縮することを特徴とするプロジェクター。
  4. 請求項3に記載のプロジェクターであって、
    前記第2保持部材の線膨張係数は、前記第1保持部材と前記第3保持部材との線膨張係数より小さいことを特徴とするプロジェクター。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記第1保持部材と前記第2保持部材と前記第3保持部材とは、積層されていることを特徴とするプロジェクター。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記投射レンズの前記焦点距離の増減量の温度係数は、負の値であり、
    前記保持部材の伸縮量の温度係数は、正の値であり、
    前記第1保持部材の一部は、前記第2保持部材の光路下流側の先端部に連結されており、前記第2保持部材の光路上流側の先端部は、前記第3保持部材の光路上流側の先端部に連結されていることを特徴とするプロジェクター。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記第1保持部材および前記第3保持部材は合成樹脂部材で構成され、前記第2保持部材は金属部材で構成されていることを特徴とするプロジェクター。
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