JP2014186000A - 量子型赤外線ガス濃度計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】量子型赤外線センサ12の出力電流によって充電される充電部15を、増幅器14の入力端および出力端間に並列接続し、赤外線光源13を停止した状態で、コンデンサC15を第1の極性で所定時間充電した後、赤外線光源13を駆動しコンデンサC15を第1の極性とは逆の第2の極性で、同様に前記所定時間だけ充電する。第1の極性および第2の極性で充電した後の、増幅器14の出力は、外乱等の影響が除去された測定対象ガスの特性を反映した値となるため、この増幅器14の出力をA/D変換器16で数値化した値を用いて測定対象ガスの濃度を演算することにより、濃度を高精度に測定することができる。
【選択図】 図1
Description
このNDIRガス濃度計は、小型かつ高精度で、種々の環境でも安定して測定できるものが求められている。この種のものとして、大気中等のガス濃度を、波長選択型赤外線検出素子を用いて測定する赤外線ガス分析計が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
熱型赤外線センサは、赤外線のエネルギを熱として利用したセンサであり、赤外線の熱エネルギによりセンサ自体の温度が上昇し、その温度上昇による効果(抵抗変化、容量変化、起電力、自発分極)を電気信号に変換する素子である。この熱型赤外線センサには、焦電型(PZT、LiTaO3)、熱起電力型(サーモパイル、熱電対)、導電型(ボロメータ、サーミスタ)があり、感度に波長依存性がなく、冷却は不要である。しかし、応答速度が遅く検出能力もあまり高くない。
この補正を行うために、光源をON/OFFし、赤外線の受光時と遮光時との差分を取る信号処理等とともに、感度変化を補正するようにした炭酸ガス濃度を測定できる炭酸ガス濃度測定装置が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
この炭酸ガス濃度測定装置は、呼吸ガスに赤外線を照射し、透過量に応じた信号を検出して炭酸ガス濃度を測定するものである。この炭酸ガス濃度測定装置は、赤外線の透過量を検出するサーモパイル1002と、光源1001をオン/オフさせるスイッチSW1001と、を備える。さらに、炭酸ガス濃度測定装置は、サーモパイル1002の検出信号から、現在の吸気時の最大値を検出して記憶させ、最大値検出時点に続く検出信号と記憶されている最大値との差を算定して時系列的に変化する濃度信号を求めるドリフト補正手段と、光源を瞬時オフにしてオフ時のサーモパイル1002の最小値を検出し、記憶されている吸気時の最大値との差を算定して炭酸ガス濃度「0」でその時点の最大受光量における基準値として記憶させ、この基準値と濃度信号との比を算定して感度補正した濃度成分求める感度補正手段と、を備え、この濃度成分に基づき炭酸ガス濃度を算定する制御部1006と、最大値及び基準値を記憶するRAM1008と、を備える。
この濃度計は、測定対象ガスの流路を構成するサンプルセル内の一端に赤外線光源2015を配置するとともに、前記サンプルセル内の他端に量子型赤外線センサ2012を配置し、測定対象ガスの吸収帯の透過光量の信号と前記測定対象ガスの吸収のない波長帯の透過光量の信号とに基づいてガスの濃度の定量を行うようにした量子型赤外線ガス濃度計である。この量子型赤外線ガス濃度計は、前記量子型赤外線センサ2012からのセンサ信号を増幅する増幅器2121a、2121bを介して入力され、前記センサ信号から前記赤外線光源2015のオフレベル値を保持する信号処理部2120と、該信号処理部2120により保持された前記オフレベル値と前記増幅器2121a、2121bを介して入力する信号とを減算する減算手段2123a、2123bと、前記赤外線光源2015の電源制御信号と該電源制御信号から前記赤外線光源2015が赤外線を出力している区間を設定する区間設定器2126と、前記減算手段2123a、2123bからの信号を前記区間設定器2126の信号に基づいて積算する積算器2124a、2124bと、前記測定対象ガスの吸収帯の透過光量の信号と前記測定対象ガスの吸収のない波長帯域の透過光量の信号に基づいて、それぞれの前記積算器2124a、2124bの出力信号の比を演算する演算器2125とを備えている。
また、上述した特許文献2には、赤外線センサの出力電圧のドリフト補正を行うことが開示されているが、サーモパイルを使用するものであるため、呼気ガス検出部の窓の曇り或いは汚れにより、透過光量が低下してサーモパイルの出力感度が変化するので測定した炭酸ガス濃度も変化して安定した測定ができないという問題があった。
また、特許文献3には、赤外線光源の入射されているときと入射されていないときの量子型赤外線センサの出力をサンプルホールドし、差動増幅してガス濃度を測定することが開示されているが、ガス濃度が低い場合、赤外線吸収量が少ないためセンサ出力変化が微弱になり、実用的な測定を行うためには複数回の測定を多重測定する等の処理が必要になり、測定時間がかかるという問題があった。
前記数値化処理部は、前記コンデンサに前記第1の状態で第1の時間充電を行い、続いて前記第2の状態で第2の時間充電を行った後の前記増幅器の出力を、数値化するようになっていてよい。
前記第1の時間と前記第2の時間とは同一時間であってよい。
前記コンデンサの充電容量は、100〔pF〕以下であってよい。
前記赤外線光源と前記量子型赤外線センサとの光路間に前記測定対象ガスによる赤外線吸収が生じる波長帯域の赤外線を透過する光学フィルタ(例えば図5に示す、光学フィルタF)を配置してもよい。
前記数値化処理部は、前記増幅器の出力と基準値とを比較する比較器(例えば図7に示す、比較器31)と、当該比較器の出力をカウントするカウンタ(例えば図7に示す、カウンタ32)と、前記充電部に接続され前記コンデンサから電荷を放電する定電流バイアス回路(例えば図7に示す定電流バイアス回路33)と、を含んでいてよい。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る量子型赤外線ガス濃度計1の一例を示す構成図である。
この量子型赤外線ガス濃度計1はNDIRガス濃度計であって、量子型赤外線センサ12を備えている。
本発明における量子型赤外線ガス濃度計すなわちNDIRガス濃度計1は、以下のような演算により測定の対象となるガスのガス濃度の定量を行なうことができる。
ランバートベール(Lambert−Beer)則によれば、ガス濃度cは、ガス吸収帯の入射光度Ig0、ガス吸収帯の透過光度Ig、吸光度係数ε、ガス路長Lとすると、次式(1)で表すことができる。
したがって、本発明に係る量子型赤外線ガス濃度計1は、測定対象ガスの流路を構成するサンプルセル11内の一端に赤外線光源13を配置するとともに、サンプルセル11内の他端に量子型赤外線センサ12を配置して、測定対象ガスによる赤外線吸収量に基づいてガスの濃度の定量を行うようにしている。
切換えスイッチSW1−1〜SW1−4は、前記切換えスイッチSW1−1の一端とSW1−3の一端とが接続され、切換えスイッチSW1−2の一端とSW1−4の一端とが接続される。切換えスイッチSW1−1の他端およびSW1−2の他端と、増幅器14の反転入力端とが出力制御スイッチSW2の一端に共通に接続される。切換えスイッチSW1−3およびSW1−4の他端が、増幅器14の出力端に接続される。
なお、前記量子型赤外線センサ12、増幅器14、A/D変換器16の基準電圧は、GNDまたは増幅器14やA/D変換器16の信号飽和やダイナミックレンジを考慮した電圧である。
また、前記赤外線光度を検出する量子型赤外線センサ12の出力は、外乱変化に対して高速に切り換える赤外線光源13のオン/オフ時の光度の差分とすることにより、外乱によるドリフトがキャンセルされ、検出に有効な赤外線量のみを出力するようになっている。
この場合、電流電圧変換回路30の出力電圧Voutは、入力電流をIin、コンデンサC15の容量をCfとすると、次式(2)で表すことができる。
第1実施形態の量子型赤外線ガス濃度計1では、量子型赤外線センサ12のセンサ出力電流は1〔nA〕から10〔nA〕程度となる。また、赤外線光源13の応答は、タングステン光源の場合で応答時間は100〔ms〕から500〔ms〕程度となるため、電流取込時間は10〔ms〕から100〔ms〕程度に設定することが好ましい。
Cf≦(10〔nA〕/100〔mV〕)×100〔ms〕=100〔pF〕
……(3)
なお、赤外線光源13がLEDの場合は、赤外線光源13の応答時間が早いため、帰還コンデンサ(コンデンサC15)の容量Cfの回路動作に応じた時間設定で規定されるが、前記タングステン光源の応答より動作が速いため、帰還コンデンサの容量Cfをさらに小さい値に設定する。
量子型赤外線センサ12のセンサ出力電流の取込みを行う前の段階では、切換えスイッチSW1−1〜SW1−4をON、出力制御スイッチSW2をOFFとし、この状態で待機する(図4のステップS1)。
この時、図3(g)に示す増幅器14の基準電圧に対する出力電圧をVout、コンデンサC15のコンデンサ容量をCf、量子型赤外線センサ12のセンサ出力電流をIin_offとすると、出力電圧Voutは、次式(4)で示される。
続いて、ステップS4に移行し、OFF電流の取込みが終了したかどうかを判定する。この赤外線光源13がOFF時の量子型赤外線センサ12のセンサ出力電流であるOFF電流の取込終了は、電流測定を開始してから所定の電流取込時間が経過したかで判断される。
また、赤外線光源13がON時の量子型赤外線センサ12のセンサ出力電流であるON電流の取込開始タイミングであると判断される前に、コンデンサC15の極性切り換えを行うとともに(ステップS6、図3の時点t3)、赤外線光源13をONに切り換える(ステップS7)。
コンデンサC15の極性切り換えは、第2のスイッチ群(SW1−1、SW1−4)をON、第1のスイッチ群(SW1−2、SW1−3)をOFFすることによって行う。なお、出力制御スイッチSW2はOFFのままとする。
コンデンサC15の極性の切り換えにより、増幅器14の出力は、次式(5)で示される。
これによって、赤外線光源13がON時の量子型赤外線センサ12のセンサ出力電流がコンデンサC15に充電される。
このとき、図3に示す増幅器14の基準電圧に対する出力電圧をVout、コンデンサC15の容量をCf、赤外線光源13がON時の量子型赤外線センサ12のセンサ出力電流をIin_onとすると、出力電圧Voutは、次式(6)で示される。
ON電流の取込終了は、電流測定を開始してから所定の電流取込時間が経過したかで判断される。図4のステップS10で、ON電流の取込み終了と判断されると、ステップS10からステップS11に移行し、ON電流の取込み終了として出力制御スイッチSW2をOFFにする。このとき、第1のスイッチ群はOFF、第2のスイッチ群はONのままとする。
そして、所定の待機時間が経過した時点t6で、増幅器14の出力電圧をA/D変換する(ステップS13)。なお、時点t5−t6の待機時間は、ON電流の取込終了後出力制御スイッチSW2がOFFで増幅器出力が一定となり、かつ、A/D変換器の取り込み可能な状態に基づいて設定される。
測定終了後、増幅器14の出力に基づき、演算器18において所定の演算処理が行われ、増幅器14の出力は、ガス濃度に応じた数値に変換されて出力される。
このように、制御器19により制御されたコンデンサC15の充放電により、センサ出力電流のオフレベル値とオンレベル値の差分を増幅器14が出力するため、外乱によるドリフトがキャンセルされ、検出に有効な赤外線量のみを出力することができる。そのため、簡易で小型な構成で、検出に有効な赤外線を有効に積算測定することができる。
さらに、ガス濃度や赤外線光源13や量子型赤外線センサ12は温度による特性変動があるため、温度センサ17を用いて、予め設定した、温度による特性変動を補正する演算式を用いて出力補正を行うことによって、広い温度範囲に対しても測定精度を維持することが可能となる。
また、センサや外乱等によるノイズの影響を低減させる手段として、増幅器や信号保持手段や減算手段等に、本発明に影響がない程度のフィルタ機能を兼用することがあることは言うまでもない。
また、濃度演算の際には、A/D変換器16でA/D変換後に、演算器18でデジタル処理での演算を行っているが、演算機能を持ったアナログ信号処理の手段を用いても良い。
また、演算補正として温度センサ17による信号を用いて濃度補正しているが、濃度に影響のある気圧や湿度や干渉ガスによる影響を合わせて補正するために、これら濃度に影響を与える各種パラメータの値を考慮して、各種センサや外部信号等を演算器18で補正しても良い。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る量子型赤外線ガス濃度計1の一例を示す構成図である。
第2実施形態における量子型赤外線ガス濃度計1は、第1実施形態と同様に、NDIRガス濃度計であるが、2つの量子型赤外線センサ12a、12bを備えている。さらに、第1実施形態で説明した電流検出部21と同様の機能構成を有する、2系統の電流検出部21a、21bを備えている。
つまり、測定対象ガスの流路を構成するサンプルセル11内の一端に赤外線光源13を配置するとともに、前記サンプルセル11内の他端に量子型赤外線センサ12aと12bとを配置し、赤外線光源13による赤外線を、量子型赤外線センサ12aと12bとの2系統で受光するように構成される。
すなわち、充電部15aは、センサ出力電流が充放電されるコンデンサC15aと、前記コンデンサC15aの接続極性及び電荷をリセットする第1および第2のスイッチ群SW1a−1〜SW1a−4と、前記コンデンサC15aの電圧を出力する増幅器14aとを備える。充電部15bは、センサ出力電流が充放電されるコンデンサC15bと、前記コンデンサC15bの接続極性及び電荷をリセットする第1および第2のスイッチ群SW1b−1〜SW1b−4と、前記コンデンサC15bの電圧を出力する参照信号用増幅器としての増幅器14bとを備える。
赤外線吸収する帯域と、測定ガスが赤外線吸収しない帯域とが近接し、光源や量子型赤外線センサでの波長選択性が得られない場合、光学フィルタを赤外線光源と量子型赤外線センサ間に設ける事により、測定ガスの選択性や感度や安定性をさらに向上することができる。
例えば、ガス吸収帯と吸収のない波長帯を検出する場合、ガス吸収帯の入射光度Ig0は、吸収のない波長帯の透過光度Ibに比例するので、比例係数をαとすると、次式(7)で示される。
この第2実施形態では、ガス濃度cは、次式(9)に示すように、ガスの吸収帯を測定する増幅器14aの出力電圧(V1)と、ガスの吸収のない波長帯を測定する増幅器14bの出力電圧(V2)とから演算する。
また、ガス濃度の温度依存性等比を取ることではキャンセルできない要因は、温度センサ17を用いて温度を検出し、予め設定した補正演算を行っても良い。
このように、測定された参照光と吸収特性とを用いて演算することによって、光源の温度特性や劣化やサンプルセルの汚れ等による出力信号の変化を補正することが可能となり、より精度や安定性の高い小型ガス濃度計を実現できる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る量子型赤外線ガス濃度計1の一例を示す構成図である。
この第3実施形態における量子型赤外線ガス濃度計1は、第1実施形態および第2実施形態と同様に、NDIRガス濃度計であって、1つの量子型赤外線センサ12を備えている。
第3実施形態における量子型赤外線ガス濃度計1は、測定対象ガスの流路を構成するサンプルセル11内の一端に赤外線光源13を配置するとともに、前記サンプルセル11内の他端に量子型赤外線センサ12を配置して、前記測定対象ガスの透過光量の信号に基づいてガスの濃度の定量を行う。
切換えスイッチSW1−1〜SW1−4をONとすることによって、コンデンサC15の両端がショートされリセット状態となる。また、出力制御スイッチSW2をOFFとすることによって量子型赤外線センサ12のセンサ出力電流の電流検出部21への供給が遮断される。さらに、放電スイッチSW3をOFFとして無バイアスとすることによって、量子型赤外線ガス濃度計1の増幅器14の出力Voutは、図8に示すように、基準電位になっている。
この時、図8(h)に示す増幅器14の基準電圧に対する出力電圧をVout、コンデンサC15のコンデンサ容量をCf、量子型赤外線センサ12のセンサ出力電流をIin_offとすると、出力電圧Voutは、次式(10)で示される。
続いて、図9のステップS24に移行し、OFF電流の取込みを終了するか否かを判定する。このOFF電流の取込みを終了するか否かは、電流測定を開始してから所定の電流取込時間が経過したかで判断される。
また、赤外線光源13がON時の量子型赤外線センサ12のセンサ出力電流であるON電流の取込開始タイミングと判断される前に、コンデンサC15の極性切り換えを行うとともに(図9のステップS26、図7の時点t13)、赤外線光源13をONに切り換える(ステップS27)。
コンデンサC15の極性の切り換えにより、増幅器14の出力は、次式(11)で示される。
これによって、赤外線光源13がON時における、量子型赤外線センサ12のセンサ出力電流がコンデンサC15に充電される。
この時、図7に示す増幅器14の基準電圧に対する出力電圧をVout、コンデンサC15の容量をCf、赤外線光源13がONである時の量子型赤外線センサ12のセンサ出力電流をIin_onとすると、出力電圧Voutは、次式(12)で示される。
ON電流の取込終了は、電流測定を開始してから所定の電流取込時間が経過したかで判断される。図9のステップS30で、ON電流の取込終了と判断されると、ステップS30からステップS31に移行し、ON電流の取込終了として、出力制御スイッチSW2をOFFにする。このとき、第1のスイッチ群はOFF、第2のスイッチ群はON、放電スイッチSW3はOFFのままとする。
また、ON電流の取込終了後は、出力制御スイッチSW2の切り換えとともに、赤外線光源13をOFFする(図9のステップS32、図7の時点t15)。
このとき、図8(h)に示すように、増幅器14の出力電圧Voutと基準電圧との間には差があり、基準電圧の方が、出力電圧Voutよりも大きいため、比較器31の出力はHレベルとなる。
したがって、カウンタ32のカウンタ値も定電流バイアス回路33による放電電流Iin_constに比例することになるため、カウンタ32はカウンタ値を出力することで、量子型赤外線センサ12の赤外線光源13がON時とOFF時との差分電流値を数値化することになる。
その後さらに測定を行うかが判断され、測定を行う場合はステップS21に戻り、測定を行わない場合は、終了する(ステップS38)。
このように、微弱な量子型赤外線センサ12の出力を、増幅器14とコンデンサC15と切換えスイッチSW1−1〜SW1−4との単純な構成により、赤外線光源13のON時とOFF時との差分電流を出力し、カウンタ32により数値化することによって、量子型赤外線センサ12の出力を演算することができる。
また、比較器31とカウンタ32と定電流バイアス回路33とにより、数値化処理を行うことによって、効率よく充電部をリセットすることができる。
また、比較器31の出力は、増幅器14の出力と基準電位のレベル差の区別ができればよく、HレベルとLレベルの状態は上記に限定しない。
なお、量子型赤外線センサ12のセンサ出力電流がコンデンサC15からの電流放電であれば、前記定電流バイアス回路33は定電流充電に置き換わることは言うまでもない。
11 サンプルセル
12、12a、12b 量子型赤外線センサ
13 赤外線光源
14、14a、14b 増幅器
15、15a、15b 充電部
16 A/D変換器
17 温度センサ
18 演算器
19 制御器
20 光源駆動部
21、21a、21b 電流検出部
30 電流電圧変換回路
31 比較器
32 カウンタ
33 定電流バイアス回路
C15、C15a、C15b コンデンサ
SW1−1〜SW−4 切換えスイッチ
SW2、SW2a、SW2b 出力制御スイッチ
SW3 放電スイッチ
Claims (9)
- 測定対象ガスの流路を構成するサンプルセル内の一端に赤外線光源を配置するとともに、前記サンプルセル内の他端に量子型赤外線センサを配置し、当該量子型赤外線センサの出力信号に基づいて前記測定対象ガスの濃度の測定を行う量子型赤外線ガス濃度計であって、
前記量子型赤外線センサに一端が接続される出力制御スイッチと、
前記出力制御スイッチの他端に接続され、前記量子型赤外線センサの出力電流によって充電される充電部と、
前記充電部の充電量を電圧で出力する増幅器と、
前記増幅器の出力を数値化する数値化処理部と、
前記数値化処理部の出力に基づいて前記測定対象ガスの濃度演算を行う演算器と、
制御器と、
前記赤外線光源を駆動制御する光源駆動部と、を備え、
前記充電部は、第1のスイッチ群、第2のスイッチ群およびコンデンサを有し、
前記制御器は、前記出力制御スイッチ、前記第1のスイッチ群および前記第2のスイッチ群を制御して、前記コンデンサを第1の極性で充電する第1の状態と前記コンデンサを前記第1の極性とは逆の第2の極性で充電する第2の状態とに切換え、
前記光源駆動部が前記赤外線光源を停止しているときには前記第1の状態で充電し、前記赤外線光源を駆動しているときには前記第2の状態で充電することを特徴とする量子型赤外線ガス濃度計。 - 前記サンプルセルの温度を検出する温度センサを備え、
前記演算器は、前記温度センサの出力も用いて前記測定対象ガスの濃度演算を行うことを特徴とする請求項1記載の量子型赤外線ガス濃度計。 - 前記数値化処理部は、
前記コンデンサに前記第1の状態で第1の時間充電を行い、続いて前記第2の状態で第2の時間充電を行った後の前記増幅器の出力を、数値化することを特徴とする請求項1または請求項2記載の量子型赤外線ガス濃度計。 - 前記第1の時間と前記第2の時間とは同一時間であることを特徴とする請求項3記載の量子型赤外線ガス濃度計。
- 前記コンデンサの充電容量は、100〔pF〕以下であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の量子型赤外線ガス濃度計。
- 前記赤外線光源と前記量子型赤外線センサとの光路間に前記測定対象ガスによる赤外線吸収が生じる波長帯域の赤外線を透過する光学フィルタを配置したことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の量子型赤外線ガス濃度計。
- 前記赤外線光源から発せられる赤外線を受光し、かつ、前記測定対象ガスによる赤外線吸収が実質的に生じない波長帯域の赤外線のみを入射する参照信号検出部と、
前記参照信号検出部に一端が接続される参照信号用出力制御スイッチと、
当該参照信号用出力制御スイッチの他端に接続され、前記参照信号検出部の出力電流によって充電される、前記充電部と同一性能を有する参照信号用充電部と、
前記参照信号用充電部の充電量を電圧で出力し、前記増幅器と同一性能を有する参照信号用増幅器と、をさらに備え、
前記数値化処理部は、前記増幅器の出力と前記参照信号用増幅器の出力とをそれぞれ数値化することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の量子型赤外線ガス濃度計。 - 前記数値化処理部は、A/D変換器を含むことを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の量子型赤外線ガス濃度計。
- 前記数値化処理部は、前記増幅器の出力と基準値とを比較する比較器と、当該比較器の出力をカウントするカウンタと、前記充電部に接続され前記コンデンサから電荷を放電する定電流バイアス回路と、を含むことを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の量子型赤外線ガス濃度計。
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