JP2011203004A - 量子型赤外線ガス濃度計 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定ガスの流量変化や温度変化などの外乱変化に対して安定して測定することができる量子型赤外線ガス濃度計を提供すること。
【解決手段】信号処理部120は、量子型赤外線センサからのセンサ信号を増幅する増幅器121a,121bを介して入力され、センサ信号から赤外線光源のオフレベル値を保持する。減算器123a,123bは、信号処理部により保持されたオフレベル値と増幅器を介して入力する信号とを減算する。区間設定器126は、赤外線光源の電源制御信号とこの電源制御信号から赤外線光源が赤外線を出力している区間を設定する。積算器124a,124bは、減算器からの信号を区間設定器の信号に基づいて積算する。演算器125は、測定対象ガスの吸収帯の透過光量の信号と測定対象ガスの吸収のない波長帯域の透過光量の信号に基づいて、それぞれの積算器の出力信号の比を演算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、量子型赤外線ガス濃度計に関し、より詳細には、小型でかつ簡便な量子型赤外線センサを有し、測定ガスの流量変化や温度変化などの外乱変化に対して高速・高精度・高安定な測定を行なうことのできる量子型赤外線ガス濃度計に関する。
従来から大気中のガス濃度の測定を行う赤外線ガス濃度計として、ガスの種類によって吸収される赤外線(IR;Infrared Ray)の波長が異なることを利用し、この吸収量を検出することによりそのガス濃度を測定するNDIRガス濃度計が使用されている。このNDIR(非分散赤外吸収型;Non−Dispersive InfraRed))ガス濃度計は、検出するガスの波長に限定した赤外線を透過するフィルタと赤外線センサを組み合わせ、その吸収量を測定することによってガスの濃度を測定するようにしたものである。
このNDIRガス濃度計は、小型化かつ高精度で、種々の環境でも安定して測定できるものが求められている。この種のものとして、大気中などのガス濃度を、波長選択型赤外線検出素子を用いて測定する赤外線ガス分析計が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1には、光源からの赤外線を波長選択的に透過させる波長選択フィルタと、この波長選択フィルタを透過した赤外線を検出する赤外線検出器とを一体的に構成した赤外線ガスセンサが開示されている。つまり、赤外線センサとしてボロメータを用いたNDIR方式のガス分析計が開示されているが、封止室に中空で浮かせた構造であり、しかも、真空封止や不活性ガス封止する必要がある。
一般に、赤外線センサは、熱型赤外線センサと量子型赤外線センサに分けられる。熱型赤外線センサは、赤外線のエネルギーを熱として利用したセンサであり、赤外線の熱エネルギーによりセンサ自体の温度が上昇し、その温度上昇による効果(抵抗変化、容量変化、起電力、自発分極)を電気信号に変換する素子である。この熱型赤外線センサには、焦電型(PZT、LiTaO3)、熱起電力型(サーモパイル、熱電対)、導電型(ボロメータ、サーミスタ)があり、感度に波長依存性がなく、冷却は不要である。しかし、応答速度が遅く、検出能力もあまり高くない。
一方、量子型赤外線センサは、半導体に赤外線が照射されると、その光量子によって発生する電子や正孔を利用するセンサであり、光導電型(HgCdTeなど)や光起電力型(InAsなど)がある。この量子型赤外線センサは、感度の波長依存性があり、高感度で、応答速度が速いという特長があるが、冷却する必要があり、ペルチェ素子やスターリングクーラーなどの冷却機構とともに用いられるのが一般的であった。したがって、上述したNDIR方式のガスセンサには応用しにくくなっていた。
また、NDIRガス濃度計は、赤外線光源の光量や周囲温度の変動などにより赤外線センサの出力信号のオフセットがドリフトすることが知られている。この補正を行うために、光源をON/OFFし、赤外線の受光時と遮光時の差分を取る信号処理などとともに、感度変化を補正するようにした炭酸ガス濃度を測定できる炭酸ガス濃度測定装置が提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
図7は、上述した特許文献2に記載された従来の炭酸ガス濃度測定装置の構成を示すブロック図である。この炭酸ガス濃度測定装置は、呼吸ガスに赤外線を照射し、透過量に応じた信号を検出して炭酸ガス濃度を測定するもので、赤外線の透過量を検出するサーモパイル2と、光源1をオン/オフさせるスイッチSWと、サーモパイル2の検出信号から、現在の吸気時の最大値を検出して記憶させ、最大値検出時点に続く検出信号と記憶されている最大値との差を算定して時系列的に変化する濃度信号を求めるドリフト補正手段と、光源を瞬時オフにしてオフ時のサーモパイル2の最小値を検出し、記憶されている吸気時の最大値との差を算定して炭酸ガス濃度「0」でその時点の最大受光量における基準値して記憶させ、この基準値と濃度信号との比を算定して感度補正した濃度成分求める感度補正手段とを備え、この濃度成分に基づき炭酸ガス濃度を算定する制御部6と、最大値及び基準値を記憶するRAM8とを備えたものである。
光源駆動部3は、スイッチSWにより制御部6から出力される制御信号によりオフ/オンされるものである。A/D変換器5は、増幅器4の出力をデジタル信号に変換するものである。制御部6は、ROM9に記憶された炭酸ガス濃度の測定を行う制御プログラムに基づき装置の制御を行うものである。操作部7は、光源1のオフ/オンの周期やサーモパイル2の検出信号の上限値等のパラメータの設定、所要データの設定等を行うものである。RAM8は、設定されたパラメータ、サーモパイル2の検出信号から検出される最大値、算定された基準値、測定された炭酸ガス濃度のデータ等を一時的に記憶保持するものである。ROM9は、サーモパイル2の検出信号に対してドリフト補正及び感度補正を行って炭酸ガス濃度の測定を自動的に行う制御プログラムが予め記憶されているものである。表示部10は、測定された炭酸ガス濃度を濃度変化に応じたバーグラフ表示を行い、又はブザーにより濃度変化に応じた変調音を報知するものである。
特開2001−228022号公報 特開平8−233810号公報 特開2008−292321号公報
上述した特許文献1に見られるようなボロメータなどを利用したNDIRガス濃度計は、測定する気体の温度や流量や周囲の温度環境が変化した場合に、光源、センサ、センサ視野内の温度変動などにより、出力が大きく変動する問題があり、このような状況下で使用する場合には実用的な測定が行えないという問題があった。
また、上述した特許文献2には、赤外線センサの出力電圧のドリフト補正を行うことが開示されているが、サーモパイルを使用するもので、呼気ガス検出部の窓の曇り或いは汚れにより、透過光量が低下してサーモパイルの出力感度が変化するので測定した炭酸ガス濃度も変化して安定した測定ができないという問題があった。また、測定する気体の温度や流量や周囲の温度環境が変化した場合に、オフセットドリフトがあるためA/Dの入力範囲を広くとる必要があるため、分解能の低下があった。また、光源の劣化や、サンプルセルの汚れ等による出力信号の経時変化を正確に補正することができないといった問題があった。
また、特許文献3には、赤外線光源の入射されているときと入射されていないときの赤外線センサの出力をサンプルホールドし、差動増幅してガス濃度を測定することが開示されているが、ガス濃度が低い場合赤外線吸収量が少ないためセンサ出力変化が微弱になり、実用的な測定を行うためには複数回の測定を多重測定するなどの処理が必要になり、測定時間がかかるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、小型でかつ簡便な量子型赤外線センサを有し、測定ガスの流量変化や温度変化などの外乱変化に対して高速・高精度・高安定な測定を行なうことができるようにした量子型赤外線ガス濃度計を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、測定対象ガスの流路を構成するサンプルセル内の一端に赤外線光源を配置するとともに、前記サンプルセル内の他端に量子型赤外線センサを配置して、前記測定対象ガスの吸収帯の透過光量の信号と前記測定対象ガスの吸収のない波長帯の透過光量の信号に基づいてガスの濃度の定量を行うようにした量子型赤外線ガス濃度計において、前記量子型赤外線センサからのセンサ信号を増幅する増幅器を介して入力され、前記センサ信号から前記赤外線光源のオフレベル値を保持する信号処理部と、該信号処理部により保持された前記オフレベル値と前記増幅器を介して入力する信号とを減算する減算手段と、前記赤外線光源の電源制御信号と該電源制御信号から前記赤外線光源が赤外線を出力している区間を設定する区間設定手段と、前記減算手段からの信号を前記区間設定手段の信号に基づいて積算する積算手段と、前記測定対象ガスの吸収帯の透過光量の信号と前記測定対象ガスの吸収のない波長帯域の透過光量の信号に基づいて、それぞれの前記積算手段の出力信号の比を演算する演算手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記減算手段からの信号をデジタル信号へ変換するA/D変換器を介して、後段の信号処理をデジタル的に処理することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又2に記載の発明において、前記区間設定手段による積算区間が、前記赤外線光源の電源オン区間であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又2に記載の発明において、前記区間設定手段による積算区間が、前記赤外線光源の光量上昇と降下時間により予め設定した区間であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記サンプルセル内の他端に温度センサを配置し、前記演算手段の信号を前記温度センサからの信号に基づいて補正する手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、量子型赤外線センサからのセンサ信号を増幅する増幅器を介して入力され、センサ信号から赤外線光源のオフレベル値を保持する信号処理部と、この信号処理部により保持されたオフレベル値と増幅器を介して入力する信号とを減算する減算手段と、赤外線光源の電源制御信号とこの電源制御信号から赤外線光源が赤外線を出力している区間を設定する区間設定手段と、減算手段からの信号を区間設定手段の信号に基づいて積算する積算手段と、測定対象ガスの吸収帯の透過光量の信号と測定対象ガスの吸収のない波長帯域の透過光量の信号に基づいて、それぞれの積算手段の出力信号の比を演算する演算手段とを備えたので、測定ガスの流量変化や温度変化などの外乱変化に対して高速・高精度・高安定な測定を行なうことができる量子型赤外線ガス濃度計を実現することが可能である。
また、外乱変化に対して高速な赤外線光源のオン/オフのパルス変化を、信号処理部により保持されたオフレベル値と増幅器を介して入力する信号とを減算する減算手段により外乱によるドリフトがキャンセルされるため検出に有効な赤外線量のみを出力することができ、赤外線光源の電源制御信号とこの電源制御信号から赤外線光源が赤外線を出力している区間を設定する区間設定手段と、減算手段からの信号を区間設定手段の信号に基づいて積算する積算手段により、検出に有効な赤外線が入射しガスによる赤外線が吸収している区間を有効に積算できる。
また、デジタル信号へ変換するA/D変換器で信号処理を行う場合、減算手段の出力をA/D変換器へ入力するため、外乱によるドリフトがキャンセルされ、A/D変換器の入力ダイナミックレンジが検出に有効な赤外線量のみの範囲に抑えられるため、信号分解能を高めることができる。
このようにして、検出に有効な赤外線量を有効に測定できるので、S/Nが改善でき、従来の方法では、例えば、多重測定して平均値を求めて表示をしていたが、1回又は少ない回数で表示できる。さらに、小型でかつ簡便で応答性の優れた量子型赤外線センサを用いるため、高速応答性の優れた赤外線光源を用いれば、短時間のパルス動作で測定可能なガス濃度計を実現できる。
さらに、温度センサを用いて演算出力を補正することにより、広い温度範囲に対しても測定精度を維持することが可能となる。
なお、センサや外乱等によるノイズの影響を低減させる手段として、増幅器や信号保持手段や減算手段などに本発明に影響がない程度のフィルタ機能を兼用することがあることは言うまでもない。
本発明に係る量子型赤外線ガス濃度計の実施例1を説明するために構成図である。 図1に示した信号処理部の動作を説明するための炭酸ガスでの減算器の出力例とタイミング図である。 本発明に係る量子型赤外線ガス濃度計の実施例2を説明するために構成図である。 実施例2に示した信号処理部の動作を説明するための炭酸ガスでの減算器の出力例とタイミング図である。 本発明に係る量子型赤外線センサ素子の具体的な構成図である。 図5に示した量子型赤外線センサ素子のセンサ素子部を直列に接続した構成図である。 従来の炭酸ガス濃度測定装置の構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の各実施例について説明する。
[実施例1]
図1は、本発明に係る量子型赤外線ガス濃度計の実施例1を説明するために構成図である。この量子型赤外線ガス濃度計は、1光源2波長比較NDIRガス濃度計で、量子型赤外線センサ12を備えている。この量子型赤外線センサ12は、複数の量子型赤外線センサ素子13a,13bからなり、複数の光学フィルタ14a,14bは、量子型赤外線センサ素子13a,13bに対して赤外線光源側に設けられ、各々異なる特定の波長帯域の赤外線を選択的に透過するもので、測定するガスの吸収特性に合わせた光学フィルタ14bと、参照光として、例えば、ガスや水蒸気による吸収の少ない約3.9μm近傍の波長の赤外線を透過させる光学フィルタ14aで2波長を選択し、選択された赤外線は、それぞれ量子型赤外線センサ素子13a及び13bにより検出される。この場合、測定された参照光の吸収特性との比較によって、光源15の劣化や、サンプルセル11の汚れ等による出力信号の経時変化を補正することができる。
このような光学フィルタ14a,14bは、赤外線光源15からの参照光透過用の光学フィルタ14aと、参照光と異なる波長帯域透過用の光学フィルタ14bとの一対からなっている。また、参照光と各々異なる複数の波長帯域透過用の光学フィルタとからなることも可能である。
本発明のNDIRガス濃度計は、以下のような演算により測定の対象となるガスのガス濃度の定量を行なうことができる。ランバートベール(Lambert−Beer)則によれば、ガス濃度cは、ガス吸収帯の入射光度Ig0、ガス吸収帯の透過光度Ig、吸光度係数ε、ガス路長Lとすると、以下のような式で表すことができる。
Figure 2011203004
ガス吸収帯の入射光度Ig0は、吸収のない波長帯の透過光度Ibに比例するので、比例係数をαとすると、
Figure 2011203004
したがって、ガスの吸収帯の透過光量とガスの吸収のない波長帯の透過光量を用いて、ガスの濃度の定量が以下のような式によって求められる。
Figure 2011203004
このような演算方法を赤外線の光量に比例して出力する量子型赤外線センサ12は、サンプルセル11内の他端であって基準側及びガス吸収側にフィルタ14a,14bを介して量子型赤外線センサ素子13a,13bが設けられている。この量子型赤外線センサ素子13a,13bからの各々のセンサ信号は、増幅器(アンプ)121a,121bを介して増幅される。この場合、センサ出力が、電圧の場合は電圧増幅アンプを用い、電流の場合は電流電圧変換アンプを用いる。
このように、本発明に係る量子型赤外線ガス濃度計は、測定対象ガスの流路を構成するサンプルセル内の一端に赤外線光源を配置するとともに、サンプルセル内の他端に量子型赤外線センサを配置して、測定対象ガスの吸収帯の透過光量の信号と測定対象ガスの吸収のない波長帯の透過光量の信号に基づいてガスの濃度の定量を行うようにしたものである。
信号処理部120は、量子型赤外線センサからのセンサ信号を増幅する増幅器121a,121bを介して入力され、センサ信号から赤外線光源のオフレベル値を保持するもので、オフレベル保持回路120a,120bで構成されている。
また、減算器123a,123bは、信号処理部120により保持されたオフレベル値と増幅器121a,121bを介して入力する信号とを減算するものである。また、区間設定器126は、赤外線光源の電源制御信号とこの電源制御信号から赤外線光源が赤外線を出力している区間を設定するものである。
また、積算器124a,124bは、減算器123a,123bからの信号を区間設定器126の信号に基づいて積算するものである。また、演算器125は、測定対象ガスの吸収帯の透過光量の信号と測定対象ガスの吸収のない波長帯域の透過光量の信号に基づいて、それぞれの積算器124a,124bの出力信号の比を演算するものである。
また、増幅器121a,121bは、増幅機能の他、ノイズフィルタとしての帯域制限のためのローパスフィルタやバンドパスフィルタや信号を平均化するための積分器などの機能を兼ねてもよい。
この増幅器121a,121bからの各々の信号と、本発明の特徴的な第1の構成であるオフレベル保持回路120a,120bからの信号が減算器123a,123bに入力され、センサ信号からオンレベル値を減算してオフセットを除去する。
また、オフレベル保持回路120a,120bは、光源駆動部20の動作切換えを行う信号切換器21から光源オン直前のタイミング信号により増幅器121a,121bからの各々の信号をオフレベルとして保持するものである。
本発明の特徴的な第2の構成である積算器124a,124bは、上述したように、区間設定器126の信号に基づいて減算器123a,123bからの信号を積算するものである。
また、区間設定器126は、赤外線光源が赤外線を発光しガス吸収している有効な赤外線量を検出している区間を設定するもので、図2に示した信号のタイミングが取りやすい光源の電源がオンしている区間を積算区間として積分器へ出力している。なお、電源オン時間や上述した積算区間は、外乱等によるドリフトの周期より十分短く設定する。
また、演算器125は、積算器124a,124bの信号をガス濃度に換算するための比の演算を行うものである。この演算は、吸収のない波長帯の透過光度Ibとガス吸収帯の透過光度Igの比、Ib/Igを得るもので、積算器124aの出力をガスの吸収帯の透過光量の信号(V1)と、積算器124bの出力をガスの吸収のない波長帯の透過光量の信号(V2)として演算する。
Figure 2011203004
ただし、α=V2’/V1で、αは比例係数、V1は基準側の積算出力電圧、V2はガス吸収側の積算出力電圧、V2’はガス吸収側の吸収がない時の電圧値、εは吸光度係数、Lはガス路長である。
このようにして、ガスの吸収帯の透過光量とガスの吸収のない波長帯の透過光量を用いてガスの濃度の定量分析を行うことができる。現実には、ランバートベール則からずれる部分があるため、必要に応じて補正演算を行っても良い。
また、赤外線光源や赤外線センサなどの特性は、温度による依存性を持つため、温度センサを用いて温度を検出し、あらかじめ設定した補正演算を行っても良い。
[実施例2]
図3は、本発明に係る量子型赤外線ガス濃度計の実施例2を説明するために構成図で、上述した実施例1の減算器の出力をA/D変換器を用いて信号をデジタル化し、以降の後段を演算した構成である。演算は、CPUなどの演算器で処理をしても良い。
上述したように、減算器123a,123bの出力をA/D変換器127a,127bへ入力するため、外乱によるドリフトがキャンセルされ、A/D変換器127a,127bの入力ダイナミックレンジが検出に有効な赤外線量のみの範囲に抑えられるため、信号分解能を高めることができる。なお、符号128は、デジタル処理部を示している。
また、図4に示すように、赤外線光源がオンして発光量が上昇しガス濃度による赤外線吸収差が現れ、赤外線光源がオフしてガス濃度による赤外線吸収差が低減するまでの区間を予め設定し、信号の積算区間のタイミングとして積分器124a,124bへ出力することにより、赤外線吸収信号を有効に積算することができる。
図5は、本発明に係る量子型赤外線センサ素子の具体的な構成図で、符号103a(103b)はセンサ素子部を示している。量子型赤外線センサ素子13a,13bはセンサ素子部103a(103b)を有し、このセンサ素子部103a(103b)は、基板105上に設けられた第1のコンタクト層106と、この第1のコンタクト層106上に設けられた吸収層107と、この吸収層107上に設けられたバリア層108と、このバリア層108上に設けられた第2のコンタクト層109と、この第2のコンタクト層109上に設けられた第2の素子部電極111bと、第1のコンタクト層106と吸収層107とバリア層108と第2のコンタクト層109に隣接して設けられたパッシベーション層110と、このパッシベーション層110を介して基板上105に設けられた第1の素子部電極111aとを備えている。
つまり、センサ素子部103a(103b)の受光面を除いた全体は、樹脂モールド101で覆われ、センサ素子部103a(103b)の両側には、センサ信号を取り出すためのセンサ電極端子102a,102bが設けられている。さらに、センサ素子部103a(103b)は、赤外線を取り込めるように、樹脂モールド101の一部分から窓をあけた状態で設置されている。さらに、センサ素子部103a(103b)を構成する第1の素子部電極111aと第2の素子部電極111bに接続され、基板105上に形成されたパッド電極104a,104bは、ワイヤーボンディング113によりセンサ電極端子102a,102bと電気的に接続されている。
さらに、センサ素子部103a(103b)をより詳細に説明する。例えば、半絶縁性GaAs基板105上にn型のInSbコンタクト層106と、π型のInSb吸収層107と、p型のAlInSbバリア層108と、p型のInSbコンタクト層109が形成され、n型のInSbコンタクト層106は、一方のパッド電極104aに素子部電極111aで電気的に接続され、さらに、p型のInSbコンタクト層109は、他方のパッド電極104bに第2の素子部電極111bで電気的に接続されている。
センサ素子部103a(103b)を構成する半導体薄膜の材料は、上述した例に限定されるものではない。素子部電極111a,111bが、半導体層とコンタクトしないように所定の位置にSiNなどのパッシベーション膜110が形成されている。さらに、半絶縁性GaAs基板の裏面は、赤外線を取り込む窓となるため、保護膜112が形成されている。この保護膜112は、入射する赤外線の反射防止やセンサ部の保護のために設けられ、測定したい波長の赤外線をできるだけ多く透過させる材質が好ましく選択される。例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどが好ましく用いられる。
このような構成により、光学フィルタ14a,14bを透過してきた赤外線は、センサ素子部103a,103bの保護膜112から半絶縁性GaAs基板105へ入射する。光学フィルタ14a,14bを透過してきた赤外線は、3.9μmや4.25μmなどの波長であり、半絶縁性GaAs基板105はエネルギーバンドギャップが広く、光学フィルタ14a,14bを透過してきた赤外線は、GaAs基板105で吸収されることなく透過する。GaAs基板105を透過した赤外線は、センサ素子部103a,103bのπ型のInSb吸収層107で吸収され、π型のInSb吸収層107内では光励起された電子により光電流が発生する。この光電流の発生量により、素子部電極111a,111bから出力電圧を取り出すことができる。
図6は、図5に示した量子型赤外線センサ素子のセンサ素子部を直列に接続した構成図で、センサ素子部103a(103b)を複数個設け、この複数のセンサ素子部103a(103b)を直列接続させたものである。これにより大きな出力信号を得ることができる。センサ素子部103a(103b)の個数は、同一面積の基板上に多く直列接続させる方が、量子型赤外線センサの感度が向上するため、微細加工技術を駆使してできるかぎり多くのセンサ素子部103a(103b)を形成することが好ましい。
1 光源
2 サーモパイル
3 光源駆動部
4 増幅器
5 A/D変換器
6 制御部
7 操作部
8 RAM
9 ROM
10 表示部
11 サンプルセル
12 量子型赤外線センサ
13a,13b 量子型赤外線センサ素子
14a,14b 光学フィルタ
15 赤外線光源
20 光源駆動部
21 信号切換器
101 モールド樹脂
102a,102b センサ電極端子
103a,103b センサ素子部
104a,104b パッド電極
105 基板
106 第1のn型のInSbコンタクト層
107 π型のInSb吸収層
108 p型のAlInSbバリア層
109 第2のp型のInSbコンタクト層
110 パッシベーション層
111a 第1の素子部電極
111b 第2の素子部電極
112 保護膜
113 ワイヤーボンディング
120 信号処理部
120a,120b オフレベル保持回路
121a,121b 増幅器
123a,123b 減算器
124a,124b 積算器
125 演算器
126 区間設定器
127a,127b A/D変換器
128 デジタル処理部

Claims (5)

  1. 測定対象ガスの流路を構成するサンプルセル内の一端に赤外線光源を配置するとともに、前記サンプルセル内の他端に量子型赤外線センサを配置して、前記測定対象ガスの吸収帯の透過光量の信号と前記測定対象ガスの吸収のない波長帯の透過光量の信号に基づいてガスの濃度の定量を行うようにした量子型赤外線ガス濃度計において、
    前記量子型赤外線センサからのセンサ信号を増幅する増幅器を介して入力され、前記センサ信号から前記赤外線光源のオフレベル値を保持する信号処理部と、
    該信号処理部により保持された前記オフレベル値と前記増幅器を介して入力する信号とを減算する減算手段と、
    前記赤外線光源の電源制御信号と該電源制御信号から前記赤外線光源が赤外線を出力している区間を設定する区間設定手段と、
    前記減算手段からの信号を前記区間設定手段の信号に基づいて積算する積算手段と、
    前記測定対象ガスの吸収帯の透過光量の信号と前記測定対象ガスの吸収のない波長帯域の透過光量の信号に基づいて、それぞれの前記積算手段の出力信号の比を演算する演算手段と
    を備えたことを特徴とする量子型赤外線ガス濃度計。
  2. 前記減算手段からの信号をデジタル信号へ変換するA/D変換器を介して、後段の信号処理をデジタル的に処理することを特徴とする請求項1に記載の量子型赤外線ガス濃度計。
  3. 前記区間設定手段による積算区間が、前記赤外線光源の電源オン区間であることを特徴とする請求項1又は2に記載の量子型赤外線ガス濃度計。
  4. 前記区間設定手段による積算区間が、前記赤外線光源の光量上昇と降下時間により予め設定した区間であることを特徴とする請求項1又は2に記載の量子型赤外線ガス濃度計。
  5. 前記サンプルセル内の他端に温度センサを配置し、前記演算手段の信号を前記温度センサからの信号に基づいて補正する手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の量子型赤外線ガス濃度計。
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