JP2014185872A - レーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レーダ観測において、一つの目標から複数の目標に分離したときに、各目標位置の推定精度が低いことに起因して、目標の失検出や各目標の追尾移行に時間がかかるという問題があった。
【解決手段】 目標に向けて電波を送信する電波送信手段と、上記目標で反射した電波を受信する電波受信手段と、角度方向、距離方向、速度方向にそれぞれ目標数推定処理を施し、その目標数推定結果を基に超分解能測距及び高精度測角処理、超分解能測角及び高精度測距処理、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理のいずれか一つを選択して測角値及び測距値を求めた後、その測角値及び測距値を基に、各目標に関する追尾処理を行う追尾手段を備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、目標位置を標定するためのレーダ装置に関するものである。
図17は従来のレーダ装置の処理構成を表している(例えば、非特許文献1、2参照)。図17において、符号1はチャープ変調された信号を生成する送信機、符号2は電波を所定の方向に送信する送信アンテナ、符号3は目標で反射した電波を受信する受信アンテナ、符号4は上記受信アンテナ3の受信信号に帯域制限や位相検波を施す受信機、符号5は上記受信機出力信号をサンプリングしてディジタル信号を生成するA/D変換器、符号16は上記A/D変換信号より受信ビームを形成しビーム方向の受信信号を出力する受信ビーム形成、符号17は目標の存在するレンジビンに目標信号成分を積み上げるパルス圧縮、符号18は目標信号のS/N(信号対雑音電力比)を改善しドップラー周波数を求めるパルスヒット方向FFT、符号19は雑音を目標信号と誤る確率(誤警報確率)を基準に定められたスレッショルドを用いて目標信号を検出しその測角値、測距値を出力する目標検出処理、符号15は上記測角値と測距値から追尾フィルタ処理を実施し目標の平滑位置と予測位置を出力する追尾処理部である。
次に動作について説明する。送信機1と送信アンテナ2によりチャープ変調の施された電波が、追尾フィルタ処理部15にて予測された目標の存在方向に向けて送信される。時間TPRI間隔で、Npヒットの送受信を行った後測角値と測距値を算出する。目標で反射した電波がL個の受信アンテナ3(受信アンテナ3−#1〜受信アンテナ3−#L)にて受信される。受信アンテナ3−#lで受信された電波は受信機4−#lに伝達される。受信機4−#lでは入力信号に関して帯域制限、位相検波を施して出力する。受信機出力信号4−#lはA/D変換器5−#lに伝達される。A/D変換器5−#lでは、サンプリング信号が目標信号周波数成分の折り返しを含まない程度の受信帯域幅となるような周期でオーバーサンプリングされている。このA/D変換のサンプリング周期をTsampとする。パルスを送信したときパルス送信時刻を基準としてNrサンプリング行い1〜Nrレンジビンの目標を検出する。np(1≦np≦Np)パルスヒット目におけるnr(1≦nr≦Nr)レンジビンのA/D変換信号をxnp,nr,lとする。A/D変換信号xnp,nr,lは受信ビーム形成16に伝達される。受信ビーム形成16では、Nb種類の受信ビームを形成する。nb(1≦nb≦Nb)番目の受信ビームを生成する際の重みをwbnb,lとして次式(1)により受信ビーム形成信号xbnp,nr,nbを生成する。
Figure 2014185872
受信ビーム形成信号xbnp,nr,nbはパルス圧縮17に伝達される。パルス圧縮17では、受信ビーム形成信号xbnp,nr,nbに送信機から伝達された参照信号xsnrを乗算してビート信号xbnp,nr,nb xs*nr(xs*nrはxsnrの複素共役)を生成し、ビート周波数に対応する距離に目標信号成分を積分するパルス圧縮処理を行う。このパルス圧縮信号をxcnp,nr,nbとする。パルス圧縮信号xcnp,nr,nbはパルスヒット方向FFT18に伝達される。パルスヒット方向FFT18では、xc1,nr,nb, …, xcNp,nr,nb にパルスヒット方向FFTを施しパルスヒット方向FFT信号xd1,nr,nb, …, xdNd,nr,nbを算出する。パルスヒット方向FFT信号xd1,nr,nb, …, xdNd,nr,nbは目標検出処理19に伝達される。目標検出処理19では、雑音を目標信号と誤る誤警報確率を基準として定められたスレッショルドと信号振幅値|xdnd,nr,nb|を比較し目標信号の存在するビーム番号nb、レンジビンnr、ドップラービンndを検出する。検出したビーム番号を、レンジビンを、ドップラービンとする。ビーム番号に対応するビームの方向を測角値、レンジビンに対応する距離を測距値として追尾処理部15に伝達する。追尾処理部15ではNpTPRIを1フレームとして追尾処理が行われる。サンプリング間隔TsampとパルスヒットTPRIとフレームタイムの関係は図18のようになっている。また、図19は追尾処理部15の処理手順について表している。追尾処理部15は、目標信号を探索する範囲のソフトウェアゲートを設定し、追尾目標の航跡とゲートに含まれる観測位置を組み合わせてカルマンフィルタ処理を実施し目標の平滑位置と次フレームにおける目標予測位置を算出する。ゲート内に観測データが得られなかった際は失検出として追尾終了する。ゲート内に2つ以上の観測データが得られた際は、航跡と観測データの各組み合わせに関してカルマンフィルタ処理を行いその予測値を基に航跡と観測データ組み合わせに関する信頼度を算出し、信頼度の最も高い組み合わせを現フレームの航跡とする。その航跡より平滑位置と予測位置を出力する。予測位置は送信機1に伝達される。
小菅義夫,松崎貴史,"目標追尾におけるゲートサイズ決定法及び最適なゲート形状",電子情報通信学会論文誌B, Vol.J88-B No.5,pp.987-996,April, 2001
小幡康,前川良二,亀田洋志,系正義,小菅義夫,"航跡型MHTを用いた分離目標の追尾",電子情報通信学会論文誌B,Vol.J91-B No.5,pp.626-635,May 2008.
追尾中の目標から他の目標が分離したとき、分離したことの検出と所望の目標への追尾移行、即ち各目標の観測データがソフトウェアゲートで分離されゲートごとに単一目標追尾が行える状況への移行を、短時間で行うことが望まれる。そのためには近接する複数目標を分離して高精度な測角及び測距を行うことが必要となる。
しかしながら、図17に示すような従来のレーダ装置の処理方式では、アンテナ開口長から定まる角度分解能、送受信帯域幅から定まる距離分解能、観測時間長から定まる速度分解能以上の精度では計測することができなかった。このため高精度な測角及び測距が困難となるという課題があった。
この発明は、係る課題を解決するためになされたものであり、高精度な測角及び測距を行い、近接する複数目標を分離することのできるレーダ装置を得ることを目的とする。
この発明によるレーダ装置は、目標に向けて電波を送信する電波送信手段と、上記目標で反射した電波を受信する電波受信手段と、角度方向、距離方向、速度方向にそれぞれ目標数推定処理を施し目標数を推定できたと判断できる計測量に関して超分解能処理を行い、当該計測値を基に測角値及び測距値を求める超分解能測距及び測角手段と、上記超分解能測距及び測角手段の測角値及び測距値を基に、各目標に関する追尾処理を行う追尾手段を備えたものである。
この発明によれば、角度方向、距離方向、速度方向の各計測量のうち、目標数を推定することのできた計測量を選択して超分解能処理を施すことにより、当該計測量の高精度な超分解能推定値を得ることができるので、超分解能推定結果を基に再構成した目標信号成分を用いて高精度な測角値、測距値を得ることができる。
実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示す図である。 実施の形態1に係るレーダ装置における粗計測処理部の内部構成を示す図である。 実施の形態1に係るレーダ装置における超分解能測距及び高精度測角処理部の構成を示す図である。 実施の形態1に係るレーダ装置における超分解能測角及び高精度測距処理部の構成を示す図である。 実施の形態1に係るレーダ装置における超分解能速度及び高精度測角及び測距処理部の構成を示す図である。 (a)測距及び測速度を超分解能推定することで測角及び測距値の推定精度改善が期待できる状況を例示する図である。(b)測角値を超分解能推定することで測角及び測距値の推定精度改善が期待できる状況を例示する図である。 実施の形態1に係るデシメーション処理の内部構成を示す図である。 区分DFT処理の信号の分割と積分処理の状況を表す図である。 実施の形態1に係る測距用MUSIC処理の内部構成を示す図である。 実施の形態1に係るレーダ装置における測角用MUSIC処理の構成を示す図である。 実施の形態1に係る測速度用MUSIC処理の内部構成を示す図である。 実施の形態2に係るレーダ装置の構成を示す図である。 実施の形態3に係るレーダ装置の構成を示す図である。 実施の形態4に係るレーダ装置の構成を示す図である。 実施の形態5に係るレーダ装置の構成を示す図である。 実施の形態6に係るレーダ装置の構成を示す図である。 従来のレーダ装置の処理構成を示す図である。 サンプリング間隔とパルスヒットとフレームタイムの関係を示す図である。 追尾処理部の処理手順を示す図である。
実施の形態1.
この発明に係る実施の形態1によるレーダ装置について図を用いて説明する。図1は、実施の形態1によるレーダ装置の構成を示す図である。図1において、実施の形態1によるレーダ装置は、送信機1、送信機1に接続された送信アンテナ2、複数(L個。Lは{目標数K+1}個以上の整数。Kは1以上の整数)の受信アンテナ3、複数の受信アンテナ3にそれぞれ接続された複数(L個)の受信機4、複数の受信機4にそれぞれ接続された複数(L個)のA/D変換器5、複数のA/D変換器5に接続された粗計測処理部6、粗計測処理部6に接続された測距用目標数推定部7、粗計測処理部6に接続された測角用目標数推定部8、粗計測処理部6に接続された測速度用目標数推定部9、超分解能処理選択部10、超分解能処理選択部10に接続された切換スイッチ11、切換スイッチ11に接続された超分解能測距及び高精度測角処理部12、切換スイッチ11に接続された超分解能測角及び高精度測距処理部13、切換スイッチ11に接続された超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15から構成される。測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9は、超分解能処理選択部10に接続される。また、切超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14は、追尾処理部15に接続される。
送信機1はチャープ変調された信号を生成する。送信アンテナ2は電波を所定の方向に送信するものである。送信機1及び送信アンテナ2は、目標に向けて電波を送信する電波送信手段を構成する。各受信アンテナ3は目標で反射した電波を受信する。各受信機4は上記それぞれの受信アンテナ3から得られた受信信号に帯域制限や位相検波を施す。各A/D変換器5は上記それぞれの受信機4の出力信号をサンプリングしてディジタル信号(以下、A/D変換信号)を生成する。送信機1、送信アンテナ2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5は図17に示した従来のレーダ装置と同じものである。
粗計測処理部6は、送信機1によりチャープ変調された信号が参照信号として入力され、各A/D変換器5の生成した上記それぞれの受信機4の出力信号のA/D変換信号について、目標の存在する角度、距離、速度をそれぞれ受信アンテナ3の開口長から定まるビーム幅の精度、送受信帯域幅から定まる距離分解能の精度、観測時間長から定まる速度分解能の精度にて計測し、目標信号の諸元(ビーム番号、レンジビン、ドップラービン)を出力する。また、粗計測処理部6は、A/D変換器5の生成したA/D変換信号を後段に出力する。
測距用目標数推定部7は、粗計測処理部6から目標信号の諸元及びA/D変換信号が入力され、各A/D変換器5から出力されるA/D変換信号の集合について、超分解能測距処理を想定して目標数を推定する。測角用目標数推定部8は、粗計測処理部6から目標信号の諸元及びA/D変換信号が入力され、各A/D変換器5から出力されるA/D変換信号の集合について、超分解能測角処理を想定して目標数を推定する。測速度用目標数推定部9は、粗計測処理部6から目標信号の諸元及びA/D変換信号が入力され、各A/D変換器5から出力されるA/D変換信号の集合について、超分解能測速度処理を想定して目標数を推定する。超分解能処理選択部10は、上記測距用目標数推定部7と上記測角用目標数推定部8と上記測速度用目標数推定部9においてそれぞれ推定された目標数及びその評価値を基に、超分解能処理を選択する。
切換スイッチ11は、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9のうち、上記超分解能処理選択部10にて選択された処理部に対して、上記A/D変換信号を伝達する。超分解能測距及び高精度測角処理部12は、超分解能測距を行い、その測距値を基に再構成した目標信号成分を用いてモノパルスによる高精度測角を行って、測角値及び測距値を出力する。超分解能測角及び高精度測距処理部13は、超分解能測角を行い、その測角値を基に再構成した目標信号成分を用いて高精度測距を行って、測角値及び測距値を出力する。超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14は、超分解能測速度を行い、その測速度値を基に再構成した目標信号成分を用いて高精度測角及び測距を行って、測角値及び測距値を出力する。
追尾処理部15は、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14の何れか1つの推定部から出力されるもしくはその組み合わせによる測角値と測距値を用いて、追尾フィルタ処理を実施し、目標の平滑位置と予測位置を出力する。追尾処理部15は、上述した図17と同様、NpTPRIを1フレームとして追尾処理を行う。サンプリング間隔TsampとパルスヒットTPRIとフレームタイムの関係は上述した図18のようになっている。追尾処理部15は、図19の処理手順により追尾処理を行う。即ち、目標信号を探索する範囲のソフトウェアゲートを設定し、追尾目標の航跡とゲートに含まれる観測位置を組み合わせてカルマンフィルタ処理を実施し目標の平滑位置と次フレームにおける目標予測位置を算出する。ゲート内に観測データが得られなかった際は失検出として追尾終了する。ゲート内に2つ以上の観測データが得られた際は、航跡と観測データの各組み合わせに関してカルマンフィルタ処理を行いその予測値を基に航跡と観測データ組み合わせに関する信頼度を算出し、信頼度の最も高い組み合わせを現フレームの航跡とする。その航跡より平滑位置と予測位置を出力する。予測位置は追尾処理部15から送信機1に伝達される。
図2は粗計測処理部6の内部構成を表している。受信ビーム形成16、パルス圧縮17、パルスヒット方向FFT18、目標検出処理19の各処理は、図17で説明したものと同じである。受信ビーム形成16は上記A/D変換信号より受信ビームを形成しビーム方向の受信信号を出力する。パルス圧縮17は目標の存在するレンジビンに目標信号成分を積み上げる。パルスヒット方向FFT18は目標信号のS/Nを改善しドップラー周波数を求める。目標検出処理19は雑音を目標信号と誤る誤警報確率を基準に定められたスレッショルドを用いて目標信号を検出し、その測角値、測距値を目標信号の諸元(ビーム番号、レンジビン、ドップラービン)として出力する。
図3は超分解能測距及び高精度測角部12の内部構成を表している。超分解能測距及び高精度測角部12は、モノパルス用受信ビーム形成20、モノパルス用受信ビーム形成20に接続される2つの超分解能測距処理23、各超分解能測距処理23にそれぞれ接続される2つの高精度測角用シグナルコピー24、測距値算出25、モノパルス測角26から構成される。超分解能測距処理23は、パルスヒット方向FFT18、デシメーション処理21、測距用MUSIC処理22を有している。パルスヒット方向FFT18は図17で説明したものと同じである。超分解能測距及び高精度測角部12は、送信機1によりチャープ変調された信号が参照信号として入力されるとともに、目標信号の諸元(ビーム番号、レンジビン、ドップラービン)が入力される。
モノパルス用受信ビーム形成20は、切換スイッチ11から伝達された各受信機4の出力信号のディジタル信号(A/D変換信号の集合)を用いて、モノパルス処理するための2つのビーム受信信号を形成するモノパルス用受信ビーム形成処理を行い、ビーム受信信号(ビーム#1)及びビーム受信信号(ビーム#2)を超分解能測距処理23のパルスヒット方向FFT18にそれぞれ入力する。パルスヒット方向FFT18は、入力されるビーム#1、ビーム#2について目標信号のS/Nを改善しドップラー周波数を求める。
超分解能測距処理23のデシメーション処理21は、送信機1によりチャープ変調された参照信号に基づいて、上記粗計測処理部6で検出された目標距離範囲のレンジビン(レンジ分解能の精度で計測される目標存在領域)近辺の受信信号成分に制限する処理であって、デシメーション出力信号を出力する。測距用MUSIC処理22は、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)を用いてデシメーション処理21からのデシメーション出力信号を用いて超分解能測距を行い、暫定測距値を出力する。高精度測角用シグナルコピー24は、測距用MUSIC処理22からの暫定測距値及びデシメーション処理21からのデシメーション出力信号を用いて目標信号成分を再構成する。測距値算出25は、上記モノパルス用受信ビーム形成20で生成された2つのビーム信号について、2つの測距用MUSIC処理22でそれぞれ算出した暫定測距値より測距値を算出し、追尾処理部15に出力する。モノパルス測角26は、2つの高精度測角用シグナルコピー24にてそれぞれ再構成された目標信号成分のモノパルス測角を行い、高精度測角値を算出し、追尾処理部15に出力する。
図4は超分解能測角及び高精度測距処理部13の内部構成を表している。超分解能測角及び高精度測距処理13は、各受信機4にそれぞれ対応した複数のパルス圧縮17と、上段及び下段の複数のパルスヒット方向FFT18と、測角用MUSIC処理33と、高精度測距用シグナルコピー35と、高精度測距用シグナルコピー35に接続される高精度測距処理36から構成される。上段の複数のパルスヒット方向FFT18はそれぞれ切換スイッチ11に接続され、受信機4に対応して複数個設けられるとともに、後段の高精度測距用シグナルコピー35に接続される。下段のパルスヒット方向FFT18は、それぞれパルス圧縮17に接続されるとともに、後段の測角用MUSIC処理33に接続される。パルスヒット方向FFT18は図2、3、17で説明したものと同じであり、パルスヒット方向FFT信号を出力する。上段の各パルスヒット方向FFT18は、切換スイッチ11から伝達された各受信機4の出力信号のディジタル信号(A/D変換信号の集合)を用いて、それぞれパルスヒット方向FFT信号を算出する。パルス圧縮17は、切換スイッチ11から伝達された各受信機4の出力信号のディジタル信号(A/D変換信号の集合)を用いて、それぞれ目標の存在するレンジビンに目標信号成分を積み上げる。下段のパルスヒット方向FFT18は、パルス圧縮17によりパルス圧縮された各受信機4の出力信号のディジタル信号(A/D変換信号の集合)を用いて、それぞれパルスヒット方向FFT信号を算出する。
測角用MUSIC処理33は、下段のパルスヒット方向FFT18からのパルスヒット方向FFT信号について、MUSICを用いて超分解能測角処理を行い、高精度測距用シグナルコピー35及び追尾処理部15に測角値を出力する。高精度測距用シグナルコピー35は、各パルスヒット方向FFT18からのパルスヒット方向FFT信号と測角用MUSIC処理33からの測角値を用いて目標信号成分を再構成する。高精度測距処理36は、高精度測距用シグナルコピー35により再構成された目標信号成分について零詰め補間し、零詰め補間したビート信号にFFTを施すことにより高精度測距を行い、追尾処理部15に測距値を出力する。
図5は超分解能速度及び高精度測角及び測距処理部14の内部構成を表している。超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14は、受信ビーム形成16と、パルス圧縮17と、測速度用MUSIC処理37と、高精度測角及び測距用シグナルコピー39と、高精度測角及び測距処理40から構成される。受信ビーム形成16、パルス圧縮17は図2、4、17と同じである。超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14は、粗計測処理部6から目標信号の諸元(ビーム番号、レンジビン、ドップラービン)が入力される。受信ビーム形成16は、切換スイッチ11から伝達された各受信機4の出力信号のディジタル信号(A/D変換信号の集合)を用いて、A/D変換信号より受信ビームを形成しビーム方向の受信信号を出力する。パルス圧縮17は受信ビーム形成16の出力について目標の存在するレンジビンに目標信号成分を積み上げる。測速度用MUSIC処理37は、パルス圧縮17によりパルス圧縮された各受信機4の出力信号のディジタル信号(A/D変換信号の集合)について、MUSICを用いて超分解能測速度処理を行い、測速値を出力する。
高精度測角及び測距用シグナルコピー39は、切換スイッチ11から伝達された各受信機4の出力信号のディジタル信号(A/D変換信号の集合)について、測速度用MUSIC処理37からの測速度値を用いてビート周波数方向の目標信号成分を再構成する。高精度測角及び測距処理40は、高精度測角及び測距用シグナルコピー39により再構成されたビート周波数方向の目標信号成分について零詰め補間し、零詰め補間した受信アンテナ方向とレンジ方向の2次元データに2次元FFTを施し、測角値と測距値を高精度に推定し、追尾処理部15に出力する。
次に動作について説明する。送信機1と送信アンテナ2によりチャープ変調の施された電波が、追尾フィルタ15により予測された目標の存在方向に向けて送信される。追尾フィルタ15は、時間TPRI間隔で、Npヒットの送受信を行った後測角値と測距値を算出する。近接する複数の目標で反射した電波は、L個の受信アンテナ3(受信アンテナ3−#1〜受信アンテナ3−#L)にて受信される。受信機4、A/D変換器5、追尾処理部15は、図17で説明したものと同様に動作する。
図18において、(a)は追尾処理部15と受信信号処理の時間関係を示し、(b)はパルス送受信の時間関係を示し、(c)はA/D変換のサンプリングを示す。図18(a)(b)(c)に示すように、1フレーム分のパルス送受信が完了した段階で、粗計測処理部6、及びその後段の測距用目標数推定7、測角用目標数推定8、測速度用目標数推定9、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14の各処理が完了し、測角値及び測距値が追尾処理部15に入力された後に、追尾処理部15の処理が行われるようになっている。また、1フレーム分のパルス送受信の間、時間TPRI間隔で1パルスヒット目からNpパルスヒット目までのNpヒットの送受信が行われ、A/D変換器5にてNサンプリングのA/D変換が行われ、1〜Nレンジビンの目標が検出される。
追尾処理部15の処理手順は、図19に示したようになっている。
ステップS1で、測角値と測距値から定まる目標の観測位置を算出する。ステップS2で、目標信号を探索する範囲のソフトウェアゲートを設定し、追尾目標の航跡とゲートに含まれる観測位置を組み合わせてカルマンフィルタ処理を実施し目標の平滑位置と次フレームにおける目標予測位置を算出する。このとき、ゲート中心は前フレームの予測位置とし、ゲート半径は前フレームの予測誤差として共分散行列を基に設定する。
ステップS3で、ゲート内の観測データ数が1以下である場合にステップS4でカルマンフィルタ処理を行って平滑位置と予測位置を出力し、またゲート内に観測データが得られなかった際は失検出として追尾終了する。また、ゲート内に2つ以上の観測データが得られた際は、ステップS5で信頼度を最大にする航跡と観測位置データ組み合わせを設定し、ステップS6で目標航跡と観測データの相関の調査を行う。ステップS6では、航跡と観測データの各組み合わせに関してカルマンフィルタ処理を行い、またその予測値を基に航跡と観測データの各組み合わせに関する信頼度を算出する。ステップS7では、信頼度を最大にする航跡と観測データの組み合わせを現フレームの航跡として選択する。その航跡より平滑位置と予測位置を出力する。追尾処理部15によって得られた予測位置(目標存在方向予測値)は送信機1に伝達される。
受信アンテナ3−#lで受信された電波は受信機4−#lに伝達される。受信機4−#lでは入力信号に関して帯域制限、位相検波を施して出力する。受信機出力信号4−#lはA/D変換器5−#lに伝達される。A/D変換器5−#lは、サンプリング信号が目標信号周波数成分の折り返しを含まない程度の受信帯域幅となるような周期でオーバーサンプリングを行う。このA/D変換のサンプリング周期をTsampとする。パルスを送信したときパルス送信時刻を基準としてNrサンプリング行い1〜Nrレンジビンの目標を検出する。np(1≦np≦Np)パルスヒット目におけるnr(1≦nr≦Nr)レンジビンのA/D変換信号をxnp,nr,lとする。A/D変換信号xnp,nr,lは粗計測処理部6の受信ビーム形成16に伝達される。受信ビーム形成16では、Nb種類の受信ビームを形成する。nb(1≦nb≦Nb)番目の受信ビームを生成する際の重みをwbnb,lとして上式(1)により受信ビーム形成信号xbnp,nr,nbを生成する。A/D変換器5によるA/D変換信号xnp,nr,lは粗計測処理6に伝達される。
粗計測処理6は、受信ビーム形成16、パルス圧縮17、パルスヒット方向FFT18、目標検出処理19を行い、目標検出処理19から目標信号の検出されたビーム番号nb、レンジビンnr、ドップラービンndが出力される。また、A/D変換信号xnp,nr,lもそのまま出力される。粗計測処理6の出力するA/D変換信号xnp,nr,lは、測距用目標数推定7、測角用目標数推定8、測速度用目標数推定9にそれぞれ伝達される。
超分解能処理性能は目標の状況に依存している。図6(a)は測距や測速度に超分解能推定を適用することで測角及び測距値の推定精度改善が期待できる状況例を表している。目標同士の角度差が小さい一方、距離差及び速度差が大きいので超分解能測距及び測速度を行った後、再構成した目標信号成分を用いて測角することで高精度な測角値及び測距値が期待できる。図6(b)は測角を超分解能推定することで測角及び測距値の推定精度改善が期待できる状況例を表している。
図6(b)の状況では、目標同士の距離差及び速度差は小さい一方、角度差は大きいので超分解能測角を行った後、再構成した目標信号成分を用いて測距することで高精度な測角値及び測距値が期待できる。
そこで実施の形態1によるレーダ装置は、測距用目標数推定部7による超分解能測距処理を想定して推定した目標数推定値、測角用目標数推定部8による超分解能測角処理を想定して推定した目標数推定値、測速度用目標数推定部9による超分解能測速度処理を想定して推定した目標数推定値を比較し、測距用目標数推定部7,測角用目標数推定部8,測速度用目標数推定部9の中から、あらかじめ想定される目標数を推定できた超分解能処理及び分離した信号成分を用いて、高精度推定を行う処理を選択するようにしている。
測距用目標数推定部7は、超分解能測距処理を想定した相関行列を用いて、AIC(Akaike’s Information Criterion;赤池情報量基準)またはMDL(Minimum Description Length;最小記述長)に基づいて目標数を推定する。AIC,MDLに基づく目標数推定の方法は、例えば「M.Wax and T. Kailath,"Detection of Signals by Information Theoretic Criteria",IEEE Trans. on Acoustics, Speech, Signal Processing,vol.ASSP-33,no.2,pp.387-392,April 1985.」に開示されている。例えば、測距用目標数推定部7は、粗計測処理部6で検出された目標の存在方向に受信ビームを形成する所定方向の受信ビーム形成と、追尾処理部で予測された目標存在近辺領域からの受信信号成分に制限するデシメーションと、超分解能測距を行うことを想定して相関行列を生成する距離方向の目標数推定用相関行列生成と、当該相関行列の固有値と固有ベクトルを算出する固有値解析と、固有値を基にAIC、MDLを評価基準として目標数を推定する目標数推定から構成される。
また、測角用目標数推定部8は、測距用目標数推定部7と同様の超分解能測角処理を想定した相関行列を用いて、AIC、MDLなどに基づいて目標数を推定する。測速度用目標数推定部9は、目標の存在するレンジビンに目標信号成分を積み上げるパルス圧縮と、超分解能測角を行うことを想定して相関行列を生成する角度方向目標数推定用相関行列生成と、上記固有値解析と、上記目標数推定から構成される。
測速度用目標数推定部9は、測距用目標数推定部7と同様の超分解能測速度処理を想定した相関行列を用いて、AIC、MDLなどに基づいて目標数を推定する。測速度用目標数推定部9は、超分解能測速度を行うことを想定して相関行列を生成する速度方向目標数推定用相関行列生成と、上記固有値解析と、上記目標数推定から構成される。
測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9でそれぞれ推定された目標数は、粗計測処理部6からのA/D変換信号xnp,nr,lと目標信号の検出されたビーム番号nb、レンジビンnr、ドップラービンndとともに、超分解能処理選択部10に伝達される。超分解能処理選択部10は、測距用目標数推定部7,測角用目標数推定部8,測速度用目標数推定部9の中から、あらかじめ想定される目標数を推定できた相関行列を用いる超分解能処理及び高精度推定処理を選択する。具体的には、測距用目標数推定部7にて想定される目標数を推定できた場合、超分解能測距及び高精度測角処理部12を選択する。また、測角用目標数推定部8で想定される目標数を推定できた場合は、超分解能測角及び高精度測距処理部13を選択する。また、測速度用目標数推定部9で想定される目標数を推定できた場合は、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14を選択する。想定される目標数を推定できた処理が複数存在する場合は、測距用目標数推定部7,測角用目標数推定部8,測速度用目標数推定部9の中から、AIC評価値やMDL評価値の高い処理を選択する。
超分解能処理選択部10で超分解能測距及び高精度測角処理部12が選択された場合、切換スイッチ11は、超分解能測距及び高精度測角処理部12にA/D変換信号xnp,nr,lと目標信号の検出されたビーム番号nb、レンジビンnr、ドップラービンndを伝達する。また、送信機1からはビート信号を生成するための参照信号xs1,…, xsNrが伝達される。A/D変換信号xnp,nr,lはモノパルス用受信ビーム形成20に伝達される。モノパルス用受信ビーム形成20ではビーム番号nbに対応する方向に隣接する2つのビーム(ビーム1とビーム2)を生成する。ビーム1を生成するための重みをwb1lとしてビーム1信号xb1np,nrを次式2により生成する。
Figure 2014185872
ビーム1信号xb1np,nrは超分解能測距処理23のパルスヒット方向FFT18に伝達される。パルスヒット方向FFT18では、ビーム1信号xb11,nr,…, xb1Np,nrにFFTを施して生成したパルスヒット方向FFT信号xd1,nr,…xdNd,nrをデシメーション処理21に伝達する。また、参照信号xsnrもデシメーション処理21に伝達される。図7はデシメーション処理21の内部構成を表している。パルスヒット方向FFT信号xd〜nd,nrと参照信号xsnrにはそれぞれFFT27が施され、それぞれ変調帯域幅の成分に限定したFFT信号xdf〜nd,nf、xsfnf(1≦nf≦Nf)が生成される。FFT信号xdf〜nd,nf、xsfnfは除算処理28に伝達され、次式(3)により除算信号xj〜nd,nfが生成される。
Figure 2014185872
除算信号xj〜nd,nfは区分DFT29に伝達される。区分DFT29では次式により複数の目標信号成分が混信しているnrレンジビンに対応するビート周波数近辺の周波数成分が通過するフィルタ処理を行う。具体的には次式(4)で表される処理を行う。次式(4)でM’は領域の分割数、τ〜nrはレンジビンnの目標に対する時間遅延、Δfは隣接する周波数の差を表している。図8は区分DFT29の信号の分割と積分処理の状況を表している。
Figure 2014185872
デシメーション信号yd〜nd,mは測距用MUSIC処理22に伝達される。図9は測距用MUSIC処理22の内部構成を表している。デシメーション信号yd〜nd,mは相関行列生成30に伝達される。相関行列生成30では次式(5)により相関行列R’を生成する。
Figure 2014185872
次に、相関行列生成30は空間スムージング処理を行う。まず次式(6)で表される相関行列R’の部分行列R’nを(1≦n≦M’-M+1)生成する。Mは空間スムージング処理後の相関行列の次元を表している。また、M’-M+1は目標数K以上とする。
Figure 2014185872
次に、相関行列生成30は次式(7)により空間スムージングした相関行列Rを算出する。
Figure 2014185872
相関行列Rは固有値解析31に伝達される。固有値解析31では相関行列Rの固有値とその固有値に対応する固有ベクトルを算出する。算出された固有値をev1, ev2, …, evM(ev1 > ev2 > … > evM)とし、固有値evm(1 ≦ m ≦ M)に対応する固有ベクトルをemとする。固有ベクトルemは測距用ピーク検出32に伝達される。測距用ピーク検出32では、次式(8)により距離rに関する評価関数I(r)を算出する。次式(8)でcは光速、Bfは送受信帯域幅、rは目標距離を表している。
Figure 2014185872
次に、測距用ピーク検出32は、各目標に対応する評価関数I(r)のピークを探索する。k番目目標に対応するピークを発生するパラメータrを暫定測距値1、kとする。暫定測距値1、kは高精度測角用シグナルコピー24と測距値算出25に伝達される。高精度測角用シグナルコピー24では、次式(9)により目標信号成分を再構成する。
Figure 2014185872
ベクトルs1の成分s1,1,…,s1,Kは各目標の再構成信号となっている。高精度測角用シグナルコピー24は目標信号成分推定値s1,1,…,s1,Kをモノパルス測角26に伝達する。
上記ビーム1信号と同様にして、ビーム2の出力信号(ビーム♯2受信信号)であるビーム2信号が超分解能測距処理23に伝達され、超分解能測距処理23から暫定測距値2,Kが出力される。暫定測距値2,Kは測距値算出25と高精度測角用シグナルコピー24に伝達される。高精度測角用シグナルコピー24からは目標信号成分推定値s2,1,…,s2,Kを算出しモノパルス測角26に伝達する。測距値算出25では、暫定測距値1,k2,kの平均値(1,k2,k)/2を測距値kとして出力する。測距値kは追尾処理部15に伝達される。モノパルス測角26では、目標信号成分推定値s1,ks2,kを用いてモノパルス測角する。具体的にはk番目の目標信号成分に関する次式(10)のΔ/Σkを算出する。
Figure 2014185872
Δ/Σkと目標反射波入射角度の対応関係によりk番目目標の測角値を算出する。k番目目標の測角値をθとする。測角値θと測距値kは追尾処理部15に伝達される。追尾処理部15では、測角値θと測距値kを用いて図19で説明したように追尾処理を行う。
次に、超分解能処理選択部10により超分解能測角及び高精度測距処理部13が選択された場合、切換スイッチ11は超分解能測角及び高精度測距処理部13にA/D変換信号xnp,nr,lとビーム番号b、レンジビンr、ドップラービンdを伝達する。また、送信機1からは参照信号xs1,…, xsNrが伝達される。
図4の超分解能測角及び高精度測距処理部13において、パルス圧縮17では切換スイッチ11から伝達されるA/D変換信号xnp,1,l, … , xnp,Nr,lについてそれぞれパルス圧縮処理が施され、そのパルス圧縮信号xcnp,1,l, … , xcnp,Nr,lがそれぞれパルスヒット方向FFT18に伝達される。パルスヒット方向FFT18でパルス圧縮信号xc1,nr,l, … , xcNp,nr,lにパルスヒット方向FFT処理が施されパルスヒット方向FFT信号xd1,nr,l, … , xdNd,nr,lが求まる。パルスヒット方向FFT信号xdnd,nr,l, … , xdNd,nr,lは測角用MUSIC処理33に伝達される。測角用MUSIC処理33では、パルスヒット方向FFT信号xdnd,nr,l, … , xdNd,nr,lのドップラービン、レンジビンrの信号xd〜nd,〜nr,l, … , xd〜nd,〜nr,Lに関してMUSIC処理を施す。
測角用MUSIC処理33でも測距用MUSIC処理22と同様にして相関行列生成30、固有値解析31が行われ、測角用ピーク検出34に固有ベクトルが伝達される。測角用ピーク検出34では、次式(11)で表されるステアリングベクトルを使用してピークを探索する。次式(11)でθは目標反射波の入射角度、dは素子間隔、λは送信波長、Mは空間スムージング後の相関行列の次元をそれぞれ表しており、入射角度θを変化させてピークを探索する。
Figure 2014185872
測角用MUSIC処理33でk番目目標の測角値θが求まり高精度測距用シグナルコピー35に伝達される。また、A/D変換信号x1,nr,l, …, xNp,nr,l に関してパルスヒット方向FFTを施したパルスヒット方向FFT信号xd’1,nr,l, …, xd’Nd,nr,lも伝達される。高精度測距用シグナルコピー35では、xd’〜nd,nr,l, …, xd’〜nd,nr,Lを用いて次式(12)により再構成信号をレンジビンnrごとに生成する。
Figure 2014185872
k番目目標に関する再構成信号s1,k,…, sNr,kと参照信号xs1,…, xsNrの相関をとりビート信号s1,kxs1 ,…, sNr,kxsNr を生成する。零詰め補間したビート信号にFFTを施すことにより高精度な測距値kを求める。各目標の測角値θkと測距値kは追尾処理部15に伝達される。
次に、超分解能処理選択部10で超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14が選択された場合、切換スイッチ11は超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14にA/D変換信号xnp,nr,lとビーム番号nb、レンジビンn、ドップラービンnを伝達する。また、送信機1からはビート信号を生成するための参照信号xs1,…, xsNrが伝達される。図5は超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14の内部構成を表している。A/D変換信号xnp,nr,1, … , xnp,nr,Lが受信ビーム形成16と高精度測角及び測距用シグナルコピー39に伝達される。受信ビーム形成16はビーム番号nbの受信ビームxbnp,1,〜nb,…, xbnp,Nr,〜nbが出力される。受信ビーム信号xbnp,1,〜nb,…, xbnp,Nr,〜nbはパルス圧縮17と高精度測角及び測距用シグナルコピー39に伝達される。また、パルス圧縮17からはパルス圧縮信号xcnp,1,〜nb,…, xcnp,Nr,〜nbが伝達される。
図11は測速度用MUSIC処理37の内部構成を表している。測速度用MUSIC処理37は測距用MUSIC処理22と同様に、相関行列生成30、固有値解析31の各処理が行われ、測速度用ピーク検出38に固有ベクトルが伝達される。測速度用ピーク検出35では、次式(13)で表されるステアリングベクトルa(v)を使用してピークを探索する。次式(13)でvは速度、cは光速、fsは送信周波数をそれぞれ表しており、速度vを変化させることによりピークを探索する。
Figure 2014185872
測速度用MUSIC処理37では、k番目目標の測速度値が算出され、高精度測角及び測距用シグナルコピー39に伝達される。また、A/D変換信号xnp,nr,l, … , xnp,nr,Lも伝達される。高精度測角及び測距用シグナルコピー39では、x1,nr,l, … , xNd,nr,lを用いて次式(14)により再構成信号を生成する。
Figure 2014185872
再構成信号ベクトルsnr,lは高精度測角及び測距処理40に伝達される。高精度測角及び測距処理40では、まずk番目目標に関する再構成信号s1,l,k, … , sNr,l,kと参照信号の相関をとりビート信号sb1,l,k, … , sbNr,l,kを生成する。このときビート信号sbnr,l,kはk番目目標信号成分の素子アンテナ番号lとレンジビン番号nrに関する2次元データとなっている。そこでビート信号sbnr,l,kに零詰め補間を用いた2次元FFTを施し高精度な測角値θkと測距値rkを算出する。測角値θkと測距値rkは追尾処理部15に伝達される。
以上説明したとおり、実施の形態1によるレーダ装置は、目標に向けて電波を送信する電波送信手段と、上記目標で反射した電波を受信する電波受信手段と、角度方向、距離方向、速度方向にそれぞれ目標数推定処理を施し目標数を推定できたと判断できる計測量に関して超分解能処理を行い、当該計測値を基に測角値及び測距値を求めて近接目標を分離する超分解能測距及び測角手段と、上記超分解能測距及び測角手段の測角値及び測距値を基に、各目標に関する追尾処理を行う追尾処理部15からなる追尾手段を備える。上記電波送信手段は、チャープ変調された信号を生成する送信機1と、電波を所定の方向に送信する送信アンテナ2から構成される。また、上記電波受信手段は、目標で反射した電波を受信する受信アンテナ3と、上記受信アンテナ3の受信信号に帯域制限、位相検波を施す受信機4と、上記受信機4の出力信号をサンプリングしてディジタル信号を生成するA/D変換器5と、上記A/D変換器5のA/D変換信号より受信ビームを形成しビーム方向の受信信号を出力する受信ビーム形成16から構成される。
また、上記超分解能測距及び測角手段は、目標の存在方向を開口長から定まるビーム幅の精度、目標距離を送受信帯域幅から定まる距離分解能の精度、目標速度を観測時間長から定まる速度分解能の精度で計測する粗計測処理部6と、超分解能測距を行うことを想定して生成した相関行列の固有値を基に目標数を推定する測距用目標数推定部7と、超分解能測角処理を行うことを想定して生成した相関行列の固有値を基に目標数を推定する測角用目標数推定部8と、超分解能測速度処理を行うことを想定して生成した相関行列の固有値を基に目標数を推定する測速度用目標数推定部9と、上記測距用目標数推定部7の目標数推定結果、上記測角用目標数推定部8の目標数推定結果、上記測速度用目標数推定部9の目標数推定結果に基いて、超分解能処理を選択する超分解能処理選択部10と、上記超分解能処理選択部10で選択された超分解能処理に上記目標数と上記A/D変換信号を伝達する切換スイッチ11と、超分解能測距を行い、測距値を基に再構成した目標信号成分を用いて高精度測角を行う超分解能測距及び高精度測角処理部12と、超分解能測角を行い、測角値を基に再構成した目標信号成分を用いて高精度測距を行う超分解能測角及び高精度測距処理部13と、超分解能測速度を行い、測速度値を基に再構成した目標信号成分を用いて高精度測角及び測距を行う超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14から構成される。上記粗計測処理部6は、所定の方向にビームを形成する受信ビーム形成16の信号を用いて、目標の存在するレンジビンに目標信号成分を積み上げるパルス圧縮17と、目標信号の信号対雑音電力比を改善しドップラー周波数を求めるパルスヒット方向FFT18と、雑音を目標信号と誤る誤警報確率を基準に定められたスレッショルドを用いて目標信号を検出しその測角値と測距値を出力する目標検出処理19から構成される。
これにより、目標数を推定できた超分解能処理を選択することで、高精度な超分解能推定ができ、さらに超分解能推定結果を基に再構成した目標信号成分を用いて高精度推定することによって、より高精度な測角値及び測距値が得られる。また、超分解能測距、超分解能測角、超分解能測速度の中から最も高い超分解能計測精度が期待できる処理を、それぞれの超分解能処理の過程で行われる目標数推定処理の結果を鑑みて選択することができる。さらに、再構成した目標信号成分による高精度計測も併用して、測角値・測距値の高精度化を図ることができる。
なお、上記説明では、超分解能測距及び高精度測角処理12、超分解能測角及び高精度測距処理13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14にMUSICを用いた例について説明したが、超分解能測速度処理にESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance. Techniques)を用いても良く、これにより処理の高速化が図れる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るレーダ装置について、図を用いて説明する。図12は実施の形態2に係るレーダ装置の構成を示す図である。図12において、実施の形態2に係るレーダ装置は、送信機1、送信アンテナ2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9、多数決型超分解能処理選択部41、切換スイッチ11、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15から構成される。送信機1、送信アンテナ2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9、切換スイッチ11、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15は、図1で説明した実施の形態1のレーダ装置と同じである。
実施の形態2によるレーダ装置は、実施の形態1の超分解能処理選択部10の代わりに、多数決型超分解能処理選択部41を備えたことを特徴とする。実施の形態2の多数決型超分解能処理選択部41は、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9でそれぞれ推定された目標数を比較し、多数決により目標数を推定する。
次に動作について説明する。送信機1と送信アンテナ2から電波が送信され、目標に反射した電波が受信アンテナ3で受信される。以降の受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9は実施の形態1と同様に動作する。実施の形態2による測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9でそれぞれ推定された目標数は、多数決型超分解能処理選択部41に伝達される。多数決型超分解能処理選択部41は、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9でそれぞれ推定された目標数の多数決を取ることにより目標数を推定する。この多数決により推定した目標数と、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9でそれぞれ推定された目標数とを比較し、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9のうち、最も値が近いもしくは最も相関性が高い等の何らかの高い評価値を与える目標数推定処理に対応した超分解能処理を選択し、切換スイッチ11が選択する超分解能処理を設定する。
例えば、測距用目標数推定部7の評価値が最も高ければ、切換スイッチ11にて超分解能測距及び高精度測角処理部12を選択して、A/D変換信号xnp,nr,l及び目標信号の検出されたビーム番号nb、レンジビンnr、ドップラービンndを超分解能測距及び高精度測角処理部12に出力する。測角用目標数推定部8の評価値が最も高ければ、切換スイッチ11にて超分解能測角及び高精度測距処理部13を選択して、A/D変換信号xnp,nr,l及び目標信号の検出されたビーム番号nb、レンジビンnr、ドップラービンndを超分解能測角及び高精度測距処理部13に出力する。測速度用目標数推定部9の評価値が最も高ければ、切換スイッチ11にて超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14を選択して、A/D変換信号xnp,nr,l及び目標信号の検出されたビーム番号nb、レンジビンnr、ドップラービンndを超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14に出力する。切換スイッチ11は、超分解能測距及び高精度測角処理12にA/D変換信号xnp,nr,lと目標信号の検出されたビーム番号nb、レンジビンnr、ドップラービンndを伝達する。以降の超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15は、実施の形態1と同様に動作し、追尾処理部15により各目標の測距値及び測角値が求まる。
以上説明した通り、実施の形態2によるレーダ装置は、多数決型超分解能処理選択部41を用いて多数決により目標数を推定するので、高い目標数推定精度が得られて測距及び測角精度が改善する。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るレーダ装置について、図を用いて説明する。図13は実施の形態3に係るレーダ装置の構成を示す図である。図13において、実施の形態3に係るレーダ装置は、送信機1、送信アンテナ2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9、最大値選択型超分解能処理選択部42、切換スイッチ11、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15から構成される。送信機1、送信アンテナ2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9、切換スイッチ11、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15は、図1、図12で説明した実施の形態1、2のレーダ装置と同じである。
実施の形態3によるレーダ装置は、実施の形態1の超分解能処理選択部10の代わりに、最大値選択型超分解能処理選択部42を備えたことを特徴とする。実施の形態3の最大値選択型超分解能処理選択部42は、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9でそれぞれ推定された目標数を比較し、最も大きい値を推定した目標数推定処理に対応する超分解能処理を、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14の中から選択する。
次に動作について説明する。送信機1と送信アンテナ2から電波が送信され、目標に反射した電波が受信アンテナ3で受信される。以降の受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9は実施の形態1、2と同様に動作する。実施の形態3による測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9でそれぞれ推定された目標数は、最大値選択型超分解能処理選択部42に伝達される。最大値選択型超分解能処理選択部42は、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9でそれぞれ推定された目標数の中で、最も多い値を取る目標数を推定した目標数推定処理に対応する超分解能処理を、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14の中から選択し、選択した超分解能処理を切換スイッチ11に出力する。
切換スイッチ11は、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14の中から、最大値選択型超分解能処理選択部42により選択された超分解能処理に対して、A/D変換信号xnp,nr,lと目標信号の検出されたビーム番号nb、レンジビンnr、ドップラービンndを伝達する。以降の超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15は、実施の形態1と同様に動作し、追尾処理部15により各目標の測距値及び測角値が求まる。
以上説明した通り、実施の形態3によるレーダ装置は、最大値選択型超分解能処理選択部42により最も大きい目標数を目標数推定値とするので、目標信号の混信に起因する測距及び測角精度の劣化を防止できる。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係るレーダ装置について、図を用いて説明する。図14は実施の形態4に係るレーダ装置の構成を示す図である。図14において、実施の形態4に係るレーダ装置は、送信機1、送信アンテナ2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9、中央値選択型超分解能処理選択部43、切換スイッチ11、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15から構成される。送信機1、送信アンテナ2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9、切換スイッチ11、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15は、図1、図12、図13で説明した実施の形態1、2、3のレーダ装置と同じである。
実施の形態4によるレーダ装置は、実施の形態1の超分解能処理選択部10の代わりに、中央値選択型超分解能処理選択部43を備えたことを特徴とする。実施の形態4の中央値選択型超分解能処理選択部43は、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9でそれぞれ推定された目標数を比較し、中央の値を取る目標数を推定した目標数推定処理に対応する超分解能処理を、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14の中から選択する。
次に動作について説明する。送信機1と送信アンテナ2から電波が送信され、目標に反射した電波が受信アンテナ3で受信される。以降の受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9は実施の形態1、2、3と同様に動作する。実施の形態4による測距用目標数推定部7、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9でそれぞれ推定された目標数は、中央値選択型超分解能処理選択部43に伝達される。中央値選択型超分解能処理選択部43は、中央の値を取る目標数を推定した目標数推定処理に対応する超分解能処理を、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14の中から選択し、選択した超分解能処理を切換スイッチ11に出力する。
切換スイッチ11は、超分解能測距及び高精度測角処理12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14の中から、中央値選択型超分解能処理選択部43により選択された超分解能処理に対して、A/D変換信号xnp,nr,lと目標信号の検出されたビーム番号nb、レンジビンnr、ドップラービンndを伝達する。以降の超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15は、実施の形態1と同様に動作し、追尾処理部15により各目標の測距値及び測角値が求まる。
以上説明した通り、実施の形態4によるレーダ装置は、中央値選択型超分解能処理選択部43により中央値を取る目標数を推定した目標数推定処理に対応する超分解能処理を選択することによって、過渡に多くの目標数推定が推定される状況が発生してもその影響を小さく抑えることができ、測距及び測角精度の劣化を防止することができる。
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係るレーダ装置について、図を用いて説明する。図15は実施の形態5に係るレーダ装置の構成を示す図である。図15において、実施の形態5に係るレーダ装置は、送信機1、送信アンテナ2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測距用目標数推定部7、SIGNED型測角用目標数推定部44、測速度用目標数推定部9、超分解能処理選択10、切換スイッチ11、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15から構成される。送信機1、送信アンテナ2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測距用目標数推定部7、測速度用目標数推定部9、超分解能処理選択10、切換スイッチ11、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15は、図1で説明した実施の形態1のレーダ装置と同じである。
実施の形態5によるレーダ装置は、実施の形態1の測角用目標数推定部8の代わりに、SIGNED型測角用目標数推定部44を備えたことを特徴とする。実施の形態5のSIGNED型測角用目標数推定部44は、デシメーション出力信号の信号間の相関を表す相関行列の目標信号成分に対応する固有ベクトルとデシメーション出力信号を成分とするベクトルの内積値をパルスヒット方向にコヒーレント積分した後、AICまたはMDLを評価基準として目標数を推定する。このSIGNED型測角用目標数推定部は、例えば「高橋,平田,真庭,”固有ビームとパルスドップラーフィルタによるレーダ目標数推定方式”,電子情報通信学会論文誌,Vol. J94-B, No.4, pp.629-636 April 2011」に開示された方法に従い、目標数の推定を行う。
次に動作について説明する。送信機1と送信アンテナ2から電波が送信され、目標に反射した電波が受信アンテナ3で受信される。以降の受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測距用目標数推定部7、測速度用目標数推定部9、超分解能処理選択10、切換スイッチ11、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15は実施の形態1と同様に動作する。実施の形態5によるSIGNED型測距用目標数推定部44は、粗計測処理部6からA/D変換信号xnp,nr,lと目標信号の検出されたビーム番号nb、レンジビンnr、ドップラービンndが入力する。SIGNED型測距用目標数推定部44は、各A/D変換信号xnp,nr,lに対応した固有ビーム出力信号をパルスヒット方向にコヒーレント積分することで生成した信号を用いて、実施の形態1と同様に目標数を推定する。
以上説明した通り、実施の形態5によるレーダ装置は、SIGNED型測距用目標数推定部44を備えることで、固有ビーム出力信号をパルスヒット方向にコヒーレント積分する効果でS/Nが改善され、測角値と測距値の精度向上が期待できる。
実施の形態6.
この発明の実施の形態6に係るレーダ装置について、図を用いて説明する。図16は実施の形態6に係るレーダ装置の構成を示す図である。図16において、実施の形態6に係るレーダ装置は、送信機1、送信アンテナ2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、SIGNED型測距用目標数推定部45、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9、超分解能処理選択10、切換スイッチ11、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15から構成される。送信機1、送信アンテナ2、受信アンテナ3、受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9、超分解能処理選択10、切換スイッチ11、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15は、図1で説明した実施の形態1のレーダ装置と同じである。
実施の形態6によるレーダ装置は、実施の形態1の測距用目標数推定部7の代わりに、SIGNED型測距用目標数推定部45を備えたことを特徴とする。実施の形態6のSIGNED型測距用目標数推定部45は、SIGNED型測角用目標数推定処理と同じ原理を超分解能測距処理の場合に適用して目標数を指定する。
次に動作について説明する。送信機1と送信アンテナ2から電波が送信され、目標に反射した電波が受信アンテナ3で受信される。以降の受信機4、A/D変換器5、粗計測処理部6、測角用目標数推定部8、測速度用目標数推定部9、超分解能処理選択10、切換スイッチ11、超分解能測距及び高精度測角処理部12、超分解能測角及び高精度測距処理部13、超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部14、追尾処理部15は実施の形態1と同様に動作する。実施の形態5によるSIGNED型測距用目標数推定部45は、粗計測処理部6からA/D変換信号xnp,nr,lと目標信号の検出されたビーム番号nb、レンジビンnr、ドップラービンndが入力する。SIGNED型測距用目標数推定部45は、各A/D変換信号xnp,nr,lに対応した固有ビーム出力信号をパルスヒット方向にコヒーレント積分することで生成した信号を用いて、実施の形態1と同様に目標数を推定する。
以上説明した通り、実施の形態6によるレーダ装置は、SIGNED型測距用目標数推定部45を備えることで、固有ビーム出力信号をパルスヒット方向にコヒーレント積分する効果でS/Nが改善され、測角値と測距値の精度向上が期待できる。
1 送信機、2 送信アンテナ、3 受信アンテナ、4 受信機、5 A/D変換器、6 粗計測処理部、7 測距用目標数推定部、8 測角用目標数推定部、9 測速度用目標数推定部、10 超分解能処理選択部、11 切換スイッチ、12 超分解能測距及び高精度測角処理部、13 超分解能測角及び高精度測距処理部、14 超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部、15 追尾処理部、16 受信ビーム形成、17 パルス圧縮、18 パルスヒット方向FFT、19 目標検出処理、20 モノパルス用受信ビーム形成、21 デシメーション、22 測距用MUSIC処理、23 超分解能測距処理、24 高精度測角用シグナルコピー、25 測距値算出、26 モノパルス測角、27 FFT、28 除算処理、29 区分DFT、30 相関行列生成、31 固有値解析、32 測距用ピーク検出、33 測角用MUSIC処理、34 測角用ピーク検出、35 高精度測距用シグナルコピー、36 高精度測距処理、37 測速度用MUSIC処理、38 測速度用ピーク検出、39 高精度測角及び測距用シグナルコピー、40 高精度測角及び測距処理、41 多数決型超分解能測距処理部、42 最大値選択型超分解能測距処理部、43 中央値選択型超分解能測距処理部、44 SIGNED型測角用目標数推定部、45 SIGNED型測距用目標数推定部。

Claims (10)

  1. 目標に向けて電波を送信する電波送信手段と、上記目標で反射した電波を受信する電波受信手段と、角度方向、距離方向、速度方向にそれぞれ目標数推定処理を施し目標数を推定できたと判断できる計測量に関して超分解能処理を行い、当該計測値を基に測角値及び測距値を求める超分解能測距及び測角手段と、上記超分解能測距及び測角手段の測角値及び測距値を基に、各目標に関する追尾処理を行う追尾手段を備えたレーダ装置。
  2. 上記電波送信手段は、チャープ変調された信号を生成する送信機と、電波を所定の方向に送信する送信アンテナから構成されることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  3. 上記電波受信手段は、目標で反射した電波を受信する受信アンテナと、上記受信アンテナ受信信号に帯域制限、位相検波を施す受信機と、上記受信機の出力信号をサンプリングしてディジタル信号を生成するA/D変換器と、上記A/D変換信号より受信ビームを形成しビーム方向の受信信号を出力する受信ビーム形成から構成されることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  4. 上記超分解能測距及び測角手段は、目標の存在方向を開口長から定まるビーム幅の精度、目標距離を送受信帯域幅から定まる距離分解能の精度、目標速度を観測時間長から定まる速度分解能の精度で計測する粗計測処理部と、超分解能測距を行うことを想定して生成した相関行列の固有値を基に目標数を推定する測距用目標数推定部と、超分解能測角処理を行うことを想定して生成した相関行列の固有値を基に目標数を推定する測角用目標数推定部と、超分解能測速度処理を行うことを想定して生成した相関行列の固有値を基に目標数を推定する測速度用目標数推定部と、上記測距用目標数推定部の目標数推定結果、上記測角用目標数推定部の目標数推定結果、上記測速度用目標数推定部の目標数推定結果に基いて、超分解能処理を選択する超分解能処理選択部と、上記超分解能処理選択部で選択された超分解能処理に上記目標数と上記A/D変換信号を伝達する切換スイッチと、超分解能測距を行い、測距値を基に再構成した目標信号成分を用いて高精度測角を行う超分解能測距及び高精度測角処理部と、超分解能測角を行い、測角値を基に再構成した目標信号成分を用いて高精度測距を行う超分解能測角及び高精度測距処理部と、超分解能測速度を行い、測速度値を基に再構成した目標信号成分を用いて高精度測角及び測距を行う超分解能測速度及び高精度測角及び測距処理部から構成されることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  5. 上記粗計測処理部は、所定の方向にビームを形成する受信ビーム形成と、目標の存在するレンジビンに目標信号成分を積み上げるパルス圧縮と、目標信号の信号対雑音電力比を改善しドップラー周波数を求めるパルスヒット方向FFTと、雑音を目標信号と誤る誤警報確率を基準に定められたスレッショルドを用いて目標信号を検出しその測角値と測距値を出力する目標検出処理から構成されていることを特徴とする請求項4記載のレーダ装置。
  6. 上記超分解能処理選択部は、上記測距用目標数推定部、上記測角用目標数推定部、上記測速度用目標数推定部でそれぞれ推定された目標数を比較し、多数決により目標数を推定することを特徴とする請求項4記載のレーダ装置。
  7. 上記超分解能処理選択部は、上記測距用目標数推定、上記測角用目標数推定、上記測速度用目標数推定でそれぞれ推定された目標数を比較し、最も大きい値を推定した目標数推定処理に対応する超分解能処理部を選択することを特徴とする請求項4記載のレーダ装置。
  8. 上記超分解能処理選択部は、上記測距用目標数推定、上記測角用目標数推定、上記測速度用目標数推定でそれぞれ推定された目標数を比較し、中央の値を推定した目標数推定処理に対応する超分解能処理部を選択することを特徴とする請求項4記載のレーダ装置。
  9. 上記測距用目標数推定部は、固有ビーム出力信号をパルスヒット方向にコヒーレント積分し信号対雑音電力比を改善した後、上記目標数推定を行うことを特徴とする請求項4記載のレーダ装置。
  10. 上記測角用目標数推定部は、固有ビーム出力信号をパルスヒット方向にコヒーレント積分し信号対雑音電力比を改善した後、上記目標数推定を行うことを特徴とする請求項4記載のレーダ装置。
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