JP2014184352A - 積層体の製造方法、積層体、太陽電池用カバーガラス、及び太陽熱発電用ミラー - Google Patents
積層体の製造方法、積層体、太陽電池用カバーガラス、及び太陽熱発電用ミラー Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】基材の少なくとも片面に、下記(A)成分と下記(B)成分とを含むコーティング組成物を塗布する第1の工程と、塗布された前記コーティング組成物を乾燥させて有機無機複合塗膜を得る第2の工程と、該有機無機複合塗膜を養生して積層体を得る第3の工程と、を含み、
前記第2の工程における乾燥温度が、前記(B)成分のガラス転移温度(Tg)より45℃以上低い温度(T1)であり、
前記第3の工程における養生温度が、前記温度(T1)以上前記(B)成分のガラス転移温度(Tg)以下であり、
前記有機無機複合塗膜の厚さが、3200〜1500nmである、
積層体の製造方法。
(A)成分:数平均粒子径が1nm〜400nmの金属酸化物
(B)成分:数平均粒子径が10nm〜800nmの重合体エマルジョン粒子
【選択図】なし
Description
〔1〕
基材の少なくとも片面に、下記(A)成分と下記(B)成分とを含むコーティング組成物を塗布する第1の工程と、塗布された前記コーティング組成物を乾燥させて有機無機複合塗膜を得る第2の工程と、該有機無機複合塗膜を養生して積層体を得る第3の工程と、を含み、
前記第2の工程における乾燥温度が、前記(B)成分のガラス転移温度(Tg)より45℃以上低い温度(T1)であり、
前記第3の工程における養生温度が、前記温度(T1)以上前記(B)成分のガラス転移温度(Tg)以下であり、
前記有機無機複合塗膜の厚さが、3200〜1500nmである、
積層体の製造方法。
(A)成分:数平均粒子径が1nm〜400nmの金属酸化物
(B)成分:数平均粒子径が10nm〜800nmの重合体エマルジョン粒子
〔2〕
前記第2の工程における乾燥温度が、40℃以下である、前項〔1〕に記載の積層体の製造方法。
〔3〕
前記基材の可視光における全光線透過率が30%〜99%である、前項〔1〕又は〔2〕記載の積層体の製造方法。
〔4〕
前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の積層体の製造方法によって製造された、積層体。
〔5〕
90℃で1500時間以上保管したときの前記有機無機複合塗膜の水接触角が30°未満である、前項〔4〕に記載の積層体。
〔6〕
前記積層体の光線透過率が、前記基材の光線透過率よりも高い、前項〔4〕又は〔5〕に記載の積層体。
〔7〕
前記有機無機複合塗膜の屈折率が、前記基材の屈折率よりも0.1以上低い、前項〔4〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の積層体。
〔8〕
前項〔4〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の積層体を含む、太陽電池用カバーガラス。
〔9〕
前項〔4〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の積層体を含む、太陽熱発電用ミラー。
本実施形態に係る積層体の製造方法は、
基材の少なくとも片面に、下記(A)成分と下記(B)成分とを含むコーティング組成物を塗布する第1の工程と、塗布された前記コーティング組成物を乾燥させて有機無機複合塗膜を得る第2の工程と、該有機無機複合塗膜を養生して積層体を得る第3の工程と、を含み、
前記第2の工程における乾燥温度が、前記(B)成分のガラス転移温度(Tg)より45℃以上低い温度(T1)であり、
前記第3の工程における養生温度が、前記温度(T1)以上前記(B)成分のガラス転移温度(Tg)以下であり、
前記有機無機複合塗膜の厚さが、200〜1500nmである。
(A)成分:数平均粒子径が1nm〜400nmの金属酸化物
(B)成分:数平均粒子径が10nm〜800nmの重合体エマルジョン粒子
本実施形態における第1の工程は、基材の少なくとも片面に、下記(A)成分と下記(B)成分とを含むコーティング組成物を塗布する工程である。
(A)成分:数平均粒子径が1nm〜400nmの金属酸化物
(B)成分:数平均粒子径が10nm〜800nmの重合体エマルジョン粒子
上記塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、噴霧法、フローコーティング法、ロールコート法、バーコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法が挙げられる。
本実施形態で使用される基材は、特に限定されないが、例えば、シート状(板状)のものが挙げられる。基材の材料としては、特に限定されないが、例えば、ガラス及び樹脂が挙げられる。そのなかでも、透明性及び耐候性の観点からガラスが好ましい。ガラスとしては、特に限定されないが、具体的には、一般的なガラスの他、強化ガラス、合わせガラス、複層ガラス、化学強化ガラスが挙げられ、これらを目的に応じて用いることができる。また、樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エチレン−フルオロエチレン共重合体が挙げられる。これらの樹脂には耐候性を付与する目的で紫外線吸収剤等の耐候剤等をさらに練り込んでもよい。これらの基材の中でも、厚み2mm以下、より好ましくは1mm以下の厚みの化学強化ガラスが軽量化の観点から好ましい。
本実施形態で用いるコーティング組成物は、(A)成分と(B)成分とを含む。コーティング組成物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、(A)成分及び(B)成分を、水及び/又は親水性有機溶媒等の溶媒に、溶解及び/又は分散させて調製することができる。溶解及び/又は分散させる温度としては、特に限定されないが、例えば、10℃〜60℃が好ましく、20〜40℃がより好ましく、25〜30℃がさらに好ましい。上記温度とすることにより、より分散性が均一で品質に優れる傾向にある。
(A)成分は、数平均粒子径が1nm〜400nmの金属酸化物である。(A)成分は、(B)成分と相互作用することにより、(B)成分の硬化剤として作用すると考えられる。当該相互作用としては、例えば、(A)成分が一般に有しうる水酸基と、(B)成分が有しうる水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基及びエーテル基のいずれかと、の水素結合、又は、(A)成分が一般に有しうる水酸基と、(B)成分を構成しうる後述の(b1)成分の重合生成物との縮合(化学結合)等が考えられる。
(B)成分は、数平均粒子径が10nm〜800nmの重合体エマルジョン粒子である。このような(B)成分と、前記(A)成分とを含むコーティング組成物を用いることにより、得られる積層体の光線透過率、防汚染性がより良好となる。
(b1)成分は加水分解性珪素化合物である。(b1)成分としては、特に限定されないが、例えば、下記式(4)で表される化合物やその縮合生成物、シランカップリング剤が挙げられる。
SiWxRy (4)
(式(4)中、Wは、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、フェノキシ基、アミノキシ基及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を示し、
Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び、置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を示し、
xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。また、x+y=4である。Wが複数の場合、あるいはRが複数の場合、それぞれのW又はRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
(R’2SiO)m (5)
(式(5)中、R’は、互いに独立に、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示す。mは整数であり、2≦m≦20を満たす。)
(b2)成分は、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基及びエーテル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するビニル単量体である。
(b3)成分は乳化剤である。(b3)成分としては、特に限定されないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤、酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。
(b4)成分は、水である。(B)成分は、上述の(b1)〜(b3)の各成分、及び(b4)成分(すなわち水)を含む重合原液中の(b1)成分及び(b2)成分を重合して得られる重合体エマルジョン粒子であることが好ましい。(b4)成分の使用量は、重合安定性の観点から、重合原液中の含有率として、好ましくは30〜99.9質量%である。
重合原液には、(b1)〜(b4)成分に加え、さらに種々の成分を混合することができる。まず、重合原液には、(b5)成分として、(b2)成分と共重合可能な他のビニル単量体を混合することができる。(b5)成分を用いることにより、生成する重合生成物の特性(ガラス転移温度、分子量、水素結合力、極性、分散安定性、耐候性、(b1)成分である加水分解性珪素化合物の重合生成物との相溶性等)がより制御しやすくなる傾向にある。
また、重合原液には、連鎖移動剤を混合することができる。そのような連鎖移動剤としては、特に限定されないが、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタン等の芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸等のチオカルボン酸又はそれらの塩若しくはそれらのアルキルエステル類、又はポリチオール類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド及びチオグリコール、α−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物が挙げられる。
さらに、重合原液には分散安定剤を混合することができる。そのような分散安定剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリカルボン酸及びスルホン酸塩からなる群より選ばれる各種の水溶性オリゴマー類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、水溶性又は水分散性アクリル樹脂等の合成又は天然の水溶性又は水分散性の各種の水溶性高分子物質が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。
上述の重合原液の重合は、重合触媒の存在下で実施するのが好ましい。(b1)成分の重合触媒としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類;酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類;硫酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類;アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類;酸性又は弱酸性の無機塩;フタル酸、リン酸、硝酸のような酸性化合物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシランのような塩基性化合物類;ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレートのような錫化合物が挙げられる。この中でも、(b1)成分の加水分解性珪素化合物の重合触媒としては、重合触媒及び乳化剤としての作用を有する酸性乳化剤類、特に炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸(ドデシルベンゼンスルホン酸等)が好ましい。
本実施形態で用いるコーティング組成物は、(C)加水分解性珪素化合物をさらに含んでもよい。(C)成分を含むことにより、形成される有機無機複合塗膜の強度、防汚性がより向上する傾向にある。
R1 nSiX4−n (1)
(ここで、式(1)中、R1は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を示す。これらの化学種(水素原子を除く。)は、ハロゲン基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基等の官能基で置換されていてもよく、
Xは加水分解性基を示し、該加水分解性基は加水分解により水酸基が生じる基であり、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、フェノキシ基、オキシム基が挙げられ、
R1が複数の場合、あるいはXが複数の場合、それぞれのR1又はXは、互いに同一であっても異なっていてもよく、
nは0〜3の整数である。)
X3Si−R2 n−SiX3 (2)
(ここで、式(2)中、Xは互いに同一でも異なっていてもよい加水分解性基を示し、該加水分解性基は加水分解により水酸基が生じる基であり、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、フェノキシ基、オキシム基が挙げられ、
R2は炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を示し、
また、nは0又は1である。)
R3−(O−Si(OR3)2)n−OR3 (3)
(ここで、式(3)中、R3は、互いに同一でも異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。nは2〜8の整数である。)
本実施形態における第2の工程は、塗布されたコーティング組成物を乾燥させて有機無機複合塗膜を得る工程である。第2の工程における乾燥温度は、(B)成分のガラス転移温度(Tg)より45℃以上低い温度(T1)である。
乾燥温度は、(B)成分のガラス転移温度(Tg)より45℃以上低い温度(T1)であり、60℃以上低い温度が好ましく、85℃以上低い温度がより好ましい。乾燥温度の範囲としては、(B)成分のガラス転移温度(Tg)より45〜85℃以上低い温度が好ましい。乾燥温度が上記温度であることにより、耐熱試験後の水接触角を20°以下に抑えることができる。ここで、「耐熱試験」とは、実施例に記載の耐熱試験を意味する。
有機無機複合塗膜の厚さは、200〜1500nmであり、300〜1000nmが好ましく、400〜800nmが好ましい。有機無機複合塗膜の厚さが300nm以上であることにより、コーティング組成物に含まれる低分子成分のブリードアウトをより防止でき、接触角をより抑えることができる。また、1500nm以下であることにより、ヘイズ値をより低くできる。なお、有機無機複合塗膜は、必ずしも連続膜である必要はなく、不連続膜、島状分散膜等の態様であってもよい。
(養生温度)
本実施形態における第3の工程は、有機無機複合塗膜を養生して積層体を得る工程である。第3の工程における養生温度は、温度(T1)以上(B)成分のガラス転移温度(Tg)以下であり、T1+5以上Tg−5以下であることが好ましく、T1+10以上Tg−10以下であることが好ましい。
本実施形態の積層体は、上記積層体の製造方法によって製造されたものである。具体的には、基材とその基材の少なくとも片面上に形成された有機無機複合塗膜とを備えるものである。
本実施形態に係る太陽電池用カバーガラス、太陽熱発電用ミラーは上記積層体を含む。本実施形態に係る積層体は、透明性及び耐熱性に優れるので、太陽電池用のカバーガラス、太陽熱発電用のミラーの部材として有用である。本実施形態の積層体は様々な用途に用いられ得るが、特に太陽電池用カバーガラスとして用いられると、本発明による利益をより有効かつ確実に享受することができるので好ましい。
本実施形態における(B)成分のガラス転移温度(Tg)は以下の数式(1)によって算出した。また、計算中に使用した各高分子のTgは化学大辞典(共立出版社)から引用したものであるか、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製、商品名「DSC220C」)を用いて求めることができる。
T1,T2,…;コア層を形成する成分のガラス転移温度[℃])
動的光散乱式粒子径測定装置(日機装社製、商品名マイクロトラックUPA)を用い、ヘテロダイン法にて(A)成分、(B)成分の数平均粒子径を測定した。
濁度計(日本電色工業製、商品名「NDH2000」)を用い、JIS−K7105に準じて積層体の全光線透過率及びヘイズ値を測定した。
膜厚計(大塚電子製、商品名「FE−3000」)を用い、有機無機複合塗膜の膜厚、並びに有機無機複合塗膜及び基材の屈折率(波長:633nm)を測定した。
積層体における有機無機複合塗膜の表面に脱イオン水の水滴を載せ、23℃で10秒間放置した後、接触角計(協和界面科学製、CA−X150型接触角計)を用いてその水滴の水接触角を測定した。
鉛筆硬度計(テスター産業社製、商品名HA−301−M クレメンス型引掻き硬度試験機(手動式))を用い、JISK5400に準じて、有機無機複合塗膜の鉛筆硬度を測定した。
90℃に設定した恒温槽(ヤマト科学製)に実施例及び比較例で得られた積層体を投入し、これを1500時間保持した。その後、積層体における有機無機複合塗膜の表面に脱イオン水の水滴を載せ、23℃で10秒間放置した後、接触角計(協和界面科学製、CA−X150型接触角計)を用いてその水滴の水接触角を測定した。
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応容器に、イオン交換水1600g、ドデシルベンゼンスルホン酸6gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。これに、ジメチルジメトキシシラン185gとフェニルトリメトキシシラン117gとの混合液を反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下し、その後、反応容器中の温度を80℃に維持した状態で約1時間撹拌を続行した。次にアクリル酸ブチル86gとフェニルトリメトキシシラン133gと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gとの混合液と、ジエチルアクリルアミド137gとアクリル酸3gと反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25%水溶液)13gと過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40gとイオン交換水1900gとの混合液とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに、反応容器中の温度を80℃に維持した状態で約2時間撹拌を続行した後、液を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で液中の固形分濃度を10.0質量%に調整し、(B)成分である数平均粒子径70nmの重合体エマルジョン粒子の水分散体を得た。上記数式(1)より(B)成分のTgは86℃であった。
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、商品名「スノーテック−OS」、(A)成分))を水中に分散させたもの(固形分濃度10質量%、数平均粒子径10nm)と、製造例1で合成した重合体エマルジョン粒子((B)成分)の水分散体と、テトラエトキシシラン(信越化学社製、商品名「KBE−04」、(C)成分)とを、(A)成分200質量部、(B)成分100質量部、(C)成分60質量部の配合比にて配合した後、温度23℃の19%エタノール水で希釈して、固形分濃度が5%になるように調整し、コーティング組成物を得た。
製造例2で得られたコーティング組成物を、基材の白板ガラス(厚さ2mm、6×6cm角、可視光における光線透過率92.6%)にディップコーティング法で乾燥後に750nmの厚さになるように塗布した。その後、23℃の乾燥温度で2時間乾燥させて、30℃で12時間養生して積層体を作製した。各種物性を測定した結果を表1に示す。なお、乾燥後の膜厚は、コーティング組成物の固形分濃度と塗布量(g/m2)から予測することができた。また、乾燥したかどうかは、指で塗膜に触れ、べたつき感が無くなったかどうかで判断した。
製造例2で得られたコーティング組成物を乾燥後に800nmの厚さとなるように塗布し、乾燥温度40℃で30分乾燥させて、養生温度70℃で8時間養生したこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例2の積層体を作製した。各種物性を測定した結果を表1に示す。
製造例2で得られたコーティング組成物を乾燥後に300nmの厚さとなるように塗布したこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例3の積層体を作製した。各種物性を測定した結果を表1に示す。
製造例2で得られたコーティング組成物を乾燥後に240nmの厚さとなるように塗布し、乾燥温度90℃で2時間乾燥させて、養生温度30℃で12時間養生したこと以外は実施例1と同様の操作により、比較例1の積層体を作製した。各種物性を測定した結果を表1に示す。
製造例2で得られたコーティング組成物を乾燥後に2000nmの厚さとなるように塗布し、乾燥温度70℃で2時間乾燥させたこと以外は比較例1と同様の操作により、比較例2の積層体を作製した。各種物性を測定した結果を表1に示す。
製造例2で得られたコーティング組成物を乾燥後に500nmの厚さとなるように塗布したこと以外は比較例2と同様の操作により、比較例3の積層体を作製した。各種物性を測定した結果を表1に示す。
製造例2で得られたコーティング組成物を乾燥後に210nmの厚さとなるように塗布したこと以外は比較例1と同様の操作により、比較例4の積層体を作製した。各種物性を測定した結果を表1に示す。
製造例2で得られたコーティング組成物を乾燥後に180nmの厚さとなるように塗布したこと以外は比較例2と同様の操作により、比較例5の積層体を作製した。各種物性を測定した結果を表1に示す。
基材である白板ガラスのみを用い、各種物性を測定した結果を表1に示す。
製造例2で得られたコーティング組成物の乾燥温度を変更した以外は実施例3と同様の操作により、比較例7の積層体を作製した。各種物性を測定した結果を表1に示す。
製造例2で得られたコーティング組成物の養生温度を変更した以外は実施例3と同様の操作により、比較例8の積層体を作製した。各種物性を測定した結果を表1に示す。
Claims (9)
- 基材の少なくとも片面に、下記(A)成分と下記(B)成分とを含むコーティング組成物を塗布する第1の工程と、塗布された前記コーティング組成物を乾燥させて有機無機複合塗膜を得る第2の工程と、該有機無機複合塗膜を養生して積層体を得る第3の工程と、を含み、
前記第2の工程における乾燥温度が、前記(B)成分のガラス転移温度(Tg)より45℃以上低い温度(T1)であり、
前記第3の工程における養生温度が、前記温度(T1)以上前記(B)成分のガラス転移温度(Tg)以下であり、
前記有機無機複合塗膜の厚さが、200〜1500nmである、
積層体の製造方法。
(A)成分:数平均粒子径が1nm〜400nmの金属酸化物
(B)成分:数平均粒子径が10nm〜800nmの重合体エマルジョン粒子 - 前記第2の工程における乾燥温度が、40℃以下である、請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 前記基材の可視光における全光線透過率が30%〜99%である、請求項1又は2記載の積層体の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体の製造方法によって製造された、積層体。
- 90℃で1500時間以上保管したときの前記有機無機複合塗膜の水接触角が30°未満である、請求項4に記載の積層体。
- 前記積層体の光線透過率が、前記基材の光線透過率よりも高い、請求項4又は5に記載の積層体。
- 前記有機無機複合塗膜の屈折率が、前記基材の屈折率よりも0.1以上低い、請求項4〜6のいずれか1項に記載の積層体。
- 請求項4〜7のいずれか1項に記載の積層体を含む、太陽電池用カバーガラス。
- 請求項4〜7のいずれか1項に記載の積層体を含む、太陽熱発電用ミラー。
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