JP2014183877A - 血管画像撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】指提示領域の一部は、指の先端側を提示させる先端提示領域と、指の根元側を提示させる根元提示領域であって、前記先端指示領域側から前記根元提示領域側へ向かう方向を縦方向と定義した場合、複数の光源60は、前記開口部20の側方に、横方向に配列され、光量制御手段は、前記複数の光源60からの光を、タイミングを変えて照射させ、撮像部4は、前記複数の光源60からの夫々の光に基づいて、画像を夫々撮影し、前記複数の画像の夫々の輝度値に基づいて、前記指提示領域における、提示された指の輪郭位置を検出する血管画像撮影装置。
【選択図】図1
Description
従来のバイオメトリクス認証技術として、指紋、虹彩、音声、顔、手の甲の静脈又は指静脈を用いる認証が知られている。このうち、静脈を用いるバイオメトリクス認証では、生体の内部情報を用いるため、耐偽造性に優れている。
以下では、特に指の静脈を利用した個人認証装置について記載する。指静脈認証装置を用いて個人認証を行う際、利用者はまず、認証装置上に指を提示する。指静脈認証装置は、指に赤外光を照射する。赤外光は、指内部で散乱した後、外部へ透過する。そして、指静脈認証装置は、指の掌側に透過した赤外光を撮像する。このとき、血液中のヘモグロビンは、周囲の組織に比べて赤外光をより多く吸収する。そのため指の掌側に透過した光は、静脈部分を通り抜けたために減衰された弱い光と、静脈のない部分から抜け出た減衰していない強い光とのコントラスト差を持っている。よって、指静脈認証装置が撮像した画像には、指の掌側の皮下に分布する血管(指静脈)が暗い影のパターン(指静脈パターン)として可視化される。指静脈認証装置は、この指静脈パターンの特徴を予め登録しておき、認証時に提示された利用者の指静脈パターンと予め登録した特徴との相関を求めることによって、個人認証を行う。
この種の指静脈認証装置の従来例として、例えば特許文献1には、高精度な認証装置を実現するために指の輪郭位置を抽出し、指の位置補正や回転補正を行う手法が記載されている。また、特許文献2には、指の太さを算出するために、装置内に棒状のマーキングを設置し、指によってマーカーが隠された面積を測定する手法が記載されている。また、特許文献3には、指の下面と側面にカメラを設置し、異なる位置から撮影した画像を用いることで、指の位置を算出することが記載されている。また、認証装置の薄型化のためにマイクロレンズアレイを用いた例が特許文献4に記載されている。
本発明では高精度かつ薄型な認証装置を低コストで実現するため、撮像画像内に指輪郭が映っていなくても、指の位置や形状を検出できる個人認証装置、個人認証システム、個人認証を実行する演算装置を提供することを目的とする。
認証システムは、個人認証に必要な画像を取得するための指静脈データ取得装置2、画像入力部18、認証処理部10、記憶装置14、表示部17、情報入力部19、音声出力部6及び電源部15を含む。
指静脈データ取得装置2の筺体表面には、血管画像を取得する指を提示される指提示領域7が形成され、この指提示領域7は、指静脈撮影用の光源50、指位置測定用の光源部60、撮像装置4、指を提示するための指置き台5から構成される。
また、指提示領域7の一部には、図17に示すように指の先端側を提示可能な先端提示領域8と、指の根元側を提示可能な根元提示領域9とが指置き台5と一体に設けられている。本実施例では、開口部20は指との接触を避けるべく、筺体平面上に対して段差を有する構成をなっているが、開口部20の段差をなくし、開口部20、先端提示領域7、根元提示領域8、指置き台5をフラットな一面として一体に形成してもよい。
光源50は、例えば、赤外線発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)であり、指置き台5に形成される指提示領域7上に提示された指1に赤外光を照射する。光源部60は1個または複数個の光源から構成される。光源としては例えば赤外線発光ダイオードを用いる。また携帯電話等の液晶画面内蔵の端末に組み込んで用いる場合は、液晶画面上から出力される光を光源として用いてもよい。撮像装置4は、提示された指1を撮像する。
画像入力部18は、撮像装置4で撮像された画像を、処理部として機能する認証処理部10へ入力する。尚、画像入力部18において、撮像装置4で撮像された画像から血管パターン像を抽出する処理を行い、抽出した血管パターン画像を認証処理部10に入力する構成としても良い。
また、この画像入力装置18と指静脈データ取得装置2とを一体として、血管画像抽出装置として構成しても良いし、画像入力装置18は認証処理部10と一体として構成されていても良いことは言うまでもない。
認証処理部10は、中央処理部(Central Processing Unit:CPU)11、メモリ12、種々のインタフェース(Interface:IF)13を含む。CPU11は、メモリ12に記憶されているプログラム100を実行することによって各種処理を行う。メモリ12は、CPUが実行する認証プログラム100を一時的に記憶する。また、メモリ12は、画像入力部18から入力された画像を記憶する。インタフェース13は、認証処理部10の外部の装置と接続されている。具体的には、インタフェース13は、指静脈データ取得装置2、記憶装置14、表示部17、情報入力部19、音声出力部6、画像入力部18等と接続する。
記憶装置14は、利用者の登録データ30とプログラム100を予め記憶している。登録データ30は、利用者を照合するための情報であり、例えば、指静脈パターンの画像等である。指静脈パターンの画像は、指の掌側の皮下に分布する血管(指静脈)を暗い影のパターンとして撮像した画像である。
表示部17は、例えば、液晶ディスプレイ等であり、認証処理部10から受信した情報を表示する。情報入力部19は、例えば、キーボード等であり、利用者から入力された情報を認証処理部10に送信する。音声出力部6はスピーカ等であり、認証処理部10から受信した情報を、音声で発信する。電源部15は、乾電池や外部電源であり、指静脈データ取得装置2や認証処理部10が駆動するための電力を供給する。
本認証システムでは、利用者が指静脈データ取得装置2に指1を提示すると、指位置測定用の光源部60から光が照射され、撮像部4にて画像が撮影される。撮影された画像は認証処理部10内に取り込まれ、認証処理部は入力された画像を元に指1の提示位置を算出する。
指位置測定が完了すると、静脈撮影用の光源50が点灯し、指の静脈画像が撮影される。光源50は指1に対して光を照射する。照射された光は指1の内部で散乱し、指1を透過した光が撮像部4に入射する。入射した光は撮像部4により電気信号に変換され、画像として認証処理部10に取り込まれる。取り込まれた画像はメモリ12に記憶される。
次に、記憶装置14に保存されている登録データ30とプログラム100が記憶装置14よりメモリ12に格納される(図1 (b))。また、CPU11はメモリ12に格納されたプログラム100に従って、入力画像から認証データ40を作成し、登録データ30との照合を行う。
照合処理では、認証処理部10で求めた指提示位置の結果を元に、登録データと認証データとの位置ずれを補正する。その後、登録データと認証データとの相関を求める。求めた相関の値に応じて登録されているデータと一致するかを判定する。この判定結果を利用して個人を認証する。認証結果は表示部17に表示を行う、または音声出力部6から音声で知らせる。
図17に矢印で示すように、先端提示領域8と根元提示領域9とを結ぶ向きを縦方向(提示軸)と定義した場合、光源部60を形成する複数の光源は、横方向に横列に配置されている。提示される指1を基準に言い換えれば、指の長手方向に対して、短手方向に複数の光源が配置されている構成である。
以下では図5を用いて、CPU11が実行するプログラム100で実施される登録処理手順の一実施例について説明する。登録処理では、はじめに、装置に指が提示された(載せられた)か否かを判定する指提示検知処理(S101)を実施し、指が提示された場合には、光源部60を用いて、指の位置を測定する(S102)。その後、適切な光量を光源50から照射するための光量調整処理(S103)を実施する。光量の調整完了後、パターン抽出処理(S108)、特徴データ作成処理(S109)を行う。最後に、特徴データを記憶装置14に保存し、登録処理が完了する。言い換えるなら、CPU11は特徴抽出手段、特徴照合手段のみならず、光量制御手段や、指の位置を測定する手段としても機能する処理部である。
以下では、上記登録フローの詳細について記す。
図4(b)グラフを見ると、光源62〜光源68を点灯したときに撮像画像の輝度値が高くなり、光源61、光源69、光源70を点灯すると撮像画像の輝度値が低くなることがわかる。このことから、光源62〜光源68が設置されている位置、すなわちx2からx8の範囲に指1が提示されていると判定できる。このとき、指の左右の輪郭はそれぞれ指からの距離が最も遠いx2とx8の位置にあると検出し、指輪郭位置を判定することができる。
指の輪郭位置の判定方法は、図4(b)のように指の有無を判定するための閾値を輝度値に設けてもよいし、前後の光源、例えばx2であれば、x1やx3における輝度値との変化率に閾値を設けても良い。
また、本実施例では主に、開口部20の両側に光源部60が配置された構成について説明するが、実施例5にて詳細後述するように、開口部の片側だけに光源部60を配置してもよい。例えば、光源部60のうち、光源61〜65のみを配置して、光源66〜70が配置される側には、指の位置合わせを行うための仕切り等の目印を所定位置に配置する。
本発明では、指1の位置を特定するために画像の輝度値に注目する。ここで、輝度値は、撮影された画像全体の平均輝度を見てもよいし、図3(c)の破線で囲んだ領域28のように部分領域の平均輝度値を利用してもよい。
図7は指位置検出処理(S102)フローチャートの一例である。指の輪郭位置を検知する際は、初めに、光源部60に含まれる光源のうち1つの光源を点灯する(S1021)。光源iを点灯したときの画像を撮影し(S1023)、所望とする全体画像または一部の画像領域の平均輝度を算出する(S1025)。点灯する光源を変えながら、S1021、S1023、S1025のフローを繰り返す。
光源部60に含まれる全ての光源をタイミングを変えて点灯させ、各光源に対応する輝度値を獲得する。獲得した輝度値が事前に決定した閾値を超えているかどうかを確認することで、対応する光源の上に指があるかどうかを判定する。得られた結果から指の輪郭位置を求める(S1027)。
光源の点灯順序は、開口部20からの距離が長い光源側から、距離が短い光源側へ順に点灯させて光を照射するか、開口部20から近い側の光源から遠い側の光源の順に点灯させ光を照射することが望ましい。光源部60のうち光源61〜65を例として説明すると、光源61,62,63,64,65の順に点灯させるか、逆に65,64,63,62,61の順に点灯させる。装置全体の小型化を鑑みれば、指提示領域7における指の占める領域が大きくなるため、開口部20からの距離が長い光源側から順次点灯させた方が、指の輪郭位置をより高速に検出することが可能となる。
この点灯方法と、各光源に基づく画像の輝度値や各画像間の輝度値の変化率の演算を並行して行えば、全ての光源を点灯させて全画像を取得せずとも、輝度値や変化率が閾値を超えた段階で、指の有無や輪郭位置を判定することができる。この手法により、より高速に輪郭位置を特定することが可能になると共に、光源による消費電力を軽減させることが可能となる。
さらに高速に指の有無や輪郭位置を判定する場合には、開口部21を介して配置される左右両側の光源郡の夫々を、並行して順次点灯させてもよい。
本点灯方法の説明のため、光源61〜65を第1光源郡、光源66〜70を第2光源郡として説明する。
まず、撮像部4で撮影された画像を、第1光源郡に近い側の指を撮影した第1画像領域と、第2光源郡に近い側の指を撮影した第2画像領域の2つに分割する。
次に、第1画像領域の輝度値は、第1光源郡の光源に起因する輝度値と見なし、光源61〜65夫々を点灯した際の台1画像領域の輝度値を算出し、上記の方法で指の有無、輪郭位置を判定する。同様に、第2画像領域の輝度値は、第2光源郡の光源に起因する光源と見なして、同様の判定を行う。
このように、左右両側の光源郡を並行して別々に制御し、画像処理の演算も別々に処理する事で、より高速に指の有無や輪郭位置の判定を実行することが可能となる。
処理フローS1021では、全ての光源で同一の明るさを点灯することが望ましい。光源毎に明るさが異なっていると、指に光が当たらなくて輝度が下がっているのか、その光源の発光量が低くて輝度が下がっているのかの区別がつかなくなるためである。しかし、光源としてLEDを利用した場合、LEDの個体差によって、同じ電流を流しても、異なる明るさで発光してしまう場合がある。そこで、事前に、全てのLEDのばらつきを調査し、全てのLEDで、同じ明るさを発光できるよう、LED毎に、流す電流の量を決めておくとよい。
指提示位置測定処理(S102)が完了すると光源50から静脈撮影の照明用の光が出力される。提示される指の太さや皮膚の厚みなどによって、静脈撮影に必要な光量は異なる。そこで、最も鮮明な画像が得られるように静脈撮影用光源50の光量を調整する(S103)。指静脈の撮影では、撮像画像の平均輝度値が輝度諧調の中心付近の値になっている場合に、鮮明な静脈の画像を得ることができる。例えば、画像の平均輝度が低すぎるときは、血管とそれ以外のコントラストが悪いため、鮮明ではない。逆に平均輝度が高すぎるときは、飽和している部分が発生し血管パターンを抽出できない。つまり、光量調整処理(S103)では、輝度諧調の中央値を目標輝度値とし、撮像画像の平均輝度値が目標値に近づくように光量を調整する。この光量調整手法として、本実施例では、画像の平均輝度値を常に監視し、その値に応じて光量をフィードバック制御しながら目標輝度値に近づける手法を用いる。
図15に光量調整処理(S103)のフローチャートの一例を示す。光量調整処理では、まず、あらかじめ設定しておいた初期光量値L0で光源50を点灯させる(S1031)。初期光量L0は、標準的な指を置いたときに目標輝度値の画像が撮影可能になる光量値を予め測定し、その値を設定しておく。次に、撮像部4で画像を撮影する(S1032)。この画像の平均輝度値V0を算出する(S1033)。算出した平均輝度値V0が、目標輝度値であるか判別する(S1034)。目標輝度値に達していない場合は、次の光量値Lnを再設定し、光源50を点灯する(S1035)。次の光量値Lnの算出は、光量値と撮像画像の平均輝度値とが比例関係にあるという特徴を利用して行なう。光量値再設定後、画像撮影(S1032)、平均輝度値算出(S1033)、平均輝度値の判定(S1034)を再度実施する。このフローを繰り返し、目標の輝度値に近づけていく。S1034の平均輝度値の判定で目標輝度値に達した場合は、光量調整を完了する。なお、光源50の光量を制御するためには、光源部60に供給する電力を制御すれば良い。電力制御方法としては、たとえば、例えば、パワートランジスタを用いた、PWM(Pulse Width Modulation)等の高速なスイッチング制御が利用できる。
照合処理(S112)で一致率を算出する際、登録時の指の提示位置と認証時の指の提示位置がずれていると、撮像画像中の静脈パターンの位置がずれてしまうため、同一指であっても一致率が低下し、誤って別指と判定されることがある。このような誤判定を防ぐためには、登録時と認証時の位置ずれ量を算出し、位置補正を行うことが重要になる。そこで登録処理時に保存した指の提示位置情報と、認証処理中の指位置測定処理(S102)で算出した指の提示位置情報とを比較し、位置ずれ量を求める。求めた位置ずれ量に合わせて、認証時の特徴データの位置を補正する。これにより、登録時と認証時の指の提示位置がずれた場合でも高精度な認証を行うことができる。なお、位置ずれ補正は上述のように特徴データに対して施してもよいし、パターン抽出処理前の入力画像に対して施しても良い。
照合処理(S112)の上記と別処理方法を図18を用いて説明する。
まずこの方法では、登録データの画像領域は、認証処理時に撮影される画像よりも広い画像領域(例えば、指の輪郭も含むような指全体の画像)にて取得しておく。さらに、この登録データの画像領域は、複数の画像領域に分割して保存されており、各分割画像が、筺体の指提示領域のどの提示位置にて撮影された画像なのかが対応づけられている。尚、分割画像は予め保存しておいてもよいし、認証処理時に登録画像を読み出した際に分割画像を作成してもよい。広い画像領域の登録データを作成する方法としては、開口部20を大きいサイズに変更した登録時専用の静脈画像撮影装置2を作成し、登録時のデータを登録時専用装置2にて撮影する方法がある。登録データの撮影は、認証装置を初めて使う際に一度だけ行う処理なので、登録時専用の静脈画像撮影装置2のサイズが大きくても利用者の利便性を落とすことは無い。広領域を撮影した登録データを生成する別の手法としては、登録処理時に、利用者に複数回指を提示させ、指位置検出処理(S102)で算出した位置情報と、特徴データ生成処理(S109)にて生成した特徴データとを対応づけて保存する方法がある。利用者が指を置きなおしながら複数回撮影することで、撮影領域位置の異なる画像が複数枚撮影できるため、上述のような、分割画像と指の提示位置とが対応づけられた登録データ群を構築できる。
図8は、実施例2における静脈データ取得装置2を示す構成図の例である。図1の指静脈認証システムと、図2の静脈データ取得装置2のうち、既に説明した図1乃至図7に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
図8(a)は静脈データ取得装置2の上面図、図8(b)は指1を理想的な位置と向きで提示したときの装置2と指1の上面図、図8(c)は指が回転した状態で置かれたときの装置2および指1の上面図である。
図1の指静脈認証システムと、図2の静脈データ取得装置2のうち、既に説明した図1乃至図7に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
指1の提示位置測定の分解能を高めるためには、指位置測定用の光源部60を並べる際に、隣り合う光源同士の距離を短くするとよい。しかし、光源を一列に並べる場合、光源自体のサイズより近づけて配置することはできない。そこで図10のように上下二列に並べる。このとき、上の列と下の列の光源の中心位置をずらして設置する。すなわち、上の列の隣接する光源夫々の中心位置の間に、下の列の複数の光源のうち、何れかの光源の中心位置が配列させるように構成する。これにより、指の輪郭位置をより正確に検出することがかのうとなるため、指の提示位置測定の分解能を高めることが可能となる。
そこで本実施例では、指の輪郭位置をより正確に判定し、指幅を測定する指静脈認証システムの例を説明する。図11は、本実施例における静脈データ取得装置2を示す構成図の例である。
図1の指静脈認証システムと、図2の静脈データ取得装置2のうち、既に説明した図1乃至図7に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
開口部の右側には実施例1と同様に光源部60が配置されている。開口部の左側には指の左側の側面の提示位置を決めるための突起24を備える。突起は、静脈データ取得装置2の筺体の一部が凸形状を有するようにして、筺体と一体に形成されていてもよい。また、突起は指の片側側面を提示できれば指の左右どちら側に配置してもよい。
利用者は、突起24と指の片側側面の位置を合わせて指を提示することにより、指の左側の輪郭位置は突起24の位置に規定される。装置2は、利用者の指1の提示を検知すると、光源部60の光源を点灯する。その後、図7のフローに従って指の右側の輪郭位置を検出する。以上の手順により指の左右の輪郭位置を検出し、左右の輪郭位置の差分をとることで、指を提示する際の位置ずれによる指輪郭位置判定の精度低下を抑制し、より高精度に指幅を算出可能となる。
静脈データ取得装置2には指位置検知用の光源部60が設置されている。この光源部60は、静脈を撮影するための光源としても利用する。よって本実施例の静脈データ取得装置2は静脈撮影用光源50を設置していない。
本実施例の構成により、光源50を用いる必要がないため、製造コストを削減することが可能となる。また、点灯させる光源を光源部60から光源50に切り替える必要がないため、より高速に静脈画像を撮影することが可能となる。
図14を用いて実施例6の認証フローを説明する。はじめに、指の提示検知(S101)を行う。これは実施例1と同様にタッチセンサを用いることで実現する。次に指の位置を測定する(S102)。指の位置の測定も実施例1と同じ手法を利用する。具体的には光源部60の光源を個別に順次点灯し、そのときに撮影した画像の輝度値から指1の輪郭位置を算出する。図13(c)で示す位置に指1が置かれている場合、光源63の位置に指1の左側の輪郭が、光源69の位置に指1の右側の輪郭があると判定される。
指位置測定処理(S102)の完了後、光量調整処理(S103)を行う。光量調整処理では、指1の輪郭の下側に設置してある光源、言い換えれば、指に向けて光を照射する光源のうち開口部20からの距離が最も遠い光源を選択し、点灯する。輪郭の下側に位置する光源を選択するのは、光量が大きすぎることによって生じる画像の輝度飽和の危険性が最も小さい状態で、鮮明な静脈画像を撮影するためである。図13(c)の例では、光源63と光源69を選択する。このとき、指1の輪郭より外側の光源(例えば光源70や光源61)を選択してしまうと、光源から出た光が指1に当たらないため、静脈を撮影するための光量が不足する。また開口部20に近い位置の光源(例えば65や光源66)を選択してしまうと、撮像部に光源からの光が直接入射されたり、指1の手のひら側の面に光が当たって反射した光などの光量の大きな光が撮像部へ入射してしまうため、光量の小さな指からの透過光による鮮明な静脈画像を得ることが困難となる。より鮮明な静脈画像を得るためには、指1の輪郭位置を認識し、輪郭位置の下にある光源を選択することが望ましい。光量調整に使う光源が決定されると、図15のフローに従って光量調整処理を実施する。以降のパターン抽出処理(S108)、特徴データ作成処理(S109)、照合処理(S112)は実施例1と同じ手法で実施する。
登録時と認証時とで指1の提示される高さが変化した場合、撮影された画像中の指1の大きさが変化すため、同一指であっても誤って別指と判定されることがある。この課題を解決するためには、認証装置上に提示された指1の位置(高さ)を測定し、提示位置によって画像の拡大率を補正する方法が有効である。
そこで本実施例では、指の垂直方向の位置ずれの検知に利用する方法について説明する。尚、本実施例は単独で用いてもよいし、上記した実施例における指の左右方向、回転方向の位置ずれ検知方法と組み合わせて用いても良い。
図16に実施例7の静脈データ取得装置2の外観図を示す。静脈データ取得装置2は、指先側の前方上方に静脈撮影用光源50が設置されている。撮像部4は指1の下側(手のひら側)の位置に、指1を撮影可能な向きで設置されている。指1の側面には側壁25がある。側壁25には、指位置測定用の光源部60が設置されている。光源部60は図16のように、高さ方向、すなわち指置き台5から遠くなる方向に、縦に並べて配置する。
利用者が指1を提示すると、光源部60の光源のうち1つが点灯し、撮像部4で画像が撮影される。光源の設置された高さと指が提示された高さとが同じであれば、指1に光が照射され、指1内部で光が散乱するため、撮像部4で撮影した画像の輝度は高くなる。点灯した光源の設置位置に対し、指の提示位置が高い場合、または、低い場合は、光源から発せられた光は指の下方または上方を通過する。そのため、撮像部4で撮影した画像の輝度は低くなる。そこで、光源を点灯したときの撮像画像の輝度が一定値より高くなった場合は、光源と同じ高さに指が提示されていると判断する。光源部60内の各光源を、タイミングをずらしながら点灯し、撮影した画像の輝度値を確認することで、指1の提示された高さを測定する。
以上のように、指位置測定用光源を高さ方向に並べることで、指1の垂直方向の位置を検知することが可能になる。
さらに、実施例1〜6迄に述べた指の横方向に配列された光源部による位置ずれ検出、回転補正と組み合わせて用いれば、指の提示空間における三次元の位置情報を判定する事が可能となり、より認証精度を向上させることができる。
垂直方向の高さを検知後、実施例1等と同様に静脈撮影用光源50を点灯して静脈を撮影するが、実施例6と同様に光源部60を用いて静脈を撮影してもよい。以上の構成によりにより、上下方向の位置ずれが発生した場合でも、位置ずれ補正が可能となり高精度な認証システムを実現できる。
Claims (15)
- 筐体表面に形成される指提示領域と、
前記指提示領域に配置され、提示された指に光を照射する複数の光源と、
前記複数の光源の光量を制御する光量制御手段と、
前記指提示領域に形成された開口部と、
前記開口部を通過した、前記指に照射された光源部からの光を撮影する撮像部と、
を有し、
前記指提示領域の一部は、指の先端側を提示させる先端提示領域と、指の根元側を提示させる根元提示領域であって、
前記先端指示領域側から前記根元提示領域側へ向かう方向を縦方向と定義した場合、
前記複数の光源は、前記開口部の側方に、横方向に配列され、
前記光量制御手段は、前記複数の光源からの光を、タイミングを変えて照射させ、
前記撮像部は、前記複数の光源からの夫々の光に基づいて、前記画像を夫々撮影し、
前記複数の画像の夫々の輝度値に基づいて、前記指提示領域における、提示された指の輪郭位置を検出することを特徴とする血管画像撮影装置。 - 筐体表面に形成される指提示領域と、
前記指提示領域に形成された開口部と、
前記開口部の側方に配列され、前記指提示領域に提示された指に光を照射する複数の光源と、
前記複数の光源の光量を制御する光量制御手段と、
前記開口部を通過した、光源部からの光を撮影する撮像部と、
を有し、
前記指提示領域の一部は、指の先端側を提示させる先端提示領域と、指の根元側を提示させる根元提示領域であって、
前記先端提示領域側から前記根元提示領域側へ向かう方向を提示軸と定義した場合、
前記複数の光源は、当該複数の光源の配列軸と前記提示軸とが交わるように前記指提示領域上に配列され、
前記光量制御手段は、前記複数の光源からの光を、タイミングを変えて照射させ、
前記撮像部は、前記複数の光源からの夫々の光に基づいて、前記画像をそれぞれ撮影し、
前記複数の画像の夫々の輝度値に基づいて、提示された指の輪郭位置を検出することを特徴とする血管画像撮影装置。 - 前記複数の光源は、前記開口部の両側夫々に配列された、第1光源郡及び第2光源郡によって形成されることを特徴とする請求項1または2記載の血管画像撮影装置。
- 前記光量制御手段は
前記開口部からの距離が長い位置に配置された光源側から、前記複数の光源からの光を順次照射させること特徴とする請求項1から3までの何れかに記載の血管画像撮影装置。 - 前記検出された輪郭位置に基づいて、前記複数の光源のうち、前記指の輪郭位置に向けて光を照射する光源を判定し、
前記撮像部は、前記輪郭位置に向けて光を照射する源からの光に基づいて、血管画像を撮影することを特徴とする請求項1から4迄の何れかに記載の血管画像撮影装置。 - 前記光量制御手段は、前記複数の光源のうち、
前記血管撮影用光源の光量と、当該血管撮影用光源よりも前記開口部からの距離が短い位置に配置された光源の光量とを、前記開口部からの距離が短い光源の方が、前記開口部からの距離が長い光源よりも光量が小さくなるように制御し、
前記撮像部は、前記光量制御手段によって光量の制御された光源からの光に基づいて、前記血管画像を撮影すること特徴とする請求項5記載の血管画像撮影装置。 - 少なくとも2つの血管撮影用光源をさらに有し、
当該2つの血管撮影用光源は、前記開口部を介して対角に夫々配置され、
前記2つの血管撮影用光源は夫々、前記対角の方向に向けて光を照射し、
前記撮像部は、前記照射された2つの血管撮影用光源からの光に基づいて、血管画像を撮影することを特徴とする請求項1または2記載の血管画像撮影装置。 - 前記複数の光源によって構成される光源部を複数有し、前記複数の光源部は、前記縦方向に配列されることを特徴とする請求項1記載の血管画像撮影装置。
- 前記複数の光源部は、少なくとも第1光源部と第2光源部を含み、
前記前記第1光源部を形成する複数の光源における、隣接する光源夫々の中心位置の間に、前記第2光源部を形成する複数の光源のうち、何れかの光源の中心位置が配置されることを特徴とする請求項8記載の血管画像撮影装置。 - 前記開口部の側方に形成された前記光源部に対して、前記開口部を介して対向する側に、指の片側面の提示位置に配置される突起を有することを特徴とする請求項1または2記載の血管画像撮影装置。
- 前記複数の光源は、前記開口部よりも、前記根元領域側に形成されることを特徴とする請求項1から10迄の何れかに記載の血管画像撮影装置。
- 前記検出された輪郭位置から、提示された指の指幅情報を取得し、
当該指幅情報を用いて個人の認証を行うことを特徴とする請求項1から11迄の何れか記載の血管画像撮影装置。 - 前記血管画像を用いて個人の認証を実行することを特徴とする請求項5から7迄の何れかに記載の血管画像撮影装置。
- 前記複数の光源は、指が提示される提示空間において、当該複数の光源夫々の光軸が交わらないように配置されることを特徴とする請求項1から13迄の何れかに記載の血管画像撮影装置。
- 指提示領域に提示された指の、当該指提示領域からの高さを検出するための複数の光源によって形成される、高さ検出用光源部をさらに有し、
前記撮像部は、前記高さ検出用光源部を形成する複数の光源からの光に基づいて、前記画像を夫々撮影し、
前記複数の画像の夫々の輝度値に基づいて、提示された指の前記指提示領域からの高さを検出することを特徴とする請求項1から14迄の何れかに記載の血管画像撮影装置。
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