JP2014183176A - スピン流熱電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】より熱電変換効率の大きいスピン流熱電変換素子を提供すること。
【解決手段】スピン流熱電変換素子は、面内方向の磁化を有する磁性体と、その磁性体と磁気的に結合する起電体層と、を備える。起電体層は、電気伝導性を有する第1の伝導体層と、アップスピンとダウンスピンに対して異なる電気伝導率を有する第2の伝導体層と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、スピンゼーベック効果に基づくスピン流熱電変換素子に関する。
近年、「スピントロニクス(spintronics)」と呼ばれる電子技術が脚光を浴びている。従来のエレクトロニクスは、電子の1つの性質である「電荷」だけを利用してきたが、スピントロニクスは、それに加えて、電子の他の性質である「スピン」をも積極的に利用する。特に、電子のスピン角運動量の流れである「スピン流(spin−current)」は重要な概念である。スピン流のエネルギー散逸は少ないため、スピン流を利用することによって高効率な情報伝達を実現できる可能性がある。従って、スピン流の生成、検出、制御は重要なテーマである。
例えば、電流が流れるとスピン流が生成される現象が知られている。これは、「スピンホール効果(spin−Hall effect)」と呼ばれている。また、その逆の現象として、スピン流が流れると起電力が発生することも知られている。これは、「逆スピンホール効果(inverse spin−Hall effect)」と呼ばれている。逆スピンホール効果を利用することによって、スピン流を検出することができる。尚、スピンホール効果も逆スピンホール効果も、「スピン軌道相互作用(spin orbit coupling)」が大きな物質(例:Pt、Pd)において有意に発現する。
また、最近の研究により、磁性体における「スピンゼーベック効果(spin−Seebeck effect)」の存在も明らかになっている。スピンゼーベック効果とは、磁性体に温度勾配が印加されると、温度勾配と平行方向にスピン流が誘起される現象である(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。すなわち、スピンゼーベック効果により、熱がスピン流に変換される(熱スピン流変換)。特許文献1では、強磁性金属であるNiFe膜におけるスピンゼーベック効果が報告されている。非特許文献1、2では、イットリウム鉄ガーネット(YIG、YFe12)といった磁性絶縁体と起電体膜との界面におけるスピンゼーベック効果が報告されている。
尚、温度勾配によって誘起されたスピン流は、上述の逆スピンホール効果を利用して電界(電流、電圧)に変換することが可能である。つまり、スピンゼーベック効果と逆スピンホール効果を併せて利用することによって、温度勾配を電気に変換する「熱電変換」が可能となる。
図1は、特許文献1に開示されているスピンゼーベック効果を用いたスピン流熱電変換素子の構成を示している。サファイア基板101の上に熱スピン流変換部102が形成されている。熱スピン流変換部102は、Ta膜103、PdPtMn膜104及びNiFe膜105の積層構造を有している。NiFe膜105は、面内方向の磁化を有する磁性膜である。更に、NiFe膜105上には、起電体膜としてPt膜106が形成されており、そのPt膜106の両端は端子107−1、107−2にそれぞれ接続されている。
このように構成されたスピン流熱電変換素子において、NiFe膜105が、スピンゼーベック効果によって温度勾配からスピン流を生成する役割を果たし、Pt膜106が、逆スピンホール効果によってスピン流から起電力を生成する、スピン流−電流変換材料としての役割を果たす。具体的には、NiFe膜105の面内方向に温度勾配が印加されると、スピンゼーベック効果により、その温度勾配と平行な方向にスピン流が発生する。すると、NiFe膜105からPt膜106にスピン流が流れ込む、あるいは、Pt膜106からNiFe膜105にスピン流が流れ出す。Pt膜106では、逆スピンホール効果により、スピン流方向とNiFe磁化方向とに直交する方向に起電力が生成される。その起電力は、Pt膜106の両端に設けられた端子107−1、107−2から取り出すことができる。
図2は、特許文献2に開示されている縦型のスピン流熱電変換素子の構成を示している。図2に示されるように、磁性体層110上に起電体層120が積層されている。縦型のスピン流熱電変換素子の場合、温度勾配は、その積層方向に印加される。
温度勾配が積層方向に印加されると、熱スピン流は同じ方向に、つまり温度の高い方から低い方へ流れる。熱スピン流は、さらに磁性体層110と起電体層120の界面で、スピン注入と呼ばれる過程を経て、起電体膜へ純スピン流を発生させる。スピン注入とは、界面近傍で磁化方向を中心に歳差運動するスピンが、起電体膜中のスピンを持たない伝導電子と相互作用し、スピン角運動量を受け渡したり、受け取ったりする現象である。その結果、起電体層120中のスピン注入界面付近には、スピンを持った伝導電子による「純スピン流」が生成される。この純スピン流では、アップスピンとダウンスピンが互いに逆方向に流れるため、純スピン流の向きに電荷移動は存在しないが、スピンの運動量だけが流れる。
起電体層120が大きなスピン軌道相互作用を持つ材料で形成されていた場合、逆スピンホール効果により、スピン流方向と磁化方向とに直交する方向に起電力が生成される。
以上に説明されたようなスピン流熱電変換素子において、得られる起電力の大きさは、磁性体層で発生するスピン流の大きさに、スピン流注入効率(起電体層との界面におけるスピン流の注入効率)とスピン流−電流変換効率(スピン流が起電体層における逆スピンホール効果によって起電力に変換される効率)を掛け合わせることにより得られる。従って、スピン流そのものの大きさ、スピン流注入効率、スピン流−電流変換効率の3つの指標を同時に大きくすることが、より出力の大きいスピン流熱電変換素子を得るために必要である。それらの中でも、起電体層におけるスピン流−電流変換効率の向上は、他のスピントロニクス素子においても重要な課題である。
ここで、起電体層の材料は、電気伝導性とスピンホール伝導性を併せ持つものである。スピンホール伝導性/電気伝導性を表す無次元の指標は、「スピンホール角」と呼ばれる。スピンホール角は、スピンホール効果の大きさの指標として用いられている。逆スピンホール効果は、スピンホール効果と逆の効果で、その大きさもスピンホール角に依存する。
逆スピンホール効果が観測される主な要因の一つは、結晶構造や電子軌道の構成などに起因するもので、内因性の効果と呼ばれる。例えば、4d、5d電子を外殻に持つ遷移金属や、その化合物などで大きな内因性の逆スピンホール効果が観測されることが明らかとなっており、現在では、その中でも大きなスピンホール角を持つPtが典型的に用いられる。
その他にも、酸化インジウム錫(ITO)などでも逆スピンホール効果が観察されることが明らかにされている。つまり、逆スピンホール効果が観測される材料は、いわゆる「金属」である必要はなく、例えば導電性を持った酸化物や有機物であってもよい。
逆スピンホール効果が観測される要因のもう一つは、バルク中に不純物があるとき、その局在ポテンシャルによって、運動する電子がスキュー散乱やサイドジャンプと呼ばれる散乱効果を受けることによって生じるもので、外因性の効果と呼ばれる。例えば、バルクでは、スピンホール角の小さいAuやCuなどに微量の不純物としてFeやIrなどを導入することによって、構成によってはPtよりも大きなスピンホール角を発生することが報告されている。
特開2009−130070号公報 特開2011−249746号公報
Uchida et al., "Spin Seebeck insulator", Nature Materials, 2010, vol. 9, p.894. Uchida et al., "Observation of longitudinal spin−Seebeck effect in magnetic insulators", Applied Physics Letters, 2010, vol.97, p172505.
以上の通り、スピン流熱電変換素子においては、大きなスピンホール角を有するスピン流−電流変換材料を起電体層として用いることが、より出力の大きいスピン流熱電変換素子を得るために重要であると考えられている。
しかし、これまでに様々なスピン流−電流変換材料が探索されてきたにもかかわらず、現在得られている最良のスピンホール角は、Pt薄膜による0.01以下の値に留まっている。実用性の高い、大きなスピンホール角を有するスピン流−電流変換材料を開発することにより、純スピン流から大きな電流を取り出すことが課題となっている。
本発明の一つの目的は、スピン流熱電変換素子の起電体層内に生じる純スピン流から高い効率で電流を取り出すための新規な技術を提供することにある。
本発明の1つの観点において、スピン流熱電変換素子は、面内方向の磁化を有する磁性体と、その磁性体と磁気的に結合する起電体層と、を備える。起電体層は、電気伝導性を有する第1の伝導体層と、アップスピンとダウンスピンに対して異なる電気伝導率を有する第2の伝導体層と、を備える。
本発明によれば、スピン流熱電変換素子の更なる出力向上が実現できる。
図1は、特許文献1に記載されているスピン流熱電変換素子を示す概略図である。 図2は、典型的な縦型のスピン流熱電変換素子を示す概略図である。 図3は、本発明の実施の形態に係るスピン流熱電変換素子を示す概略図である。 図4は、本発明の実施の形態に係るスピン流熱電変換素子を示す概略図である。 図5は、本発明の実施の形態に係るスピン流熱電変換素子の具体例を説明するための概略図である。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
1.スピン流熱電変換素子の構成
図3は、本発明の実施の形態に係るスピン流熱電変換素子を概略的に示している。本実施の形態に係るスピン流熱電変換素子は、スピンゼーベック効果を発現させるために、磁化Mを有する磁性体301と、その上部に配置された起電体層302とを備えている。
磁性体301は、少なくとも一つの面内方向の磁化Mを有している。また、磁性体301は、スピンゼーベック効果を発現する材料で形成される。磁性体301の材料は、強磁性金属であってもよいし、磁性絶縁体であってもよい。強磁性金属としては、NiFe、CoFe、CoFeBなどが挙げられる。磁性絶縁体としては、イットリウム鉄ガーネット(YIG,YFe12)、ビスマス(Bi)をドープしたYIG(Bi:YIG)、ランタン(La)を添加したYIG(LaYFe12)、イットリウムガリウム鉄ガーネット(YFe−xGa12)、組成MFe(Mは金属元素で、Ni、Zn、Coのいずれかを含む)からなるスピネルフェライト材料などが挙げられる。尚、電子による熱伝導を抑えるという観点から言えば、磁性絶縁体を用いることが望ましい。
起電体層302は、磁性体301と磁気的に結合するように形成されている。尚、本明細書では、スピン注入現象が起こりうる状態を「磁気的に結合している」と表現する。このスピン注入現象は、磁性体301と起電体層302とが直接接触している場合、もしくは、それらが直接接触はしていなくてもスピン角運動量が伝達しうる程度に接近している場合に生じる。すなわち、磁性体301と起電体層302との間に、空隙が存在していたり、中間層が挿入されている場合であっても、スピン注入現象が起こり得る場合は、磁気的な結合があると考える。
図3に示されるように、起電体層302は、第1の伝導体層303と第2の伝導体層304とが積層された積層構造を有している。第1の伝導体層303は、磁性体301と第2の伝導体層304との間に位置している。
第1の伝導体層303は、電気伝導性を有している。第1の伝導体層303の材料としては金属材料を用いることができる。また、第1の伝導体層303の厚さは、第1の伝導体層303におけるスピン拡散長以下、またはスピン緩和長以下であることが好ましい。より詳細には、スピン軌道相互作用が大きな材料でなくても良く、さらには、スピン軌道相互作用が小さいか、無い材料が望ましい。例えば、スピン軌道相互作用が小さいためにスピン拡散長(スピン緩和長)が室温で比較的長く、その値が300nm程度であるCuや、400nm程度であるAlなどの金属材料を用いることができる。あるいは、第1の伝導体層303は、合金や、導電性酸化物や、半導体であってもよい。
第2の伝導体層304は、アップスピンSUとダウンスピンSDに対して異なる電気伝導率を有している。第2の伝導体層304には、スピン偏極率の絶対値が0(ゼロ)より大きい値を有する材料を用いることができる。より詳細には、スピン偏極率の絶対値が1である材料が望ましい。ここで、スピン偏極率は、フェルミ面でのアップスピンSUの状態密度をD1、ダウンスピンSDの状態密度をD2とすると、(D1−D2)/(D1+D2)で定義される。例えば、CoMnSi、CoMnAl、SrFe(W0.4Mo0.6)O、La0.7Sr0.3MnO、Fe、CrOなどのハーフメタルや、これら以外の強磁性体などを材料として用いることができる。
2.スピン流熱電変換素子の作用、効果
図3で示されたように、本実施の形態に係るスピン流熱電変換素子は、磁化Mを有する磁性体301と、その上部に配置された起電体層302とを備えている。起電体層302では、第1の伝導体層303と第2の伝導体層304とが積層されている。第2の導電体304には、スピン偏極率が0より大きい材料、すなわち、アップスピンSUに対する電気伝導率がダウンスピンSDに対する電気伝導率よりも大きな材料を用いている。
このような構造の素子に対して磁性体301から起電体層302へ向かって温度勾配を印加した場合、磁性体301には、スピン同士の相互作用を介した熱スピン流が生成する。
更に、磁性体301と第1の伝導体層303との界面では、第1の伝導体層303の伝導電子にスピン角運動量を受け渡す形でスピン注入が生じ、第1の伝導体層303内に純スピン流が生じる。この純スピン流は、磁性体301の磁化Mに平行なアップスピンSUと、反平行なダウンスピンSDが共存するように発生する。そして、図3で示されるように、アップスピンSUは温度勾配に沿って流れ、ダウンスピンSDは温度勾配をさかのぼるように流れる。
アップスピンSUは第1の伝導体層303から第2の伝導体層304に流入する。一方、ダウンスピンSDは第2の伝導体層304から第1の伝導体層303に流入する。この時、第2の伝導体層304内ではアップスピンSUの電気伝導率がダウンスピンSDの電気伝導率より大きいため、アップスピンSUとダウンスピンSDの差に相当する量の伝導電子が、第2の伝導体層304の表面に向かって流れる。ここで、第2の伝導体層304の表面とは、第1の伝導体層303と接している面と対向する表面、言い換えれば図3で上側の表面である。これにより、第2の伝導体層304の表面と第1の伝導体層303との間に起電力が生成される。
起電力の取り出し方法としては、さまざまな方法が可能である。一例として、図4に示されるように、第2の伝導体層304の上に第3の伝導体層305を形成することが挙げられる。第3の伝導体層305と第1の伝導体層303とを、負荷抵抗などを介して電気的に接続して閉回路を構成することで、スピン流熱電変換素子から起電力を取り出すことができる。
以上ではスピン偏極率が正の場合について構成と動作原理を述べたが、スピン偏極率が負の場合にも同様に熱電発電素子を実現できる。具体的には、スピン偏極率が正の場合とは逆向きの起電力を生成できる。
このように、本実施の形態によれば、アップスピンSUとダウンスピンSDに対する電気伝導率が異なる第2の伝導体層304が用いられる。これにより、従来のスピン流熱電変換素子で課題となっていたスピンホール角が大きい起電体を用いることなく、すなわち、逆スピンホール効果の大きな起電体を用いることなく、純スピン流から電流を取り出すことができる。
更に、第2の伝導体層304としてスピン偏極率が大きな材料を用いるほど、第2の伝導体層304内を流れるダウンスピンSDが小さくなる。アップスピンSUとダウンスピンSDの差がより大きくなることで、より大きな量の電流を取り出すことができる。
比較例として、従来のスピン流熱電変換素子の場合、起電体層としてスピンホール角が約1%であるPtを用いると、Pt中の純スピン流から最大で約1%の電流を取り出すことができる。一方、本実施の形態に係るスピン流熱電変換素子の場合、第1の伝導体層303としてスピンホール角がほぼ0%であるCu、第2の伝導体層304としてスピン偏極率が76%であるCo2MnAlを用いると、Cu中の純スピン流から最大で約76%の電流を取り出すことができると見積もられる。
3.具体例
図5を参照して、本実施の形態に係るスピン流熱電変換素子の具体例を説明する。
ここでは、厚さ700μmの結晶性ガドリニウムガリウムガーネット(GGG)ウェハを基板400として、その上にスピン流熱電変換素子を作製している。
磁性体膜401には、ビスマス置換イットリウム鉄ガーネット(Bi:YIG、組成はBiY2Fe5O12)を用いる。Bi:YIG膜は、有機金属分解法(MOD法)により成膜する。溶液は(株)高純度化学研究所製のMOD溶液を用いる。この溶液中では、適切なモル比率(Bi:Y:Fe=1:2:5)からなる金属原材料が、カルボキシル化された状態で酢酸エステル中に3%の濃度で溶解されている。この溶液をスピンコート(回転数1000rpm、30s回転)でGGG基板上に塗布し、150℃のホットプレートで5分間乾燥させた後、500℃で5分間の仮アニールを行い、最後に電気炉中で700℃の高温かつ大気雰囲気下で14時間かけて本アニールさせる。これにより、GGG基板400上に膜厚約65nmの結晶性Bi:YIG膜を形成する。
続いて、起電体層402の第1の伝導体層403として、膜厚10nmのCu膜をスパッタ蒸着する。その後、第2の伝導体層404として、ハーフメタルである、厚さ5nmのCo2MnSi薄膜を同じくスパッタ蒸着する。
最後に、電流を取り出すための第3の伝導体層405として100nmのCu膜を蒸着する。以上により、本実施の形態に係るスピン流熱電変換素子が完成する。
また、図5のスピン流熱電変換素子では、第3の伝導体層405のCu膜と第1の伝導体層403のCu膜とを、負荷抵抗などを介して電気的に接続して閉回路を構成することで、スピン流熱電変換素子から起電力を取り出すことができる。
尚、スピン流熱電変換素子の製造方法は、上記のものに限られない。
例えば、磁性体401の形成方法としては、有機金属分解法(MOD法)の他に、スパッタ法、ゾルゲル法、エアロゾルデポジション法(AD法)、フェライトめっき法、液相エピタキシー法、固相エピタキシー法、気相エピタキシー法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法及び印刷法などのいずれかの方法を用いて成膜する方法が挙げられる。この場合、磁性体401は何らかの支持体上に成膜される。その他の磁性体401の形成方法としては、結晶引き上げ法、線引き炉を用いた磁性絶縁体ファイバや、焼結法、溶融法等を用いて、バルク体を磁性体として用いることが出来る。
第1の伝導体層403、第2の伝導体層404、第3の伝導体層405の形成方法としては、スパッタ法の他に、蒸着法、メッキ法、スクリーン印刷法、インクジェット法、スプレー法及びスピンコート法などのいずれかの方法で成膜する方法が挙げられる。また、ナノコロイド溶液の塗布・焼結(参考:特開平7−188934号公報、特開平9−20980号公報)、などを用いることができる。
以上、本発明の実施の形態が添付の図面を参照することにより説明された。但し、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で当業者により適宜変更され得る。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
面内方向の磁化を有する磁性体と、
前記磁性体と磁気的に結合する起電体層と
を備え、
前記起電体層は、
電気伝導性を有する第1の伝導体層と、
アップスピンとダウンスピンに対して異なる電気伝導率を有する第2の伝導体層と
を備える
スピン流熱電変換素子。
(付記2)
付記1に記載のスピン流熱電変換素子であって、
前記第1の伝導体層及び前記第2の伝導体層は、層状である
スピン流熱電変換素子。
(付記3)
付記2に記載のスピン流熱電変換素子であって、
前記磁性体、前記第1の伝導体層及び前記第2の伝導体層は、この順番で積層されている
スピン流熱電変換素子。
(付記4)
付記3に記載のスピン流熱電変換素子であって、
前記第1の伝導体層の厚さは、前記第1の伝導体層におけるスピン拡散長以下である
スピン流熱電変換素子。
(付記5)
付記3又は4に記載のスピン流熱電変換素子であって、
更に、電気伝導性を有する第3の伝導体層を備え、
前記磁性体、前記第1の伝導体層、前記第2の伝導体層、及び前記第3の伝導体層は、この順に積層されている
スピン流熱電変換素子。
(付記6)
付記1乃至5のいずれか一項に記載のスピン流熱電変換素子であって、
前記第2の伝導体層のスピン偏極率の絶対値は0より大きい
スピン流熱電変換素子。
(付記7)
付記1乃至6のいずれか一項に記載のスピン流熱電変換素子であって、
前記第2の伝導体層は、ハーフメタルもしくは強磁性体のうち少なくとも一つを含有する
スピン流熱電変換素子。
301 磁性体
302 起電体層
303 第1の伝導体層
304 第2の伝導体層
305 第3の伝導体層
400 基板
401 磁性体
402 起電体層
403 第1の伝導体層
404 第2の伝導体層
405 第3の伝導体層
SU アップスピン
SD ダウンスピン

Claims (7)

  1. 面内方向の磁化を有する磁性体と、
    前記磁性体と磁気的に結合する起電体層と
    を備え、
    前記起電体層は、
    電気伝導性を有する第1の伝導体層と、
    アップスピンとダウンスピンに対して異なる電気伝導率を有する第2の伝導体層と
    を備える
    スピン流熱電変換素子。
  2. 請求項1に記載のスピン流熱電変換素子であって、
    前記第1の伝導体層及び前記第2の伝導体層は、層状である
    スピン流熱電変換素子。
  3. 請求項2に記載のスピン流熱電変換素子であって、
    前記磁性体、前記第1の伝導体層及び前記第2の伝導体層は、この順番で積層されている
    スピン流熱電変換素子。
  4. 請求項3に記載のスピン流熱電変換素子であって、
    前記第1の伝導体層の厚さは、前記第1の伝導体層におけるスピン拡散長以下である
    スピン流熱電変換素子。
  5. 請求項3又は4に記載のスピン流熱電変換素子であって、
    更に、電気伝導性を有する第3の伝導体層を備え、
    前記磁性体、前記第1の伝導体層、前記第2の伝導体層、及び前記第3の伝導体層は、この順に積層されている
    スピン流熱電変換素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスピン流熱電変換素子であって、
    前記第2の伝導体層のスピン偏極率の絶対値は0より大きい
    スピン流熱電変換素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスピン流熱電変換素子であって、
    前記第2の伝導体層は、ハーフメタルもしくは強磁性体のうち少なくとも一つを含有する
    スピン流熱電変換素子。
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