JP2014183090A - 透明電極構造、窒化物半導体発光ダイオード、及び透明電極成膜方法 - Google Patents

透明電極構造、窒化物半導体発光ダイオード、及び透明電極成膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光透過率を高めることができ、かつ、GaN層との間のショットキ障壁のエネルギ差を低減することにより、オーミック性を目指す。
【解決手段】GaN層と、GaN層に積層されたNi薄膜と、Ni薄膜に積層された透明導電膜とを備え、Ni薄膜は、厚さが0.5nm〜1.5nmである。このとき、Ni薄膜の堆積速度を透明導電膜の堆積速度よりも遅くする。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明電極構造、窒化物半導体発光ダイオード、及び窒化物半導体発光ダイオードの製造方法に関し、特に、接触抵抗の低減化による性能向上に効果のある透明電極構造、窒化物半導体発光ダイオード、及び透明電極成膜方法に関する。
近年、発光ダイオードは、輝度や、光量の増大が求められており、接触抵抗の低減等を行って発光効率を向上させることが問題となっている。まず、従来の発光ダイオードの構成、特に、非発光部(電極)の構成について説明する。
図13は、特許文献1に記載されているような、従来の窒化物半導体発光ダイオードの切断断面図であり、主要部を説明するための概略図でもある。
窒化物半導体発光ダイオード10Bは、支持基板としてのSi基板11の表面に、バッファ層12、n型クラッド層13、発光層14、及びp型クラッド層15が順次、積層されて構成されている。以下、発光ダイオードを、LED(Light Emitting Diode)素子と称することもある。
LED素子のp型クラッド層15の基板反対側表面上には、Niや、ITO、ZnO(酸化亜鉛)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、IZO(登録商標)(インジウムドープ酸化亜鉛)、TiO(二酸化チタン)等の透明導電膜の透明電極17bが形成され、n型クラッド層13の表面まで掘り込まれた箇所、すなわち、n型クラッド層13の基板反対側表面の発光層14(発光部)から離間した位置に非発光部としてのn型電極19がオーミック接合で形成されている。なお、透明電極17bには、配線用のp型電極18が接触しており、その材料はNi/Auの積層構造である。
窒化物半導体において、窒化ガリウム(GaN:Gallium Nitride)の単結晶基板は、高価であり、また、基板サイズも小さいものしか入手することができない。このため、窒化物半導体発光ダイオードを製造する場合は、通常、支持基板として、他の材質で形成された異種材料基板を用いて、この異種材料基板の表面上に、バッファ層12を積層し、バッファ層12の表面に、GaNなどの窒化物半導体薄膜を成長させるようにしている。ここで、異種材料基板として、シリコン(Si(111))基板11以外に、例えば、シリコンカーバイド(SiC)基板、サファイア基板なども用いられる。
特許文献2は、発光面積を縮小させない構造として、従来のLED構造をフリップチップ化し、基板の裏面から光を取り出す方法が記載されている。しかしながら、この方法は、支持基板には炭化珪素(SiC)やサファイアなどの透明な基板が必要になるが、SiCや、サファイアは、Siに比べると高価であるという欠点がある。
また、透明電極17bは、ITO膜が用いられることが多い。ITO膜とp型クラッド層15との間は、ショットキ接合となり、必要以上に電圧を印加する必要が生じ、効率的な駆動ができず、さらに発熱の原因ともなる。
特開2010−232649号公報 特開2009−049342号公報
ここで、オーミック接触を得るために、不透明、又は半透明な電極を用いることも考えられる。電極材料が不透明な場合、発光層と反対側の面から光を取り出すフリップチップ型の実装が必要になる。しかしながら、透光性のサファイア基板やSiCといったLED形成用の基板は高価であり、コスト面で不利になってしまう。
そこで、電極材料として、透明なITO(酸化インジウム錫)やZnO(酸化亜鉛)などを用いることにより、表面から光を取り出すことが可能になる。これにより、Si基板などの安価なLED形成用基板を用いることが可能となる。
しかしながら、窒化物半導体発光ダイオードを構成するp−GaN層は、真空準位からフェルミ準位までのエネルギが、約7eVと非常に大きく、ITO(Indium Tin Oxide)は、真空準位からの仕事関数が、およそ4.1〜4.7eVと組成や形成条件で変化する不安定な材料である。このため、p−GaN層とITO電極との接合は、ショットキ接合となり、発光層に効率の良い電力供給を行うことができない。
また、図13に記載のp型電極18は、オーミック性を高めるためにNi/Au電極を用いているが、光透過性を欠き、発光素子には向かない。なお、Niの仕事関数は5.2eVであり、Auは5.1eVであり、双方共、高い仕事関数を有している。
そこで、窒化物半導体発光ダイオードに用いる電極構造は、光透過性を向上させ、かつp−GaN層との間のショットキ障壁のエネルギ差を低減し、オーミック性を目指すことが求められる。
この点、ITO膜(透明導電膜)とp−GaN層との間に、仕事関数がITOよりも高いNi膜を介挿することが考えられる。しかしながら、Ni膜は、数nmまで薄くしても光透過率が不十分である。また、成膜条件は、通常の一般的な制限があり、Ni膜をさらに薄くすることに困難が伴う。
そこで、本発明は、光透過率を高めることができ、かつ、GaN層との間のショットキ障壁のエネルギ差を低減することができる透明電極構造、窒化物半導体発光ダイオード、及び透明電極成膜方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の透明電極構造は、GaN層と、該GaN層に積層されたNi薄膜と、該Ni薄膜に積層された透明導電膜とを備え、前記Ni薄膜は、厚さが0.5nm〜1.5nmであることを特徴とする。
また、本発明の透明電極成膜方法は、GaN層と、該GaN層に積層されたNi薄膜と、該Ni薄膜に積層された透明導電膜とを備えた透明電極の透明電極成膜方法であって、前記Ni薄膜は、厚さが0.5nm〜1.5nmであることを特徴とする。
また、前記Ni薄膜は、Niを透明導電膜の膜厚に成膜するときの成膜速度よりも遅い成膜速度で形成されていることを特徴とする。
被成膜素子を載置する回転台は、所定の回転時間(10秒程度)を有しているので、一般的に、その数倍の成膜時間(数十秒)が必要である。一方、蒸着材(又はターゲット)に供給する加熱電力は、均一に成膜する必要性から、成膜面積に合わせて所定電力以上必要であるのが通常である。しかしながら、成膜時間を変えずに、0.5nm〜1.5nmの厚さに成膜するために、強制的に加熱電力を低下させる。
本発明の透明電極構造によれば、Ni薄膜は、厚さが0.5nm〜1.5nmであるので、光透過率が高くなり、かつ、GaN層との間のショットキ障壁のエネルギ差が小さくなる。このため、本発明の窒化物半導体発光ダイオードによれば、発光層で発した光エネルギのうちLEDの外部に取り出せた光エネルギの割合を示す光取り出し効率が高くなる。また、Ni薄膜は、GaN層との間のショットキ障壁のエネルギ差がITO膜よりも小さいので、全電子のうち発光層に注入された電子の割合を示す電子注入効率が向上する。また、外部量子効率は、電子注入効率と内部量子効率と光取り出し効率との乗算である。したがって、本発明の窒化物半導体発光ダイオードによれば、投入する電気エネルギのうち、外部に取り出せる光エネルギの割合である外部量子効率が向上する。
本発明によれば、光透過率を高めることができ、かつ、GaN層との間のショットキ障壁のエネルギ差を低減させることができる。
本発明の一実施形態である窒化物発光ダイオードの断面図である。 pn接合とオーミック接合とを説明するためのバンド図である。 Ni/ITO電極の透過率とNi膜厚との関係を示す図である。 窒化物発光ダイオードの立ち上がり電圧とNi膜厚との関係を示す図である。 窒化物発光ダイオードの製造工程を説明するためのフローチャートである。 LED構造基板の断面図である。 Ni薄膜・ITO膜を堆積する工程を説明するための素子断面図である。 第1のパターニング工程を説明するための素子断面図である。 ドライエッチング工程を説明するための素子断面図である。 第2のパターニング工程を説明するための素子断面図である。 p型電極を堆積する工程を説明するための素子断面図である。 リフトオフ工程を説明するための素子断面図である。 従来構造の窒化物発光ダイオードの断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態の窒化物半導体発光ダイオードの構成図である。
図1において、窒化物半導体発光ダイオード10Aは、支持基板としてのSi基板11の表面にバッファ層12が積層され、バッファ層12の基板反対側表面には、n型クラッド層13が積層され、n型クラッド層13の基板反対側表面の一部領域には、発光層14が積層され、発光層14の基板反対側表面には、p型クラッド層15が積層され、p型クラッド層15の基板反対側表面にはNi薄膜16が積層され、Ni薄膜16の基板反対側表面には透明導電材17が積層され、透明導電材17の基板反対側表面の端部には、p型電極20が積層されている。また、窒化物半導体発光ダイオード10Aは、n型クラッド層13の基板反対側表面の他の領域には、n型電極19が積層されている。
Si基板11は、例えば直径3インチ、厚さ600μmの単結晶シリコンから成り、主面の結晶方位が(111)であることが好ましい。格子定数(単位:10−10m)は、Si(111)基板が3.84であり、GaNが3.18であり、AlNが3.11である。Si(111)基板とAlNとのドメイン不整合は約1%と小さいので、良質なヘテロエピタキシャル成長が可能である。なお、支持基板としては、(0001)面SiC基板、や、(0001)面サファイア基板であっても構わない。
バッファ層12は、例えば、AlGa1−xN(0≦x≦1)なる組成で基板に堆積され、Si基板11とn型クラッド層13との間の格子定数及び熱膨張係数の差分を緩和するために積層される多層膜であり、x=1であるAlNを含む。なお、室温での熱膨張係数(単位:10−6/K)は、シリコンが3.59であり、GaNが5.59であり、AlNが4.15である。室温での熱膨張係数は、GaN>AlNであるが、結晶成長温度(1400K)では、GaNが5.396であり、AlNが6.942であるので、GaN<AlNとなる。
n型クラッド層13は、SiドープしたGaN層であり、n−GaN層という。また、p型クラッド層15は、MgドープしたGaN層であり、p−GaN層という。GaNは、通常、ウルツ鉱型(Wurtzite)結晶構造をとり、六角柱の結晶格子で表現される。
発光層14は、量子井戸層を複数持つ多重量子井戸構造の活性層であり、バルク型よりも明るく鮮やかな発光が可能である。発光層14は、通常は、InGaN井戸層と、GaN又はInGaN障壁層とした多重量子井戸(MQW: Multi Quantum Well)構造とする。なお、量子井戸構造においては、電子やホールが閉じ込められるバンドギャップの小さい材料の層を井戸層と呼び、電子やホールに対して壁の役割をするバンドギャップの大きい材料の層をバリア層と呼ぶ。
n型電極19、及びp型電極20は、Ti/Alが使われる。これらの金属電極は、同一材料が使われることにより、同一工程で堆積することができる。
図2は、pn接合とオーミック接合とを説明するためのバンド図である。
LEDは、pn接合で構成されているが、p型電極がφm1>χ+Eで接続され、n型電極がφm2<χで接続されることによって、p型電極、及びn型電極ともにオーミック接合される。
ここで、φm1は、p型電極材料の真空準位からフェルミ準位Eまでのエネルギであり、φm2は、n型電極材料の真空準位からフェルミ準位Eまでのエネルギであり、χは、真空準位から半導体の伝導帯Eまでのエネルギであり、Eは、半導体の禁制帯のエネルギである。
しかしながら、窒化物半導体発光ダイオードでは、p−GaNに接合させるには高い仕事関数φmを持ったp型電極材料が必要になる。フリップチップ実装を用いない場合では、表面の電極は光透過性が高い材料が必要になる。ITOは、透明導電材料として好適であるが、仕事関数が小さく、物性値も不安定であり、LEDの効率的な発光に問題がある。
ニッケル(Ni)は、仕事関数がおよそ5.2eVと高いので、不安定なITO(4.1〜4.7eV)よりもp−GaNとの間のショットキ障壁のエネルギ差を低減させて、オーミック性を目指すことができる。しかしながら、通常用いるNi/Auといった金属電極では、光が透過しづらくLEDの発光を阻害する。そこで、本実施形態の電極構造は、Ni/ITOの積層膜を用いることにした。
(実験結果)
図3は、Ni/ITO電極の透過率とNi膜厚との関係を示す図であり、ITOを膜厚300nmでサファイア基板上に成膜した場合の、波長460nm、及び530nmのときの関係を示している。なお、横軸は、Ni膜厚[nm]であり、縦軸は、透過率[%]である。
図3において、Niの膜厚を0.5〜2.5nmにすれば、Ni/ITOの光透過率が透明電極として基準となる80%を超え、1.5nmのとき85%を超える。つまり、Ni膜を0.5〜2.5nm(好ましくは、1.5nm)にすることにより、光取り出し効率が向上する。
ITOは、Ni薄膜の種々のプロセスダメージへの耐性を高め、電気伝導性を向上させる効果もある。また、ITOは、膜厚を厚くするとLED表面の面内の電流密度が均一になり、例えば、膜厚300nmにすると不透明金属電極(Au電極)に近いシート抵抗値となる。
ここで、Ni薄膜は、Niを膜厚300nm堆積する場合の通常の成長速度よりも遅く堆積させる必要がある。言い換えれば、膜厚300nmは、透明導電膜ITOの膜厚であるので、Ni薄膜は、Niを透明導電膜の膜厚に成膜するときの成膜速度よりも遅い成膜速度で堆積される。また、Niの膜厚を0.5nm未満にすることは、Ni原子を1原子層レベルで制御することになるため、成膜制御が難しくなる。この結果、0.5nm未満のNi膜厚は、LEDの動作を不安定にさせるので、0.5nm以上の膜厚が好ましい。
図4は、窒化物発光ダイオードの立ち上がり電圧とNi膜厚との関係を示す図である。縦軸は立ち上がり電圧Vf(V)であり、横軸はNi膜厚(nm)である。この立ち上がり電圧Vfは、順方向電流IをI=0.04mAのときの値である。
ITOのみの電極(Ni膜厚=0)とした場合の立ち上がり電圧Vfは、Vf=5Vである一方、Ni膜厚を数nm(好ましくは、0.5nm〜1.5nm、特に、1.0nm〜1.5nm)にすることで、立ち上がり電圧Vfが低減している。つまり、Ni薄膜は、ショットキ障壁のエネルギ差を低減し、LEDを駆動させる際の目安となる立ち上り電圧(順方向電圧)Vfを低減する。
また、ショットキ障壁のエネルギ差の低減は、印加電圧を低減させ、LED駆動時の損失が減少し、発熱を抑制することができる。つまり、Ni薄膜の介挿は、電子注入効率を向上させ、LEDの発光効率を向上させることができる。
図4において、Ni/ITO電極とp型電極として従来用いられていたNi/Au電極(50nm/500nm)とを立ち上り電圧Vfで比較した場合(破線参照)、Ni薄膜の厚さを1.0nm〜1.5nmにすることで、Ni/Auと同等のVfを持つ透明電極の形成が可能となる。
(製造方法)
図5は、窒化物発光ダイオードの製造工程を説明するためのフローチャートである。
窒化物半導体発光ダイオード10Aは、まず、LED構造基板(積層基板)を準備し(S10)、Ni薄膜・ITO膜を堆積し(S12)、レジストで第1のパタ−ニングを行い(S14)、ドライエッチングを行い(S16)、第2のパターニングを行い(S18)、p型電極を堆積し(S20)、リフトオフを行い(S22)、アニールを行う(S24)、ことにより形成される。
(1)まず、図6に示すLED構造基板(積層基板)を準備する。
LED構造基板は、支持基板としての(111)面のSi基板11と、その表面に有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)により積層されたバッファ層12と、その表面にエピタキシャル成長されたn型クラッド層13と、その表面に積層された発光層14と、その表面に1次結晶成長されたp型クラッド層15とから構成されている。
なお、n型クラッド層13は、Siドープされたn−GaN層であり、GaNが、例えば、トリメチルガリウム(TMG)、及びアンモニア(NH)を原料ガスとし、窒素(N)や水素(H)をキャリアガスとして、エピタキシャル成長される。
また、p型クラッド層15は、Mgドープされたp−GaN層であり、p−GaN層は、窒素雰囲気中の熱処理により活性化アニールが行われる。活性化アニールとは、原料ガスのアンモニア(NH)に含まれる水素、又はキャリアガスの水素との結合により不活性化されたMgを、窒素雰囲気中の熱処理により、水素原子を乖離させ、アクセプタを活性化させることである。なお、p型クラッド層15は、p−GaN層だけでなく、さらにAlGaN層が積層されることが多い。
(2)図7は、Ni薄膜・ITO膜を堆積する工程を説明するための素子断面図である。
この工程は、LED構造基板のp型クラッド層15の基板反対側表面にNi薄膜16を厚さが0.5nm〜1.5nmになるまで堆積させ、そのNi薄膜16の基板反対側表面に透明導電材17(ITO)を蒸着又はスパッタで300nm堆積して行われる。
このとき、Ni薄膜16の成膜レートは、Niを膜厚300nmまで成膜させるという通常の成膜レートよりも遅くする。また、サンプルを載置する回転台は、10秒程度で1回転するので、面内分布を均一にするため、成膜時間は、回転時間の数倍(数十秒)必要である。つまり、スパッタは、回転台が1回転する時間(約10秒)で、2原子層〜数原子層の膜厚に制御しようとすると、不均一になる虞があり、回転時間の数倍の成膜時間が必要である。このため、本実施形態では、成膜材料に供給する交流電力を減少させて、成膜レートを遅くする。
例えば、通常の膜厚300nmのNi成膜では、300Wの交流電力を成膜材料に注入して、十数分の成膜時間が必要であるが、本実施形態の膜厚1nmのNi成膜では、ほぼ同じ数十秒の成膜時間をかけて、約20Wの交流電力を成膜材料に注入すればよい。このときのNi成膜レートは、2.54nm/分となる。なお、スパッタは、20W以下で交流電力が不足すると、プラズマが不安定になり、膜厚制御が難しくなる。つまり、本実施形態のスパッタは、成膜材料に注入する交流電力をプラズマが安定になる限界まで制限しつつ、サンプル回転時間の数倍の成膜時間をかけて、2原子層〜数原子層の膜厚に制御している。
(3)図8は、第1のパターニング工程を説明するための素子断面図である。
この工程は、透明導電材17(ITO)を堆積した積層基板の平面を発光領域とn型電極領域とp型電極領域とに分割し、発光領域、及びp型電極領域にレジスト18を塗布する工程である。
(4)図9は、ドライエッチング工程を説明するための素子断面図である。
この工程は、レジスト18が塗布されていない領域(すなわち、n型電極領域)をn型クラッド層13の一部まで除去し、いわゆるMESA構造(Mesa Structure)を形成する工程である。ドライエッチングは、例えば、塩素(Cl)や三塩化ホウ素(BCl)のガスによる誘導結合型反応性イオンエッチング法がある。
(5)図10は、第2のパターニング工程を説明するための素子断面図である。
この工程は、透明導電材17が積層された発光領域、及びn型電極領域の一部にフォトレジストを塗布する工程である。
(6)図11は、p型電極20を堆積する工程を説明するための素子断面図である。
この工程は、p型電極領域、及び塗布されたフォトレジストの表面にTi/Al積層膜を堆積する工程である。
(7)図12は、リフトオフ工程を説明するための素子断面図である。
この工程は、フォトレジスト、及びフォトレジストに堆積されたTi/Alを剥がし、p型電極領域にp型電極20を形成し、n型電極領域の他の領域にn型電極19を形成する工程である。
(8)次に、リフトオフにより電極が形成された発光ダイオードは、RTA(Rapid Thermal Annealing:急速アニール装置)を用いて、450℃〜700℃のN雰囲気で3分間アニールが行われる。なお、このアニール温度は、450℃以上であればよいが、過剰な温度下では電極材料が凝集するので、800℃以下が好ましい。また、ITO成膜時に、例えば、250℃程度で成膜する場合は、アニールが必要ない場合もある。
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記実施形態は、透明導電材17として、ITO膜を用いたが、ITO膜の代わりに、ZnO、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、IZO(登録商標)(インジウムドープ酸化亜鉛)、TiO(二酸化チタン)などであっても、同様の効果が得られる。また、前記実施形態は、LEDの主原料として、GaNを用いたが、GaN以外に、GaAs、InPなどを使用することができる。
(2)前記実施形態は、仕事関数5.2VのNi薄膜16を用いたが、仕事関数5.3Vの白金Ptでもよい。
(3)前記実施形態は、発光ダイオード単体について説明したが、Si基板11に複数の窒化物半導体発光ダイオード10A,10Bを二次元配列して、表示装置とすることができる。
(4)前記実施形態は、本発明の透明電極構造を、窒化物半導体発光ダイオードに適用したが、窒化物半導体発光ダイオード以外のGaNを適用した窒化物半導体素子(例えば、レーザダイオード)にも適用することができる。
10A,10B 窒化物半導体発光ダイオード
11 Si基板
12 バッファ層
13 n型クラッド層
14 発光層
15 p型クラッド層
16 Ni薄膜
17 透明導電材
19 n型電極
20 p型電極

Claims (10)

  1. GaN層と、該GaN層に積層されたNi薄膜と、該Ni薄膜に積層された透明導電膜とを備え、
    前記Ni薄膜は、厚さが0.5nm〜1.5nmであることを特徴とする透明電極構造。
  2. 前記Ni薄膜は、光透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の透明電極構造。
  3. 前記Ni薄膜は、Niを前記透明導電膜の膜厚に成膜するときの成膜速度よりも遅い成膜速度で堆積されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透明電極構造。
  4. 前記透明導電膜は、少なくともIn、Sn、Zn、Al、Gaの何れかを含むITO、AZO、及びGZOの何れか一の透明導電材料を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の透明電極構造。
  5. n−GaN層と発光層とp−GaN層とが積層された窒化物半導体発光ダイオードにおいて、
    前記p−GaN層に積層されたNi薄膜と、該Ni薄膜に積層された透明導電膜とを備え、
    前記Ni薄膜は、厚さが0.5nm〜1.5nmであることを特徴とする窒化物半導体発光ダイオード。
  6. 前記n−GaN層は、Si基板上に積層されていることを特徴とする請求項5に記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  7. 前記Ni薄膜は、Niを前記透明導電膜の膜厚に成膜するときの成膜速度よりも遅い成膜速度で堆積された膜であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  8. 前記透明導電膜は、少なくともIn、Sn、Zn、Al、Gaの何れかを含むITO、AZO、及びGZOの何れか一の透明導電材料を用いることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか一項に記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  9. GaN層と、該GaN層に積層されたNi薄膜と、該Ni薄膜に積層された透明導電膜とを備えた透明電極の透明電極成膜方法であって、
    前記Ni薄膜は、厚さが0.5nm〜1.5nmになるまで、Niを透明導電膜の膜厚に成膜するときの成膜速度よりも遅い成膜速度で堆積されることを特徴とする透明電極成膜方法。
  10. 前記遅い成膜速度は、Niを前記透明導電膜の膜厚に成膜するときの加熱電力よりも少ない加熱電力を蒸着材に供給して実現されることを特徴とする請求項9に記載の透明電極成膜方法。
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