JP2014182351A - 反射スクリーン、映像表示システム - Google Patents

反射スクリーン、映像表示システム Download PDF

Info

Publication number
JP2014182351A
JP2014182351A JP2013058520A JP2013058520A JP2014182351A JP 2014182351 A JP2014182351 A JP 2014182351A JP 2013058520 A JP2013058520 A JP 2013058520A JP 2013058520 A JP2013058520 A JP 2013058520A JP 2014182351 A JP2014182351 A JP 2014182351A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
lens
reflective screen
reflective
screen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013058520A
Other languages
English (en)
Inventor
Rei Hiromitsu
礼 弘光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2013058520A priority Critical patent/JP2014182351A/ja
Publication of JP2014182351A publication Critical patent/JP2014182351A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)

Abstract

【課題】反射層と光学形状層との密着性を向上させ、良好な映像を表示可能な反射スクリーン、映像表示システムを提供する。
【解決手段】反射スクリーン10は、背面側の面に単位レンズ131が複数配列されたフレネルレンズ形状を有するレンズ層13と、フレネルレンズ形状上に形成され、光を反射する反射層12とを備え、レンズ層13は、離型剤としてシリコーン系添加剤を含有し、かつ、リン酸系添加剤を含有しない樹脂組成物により形成されているものとした。
【選択図】図2

Description

本発明は、投射された映像光を反射して、画面に映像を表示する反射スクリーン、映像表示システムに関するものである。
近年、反射型や透過型等の各種スクリーンを備える表示装置や表示システムが、様々な用途で利用され、その光学特性等に関して、様々な開発が行われている。
例えば、反射スクリーンでは、至近距離から比較的大きな入射角度で映像光を投写して大画面表示を実現する短焦点型の映像投射装置(プロジェクタ)等が広く利用されており、このような短焦点型の映像投射装置に対応した反射スクリーンの開発が行われている(例えば、特許文献1〜3)。
このような短焦点型の映像表示装置は、反射スクリーンに対して、上方又は下方から従来の映像源よりも大きな角度で映像光を投射することができ、反射スクリーンを用いた映像表示システムの省スペース化等に寄与している。
特開平5−11348号公報 特開2011−133608号公報 特開2008−76523号公報
上述のような短焦点型に対応した反射スクリーンでは、反射層が、フレネルレンズ形状や複数配列された単位プリズムや微小凹部等の光学形状が形成された樹脂製等の光学形状層の凹凸面上に形成されているものがある。また、このような反射層としては、従来のような白色や銀色のインキ等により形成されるものの他に、例えば、銀やアルミニウム等の金属の蒸着膜や転写箔等の薄膜により形成されるものがある。
ここで、光学形状層を形成する樹脂に対して、各種光学形状を賦形する金型からの離型性を高めるための離型剤や、金属性の反射層の酸化を防止する酸化防止剤等の各種添加剤を添加することが、一般に行われている。このような添加剤の中には、時間が経つにつれて、光学形状層の表面に粉が吹いたように浮き出してくるブリードアウトと呼ばれる現象を生じるものがある。このブリードアウトは、特に、高温高湿環境下で生じやすく、形成時から時間が経つにつれて大きくなる。
光学形状層形成後に、このブリードアウトが生じると、反射層の形成が困難になる場合があり、例えば、反射層を蒸着膜で形成する場合には、蒸着不良等を生じる場合がある。
また、このブリードアウトが、反射層形成後に、光学形状層と反射層との間に生じると、反射層と光学形状層との密着性が低下して反射層が剥離しやすくなり、反射スクリーンの光学性能や品位の低下、映像の劣化等の問題を招く。特に、反射層が蒸着膜等の金属の薄膜で形成されている場合、金属薄膜はインクの塗膜等に比べて薄く、もろいために、ブリードアウトによる影響が著しい。
特許文献1〜3に示される反射スクリーンには、反射層を保護する保護層を設けたものもあるが、上述のようなブリードアウトに起因する反射層の剥離や、これに起因する映像の劣化等への対策に関しては、なんら開示されていない。
本発明の課題は、反射層と光学形状層との密着性を向上させ、良好な映像を表示可能な反射スクリーン、映像表示システムを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、映像源から投射される映像光を反射させて観察可能に表示する反射スクリーンにおいて、背面側の面又は映像源側の面に単位光学要素(131)が複数配列された光学形状を有する光学形状層(13)と、前記光学形状上の少なくとも一部に形成され、光を反射する反射層(12)と、を備え、前記光学形状層は、離型剤としてシリコーン系添加剤を含有し、かつ、リン酸系添加剤を含有しない樹脂組成物により形成されていること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、前記シリコーン系添加剤は、シリコーン系単独重合体とシリコーン系共重合体とを併用すること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、前記シリコーン系添加剤は、前記光学形状層(13)を形成する母材となる樹脂100重量部に対して、0.001〜1.0重量部添加されていること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記光学形状層(13)を形成する母材となる樹脂は、電離放射線硬化型樹脂であること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記光学形状層の形成直後における前記光学形状層(13)の表面での元素分析において、ケイ素Siと炭素Cとの元素比率Si/Cは、0<Si/C<0.07を満たすこと、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記単位光学要素は、レンズ面(132)と非レンズ面(133)とを備え、背面側に凸となる単位レンズ(131)であり、前記光学形状層は、その背面側の面に前記単位レンズが複数配列されたレンズ形状を備えること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の反射スクリーンにおいて、前記レンズ形状は、サーキュラーフレネルレンズ形状であること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の反射スクリーン(10)と、前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示システム(10)である。
本発明によれば、反射層と光学形状層との密着性を向上させ、良好な映像を表示可能な反射スクリーン、映像表示システムを提供することができる。
実施形態の映像表示システム1を説明する図である。 実施形態の反射スクリーン10の層構成を説明する図である。 実施形態のレンズ層13を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
加えて、本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
(実施形態)
図1は、本実施形態の映像表示システム1を説明する図である。図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
映像表示システム1は、反射スクリーン10、映像源LS等を有している。この映像表示システム1は、映像源LSから投影された映像光Lを反射スクリーン10が反射して、その画面上に映像を表示する。本実施形態の映像表示システム1は、フロントプロジェクションテレビシステム等として用いることができる。
映像源LSは、映像光Lを反射スクリーン10へ投射する映像光投射装置である。
本実施形態の映像源LSは、汎用の短焦点型プロジェクタである。この映像源LSは、使用状態において、反射スクリーン10の画面を正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、反射スクリーン10の画面左右方向において中央であって、反射スクリーン10の画面(表示領域)よりも下方側であって観察者側となる位置に配置されている。
映像源LSは、反射スクリーン10のスクリーン面の法線方向(反射スクリーン10の厚み方向)における反射スクリーン10との距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から映像光Lを投射できる。即ち、この映像源LSは、従来の汎用プロジェクタに比べて、反射スクリーン10までの投射距離が短く、その映像光Lの反射スクリーン10に対する入射角度が従来のものに比べて大きい。
なお、スクリーン面とは、この反射スクリーン10全体として見たときにおける、反射スクリーン10の平面方向となる面を示すものとする。本実施形態において、反射スクリーン10のスクリーン面は、反射スクリーン10の画面に平行である。
反射スクリーン10は、映像源LSが投射した映像光Lを観察者O側へ向けて反射し、映像を表示するスクリーンである。使用状態において、本実施形態の反射スクリーン10の画面は、観察者O側から見て、長辺方向が画面左右方向となる略矩形状であるとする。
以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射スクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
反射スクリーン10は、その背面側に、平板状の支持板50が、粘着材等からなる不図示の接合層を介して設けられており、この支持板50により、その平面性を維持している。なお、これに限らず、反射スクリーン10は、不図示の枠部材等によって支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。この支持板50は、剛性が高く、光透過性を有しない平板状の部材である。
この反射スクリーン10は、例えば、対角80インチや100インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。
図2は、本実施形態の反射スクリーン10の層構成を説明する図である。
図2では、反射スクリーン10の画面(表示領域)の幾何学的中心となる点A(図1(a)、(b)参照)を通り、画面上下方向に平行であって、スクリーン面に直交(厚み方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
反射スクリーン10は、その映像源側(観察者側)から順に、表面層15、基材層14、レンズ層13、反射層12、光吸収層11等を備えている。以下に、各層について説明する。
基材層14は、観察者側に、表面層15が一体に形成され、背面側(裏面側)に、レンズ層13が一体に形成されている。この基材層14は、レンズ層13を形成する基材(ベース)となる層である。
基材層14は、光拡散層141と、着色層142とを有し、これらが一体に積層されている。本実施形態では、図2(a)に示すように、光拡散層141が背面側であり、着色層142が観察者側(映像源側)に位置する例を示したが、これに限らず、光拡散層141が観察者側に位置し、着色層142が背面側に位置する形態としてもよい。
光拡散層141は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散材を含有し、光を拡散する作用を有する層である。この光拡散層141は、視野角を広げたり、明るさの面内均一性の向上を図ったりする機能を有する。
光拡散層141の母材となる樹脂としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、アクリル系樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂等を用いることができる。
この光拡散層141の厚さは、反射スクリーン10の画面サイズにもよるが、約150〜3000μm(約0.15〜3mm)とすることが好ましい。
また、拡散材としては、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン系等の樹脂製の粒子や無機粒子等を用いることができ、その平均粒径が約1〜50μmであるものを使用ですることが好ましい。
着色層142は、所定の透過率とするための灰色や黒色等の染料や顔料等の着色材により着色が施された層である。この着色層142は、反射スクリーン10に入射する照明光等の不要な外光や迷光を吸収し、映像のコントラストを向上させる機能を有する。
着色層142は、染料や顔料等を含有するPET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、アクリル系樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂等により形成することが好ましい。また、着色材としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等を用いることができる。
着色層142の厚さは、反射スクリーン10の画面サイズにもよるが、約30〜3000μmとすることが好ましい。
本実施形態の基材層14は、光拡散層141と着色層142とを共押出成形することにより、これらの層が一体に積層されて形成されている。
図3は、本実施形態のレンズ層13を説明する図である。図3(a)は、レンズ層13を背面側正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層12や光吸収層11は省略して示している。図3(b)は、図2に示す断面の一部をさらに拡大して示している。
レンズ層13は、基材層14の背面側に設けられた光透過性を有する層であり、背面側の面に、単位光学要素が複数配列された光学形状層である。本実施形態のレンズ層13は、図3(a)に示すように、背面側の面に、点Cを中心として、単位光学要素である単位レンズ131が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。
本実施形態では、この単位レンズ131が配列されて形成されるサーキュラーフレネルレンズは、反射スクリーン10の画面を正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、その光学的中心であるフレネルセンターのある点Cが、反射スクリーン10の画面左右方向において中央であって、反射スクリーン10の画面(表示領域)の領域外の下方に位置している。
なお、本実施形態では、上述のようにレンズ層13が背面側の面にサーキュラーフレネルレンズを有する例を挙げて説明するが、背面側の面にリニアフレネルレンズを有する形態としてもよい。
単位レンズ131は、図2、図3(b)に示すように、スクリーン面に直交する方向(反射スクリーン10の厚み方向)に平行であって、単位レンズ131の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
この単位レンズ131は、背面側に凸であり、レンズ面132と、このレンズ面132と対向する非レンズ面133とを備えている。反射スクリーン10の使用状態において、レンズ面132は、頂点tを挟んで非レンズ面133よりも鉛直方向上側に位置している。
単位レンズ131において、図3(b)に示すように、レンズ面132がスクリーン面に平行な面となす角度は、αであり、非レンズ面133がスクリーン面に平行な面となす角度は、β(β>α)である。
また、単位レンズ131の配列ピッチは、Pであり、単位レンズ131のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点tから単位レンズ131間の谷底となる点vまでの寸法)は、hである。
理解を容易にするために、図2等では、単位レンズ131の配列ピッチP、角度α,βは、単位レンズ131の配列方向において一定であるように示している。しかし、本実施形態の単位レンズ131は、実際には、配列ピッチP等が一定であるが、角度αが単位レンズ131の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなる形態となっている。
なお、これに限らず、角度α等は、一定としてもよいし、配列ピッチPが、単位レンズ131の配列方向に沿って次第に変化する形態としてもよい。角度α,β、配列ピッチP等は、映像光を投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(反射スクリーン10のスクリーン面への映像光の入射角度)、反射スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
レンズ層13は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂により形成されている。なお、レンズ層13は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
本実施形態のレンズ層13は、例えば、基材層14の一方の面(本実施形態では、光拡散層141側の面)を、紫外線硬化型樹脂が充填されたサーキュラーフレネルレンズ形状を賦形する成形型に押圧し、紫外線を照射して硬化させた後に成形型から離型するといった紫外線成形法等により形成している。
そのため、このレンズ層13を形成する紫外線硬化型樹脂等には、金型からの離型性を向上させるための離型剤等の各種添加剤が配合されている。この添加剤等については、その詳細を後述する。
反射層12は、光を反射する作用を有する層である。この反射層12は、少なくともレンズ面132に形成される。
本実施形態では、反射層12は、図2や図3(b)に示すように、レンズ面132に形成されているが、非レンズ面133には形成されていない形態となっている。
反射層12は、レンズ面132上に、アルミニウムや銀、ニッケル等の金属を蒸着する、スパッタリングする、又は、金属箔を転写する等により形成することが好ましい。また、反射層12は、白色又は銀色系の塗料や、白色又は銀色系の顔料やビーズ等を含有する紫外線硬化型樹脂又は熱硬化性樹脂、銀やアルミニウム等の金属蒸着膜や金属箔等を粉砕した粒子や微小なフレークを含む塗料等を、スプレーコートや、ダイコート、スクリーン印刷、ワイピングによる溝充填等の各種塗布方法により塗布して硬化させることにより形成することも可能である。
本実施形態の反射層12は、アルミニウム等をレンズ面132に蒸着することにより形成されている。
光吸収層11は、レンズ層13及び反射層12の背面側に設けられている。この光吸収層11は、光を吸収する作用を有している。また、光吸収層11は、反射層12の破損や酸化等の劣化、レンズ層13の単位レンズ131の破損等を保護する保護層としての機能を有している。
本実施形態の光吸収層11は、反射層12及び非レンズ面133を被覆しており、非レンズ面133に光吸収層11が形成された形態となっている。
光吸収層11は、黒色等の暗色系の塗料や、黒色等の暗色系の顔料や染料及び光吸収作用を有するビーズ等を含有する熱硬化型樹脂もしくは紫外線硬化型樹脂を、反射層12がレンズ面132に形成されたレンズ層13の背面側(フレネルレンズ形状側)に塗布して硬化させることにより、形成されている。
図2に戻って、表面層15は、反射スクリーン10において観察者側(映像源側)に設けられる層である。本実施形態では、表面層15は、基材層14の観察者側であり、反射スクリーン10において最も観察者側となる位置に設けられている。
表面層15には、反射防止機能や防眩機能、紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能、ハードコート機能、タッチパネル機能等、適宜必要な機能を1つ又は複数選択して設けることができる。
この表面層15は、基材層14とは別層であって不図示の粘着材等により基材層14に接合される形態としてもよいし、基材層14の観察者側の面に、各種機能を有する樹脂等を塗布する等により直接形成される形態としてもよい。
本実施形態の表面層15は、防眩機能とハードコート機能を有している。この表面層15は、観察者側の表面に微細な凹凸形状(マット形状)を有しており、ハードコート機能を有する電離放射線硬化型樹脂等により形成されている。この表面層15の厚さは、約10〜100μm程度とすることができる。
本実施形態の反射スクリーン10へ入射する映像光及び外光の様子を説明する。理解を容易にするために、表面層15、基材層14(着色層142及び光拡散層141の母材)、レンズ層13の屈折率は等しいものとし、映像光L1及び外光G1,G2に対する光拡散層141の光拡散作用等は省略して、図2に示している。
図2に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射スクリーン10の下方から入射し、表面層15及び基材層14を透過してレンズ層13の単位レンズ131へ入射する。
そして、映像光L1は、レンズ面132へ入射して反射層12によって反射され、観察者O側へ向かって反射スクリーン10から出射する。なお、映像光L1が反射スクリーン10の下方から投射されており、かつ、角度β(図3(b)参照)が反射スクリーン10の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面133に直接入射することはなく、非レンズ面133は、映像光L1の反射には影響しない。
一方、照明光等の不要な外光G1,G2は、図2に示すように、主として反射スクリーン10の上方から入射し、表面層15及び基材層14を透過してレンズ層13の単位レンズ131へ入射する。
そして、一部の外光G1は、非レンズ面133へ入射して、光吸収層11によって吸収される。また、一部の外光G2は、レンズ面132で反射して、主として反射スクリーン10の下方側へ向かうので、観察者Oには直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。従って、反射スクリーン10は、外光G1,G2による映像のコントラスト低下を抑制できる。
従って、本実施形態の反射スクリーン10によれば、明室環境下であっても、コントラストが高く明るく良好な映像を表示できる。
ここで、レンズ層13を形成する樹脂に添加される添加剤等に関して説明する。
上述のように、レンズ層13のフレネルレンズ形状は、フレネルレンズ形状を賦形する成形型(例えば、金型)と基材層14との間に、紫外線硬化型樹脂等を充填し、基材層14と成形型とを押圧した状態で紫外線等を照射して樹脂を硬化させ、成形型から離型して形成している。
そのため、レンズ層13を形成する紫外線硬化型樹脂等には、成形型からの離型性を向上させるための離型剤等の添加剤が添加されている。
一般的に、離型剤としては、従来、リン酸エステルやホスホン酸エステル等のリン酸系化合物を含むリン酸系添加剤が用いられている。
これらのリン酸系添加剤に含まれるリン酸系化合物は、レンズ層13形成後、時間が経つにつれて、ブリードアウトを生じ、反射層12とレンズ層13との密着性を低下させ、反射層12の剥離等を生じる。
特に、リン酸エステルは、水分の吸水量が大きく、水分とともにブリードアウトする。また、このブリードアウトは、高温高湿環境下で生じやすく、リン酸系添加剤を使用した場合には、高温高湿環境下で著しく発生する。
そこで、本発明では、離型剤等の各種添加剤として、リン酸エステル等のリン酸系化合物を含むリン酸系添加剤を用いず、離型剤としてシリコーン系添加剤を用いることにより、このようなブリードアウト等を大幅に抑制し、レンズ層13と反射層12との密着性の向上を図っている。
一般に、シリコーン系添加剤は、滑剤等として添加される。しかし、シリコーン系添加剤は、離型剤としての機能も有している。本実施形態のレンズ層13のフレネルレンズ形状は、前述のような形状であるため、一般的なフレネルレンズ形状よりも、角度αが小さい傾向を有しており、そのレンズ高さhも15〜35μm程度である。そのため、本実施形態のレンズ層13のフレネルレンズ形状は、一般的なフレネルレンズ形状に比べて、単位レンズ131による凹凸が浅く、必要とされる離型性が小さいので、シリコーン系添加剤のみであっても十分な離型性を確保できる。
ここで、シリコーン系添加剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロゲンポリシロキサン等の単重合体や、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、フッ素変性ジメチルポリシロキサン共重合体、アミノ変性ジメチルポリシロキサン共重合体等のアルキル基やフェニル基を有するポリオルガノシロキサン類等が挙げられる。
なお、シリコーン系添加剤として、ジメチルポリシロキサン等の単重合体を単体で用いるとブリードアウトを生じやすい傾向があるので、上述のようなシリコーン系共重合体と混合して、使用することが好ましい。
このようなシリコーン系添加剤は、その効果を十分発揮し、かつ、紫外線等による樹脂の硬化を阻害しない範囲の添加量とすることが好ましい。従って、レンズ層13を形成する樹脂100重量部に対して、0.001〜1.0重量部添加することが好ましい。
さらに、レンズ層を形成した直後にレンズ層13の表面を元素分析した場合に、Si(ケイ素)とC(炭素)との元素比率Si/Cが、0<Si/C<0.07を満たすことが好ましい。
ここで、元素比率とは、構成元素の存在比率であり、元素の濃度(Atomic%)である。また、レンズ層13の表面を元素分析しており、元素分析の対象となった組成物は、レンズ層13の表面、即ち、レンズ層13自体の樹脂組成物とその表面にブリードアウトした物質とを含む。炭素Cは、レンズ層13を形成する樹脂組成物(紫外線硬化型樹脂等)の高分子に含まれる炭素に相当する。従って、Si/Cの値が大きいということは、ブリードアウトした成分中に含まれるケイ素Siの割合(即ち、シリコーンの割合)が大きいことを示している。
仮に、Si/C=0であると、即ち、シリコーン系添加剤を添加しないと、成形型からの離型性が著しく低下し、好ましくない。また、Si/C≧0.07であると、シリコーンがブリードアウトしやすくなり、反射層12の剥離等が生じやすくため好ましくない。
レンズ層13を形成する樹脂組成物は、上述の離型剤に加えて、反射層12とレンズ層13との密着性を向上させるために、アミン基又はカルボン酸基を導入したアクリレートモノマーを含有するものとしてもよい。
このアクリレートモノマーは、レンズ層13を形成する樹脂組成物100重量部に対して約0.01〜0.05重量部含有させることが好ましい。このようなアクリレートモノマーの含有量が、上述の範囲よりも少ない場合は、反射層12(特に、金属の蒸着膜等)と、レンズ層13との密着性が低く、上述の範囲よりも多い場合は、成形型からの離型性が悪くなるので好ましくない。
ここで、レンズ層13と反射層12との密着性や、レンズ層13からのブリードアウト等に関して調べた。
(密着性試験)
まず、密着性試験では、離型剤となるリン酸系添加剤の有無や、シリコーン系添加剤の含有量による、所定の条件下におけるレンズ層13と反射層12との密着性を評価した。
この密着性試験では、レンズ層13への添加剤の量等が異なる測定例1〜6の反射スクリーン(表面層15+基材層14+レンズ層13+反射層12+光吸収層11)を用意した。
各測定例の反射スクリーンは、対角100インチ(2214×1245mm)であり、図2に示す本実施形態の反射スクリーン10の層構成と同様に、背面側から光吸収層11、反射層12、レンズ層13、基材層14、表面層15の順で構成されている。
測定例1〜6の反射スクリーンにおいて、共通する各層の構成は、以下の通りである。
光吸収層11:黒色の水性インキ製。背面側の面は、略スクリーン面に平行な平面状。単位レンズ131の頂点tからの厚さ約10μm。
反射層12:レンズ面132に形成。アルミニウムの蒸着膜。厚さ800Å。
レンズ層13:図3に示すようなサーキュラーフレネルレンズ形状あり。紫外線硬化型のエポキシアクリレート樹脂製。
基材層14:
光拡散層141:ポリメタクリルスチレン樹脂性ビーズ(平均粒径10μm)を拡散剤として含有するMBS樹脂製、厚さ1.5mm。
着色層142:ポリメタクリルスチレン(MS)樹脂製、厚さ200μm。透過率60%。着色材として黒色顔料含有。
表面層15:エポキシアクリレート樹脂製。表面に微細凹凸形状有り。厚さ約25μm。
この密着性試験で用いた測定例1〜6の反射スクリーンにおけるレンズ層を形成する樹脂組成物は、以下の通りである。
測定例1では、エポキシアクリレート樹脂100重量部に対して、離型剤として、リン酸系添加剤であるリン酸エステルを添加せず、シリコーン系添加剤(変性シリコーンオイル:X−24−8201、信越化学工業社製)を1.0重量部添加した樹脂組成物により形成されている。
測定例2では、エポキシアクリレート樹脂100重量部に対して、離型剤として、リン酸系添加剤であるリン酸エステルを添加せず、シリコーン系添加剤(X−24−8201)を0.5重量部添加した樹脂組成物により形成されている。
測定例3では、エポキシアクリレート樹脂100重量部に対して、離型剤として、リン酸系添加剤であるリン酸エステルを添加せず、シリコーン系添加剤(X−24−8201)を0.2重量部添加した樹脂組成物により形成されている。
測定例4では、エポキシアクリレート樹脂100重量部に対して、離型剤として、リン酸系添加剤であるリン酸エステルを添加せず、シリコーン系添加剤(X−24−8201)を0.001重量部添加した樹脂組成物により形成されている。
測定例5は、エポキシアクリレート樹脂100重量部に対して、離型剤として、リン酸系添加剤であるリン酸エステルを添加せず、シリコーン系添加剤(X−24−8201)を1.2重量部添加した樹脂組成物により形成されている。
測定例6は、エポキシアクリレート樹脂100重量部に対して、離型剤として、リン酸系添加剤であるリン酸エステルを0.2重量部、シリコーン系添加剤(X−24−8201)を、0.2重量部添加した樹脂により形成されている。
これらの測定例1〜6の反射スクリーンに対して、以下の8つの条件で養生させた後に、さらに温度約25℃、相対湿度約40%の常温環境下に24時間養生させてから、レンズ層13と反射層12の密着性試験を2回ずつ行った。なお、試験には、各反射スクリーンの画面中央部付近から約210mm×300mmのサイズに切り出された試験片を用いた。
条件1:温度60℃、相対湿度30%の環境下に24時間養生後。
条件2:温度60℃、相対湿度30%の環境下に168時間養生後。
条件3:温度60℃、相対湿度30%の環境下に300時間養生後。
条件4:温度60℃、相対湿度30%の環境下に500時間養生後。
条件5:温度60℃、相対湿度90%の環境下に24時間養生後。
条件6:温度60℃、相対湿度90%の環境下に168時間養生後。
条件7:温度60℃、相対湿度90%の環境下に300時間養生後。
条件8:温度60℃、相対湿度90%の環境下に500時間養生後。
密着性試験は、塗膜等の付着性(密着性)を評価するクロスカット法(JISK5600−5−6)に基づいて行った。
この試験では、まず、各測定例の反射スクリーンの背面側の光吸収層11の表面に、碁盤目状の切り込みを、反射層12とレンズ面132との界面にまで入れる。本試験では、碁盤目状の切り込みは、縦5列、横5列の合計25マスの切り込みを形成した。そして、この25マス上に透明粘着テープを貼付し、透明粘着テープを接着面に対して45°手前方向へ引き剥がし、各マスの剥離状態を評価する。
以上の条件等で行った密着性試験の結果を表1に示す。
なお、各測定例の反射スクリーンにおいて、異なる湿度毎に、条件1から順次条件2、条件3、条件4と試験を行い、条件5から順次条件6、条件7、条件8と試験を行い、3マス以上剥離が生じた段階で、試験を終了している。そして、各測定例の反射スクリーンに関して、いずれの条件においても全く剥離が生じなかったものは、密着性が良好であると判定し、1マス以上剥離が生じたものは、密着性が不十分であり、使用に適さないと判定する。
Figure 2014182351
表1に示すように、リン酸系添加剤(リン酸エステル)も離型剤として含有するレンズ層を備える測定例6の反射スクリーンは、2回の試験において、条件1ではいずれも13マスしか残らず、条件5ではいずれも全てのマスが剥離した。なお、測定例6の反射スクリーンでは、条件1,5で大幅に剥離が生じたために、以降の条件2〜4,6〜8では評価試験を行っていない。
一方、リン酸系添加剤(リン酸エステル)を含まないレンズ層を備える測定例1〜5の反射スクリーンでは、測定例6の反射スクリーンに比べて密着性は向上していた。この測定例1〜5の反射スクリーンのうち、シリコーン系添加剤の添加量が好ましい範囲を満たす測定例1〜4では、全ての条件において剥離が生じておらず、大幅に密着性が向上した。しかし、シリコーン系添加剤の添加量が好ましい添加量の範囲よりも多い測定例5の反射スクリーンでは、条件6で2枚の剥離があり、条件7では5枚、4枚の剥離があり、密着性は不十分であった。
以上のことから、離型剤としてリン酸系添加剤(リン酸エステル等のリン酸化合物)を含有しない樹脂組成物によりレンズ層13を形成することにより、レンズ層13と反射層12との密着性を向上させることができる。
また、シリコーン系添加剤の添加量は、レンズ層13を形成する樹脂100重量部に対して、0.001〜1.0重量部であることが、レンズ層13と反射層12との密着性を向上させ、その信頼性を高める観点から好ましい。
(元素分析)
次に、レンズ層13へのシリコーン系添加剤の配合量を変化させた測定例7〜13の反射スクリーン(表面層15+基材層14+レンズ層13)を作成し、所定の時間が経過した時点でのレンズ層13表面における元素分析を行った。
この測定例7〜13は、レンズ層13を形成する樹脂(エポキシアクリレート)に対して添加する離型剤としてのシリコン系添加剤(X−24−8201、信越化学工業社製)の量が異なる以外は、同様の形態であり、表面層15、基材層14は、前述の測定例1〜6と同様である。従って、以下には、エポキシアクリレート100重量部に対するシリコン系添加剤(X−24−8201)の添加量のみを記載する。また、測定例7〜13において、レンズ層13は、離型剤となるリン酸系添加剤(リン酸エステル等のリン酸系化合物)は、含有していない。
測定例7では、レンズ層13を形成する樹脂組成物(エポキシアクリレート)に対して、シリコーン系添加剤は添加していない。
測定例8では、シリコーン系添加剤を0.001重量部添加している。
測定例9では、シリコーン系添加剤を0.1重量部添加している。
測定例10では、シリコーン系添加剤を0.2重量部添加している。
測定例11では、シリコーン系添加剤を0.5重量部添加している。
測定例12では、シリコーン系添加剤を1.0重量部添加している。
測定例13では、シリコーン系添加剤を1.2重量部添加している。
これらの測定例7〜13を、それぞれ、養生前(形成直後に相当)と、温度60℃、湿度90%RHの環境下で所定の時間(72時間、7日)養生させた後に、レンズ層13の表面部分の元素分析を、XRF分析装置(島津製作所株式会社製、蛍光X線分析装置、XRF−1800)により行った。以下に示す表2に、その結果を示す。
Figure 2014182351
一般に、ブリードアウトした物質には、その樹脂への添加剤に含まれる物質も含まれる。ブリードアウトした物質中におけるケイ素Siの割合が大きいと、前述のような蒸着不良や、反射層12の劣化や剥離等が生じやすくなる。
表2に示すように、シリコーン系添加剤を含有していない測定例7では、Siはブリードアウトしていないが、前述のように、離型性が低下するという問題がある。
また、シリコーン系添加剤の添加量が好ましい添加量よりも多い測定例13(前述の表1の測定例5に相当)では、Si/C≧0.07となっており、ブリードアウトした液状の物質の成分中に占めるSiの割合が大きい。そのため、前述のように、蒸着不良や、反射層12の劣化や剥離等が生じやすくなり、このましくない。
これに対して、シリコーン系添加剤の添加量が好ましい添加量を満たしている測定例8〜12(測定例8,10〜12は、前述の表1等の測定例1〜4に相当)では、Siも表面にブリードアウトしているが、0<Si/C<0.07を満たしており、その割合を抑えることができた。従って、反射層12とレンズ層13との密着性を向上させることができ、反射層12の剥離等を大幅に抑制することができる。
以上のことから、レンズ層13を形成する樹脂組成物(エポキシアクリレート)100重量部に対するシリコーン系添加剤の添加量を0.001〜1.0重量部とすることにより、レンズ層13表面にブリードアウトした成分中の元素比率Si/Cが、0<Si/C<0.07を満たし、ブリードアウトした成分中に含まれるケイ素Siによる反射層12の剥離等を抑制できる。
以上のことから、本実施形態によれば、レンズ層13からの添加剤のブリードアウトを大幅に抑制でき、レンズ層13と反射層12との密着性を向上させることができる。また、レンズ層13からの添加剤のブリードアウトを抑制できるので、レンズ層13への蒸着不良等も大幅に抑制できる。従って、反射層12の剥離等が大幅に改善でき、良好な映像を表示できる。
しかも、本実施形態によれば、シリコーン系添加剤が離型剤として機能するので、一般的な離型剤として使用されるリン酸エステル等のリン酸系添加剤を添加しなくとも、十分な離型性を確保することができる。
さらに、本実施形態によれば、使用する離型剤を変更するだけでよく、大幅な設備変更等が不要であり、反射層12とレンズ層13との密着性の高い、信頼性の高い良好な反射スクリーンを安価に提供することができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態において、光学形状層として、その背面側の面に単位レンズ131が複数配列されたフレネルレンズ形状を備えるレンズ層13を示したが、これに限らず、所望する光学性能等に応じて、形成される光学形状を変更してもよい。
例えば、光学形状層は、単位プリズムが複数配列されたプリズム形状等を、その背面側に備えるプリズム層とし、単位プリズムの斜面に反射層が形成される形態としてもよい。
また、光学形状層は、観察者側の面に複数の凹部が形成され、凹部に反射層が形成された形態としてもよく、この場合、光学形状層の観察者側に、反射層を保護する保護層等を設けてもよい。
さらに、光学形状層は、略平板状であり、背面側に微細凹凸形状を有する形態とし、その背面側に反射層が形成される形態としてもよいし、光拡散材を含有する略平板状の部材とし、その背面側の面に反射層が形成される形態としてもよい。
(2)本実施形態において、レンズ層13は、エポキシアクリレート樹脂等の紫外線硬化型樹脂を用いる例を挙げたが、これに限らず、例えば、レンズ層13は、熱可塑樹脂製としてもよい。このときも、押出成形や射出成形時の離型性を良好とする離型剤として、リン酸エステル等のリン酸系添加剤を用いず、シリコーン系添加剤を用いることが好ましい。
(3)本実施形態において、映像表示システム1は、短焦点型のプロジェクタである映像源LSと、この映像源LSから投射された映像光を反射して映像を表示する反射スクリーン10とを備えるものとした。しかし、これに限らず、例えば、映像源LSを、投射距離が長く、映像光の投射角度(即ち、スクリーンへの映像光の入射角度)が小さい従来の汎用プロジェクタとし、反射スクリーン10をその映像源LSに対応する形態としてもよい。
(4)本実施形態において、基材層14は、光拡散層141と着色層142とを共押出成形することによりこれらの層が一体に積層されて形成されている。しかし、これに限らず、例えば、光拡散層141と着色層142とをそれぞれ別々に押出成形し、粘着剤層等により一体に接合して基材層14としてもよい。
また、基材層14を単層とし、拡散材と顔料や染料等の着色材とを共に含有する形態としてもよい。さらに、基材層14は、光拡散層141と着色層142とを備え、着色層142が着色材に加えて拡散材を含有する形態としたり、光拡散層141が拡散材に加えて着色材を含有する形態としたりしてもよい。
(5)本実施形態において、単位レンズ131は、図2等に示す断面形状が略三角形形状である例を示したが、これに限らず、例えば、略台形形状であり、レンズ面と非レンズ面とが、スクリーン面に平行な頂面を挟んで対向する形態としてもよい。このとき、頂面は、映像光の反射に寄与しない領域に形成されることが好ましい。頂面上には、光吸収層を形成してもよいし、反射層を形成してもよい。
また、本実施形態において、単位レンズ131は、図2等に示す断面において、レンズ面132及び非レンズ面133が直線状となる例を示したが、これに限らず、この断面において、例えば、レンズ面132や非レンズ面133の一部が曲線状となっていてもよい。
さらに、本実施形態において、単位レンズ131のレンズ面132及び非レンズ面133は、いずれも1つの面である例を示したが、これに限らず、例えば、少なくとも一方の面が、複数の面から構成される形態としてもよい。
(6)本実施形態において、反射スクリーン10は、非レンズ面133が、光吸収層11で被覆される例を示したが、これに限らず、非レンズ面133上にも反射層12が形成される形態としてもよい。この場合、反射層12は、単位レンズ131間の谷部を充填しその背面側の面が略平面状となるように形成してもよいし、単位レンズ131の凹凸形状に沿って所定の厚さで形成される形態としてもよいし、十分な反射特性を有しているならば、その厚さが均一でなくともよい。
(7)本実施形態において、反射スクリーン10は、その背面側に設けられた支持板50に不図示の粘着材層等を介して接合されており、略平板状である例を示したが、これに限らず、例えば、支持板50を備えず、反射スクリーン10が粘着材層等を介して壁面等に接合される形態としてもよいし、支持板50を裏面に接合した状態で壁面に固定されたり、フック等の支持部材で壁面に吊り下げられる形態等としてもよい。
また、本実施形態において、反射スクリーン10は、使用時及び不使用時には略平板状である例を示したが、これに限らず、不使用時には巻き取って保管できる巻き取り可能な形態としてもよい。このような形態の場合には、支持板50等を設けず、反射スクリーン10の背面側を、光を透過しにくい布製又は樹脂製の遮光幕や耐傷性を向上させる保護層等で被覆する形態とすれば、コントラスト向上や、レンズ層や反射層の破損の防止を図ることができる。
(8)本実施形態において、反射スクリーン10は、背面側から光吸収層11、反射層12、レンズ層13、基材層14(光拡散層141、着色層142)、表面層15の順で構成される例を説明したが、これに限定されない。例えば、反射スクリーン10は、基材層14とレンズ層13との間に、レンズ層13の基材となる透明基材層を設けてもよいし、画面上下方向及び画面左右方向で拡散特性の異なる異方性拡散層等を備えてもよく、所望する光学特性等に合わせて、反射スクリーン10の層構成は適宜変更することができる。
(9)本実施形態において、映像源LSは、鉛直方向において反射スクリーン10より下方に位置し、映像光Lが反射スクリーン10の下方から斜め上に投射される例を示したが、これに限らず、例えば、映像源LSが、鉛直方向において反射スクリーン10より上方に位置し、映像光Lが反射スクリーン10の上方から斜め下に投射される形態としてもよい。このとき、反射スクリーン10は、図2や図3等に示すレンズ層13の上下方向を反転させ、サーキュラーフレネルレンズの光学的中心(フレネルセンター)である点Cが反射スクリーン10の上方に位置する形態とすればよい。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態等によって限定されることはない。
1 映像表示システム
10 反射スクリーン
11 保護層
12 反射層
13 レンズ層
131 単位レンズ
132 レンズ面
133 非レンズ面
14 基材層
141 光拡散層
142 着色層
15 表面層
LS 映像源

Claims (8)

  1. 映像源から投射される映像光を反射させて観察可能に表示する反射スクリーンにおいて、
    背面側の面又は映像源側の面に単位光学要素が複数配列された光学形状を有する光学形状層と、
    前記光学形状上の少なくとも一部に形成され、光を反射する反射層と、
    を備え、
    前記光学形状層は、光透過性を有し、離型剤としてシリコーン系添加剤を含有し、かつ、リン酸系添加剤を含有しない樹脂組成物により形成されていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  2. 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記シリコーン系添加剤は、シリコーン系単独重合体とシリコーン系共重合体とを併用すること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記シリコーン系添加剤は、前記光学形状層を形成する母材となる樹脂100重量部に対して、0.001〜1.0重量部添加されていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記光学形状層を形成する母材となる樹脂は、電離放射線硬化型樹脂であること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記光学形状層の形成直後における前記光学形状層の表面での元素分析において、ケイ素Siと炭素Cとの元素比率Si/Cは、
    0<Si/C<0.07
    を満たすこと、
    を特徴とする反射スクリーン。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記単位光学要素は、レンズ面と非レンズ面とを備え、背面側に凸となる単位レンズであり、
    前記光学形状層は、その背面側の面に前記単位レンズが複数配列されたレンズ形状を備えること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  7. 請求項6に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記レンズ形状は、サーキュラーフレネルレンズ形状であること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
    前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、
    を備える映像表示システム。
JP2013058520A 2013-03-21 2013-03-21 反射スクリーン、映像表示システム Pending JP2014182351A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013058520A JP2014182351A (ja) 2013-03-21 2013-03-21 反射スクリーン、映像表示システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013058520A JP2014182351A (ja) 2013-03-21 2013-03-21 反射スクリーン、映像表示システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014182351A true JP2014182351A (ja) 2014-09-29

Family

ID=51701092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013058520A Pending JP2014182351A (ja) 2013-03-21 2013-03-21 反射スクリーン、映像表示システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014182351A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016084211A1 (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 株式会社有沢製作所 反射型スクリーン

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016084211A1 (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 株式会社有沢製作所 反射型スクリーン
JPWO2016084211A1 (ja) * 2014-11-27 2017-09-07 株式会社有沢製作所 反射型スクリーン
US10444614B2 (en) 2014-11-27 2019-10-15 Arisawa Mfg. Co., Ltd. Reflective screen

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2007004679A1 (ja) リアプロジェクションテレビ用スクリーン
JP2013152288A (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP2013218073A (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP6028829B1 (ja) 反射型スクリーン、映像表示システム
JP2012226047A (ja) 反射スクリーン及び反射スクリーンの製造方法
JP2014071210A (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP2012226103A (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP2015068943A (ja) 反射スクリーン及びその製造方法並びに映像表示システム
JP2013152305A (ja) 反射スクリーンの製造方法、反射スクリーン、映像表示システム
JP6272013B2 (ja) 反射型スクリーン、映像表示システム
JP2013130837A (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP5949355B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP2014182351A (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP6520015B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP2012073363A (ja) 反射スクリーン、反射スクリーン装置、映像表示システム
JP2014199380A (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP2013195914A (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP2016151649A (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP2014199381A (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP6287007B2 (ja) 反射スクリーンおよび反射スクリーンを備えた映像表示システム
JP2015069110A (ja) 反射型スクリーン、映像表示システム
JP2014199379A (ja) 反射スクリーン、映像表示システム、反射スクリーンの製造方法
JP2015069153A (ja) 反射スクリーン及び映像表示システム
JP2015069146A (ja) 反射スクリーン及び映像表示システム
JP2016095401A (ja) 反射スクリーン、映像表示システム