JP2014181669A - 排気浄化装置の故障判定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】NOx触媒の上流側に設けられたNOxセンサの故障判定を行う故障判定システムにおいて、故障判定時の排気中のNOx浄化を好適に行い、外部に放出される排気中のNOx濃度の抑制を図る。
【解決手段】排気通路にNOx触媒を有する内燃機関の排気浄化装置において、故障判定を行う際のNOx触媒に流れ込む排気中のNOx濃度を、該故障判定が行われない場合の該排気中のNOx濃度より増大させた状態で、推定NOx濃度とNOxセンサによって検出されるNOx濃度とに基づいて、該NOxセンサの故障判定を行う。そして、その故障判定が行われているときに還元剤供給部により供給されるアンモニア又はアンモニアの前駆体の量を、NOxセンサにより検出されたNOx濃度、又は故障判定時にNOx濃度推定部により推定される推定NOx濃度の所定割合として設定された故障判定時想定NOx濃度のうち、大きい方のNOx濃度に基づいて決定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置における故障判定システムに関する。
内燃機関から排出される排気に含まれるNOxを、アンモニアを還元剤として使用して浄化する選択還元型NOx触媒(以下、単に「NOx触媒」という。)を有する排気浄化装置が知られている。当該排気浄化装置には、NOx触媒でのアンモニア吸着量がNOx浄化のために適切な状態となるように、NOx触媒の上流側において、排気中に、アンモニア又はアンモニアの前駆体を供給する供給弁等が設置される。このようにNOx触媒を備える内燃機関の排気浄化装置においては、該NOx触媒の上流側と下流側にそれぞれ設けられたNOxセンサからの検出値が、NOx触媒によるNOx浄化制御のために利用される。例えば、上流側のNOxセンサの検出値に基づいて排気中に含まれるNOxを適切に還元浄化するためのアンモニア等の供給量が調整されたり、上流側および下流側のNOxセンサの検出値を利用して、NOx触媒による実際のNOx浄化率が算出されたりする。
ここで、NOx触媒の上流側、下流側に設けられたNOxセンサは、使用とともに高温の排気に晒され続けることで、そのNOx検出機能が低下していく場合があり、好適なNOx浄化のためにはそのようなNOxセンサの機能低下は的確に検出されるのが好ましい。そこで、特許文献1に示すように、NOx触媒の温度が所定の温度以上であって、そこに流れ込む排気量が一定となる条件のときに、NOx濃度を増減させて、NOxセンサの機能低下を検出する技術が開示されている。
特開2009−180150号公報 特開2012−107536号公報 特開2008−2440号公報 特開2011−241737号公報
本願においては、排気通路に上記NOx触媒を備える内燃機関の排気浄化装置において、NOx触媒の上流側に設けられたNOxセンサに着目した。上流側のNOxセンサは、NOx触媒に流れ込む排気に晒され続けるため、排気熱の影響等を受けてその検出性能が低下する場合がある。NOxセンサの性能低下の検出、すなわち該NOxセンサの故障判定に関しては、NOxセンサの検出精度が比較的高い状態で行われるのが、故障判定精度を高める上で好ましい。従来においては、NOx触媒に流れ込む排気、すなわちNOxセンサが晒される排気中のNOx濃度を増大させることでNOxセンサの検出精度を高くした状態を作り出し、その上で故障判定が行われる。
しかし、この故障判定が行われている期間において、故障判定精度を上げるために排気中のNOx濃度が増大されているものの、その際のNOx還元浄化に関する制御については、従来技術では何ら言及されていない。NOx還元浄化が適切に行われなければ、故障判定時において、外部に放出される排気中のNOx濃度が上昇することになり、排気浄化装置として好ましいとは言えない。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、NOx触媒の上流側に設けられたNOxセンサの故障判定を行う故障判定システムにおいて、故障判定時の排気中のNOx浄化を好適に行い、外部に放出される排気中のNOx濃度の抑制を図ることを目的とする。
本発明において、上記課題を解決するために、NOxセンサの故障判定時においては、NOx触媒でのNOx還元浄化に供されるアンモニア等の供給量を、NOxセンサの検出値か、故障判定の際に使用される排気中の推定NOx濃度に関連して想定されるNOx濃度のうち大きな方のNOx濃度に基づいて決定する構成を採用することとした。このような構成を採用することで、NOxセンサの故障判定時におけるNOx触媒によるNOx還元浄化を効果的に実行することが可能となる。
具体的には、本発明は、内燃機関の排気通路に設けられ、アンモニアを還元剤としてNOxを還元浄化する選択還元型NOx触媒と、前記選択還元型NOx触媒よりも上流側で、該選択還元型NOx触媒に流れ込む排気中にアンモニア又はアンモニアの前駆体を供給する還元剤供給部と、前記選択還元型NOx触媒よりも上流側に設けられ、該選択還元型NOx触媒に流れ込む排気中のNOx濃度を検出するNOxセンサと、を有する内燃機関の排気浄化装置において、前記NOxセンサの故障判定を行う故障判定システムである。そして、当該故障判定システムは、前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記選択還元型NOx触媒に流れ込む排気に含まれるNOx濃度を推定するNOx濃度推定部と、前記NOx濃度推定部による推定NOx濃度と前記NOxセンサによって検出されるNOx濃度とに基づいて、該NOxセンサの故障判定を行う故障判定部であって、該故障判定を行う際の前記選択還元型NOx触媒に流れ込む排気中のNOx濃度を、該故障判定が行われない場合の該排気中のNOx濃度より増大させた状態で該故障判定を行う故障判定部と、前記故障判定部によって前記NOxセンサの故障判定が行われているときに前記還元剤供給部により供給されるアンモニア又はアンモニアの前駆体の量を、前記NOxセンサにより検出されたNOx濃度、又は前記故障判定時に前記NOx濃度推定部により推定される前記推定NOx濃度の所定割合として設定された故障判定時想定NOx濃度のうち、大きい方のNOx濃度に基づいて決定する故障判定時供給量決定部と、を備える。
上記排気浄化装置においてはNOx触媒が含まれ、当該NOx触媒は、排気中のアンモニアを吸着し、それを還元剤としてNOxを選択的に還元する。なお、このNOx触媒で消費されるアンモニアは、還元剤供給部によって排気に供給されるアンモニア又はアンモニアの前駆体(例えば、尿素等)である。供給されるこれらのアンモニア等は、水溶液の状態で排気に供給されてもよく、また、気体の状態で排気に供給されてもよい。更に、排気浄化装置においては、NOx触媒の上流側にNOxセンサが設けられ、NOx触媒に流れ込む排気中のNOx濃度が検出される。そこで検出されたNOx濃度は、還元剤供給部によって供給されるアンモニア等の量の決定や、NOx触媒によってNOxが還元浄化された割合(NOx浄化率)の算出等、排気中のNOx浄化に関連する諸処理やそれ以外の目的の処理に利用することができる。
このようにアンモニアを還元剤として利用することで排気中のNOxを還元浄化する排気浄化装置の故障判定システムでは、故障判定部によって、NOx触媒の上流側に設けられたNOxセンサの故障判定が行われる。すなわち、NOx濃度推定部による推定NOx濃度とNOxセンサの検出値に基づいて、当該NOxセンサの故障判定が行われる。NOx濃度推定部は、NOx触媒に流れ込む排気中のNOx濃度を、NOxセンサからは独立した状態で推定するものであり、具体的には、内燃機関の運転状態(内燃機関での吸入空気量や燃料噴射量等)に基づいて、その燃料の燃焼の結果排気中に含まれるNOx濃度が推定される。したがって、NOxセンサの検出値と、NOx濃度推定部による推定NOx
濃度との相関、例えば、NOxセンサの検出値と推定NOx濃度との乖離の程度等に基づいて、NOxセンサの故障判定を行うことができる。また、当該NOxセンサの故障判定は、NOx触媒に流れ込む排気中のNOx濃度を、当該判定が行われていない場合と比べて増大させた状態で行われる。排気中のNOx濃度が比較的高い状態ではNOxセンサの検出精度が高くなるため、結果として、NOxセンサの故障判定の精度を高めることができる。
本発明に係る排気浄化装置の故障判定システムにおいては、このように故障判定部によりNOxセンサの故障判定が行われる際にはNOx触媒に流れ込む排気中のNOx濃度が比較的高められることを踏まえて、その際のNOxの還元浄化に還元剤供給部により供されるアンモニア等の量は、NOxセンサの検出値と、故障判定時想定NOx濃度のうち大きい方のNOx濃度に基づいて故障判定時供給量決定部によって決定される。この故障判定時想定NOx濃度は、NOxセンサの故障判定を行う際にNOx触媒に流れ込む排気中の想定され得るNOx濃度であり、NOxセンサとは独立して排気中のNOx濃度を推定するNOx濃度推定部による推定NOx濃度の所定割合の値である。なお、当該所定割合は、上述したように故障判定時にNOx濃度が増大されることを考慮し、故障判定時の内燃機関の運転状態等を踏まえて適宜設定することができる。
このように、NOxセンサの故障判定時においては、NOxセンサの検出値と、NOxセンサとは独立してNOx濃度を推定するNOx濃度推定部による推定NOx濃度に関連して設定される故障判定時想定NOx濃度のうち大きい方のNOx濃度に基づいて、アンモニア等の供給量が決定される。この結果、いわばNOxセンサが故障状態にあるか否かが確定しない期間、すなわち故障判定部による故障判定が行われている期間においては、互いに独立した経路を経て取得されるNOx濃度のうち大きな方に基づいてアンモニア等の供給量が決定されることになり、以て、NOx触媒によるNOx浄化還元をより効果的に行うことができ、外部に放出される排気中のNOx濃度の抑制を図ることができる。
ここで、上記の排気浄化装置の故障判定システムにおいて、前記故障判定部は、前記NOxセンサによって検出されたNOx濃度が、前記NOx濃度推定部による推定NOx濃度より低い故障判定閾値を下回ったときに、前記NOxセンサが故障状態にあると判定するものであって、そして、前記故障判定時想定NOx濃度は、前記故障判定閾値に対応するNOx濃度と前記推定NOx濃度との間に設定されてもよい。すなわち、NOxセンサの検出値が故障判定閾値を下回ることで、当該検出値とNOx濃度推定部による推定NOx濃度との乖離の程度が大きくなったことをもって、故障判定部はNOxセンサが故障状態にあることを判定するものである。このとき、故障判定時想定NOx濃度が、故障判定閾値に対応するNOx濃度と推定NOx濃度との間に設定されることで、NOxセンサの検出値とは独立したNOx濃度として、且つNOxセンサが仮に故障状態にあったときに可及的に適切な量のアンモニア等が供給できるようにするためのNOx濃度としての意味を、当該故障判定時想定NOx濃度が有することとなる。
また、上述までの排気浄化装置の故障判定システムにおいて、前記故障判定部による前記NOxセンサの故障判定は、前記選択還元型NOx触媒が活性状態にあって、且つ該選択還元型NOx触媒に流れ込む排気量が所定量以下の状態にある場合に行われてもよい。NOx触媒がこのように活性状態且つ低排気流量状態に置かれるときは、NOx触媒によるNOxの還元浄化が比較的効率的に行われ得る。したがって、NOxセンサの故障判定のための故障判定部によるNOx増大に起因したエミッションの悪化を可及的に抑制することが可能となる。
本発明によれば、NOx触媒の上流側に設けられたNOxセンサの故障判定を行う故障
判定システムにおいて、故障判定時の排気中のNOx浄化を好適に行い、外部に放出される排気中のNOx濃度を抑制する。
本発明に係る排気浄化装置の故障判定システムの概略構成を示す図である。 本発明に係る排気浄化装置の故障判定システムにおいて実行される、NOxセンサ故障判定制御に関するフローチャートである。 図2に示すNOxセンサ故障判定制御に関し、尿素水の供給量を決定するためのNOx濃度に関する諸パラメータの関係を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の故障判定システムの実施例について、本願明細書に添付された図に基づいて説明する。図1は、本実施例に係る内燃機関の排気系および一部の吸気系の概略構成を示す図である。内燃機関1は車両駆動用のディーゼルエンジンである。ただし、本発明に係る内燃機関は、ディーゼルエンジンに限られるものではなく、ガソリンエンジン等であってもよい。
内燃機関1には吸気通路15および排気通路2が接続されている。吸気通路15には、エアフローメータ16及びスロットル弁17が設けられている。エアフローメータ16は内燃機関1の吸入空気量を検知する。スロットル弁17は内燃機関1の吸入空気量を調整する。
また、排気通路2には、排気中のNOxをアンモニアを還元剤として選択還元する選択還元型NOx触媒(以下、単に「NOx触媒」という)4が設けられている。そして、NOx触媒4において還元剤として作用するアンモニアを生成するために、尿素タンク8に貯留されている、アンモニアの前駆体である尿素水が、NOx触媒4の上流側に位置する供給弁7によって排気中に供給される。供給弁7から供給された尿素水が排気の熱で加水分解されて、アンモニアが生成され、当該アンモニアがNOx触媒4に吸着することで、アンモニアと排気中のNOxとの還元反応が生じ、NOxの浄化が行われる。本実施例では、上記の通り供給弁7から尿素水が供給されるが、それに代えて、アンモニア又はアンモニア水を直接排気に供給してもよい。
NOx触媒4の下流側に、NOx触媒4からスリップしてくるアンモニアを酸化するための酸化触媒(以下、「ASC触媒」)5が設けられている。また、ASC触媒5は、酸化触媒と、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを還元する選択還元型触媒とを組み合わせることで構成された触媒であってもよい。この場合、例えば、酸化アルミニウム(Al)やゼオライト等を材料とする担体に白金(Pt)等の貴金属を担持させることで酸化触媒を形成し、ゼオライトを材料とする担体に銅(Cu)や鉄(Fe)等の卑金属を担持させることで選択還元型触媒を形成してもよい。ASC触媒5をこのような構成の触媒とすることで、排気中のHC、CO、及びアンモニアを酸化させることができ、さらに、アンモニアの一部を酸化させることでNOxを生成すると共に該生成されたNOxを、余剰のアンモニアで還元することもできる。
更に、NOx触媒4および供給弁7の上流側に、酸化機能を有する酸化触媒3が設けられている。そして、酸化触媒3に流れ込む排気を介して酸化触媒3に内燃機関1の燃料を
供給可能な燃料供給弁6が、当該酸化触媒3の上流側に配置されている。燃料供給弁6から排気に供給された燃料は、酸化触媒3により酸化され、下流に位置するNOx触媒4に流れ込む排気の温度を昇温させ得る。
さらに、酸化触媒3の下流側には、酸化触媒3から流れ出る排気の温度を検出する温度センサ9が設けられ、NOx触媒4の上流側には、NOx触媒4に流れ込む排気中のNOxを検出するNOxセンサ10が設けられ、NOx触媒4の下流側には、NOx触媒4から流れ出る排気中のNOxを検出するNOxセンサ11と、その排気温度を検出する温度センサ12が設けられている。そして、内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)20が併設されており、該ECU20は内燃機関1の運転状態や排気浄化装置等を制御するユニットである。ECU20には、上述した温度センサ9、12、NOxセンサ10、11の他、エアフローメータ16、クランクポジションセンサ21及びアクセル開度センサ22が電気的に接続され、各センサの検出値がECU20に渡される。したがって、ECU20は、エアフローメータの検出値に基づく吸入空気量や、クランクポジションセンサ21の検出に基づく機関回転数や、アクセル開度センサ22の検出に基づく機関負荷等の内燃機関1の運転状態を把握可能である。
なお、本実施例では、NOx触媒4に流れ込む排気中のNOx濃度はNOxセンサ10によって検出可能である。また、後述するように、所定の目的のために、内燃機関1から排出される排気(NOx触媒4に浄化される前の排気であり、すなわちNOx触媒4に流れ込む排気)に含まれるNOx濃度は、内燃機関の運転状態と関連性を有することから、上記内燃機関1の運転状態、例えば、エアフローメータ16によって検出される吸入空気量や内燃機関1での燃料噴射量等に基づいて推定もされる。また、ECU20は、温度センサ9もしくは酸化触媒3の上流側に設けられた温度センサ(図示せず)によって検出される排気温度に基づいて、酸化触媒3の温度を推定することが可能である。更に、温度センサ12もしくはNOx触媒4の上流側に設けられた温度センサ(図示せず)によって検出される排気温度に基づいて、NOx触媒4およびASC触媒5の温度を推定することが可能である。
そして、内燃機関1が通常の運転状態にある場合、すなわち、後述するNOxセンサ10の故障判定のための制御実行時以外の場合には、このようにNOxセンサ10によって検出される排気中のNOx濃度に応じて、ECU20は供給弁7に指示を出し、NOxの還元浄化に必要な量の尿素水が排気中に供給される。詳細には、以下の式1で決定されるNOx触媒4によるNOx浄化率が、所定の範囲(例えば、エミッションにおけるNOx濃度が既定の規制値以下となる浄化率の範囲)に収まるように、供給弁7からの尿素水供給が制御される。
NOx浄化率 = 1−(NOxセンサ11の検出値)/(NOxセンサ10の検出値) ・・・(式1)
なお、NOx触媒4が活性された状態にない場合には、供給された尿素水を用いてのNOx浄化を効果的に行えないことから、供給弁7からの尿素水供給は、推定されるNOx触媒4の温度が、該触媒が活性状態にある所定温度以上となっている場合に行われる。
また、排気通路2における燃料供給弁6よりも上流側には、EGR通路13の一端が接続されている。EGR通路13の他端は、吸気通路15におけるスロットル弁17よりも下流側に接続されている。また、EGR通路13にはEGR弁14が設けられている。このような構成により、内燃機関1から排出された排気の一部がEGRガスとしてEGR通路13を通して吸気通路15に導入される。これにより、EGRガスが内燃機関1に供給され、内燃機関1での燃焼温度等の制御を介して排気中のNOx量の抑制等が図られる。なお、EGR通路13を通して吸気通路15に導入されるEGRガス量は、ECU20に電気的に接続されたEGR弁14によって調整される。
このように構成される内燃機関1の排気浄化装置において、NOxセンサ10はNOx触媒4によるNOxの還元浄化に必要な排気中のNOx濃度を検出するためのデバイスであるが、NOx触媒4に流れ込む排気に晒されるため、その検出性能が低下し故障状態に至る場合がある。上記の通り、NOxセンサ10はNOxの還元浄化に用いられるデバイスであることから、NOxセンサ10の故障状態は適切に検出されるのが好ましい。そこで、本実施例では、ECU20が、図2に示すNOxセンサ10の故障判定制御を実行することで、NOxセンサ10の故障状態を適切に判定するとともに、当該故障判定時に生じ得るエミッションの悪化を抑制することが図られる。当該制御は、ECU20に格納された制御プログラムが実行することで、行われる。
先ず、S101では、NOxセンサ10の故障判定を実行するための条件(以下、「故障判定条件」という)が成立しているか否かが判定される。本実施例においては、後述するようにNOxセンサ10の故障判定に際して、排気中のNOx濃度を、故障判定が行われていない場合と比べて増大する処理が行われる。そこで、このようにNOx濃度の増大に起因してエミッションが悪化、すなわち排気浄化装置の外部に放出される排気中のNOx濃度が増えることを回避するために、故障判定時におけるNOx触媒4によるNOx浄化能力が可及的に高く維持されるよう、当該NOx触媒4の状態に関連する故障判定条件を設定する。
具体的には、NOx触媒4が活性状態にあり、且つNOx触媒4に流れ込む排気流量が低排気流量状態にあるときに、NOx触媒4によるNOx浄化率を比較的高く維持することができるとして、上記故障判定条件が成立していると判断することができる。なお、NOx触媒4の活性状態については、NOx触媒4の温度が、例えば200℃以上になっていることをもって活性状態に至っていることを判断できる。また、上記低排気流量状態については、吸入空気量と排気流量との関連性から、エアフローメータ16による検出流量が所定量、例えば10g/s以下である場合に、低排気流量状態に至っていることを判断できる。S101の処理が終了すると、S102へ進む。
S102では、内燃機関1においてEGR通路13を介して行われているEGRガスの供給が中止される。内燃機関1においては、通常の運転状態、すなわち、本制御が行われていない場合での運転状態では、燃焼後の排気中のNOx濃度を抑制するためにEGRガスが供給されている。具体的には、内燃機関1での燃料噴射量や機関回転数に基づいて、NOx抑制に好適な量のEGRガスが、EGR弁14の開度が調整されることで再循環されている。しかし、本実施例に係るNOxセンサ10の故障判定においては、以下の2つの理由で、S102におけるEGR供給の中止が行われる。
第一に、故障判定の際に用いられるNOx触媒4に流れ込む排気中のNOx濃度の推定値について、EGRガスの供給が行われていると、当該供給が行われていない場合と比べてNOx濃度の推定精度が低下する。NOx濃度の推定は、エアフローメータ16により検出される吸入空気量や内燃機関1での燃料噴射量、温度センサ9により検出される排気温度等に基づいて推定されるが、EGRガスの供給量が多いほど、EGRガスの脈動や排気熱により、各センサの検出精度が悪くなり、結果としてNOx濃度の推定精度が悪化する可能性がある。このような観点から、NOxセンサ10の故障判定を的確に行えるように、S102ではEGRガスの供給が中止される。
第二に、NOxセンサ10の検出特性として、排気中のNOx濃度が比較的低い場合には検出精度が低下する傾向がある。そこで、NOxセンサ10の故障判定を的確に行うために、S102でEGRガスの供給を中止することで、内燃機関1から排出される排気中のNOx濃度を上昇させる。
S102の処理が終了すると、S103へ進む
S103では、NOxセンサ10の故障判定が行われる。S101およびS102の処理を経ることにより、当該故障判定は、NOx触媒4がエミッション悪化を回避し得る状態で、比較的高精度にて行い得るものである。ここで、NOxセンサ10の具体的な故障判定処理について、図3に基づいて説明する。当該故障判定は、ECU20によって推定される、NOx触媒4に流れ込む排気中のNOx濃度(以下、「推定NOx濃度」という)D3と、NOxセンサ10により検出されるNOx濃度(以下、「検出NOx濃度」という)D1とを比較することで行われる。推定NOx濃度D3は、上記の通り、エアフローメータ16により検出される吸入空気量や内燃機関1での燃料噴射量、温度センサ9により検出される排気温度等に基づいて、事前の実験等で測定されたこれらのパラメータとNOx濃度との相関を示す、ECU20に格納された制御マップを利用して推定される。一方で、検出NOx濃度D1は、NOxセンサ10が故障していない限りにおいては、実際にNOx触媒4に流れ込む排気中のNOx濃度を示すものであるが、NOxセンサ10の検出性能が低下していくと、実際のNOx濃度との乖離程度が大きくなってくる可能性を有している。
そこで、本実施例では、推定NOx濃度D3に対して所定割合k(k<1)に設定されている故障判定閾値を、検出NOx濃度D1が下回ったときに、NOxセンサ10が故障状態にあると判定される。なお、この所定割合kは、排気のNOx濃度に関する規制値や、基準となる推定NOx濃度D3の推定精度等を踏まえ、許容し得るNOxセンサ10の検出のばらつきを考慮した上で決定するのが好ましい。本実施例では、図3に示すようにk=0.55に設定している。
なお、S103では、上述したNOxセンサ10の故障判定が実行されるが、その実行開始とともにS104以降の処理が並列に行われる。すなわち、後述するS108で当該故障判定が終了したと判定されるまで、S104〜S107の処理が繰り返されることになる。
次に、S104では、検出NOx濃度D1が、想定NOx濃度D2より大きいか否かが判定される。当該想定NOx濃度D2は、NOxセンサ10の故障判定を行う際にNOx触媒4に流れ込む排気中の想定され得るNOx濃度であり、換言すれば、故障判定中においてNOx触媒4により還元浄化すべきNOx濃度として想定される値である。そして、想定NOx濃度D2は、NOxセンサ10の検出値とは独立して、上述したECU20により推定される推定NOx濃度に基づいて設定される。このように想定NOx濃度D2が設定されることで、仮にNOxセンサ10が実際には故障状態にありながら、故障判定処理においてNOxセンサ10が故障状態にあると最終的に判定されていない場合でも、故障判定時の排気中のNOx濃度に可及的に適合させて、NOx還元浄化のための尿素水の供給を実現することが可能となる。
具体的には、S104で肯定判定されると、検出NOx濃度D1の方が想定NOx濃度D2より大きいことから、S105で、検出NOx濃度D1の値に基づいて、供給弁7からの尿素水の供給量が決定される。一方で、S104で否定判定されると、検出NOx濃度D1の方が想定NOx濃度D2より大きくないことから、S106で、想定NOx濃度D2の値に基づいて、供給弁7からの尿素水の供給量が決定される。このように、検出NOx濃度D1と想定NOx濃度D2のうち何れか大きい方のNOx濃度に基づいて、故障判定時の尿素水の供給量を決定することで、その際の排気に含まれるNOxを可及的に適切に還元浄化することが可能となる。
なお、本実施例では、図3に示すように想定NOx濃度D2は、故障判定閾値と推定NOx濃度D3との概ね中央に位置する値、すなわち推定NOx濃度D3の0.75倍の値として設定されている。そこで、図3に示すケース1の場合、検出NOx濃度D1が想定
NOx濃度D2より低いことから、S106の処理によって、想定NOx濃度D2に基づいて尿素水の供給量が決定される。なお、このとき、検出NOx濃度D1は故障判定閾値を越えているため、NOxセンサ10自体は故障状態にはない。一方で、図3に示すケース2の場合、検出NOx濃度D1が想定NOx濃度D2より大きいことから、S105の処理によって、検出NOx濃度D1に基づいて尿素水の供給量が決定される。なお、このときも、検出NOx濃度D1は故障判定閾値を越えているため、NOxセンサ10自体は故障状態にはない。S105の処理又はS106の処理が行われると、S107へ進む。
S107では、S105又はS106の処理において決定された尿素水の供給量に従い、供給弁7からの尿素水の供給が実行される。そして、S108では、NOxセンサ10の故障判定処理の終了タイミングか否かが判定される。S108で肯定判定されると、S109へ進み、否定判定されると再度S104以降の処理が繰り返される。また、S109では、NOxセンサ10の故障判定が終了したことをもって、通常の尿素水供給が行われる。具体的には、仮にNOxセンサ10が故障状態でない場合には、NOxセンサ10の検出値に基づいた尿素水供給量の決定が行われる。一方で、NOxセンサ10が故障している場合には、好ましくはNOxセンサ10の利用を停止し、例えば、当該時点における推定NOx濃度D3の値に基づいて尿素水供給量を決定すればよい。
本制御によれば、NOx触媒4がNOx浄化に適した状態において、NOxセンサ10の故障判定が行われる。そのため、故障判定時のエミッション悪化を回避し得る。また、故障判定時における尿素水の供給量が、検出NOx濃度D1と想定NOx濃度D2の相関に基づいて決定されることから、可及的に実際のNOx濃度に適合された量の尿素水を供給することができ、これにより更に故障判定時のエミッション悪化を回避し得る。なお、図2に示すNOxセンサ故障判定制御においては、エミッション悪化の回避をより適切に行い得るようS101の判定において肯定判定が行われた後に、S102以降の処理が行われている。しかし、この形態に代えて、S101の判定処理を省略してS102以降の処理を行ってもよく、また、S101の判定処理において、NOx触媒4の活性状態の判断、およびNOx触媒4に流れ込む排気に関する低排気流量状態の判断の何れかを行った後にS102以降の処理を行うようにしてもよい。
1 内燃機関
2 排気通路
3 酸化触媒
4 選択還元型NOx触媒(NOx触媒)
5 ASC触媒
6 燃料供給弁
7 供給弁
9、12 温度センサ
10、11 NOxセンサ
13 EGR通路
14 EGR弁
15 吸気通路
16 エアフローメータ
20 ECU
21 クランクポジションセンサ
22 アクセル開度センサ

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、アンモニアを還元剤としてNOxを還元浄化する選択還元型NOx触媒と、
    前記選択還元型NOx触媒よりも上流側で、該選択還元型NOx触媒に流れ込む排気中にアンモニア又はアンモニアの前駆体を供給する還元剤供給部と、
    前記選択還元型NOx触媒よりも上流側に設けられ、該選択還元型NOx触媒に流れ込む排気中のNOx濃度を検出するNOxセンサと、
    を有する内燃機関の排気浄化装置において、前記NOxセンサの故障判定を行う故障判定システムであって、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記選択還元型NOx触媒に流れ込む排気に含まれるNOx濃度を推定するNOx濃度推定部と、
    前記NOx濃度推定部による推定NOx濃度と前記NOxセンサによって検出されるNOx濃度とに基づいて、該NOxセンサの故障判定を行う故障判定部であって、該故障判定を行う際の前記選択還元型NOx触媒に流れ込む排気中のNOx濃度を、該故障判定が行われない場合の該排気中のNOx濃度より増大させた状態で該故障判定を行う故障判定部と、
    前記故障判定部によって前記NOxセンサの故障判定が行われているときに前記還元剤供給部により供給されるアンモニア又はアンモニアの前駆体の量を、前記NOxセンサにより検出されたNOx濃度、又は前記故障判定時に前記NOx濃度推定部により推定される前記推定NOx濃度の所定割合として設定された故障判定時想定NOx濃度のうち、大きい方のNOx濃度に基づいて決定する故障判定時供給量決定部と、
    を備える、排気浄化装置の故障判定システム。
  2. 前記故障判定部は、前記NOxセンサによって検出されたNOx濃度が、前記NOx濃度推定部による推定NOx濃度より低い故障判定閾値を下回ったときに、前記NOxセンサが故障状態にあると判定するものであって、
    前記故障判定時想定NOx濃度は、前記故障判定閾値に対応するNOx濃度と前記推定NOx濃度との間に設定される、
    請求項1に記載の排気浄化装置の故障判定システム。
  3. 前記故障判定部による前記NOxセンサの故障判定は、前記選択還元型NOx触媒が活性状態にあって、且つ該選択還元型NOx触媒に流れ込む排気量が所定量以下の状態にある場合に行われる、
    請求項1又は請求項2に記載の排気浄化装置の故障判定システム。
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