JP2014181054A - 容積可変密閉容器蓋 - Google Patents

Abstract

【課題】
内容物の量に合わせて容積を変化させ、少ない部品数と単純な動作で容易に密閉する
事を可能とする。
【解決手段】
外からの力によって変形する蓋を容器内で移動し内容物に寄せ、力を変化させる事で
シール材を容器の断面積より大きくして容器内を容易に密閉する事が可能な容積可変の
密閉蓋を使用する。
【選択図】図１

Description

本発明は、極力空気に触れさせたくない物質を内容物の量に合わせて必要な容量分を
容易に密閉する事ができる容器に使用する蓋に関するものである。

密閉容器とは、外気と内容物の接触を遮断し、内容物の損失を防ぐ容器である。
一般に使われている密閉容器には、容器上部に弾力のあるシール材の付いた蓋を金具
で押さえつけるタイプ、シール材が蓋の径より大きくなっていて上から押し付ける事に
よって内壁と密着するタイプ、蓋を回転させて捻じ込むタイプが主に利用されている。
シール材には弾力があり、力が加わる事によって容器の端や内壁と密着し外気を遮断
する。
内容物が外気に触れ続けない事によって酸化、吸湿しにくくなり、内容物が外部へ損
失される事を防いでいる。

内容物の量に合わせて容積を変化させる容器として蓋に特徴がある一つは特許文献１
である。
内壁とシール剤を密着させたまま外縁部をガイドとして移動する事によって容積を可
変させる事を可能にしている。
しかしこの方法では、内壁に付着した小さな内容物が粉末状である場合はシール剤と
内壁の間に粒子が入り込み、蓋の移動時の抵抗になると同時に密閉性も低くなる。
シール材と内壁の密着度が高くなるにつれて抵抗も大きくなる為、サイズによっては
大きな力を使わなければならない事がある。

特許文献２は外周のシール材に押し付けノブで力が加わらない状態で空気抜き弁から
内部の空気を逃がしながら内容物に近付け、押し付けノブを操作する事によって密閉す
る事ができる。
どちらも部品数が多くなり、安価に製造し組み付ける事が難しい。

特開２００２−０８７４５３号

特開２０１１−２１３３５７号

本発明の容積可変の容器は機構が単純な為に少ない部品数で量産する事ができ、蓋の
移動に抵抗は無いので煩わしさがなく、密閉から開封、密閉のサイクルが簡単な操作で
確実に行う事ができる、という複数の課題を解決する。

本発明の可動する密閉蓋には容器の断面よりも大きなシール材が組まれている。
蓋の中心軸に外部から力を加え、底に力が伝わる事で弾力のあるシール材を引き伸ば
すように変形させる事で容器の断面より小さくなる。

外部から力を加えた状態では内壁とシール材が密着しない為、蓋の移動に発生する抵
抗は壁面に擦れる程しかない。

脱力する事によって蓋の変形が解かれ、シール材は容器の断面より大きく戻ろうとす
る為に内壁へ密着し、任意の位置（容積）で密閉する事ができる。

内容物の量に合わせて蓋を移動できるので、容器内の空気を極力減らして内容物の酸
化や吸湿、減香を抑える事ができる。

容積に合った位置で密閉させる事ができるので、液面に蓋の底を接触させて密閉する
事により液面を暴れさせずに液体を輸送する事ができる。

小型であれば片手の指で押すという単純な作業のみで開封でき、離せば任意の位置で
密閉する事ができるので、操作が非常に簡単。

蓋単体で機能し、構造が非常に単純なので安価に量産し易い。

円形に限らず多角形にも使えるので、デザイン性が良好である。

この発明の容積可変密閉蓋の部品斜視図を示す。 図１を組み合わせて外部から力を加えた斜視図を示す。 この発明の実施図を示す。

図１は本発明に従う密閉容器の実施の形態を模式的に示した図であり、図２は図１を
組み合わせた密閉蓋を外部からの負荷で変形させた形状、図３は容器内で無負荷となり
密閉工程が終了した状態を示した図である。
図１の押しピン１には硬質樹脂、金属、ガラス、木、陶器などの硬質材が望ましく、
形成部品２には多少の変形には耐えられる弾力のある樹脂や金属。シール材３には大き
な変形に耐えられるゴム、樹脂、肉薄な金属が適している。
容器４は、シール材３の密着時に変形する事のない、押しピン１同様の硬質材が望ま
しい。

図１に、本発明の具体例斜視図を示す。
弾力のある素材でできたシール材３とシール材を支える形成部品２、シール材を変形
させる負荷を伝える為の押しピン１から構成される。
また、無負荷状態のシール材より断面積の小さな筒状の容器４がある。

以上の密閉蓋は次のようにして使用する。
一番容易な使用例は、シール材３と形成部品２を外れないように組み合わせ押しピン
１に力を加える事によって図２のように蓋の形状が変形する。
形成部品２やシール材３が変形する事によってシール材３と形成部品２が容器４の断
面積よりも小さくなり、自由に上下移動させる事ができる。
容器内の内容物の高さまで密閉蓋を下ろし力を抜くとシール材は元の大きさに戻る為
に容器４の内壁と密着し図３となり、外気を遮断する事ができる。

押しピン１に外部から力を加えてシール材を変形させる機構であれば、底までシール
材と同材料である必要はなく、リング状のシール材のみを変形させる事でも蓋の形状を
容器の断面積より小さくする事ができる。

無負荷の状態で容器の断面積より蓋の形状を小さくし、外部からの力を加え続ける事
によってシール材を断面積以上にして任意の時間だけ密閉させる事もできる。

液面に接触して密閉させる事により、外部からの振動に液面が揺れる事がなくなる。
その為、水生生物や大量の液体を安定した状態で容易に輸送する手段として利用する
事ができる。
大型になると人力によるシール材の変形は難しくなるので、外部からの力を機械化し
油圧やねじ切りによる力の変換で対応させる必要がある。

１ 押しピン
２ 形成部品
３ シール材
４ 容器

Claims (2)

1. 外部から負荷を与える事で引き伸ばされ、容器の断面積より小さく変形するシール材を組み合わせた蓋に力を加えたまま容器内で移動させ、最適な位置で脱力する事でシール材が元の形状に戻ると同時に内壁と密着し密閉され続ける事を特徴とする容積可変の密閉容器蓋。
2. 外部から負荷を与える事で膨張し、容器の断面積より大きく変形するシール材を組み合わせた蓋を脱力状態で容器内を移動させ、適した位置で負荷を与える事によりシール材が膨張し任意の時間だけ密閉する事を特徴とする容積可変の密閉容器蓋。

Images