JP2014180621A - 塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業に高度な技術や経験を必要としないで、容易に塗工バーを真直度の高い状態に設定し、均一な厚みの塗厚を精度良く形成することができる塗布装置及び塗布方法を提供すること。
【解決手段】中心軸回りに回転可能に配設された塗工バー40を備え、回転する塗工バー40で搬送されるシート体であるウェブ2に所定の厚みの塗膜を塗布する塗布装置において、塗工バー40の長手方向に沿って延在し、かつ該長手方向に沿って複数の支持部が互いに離隔して設けられた単一の部材からなるベース20と、ベース20の各支持部に塗工バー40の長手方向に沿って延在するよう軸部31が架設され、かつ軸部31の中心軸回りに回転可能となる態様で塗工バー40の長手方向と略直交する方向に一対に配設された支持ローラ30とを備え、支持ローラ30のそれぞれに塗工バー40が載置されるよう、塗工バー40を支持ローラ30で外接支持するものである。
【選択図】図6

Description

本発明は、塗布装置及び塗布方法に関するものである。
従来、搬送される熱可塑性樹脂フィルム等のウェブの表面に塗液を均一に塗布する方法として、ロッドコート法がある。これは、ウェブの幅方向に延在する塗工バーを走行するウェブの下面に押し付け、予めウェブに供給した過剰量の塗液を塗工バーで掻き落とす(計量する)方法である。塗工バーはウェブに押し付けられることでウェブとの間に生じる摩擦力、もしくはモーター等によって付与される駆動力によって回転する。
しかし、塗工バーは一般的に直径数十mm、長さ数百mm〜数千mmの長尺ロッド状であるため、自重やウェブから受ける反力によって撓みが生じやすい。撓んだ状態で塗工バーが回転すると塗工バーは振動し、その振動周期でウェブの搬送方向に塗布厚みが厚い部分と薄い部分を繰り返す、横ダンという塗布ムラを生じたり、塗液を均等に掻き落とせなくなってウェブの幅方向に塗布厚みムラを生じたりする。したがって、均一な塗布膜を得るには、ウェブに押し付けられた際の塗工バーのたわみを抑えること、つまり塗工バーを真直度の高い状態に維持することが重要となる。
そこで、塗工バーの撓みを防止するため、例えば特許文献1で開示されているように、塗工バーの幅方向に延在する支持手段で塗工バーを下から支持する塗布装置が知られている。支持手段は、断面がV字型の溝を有しており、この部分で塗工バーを外接支持するもので、塗工バーが支持手段との摩擦によって磨耗することがないよう、支持手段は塗工バーより硬度の低い樹脂材等で構成されることが一般的である。しかし、樹脂製の支持手段は使用中に塗工バーとの摩擦で磨耗・変形し、塗工バーを真直度の高い状態で支持することができなくなる。また、支持手段と塗工バーとの摩擦によって塗工バーに回転不良が生じ、塗布厚みムラの原因となることがあった。
そこで、例えば特許文献2に開示されているように、支持手段として回転可能なローラを有する塗布装置が知られている。塗工バーの長手方向に複数の支持手段が間欠的に配設され、各支持手段にはウェブの搬送方向の上流側と下流側に一対となる態様でローラが回転可能に設置されている。これら回転可能な複数対のローラによって塗工バーを外接支持することにより、塗工バーと支持手段の摩擦抵抗を小さくすることが出来るため、支持手段の磨耗・変形を抑制することができる。
しかしながら、塗工バーの長手方向に延在するフレーム上に、複数の支持手段を個別に配置するものであるため、各支持手段の高さにばらつきを生じやすく、塗工バーを真直度の高い状態に支持することが困難であった。これについて以下に説明する。
特許文献2に開示されているような塗布装置では、支持手段をフレームにあて止めして固定することで互いの高さが揃って塗工バーを真直度の高い状態に支持できるよう、フレームや支持手段は高い寸法精度で加工されていることが一般的である。しかし、ネジを締め付けた際に支持手段がネジの回転方向につれ回って傾き、支持手段の高さにばらつきを生じやすい。また、フレームには塗工バーで掻き落とした塗液がかかるため、定期的に支持手段をフレームから取り外し、フレームに付着・固化した塗液を金属製のへら等で擦って掃除するのが一般的であるが、その際に掃除し残しがあったり、へらでフレームを傷つけて寸法精度が悪くなったりすることで、次に支持手段を取り付けた際に高さがばらつくことがあった。
そこで、例えば特許文献3に開示されているように、支持手段に高さ調整機構を備えた塗布装置が知られている。支持手段は特許文献2と同様に、塗工バーの長手方向に間欠的に複数個配設され、各支持手段にはウェブの搬送方向の上流側と下流側に一対となる態様でローラが回転可能に設置されている。高さ調整機構は、バネ部材とネジ部材とを備えて構成されている。バネ部材は、ローラ毎に設けられており、対応するローラを支持軸とともに上方に向けて付勢するものである。ネジ部材は、これを締め付けることで支持軸を押え付け、支持軸を固定するためのものである。支持軸をネジ部材で固定すると、バネ部材の付勢力は塗工バーには付与されなくなると共に、塗工バーを支持手段で支えることが可能になる。逆に緩めると、バネ部材の付勢力が再び塗工バーに付与される。
本装置において、高さの調整方法は次のようにして行われる。まず、塗工バーの長手方向に延在するフレーム上に各支持手段を間欠的に取り付ける。この時、支持手段を構成するローラは最も低い位置に固定されている。次に塗工バーの両端に軸受けを取り付け、フレームの両端に配設したベアリングホルダーに塗工バーと共に軸受けを取り付ける。この時、塗工バーは自重によって下に撓んだ状態となる。かかる状態で各支持手段のネジ部材を緩めると、バネ部材の付勢力が塗工バーに付与され、塗工バーの自重とバネ部材の付勢力がつりあった状態で塗工バーが支持される。この状態で、ネジ部材を締め付け、支持軸を固定する。
しかしながら、バネ部材の付勢力が強すぎると塗工バーは上方に、弱すぎると下方に撓んだ状態で支持されてしまうという問題があった。そのため、塗工バーを上から押したり、下から持ち上げたりして塗工バーの撓みが小さくなるように微調整しながら、個々の支持軸をバネ部材で固定していく必要があり、高度な技術と多大な作業時間を要した。また、ネジ部材を締め付けた際に、支持軸がネジ部材の回転方向につれ回って傾き、結果的にローラの高さがずれることもあり、作業時間の長大化の原因となっていた。
このように、上述した特許文献3に提案されている塗布装置では、塗工バーを真直度の高い状態に支持するには、作業に高度な技術と多大な時間を必要としていた。
特開2003−275643号公報 実開平2−45174号公報 特許第4674430号公報
本発明は、上記実情に鑑みて、作業に高度な技術や経験を必要としないで、支持手段の高さばらつきを小さく抑え、これにより塗工バーの撓みを抑えて振動による横ダンや塗布厚みムラの発生を防止し、均一な厚みの塗膜を精度良く形成することができる塗布装置及び塗布方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る塗布装置は、中心軸回りに回転可能に配設された塗工バーを備え、回転する塗工バーにより、搬送されるシート体であるウェブの表面に塗液を塗布する塗布装置において、前記塗工バーの長手方向に沿って延在し、かつ該長手方向に沿って複数の支持部が互いに離隔して設けられた、単一の部材からなるベースと、前記ベースの各支持部に前記塗工バーの長手方向に沿って延在するよう軸部が配置され、かつ該軸部の中心軸回りに回転可能となる態様で前記塗工バーの長手方向と略直交する方向に一対に配設された支持ローラとを備え、前記支持ローラのそれぞれに前記塗工バーが載置されるよう、前記塗工バーを前記支持ローラで外接支持することを特徴とする。
ここで、「単一の部材からなるベース」とは、ベースが分解することの出来ない一つの部材で構成されていることをさし、ベースを構成する支持部が、ボルトや磁石で固定されたものではなく、ベースを削ることで設けられたものであることを示す。
また、本発明の請求項2に係る塗布装置は、上述した請求項1において、前記ベースには、前記支持部として、前記塗工バーの長手方向に沿って複数の凹部が互いに離隔して設けられており、前記支持ローラは、前記ベースの各凹部における前記塗工バーの長手方向に互いに対向する開口縁部間に架設された軸部の中心軸回りに回転可能となる態様で、前記塗工バーの長手方向と略直交する方向に一対に配設されていることを特徴とする。
ここで、「凹部」とは、ベースの上面に開口部を有する態様でベースに掘り込まれた穴状のものをさす。
また、本発明の請求項3に係る塗布装置は、上述した請求項1又は請求項2において、前記ベースは、前記塗工バーの両端部の少なくとも一方を該塗工バーの中心軸回りに回転可能に支持する軸支部を備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る塗布装置は、上述した請求項1〜3のいずれか1つにおいて、前記支持ローラは、前記軸部と、該軸部に対して回転可能に配設されたローラ部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る塗布装置は、上述した請求項1〜4のいずれか1つにおいて、前記塗工バーのみを露出する態様で前記ベースの上方域を囲繞するカバー部材を備え、前記カバー部材により囲繞される空間に塗液を供給する塗液供給手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る塗布方法は、上述した請求項1〜6のいずれか1つに記載の塗布装置を用いてウェブの塗布面に塗液を塗布することを特徴とする。
本発明に係る塗布装置及び塗布方法によれば、塗工バーを真直度の高い状態に保持することができ、塗工バーの撓みを抑えて振動による横ダンや幅方向の塗布厚みムラの発生を防止し、均一な厚さの塗膜を精度良く形成することが可能となる。また、塗工バーを真直度の高い状態にセッティングするために高度な技術や経験を必要とせず、短時間で容易に行うことが出来るため、セッティングに伴う生産ロスの低減が可能となる。従って、作業に高度な技術や経験を必要としないで、支持手段の高さばらつきを小さく抑え、これにより塗工バーの撓みを抑えて振動による横ダンや塗布厚みムラの発生を防止し、均一な厚みの塗膜を精度良く形成することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の第一の実施形態である塗布装置を簡単に示す図である。 図2は、図1に示した塗布装置を上方から見た場合を示す平面図であり、ウェブを便宜上2点鎖線で示している。 図3は、図2におけるX−X線断面図である。 図4は、本発明の第二の実施形態である塗布装置を簡単に示す図である。 図5は、図4に示した塗布装置を上方から見た場合を示す平面図であり、ウェブを便宜上2点鎖線で示している。 図6は、図5におけるY−Y線断面図である。 図7は、図1又は図4に示した塗工バーとウェブとの位置関係を示す説明図である。 図8は、塗工バーとウェブとの位置関係を示す説明図である。 図9は、塗工バーとウェブとの位置関係を示す説明図である。 図10は、支持手段の高さの差を測定する方法の説明図である。 図11は、ウェブの製造工程中に塗液の塗布工程が設けられたウェブの製造工程の一形態を説明する工程概略図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る塗布装置及び塗布方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態である塗布装置を簡単に示す図である。ここで例示する装置は、搬送されるウェブ2の下面(塗布面)2aに、塗液供給ノズル62によって塗液を供給し、下流に配した塗布装置60で余剰の塗液を掻き落として所定の厚みの塗膜を形成するものである。ウェブ2は、熱可塑性樹脂フィルム、紙、皮革、不織布、綿織物等の長尺状のシート体であり、代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン等を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムが挙げられる。
図2は、図1に示した塗布装置60を上方から見た場合を示す平面図であり、ウェブ2を便宜上2点鎖線で示している。また、図3は、図2におけるX−X線断面図である。これら図2及び図3にも示すように、塗布装置60は、ベース61と、支持ローラ30と、塗工バー40とを備えて構成されており、支持ローラ30は、ローラ部32と軸部31から構成されている。
ベース61は、塗工バー40の長手方向に延在する単一の部材であり、その上面には支持部としての凸部63が、塗工バー40の長手方向に沿って間欠的に複数個形成されている。凸部63は、ベース61を削ることで形成されており、支持ローラ30の軸部31を支持する穴部64を有している。支持ローラ30は、軸部31の中心軸回りに回転可能となる態様で前記塗工バー40の長手方向と略直交する方向に一対に配設されている。この支持ローラ30及び塗工バー40は、以下の第二の実施形態の塗布装置の構成要素と共通しているために後述する。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。
図4は、本発明の第二の実施形態である塗布装置を簡単に示す図である。ここで例示する塗布装置10は、搬送されるウェブ2の下面(塗布面)2aに塗液を塗布して所定の厚みの塗膜を形成するものである。塗布装置10の塗布対象となるウェブ2は、熱可塑性樹脂フィルム、紙、皮革、不織布、綿織物等の長尺状のシート体であり、代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン等を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムが挙げられる。
図5は、図4に示した塗布装置10を上方から見た場合を示す平面図であり、ウェブ2を便宜上2点鎖線で示している。また、図6は、図5におけるY−Y線断面図である。これら図5及び図6にも示すように、塗布装置10は、ベース20と、支持ローラ30と、塗工バー40と、カバー部材50とを備えて構成されており、支持ローラ30は、ローラ部32と軸部31から構成されている。
ベース20は、塗工バー40の長手方向に延在する単一の部材であり、その上面には支持部としての凹部21が、塗工バー40の長手方向に沿って間欠的に複数個形成されている。この凹部21は、ベース20を削ることで形成されており、その開口部がベース上面に有する態様で形成されている。また、各凹部21における、塗工バー40の長手方向に互いに対向する開口縁部には、軸部31を支持する溝部23がベース20を削ることにより形成されており、支持ローラ30は、軸部31の中心軸回りに回転可能となる態様で前記塗工バー40の長手方向と略直交する方向に一対に配設されている。ベース20は、ウェブ2への塗工バー40の押し付け量を調整したり、塗工バー40をウェブ2から離間できるように、昇降機構(図示せず)を有する。この昇降機構は、ベース20の長手方向の両端部に設けられており、両端部の位置を独立に調整できるものである。本実施形態によれば、支持ローラ30によって外接支持された塗工バー40の真直度は、支持ローラ30や軸部31の外径精度、軸部31を支持する溝部23等の加工精度によって決まるため、作業に支持ローラ30の高さ調整等の高度な技術を必要としない。
ベース20は、熱膨張係数が小さく、硬度が高い材料で構成されていることが、溝部23を精度良く加工できる点で好ましい。例えば熱膨張係数は30×10^−6(1/℃)以下、ビッカース硬度は20以上の材料から構成されていることが好ましく、例としてステンレス、鉄、アルミニウム等の金属や、セラミックス、ガラス等が挙げられるが、耐久性や錆びの観点からステンレスがより好ましい。
支持ローラ30を支持する方法は、第一の実施形態として図1〜図3に示したようにベース部材から削り出した凸状の部分に穴を加工し、これで支持ローラ30の軸部31を支持しても良いし、第二の実施形態として図4〜図6で示したように、ベース20に形成した凹部21に軸部31を架設する方法でも良いが、第二の実施形態で示した方が、溝部23を精度良く加工できるためより好ましい。これについて以下に説明する。塗工バー40を真直度の高い状態で支持するには、溝部23が塗工バー40の長手方向に略一直線に並ぶように、位置精度良く加工することが重要である。そのためには、ベース20の長手方向の真直度、平面度を高くし、基準面を作る必要があるが、図1〜図3に示した第一の実施形態の場合、凸状の部材を削りだしたり、溶接したりする際にベース61が熱ひずみで変形する場合がある。また基準面をだすためにベース61を研磨した際、凸部63がびびって研磨精度に支障をきたすことがあるが、第二の実施形態で示した構成とすることで、ベース20の加工量が最小限に抑えられるため加工時のひずみが小さくなり、かつ研磨時に部材がびびることがないため、溝部23を精度良く加工することができる。
凹部21は大きすぎると、ベース20を削って凹部21を加工した際の熱ひずみによってベース20が変形し、溝部の加工精度に支障をきたすことがあるため、凹部21に支持ローラ30を架設した際に支持ローラ30を構成するローラ部32がベース20に接触しない範囲で、できるだけ小さくすることが好ましい。
溝部23の幅、すなわちウェブ2の搬送方向に沿った長さL1は、軸部31の直径よりも僅かに大きいものとされている。また、溝部23の長さ、すなわちウェブ2の幅方向に沿った長さは、支持ローラ30がウェブ2の幅方向に沿って移動することを規制することができる大きさに調整されている。また、必要に応じて、溝部23に架設された軸部31が離脱することを抑制するため、閉塞部材で溝部23の上方開口を閉塞するようにしてもよい。
支持ローラ30を構成するローラ部32は、塗工バー40が磨耗しないように、表層に塗工バー40よりも硬度が低い材料を用いることが好ましく、表層の材質としては、合成ゴムやエラストマを用いることが好ましい。ここでエラストマとは、射出成形法、押出成形法、注型成形法、ブロー成形法、インフレーション成形法等により溶融成形が可能なゴム状の弾性体樹脂をいう。またエラストマとしては、ウレタンエラストマ、ポリエステルエラストマ、ポリアミドエラストマ等を用いることが好ましく、特に耐摩耗性、機械的強度に優れた熱可塑性ポリウレタンエラストマを用いることが好ましい。エラストマを用いた場合において、表層材は、厚みが0.5〜6mmであることが好ましく、硬度が「1996年 JIS K6253」の規格に従って測定した場合、60〜98Aであることが好ましい。
また、塗工バー40を真直度の高い状態で保持するために、各支持ローラ30の外径寸法は所定の大きさに同一であることが好ましく、表層にゴムを余計にライニングした後に外径を削って調整するとよい。
ローラ部32は、軸部31に対して回転可能に配設されることが好ましい。これにより両端部が溝部23に進入する軸部31が回転することはなく、溝部23と軸部31の接触部が摩擦により摩耗・変形等する虞れがない。また、ローラ部32は、その回転に振動やムラがあると、それらが塗工バー40に伝わって塗布欠点が生じやすいため、各支持ローラ30のローラ部32は、ベアリング等の軸受部を有することが好ましい。軸受けの材質としては、塗液に対する腐食性が強いものが好ましく、防水性を有するものがより好ましい。ローラ部32の外径は8mm以上、軸方向の長さは3〜25mmであることが、市販の軸受けを使用することができるから好ましい。
各凹部21において互いに一対となる支持ローラ30は、塗工バー40を安定保持するために、本実施形態のようにウェブ2の搬送方向に対して、塗工バー40の上流側と下流側に対向して配置されることが好ましい。また、対向する支持ローラが干渉しないように、塗工バー40の長手方向に少しずらして配置しても良い。
また、支持ローラ30のローラ部32が、軸部31の長手方向に沿って動くと、ローラ部32の側面がベースと干渉したり、ローラ部32同士が接触して回転不良を起こすことがあるため、止め輪等でローラ部32が軸部31の長手方向に沿って移動することを規制すると良い。
また、塗工バー40の長手方向に沿った各支持ローラ30の配置間隔は、大きすぎると塗工バー40の撓みが大きくなるため、小さいことが好ましい。目安として、塗工バー40の撓みが10μm以下となるように配置すると良い。撓み量は、ウェブ2の走行方向にかかる張力と塗工バー40に対するウェブ2の巻き付け角度から算出されるウェブ2の面外方向への反力を塗工バー40にかかる等分布加重とし、支持ローラ30を支持点とし、塗工バー40の断面二次モーメント及びヤング率を用いて材料力学の式より求めると良い。
軸部31は、長すぎると自身が撓んで塗工バー40を真直度の高い状態に保持することが困難になるため、短い方が良い。また、軸部31は熱膨張係数が小さく、硬度が高い材料から構成されていることが、軸の外径を精度良く加工できる点で好ましい。例えば熱膨張係数は30×10^−6(1/℃)以下、ビッカース硬度は20以上の材料から構成されていることが好ましく、例としてステンレス、鉄、アルミニウム等の金属や、セラミックス、ガラス等が挙げられるが、耐久性や錆びの観点からステンレスがより好ましい。
塗工バー40は、ウェブ2の幅方向の長さよりも長い長尺円柱状の形態をなすものである。この塗工バー40は、例えばロッド、ロッドの外周面にワイヤを巻いて溝を形成したワイヤバー、あるいはロッドの外周面に転造加工で溝を形成した転造ロッド等を用いることができる。塗工バー40の材質としては、ステンレスが好ましく、特にSUS304又はSUS316が好ましい。また、塗工バー40の表面には、ハードクロムメッキ等の表面処理を施してもよい。
この塗工バー40の直径は、リブスジと称される搬送方向に沿ったスジ状の塗布欠点の発生を抑制するために、例えば10〜15mmであることが好ましい。
ここで塗工バー40の一例について説明する。図7に示される塗工バー40は、ワイヤバーの形態のものである。図7に示されるように、塗工バー40は、ロッドの表面に巻かれたワイヤにより、その表面に溝が形成されている。この塗工バー40をウェブ2に接触させて、ウェブ2の塗布面への塗液の塗布を行なう。塗工バー40とウェブ2の接触部には、図8若しくは図9に示されるように、塗液が介在しており、塗工バー40とウェブ2の間に発生する隙間(塗工バー表面の溝の部分及び塗工バーとウェブの間隙部分)の大きさにしたがった量の塗液がウェブ2に塗布される。
このような塗工バー40は、支持ローラ30に外接支持されており、その外周面の一部がウェブ2の下面2aに押し当てられている。また、塗工バー40は、その両端部が軸支部41により自身の中心軸回りに回転可能に軸支されている。これら軸支部41は、それぞれベース20の両端部の上面に配設されている。尚、これら軸支部41は、塗工バー40が各支持ローラ30に載置される状態で軸支できるようその高さが調整されている。
そして、塗工バー40は、搬送されるウェブ2との摩擦力により自身の中心軸回りに従動回転するものである。ここで、塗工バー40の回転周速は、300m/分以下であることが好ましい。回転周速が300m/分を超えると、ウェブ2の塗布面に塗布スジが発生しやすくなるからである。
カバー部材50は、各支持ローラ30に外接支持された塗工バー40のみを露出する態様でベース20の上方域を囲繞するためのもので、上流カバー51、下流カバー52及び側面カバー53を備えて構成されている。
上流カバー51は、ベース20におけるウェブ2の搬送方向の上流側を覆う態様であり、上下方向に延在する上流基部511と、この上流基部511の上端部よりウェブ2の搬送方向の下流側に向けて漸次上方に傾斜する上流傾斜部512とを備えて構成されている。下流カバー52は、ベース20におけるウェブ2の搬送方向の下流側を覆う態様であり、上下方向に延在する下流基部521と、この下流基部521の上端部よりウェブ2の搬送方向の上流側に向けて漸次上方に傾斜する下流傾斜部522とを備えて構成されている。側面カバー53は、上流カバー51及び下流カバー52の長手方向の両端に設置されるものである。このようなカバー部材50により囲繞される空間がベース20の上方域に形成されることとなる。また、下流基部521には、塗液供給配管22が設置されている。塗液供給配管22は、図示せぬ塗液供給手段から送られてきた塗液を、カバー部材50により囲繞される空間に供給するためのものである。
以上のような構成を有する塗布装置10では、次のようにしてウェブ2の下面2aに塗膜を形成することができる。まず、塗液供給配管22を通じて塗液供給手段(図示しない)から供給された塗液がカバー部材50により囲繞される空間に充満される。そして、搬送されるウェブ2との摩擦力により従動回転する塗工バー40により塗液の一部が掻き上げられることで該ウェブ2の下面2aに塗液が塗布されるとともに、該塗工バー40により余剰液が掻き落とされ該下面2aに所定の厚みの塗膜が形成される。一方、カバー部材50に囲繞される空間に充満した塗液の一部は、主に塗工バー40と上流カバー51との隙間58、並びに塗工バー40と下流カバー52との隙間59から装置外に漏洩される。
ここで塗液の粘度としては、例えば0.1Pa・s以下であることが好ましい。塗液の粘度が0.1Pa・sを超える場合には、塗工バー40で掻き落とした塗液を回収し、循環して使用することが困難になるとともに、塗工バー40によって塗液を掻き上げる際に塗液がスジ状になり、ウェブ2の幅方向に均一に塗布することができずに塗布スジが生ずる虞れがあるからである。本実施の形態においては、塗液の粘度は、レオメータ(レオテック社製「RC20」)を用いて「1996年 JIS Z8803」の規格に従って測定している。
また、上記塗布装置10は、図6に示したように凹部21に支持ローラ30をその一部が挿入した状態で配設することが好ましい。支持ローラ30が塗液中で回転した際、該支持ローラ30の随伴流によって、隙間59から漏洩する塗液の液面が変動し、気泡が発生することがある。発生した気泡は塗工バー40によって掻き上げられ、塗布抜け欠点が発生することがあるが、本実施の形態のように各凹部21に支持ローラ30を配置することで、支持ローラ30の随伴流を十分に小さいものとすることができる。その結果、間隙59から漏洩する塗液の液面変動が抑制され、塗布抜け欠点の発生を防止できる。各凹部21におけるウェブ2の搬送方向の下流側の開口縁部と、該凹部21における該搬送方向の下流側の支持ローラ30の外周面との間隙L2は小さい方が良く、更に好ましくは2mm以下となる大きさに形成されていることがよい。こうすることで、支持ローラ30による随伴流を抑制することができる。
上述した実施の形態では、塗工バー40は、搬送されるウェブ2との摩擦力により従動回転するものであったが、本発明においては、モータ等の駆動装置によって回転するものであってもよい。その際、ウェブを傷付けてしまうことを防止するため、塗工バーはウェブの搬送方向に、ウェブの搬送速度と実質的に略同一の速度で回転させることが好ましい。ここで「実質的に略同一の速度」とは、塗工バーの回転周速とウェブの搬送速度との速度差を±10%以下で回転させることをいう。但し、製品の用途等により、ウェブの傷が問題にならない場合には、塗工バーをウェブの搬送速度と異なる速度で回転させてもよいし、ウェブの搬送方向とは逆方向に回転させてもよい。
上述した実施の形態では、塗工バー40は、その両端部が軸支部41により中心軸回りに回転可能に軸支されていたが、本発明においては、塗工バーは、両端部のいずれか一方が軸支部により回転可能に軸支されていてもよいし、軸支部に軸支されていなくてもよい。
上述した実施の形態では、カバー部材50により囲繞される空間に塗液を充満させて支持ローラ30及び塗工バー40を塗液に浸し、塗工バー40によってウェブ2の塗布面(下面)2aへの塗液の供給と計量とを行うことで該塗布面2aに塗膜を形成するものであったが、本発明においては、上流側に設置されたノズルやダイ、スプレー等によりウェブの塗布面に供給された塗液を塗工バーで計量して塗膜を形成するようにしてもよい。また、上述した実施の形態では、ウェブ2の下面に塗膜を形成するものであったが、塗布装置をウェブの上面に配置し、塗工バーをウェブの上面から押し付けて、ウェブの上面に塗膜を形成しても良い。その場合は、塗工バーで掻きとった塗液の回収が困難になることが多いため、上流側に設置されたノズルやダイ、スプレー等により、塗膜の形成に必要な量の塗液を計量供給し、塗工バーで平滑化する方法をとると良い。
上述した実施の形態では、搬送されるウェブ2に対して塗膜を形成していたが、本発明においては、製膜中のウェブに対して塗膜を形成するようにしてもよい。
上述した実施の形態では、支持ローラ30は、共通の外径寸法を有していたが、本発明においては、塗工バーを真直度の高い状態で支持することができれば、支持ローラは共通の外径寸法を有していなくてもよく、例えば、外径が他のものより大きい支持ローラを設置する場所は、他より溝を深く掘って軸部の位置を下げるなどしても良い。
上述した実施の形態では、支持ローラ30を構成するローラ部32は、該支持ローラ30を構成する軸部31に対して回転可能に配設されているので、両端部が溝部23に進入する軸部31が回転することはなかったが、本発明においては、支持ローラは、軸部と一体的に回転するものであっても良い。この場合においても、溝部を有するベース、並びに支持ローラを構成する軸部を、例えばビッカース硬度が20以上の材料とすることで、摩擦による摩耗・変形等を抑制することができる。
以上のような塗布装置において、塗工バーの真直度を高い状態で支持するためには、各支持ローラの高さが揃っていることが重要である。支持ローラの高さの差は、例えば図10に示すように、隣接する支持ローラ間に短い塗工バーを乗せ、その上にデジタル傾斜計(例えばSTS社製、DL−155V)を乗せて、その値から知ることがきでる。このようにして測定した各支持ローラの高さの差は、80μm以下に抑えることが好ましい。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
[実施例1]
図4に示す塗布装置の組立と塗布を行った結果について、以下に説明する。
ベース(20)はSUS304の材質のものを用い、その長手方向に5箇所の凹部(21)があり、それぞれに支持ローラ(30)の軸部(31)がかかる溝部(23)を有しているものを用いた。支持ローラ(30)は、直径が22mm、軸方向の長さが10mmのものであり、表面に硬度95Aの熱可塑性ポリウレタンエラストマーが2mmの厚みで施されたものを用いた。支持ローラ(30)は、総計10個を塗工バー(40)の長手方向に300mmピッチで配置した。その際樹脂フィルムの搬送方向に対して塗工バー(40)の上流側、下流側に対向して配置した。また、支持ローラ(30)は軸部(31)に対して滑らか回転するよう、ベアリングを有した構造とした。塗工バー(40)は、直径が12.7mm、長さが1850mmのステンレス製の丸棒材に、線形が0.1mmのワイヤを巻いたもの(加納商事株式会社製)を用いた。塗工バー(40)は支持ローラ(30)及び両端の軸支部で周方向に回転自在に支持した。
組立について、本装置は次の部品からなり、これらを1つの装置に組み立てた。ベース(20)1個(両端には軸支部が設置されている)、支持ローラ(30)10個、塗工バー(40)1本、上流カバー(51)1個、下流カバー(52)1個。組立はフレームにベース(20)を置いた状態から開始した。組立を行った者は、入社して半年、本装置の組立経験2回の者が行った。その結果、組立ては40分で終えた。組立後、図10に示す方法で各支持ローラの高さの差を測定したところ、一番高い部分と低い部分の差は20μmであった。
続いて本装置を用いて塗布を行った。極限粘度(固有粘度ともいう)0.62dl/g(1996年 JIS K7367の規格に従い、25℃のo−クロロフェノール中で測定)のポリエチレンテレフタレート(以下PETと省略する)のチップを、180℃で十分に真空乾燥した後、図11の押出機200に供給して285℃で溶融し、T字型口金201よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度23℃の鏡面キャストドラム202に巻き付けて冷却固化して未延伸フィルムとした。続いて縦延伸機203において、この未延伸フィルムを80℃に加熱したロール群で加熱し、さらに赤外線ヒータにて加熱しながら長手方向に3.2倍延伸し、50℃に調整した冷却ロールで冷却し、一軸延伸の樹脂フィルムとした。続いて塗布装置206として図4の塗布装置を用い、速度50m/分で走行するこの樹脂フィルムの下面に塗液を塗布した。塗工バーの樹脂フィルムへの巻き付け角α(図4参照)は10度とし、樹脂フィルムの搬送方向と同じ方向に従動回転させた。続いて横延伸機204において、塗液が塗布された樹脂フィルムを90℃のオーブン内に導いて加熱し、引き続き100℃のオーブン内で塗液を乾燥させ、かつ樹脂フィルムを幅方向に3.7倍延伸し、さらに220℃のオーブン内で幅方向に5%弛緩処理しつつ樹脂フィルムの熱固定を行い、片面に塗液による膜を形成した二軸延伸フィルムを得た。縦延伸機203と横延伸機204の間の張力は、樹脂フィルムの走行方向にかかる単位幅当たりの張力が8000N/mとなるようにダンサーロールで制御した。
塗液はポリエステル共重合体のエマルジョン(含有成分:テレフタル酸90モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸10モル%、エチレングリコール96モル%、ネオペンチルグリコール3モル%、ジエチレングリコール1モル%)100重量部に対し、メラミン系架橋剤(イミノ基型メチル化メラミンをイソプロピルアルコール10重量%と水90重量%の混合溶媒で希釈した液)を5重量部、平均粒径が0.1μmのコロイダルシリカ粒子を1重量部添加した混合液とした。この塗液の粘度は、温度25℃において、2mPa・sであった。
この塗液をダイヤフラムポンプ(株式会社タクミナ製)により装置内へ供給した(塗液導入口は図5の1箇所)。
塗布直後の外観を目視で観察した結果、横ダンは視認されなかった。また、塗布装置の下流側に水分計(クラボウ製 RF−60)を設置し、これをフィルムの幅方向に移動させて、塗布直後の幅方向塗布厚み分布を測定した。出荷できるレベルの製品を採取するためには、塗布直後の塗布厚み分布が±3.5%以内であることが必要であり、これを生産上の管理値としている。本実施例での塗布厚み分布は±1.8%と管理値内であった。また、そのまま2週間塗布し続けても横ダンの発生はなく、塗布厚みも±1.8%を維持した。
[比較例1]
次に本明細書内に示した「特許文献3」(特許4674430号)の装置の組立と塗布を行った。支持ローラは実施例1と同じものを同じ数だけ用い、配置も実施例1と同様とした。塗工バー(40)も実施例1と同じものを用い、両端の軸支部で周方向に回転自在に支持した。
組立について、本装置は次の部品からなり、これらをフレームの上に組んでいき、1つの装置に組み立てた。支持手段5個(支持ローラ、バネ部材、ネジ部材が付属。支持ローラの高さは未調整の状態)、塗工バー1本(塗工バーを両端で支える軸支部はフレームに設置されている状態で開始)である。組立を行ったのは実施例1と同じ者で、入社して半年、本比較例の装置の組立経験は3回であった。その結果、組み立てるまでに4時間かかった上、組立後、図10に示す方法で各支持ローラの高さの差を測定したところ、一番高い部分と低い部分の差は120μmであった。
塗布について、塗液供給は塗工バーの上流に配置した塗布ノズル(特許文献図6に図示されている)で行った以外は実施例1と同じ方法で実施した。
塗布直後の外観を目視で観察した結果、横ダンは視認されなかった。実施例1と同様に塗布厚みを測定した結果、塗布厚み分布は±5.1%と、管理値を外れたため、塗布装置再調整のため塗布を一旦停止した。
[比較例2]
組立を行った者が、入社8年、比較例1の装置の組立経験22回の者が行った以外は、比較例1と同様にしておこなった。その結果、組立に3時間かかった。組立後、図10に示す方法で各支持ローラの高さの差を測定したところ、一番高い部分と低い部分の差は70μmであった。
塗布直後の外観を目視で観察した結果、横ダンは視認されなかった。また、実施例1と同様に塗布厚みを測定した結果、塗布厚み分布は±2.8%であり、塗布精度は上記実施例1ほどではなかったが、管理値以内であった。また、2週間塗布し続けても横ダンの発生はなく、塗布厚みも±2.8%を維持した。
[比較例3]
次に本明細書内に示した「特許文献1」(特開2003−275643号公報)のように、V溝を有する支持手段で塗工バーを支持する塗布装置の組立と塗布を行った。V溝を有する支持手段はフッ素樹脂製で、フィルム幅方向の長さが1750mmであり、塗工バーの両端部50mmを除く部分をV溝の部分で外接支持するようにした。塗工バー(40)は実施例1と同じものを用い、両端の軸支部で周方向に回転自在に支持した。
組立について、装置は次の部品からなり、これらをフレームの上に組んでいき、1つの装置に組み立てた。V溝を有する支持手段1本、塗工バー1本(塗工バーを両端で支える軸支部はフレームに設置されている状態で開始)である。組立を行ったのは実施例1と同じ者で、入社して半年、本比較例の装置の組立経験は2回であった。その結果、組み立ては50分で終えた。
塗布について、比較例2で使用した塗布ノズルを塗工バーの上流に配置し、それ以外は実施例1と同じ方法で実施した。塗布直後の外観を目視で観察した結果、横ダンは視認されなかった。実施例1と同様に塗布厚みを測定した結果、塗布厚み分布は±3.0%と、管理値内であった。しかし、2週間塗布し続けたところ塗布直後で塗工バー周期の横ダンが見え、採取した製品フィルムにも横ダンが視認されたため、製品として出荷不可能となり、メンテナンスのため塗布を一旦停止した。
上記結果から、本塗布装置を用いることで経験の少ないものでも短時間で装置の組立が可能になり、かつ高精度な塗布厚みを実現できるといえる。
2 ウェブ
2a 下面(塗布面)
10 塗布装置
20 ベース
30 支持ローラ
21 凹部
22 塗液供給配管
23 溝部
31 軸部
32 ローラ部
40 塗工バー
41 軸支部
50 カバー部材
51 上流カバー
52 下流カバー
53 側面カバー
60 塗布装置
61 ベース
62 塗液供給ノズル
63 凸部
64 穴部
65 傾斜計
66 塗工バー

Claims (7)

  1. 中心軸回りに回転可能に配設された塗工バーを備え、回転する塗工バーにより、搬送されるシート体であるウェブの表面に塗液を塗布する塗布装置において、
    前記塗工バーの長手方向に沿って延在し、かつ該長手方向に沿って複数の支持部が互いに離隔して設けられた、単一の部材からなるベースと、
    前記ベースの各支持部に前記塗工バーの長手方向に沿って延在するよう軸部が設置され、かつ該軸部の中心軸回りに回転可能となる態様で前記塗工バーの長手方向と略直交する方向に一対に配設された支持ローラと
    を備え、
    前記支持ローラのそれぞれに前記塗工バーが載置されるよう、前記塗工バーを前記支持ローラで外接支持することを特徴とする塗布装置。
  2. 前記ベースには、前記支持部として、前記塗工バーの長手方向に沿って複数の凹部が互いに離隔して設けられており、
    前記支持ローラは、前記ベースの各凹部における前記塗工バーの長手方向に互いに対向する開口縁部間に架設された軸部の中心軸回りに回転可能となる態様で、前記塗工バーの長手方向と略直交する方向に一対に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記ベースは、前記塗工バーの両端部の少なくとも一方を該塗工バーの中心軸回りに回転可能に支持する軸支部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗布装置。
  4. 前記支持ローラは、前記軸部と、該軸部に対して回転可能に配設されたローラ部とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の塗布装置。
  5. 前記塗工バーのみを露出する態様で前記ベースの上方域を囲繞するカバー部材を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の塗布装置。
  6. 前記ベースは、供給された塗液を前記カバー部材により囲繞される空間に充満させて、前記塗工バーにより前記ウェブに塗液を塗布することを特徴とする請求項5に記載の塗布装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の塗布装置を用いてウェブの塗布面に塗液を塗布することを特徴とする塗布方法。
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