JP2014178223A - 空隙率測定装置及び空隙率評価方法 - Google Patents

空隙率測定装置及び空隙率評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】下部集水装置のポーラスコンクリート層のような空隙率の分布を正確に検出することができる空隙率測定装置を提供する。
【解決手段】多孔質体5であるポーラスコンクリート製の床面に臨むように一端側に開口部24,25が形成された第1遮音室21及び第2遮音室22が境界壁23を介して隣接配置され、第1遮音室21に空気振動源30が設置されるとともに空気振動源30から出力された直接振動の強度を計測する第1振動計測センサ32が設置され、第2遮音室22に空気振動源30から出力され境界壁23と多孔質体5との間に形成された所定サイズの間隙部(L)から伝播する多孔質体5からの反射振動強度を計測する第2振動計測センサ34が設置されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、ろ過池におけるポーラスコンクリートの空隙率を空気の振動特性に基づいて測定する空隙率測定装置及び空隙率評価方法に関する。
従来、浄水場では凝集沈殿、砂ろ過等の処理を経た処理水を塩素殺菌していたが、有害な有機塩素化合物の発生の回避や、カビ臭及び色素除去による水質向上のために、オゾンによる有機物の酸化分解処理に生物活性炭による汚濁物質の吸着除去処理を加えた高度処理の導入が進んでいる。
生物活性炭吸着池に代表されるろ過池の代表的な構造例として、ポーラスコンクリート層を備えた下部集水装置が設置されている。下部集水装置は、上部に配置される活性炭やアンスラサイト等を用いたろ材の支持や処理水の均等集水及び水と空気による同時洗浄時の均等分散を目的として、微小な空気吹出口が配列形成された空気分散梁と、その上部に配置されたスリット板と、さらにその上に配置された分散砂利層を備え、最上層にろ材を支持するポーラスコンクリート層が形成されている。
ろ過池への流入水をろ過する際に、ろ過された処理水が下部集水装置のポーラスコンクリート層の細孔を通過して下部集水渠に流出し、ろ過で汚れたろ材を洗浄する際に、洗浄水や空気分散梁から放出される空気がポーラスコンクリート層を介して下方からろ材層に供給されるため、ポーラスコンクリートの品質が下部集水装置の機能に大きく影響する。そのため、ポーラスコンクリートは、ろ材層の支持及び逆洗圧力に耐え得る物理的強度と、ろ過及び逆洗時の均等処理性や圧力損失性能を兼ね備えている必要があり、その品質指標の一つである空隙率が所定の範囲内、例えば25%から35%の範囲内に収まるよう管理される必要がある。
従来、ポーラスコンクリートの空隙率を測定するために、現場に打設するポーラスコンクリートと同一配合の供試体を同時に製造し、アルキメデス法を用いて、その供試体の空気中及び水中での質量の相関関係から空隙率を算出する方法が採用されている。
また、現場の実施設にポーラスコンクリートを打設した後に当該ポーラスコンクリート層の空気分散状況を確認するために、ポーラスコンクリート層上に数cmの深さで水を張った状態から空洗ブロアを運転して実際に空気逆洗を行ない、ポーラスコンクリート層上で水面の気泡の発生状況を目視確認する方法が採用されている。
一方、特許文献1には、高機能舗装道路の内部空隙度を非接触、非破壊かつ高速走行しながら測定する音波式高機能舗装空隙度検出装置が提案されている。当該音波式高機能舗装空隙度検出装置は、一端が路面に向けて開放された遮音箱が路面空隙度測定車に取り付けられ、その遮音箱にスピーカとマイクロホンとが配置されて構成されている。
路面空隙度測定車を高速走行させながらスピーカからパルス音を放ち、スピーカから放たれたパルス音が路面に到達する前にマイクロホンに到達した入射波と、そのパルス音が路面で反射してマイクロホンに到達した反射波とをマイクロホンで検出し、入射波と反射波との比に基づいて高機能舗装の内部空隙度が求められる。
特開2003−83943号公報
しかし、アルキメデス法を用いた測定方法は、供試体の空隙率を正確に測定できるが、実際に打設されたポーラスコンクリートとは打設範囲や締め固め方法が異なるため、測定された供試体の空隙率とは値が異なることが懸念されている。
また、気泡の発生状況を目視確認する方法は、空隙率を定量的に把握することができないことや、気泡の発生状況に対する判断が測定者によって異なる虞があった。さらには、施工の後先で空気分散梁に空気を供給するブロワ設備やろ過池の給排水設備が未施工の場合には、試験に必要なプラント設備を仮設して試験を行なう等、多大なコストと時間を費やす必要があった。
また、特許文献1に記載された音波式高機能舗装空隙度検出装置は、自動車を80Km/h以上の速度で走行させて計測するため、道路の空隙率といっても大まかな値を検出するに過ぎず、細部の空隙率の微妙な変化を検出することが想定されていないため、下部集水装置のポーラスコンクリート層のような空隙率の分布を正確に検出する用途に適しないという問題や、実際の路面に対する入射波と反射波との比に加えて、基準となるコンクリート面に対する入射波と反射波との比に基づいてパルス源の音圧変動を補正する必要があるという煩雑さの問題があった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、下部集水装置のポーラスコンクリート層のような空隙率の分布を正確に検出することができる空隙率測定装置及び空隙率評価方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による空隙率測定装置の第一特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、ろ過池におけるポーラスコンクリートの空隙率を空気の振動特性に基づいて測定する空隙率測定装置であって、前記ポーラスコンクリートに臨むように一端側に開口部が形成された第1遮音室及び第2遮音室が隣接配置され、前記第1遮音室に空気振動源が設置されるとともに、前記空気振動源から出力された直接振動の強度を計測する第1振動計測センサが設置され、前記第2遮音室に前記空気振動源から出力され前記ポーラスコンクリートからの反射振動強度を計測する第2振動計測センサが設置されている点にある。
空気振動源から出力された直接振動の強度に対して、ポーラスコンクリートで反射された反射振動強度がどの程度減衰されるかを測定することにより、測定対象となるポーラスコンクリートの空隙率が許容範囲に収まっているか否かを評価することができる。ポーラスコンクリートへ入射する直接振動の強度がその空隙で減衰される程度が反射振動強度で示されるからである。そのため、空気振動源及び振動計測センサを遮音室に設置し、外部のノイズ音を遮音している。しかし、ポーラスコンクリートの空隙率が許容範囲であるか否かを評価するためには、空隙率の許容範囲の内側及び外側で反射振動強度が空隙率とともに適正に変化する必要があり、許容範囲の内側または外側で反射振動強度の変化が小さく或いは変化しない場合には正しく評価できない虞がある。上述の構成によれば、隣接配置された第1遮音室及び第2遮音室の開口部を介して、空隙率の許容範囲の内側及び外側で第2振動計測センサにより検出される反射振動強度が適正に変化するように、ポーラスコンクリートからの反射振動強度を得ることができるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記ポーラスコンクリートの空隙率を音響特性に基づいて測定する空隙率測定装置であって、前記ポーラスコンクリートに臨むように一端側に開口部が形成された第1遮音室及び第2遮音室が境界壁を介して隣接配置され、前記第1遮音室に音源が設置されるとともに前記音源から出力された直接音の音響強度を計測する第1音響センサが設置され、前記第2遮音室に前記音源から出力され前記境界壁と前記ポーラスコンクリートとの間に形成された所定サイズの間隙部から伝播する前記ポーラスコンクリートからの反射音響強度を計測する第2音響センサが設置されている点にある。
空気振動源として音源が好適に用いられる。音源から出力された直接音の音圧つまり音響強度に対して、ポーラスコンクリートで反射された反射音の音響強度がどの程度減衰されるかを測定することにより、測定対象となるポーラスコンクリートの空隙率が許容範囲に収まっているか否かを評価することができる。ポーラスコンクリートへの入射音がその空隙で減衰される程度が反射音の音響強度で示されるからである。ポーラスコンクリートの空隙率が許容範囲であるか否かを評価するために、境界壁とポーラスコンクリートとの間に形成された間隙を所定サイズに設定することが好ましく、これにより空隙率の許容範囲の内側及び外側で第2音響センサにより検出される反射音の音響強度が適正に変化するように、ポーラスコンクリートからの反射音響強度を得ることができるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、第1遮音室及び第2遮音室の前記ポーラスコンクリートに臨む開口部のうち、前記境界壁の下端に対向する所定幅領域以外の領域を閉塞する閉塞部材が設置されている点にある。
上述の構成によれば、音源から出力された直接音がポーラスコンクリートに入射する領域が、閉塞部材によって境界壁の下端に対向する所定幅領域に制限されるので、音源の強度をそれほど大きくしなくても、効率的且つ精度良くポーラスコンクリートによる減衰の程度を検出することができ、ポーラスコンクリートからの反射音が確実に第2音響センサで受音できるようになる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記開口部の周部が前記ポーラスコンクリート表面と密に当接する密接部材が設けられている点にある。
開口部の周部とポーラスコンクリート表面との間に隙間があると、音源から出力される音響エネルギーがその隙間から漏れ出るばかりでなく、その隙間から外部の騒音が入り込み、正確な測定が妨げられる虞があるが、密接部材によりそのような隙間が閉塞されるので、ポーラスコンクリート表面に凹凸がある場合でも、正確な測定が可能になる。さらに、密接部材によりそのような隙間が閉塞されるので、ポーラスコンクリートの測定場所を容易に変えながら、ポーラスコンクリート表面に凹凸がある場所でも正確な測定が可能になる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記音源が所定強度のホワイトノイズを出力するスピーカで構成され、前記第1音響センサ及び第2音響センサに、ホワイトノイズのうち前記ポーラスコンクリートにより個別に設定された周波数帯域の音響強度を選択的に計測する周波数帯域選択部を備えている点にある。
計測対象となるポーラスコンクリートの空隙率が同じであっても、各空隙の平均サイズまたはサイズ分布が異なれば減衰される音源の周波数範囲が異なる。しかし、音源が所定強度のホワイトノイズを出力するスピーカで構成されていれば、空隙の平均サイズまたはサイズ分布によって音源の周波数を調整する必要が無く、第1音響センサ及び第2音響センサに備えた周波数帯域選択部を介してポーラスコンクリートの空隙のサイズに適応した周波数帯域の信号を得ることができる。
同第六の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記音源が前記ポーラスコンクリートにより個別に設定された周波数帯域の音を選択する周波数帯域選択部とその周波数帯域選択部で選択された周波数帯域の音を出力するスピーカで構成されている点にある。
上述したように、計測対象となるポーラスコンクリートの空隙率が同じであっても、各空隙の平均サイズまたはサイズ分布が異なれば減衰される音源の周波数範囲が異なるので、音源をポーラスコンクリートの空隙の平均サイズまたはサイズ分布に適応した周波数帯域の音を選択して出力する周波数帯域選択部及びスピーカで構成することで、第1音響センサ及び第2音響センサによってポーラスコンクリートの空隙の平均サイズまたはサイズ分布に適応した周波数帯域の信号を得ることができる。
同第七の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第一から第六の何れかの特徴構成に加えて、前記境界壁と前記ポーラスコンクリートとの間に形成された間隙部の間隙幅を調整する間隙調整機構を備えている点にある。
測定対象となるポーラスコンクリートの空隙率の適正範囲が異なる場合や、空隙の平均サイズまたはサイズ分布が異なる場合でも、間隙調整機構を備えて境界壁とポーラスコンクリートとの間に形成された間隙部の間隙幅を調整することにより、音源から出力され、間隙部から直接伝播する音響強度の影響を最小化して、ポーラスコンクリートからの反響音強度を最大化するようにバランスを図ることができるので、ポーラスコンクリートの吸音特性を感度良く測定できる汎用的な空隙率測定装置となる。
同第八の特徴構成は、同請求項8に記載した通り、上述の第五または第六の特徴構成に加えて、前記間隙部の長さが15〜30mmに設定されるとともに、前記スピーカまたは前記第1音響センサ及び第2音響センサに備えた周波数帯域選択部による選択周波数帯域が5k〜8kHzの範囲に設定されている点にある。
間隙部の長さ及び周波数帯域選択部による選択周波数帯域が上述の数値範囲に設定されていれば、ろ過池に打設されたポーラスコンクリート製の床面の空隙率を適正に評価することができる空隙率測定装置となる。
本発明による空隙率評価方法の第一の特徴構成は、同請求項9に記載した通り、上述の第一から第八の何れかの特徴構成を備えた空隙率測定装置を用いた空隙率評価方法であって、前記ポーラスコンクリートに前記第1遮音室及び第2遮音室の開口部が対向するように設置して、空気振動源から所定振動を出力したときに前記第1振動計測センサ及び前記第2振動計測センサで検出される振動強度の比または差を算出し、その算出値に基づいて前記ポーラスコンクリートの空隙率が許容範囲にあるか否かを推定する点にある。
第1振動計測センサ及び第2振動計測センサで検出される振動強度の比または差に基づけば、ポーラスコンクリートの空隙率が許容範囲にあるか否かを推定することができる。
以上説明した通り、本発明によれば、下部集水装置のポーラスコンクリート層のような空隙率の分布を正確に検出することができる空隙率測定装置及び空隙率評価方法を提供することができるようになった。
ろ過池に備えた下部集水装置の説明図 (a)はろ過工程の説明図、(b)は洗浄工程の説明図 (a)は空隙率測定装置の平面図、(b)は同正面図、(c)は同裏面図、(d)は同側面図 (a)は空隙率測定装置の壁部の構成図、(b)は空隙率測定装置の測定原理の説明図 (a)は境界壁の間隙の長さLをパラメータとする空隙率と第2遮音室での測定音量の特性図、(b)は、音源の周波数が5kから8kHzの周波数帯域におけるポーラスコンクリート層の空隙率の特性図 (a)は所定サイズに区分されたポーラスコンクリート層の説明図、(b)は区分内で再測定する際の測定位置の説明図 (a)は区分毎の減音量と判定結果の図表、(b)は測定結果を示す減音量分布特性図 ポーラスコンクリート層の空隙率の評価手順を示すフローチャート (a)はポーラスコンクリート層の空隙率を評価するための上限及び下限閾値の説明図、(b)は下限閾値の設定説明図、(c)は上限閾値の設定説明図
以下、本発明による空隙率測定装置及び空隙率評価方法を図面に基づいて説明する。
図1には、ろ過池Aに設置される下部集水装置1が示されている。下部集水装置1は、隣接設置された複数のコンクリート製の各処理槽の矩形底部に、微小な空気吹出口2aが配列形成された複数の空気分散梁2が矩形底部の短手方向に並列姿勢で配置され、隣接する空気分散梁2の上部にSUS製の網3aが形成されたスリット板3が配列されている。空気分散梁2の一端部に空気渠7が形成され、空気渠7から各空気分散梁2に形成された空気吹出口2aから空気が噴出可能に構成されている。
さらにスリット板3の上部に分散砂利が敷きつめられた分散砂利層4が形成され、その上部に多孔質体であるポーラスコンクリート層5が形成されている。ポーラスコンクリート層5の上部に活性炭やアンストラサイト等のろ材6が充填され、その上から処理水Wtが供給される。
図2(a)には、ろ過工程にある下部集水装置1の断面図が示されている。ろ過池Aへの流入水は、流入渠8から流入ゲートG1を介して排水渠10に流入し、排水渠10に備えたトラフ11を経由して各下部集水装置1に流入する。
処理水は下部集水装置1のろ材6の充填層で汚濁物質が吸着処理され、さらにポーラスコンクリート層5に形成された細孔から下方に流出し、流量計Q及び流量調整弁V1を介してろ過水として取り出される。図中、Bはブロワ、Mは流入ゲートG1及び排水ゲートG2の開閉用駆動機である。
図2(b)には、洗浄工程にある下部集水装置1の断面図が示されている。ろ過工程が継続されることによりろ材6の充填層にある程度の汚濁物質が蓄積されるとろ過性能が低下する。そこで、ろ材6を洗浄して汚濁物質を除去する洗浄工程が実行される。
先ず、図2(a)のろ過工程から流入ゲートG1を閉塞して、下部集水装置1からろ過水を排水するとともに、排水ゲートG2を開放して排水渠10から処理水を排水する水抜き工程が実行される。
その後、流量調整弁V1を閉塞して逆洗弁V2を開放して、ポーラスコンクリート層5の下面からろ材6の充填層に洗浄水を注水するとともに、ブロワBを起動して空気渠7から空気分散梁2に空気を注入して、空気分散梁2に形成された各空気吹出口2aから空気を噴出させる。
洗浄水の注水で水位が徐々に上昇し、このとき同時にバブリングされることにより、水と空気とによって粒状のろ材6が激しく攪拌され、汚濁物質がろ材6から剥離されて洗浄水に浮遊する。
水位がトラフ11に達する直前でブロワBが停止され、洗浄水に浮遊する汚濁物質が洗浄水とともにトラフ11から排水渠10に流出し、排水ゲートG2から排水される。
上述したように、ポーラスコンクリート層5はろ過工程では上方から下方にろ過水を通水し、洗浄工程では下方から上方へ洗浄水を通水する必要があり、このような通水機能を実現するために、空隙率が25〜35%の範囲に調整されている必要がある。
このようなポーラスコンクリート層5は、分散砂利層4の上に厚さ70mmで打設されて締め固められて構成されるもので、浄水場により池寸法は異なるものの、打設面積は一般的に縦が10〜15m、横が3〜5m程度に及び、非常に面積が広く、その一部の領域でも空隙率が25〜35%の範囲から逸脱すると、その領域で適切なろ過工程、洗浄工程が行なえなくなる。
本発明による空隙率測定装置は、多孔質体の空隙率を音響特性に基づいて測定する可搬性の装置で、例えば、上述した多孔質体としてのポーラスコンクリート層5の空隙率を、施工時或いはメンテナンス時に測定し、空隙率が適正範囲に入っているか否かを評価するために用いられる装置である。
図3(a)から(d)には空隙率測定装置20の概観が示されている。
空隙率測定装置20は、多孔質体5に臨むように一端側に開口部24,25が形成された第1遮音室21及び第2遮音室22が中央の境界壁23を介して隣接配置され、第1遮音室21にスピーカでなる音源30が設置されるとともに音源30から出力された直接音の音響強度を計測するマイクロホンでなる第1音響センサ32が設置され、第2遮音室22に音源30から出力され境界壁23と多孔質体5との間に形成された所定サイズの間隙部26から直接伝播する音響強度及び多孔質体5からの反射音響強度を計測するマイクロホンでなる第2音響センサ34が設置されている。音源30が本発明の空気振動源となる。
図4(a)に示すように、第1遮音室21及び第2遮音室22を形成する壁部及び境界壁23は、何れも厚肉板状の吸音部材の両面をポリ塩化ビニル製のシートで被覆した厚さが35mm程度の板材で構成され、外部からの騒音が第1遮音室21及び第2遮音室22に入り込まないように遮音するとともに、音源30から出力された音響が吸音されずにポリ塩化ビニル製のシートで反射されるように構成されている。
第1遮音室21及び第2遮音室22は、横200mm、高さ360mm、奥行き230mmの直方体で構成され、開口部24,25の面位置と境界壁23の下端との間隙部の長さLが15〜30mmの範囲に設定されている。
境界壁23と多孔質体5との間に形成された間隙部、つまり開口部24,25の面位置と境界壁23の下端との間隙部の間隙幅Lを調整する間隙調整機構40が境界壁23に設けられている。間隙調整機構40は、境界壁23の下端部で上下方向に位置調節可能にボルト固定された断面が「コ」の字形の間隔調整部材で構成されている。
多孔質体5の空隙率が許容範囲であるか否かを評価するためには、空隙率の許容範囲、本実施形態では空隙率25〜35%の内側及び外側で反射音の音響強度が適正に変化する必要があり、許容範囲の内側または外側で反射音の音響強度の変化が小さく或いは変化しない場合には正しく評価できない虞がある。
図5(a)に示すように、横軸を空隙率、縦軸を第2音響センサ34の出力Poとしたときに、破線や一点鎖線で示すように、許容範囲の境界及び内側で音響強度の変化が小さい場合やほとんど変化しない場合には、適正に空隙率との相関関係が見出せない。そのような場合でも、境界壁30と多孔質体5との間に形成された間隙の長さLを調整することにより、相関が得られるようになる。本実施形態では、空隙率25〜35%の範囲及びその境界領域で、間隙の長さLが15〜30mmの範囲、好ましくは20〜30mmの範囲に設定すると、図中実線で示すような大きく傾斜した好ましい特性が得られるようになる。
つまり、境界壁30と多孔質体5との間に形成された間隙Lを調整することによって、直接伝播する音響強度の影響を最小化して、多孔質体5からの反射音響強度を最大化するようにバランスを図ることができるようになる。
図4(b)には、空隙率測定装置20の測定原理が示されている。第1遮音室21に設置された音源30から出力された直接音の音響強度が第1音響センサ32で検出され、開口部24,25から多孔質体5に入射し、多孔質体5で反射された反射音及び境界壁23の間隙幅Lを通過した直接音の音響強度が第2遮音室22に設置された第2音響センサ34で検出される。
第1音響センサ32の出力Piと第2音響センサ34の出力Poの比(Pi/Po、または10Log(Pi/Po))と多孔質体5の空隙率との間に相関関係が見られることから、多孔質体の空隙率が許容範囲に収まっているか否かを評価することができる。
つまり、多孔質体5の空隙率が大きい場合には音源30から出力される音が多孔質体5で大きく吸音減衰されるため、その反射音の音響強度が小さくなり、多孔質体5の空隙率が小さい場合には音源30から出力される音が多孔質体5でそれほど吸音減衰されないため、その反射音の音響強度が比較的大きくなる。その結果、測定対象となる多孔質体の空隙率が許容範囲に収まっているか否かを評価することができる。尚、第1音響センサ32の出力Piと第2音響センサ34の出力Poの差(Pi−Po)と多孔質体5の空隙率との間にも相関関係が見られるので、比と差の何れの値でも評価可能である。以下では差を用いる例を説明する。
第1遮音室21及び第2遮音室22の多孔質体5に臨む開口部24,25のうち、境界壁23の下端に対向する所定幅領域W以外の領域を閉塞する非吸音性の閉塞部材(シート)27,28が設置されている。当該閉塞部材もポリ塩化ビニル製のシートが使用されている。
音源30から出力された直接音が多孔質体5に入射する領域が、閉塞部材27,28によって境界壁23の下端に対向する所定幅W(図3(c)参照)の領域に制限されるので、音源30の強度をそれほど大きくしなくても、効率的且つ精度良く多孔質体5による減衰の程度を検出することができるようになる。所定幅Wは、境界壁23の厚さ35mmを含み、100〜160mmの範囲であることが好ましく、120〜140mmの範囲であることがより好ましい。
さらに、開口部24,25の周部端面が多孔質体5の表面と密に当接する密接部材が設けられていることが好ましく、多孔質体5の表面に凹凸がある場合でも、密接部材によりそのような隙間が閉塞されるので、音源30から出力される音響エネルギーが隙間から漏れ出たり、隙間から外部の騒音が入り込むことが回避され、正確な測定が可能になる。
密接部材として、ポリ塩化ビニル製のシートで被覆した発泡ウレタンのような弾性部材を好適に用いることができる。発泡ウレタンを上述した非吸音性の閉塞部材(シート)27,28で被覆することにより、密接部材と兼用するように構成することも可能である。
また、音源30が所定強度のホワイトノイズを出力するノイズ発生器に接続されたスピーカで構成され、第1音響センサ32及び第2音響センサ34に、ホワイトノイズのうち多孔質体5により個別に設定された周波数帯域の音響強度を選択的に計測できる周波数帯域選択部を備えている。さらに、ノイズ発生器にホワイトノイズのうち個別に設定された周波数帯域のみの音を出力する周波数帯域選択部を備えてもよい。
計測対象となる多孔質体5の空隙率が同じであっても、各空隙の平均サイズまたはサイズ分布が異なれば減衰される音源の周波数範囲が異なる。しかし、音源30が所定強度のホワイトノイズを出力するスピーカで構成されていれば、空隙の平均サイズまたはサイズ分布によって音源の周波数を調整する必要が無く、第1音響センサ32及び第2音響センサ34に備えた周波数帯域選択部を介して多孔質体5の空隙のサイズに適応した周波数帯域の信号を得ることができる。音響センサの測定周波数帯域が調整可能に構成されていれば、装置の汎用化が可能になる。さらに、ノイズ発生器から出力されるホワイトノイズの周波数帯域を周波数帯域選択部で選択して出力するように構成されていてもよい。
尚、多孔質体5の空隙のサイズに適応した周波数帯域が既知であれば、音源30を多孔質体5により個別に設定された周波数帯域の音を出力するスピーカで構成することも可能である。
測定対象が上述のポーラスコンクリート層5である場合に、適正な周波数帯域を求めるために、音源30からホワイトノイズ音を出力してオクターブ分析を行なった。その結果、図5(b)に示すように、空隙率が25〜35%の範囲に対して、5k〜8kHzの周波数帯域で減音量Pi−Poが良好な相関を示すことが確認された。尚、このときの境界壁23の間隙長さLは15〜30mmの範囲に設定されている。
つまり、ろ過池に打設されたポーラスコンクリート製の床面の空隙率を測定する場合には、間隙部の長さLが15〜30mmに設定されるとともに、音響センサの選択周波数帯域が5k〜8kHzの範囲に設定されていると、空隙率を良好に評価できる。
図4(b)に示すように、本発明による空隙率評価方法は、上述の空隙率測定装置20を用いた空隙率評価方法であり、多孔質体5に第1遮音室21及び第2遮音室22の開口部24,25が対向するように設置して、音源30から所定音を出力したときに第1音響センサ32及び第2音響センサ34で検出される音響強度の差を算出し、その算出値に基づいて多孔質体5の空隙率が許容範囲にあるか否かを推定する。
許容範囲について説明する。予め空隙率が異なる複数の多孔質体に対して音響強度の差、ここでは減音量Pi−Poを算出する計測処理を繰り返して得られる複数の算出値のうち、空隙率が許容範囲の上限の多孔質体に対する算出値の相対度数分布の上側所定比率(棄却率)を示す算出値が許容上限値に設定され、空隙率が許容範囲の下限の多孔質体に対する算出値の相対度数分布の下側所定比率(棄却率)を示す算出値が許容下限値に設定され、当該許容上限値と許容下限値が許容範囲として設定される。
図9(a)には、空隙率が25%から35%の範囲にある9個のポーラスコンクリートのサンプルに対して、間隙部の長さLを15〜30mmの範囲で可変に調整して、それぞれ複数回計測した減音量Pi−Poの分布図特性が示されている。
図9(b),(c)に示すように、各サンプルに対する相対度数がほぼ正規分布を示すことから、統計学におけるp値を参考にして、上限値及び下限値を決定した。p値とは、測定データにおける極端な数値(相対度数分布図における左右の末端部分)の棄却率を指す。通常p値は、棄却率5%から10%の間の定値であるが、測定データの信頼性を確保するために棄却率20%に設定し、サンプル毎に上限値及び下限値を算出した。
図9(b),(c)に示すように、9個のサンプルのうち最も値の高い上限値は空隙率34.5%の15.44dBとなり、最も値の低い下限値は空隙率25.9%の10.54dBとなった。図9(a)に示す一点鎖線は、この許容上限値15.44dBと許容下限値10.54dBを示す線分である。
以下、具体的な測定手順について説明する。
図6(a)に示すように、縦15000mm、横3500mmの池面積を有するポーラスコンクリート層の場合、縦方向に10等分、横方向に3等分して1500mm×1170mm角の30の小領域に区分し、各小領域に番号1から30を付し、各小領域の中央部に空隙率測定装置20を設置して、複数回減音量Pi−Poを算出し、その平均値をその小領域の代表値とする。小領域のサイズは1000mm×1000mmから2000mm×2000mmの範囲が好ましい。
大面積の多孔質体を測定する場合に、細かな測定ピッチで多数回計測すると計測作業に多大な時間を要するが、多孔質体を所定サイズに区分して区分毎に少なくとも一箇所で計測して得られる各算出値に基づいて、多孔質体の全域の空隙率が許容範囲にあるか否かを推定することにより効率的な測定ができる。
図7(a)には、1から30の番号を付した測定点に対する減音量と判定値が示されており、図7(b)にはそのときの減音量の分布特性が示されている。
図8には判定のための評価手順及び評価基準が示されている。各処理槽毎に、各小領域の減音量が上述した許容上限値15.44dBと許容下限値10.54dBの許容範囲に入っているか否かを判定する第1評価ステップが実行され(S1)、小領域の数の80%以上で当該許容範囲内に入っていると(S1,Y)、隣接する小領域の各測定点での減音量が共に当該許容範囲から逸脱することがないか否かの第2評価ステップが実行される。共に当該許容範囲から逸脱することがない場合には(S2,Y)、ポーラスコンクリート製の床部は、空隙率が25〜35%の範囲に入っており適正であると判定される(S3)。
第1評価ステップで、小領域の数の20%より多くの小領域で当該許容範囲内に入っていないと判定されると(S1,N)、第2評価ステップを待たずにポーラスコンクリート製の床部は不適正であると判定される(S5)。
ステップS2の第2評価ステップで、隣接する二つの小領域の減音量が共に許容範囲から逸脱していると判定された場合には、図6(b)に示すように、当該小領域の測定位置を中心とする半径500mmの円の周上で5箇所の再測定点を均等に離隔するように設定し、各再測定点での減音量が上述した許容上限値15.44dBと許容下限値10.54dBの範囲に入っているか否かが判定され、その80%(つまり4箇所)が当該範囲に入っていると判定されると(S4)、ステップS2が再度実行される(S2)。
ステップS2で隣接する小領域の各測定点での減音量が共に当該許容範囲から逸脱することがないか否かの第2評価ステップが実行され、共に当該許容範囲から逸脱することがない場合に(S2,Y)、空隙率が25〜35%の範囲に入っており、ポーラスコンクリート製の床部は適正であると判定される(S3)。
小領域の範囲が上述の1000mm×1000mmから2000mm×2000mmの範囲であれば、5箇所の再測定点は小領域内で均等に分散し、互いに500mm程度離隔するため、十分な測定精度が得られる。つまり、再測定する場合の測定点は最初の測定点に対して、その小領域内で均等に分散した複数の測定点である必要がある。
この手順によれば、図7(b)の減音量分布特性を示すポーラスコンクリート層は、番号20の小領域で許容範囲から逸脱しているが、その他の小領域で許容範囲に収まっているため、上述の評価基準を満たし、適正な施工状態であると判定される。
ポーラスコンクリートの打設方法や締固め方法に問題があると、広範囲で水処理に多大な影響を及ぼすことになる。そこで、広範囲の定義を隣接する二つ以上の小領域とするものである。領域の隣接方向とは、前後方向及び上下方向のみならず斜め方向も含む概念である。
つまり、本発明による空隙率評価方法は、大きな面積の多孔質体を所定サイズに区分して、区分毎に少なくとも一箇所で音響強度の比または差を算出し、その算出値に基づいて多孔質体の全域の空隙率が許容範囲にあるか否かを推定し、算出値が許容範囲を逸脱する区分に対して、その計測箇所から所定距離離隔した複数位置で音響強度の比または差を算出し、算出値が許容範囲にある計測位置の数の比率が所定比率以上であるときに、その区分が許容範囲にあると推定するものである。
上述した実施形態では、主に、ろ過池に打設されたポーラスコンクリート製の床面の空隙率を測定する空隙率測定装置について説明したが、本発明による空隙率測定装置の測定対象はポーラスコンクリート製の床面に限るものではなく、任意の多孔質体の空隙率を測定することも可能である。
ポーラスコンクリート層の空隙率を評価する場合に、間隙部の長さLが15〜30mmに設定され、音響センサの選択周波数帯域が5k〜8kHzの範囲に設定されることが好ましいのであるが、間隙部の長さL及び音響センサの選択周波数帯域は、測定対象に応じて適宜設定される値である。
上述の実施形態では、境界壁23に間隙調整機構40が設けられ、汎用性を備えた空隙率測定装置を説明したが、間隙調整機構40を備えずに、境界壁23と多孔質体5との間に形成される間隙部の長さが測定対象に応じて予め適切な値に設定されていてもよい。
上述した実施形態では、遮音室21,22が直方体形状である場合を説明したが、遮音室21,22が境界壁23で仕切られていればよく、その形状は特に制限されることは無い。例えば、周壁が湾曲形成された筒状体で遮音室21,22が形成されていてもよい。
上述した実施形態では、多孔質体に臨むように一端側に開口部が形成された第1遮音室及び第2遮音室が境界壁を介して隣接配置され、第1遮音室に音源が設置されるとともに音源から出力された直接音の音響強度を計測する第1音響センサが設置され、第2遮音室に前記音源から出力され境界壁と多孔質体との間に形成された所定サイズの間隙部から伝播する多孔質体からの反射音響強度を計測する第2音響センサが設置された空隙率測定装置を用いた空隙率評価方法を説明したが、空隙率評価方法それ自体は、上述の構成を備えた空隙率測定装置以外の空隙率測定装置を用いる場合に採用することができ、多孔質体からの反射音響強度を計測して多孔質体の空隙率を求める空隙率測定装置であれば、任意の構成の空隙率測定装置を用いて空隙率を評価することができる。
即ち、多孔質体からの反射音響強度を計測して多孔質体の空隙率を求める空隙率測定装置を用いた空隙率評価方法として、予め空隙率が異なる複数の多孔質体に対して音響強度の比または差を算出する計測処理を繰り返して得られる複数の算出値のうち、空隙率が許容範囲の上限の多孔質体に対する算出値の相対度数分布の上側所定比率を示す算出値を許容上限値に設定し、空隙率が許容範囲の下限の多孔質体に対する算出値の相対度数分布の下側所定比率を示す算出値を許容下限値に設定し、測定対象となる多孔質体の算出値が許容上限値と許容下限値の間にあるか否かに基づいて多孔質体の空隙率が許容範囲にあるか否かを推定することができる。
また、面状の多孔質体を所定サイズに区分して、区分毎に少なくとも一箇所で音響強度の比または差を算出し、その算出値に基づいて多孔質体の全域の空隙率が許容範囲にあるか否かを推定するとともに、算出値が許容範囲を逸脱する区分に対して、その計測箇所から所定距離離隔した複数位置で音響強度の比または差を算出し、算出値が許容範囲にある計測位置の数の比率が所定比率以上であるときに、その区分が許容範囲にあると推定することができる。
以上の説明では、本発明の空隙率測定装置が、ポーラスコンクリートに臨むように一端側に開口部が形成された第1遮音室及び第2遮音室が境界壁を介して隣接配置され、第1遮音室に音源が設置されるとともに音源から出力された直接音の音響強度を計測する第1音響センサが設置され、第2遮音室に音源から出力され境界壁とポーラスコンクリートとの間に形成された所定サイズの間隙部から伝播する多孔質体からの反射音響強度を計測する第2音響センサが設置された最適な例を中心に説明したが、本発明の空隙率測定装置は、可聴域の周波数の音響強度に基づいて空隙率を測定するものに限らず、空気の振動特性に基づいて測定するものであれば、その周波数は制限されることは無い。
つまり、ポーラスコンクリートに臨むように一端側に開口部が形成された第1遮音室及び第2遮音室が隣接配置され、第1遮音室に空気振動源が設置されるとともに、空気振動源から出力された直接振動の強度を計測する第1振動計測センサが設置され、第2遮音室に空気振動源から出力されポーラスコンクリートからの反射振動強度を計測する第2振動計測センサが設置されている構成であればよい。
具体的に、空隙率測定装置は、境界壁がポーラスコンクリートの表面にまで延出して間隙部が形成されていないような構成であってもよい。また、空隙率測定装置は、一端側に開口部が形成された第1遮音室及び第2遮音室が隣接配置されていればよく、第1遮音室と第2遮音室が共通の境界壁を介して隣接配置されていなくてもよい。
上述した実施形態は本発明の一態様であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成や制御態様は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
5:多孔質体
20:空隙率測定装置
21:第1遮音室
22:第2遮音室
23:境界壁
30:音源
32:第1音響センサ
34:第2音響センサ

Claims (9)

  1. ろ過池におけるポーラスコンクリートの空隙率を空気の振動特性に基づいて測定する空隙率測定装置であって、
    前記ポーラスコンクリートに臨むように一端側に開口部が形成された第1遮音室及び第2遮音室が隣接配置され、
    前記第1遮音室に空気振動源が設置されるとともに、前記空気振動源から出力された直接振動の強度を計測する第1振動計測センサが設置され、
    前記第2遮音室に前記空気振動源から出力され前記ポーラスコンクリートからの反射振動強度を計測する第2振動計測センサが設置されている空隙率測定装置。
  2. 前記ポーラスコンクリートの空隙率を音響特性に基づいて測定する空隙率測定装置であって、
    前記ポーラスコンクリートに臨むように一端側に開口部が形成された第1遮音室及び第2遮音室が境界壁を介して隣接配置され、
    前記第1遮音室に音源が設置されるとともに前記音源から出力された直接音の音響強度を計測する第1音響センサが設置され、
    前記第2遮音室に前記音源から出力され前記境界壁と前記ポーラスコンクリートとの間に形成された所定サイズの間隙部から伝播する前記ポーラスコンクリートからの反射音響強度を計測する第2音響センサが設置されている請求項1記載の空隙率測定装置。
  3. 第1遮音室及び第2遮音室の前記ポーラスコンクリートに臨む開口部のうち、前記境界壁の下端に対向する所定幅領域以外の領域を閉塞する閉塞部材が設置されている請求項1または2記載の空隙率測定装置。
  4. 前記開口部の周部が前記ポーラスコンクリート表面と密に当接する密接部材が設けられている請求項1から3の何れかに記載の空隙率測定装置。
  5. 前記音源が所定強度のホワイトノイズを出力するスピーカで構成され、前記第1音響センサ及び第2音響センサに、ホワイトノイズのうち前記ポーラスコンクリートにより個別に設定された周波数帯域の音響強度を選択的に計測する周波数帯域選択部を備えている請求項1から4の何れかに記載の空隙率測定装置。
  6. 前記音源が前記ポーラスコンクリートにより個別に設定された周波数帯域の音を選択する周波数帯域選択部とその周波数帯域選択部で選択された周波数帯域の音を出力するスピーカで構成されている請求項1から4の何れかに記載の空隙率測定装置。
  7. 前記境界壁と前記ポーラスコンクリートとの間に形成された間隙部の間隙幅を調整する間隙調整機構を備えている請求項1から6の何れかに記載の空隙率測定装置。
  8. 前記間隙部の長さが15〜30mmに設定されるとともに、前記スピーカまたは前記第1音響センサ及び第2音響センサに備えた周波数帯域選択部による選択周波数帯域が5k〜8kHzの範囲に設定されている請求項5または6記載の空隙率測定装置。
  9. 請求項1から8の何れかに記載の空隙率測定装置を用いた空隙率評価方法であって、
    前記ポーラスコンクリートに前記第1遮音室及び第2遮音室の開口部が対向するように設置して、空気振動源から所定振動を出力したときに前記第1振動計測センサ及び前記第2振動計測センサで検出される振動強度の比または差を算出し、その算出値に基づいて前記ポーラスコンクリートの空隙率が許容範囲にあるか否かを推定する空隙率評価方法。
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