JP4431868B2 - 状態監視装置 - Google Patents

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Description

本発明は、曝気槽や沈殿池等の被計測槽に貯えられた水中での気泡の発生状況や固形浮遊物の上昇または浮遊汚泥の様子を監視するに好適な状態監視装置に関する。
用水処理や排水処理においては、例えば曝気槽を用いて被処理水(用水や排水)を活性汚泥処理した後、その処理水を沈殿池(沈殿槽)に導いて汚泥とその上澄水とに固液分離処理することが行われる(例えば特許文献1を参照)。尚、上記活性汚泥処理は、微生物と排水とを曝気槽で混合して十分な酸素を与え、排水中に含まれる有機物を分解する処理からなる。
また沈殿池(沈殿槽)においては汚泥の堆積量を監視するべく、例えば超音波センサを用いて沈殿池(沈殿槽)の底面に向けて送信した超音波の反射波から、その受信タイミングと強度とを解析することで前記沈殿池(沈殿槽)における汚泥と上澄水との界面(汚泥界面)を計測することが行われている(例えば特許文献2を参照)。
一方、本出願人は曝気槽等に収容した被処理水中にレーザ光を照射し、被処理水中での上記レーザ光の散乱光を検出して凝集物の状態やその発生状況を監視するシステムを提唱した(例えば特許文献3を参照)。
特開2002−166271号公報 特開2003−302279号公報 特開2002−195947号公報
ところで上述した排水処理設備や下水処理設備においては、曝気槽における活性汚泥処理の様子を監視して活性汚泥の異常を早期に発見したり、また沈殿池(沈殿槽)における固液分離状況を正確に把握することが重要である。しかしながら活性汚泥処理の様子や固液分離状況を把握するべく、前述した特許文献3等に示されるようなレーザ光を用いた監視システムをわざわざ組み込んだ場合、その設備コストが嵩むことが否めない。即ち、沈殿池(沈殿槽)には汚泥と上澄水との界面(汚泥界面)を計測する為の超音波センサが設けられている。従ってこの超音波センサを用いて被処理水の様子を監視できれば好都合である。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、例えば沈殿池(沈殿槽)に設けられて汚泥と上澄水との界面(汚泥界面)の計測に用いられる超音波センサを有効に活用して、気泡の発生状況や浮遊汚泥の様子等の被処理水の状態を把握するに好適な状態監視装置を提供することにある。
本発明に係る状態監視装置は、被計測槽の底面方向に向けて送波した超音波の反射波が気泡により反射したものであるか、或いは固形浮遊物または浮遊汚泥により反射したものであるかによって異なる挙動を示すことに着目している。特に被計測槽の底面や汚泥界面での反射波とは異なって、その反射波の強度や受波タイミングが時間的な経過に伴って気泡および浮遊汚泥にそれぞれ固有な挙動を示すことに着目してなされている。
そこで本発明に係る状態監視装置は、概略的には
<a> 被計測槽に貯えられた水中に浸漬されて前記被計測槽の底面方向に向けて超音波を送信し、その反射波を受信する超音波センサと、
<b> この超音波センサによる上記反射波の受波タイミング(超音波の送波タイミングからの経過時間)とその受波強度を検出する超音波検出手段と、
<c> 検出した反射波強度の経時的変化と受波タイミングの経時的変化とを解析して前記被計測槽に貯えられた水中での気泡および汚泥等の様子を監視する監視手段と
備えている。
そして前記監視手段においては、所定の閾値を越える強度の反射波を得た受波タイミングの変化速度から該反射波を生じた成分の上昇速度を求め、被計測槽内での上昇速度が次第に速くなる成分を気泡として、また上昇速度がほぼ一定の成分を上昇汚泥として検出することを特徴としている。即ち、被処理水中における気泡と上昇汚泥との上昇速度に違いがあることに着目し、その上昇速度の大きさまたは上昇速度の変化から気泡と上昇汚泥とを識別して検出することを特徴としている。
或いは前記監視手段においては、受波タイミングが連続して変化する反射波の強度変化を監視して、その強度が次第に高くなる成分を気泡として、また上記反射波の強度がほぼ一定の成分を上昇汚泥として検出することを特徴としている。即ち、被処理水中における気泡は上昇に伴ってその大きさが次第に大きくなり、これに対して上昇汚泥についてはその大きさが殆ど変化することがないことに着目し、気泡と上昇汚泥とを識別して検出することを特徴としている。
また本発明に係る状態監視装置は、上述した監視手段が有する識別機能に加えて、更に前記監視手段による監視結果に従って前記被計測槽に貯えられた水中に生じる気泡および浮遊汚泥の出現頻度を求めて前記超音波センサの汚れ状態を予測する予測手段を備えることを特徴としている。
尚、気泡および汚泥の出現頻度が、超音波センサが設けられた被処理水の上部側と被計測槽の底面側とにおいて時間的に異なる変化を呈するので、被処理水の上部側および下部側においてそれぞれ検出される反射波の変化の傾向から気泡および汚泥の発生状況を監視し、その監視結果に基づいて超音波センサの汚れの程度等を予測するようにしても良い。
尚、活性汚泥の沈殿池において発生する気泡は、脱窒によって発生する窒素ガスや腐敗した汚泥から発生する二酸化炭素ガスやメタンガス、硫化水素ガス等からなる。また汚泥の浮上は前記ガスを汚泥の内部、またはその周囲に帯びることにより、その比重が軽くなることによって生じる。
上述した構成の状態監視装置によれば、被処理水に浸漬されて被計測槽の底面に向けて送波した超音波の上記被処理水中における反射波を受波し、その受波タイミングおよび受波強度の時間的な変化を解析するだけで、被処理水中での気泡の発生状況や浮遊汚泥の様子を効果的に監視することができる。特に前記超音波センサが沈殿池(沈殿槽)における汚泥界面の計測用として設けられている場合には、当該超音波センサが有する機能をそのまま有効に活用して被処理水の状況を確認することができる。
しかも被処理水中における気泡および浮遊汚泥の大きさやその上昇速度が互いに異なり、これに伴って上記気泡および浮遊汚泥によりそれぞれ反射された超音波の反射波が異なる挙動を示すことに着目して被処理水中の様子を検出するので、簡易にして効果的に被処理水の様子を監視することができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る状態監視装置について、汚泥界面計が組み込まれる沈殿槽を例に説明する。
図1は超音波センサを備えた汚泥界面計が組み込まれる沈殿槽(被計測槽)10の概略構成を示す断面図である。沈殿槽10は、例えば直径約10m、深さ約3mのコンクリート製のものからなり、その中央上部には円筒状のフィードウェル11が設けられている。沈殿槽10の外部から汚水供給管12を介して供給される汚水は、上記フィードウェル11を介して沈殿槽10に流入して貯えられ、沈降作用によりその底部に堆積する汚泥とその上澄水とに分離される。
上述した沈殿槽10の中心部にはその上下に延在して回転軸13が設けられており、この回転軸13の上端部には沈殿槽10の周縁部に延びるアーム状のスキマ14が設けられている。このスキマ14は、沈殿槽10に貯えられた汚水の表面に沿って旋回して、その下部に設けられたブレード15にて水面に浮遊するスカム(浮遊物)を掻き集める役割を担う。また前記沈殿槽10の上部には上記スキマ14の回転面の下面(水面)に位置して前記沈殿槽10の半径方向に沿って延びるトラフ(樋)16が梁状に設けられている。そして前記スキマ15(ブレード16)により掻き集められたスカムは、図2に示すようにトラフ(樋)16上を通過するスキマ15によりトラフ(樋)16内に落とし込まれて前記沈殿槽10の外部に排出されるようになっている。
尚、図中17は前記沈殿槽10の内壁面上端部に設けられた越流トラフであり、この越流トラフ17から上澄水が外部に排出される。また沈殿槽10の底部に堆積した汚泥は、その底面に沿って移動自在(旋回自在)に設けられたレーキ(図示せず)により濃縮が促進された後、抜き出し管18を通して沈殿槽10の外部に排出される。
概略的には上述したように構成される沈殿槽10には、該沈殿槽10の底部に堆積した汚泥Aと、その表面に溜まった上澄水Bとの界面Cを検出する汚泥界面計20が設けられる。この汚泥界面計20が備える超音波センサ21は、多数の超音波トランスジューサを平面上に配列して超音波の送受波方向の指向性を鋭くした、例えば直径10cm程度の大径のもので、前記沈殿槽10に貯えられた汚水(被計測水)中に浸漬して設けられる。
具体的には超音波センサ21は、例えば図3に示すようにその超音波送受波面を下側に向けて所定のホルダ22に装着されて設けられている。このホルダ22の上面中央部には、互いに直交する向きに2つの回動軸X,Yを有して全方位(360°)に向けて傾倒自在な支持機構(ユニバーサルジョイント)23が設けられている。そして前記超音波センサ21はこの支持機構を23を介してその送受波面を前記沈殿槽10の底面に向けて、例えば図1に示すように前記トラフ(樋)16の下部に取り付けられるようになっている。
汚泥界面計20は、基本的には図4にその概略構成を示すように超音波センサ(超音波トランスジューサ)21を所定周期毎にパルス駆動して超音波を送波するパルス駆動部31と、上記超音波の反射波を上記超音波センサ(超音波トランスジューサ)21を介して受波する受信部32とを備える。そしてマイクロプロセッサ等により構成される界面検出部33は、前記超音波センサ21からの超音波の送波タイミングを基準として前記超音波センサ21にて受波された反射波(超音波)の受信タイミングとその強度を検出することで、前述した沈殿槽10の底部に堆積した汚泥Aと、その表面に溜まった上澄水Bとの界面Cを検出する機能を備える。
具体的には界面検出部33は超音波の送波タイミングt0からの時間経過に伴う反射波の強度をモニタし、その強度が所定の閾値を越えて急激に高くなったタイミングまでの経過時間t1から前記汚泥Aと上澄水Bとの界面(汚泥界面)Cまでの距離、換言すれば界面(汚泥界面)Cの高さを検出している。更に界面検出部33は、前記沈殿槽10がコンクリート製で超音波を強く反射することから、所定時間後に反射波の強度が高くなるタイミングまでの経過時間t2から前記沈殿槽10の底面までの距離を計測している。
さて本発明に係る状態監視装置は、基本的には上述した機能を備えて構成される汚泥界面計20における前記超音波センサ21での受波信号から、その受波タイミングと受波強度の時間的変化を監視して前記被処理水中での気泡の発生状況と浮遊汚泥の量とを検出するように構成される。即ち、この状態監視装置は、前記超音波センサ21のパルス駆動に同期して前記受信部32を介して求められる反射波信号を所定の時間に亘って順次記憶するメモリ34と、このメモリ34に記憶された反射波信号の時間経過に伴う変化を解析する監視部35とを備えて構成される。
この監視部35は、例えばマイクロコンピュータにより実現されるもので、前記メモリ34に順次記憶された反射波信号中における所定の強度レベル以上の信号部位を検出する閾値処理部35aを備える。更にこの監視部35は上記閾値処理部35aを介して検出された信号部位の時間経過に伴う受波タイミングの変化から、上記信号部位により示される反射体の前記被計測水中での上昇速度を検出する上昇速度検出部35b、および上記信号部位の時間経過に伴う信号強度の変化から前記反射体の大きさ変化を検出する大きさ検出部35cを備える。更に監視部35は、後述するように超音波センサ21の近傍での反射波の強度変化を監視する上部レベル監視部35dと、沈殿槽10の底面近傍での反射波の強度変化を監視する下部レベル監視部35eとを備える。
即ち、監視部35においては、前記超音波センサ21を所定周期毎に駆動して求められて前記メモリ34に順次記憶された各タイミングで反射波信号を閾値処理部35aにおいて所定の検出閾値で弁別することにより、所定のレベル以上の強度で超音波を反射した反射体を検出している。この反射体は、前述した汚泥界面Cや沈殿池(沈殿槽)10の底面のみならず、被計測水中に浮遊する気泡や汚泥等からなる。
このような反射体について考察してみると、沈殿池(沈殿槽)10の底面は一定の部位に存在し、該沈殿池(沈殿槽)10に貯えられた被計測水の性状による超音波の伝播特性に依存してその反射波強度が変化することがあっても、当該部位からの反射波の受波タイミング自体は変化することはない。また被計測水の固液分離により形成される汚泥界面Cも、汚泥の堆積に伴って、例えば1日当たり数cmずつその界面高さが変化するだけであり、数秒乃至数分間程度の短時間においては殆どその受波タイミングが変化することはない。
これに対して被計測水中に存在する気泡や浮遊汚泥による反射波は、前述した底面や汚泥界面Cよりも早いタイミングで受波される。しかも被計測水中の気泡の上昇速度は図5に特性Aとして示すように速く、例えば汚泥界面Cで発生した気泡は数秒程度で被計測水の水面まで上昇する。また上記気泡は被計測水中での上昇に伴って次第に大きくなり、これに伴って超音波に対する反射強度も高くなる。しかも気泡の体積が大きくなるに従ってその上昇速度が加速度的に速くなる。
一方、被計測水中での浮遊汚泥の上昇速度は図5に特性Bとして示すように遅く、その水面まで上昇時間は数分にも及ぶ。しかも浮遊汚泥は殆どその形状を変化させることなく被計測水中を上昇し、その上昇速度も殆ど変化することがない。従って気泡および浮遊汚泥による反射波に着目してその時間的変化を求めれば、上昇速度やその速度変化の違いから、或いはその反射強度の変化の程度から、その反射波を得た信号部位が気泡であるか、或いは浮遊汚泥であるかを識別して検出することができる。
前述した上昇速度検出部25bは、このような観点に立脚して所定レベル以上の強度を得た反射信号部位の受波タイミングの時間的変化を監視することで、その受波タイミングが次第に短くなってくる信号部位の変化を被計測水中での反射物の上昇速度として捉え、上昇速度が速いもの、或いはその上昇速度が加速度的に高くなるものを気泡による反射波であると判定し、逆に上昇速度が遅く、またその上昇速度がほぼ一定であるものを浮遊汚泥によるものであると判定している。
また前述した大きさ検出部35cは、反射波の強度の時間的変化を監視することで、その反射波強度が次第に高くなってくるものを気泡による反射波であると判定し、逆に反射波強度がほぼ一定であるものを浮遊汚泥によるものであると判定している。尚、気泡および浮遊汚泥の違いよる上述した反射波の時間的挙動の全てを判定して気泡と浮遊汚泥とを識別することなく、その1つの挙動だけに着目してその識別処理を行うようにしても良い。
そして前記監視部35においては、例えば沈殿池(沈殿槽)10内の所定の深さ領域における単位時間当たりの前述した如く検出される気泡および/または浮遊汚泥による反射波の出現頻度から、被計測数中における気泡および/または浮遊汚泥の発生状況を求め、これをその監視結果として出力するものとなっている。また同時にこれらの反射波の出現頻度の増減の傾向から、気泡および/または浮遊汚泥に起因する超音波センサ21の汚れの発生を予測するものとなっている。
またこの監視部35においては、前述したように超音波センサ21の近傍、および底面近傍での反射波強度の時間的変化を上部レベル監視部35dおよび下部レベル監視部35eにてそれぞれ監視している。即ち、前述したように気泡の上昇速度は速く、超音波センサ21の表面に気泡が付着するとこれに伴ってセンサ近傍での反射波強度が急激に高くなり、また超音波センサ21の表面に付着した気泡により被計測水中への超音波の送波が妨げられる。これ故、超音波センサ21の表面に気泡が付着すると、図6に示すようにセンサ近傍(被計測水の上部側)での反射波の強度が急激に高くなり、逆に底面側(被計測水の下部側)での反射波の強度が急激に低くなる。
しかしながら浮遊汚泥が超音波センサ21の表面に付着する場合には、浮遊汚泥の上昇速度が緩やかであることから、図7に示すようにセンサ近傍(被計測水の上部側)での反射波の強度が徐々に高くなるだけであり、またこれに伴って底面側(被計測水の下部側)での反射波の強度が徐々に低くなるだけである。前述した上部レベル監視部35dおよび下部レベル監視部35eは、このようなセンサ近傍での反射波の強度変化の傾向と、底面近傍での反射波の強度変化の傾向とをそれぞれモニタすることで、超音波センサ21の表面の汚れが気泡の付着によるものであるか、或いは浮遊汚泥の付着によるものであるかを判定している。そしてその判定結果に応じて、超音波センサ21に対する清掃処理を適宜促すものとなっている。
かくして上述した如く構成された状態監視装置によれば、被計測水中での気泡または浮遊汚泥により反射される超音波の強度とその受波タイミングの時間的な変化の形態が、被計測水中での気泡および浮遊汚泥の上昇速度の差やその上昇速度変化、更にその大きさの変化によって異なっていることに着目し、反射強度の変化や受波タイミングの変化を監視することで、その反射波が気泡によるものであるか、或いは浮遊汚泥によるものであるかを識別判定しているので、被処理水中の様子を、具体的には気泡の発生状況や浮遊汚泥の量等を効果的にモニタすることができる。
特に所定の監視領域における単位時間当たりの上記気泡および浮遊汚泥の出現頻度を調べることで、気泡の発生量や浮遊汚泥の量を求めることが可能となる。従って被計測水の状態を簡易にして効果的に把握することが可能となる。また沈殿池(沈殿槽)10における汚泥界面を計測するための超音波センサ21の出力(反射波信号)をそのまま利用して沈殿池(沈殿槽)10に貯えられた被処理水の様子をモニタすることができるので、その設備コストを安価に抑えることができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば監視部35を専用のハードウェアとして実現することも勿論可能である。またメモリ34に記憶した情報を3次元的にトレンドグラフ表示することも可能である。このようなトレンドグラフを用いれば、被処理水の様子を更に詳しく分析することも可能である。
また前記実施形態は、曝気槽と沈殿池とを併せ持つ活性汚泥処理装置を例にして述べたが、沈殿池の代わりに膜濾過装置を用いた設備や、曝気槽自体を沈殿槽として利用する回分式処理設備における汚泥の状態監視にも適用することができる。また各種の凝集剤を添加して水中の不純物を凝集フロック化し、これによって水を浄化する凝集槽池の固液分離監視にも応用することができる。
また超音波については、その底面に向けて所定の角度を付けて斜めに送波するようにしても良い。ちなみに超音波を底面に向けて垂直方向に送波した場合、その深さに対応した「点」での計測を実行することになるが、斜め方向に超音波を送波した場合には「線」での計測を実行することが可能となる。従ってより広範囲な計測が可能となり、異常を検知し易くなる。また超音波の送受波方向を左右または水平方向に偏向走査すれば「面」または「立体」での計測を行うことも可能となる。このような超音波の送受波方向の角度については、既知の角度となるように固定的に設定しても良いが、ステップモータ等を用いて可変可能としておき、任意の角度となるように調整するようにしても良い。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
沈殿池(被計測槽)の概略構成を示す図。 図1に示す沈殿槽におけるスキマとトラフ(樋)とによるスカムの掻き出し作用を説明する為の図。 沈殿池への汚泥界面計(超音波センサ)の取り付け構造を示す図。 本発明の一実施形態に係る状態監視装置を組み込んだ汚泥界面計の概略構成を示す図。 被計測水中の気泡および浮遊汚泥による反射波の経時的変化の様子を対比して示す図。 気泡によるセンサ近傍と底面近傍における反射波の変化の様子を示す図。 汚泥によるセンサ近傍と底面近傍における反射波の変化の様子を示す図。
符号の説明
10 沈殿槽(被計測槽)
21 超音波センサ
31 パルス駆動部
32 受信部
33 界面検出部
34 メモリ
35 状態監視装置
35a 閾値処理部
35b 上昇速度検出部
35c 大きさ検出部
35d 上部レベル監視部(センサ近傍)
35e 下部レベル監視部(底面近傍)

Claims (2)

  1. 被計測槽に貯えられた水中に浸漬され、前記被計測槽の底面方向に向けて垂直または斜めに超音波を送信してその反射波を受信する超音波センサと、
    この超音波センサによる上記反射波の受波タイミングとその強度を検出する超音波検出手段と、
    検出した反射波強度の経時的変化および受波タイミングの経時的変化に応じて該反射波を生じた成分を識別し、この判定結果に基づいて前記被計測槽に貯えられた水中での気泡および固形浮遊物の様子を監視する監視手段と
    を具備し、
    前記監視手段は、所定の閾値を越える強度の反射波を得た受波タイミングの変化から該反射波を生じた成分の上昇速度を求め、前記被計測槽内での上昇速度が次第に速くなる成分を気泡、上昇速度がほぼ一定の成分を固形浮遊物の上昇または上昇汚泥として識別する、
    または受波タイミングが連続して変化する反射波の強度が次第に高くなる成分を気泡、上記反射波の強度がほぼ一定の成分を固形浮遊物の上昇または上昇汚泥として識別する
    ことを特徴とする状態監視装置。
  2. 請求項1に記載の状態監視装置において、
    更に前記監視手段による監視結果に従って、前記超音波センサ近傍での反射波の強度変化の傾向と、前記計測槽の底面近傍での反射波の強度変化の傾向とから前記超音波センサの汚れ状態を予測する予測手段を備えることを特徴とする状態監視装置。
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