[パチスロ10の機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ10と称する。)の機能フローについて説明する。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー110が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述する入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール120L、120C及び120Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン112L、112C及び112Rが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタン112L、112C及び112Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ10では、基本的に、ストップボタン112L、112C及び112Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ライン126a〜126eに沿って極力表示されるようにリール120L、120C又は120Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示されることがないようにリール120L、120C又は120Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール120L、120C及び120Rの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ10における1回の遊技として行われる。
また、パチスロ10では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置210により行う映像の表示、各種ランプ212により行う光の出力、スピーカ214、低音用のスピーカ215により行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー110が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リール120L、120C及び120Rの回転が開始されるとき、各リール120L、120C及び120Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ10では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[パチスロ10の構造]
パチスロ10の機能フローについての説明は以上である。次に、図2〜図19を参照して、本実施の形態におけるパチスロ10の構造について説明する。
<パチスロ10の外部構造>
図2は、本実施の形態におけるパチスロ10の外部構造を示す。
パチスロ10は、リール120L、120C及び120Rや回路基板等を収容するキャビネット20と、キャビネット20の前面開口部を開閉可能に取り付けられるフロントドア30とを備える。キャビネット20の内部には、3つのリール120L、120C及び120Rが横並びに設けられている。各リール120L、120C及び120Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
フロントドア30の中央には、透過型の液晶表示装置210が設けられている。液晶表示装置210は、図柄表示領域を含む表示画面を備え、正面から見て3つのリールに重畳する手前側(リール120L、120C、120Rの前方)に位置するように設けられている。図柄表示領域122L、122C及び122Rは、3つのリール120L、120C及び120Rのそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール120L、120C及び120Rを透過することが可能な構成を備えている。
つまり、図柄表示領域122L、122C及び122Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール120L、120C及び120Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域122L、122C及び122Rを含めた表示画面124の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域122L、122C及び122R(以下、表示窓122L、122C及び122Rと称する。)は、その背後に設けられたリール120L、120C及び120Rの回転が停止されたとき、リール120L、120C及び120Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓122L、122C及び122Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン126(入賞判定ライン126a〜126e)として定義する。
本実施の形態では、各表示窓122L、122C及び122Rの上段を組合せてなるトップライン126a、各表示窓122L、122C及び122Rの中段を組合せてなるセンターライン126b、各表示窓122L、122C及び122Rの下段を組合せてなるボトムライン126c、左表示窓122Lの上段、中表示窓122Cの中段及び右表示窓122Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン126d、左表示窓122Lの下段、中表示窓122Cの中段及び右表示窓122Rの上段を組合せてなるクロスアップライン126eの5つを入賞判定ライン126として設けている。
<操作装置>
フロントドア30には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口40は、遊技者によって外部から投下される遊技媒体であるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口40に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ10の内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
クレジット機能は、図6に示すC/Pスイッチ179を操作することによって、メダルを投下して遊技を行うモードからクレジットモードに切り替えることができる。そして、クレジット機能が奏されているときには、クレジットされたメダルの枚数をメインRAM158のクレジットカウンタに格納する。また、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判断されたときも、入賞に係る図柄の組合せに応じた払出枚数をメインRAM158のクレジットカウンタに加算する。
ベットボタン132は、パチスロ10の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン134は、パチスロ10の内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー110は、全てのリール120L、120C及び120Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン112L、112C及び112Rは、3つのリール120L、120C及び120Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリールの回転を停止するために設けられる。
<その他装置>
7セグ表示器114は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロの10の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
ランプ212は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ214は、フロントドア30の上下4か所に設けられており、低音用のスピーカ215は、筐体内に設けられている。各スピーカ214,215は、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口42は、後述のメダル払出装置46の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口42から排出されたメダルは、メダル受皿44に貯められる。
<パチスロ10の内部構造>
図3は、本実施の形態におけるパチスロ10のキャビネット20における内部構成を示す正面図である。即ち、フロントドア30(図2参照)が開放されたキャビネット20の内部の構造を正面図として示している。図4は、図3のA−A断面斜視図であって、キャビネット20の内部に配置される低音用のスピーカ215とホッパー46との断面斜視図を示している。図5は、図3のA−A断面図であって、低音用のスピーカ215とホッパー46との断面図を示している。
図3に示すように、キャビネット20の内部の上方には、主制御部150を構成する基板(以下、主基板150とも称する。)と、副制御部250を構成する基板(以下、副基板250とも称する。)と、が設けられている。主制御部150は、内部当籤役の決定、リール120L、120C及び120Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ10における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御部150の具体的な構成は後述する。
副制御部250は、映像の表示、スピーカ214、215等による演出の実行を制御する回路である。副制御部250の具体的な構成は後述する。
また、キャビネット20の他方側L1の端部には、上部側Tと下部側Bに、フロントドア30を回動可能に軸支する軸受け部28a、28bがそれぞれ設けられている。
キャビネット20の内部の中央には、3つのリール120L、120C及び120Rが設けられている。各リール120L、120C及び120Rのそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介して図示せぬステッピングモータが接続されている。
3つのリール120L、120C、120Rは、リールユニットを用いてユニット化されており、このリールユニットをねじ止めすることで、3つのリール120L、120C、120Rを一つのまとまりとして、キャビネット20内の所定位置に配設することができる。
そして、図2に示すように、遊技者は、フロントドア30の正面側に配した表示窓122L〜122Rを介してリール120L、120C、120Rを視認することができ、視野角により、表示窓122L〜122Rの大きさよりも広い範囲でリール120L、120C、120Rを視認することができる。この広い範囲を照明し得るように図示せぬLEDが配置されている。
キャビネット20の内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置46(以下、ホッパー46と称する。)が設けられている。ホッパー46の左側には、パチスロ10内部に配設される各電気部品等の機器に対して必要な電力を供給するための電源装置50が設けられている。
3つのリール120L、120Cの下方側には、図4、図5にも示すように低音用のスピーカ215が設けられており、必要に応じて低音用のスピーカを取り付けることができるスピーカ取付部188が、リール120Rの下方側に設けられている。そして、図2に示すように、低音から高音まで出力できるスピーカ214が、フロントドア30の前面側の4か所(下端側の二か所は図示しているが、上端側に配したランプ212内の二か所の図示は省略している。)に設けられている。低音用のスピーカ215は、図3に示すようにキャビネット20内に設けられている。
スピーカ214を覆うスピーカボックス217は、ホッパー46の上部側Tに配されており、ホッパー46の開放部を覆うように配されている。また、メダル投入口40から投入された正規なメダルをホッパー46に案内する案内部(図示せず)が、フロントドア30(図2参照)の裏面側に配されているが、フロントドア30(図2参照)を閉じた状態において、この案内部とスピーカボックス217とが干渉しないように、スピーカボックス217は、案内部の近傍に配されている。
また、前述したクレジットとして、最大(例えば、50枚)まで預けておくことができる場合に、メダル投入口40から更にメダルが投入された場合には、投入されたメダルは、フロントドア30の裏面側に設けた図示せぬキャンセルシュータを通って、メダル受皿44に排出される。
[パチスロ10が備える回路の構成]
パチスロ10の構造についての説明は以上である。次に、図6及び図7を参照して、本実施の形態におけるパチスロ10が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ10は、主制御部150、副制御部250及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御部150>
図6は、本実施の形態におけるパチスロ10の主制御部150の構成を示す。
(マイクロコンピュータ152)
主制御部150は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ152を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ152は、CPU154(以下、メインCPU154と称する。)、ROM156(以下、メインROM156と称する。)及びRAM158(以下、メインRAM158と称する。)により構成される。
メインROM156には、メインCPU154により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御部250に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM158には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
また、C/Pスイッチ179により、クレジットモードが選択されているときには、メインCPU154は、メインRAM158のクレジットカウンタに格納し、クレジットカウンタをクレジット枚数として副制御部250に送信する。また、入賞に係る図柄の組合せに応じた払出枚数が行われたときには、払出枚数及び更新されたクレジットカウンタをクレジット枚数として副制御装置250に送信して、液晶表示領域210aに表示させる。
<乱数発生器等>
メインCPU154には、クロックパルス発生回路160、分周器162、乱数発生器164及びサンプリング回路166が接続されている。クロックパルス発生回路160及び分周器162は、クロックパルスを発生させる。メインCPU154は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器164は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路166は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
<スイッチ等>
マイクロコンピュータ152の入力ポート(図示せず)には、スタートスイッチ172やストップスイッチ170L、170C及び170R等が接続されている。メインCPU154は、スタートスイッチ172やストップスイッチ170L、170C及び170R等の入力を受けて、ステッピングモータ130L、130C及び130R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ170L、170C及び170Rは、3つのストップボタン112L、112C及び112Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ172は、スタートレバー110が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ174は、メダル投入口40に受け入れられたメダルが前述のセレクタ48内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ176は、ベットボタン132が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ178は、精算ボタン134が遊技者により押されたことを検出する。
<周辺装置及び回路>
マイクロコンピュータ152により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ130L、130C及び130R、7セグ表示器114及びホッパー46がある。
また、マイクロコンピュータ152の出力ポート(図示せず)には、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路180は、各リール120L、120C及び120Rに対応して設けられたステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動を制御する。リール位置検出回路182は、発光部と受光部とを有する光センサ(図示せず)により、リール120L、120C及び120Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール120L、120C及び120Rに応じて検出する。
ステッピングモータ130L、130C及び130Rは、移動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール120L、120C及び120Rに伝達される。ステッピングモータ130L、130C及び130Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール120L、120C及び120Rは一定の角度で回転する。
メインCPU154は、リールインデックス(図示せず)を検出してからステッピングモータ130L、130C及び130Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール120L、120C及び120Rの回転角度(主に、リール120L、120C及び120Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール120L、120C及び120Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路184Aは、7セグ表示器114の動作を制御する。また、光源駆動回路184Bは、LED477やバックライト光源409の発光動作を制御する。また、ホッパー駆動回路186は、ホッパー46の動作を制御する。また、払出完了信号回路188は、ホッパー46に設けられたメダル検出部190が行うメダルの検出を管理し、ホッパー46から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
<副制御部250>
図7は、本実施の形態におけるパチスロ10の副制御部250の構成を示す。
副制御部250は、主制御部150と電気的に接続されており、主制御部150から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御部250は、基本的に、CPU252(以下、サブCPU252と称する。)、ROM254(以下、サブROM254と称する。)、RAM256(以下、サブRAM256と称する。)、レンダリングプロセッサ258、描画用RAM260、ドライバ262、DSP264(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM266、中低音から高音用のアンプ270、ローパスフィルタ271、低音用のアンプ271等を含んで構成されている。
サブCPU252は、主制御部150から送信されたコマンドに応じて、サブROM254に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。また、第1操作方法、第2操作方法での操作信号に応じて、DSP264において音声制御タスクを行う音量が調整されることになる。第1操作方法は、ホール側で操作することができる手動操作手段によって行う操作方法であり、第2操作方法は、遊技者側が手動で操作することができる操作方法である。第1操作方法及び第2操作方法を用いた操作については、後述する。
サブRAM256は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御部150から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM254は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU252が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御部150との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置210による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ212による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ214による音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、副制御部250には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置210、スピーカ214、低音用のスピーカ215及びランプ212が接続されている。
サブCPU252、レンダリングプロセッサ258、描画用RAM260(フレームバッファを含む)及びドライバ262は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置210により表示する。
また、サブCPU252、DSP264、オーディオRAM266、アンプ270、ローパスフィルタ271、低音用のアンプ272は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ214、低音用のスピーカ215により出力する。また、サブCPU252は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ212の点灯及び消灯を行う。
<出音制御部>
音量調整部としては、DSP264と、アンプ270と、ローパスフィルタ271と、低音用のアンプ271とによって構成されており、音源部であるオーディオRAM266と合わせて出音制御部269が構成されている。
<第1操作方法>
本実施の形態では、図8に示す設定変更操作を液晶表示装置210に表示させるために、係員による通常操作とスピーカ214、215から出力する音量の調整操作とが行えるように構成されている。
通常操作では、係員がフロントドア30を回転させてロック機構を解放し、設定キースイッチ225をオンにすることで、液晶表示装置210の液晶表示領域210aに図8に示すホールメニュー画面が表示される。そして、係員が選択スイッチ(SELECTキー)222を7回押すことによって、選択状態として「時刻設定」の状態から「音量モード設定」の状態まで移動させることができる。そして、更に1回押すことによって「時刻設定」の状態に戻すことができる。
「音量モード設定」の状態において、決定スイッチ(ENTERキー)223を押すことで、液晶表示領域210a上に図9に示す音量モード設定画面が表示される。この画面は、ホール側で操作することのできる画面であり、本発明における第1操作方法を操作することができる画面になっている。この画面において、選択スイッチ(SELECTキー)222を押すことで、「MODE1」→「ON」→「CANCEL」→「SET」→「MODE1」と切り換えて行くことができる。エンターキー(ENTERキー)で「ON」が選択されたときは、後述するように遊技者が、スピーカ214、215から出力する音量レベルの調整を行うことを許可した状態になる。
また、例えば、「MODE1」が選択されている状態で、決定スイッチ(ENTERキー)223を押すことで、「MODE1」→「MODE2」→「MODE3」→「MODE1」と切り換えて行くことができる。キャンセルキー(CANCELキー)を押すことによって、この画面での設定内容を放棄して、図8で示したホールメニュー画面に戻ることができる。セットキー(SETキー)を押すことで、例えば、エンターキー(ENTERキー)で選択した「MODE1」の内容が決定して、図8で示すホールメニュー画面に戻ることになる。
エンターキー(ENTERキー)で「MODE1」から「MODE3」のうちから一つのモードが選択される。「MODE1」が選択されたときには、図10(a)に示すモードIの音量調整範囲が選択される。「MODE2」が選択されたときには、図10(b)に示すモードIIの音量調整範囲が選択され、「MODE3」が選択されたときには、図10(c)に示すモードIIIの音量調整範囲が選択される。
図10(a)に示すモードIは、基本モードであって、遊技者が選択できる音量レベルの音量調整範囲を設定するものである。そして、ホール側によってモードIが設定されたときには、遊技者は基本モードでの音量調整範囲の中からボリューム値で示される1〜7の中から自由に音量レベルを選択することが可能になる。また、ホール側は、基本モードでの音量調整範囲の中から一つの音量レベルを予め初期設定値として設定することができる。
初期設定値を設定するには、スライドスイッチ228を「大」→「中」→「小」→「中」のようにスライドさせることで、設定することができる。図示例では、「小」が「1」の音量レベルに対応し、「中」が「4」の音量レベルに対応し、「大」が「7」の音量レベルに対応している。
スライドスイッチ228は、図7の副制御部250の回路基板内に配置され、ホール側によって、スライドさせることにより、初期設定値を設定することができる。
上述したスライドスイッチ228と音量レベルとの対応関係は、例示であって本発明は上述した対応関係に限定されるものではない。そのため、例えば、「小」が「2」の音量レベルに対応し、「中」が「4」の音量レベルに対応し、「大」が「6」の音量レベルに対応するような関係に設定しておくこともできる。
図7における、DSP264からデジタルのアンプ270に送られるエンコードダデータが、初期設定値や後述する遊技者が選択した音量レベルに対応したボリューム値となるように加工されて、スピーカ214に供給されることになる。また、音量レベルが調整されたデータは、ローパスフィルタ271を通って低音用のアンプ271に供給されるが、ローパスフィルタ271を通っただけでは、低音部の音量レベルを調整することができないので、低音用のアンプ271に対しDSP264からの制御処理を行うことによって、低音用の音量調整を行うことができる。
図10(b)に示すモードIIは、規制対応モードであって、モードIにおける音量調整範囲よりもボリューム値の小さな領域側にシフトした音量調整範囲になっている。また、モードIIIは、モードIIよりも更に規制を強化した規制強化モードになっており、モードIIにおける音量調整範囲よりも更にボリューム値の小さな領域側にシフトした音量調整範囲になっている。
モードIIでは、初期設定値として、スライドスイッチ228を「中」にして、音量レベルを「4」に設定した場合を示している。図10(c)に示すモードIIIでは、スライドスイッチ228を「小」にして、音量レベルを「1」に設定した場合を示している。
モードII、モードIIIでは、特に、ホール側の要望に応じてスピーカ214、215から出力される音量レベルを、小さな音量レベルからある程度の高い音量レベルまで調整することができるので、よりきめ細かく適正なホール運営を行うことができる。
各モードI〜モードIIIにおけるスライドスイッチ228と音量レベルとの関連付けは、設計段階では任意に設定することはできる。しかし、ホールメニュー画面におけるホール側の設定や後述する遊技者側での音量調整において、スライドスイッチ228と音量レベルとの関連付けを設定することはできない構成になっている。
また、初期設定値を設定しておくことで、遊技機に電源を投入した時及びスライドスイッチ228の操作時には、スピーカ214、215から出力される音量は、初期設定値にすることができる。また、後述するように、遊技者が音量レベルを設定した遊技機が、遊技状態ではなくなったときには、ホール側で設定した初期設定値に戻すことができる。
このように、ホール側は、遊技者が行うことのできるスピーカ音量の調整範囲を制限しておくことができるので、適正なホール運営を行うことができるメリットを有している。また、遊技者側は、BGMの音量をある程度自分の好みに合った状態に、自由に設定することが可能となるので、快適な環境下で遊技を楽しむことが可能になっている。
「MODE1」から「MODE3」のうちから一つのモードが選択されて、音量調整範囲が設定された後に、図9に示すセットキー(SETキー)を押すことで、設定した音量調整範囲と初期設定値が決定し、図8で示すホールメニュー画面に戻ることになる。そして、各種の設定が終わった後に、図6で示す設定キースイッチ225をオフにすることで、液晶表示領域210aに図11に示す画面を表示させておくことができる。
<第2操作方法>
図9において、ホール側で音量モードが設定され、更に、エンターキー(ENTERキー)で「ON」が選択されているときには、遊技者が、スピーカ214、215から出力する音量レベルの調整を行うことが可能な状態になっている。そして、各種の設定が終わって図8で示すホールメニュー画面に切り替わった後に、フロントドア30を回転させてロック機構を図6で示す設定キースイッチ225をオフにすることで、液晶表示領域210aには、図11に示す画面を表示させておくことができる。そして、フロントドア30を回転させてロック機構を施錠する。
図11に示す画面は、遊技者による遊技可能な画面であり、中央部の表示窓122L〜122Rからリール120L〜120Rを視認することができる。この画面は、遊技者側で音量レベルを操作することのできる画面であり、本発明における第2操作手方法を操作するための画面になっている。
表示窓122L〜122Rの下方側の部位には、「中ボタンを長押しで音量調整ができます」旨の表示が現れている。図2に示すストップボタン112C(中ボタン)を長押しすると、例えば、5秒程度長押しすると、図12に示すように、「中ボタンを長押しで音量調整ができます」旨の表示の代わりに、音量レベルを変更できる画面に切り替わる。
このとき遊技者が選択できる音量レベルは7段階の音量レベルであり、ホール側が「MODE1」〜「MODE3」のいずれかを選択して事前に設定した音量調整範囲内において、上述した「1」〜「7」の音量レベルに対応した矩形形状のゲージが7段階で示されている。矩形形状のゲージは、音量レベルの大きさに応じて、大きな形状になるように表示されている。中央に示した数字「4」は、インジケータとして音量を示す数字であり、下側に示したゲージと連動している。
そして、ホール側で設定した初期設定値に対応したゲージに、例えば、緑色に着色された状態が表示された画面になっている。図示例では、初期設定値として、音量レベル「4」が設定された場合を示しており、音量レベル「4」までのゲージにハッチングを施している。
図2に示すストップボタン112Rを押していくと、ホール側が事前に設定した音量調整範囲内において、遊技者が選択した音量レベルまでのゲージが順次着色されていく。ゲージが着色されていくのに連動して、中央に示した数字も「4」から増えた数字が表示されることになる。しかも、選択したゲージに対応した音量レベルの電子操作音が、選択されたゲージに連動しながら出力されることになる。
そして、遊技者の選択によって最大音量に対応したゲージまで着色されたときには、中央に示した数字は「7」を表示し、電子操作音としては最大音量の音量レベルで出力されることになる。このように、ホール側が事前に設定した音量調整範囲内において、遊技者は自由に音量レベルが設定することができ、設定した音量レベルで演出効果音やBGM等をスピーカ214、215から出力させることができる。
また、図2に示すストップボタン112Lを押していくと、ホール側が事前に設定した音量調整範囲内において音量を下げていくことができ、ゲージにおける着色された色も消えていくことになるとともに、中央に示した数字も小さな数の数字に変わって行くことになる。
ホール側が事前に設定した音量調整範囲外の音量レベルを、遊技者が選択したときには、例えば、最大音量レベルに達しているのにも関わらず、遊技者がストップボタン112Rを押し続けているときには、ゲージ全体を、例えば緑色とは異なる色である黄色等に着色して点滅させることができる。点滅回数としては、少なくとも1回以上点滅させることができる。また、事前に設定されている音量調整範囲外の音量レベルに設定されることもない。
遊技者による調整操作が行われていない状態が、例えば30秒以上経過した場合や、スタートボタン112C(中ボタン)が操作された場合、及び、スタートレバー110が操作された場合には、音量調整に対する遊技者の変更内容を反映させて終了させることができる。
第1の判定条件として、投入枚数カウンタの値が0枚(ゼロ枚)で、かつ、クレジットカウンタの値が0枚(ゼロ枚)であるか否かを判断して、「YES」と判断されたときとして設定しておくことができる。第1の時間としては、例えば、30秒の経過時間を設定しておくことができる。
また、第2の判定条件として、メダル投入後もしくは、クレジットカウンタの値が1枚以上であって、スタートレバー110がONになっていないか否かを判断して、「YES」と判断されたときとして設定しておくことができる。第2の時間としては、例えば、1時間の経過時間を設定しておくことができる。このような判定条件が満たされたときには、ホール側で設定した初期設定の音量レベルに戻すことができる。
また、クレジットされている遊技媒体を返却する精算ボタン134が操作されたときにも、ホール側で設定した初期設定の音量レベルに戻すことができる。
上記精算ボタンが操作されたときとしては、精算ボタンが操作された時点として設定しておくことも、精算ボタンが操作されてから予め定めた第3の時間が経過したときとして設定することができる。そして、第1の時間から第3の時間の長さとしては、例えば、第3の時間を第1の時間よりも短い時間に設定し、第2の時間を第1の時間よりも長い時間に設定しておくことができる。
尚、遊技の途中で、遊技者が音量レベルを変更したいときには、ストップボタン112Cを長押しすることによって、図12で示す画面に切り替えることができる。ストップボタン112R、112C、112Lを用いて、音量レベルを調整する構成について説明を行ったが、液晶表示領域210aにタッチパネル機能を持たせておき、ストップボタンでの操作に代えることもできる。
このように、所定の条件を満たしたときには、遊技者が設定した状態をキャンセルしてホール側が設定した初期設定値に戻すことができる。そして、スピーカ音量をホール側の管理下の下で、遊技者側にもある程度自由に選択させることができる。しかも、遊技機での遊技が行われていない場合には、予め設定した初期設定値に自動復帰させることができる。
本発明では、設定した音量調整範囲と初期設定値及び遊技者による音量レベルの設定内容は、サブRAM256に保存されることになる。そして、電源がOFFされても消えずに保持されることになる。「MODE1」から「MODE3」のうちから一つのモードが選択されて、上述した設定が新たに行われた場合や遊技者が新たに音量レベルを設定し直した場合には、新たな設定内容がサブRAM256に上書き保存されることになる。
尚、遊技者が設定した音量レベルをホール側で設定した初期設定値に戻すまでの時間と条件を、上記において例記したが、上述した時間及び条件は例示であって、遊技機の設計において適宜変更することができる。また、時間の経過は、図7に示すサブCPU252に内蔵されている時計機能により計測することができる。
[メインROMに記憶されているデータテーブルの構成]
パチスロが備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図13〜図19を参照して、メインROMに記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図13を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール120L、120C及び120Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓122L、122C及び122Rの中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール120L、120C及び120Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓122L、122C及び122Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
<図柄組合せテーブル>
14を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞判定ラインに沿って各リール120L、120C及び120Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、各リール120L、120C及び120Rの図柄「ベル」が入賞判定ラインに沿って表示されたとき、表示役として「ベル(00000010)」が決定される。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。
本実施の形態では、表示役としてチェリー、ベル又はスイカが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方がより多くの払出枚数が決定される。
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、ボーナスの作動が行われる。尚、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
<ボーナス作動時テーブル>
図15を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM158に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
作動中フラグは、作動が行われるボーナスの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスの種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)及びRB(第1種特別役物)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。
BBの作動は、規定枚数に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
<内部抽籤テーブル>
図16及び図17を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
図16は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図17は、RB作動中用内部抽籤テーブルを示す。本実施の形態では、ボーナスの作動が行われているか否かといった状況に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
<内部当籤役決定テーブル>
図18及び図19を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
内部当籤役は、入賞判定ラインに沿って表示を許可する各リール120L、120C及び120Rの図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。
尚、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
図18は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図19は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
[メインRAM158に設けられる格納領域の構成]
メインROM156に記憶されているデータテーブルの内容についての説明は以上である。次に、図20〜図22を参照して、メインRAM158に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
<内部当籤役格納領域>
図20を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。尚、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
尚、メインRAM158には、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されたことになる。
<持越役格納領域>
図21を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
前述の抽籤の結果、ボーナスの作動に係る内部当籤役が決定されたときは、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納されたボーナスの作動に係る内部当籤役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ラインに表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
<作動中フラグ格納領域>
図22を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
作動中フラグ格納領域は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグは、各ビットに対して固有のボーナスが割り当てられている。ビットに「1」が立っているとき、該当するボーナスの作動が行われている。尚、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
[パチスロにおいて実行されるプログラムフロー]
メインRAMに設けられる各種格納領域の構成についての説明は以上である。次に、図23〜図29を参照して、主制御回路のメインCPUにより実行されるプログラムの内容について説明する。
<主制御部150のメインCPU154の制御によるメインフローチャート>
まず、図23を参照して、メインCPU154の制御によるメインフローチャートについて説明する。パチスロ10に電源が投入されると、はじめに、メインCPU154は、初期化処理を行う(S1)。次に、メインCPU154は、メインRAM158における指定格納領域のクリアを行う(S2)。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPU154は、後で図25を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ174やスタートスイッチ172の入力のチェック等が行われる。
次に、メインCPU154は、乱数値を抽出し、メインRAM158に設けられた乱数値格納領域に格納する(S4)。次に、メインCPU154は、後で図25を参照して説明する内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。次に、メインCPU154は、スタートコマンドを副制御部250に対して送信する(S6)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPU154は、全リール120L、120C及び120Rの回転開始を要求する(S7)。尚、全リール120L、120C及び120Rの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図38)によってステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動が制御され、各リール120L、120C及び120Rの回転が開始される。
次に、メインCPU154は、後で図26を参照して説明するリール停止制御処理を行う(S8)。この処理では、ストップスイッチ170L、170C及び170Rの入力のチェックが行われ、ストップボタン112L、112C及び112Rが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リールの回転が停止される。
次に、メインCPU154は、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する(S9)。検索の結果、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPU154は、表示コマンドを副制御部250に対して送信する(S10)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPU154は、メダル払出処理を行う(S11)。決定された払出枚数に基づいて、ホッパー46の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPU154は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S12)。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
次に、メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S13)。メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図28を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(S14)。ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
メインCPU154は、S14の後、又は、S13においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図27を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(S15)。ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、S2に移る。
<メダル受付・スタートチェック処理>
次に、図24を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、自動投入カウンタが0であるか否かを判別する(S31)。自動投入カウンタが0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(S32)。
セレクタ48のソレノイド(図示せず)の駆動が行われ、セレクタ48内のメダルの通過が促される。
メインCPU154は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する(S33)。次に、メインCPU154は、自動投入カウンタをクリアする(S34)。S33及びS34は再遊技を行うための処理である。
メインCPU154は、S32又はS34の後で、投入枚数カウンタの最大値として3をセットする(S35)。次に、メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S36)。メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、投入枚数カウンタの最大値を変更する(S37)。例えば、最大値が2に変更される。
メインCPU154は、S37の後、又は、S36においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、メダルの通過は検出されたか否かを判別する(S38)。メインCPU154は、メダルの通過は検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S39)。メインCPU154は、投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する(S40)。次に、メインCPU154は、有効ラインカウンタに5を格納する(S41)。
次に、メインCPU154は、メダル投入コマンドを副制御部250に対して送信する(S42)。メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成されている。
メインCPU154は、S39において投入枚数カウンタは最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(S43)。メインCPU154は、S43の後、S42の後、又は、S38においてメダルの通過が検出されていないと判別したときには、ベットスイッチ176のチェックを行う(S44)。ベットボタン132に対応する数値が投入枚数カウンタに加算される一方でクレジットカウンタから減算される。
次に、メインCPU154は、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S45)。投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、S38に移る一方で、投入枚数カウンタは最大値に達したと判別したときには、スタートスイッチ172はオンであるか否かを判別する(S46)。
メインCPU154は、スタートスイッチ172はオンではないと判別したときには、S39に移る一方で、スタートスイッチ172はオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(S47)。セレクタ48のソレノイドの駆動が行われず、メダルの排出が促される。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
<内部抽籤処理>
次に、図25を参照して、内部抽籤処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定する(S61)。作動中フラグ格納領域が参照され、ボーナスの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。尚、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
次に、メインCPU154は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする(S62)。次に、メインCPU154は、当籤番号の初期値として1をセットする(S63)。
次に、メインCPU154は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する(S64)。次に、メインCPU154は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(S65)。次に、メインCPU154は、桁かりが行われたか否かを判別する(S66)。メインCPU154は、桁かりが行われていないと判別したときには、抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算する(S67)。
次に、メインCPU154は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(S68)。メインCPU154は、抽籤回数は0ではないと判別したときには、S64に移る一方で、抽籤回数は0であると判別したときには、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(S69)。
メインCPU154は、S66において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S70)。メインCPU154は、S70又はS69の後で、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S71)。
次に、メインCPU154は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する(S72)。次に、メインCPU154は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S73)。メインCPU154は、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときは、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S74)。次に、メインCPU154は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(S75)。
メインCPU154は、S75の後、又は、S73において持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する(S76)。つまり、ボーナスの作動に係る内部当籤役の持ち越しが行われる。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
<リール停止制御処理>
次に、図26を参照して、リール停止制御処理について説明する。
最初に、メインCPU154は、3つのストップボタン112L、112C及び112Rのうち有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S101)。メインCPU154は、有効なストップボタンが押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
メインCPU154は、有効なストップボタンが押されたと判別したときには、該当ストップボタンの操作を無効化する(S102)。各ストップボタン112L、112C及び112Rの有効及び無効の状態は、メインRAM158に設けられた所定の格納領域において管理される。
次に、メインCPU154は、チェック回数として5をセットする(S103)。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
次に、メインCPU154は、内部当籤役に基づいて、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置(以下、停止開始位置)を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の位置の中で、最も優先順位の高い図柄の位置を検索する(S104)。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、入賞判定ラインに沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。
次に、メインCPU154は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する(S105)。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。次に、メインCPU154は、停止予定位置待ちへ移行する(S106)。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動が制御され、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓の中段に到達するのを待って該当リールの回転が停止される。
次に、メインCPU154は、リール停止コマンドを副制御部250に対して送信する(S107)。リール停止コマンドは、停止したリールの種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
次に、メインCPU154は、3つのストップボタン112L、112C及び112Rのうち、操作が有効なストップボタンがあるか否かを判別する(S108)。つまり、まだ回転中のリールがあるか否かが判別される。メインCPU154は、操作が有効なストップボタンがあると判別したときには、S101に移る一方で、操作が有効なストップボタンがないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
<ボーナス作動チェック処理>
次に、図27を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、表示役はBBであるか否かを判別する(S121)。メインCPU154は、表示役はBBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、BB作動時処理を行う(S122)。この処理では、BB作動中フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。
次に、メインCPU154は、持越役格納領域をクリアする(S123)。次に、メインCPU154は、ボーナス開始コマンドを副制御部250に対して送信する(S124)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
メインCPU154は、S121において表示役はBBではないと判別したときには、表示役はリプレイであるか否かを判別する(S125)。メインCPU154は、表示役はリプレイであると判別したときには、投入枚数カウンタの値を自動投入枚数カウンタに複写する(S126)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
メインCPU154は、S125において表示役はリプレイではないと判別したときには、BB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S127)。メインCPU154は、BB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、BB作動中フラグはオンであると判別したときには、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S128)。
メインCPU154は、RB作動中フラグはオンであると判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、RB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、RB作動時処理を行う(S129)。この処理では、RB作動中フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
<ボーナス終了チェック処理>
次に、図28を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(S141)。メインCPU154は、ボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、BB終了時処理を行う(S142)。この処理では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがオフされ、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタがクリアされる。次に、メインCPU154は、ボーナス終了コマンドを副制御部250に対して送信する(S143)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
メインCPU154は、S141においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新する(S144)。遊技可能回数カウンタが1減算され、また、入賞が有った場合に入賞可能回数カウンタが1減算される。次に、メインCPU154は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(S145)。
メインCPU154は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する一方で、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であると判別したときには、RB終了時処理を行う(S146)。この処理では、RB作動中フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
<メインCPU154の制御による割込処理(1.1173msec)>
次に、図29を参照して、メインCPU154の制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。はじめに、メインCPU154は、レジスタの退避を行う(S161)。次に、メインCPU154は、入力ポートチェック処理を行う(S162)。この処理では、ストップスイッチ170L、170C及び170R等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次に、メインCPU154は、リール制御処理を行う(S163)。この処理では、全リール120L、120C及び120Rの回転開始が要求されたときに、各リール120L、120C及び120Rの回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当リールの回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動が制御される。
次に、メインCPU154は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S164)。この駆動処理において、メインCPU154は、7セグ表示器114、バックライト光源409及びLED477を駆動制御する。メインCPU154は、レジスタの復帰を行う(S165)。この処理が終了すると、割込処理を終了する。
[副制御部250のサブCPU252によって実行されるプログラムフロー]
主制御部150のメインCPU154により実行されるプログラムの内容についての説明は以上である。次に、図30〜図32を参照して、副制御部250のサブCPU252により実行されるプログラムの内容について説明する。
<主基板通信タスク>
図30を参照して、サブCPU252により行われる主基板通信タスクについて説明する。はじめに、サブCPU252は、主制御部150から送信されたコマンドの受信チェックを行う(S301)。次に、サブCPU252は、コマンドを受信した場合、そのコマンドの種別を抽出する(S302)。
次に、サブCPU252は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S303)。サブCPU252は、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、S301に移る一方で、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、メッセージキューに格納し(S304)、S301に移る。
<演出登録タスク>
次に、図31を参照して、サブCPU252により行われる演出登録タスクについて説明する。はじめに、サブCPU252は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S311)。次に、サブCPU252は、メッセージは有るか否かを判別する(S312)。サブCPU252は、メッセージは有ると判別したときには、メッセージから遊技情報を複写する(S313)。例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、作動中フラグ等といった各種データや、第1操作方法、第2操作方法からの音量設定データがサブRAM256に設けられた格納領域に複写される。
次に、サブCPU252は、後で図32を参照して説明する演出内容決定処理を行う(S314)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
サブCPU252は、S314の後、又は、S312においてメッセージは無かったと判別したときには、アニメーションデータの登録を行う(S315)。次に、音量調整部であるDPS264は、第1操作方法、第2操作方法からの操作信号に基づいた音量レベル及び音量調整範囲の音量設定データとサウンドデータの登録を行う(S316)。次に、サブCPU252は、ランプデータの登録を行う(S317)。アニメーションデータの登録、音量設定データとサウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。この処理が終了すると、S311に移る。
<演出内容決定処理>
次に、図32を参照して、サブCPU252により実行される演出内容決定処理のフローチャートについて説明する。
最初に、サブCPU252は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(S321)。サブCPU252は、スタートコマンド受信時であると判別したときには、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定し、登録する(S322)。演出番号は、今回において実行する演出内容を指定するデータである。
次に、サブCPU252は、登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録する(S323)。演出データは、アニメーションデータ、音量設定データ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。
また、第2操作方法による音量レベルが設定されてから、上述したように遊技機が遊技状態でないことを判断したときには、第1操作方法で設定した初期設定値に戻すことが実行される。これらの処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPU252は、スタートコマンド受信時ではないと判別したときには、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(S324)。サブCPU252は、リール停止コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号とストップボタンの種別に基づいて、停止時の演出データを登録する(S325)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPU252は、リール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(S326)。サブCPU252は、表示コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号に基づいて、表示時の演出データを登録する(S327)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPU252は、表示コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(S328)。サブCPU252は、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス開始用の演出データを登録する(S329)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPU252は、ボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(S330)。サブCPU252は、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したときには、演出内容決定処理を終了する一方で、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス終了用の演出データを登録する(S331)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
[パチスロ10の概要]
本実施の形態におけるパチスロ10の特徴は、遊技機筐体(キャビネット20)内に設けられ、複数の図柄が表面に施されたリール120L、120C、120Rと、前記リール120L、120C、120Rを回転駆動するモータ130L、130C、130Rと、を備えた構成において、第1操作方法をホール側で操作することによって、音量レベルの音量調整範囲と同音量調整範囲内において初期設定値とを設定することができ、しかも、遊技者がホール側で設定した音量調整範囲内において自由に音量レベルの選択を行うことの許可又は不許可とを設定することができる。しかも、遊技機での遊技が行われていない場合には、予め設定した初期設定値に自動復帰させることができる。
[パチンコ遊技機の構成]
本発明は、パチスロに限定されるものではなく、パチンコ遊技機にも適用することができる。以下、パチンコ遊技機について説明する。
まず、パチンコ遊技機1010の概観について図33〜図36を用いて説明する。図33は、本発明の他の実施の形態におけるパチンコ遊技機1010の概観を示す斜視図である。図34は、当該実施の形態におけるパチンコ遊技機1010の概観を示す正面図である。図35は、当該実施の形態におけるパチンコ遊技機1010の概観を示す分解斜視図である。また、図36は、当該実施の形態におけるパチンコ遊技機1010の遊技盤の正面図である。
パチンコ遊技機1010は、図33から図35に示すように、ガラスドア1011、木枠1012、ベースドア1013、遊技盤1014、皿ユニッ10ト20、画像を表示する液晶表示装置1032、遊技球を発射する発射装置1130、払出ユニット1500、基板ユニット1600等から構成されている。
上述したガラスドア1011は、ベースドア1013に対して回転軸により開閉自在になるように取り付けられている。また、このガラスドア1011の中央には、開口1011aが形成されており、その開口1011aには、透過性を有する保護ガラス1019が配設されている。この保護ガラス1019は、ガラスドア1011が閉鎖された状態で遊技盤1014の前面に対面するように配設されている。
皿ユニット1020は、上皿1021及び下皿1022を一体化したユニット体であり、ベースドア1013におけるガラスドア1011の下部に配設されている。また、下皿1022は、上皿1021の下方に位置している。上皿1021及び下皿1022には、遊技球の貸し出し、遊技球の払い出し(賞球)を行うための払出口1021a、1022aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿1021には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留される。
発射装置1130は、ベースドア1013の右下部に配設されている。この発射装置1130は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル1026と、皿ユニット1020の右下部に適合するパネル体1027とを備えている。発射ハンドル1026は、パネル体1027の表側に設けられている。パネル体1027の裏側には遊技球を発射するための駆動装置が設けられている。
ベースドア1013に、皿ユニット1021及び発射装置1130を配設しており、パネル体1027は、皿ユニット1020の右下部と一体化している。そして、遊技者によって発射ハンドル1026が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。
上述した遊技盤1014は、保護ガラス1019の後方に位置するように、ベースドア1013の前方に配設されている。遊技盤1014の後方には、スペーサー1031、液晶表示装置1032などが配設されている。ベースドア1013の後方には、払出ユニット1500、基板ユニット1600が配設されている。また、下皿1022の下部には、スピーカ1046が配設されている。
遊技盤1014は、その全部が透過性を有する板形状の樹脂(透過性を有する部材)によって形成されている。この透過性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤1014は、その前面側に、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域1015を有している。この遊技領域1015は、ガイドレール1030(具体的には後述の図36に示す外レール1030a)に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤1014における遊技領域1015には、複数の遊技釘1018が打ちこまれている。このように、遊技盤1014は、遊技球が転動可能な遊技領域を備える遊技盤の一例である。
液晶表示装置1032は、遊技盤1014の後方(背面側)に配設されている。すなわち、液晶表示装置1032は、遊技盤1014の透過性を有する部材の背後に配置されている。この液晶表示装置1032は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域1032aを有している。この表示領域1032aは、遊技盤1014の全部又は一部に、背面側から重なるように配設される。
言い換えると、この表示領域1032aは、少なくとも、遊技盤1014における遊技領域1015の全部又は一部と重なるように遊技盤1014の後方に配設される。具体的には、液晶表示装置1032は、その表示領域1032aが遊技領域1015の全部又は一部と、遊技領域外域1016の全部又は一部とに重なるように遊技盤1014の後方に配設される。この液晶表示装置1032における表示領域1032aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用の装飾画像など、各種の画像が表示される。
スペーサー1031は、遊技盤1014の後方(背面側)に配設されていて、遊技盤1014の後方と液晶表示装置1032の前方(前面側)との間に、遊技盤1014を転動した遊技球の流路となる空間を構成している。また、スペーサー1031の下部には、LEDユニット1053(図36参照)が設けられている。このスペーサー1031は、透過性を有した材料で形成されている。なお、当該実施の形態においてスペーサー1031は、透過性を有した材料で形成されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、一部が透過性を有する材料で形成されてもよい。また、透過性を有さない材料で形成されてもよい。
発射ハンドル1026は回転自在であり、発射ハンドル1026の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル1026の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。発射ハンドル1026の内部には、発射ハンドル1026の回転量に応じて抵抗値を変化させ、発射ソレノイド(図示せず)に供給する電力を変化させる発射ボリュームが設けられている。
タッチセンサ(図示せず)に遊技者が接触したときには、遊技者により発射ハンドル1026が握持されたと検知される。発射ハンドル1026が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回転操作されたときには、その回転角度に応じて発射ボリューム(図示せず)の抵抗値が変化し、この時の抵抗値に対応する電力が発射ソレノイド(図示せず)に供給される。その結果、上皿1021に貯留された遊技球が遊技盤1014の遊技領域1015に順次発射され、遊技が進められる。なお、発射停止ボタン(図示せず)が押下された場合には、発射ハンドル1026を握持しかつ回転させた状態であっても遊技球の発射が停止される。
遊技盤1014の左下方には、一般入賞口1056a、1056b、1056cを形成する部材が配置されており、この部材におけるLEDユニット1053との対向部位は透明になっている。このため、図36に示されるように、遊技盤1014の左下方から、LEDユニット1053が視認可能となる。LEDユニット1053には、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置1033、第1特別図柄保留表示LED1034a、1034b、第2特別図柄保留表示LED1034c、1034d、普通図柄保留表示LED1050a、1050b等が設けられている。
特別図柄表示装置は、16個のLEDによって構成されている。これら16個のLEDは、8個のLEDからなる2つのグループに分かれており、詳細は後述するが、一方のグループは、第1始動口1025への始動入賞を契機として変動表示を行うものであり、他方のグループは、第2始動口1044への始動入賞を契機として変動表示を行うものである。なお、以下の説明の便宜上、一方のLEDのグループを第1特別図柄表示装置1035a(図37参照)、他方のLEDのグループを第2特別図柄表示装置1035b(図37参照)と称する。
第1、第2特別図柄表示装置1035a、1035bのLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、グループ単位で点灯・消灯を繰り返す変動表示を行う。そして、8つのLEDの点灯・消灯によって形成される表示パターンが、特別図柄(識別図柄ともいう)として停止表示される。この停止表示された特別図柄が、特定の停止表示態様の場合には、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である当り遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行する。この当り遊技状態となった場合には、後述するように、シャッタ1040(図36参照)が開放状態に制御され、大入賞口1039(図36参照)に遊技球が受け入れ可能な状態となる。
言い換えれば、大入賞口1039が開放される遊技が当り遊技であり、当該実施の形態によれば、大当り遊技と小当り遊技の2種類の当り遊技がある。また、特別図柄が大当り遊技状態に移行する停止表示態様になることが大当り、特別図柄が小当り遊技状態に移行する停止表示態様になることが小当りである。
大当りと小当りの違いについては後述するが、大当りの場合には、多くの出球を獲得する可能性が高くなり、小当りの場合には、出球獲得があまり期待できない。一方、特別図柄として、ハズレ図柄が停止表示された場合は、遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
特別図柄表示装置の下方には、普通図柄表示装置1033が設けられている。普通図柄表示装置1033は、2つの表示用ランプで構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返すことによって、普通図柄として変動表示される。そして、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって普通電動役物1048(図36参照)の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
普通図柄表示装置1033の下方には、普通図柄保留表示LED1050a、1050bが設けられている。この普通図柄保留表示LED1050a、1050bは、点灯、消灯又は点滅によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「普通図柄に関する保留個数」)を表示する。具体的には、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED1050aが点灯し、普通図柄保留表示LED1050bが消灯する。
普通図柄の変動表示の実行が2回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED1050aが点灯し、普通図柄保留表示LED1050bが点灯する。普通図柄の変動表示の実行が3回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED1050aが点滅し、普通図柄保留表示LED1050bが点灯する。普通図柄の変動表示の実行が4回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED1050aが点滅し、普通図柄保留表示LED1050bが点滅する。
普通図柄保留表示LED1050a、1050bの下方には、第1特別図柄保留表示LED1034a、1034b、第2特別図柄保留表示LED1034c、1034dが設けられている。これら第1特別図柄保留表示LED1034a、1034b及び第2特別図柄保留表示LED1034c、1034dは、点灯、消灯又は点滅によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を表示する。第1特別図柄保留表示LED1034a、1034b及び第2特別図柄保留表示LED1034c、1034dによる特別図柄に関する保留個数の表示態様は、普通図柄保留表示LED1050a、1050bによる、普通図柄の保留個数の表示態様と同一である。
普通図柄表示装置1033の側方には、大当り、小当りを問わずに点灯する当り報知LEDなどが設けられる。当該実施の形態によれば、ラウンド数が一定なのでラウンド数表示用のLEDはない。このため、主制御回路1060によって制御される当り報知LEDの表示上では、大当り、小当りの報知上の差別はない。また、突確大当りと小当りは、後述するようにその当りが発生したときのシャッタ1040の開閉パターンも同一のものから選択され、また副制御回路1200によって制御される液晶表示装置1032等における演出も同一である。このため、突確大当りと小当りは、遊技者は見た目上の区別が付かない。
また、遊技盤1014の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置1032の表示領域では、第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bにおいて表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。
例えば、第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bで表示される特別図柄の変動表示中においては、特定の場合を除いて、液晶表示装置1032の表示領域1032aにおいて、数字からなる識別図柄(演出用の識別情報でもある)、例えば、"1〜8"のような数字が変動表示される。また、第1特別図柄表示装置1035a(図37参照)及び第2特別図柄表示装置1035b(図37参照)において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置1032の表示領域1032aでも演出用としての識別図柄が停止表示される。
また、第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bにおいて、変動、停止された特別図柄が特定の停止表示態様の場合には、当りであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置1032の表示領域1032aにおいて表示される。具体的には、第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bのいずれか一方において特別図柄が、例えば、多くの出球が獲得可能な大当りに対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、液晶表示装置1032の表示領域1032aにおいて表示される演出用の識別図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄が全て揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当り用の演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。なお、出球を得ることが困難な当り(小当り、15回突確大当り、16回突確大当り)の場合は、当りであることを遊技者に把握させる演出画像を、液晶表示装置1032の表示領域1032aにおいて表示しなくてもよい。
図36に示すように、遊技機1010の遊技盤1014上には、二つのガイドレール1030(1030a及び1030b)、ステージ1055、第1始動口1025、第2始動口1044、通過ゲート1054、シャッタ1040、大入賞口1039、一般入賞口1056a、1056b、1056c、1056d、普通電動役物1048等の遊技部材が設けられている。
遊技盤1014の上部には、略逆L字形状のステージ1055が設けられている。また、遊技領域1015を囲むように、ガイドレール1030が設けられている。
ガイドレール1030は、遊技領域1015を区画(画定)する外レール1030aと、その外レール1030aの内側に配設された内レール1030bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤1014上に設けられたガイドレール1030に案内されて、遊技盤1014の上部に移動し、前述した複数の遊技釘(図示せず)、遊技盤1014上に設けられたステージ1055などとの衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤1014の下方に向かって流下する。具体的には、ステージ1055の左側を流下する系統(所謂、左打ち)と、発射ハンドル1026を右側に最大に回転させて、ステージ1055の右側に遊技球を打ち込み、ステージ1055の右側を流下する系統(所謂、右打ち)がある。
また、ステージ1055の下方でかつ遊技盤1014の中央の下方には、第1始動口1025が設けられている。また、ステージ1055の右側上部に通過ゲート1054が設けられており、通過ゲート1054の下方に第2始動口1044が設けられている。第2始動口1044には普通電動役物1048が設けられている。普通電動役物1048は、遊技盤1014の板面に対して前後方向に、突出、引き込みを行う舌状部材1048aを備えている。舌状部材1048aが突出している時に舌状部材1048aに乗った遊技球が第2始動口1044に入賞し、舌状部材1048aが引き込んでいる場合には遊技球が第2始動口1044に入賞することは不可能である。
そして、普通図柄表示装置1033において普通図柄が所定の図柄で停止表示されたときには、普通電動役物1048における舌状部材1048aが、所定の時間、引込状態から突出状態となり、第2始動口1044に遊技球が入りやすくなる。なお、普通電動役物1048は、舌状部材1048aの突出、引き込みを行うものに限らず、例えば、一対の羽根部材が開放、閉鎖するもの(所謂、電動チューリップ)であってもよい。
また、ステージ1055の右側に遊技球を打ち込んだ場合には、ステージ1055の右側から第1始動口1025に遊技球が転動する経路に、遊技釘1018が打ち込まれており、この遊技釘1018によって、遊技球がステージ55の右側から第1始動口1025に入賞不可能になっている。
普通図柄の変動表示中において通過ゲート1054を遊技球が通過した場合には、普通図柄保留表示LED1050a、1050bによる表示態様を切り替えて、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該通過ゲート1054への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。
なお、普通図柄表示装置1033において普通図柄として特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽選が当選であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置1032の表示領域において表示されるようにしてもよい。
また、第1始動口1025の直下には、大入賞口1039を開閉するシャッタ1040が配置されている。シャッタ1040の直下の遊技領域1015の最下部位には、アウト口1057が形成されている。遊技領域1015の左側下部には、一般入賞口1056a、1056b、1056cが設けられている。また、遊技領域1015の右側下部には、一般入賞口1056dが設けられている。
また、前述した第1始動口1025内には入賞領域が設けられている。この入賞領域には第1始動入賞口スイッチ1116(図37参照)が備えられている。第2始動口1044内には入賞領域が設けられており、この入賞領域には第2始動入賞口スイッチ1117(図37参照)が備えられている。遊技球等の遊技媒体が、第1始動入賞口スイッチ1116によって検出された場合、第1特別図柄表示装置1035aによる特別図柄の変動表示が開始される。
また、特別図柄の変動表示中に第1始動口1025へ遊技球が入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、第1始動口1025への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。なお、以降の説明において、第1始動口1025への遊技球の入球に基づいて第1特別図柄表示装置1035aに変動表示される特別図柄を第1特別図柄と称する。
また、遊技球等の遊技媒体が、第2始動入賞口スイッチ1117によって検出された場合、第2特別図柄表示装置1035bによる特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に第2始動口1044へ遊技球が入球した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、第2始動口1044への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。
なお、以降の説明において、第2始動口1044への遊技球の入球に基づいて第2特別図柄表示装置1035bに変動表示される特別図柄を第2特別図柄と称する。
ここで、第1特別図柄表示装置1035aと第2特別図柄表示装置1035bとは同時に特別図柄が変動することはない。また、当該実施の形態においては、第2始動口1044への始動入賞を優先に特別図柄の変動表示が行われる。このように、第1始動口1025、第2始動口1044は、遊技盤1014の遊技領域に備えられ、遊技球が通過可能な始動領域の一例である。
なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、当該実施の形態においては、第1始動口1025、第2始動口1044への入球による特別図柄の変動表示の保留数は、それぞれ4回を上限としている。具体的には、第1特別図柄の特別図柄ゲームが4回保留されている場合には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が、メインRAM1070(図37参照)の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回の特別図柄ゲームの情報は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。
第2特別図柄の特別図柄ゲームについても同様に、第2特別図柄の特別図柄ゲームが4回保留されている場合には、変動中の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が、メインRAM70(図37参照)の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回の特別図柄ゲームの情報は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。したがって、最大8回の保留が可能になる。
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されていることである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立する毎に特別図柄の変動表示が開始される。
第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bにおいて特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が大当り遊技状態に移行された場合は、シャッタ1040が、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口1039は、遊技球を受け入れやすい開放状態(第1の状態)となる。
一方、シャッタ1040の背面側(後方)に設けられた大入賞口1039には、カウントスイッチ1104(図37参照)を有する領域(図示せず)があり、その領域を遊技球が所定個数(例えば7個)通過するか、又は、所定時間(例えば、約0.1秒あるいは約30秒)が経過するまでシャッタ1040が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口1039への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ1040は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口1039は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる(第2の状態)。
なお、一定時間において、大入賞口1039が遊技球を受け入れやすい状態となっている遊技をラウンドゲームという。したがって、シャッタ1040は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、"1"ラウンド、"2"ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。なお、当該実施の形態においては、1ラウンドにおいて、複数回シャッタ1040を開閉して、開放状態となる時間を一定時間とする場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態(第2の状態)に駆動されたシャッタ1040は、再度開放状態に駆動される。つまり、ラウンドゲームが終了した場合には、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を特別遊技あるいは大当り遊技という。なお、当該実施の形態においては、全ての大当りは15ラウンドである。
また、当該実施の形態においては、第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035bにおいて特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が小当り遊技状態に移行された場合は大入賞口1039が15回又は16回遊技球を受け入れやすい開放状態となるように、シャッタ1040が駆動される。なお、小当り遊技は、大入賞口1039を15回又は16回開放する遊技であり、大当りのようにラウンドゲームという概念はない。このように、大入賞口1039及びシャッタ1040は、遊技盤1014上に設けられ、遊技球が入球容易な開放状態と、遊技球が入球困難な閉鎖状態とに変化可能な可変部材の一例である。
また、前述した第1始動口1025、第2始動口1044、一般入賞口1056a〜1056d、大入賞口1039に遊技球が入賞したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿1021又は下皿1022に払い出される。
また、当該実施の形態においては、大当り遊技終了後に、普通図柄抽選の当選確率が高確率状態となり、普通電動役物1048によるサポートによって特別図柄ゲームの保留球が貯まりやすくなる時短状態に移行する場合がある。ここで、時短状態においては、通過ゲート1054に遊技球を通過させることが、普通図柄抽選を実行させる条件となるため、右打ちをしながら遊技を進行することになる。
また、右打ち状態で大当りが発生した場合には、そのまま右打ちを継続することにより、大入賞口1039へ入賞させることが可能である。また、普通電動役物1048によるサポートが受けられない場合には、左打ちをしながら遊技を進行することになる。
また、図34に示すように、上皿1021の前面には、演出ボタン1080a,1080b,1080cが設けられており、目押しゲーム、カードめくり、すごろく等のようなミニゲーム中に、それらの演出ボタンを押し下げることにより、液晶表示装置1032における演出表示内容を変えることができる。
なお、当該実施の形態において、演出手段の一例として、液晶表示装置を記載したが、本発明はこれに限定されない。演出手段は、プラズマディスプレイや、リアプロジェクションディスプレイや、CRTディスプレイや、ランプや、スピーカや可動役物等の演出手段であってもよい。
[パチンコ遊技機の電気的構成]
当該実施の形態におけるパチンコ遊技機1010の制御回路を示すブロック図を図37に示す。
図37に示すように、パチンコ遊技機1010は、主に、遊技の制御を行う主制御回路1060と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路1200とから構成される。
主制御回路1060は、メインCPU、メインROM1068(読み出し専用メモリ)、メインRAM1070(読み書き可能メモリ)を備えている。
メインCPU1066には、メインROM1068、メインRAM1070等が接続されており、このメインROM1068に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM1068には、メインCPU1066によりパチンコ遊技機1010の動作を制御するためのプログラム、メイン処理等をメインCPU1066に実行させるためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM1070は、メインCPU1066の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、当該実施の形態においては、メインCPU1066の一時記憶領域としてメインRAM1070を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路1060は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路1064、I/Oポート1071、コマンド出力ポート1072を備えている。また、初期リセット回路1064は、メインCPU1066に接続されている。I/Oポート1071は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU1066に、メインCPU1066からの出力信号を各種のデバイスに送信するものである。
コマンド出力ポート1072は、メインCPU1066からのコマンドを副制御回路1200に送信するものである。また、主制御回路1060は、バックアップコンデンサ1074を備えている。このバックアップコンデンサ1074は、電断時において、例えば、メインRAM1070に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM1070に記憶されている各種データを保持することに用いられる。
また、主制御回路1060には、各種の装置が接続されている。
例えば、主制御回路1060からの信号に応じる各種の装置として、主制御回路1060には、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う第1特別図柄表示装置1035a及び第2特別図柄表示装置1035b、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示する第1特別図柄保留表示LED1034a、1034b及び第2特別図柄保留表示LED1034c、1034d、普通図柄ゲームにおける識別図柄としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置1033、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示LED1050a、1050b、普通電動役物1048の舌状部材1048aを突出状態又は引込状態とする始動口ソレノイド1118、シャッタ1040を駆動させ、大入賞口1039を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド1120等が接続されている。
また、主制御回路1060には、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示するといった機能を有する図示しない呼出装置や、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いる外部端子板1310が接続されている。
また、主制御回路1060には、例えば、大入賞口1039における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路1060に供給するカウントスイッチ1104、各一般入賞口1056を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する一般入賞口スイッチ1106、1108、1110、1112、通過ゲート1054を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路1060に供給する通過ゲートスイッチ1114、第1始動口1025を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路1060に供給する第1始動入賞口スイッチ1116、第2始動口1044を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路1060に供給する第2始動入賞口スイッチ1117、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ1124等が接続されている。
また、主制御回路1060には、払出・発射制御回路1126が接続されている。この払出・発射制御回路1126には、遊技球の払出を行う払出装置1128、遊技球の発射を行う発射装置1130、カードユニット1300が接続されている。カードユニット1300は、遊技者の操作によって、カードユニット1300に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する球貸し操作パネル1155との間で送受信可能である。
払出・発射制御回路1126は、主制御回路1060から供給される賞球制御コマンド、カードユニット1300から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置1128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置1128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路1126は、発射ハンドル1026が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
さらには、コマンド出力ポート1072には、副制御回路1200が接続されている。この副制御回路1200は、主制御回路1060から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置1032における表示制御、スピーカ1046から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御等を行う。
また、副制御回路1200は、上記のパチスロ遊技機において説明した副制御部250の構成と同様の構成を有し、また、各種処理を実行することができる。そして、第1操作方法、第2操作方法からの操作信号によって、ホール側で複数の音量調整範囲の中から一つの音量調整範囲を設定するとともに、この設定した音量調整範囲内での音量レベルを初期設定値として設定しておくことができる。音量レベルの設定は、スライドスイッチ1220の操作により行うことができる。
第1操作方法及び第2操作方法は、液晶表示装置1032の表示領域1032a内に表示させておくことができる。そして、演出ボタン1080a〜1080cを押し下げることや表示領域1032a内のタッチパネル部を操作することによって、第1操作方法と第2操作方法との入力画面を表示した表示領域1032a内での操作を行うことができる。
そして、第1操作方法では、第1操作方法で設定した音量調整範囲内で、遊技者が自由に音量レベルを選択することの許可又は不許可を設定しておくことができる。ホール側で音量レベルの選択を許可されている場合には、遊技者は第1操作方法で設定した音量調整範囲内で自由に音量レベルを選択することができる。
そして、パチンコ遊技機1010が所定の時間以上に亘って遊技状態でないことを、副制御回路1200又は主制御回路1060が判断したときには、遊技者が選択した音量レベルから、ホール側が設定した初期設定値に戻すことができる。
なお、当該実施の形態においては、主制御回路1060から副制御回路1200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路1200から主制御回路1060に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、必要に応じて副制御回路1200から主制御回路1060に対して信号を送信できるように構成してもよい。
以上説明したように、本実施の形態によるパチンコ遊技機によると、上記の実施の形態に係るパチスロ遊技機と同様の効果を得ることができる。