JP2014176176A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機から発生する電気ノイズによる影響を防止可能な動力伝達装置を提供すること。
【解決手段】動力伝達装置110は、駆動力を出力する電動機2A,2Bと、この駆動力によって駆動される後輪Wrと、電動機2A,2Bが出力した駆動力を後輪Wrに伝達する動力伝達経路と、を備え、この動力伝達経路上の係合部3A,3Bで互いに係合する出力軸10A,10Bと車軸80A,80Bとの間に、電気伝導率の小さい伝導抑制手段を介装する。
【選択図】図4

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。詳しくは、車両に搭載された電動機(モータ)からの駆動力を被駆動装置に伝達する動力伝達装置に関する。
従来より、ハイブリッド車両や電気自動車のように、動力源として電動機を用いる車両が広く知られている。例えば、電動機から発生した駆動力に基づき走行する車両では、電動機から発生した駆動力を減速機を介して出力軸に出力し、この出力軸から車軸に駆動力を伝達することで車輪を駆動し車両を走行させる。
ところで、電動機を用いた車両では、駆動力発生時に電動機から電気ノイズが発生し、車両に搭載された電子部品やラジオの受信などに悪影響を及ぼすことがある。この電気ノイズの影響を防止するための工夫として、特許文献1には、モータ駆動系をアースすることでモータ駆動系がアンテナとして機能することを防止し、電気ノイズの発生を防止する車両用モータ駆動装置が開示されている。
特開2006−320129号公報
しかしながら、特許文献1の車両用モータ駆動装置では、モータ駆動系をアースするためにモータ出力軸と摺接する摺接部を設ける必要があり、摩耗などにより耐久性が低下してしまうおそれがあった。また、特許文献1の車両用モータ駆動装置では、アースの機能が低下した場合にはモータ駆動系がアンテナとして機能してしまい、電気ノイズが発生してしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、電動機から発生する電気ノイズによる影響を防止可能な動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、電動機に起因する電気ノイズが、(1)電動機から発生し、減速機及び出力軸を介して車軸に伝わることで電子機器に対して影響を与えるものと、(2)電動機のステータの円環内に電導体である出力軸が配置されることにより出力軸から発生し、車軸に伝わることで電子機器に対して影響を与えるものと、の2通りあることを見出し、以下の発明を完成するに至った。
なお、以下において「係合」には、係合する2部材が互いに同一方向に一体的に回転する順係合と、係合する2部材が互いに逆方向に回転する逆係合とが含まれる。また、順係合には、2部材を嵌め合わせて繋ぐ嵌合と、2部材を固定具などで繋ぐ接合とが含まれ、逆係合には、ギヤなどを噛み合せることで2部材を繋ぐ噛合が含まれる。
本発明は、駆動力を出力する電動機(例えば、後述の電動機2A,2B)と、前記電動機によって駆動される被駆動装置(例えば、後述の後輪Wr)と、前記電動機が出力した前記駆動力を前記被駆動装置に伝達可能に接続する動力伝達経路と、を備え、前記動力伝達経路は、互いに動力伝達可能に係合する3以上の動力伝達部材(例えば、後述の遊星歯車式減速機12A,12B、後述の出力軸10A,10B、後述の車軸80A,80B)及び当該3以上の動力伝達部材を係合する2以上の係合部(例えば、後述の遊星歯車式減速機12A,12Bのサンギヤ21A,21B及びプラネタリギヤ22A,22B、後述の係合部3A,3B)を備え、複数の前記係合部は、係合する2つの動力伝達部材が互いに同一方向に一体的に回転する順係合部(例えば、後述の係合部3A)と、係合する2つの動力伝達部材が互いに逆方向に回転する逆係合部(例えば、後述の遊星歯車式減速機12A,12Bのサンギヤ21A,21B及びプラネタリギヤ22A,22B)と、を含み、複数の前記係合部のうち前記順係合部で互いに係合する動力伝達部材の間に、該動力伝達部材よりも電気伝導率の小さい伝導抑制手段を介装する、ことを特徴とする動力伝達装置(例えば、後述の動力伝達装置110)を提供する。
本発明では、電動機から出力された駆動力を被駆動装置に伝達する動力伝達経路上の係合部に伝導抑制手段を介装する構成とした。これにより、電動機を起因とする電気ノイズを係合部で抑制することができ、電気ノイズが電子機器などに影響を与えることを防止できる。
特に、本発明では、動力伝達経路上に設けられた複数の係合部のうちの順係合部に伝導抑制手段を介装する構成とした。ここで、順係合部は、係合する2つの動力伝達部材の相対運動が小さく2つの動力伝達部材が摺動することないため、摩耗などにより伝導抑制手段の耐久性が低下することがない。そのため、本発明によれば、1度介装した伝導抑制手段により長期に亘り電気ノイズを抑制することができる。
また、本発明は、駆動力を出力する電動機(例えば、後述の電動機2A,2B)と、前記電動機によって駆動される被駆動装置(例えば、後述の後輪Wr)と、前記電動機が出力した前記駆動力を前記被駆動装置に伝達可能に接続する動力伝達経路と、を備え、前記動力伝達経路は、互いに動力伝達可能に係合する3以上の動力伝達部材(例えば、後述の遊星歯車式減速機12A,12B、後述の出力軸10A,10B、後述の車軸80A,80B)及び当該3以上の動力伝達部材を係合する2以上の係合部(例えば、後述の遊星歯車式減速機12A,12Bのサンギヤ21A,21B及びプラネタリギヤ22A,22B、後述の係合部3A,3B)を備え、複数の前記係合部のうち径方向寸法が最も小さい係合部(例えば、後述の係合部3A)で互いに係合する動力伝達部材の間に、該動力伝達部材よりも電気伝導率の小さい伝導抑制手段を介装する、ことを特徴とする動力伝達装置(例えば、後述の動力伝達装置110)を提供する。
このような構成の本発明によれば、伝導抑制手段の寸法を最小化することができ、伝導抑制手段のコスト低減及び製造工数の低減を実現できる。
また、本発明は、車両に搭載され、駆動力を出力する電動機(例えば、後述の電動機2A,2B)と、前記電動機によって駆動される被駆動装置としての車輪(例えば、後述の後輪Wr)と、前記電動機が出力した前記駆動力を前記車輪に伝達可能に接続する動力伝達経路と、を備え、前記動力伝達経路は、互いに動力伝達可能に係合する複数の動力伝達部材(例えば、後述の遊星歯車式減速機12A,12B、後述の出力軸10A,10B、後述の車軸80A,80B)及び当該複数の動力伝達部材を係合する1又は複数の係合部(例えば、後述の遊星歯車式減速機12A,12Bのサンギヤ21A,21B及びプラネタリギヤ22A,22B、後述の係合部3A,3B)を備え、前記車両の平面視での中心に対し前記電動機よりも車両外側に位置する係合部(例えば、後述の係合部3A,3B)で互いに係合する動力伝達部材の間に、該動力伝達部材よりも電気伝導率の小さい伝導抑制手段を介装する、ことを特徴とする動力伝達装置(例えば、後述の動力伝達装置110)を提供する。
このような構成の本発明によれば、電動機を起因とする電気ノイズが車外方向に伝達されることを防止でき、電気ノイズが電子機器などに影響を与えることを防止できる。
また、前記伝導抑制手段は、係合する前記動力伝達部材の表面に一体形成される被膜であることが好ましい。
このような構成によれば、他部材を介装する場合に比べて伝導抑制手段の厚みを少なくすることができ、駆動力の伝達ロスを低減できる。
この場合において、前記伝導抑制手段が介装される前記係合部(例えば、後述の係合部3A,3B)は、相対的に径方向内側に配置される動力伝達部材(例えば、後述の出力軸10A)の外側に形成される雄部(例えば、後述の雄部10a)と、相対的に径方向外側に配置される動力伝達部材(例えば、後述の車軸80A)の内側に形成される雌部(例えば、後述の雌部80a)と、が嵌合することで形成される順係合部であり、前記雄部のみに前記被膜を形成することが好ましい。
このような構成によれば、外周面に形成された雄部にのみ被膜を形成すれば足りるため、被膜形成に係る費用及び時間を低減できる。
なお、前記雄部に加え前記雌部にも前記被膜を形成することとしてもよく、雌部にも被膜を形成する場合には、前記雄部の前記被膜と前記雌部の前記被膜とを夫々異なる被膜で形成することが好ましい。
このような構成によれば、より広範な電気ノイズを抑制することができる。
また、前記伝導抑制手段が介装される前記係合部(例えば、後述の係合部3A,3B)は、相対的に径方向内側に配置される動力伝達部材(例えば、後述の出力軸10A)の外側に形成される雄部(例えば、後述の雄部10a)と、相対的に径方向外側に配置される動力伝達部材(例えば、後述の車軸80A)の内側に形成される雌部(例えば、後述の雌部80a)と、が嵌合することで形成される順係合部であり、前記伝導抑制手段は、予め前記雄部のみに一体化された伝導抑制部材(例えば、後述の電気伝導率の低い別部材)であり、前記伝導抑制部材が一体化された前記雄部及び前記雌部を嵌合することで、前記動力伝達部材の間に前記伝導抑制手段を介装することが好ましい。
このような構成であっても、電動機を起因とする電気ノイズが電子機器などに影響を与えることを防止できる。
また、前記伝導抑制手段が介装される前記係合部(例えば、後述の係合部3A´,3B´)は、係合する2つの動力伝達部材の端面(例えば、後述の端面10a´、端面80a´)を当接させて常時接続する接合部であり、前記伝導抑制手段は、前記接合部の当接面に介装されることが好ましい。
このような構成であっても、2つの動力伝達部材の端面同士が常時接合しているため、2つの動力伝達部材の相対運動が小さく当接面において2つの動力伝達部材が摺動することない。その結果、耐久性によらない伝導抑制手段の介装が可能になる。
この場合において、前記伝導抑制手段は、前記2つの動力伝達部材の端面のうちの少なくとも一方の端面(例えば、後述の端面10a´又は端面80a´)に一体形成される被膜であってもよく、また、前記伝導抑制手段は、前記2つの動力伝達部材の夫々の端面(例えば、後述の端面10a´及び端面80a´)に一体形成される被膜であってもよい。
また、2つの動力伝達部材の夫々の端面に被膜を形成する場合には、前記端面に形成される被膜は、前記2つの動力伝達部材の夫々で異なることが好ましい。
また、前記伝導抑制手段が介装される前記係合部(例えば、後述の係合部3A´,3B´)は、係合する2つの動力伝達部材の端面(例えば、後述の端面10a´、端面80a´)を当接させて常時接続する接合部であり、前記伝導抑制手段は、前記2つの動力伝達部材の端面のうちの少なくとも一方の端面(例えば、後述の端面10a´又は端面80a´)に一体化された伝導抑制部材(例えば、後述の電気伝導率の低い別部材)であることが好ましい。
また、前記伝導抑制手段は、電気絶縁性材料で形成されることが好ましい。
このような構成によれば、電動機を起因とする電気ノイズを係合部で遮断することができ、電気ノイズによる影響を防止できる。
この場合、前記電動機は車両に搭載され、前記被駆動装置は前記車両の車輪であることが好ましい。
このような構成によれば、電動機の駆動力を用いて走行する車両において、電動機を起因とする電気ノイズによる影響を防止できる。
本発明によれば、電動機を起因とする電気ノイズを抑制することができ、結果、電気ノイズによる電子機器への影響を防止できる。
本発明の第1実施形態に係る動力伝達装置を搭載した車両を示す図である。 上記実施形態に係る第2駆動装置の縦断面図である。 図2に示す第2駆動装置の部分拡大図である。 上記実施形態に係る係合部の斜視図及び断面図である。 本発明の第2実施形態に係る動力伝達装置の係合部の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、第2実施形態以降の説明において、第1実施形態と共通する構成については、その説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る動力伝達装置を搭載した車両を示す図である。本実施形態に係る動力伝達装置110を搭載した車両100は、ハイブリッド車両である。図1に示すように、車両100は、第1駆動装置1と、第2駆動装置2を含む動力伝達装置110と、これらの駆動装置を制御する制御装置としての電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)6と、PDU(パワードライブユニット)8と、バッテリ9と、を備える。
第1駆動装置1は、車両100の前部に設けられ、前輪Wf,Wfを駆動する。第1駆動装置1は、内燃機関(ENG)4と、電動機5と、トランスミッション7と、を備える。内燃機関4と電動機5は、直列に接続されており、これら内燃機関4と電動機5のトルクが、トランスミッション7を介して前輪Wf,Wfに伝達される。
内燃機関4は、例えば直列4気筒エンジンであり、燃料を燃焼させることでハイブリッド車両100を走行させるためのトルクを発生する。内燃機関4のクランクシャフトは、電動機5の出力軸に連結されている。
電動機5は、例えば3相交流モータであり、バッテリ9に蓄えられた電力により、車両100を走行させるためのトルクを発生する。電動機5は、インバータを備えるPDU8を介してバッテリ9に接続されており、内燃機関4の駆動力をアシストする。
トランスミッション7は、内燃機関4で発生したトルクを所望の変速比での回転数及びトルクに変換し、前輪Wf,Wfに伝達する。
[動力伝達装置110の構成]
本発明に係る動力伝達装置110は、第2駆動装置2と、車軸80A,80Bと、係合部3A,3Bと、を備え、当該第2駆動装置2から発生したトルクを被駆動装置としての後輪Wr(RWr,LWr)に伝達する。
第2駆動装置2は、車両100の後部に設けられ、後輪Wr(RWr,LWr)を駆動する。第2駆動装置2は、電動機2A,2Bを備え、これら電動機2A,2Bから発生したトルクが車軸8を介して後輪Wr(RWr,LWr)に伝達されることで、後輪Wr(RWr,LWr)が駆動する。
電動機2A,2Bは、電動機5と同様に、例えば3相交流モータであり、バッテリ9に蓄えられた電力により、車両100を走行させるためのトルクを発生する。また、電動機2A,2Bは、インバータを備えるPDU8を介してバッテリ9に接続されており、ECU6からの制御信号がPDU8に入力されることで、バッテリ9からの電力供給と、バッテリ9へのエネルギー回生が制御される。
車軸80A,80Bは、電動機2A,2Bの出力軸(後述の出力軸10A,10B)と係合部3A,3Bを介して係合し、電動機2A,2Bから発生したトルクを後輪Wr(RWr,LWr)に伝達する。即ち、電動機2Aから発生したトルクは、後述の出力軸10Aから係合部3Aを介して車軸80Aに伝達され、後輪LWrに伝達される。また、電動機2Bから発生したトルクは、後述の出力軸10Bから係合部3Bを介して車軸80Bに伝達され、後輪RWrに伝達される。
係合部3A,3Bは、車両100の平面視での中心に対し電動機2A,2Bよりも車幅方向外側の位置で後述の出力軸10A,10Bと車軸80A,80Bとを順係合する。即ち、係合部3Aは、電動機2Aよりも車幅方向外側の位置で後述の出力軸10Aと車軸80Aとを同一方向に一体的に回転するように係合し、係合部3Bは、電動機2Bよりも車幅方向外側の位置で後述の出力軸10Bと車軸80Bとを同一方向に一体的に回転するように係合する。
続いて、本発明に係る動力伝達装置110の一部を構成する第2駆動装置2について、さらに詳しく説明する。なお、第2駆動装置2については、本願出願人により出願されて公開された特開2010−235051号公報に詳しく記載されている。
図2は、第2駆動装置2の縦断面図である。図3は、図2に示す第2駆動装置2の部分拡大図である。図2及び図3に示すように、第2駆動装置2は、車両100の各後輪RWr,LWrに駆動力を伝える出力軸10A,10Bを有し、各々、車幅方向に同軸上に配置される。これら出力軸10A,10Bは、車両100の平面視での中心に対し車幅方向外側の位置で各後輪RWr,LWrの車軸80A,80Bに接続される。減速機ケース11の内部には、出力軸10A,10Bを駆動する電動機2A,2Bと、電動機2A,2Bの駆動回転を減速する遊星歯車式減速機12A,12Bとが、出力軸10A,10Bと同軸上に配置される。
減速機ケース11の左右両端側内部には、電動機2A,2Bのステータ14A,14Bが固定され、ステータ14A,14Bの内周側には環状のロータ15A,15Bが回転可能に配置される。ロータ15A,15Bの内周部には、出力軸10A,10Bの外周を囲繞する円筒軸16A,16Bが結合され、この円筒軸16A,16Bが出力軸10A,10Bと同軸で相対回転可能に支持される。減速機ケース11の端部壁17A,17Bには、ロータ15A,15Bの回転位置情報を検出するレゾルバ20A,20Bが設けられる。
遊星歯車式減速機12A、12Bは、サンギヤ21A、21Bと、このサンギヤ21に噛合される複数のプラネタリギヤ22A、22Bと、これらのプラネタリギヤ22A、22Bを支持するプラネタリキャリア23A、23Bと、プラネタリギヤ22A、22Bの外周側に噛合されるリングギヤ24A、24Bと、を備え、サンギヤ21A、21Bから電動機2A、2Bの駆動力が入力され、減速された駆動力がプラネタリキャリア23A、23Bを通して出力されるようになっている。
サンギヤ21A、21Bは円筒軸16A、16Bに一体に形成されている。また、プラネタリギヤ22A、22Bは、例えば図3に示すように、サンギヤ21A、21Bに直接噛合される大径の第1ピニオン26A、26Bと、この第1ピニオン26A、26Bよりも小径の第2ピニオン27A、27Bを有する2連ピニオンであり、これらの第1ピニオン26A、26Bと第2ピニオン27A、27Bが同軸にかつ軸方向にオフセットした状態で一体に形成されている。このプラネタリギヤ22A、22Bはプラネタリキャリア23A、23Bに支持され、プラネタリキャリア23A、23Bは、軸方向内側端部が径方向内側に伸びて出力軸10A、10Bにスプライン嵌合され一体回転可能に支持されるとともに、軸受33A、33Bを介して中間壁18A、18Bに支持されている。
なお、中間壁18A、18Bは電動機2A、2Bを収容する電動機収容空間と遊星歯車式減速機12A、12Bを収容する減速機空間とを隔て、外径側から内径側に互いの軸方向間隔が広がるように屈曲して構成されている。そして、中間壁18A、18Bの内径側、かつ、遊星歯車式減速機12A、12B側にはプラネタリギヤ22A、22Bを支持する軸受33A、33Bが配置されるとともに中間壁18A、18Bの外径側、かつ、電動機2A、2B側にはステータ14A、14B用のバスリング41A、41Bが配置されている(図2参照)。
リングギヤ24A、24Bは、その内周面が小径の第2ピニオン27A、27Bに噛合されるギヤ部28A、28Bと、ギヤ部28A、28Bより小径で減速機ケース11の中間位置で互いに対向配置される小径部29A、29Bと、ギヤ部28A、28Bの軸方向内側端部と小径部29A、29Bの軸方向外側端部を径方向に連結する連結部30A、30Bとを備えて構成されている。この実施形態の場合、リングギヤ24A、24Bの最大半径は、第1ピニオン26A、26Bの出力軸10A、10Bの中心からの最大距離よりも小さくなるように設定されている。小径部29A、29Bは、夫々後述する一方向クラッチ50のインナーレース51とスプライン嵌合し、リングギヤ24A、24Bは一方向クラッチ50のインナーレース51と一体回転するように構成されている。
減速機ケース11とリングギヤ24A,24Bの間には円筒状の空間部が確保され、その空間部内に、リングギヤ24A,24Bに対する制動を行う油圧ブレーキ60A,60Bが、第2ピニオン27A,27Bと径方向でオーバーラップし、第1ピニオン26A,26Bと軸方向でオーバーラップして配置される。油圧ブレーキ60A、60Bは、減速機ケース11の内径側で軸方向に伸びる筒状の外径側支持部34の内周面にスプライン嵌合された複数の固定プレート35A、35Bと、リングギヤ24A、24Bの外周面にスプライン嵌合された複数の回転プレート36A、36Bが軸方向に交互に配置され、これらのプレート35A、35B,36A、36Bが環状のピストン37A、37Bによって締結及び解放操作される。
ピストン37A、37Bは、減速機ケース11の中間位置から内径側に延設された左右分割壁39と、左右分割壁39によって連結された外径側支持部34と内径側支持部40間に形成された環状のシリンダ室38A、38Bに進退自在に収容されており、シリンダ室38A、38Bへの高圧オイルの導入によってピストン37A、37Bを前進させ、シリンダ室38A、38Bからオイルを排出することによって37A、37Bを後退させる。油圧ブレーキ60A、60Bはオイルポンプ70に接続される。
なお、油圧ブレーキ60A、60B及びピストン37A、37Bの詳細については、特開2010−235051号公報を参照されたい。
また、軸方向で対向するリングギヤ24A、24Bの連結部30A、30B間にも空間部が確保され、その空間部内には、リングギヤ24A,24Bに対し一方向の動力のみを伝達し他方向の動力を遮断する一方向クラッチ50が配置される。一方向クラッチ50は、インナーレース51とアウターレース52との間に多数のスプラグ53を介在させて構成され、そのインナーレース51がリングギヤ24A,24Bのギヤ部28A,28Bと一体に構成される。またアウターレース52は、減速機ケース11の内周面により位置決めされるとともに、回り止めされている。
一方向クラッチ50は、車両100が電動機2A,2Bの駆動力で前進走行する際に係合してリングギヤ24A,24Bの回転をロックするように構成される。より具体的には、一方向クラッチ50は、リングギヤ24A,24Bに作用するトルクの作用方向によってリングギヤ24A,24Bをロック又は切り離すように構成され、車両100が前進する際のサンギヤ21A,21Bの回転方向を正転方向とするとリングギヤ24A,24Bに逆転方向のトルクが作用する場合に、リングギヤ24A,24Bの回転をロックする。
以上のように構成される動力伝達装置110では、第2駆動装置2の遊星歯車式減速機12A,12B及び出力軸10A,10B(図2参照)と車軸80A,80B(図1参照)とが、電動機2A,2Bが出力した駆動力(トルク)を被駆動装置としての後輪Wr(RWr,LWr)に伝達する複数の動力伝達部材を構成する。即ち、電動機2A,2Bから出力した駆動力(トルク)は、遊星歯車式減速機12A,12B、出力軸10A,10B及び車軸80A,80Bを動力伝達経路として、後輪Wr(RWr,LWr)に伝達される。
そして、動力伝達装置110では、遊星歯車式減速機12A,12Bのサンギヤ21A,21B及びプラネタリギヤ22A,22Bが、係合する2つの動力伝達部材が互いに逆方向に回転する逆係合部を構成し、係合部3A,3B(即ち、後述の雄部10a及び雌部80a)が、係合する2つの動力伝達部材が互いに同一方向に一体的に回転する順係合部を構成する。
[係合部3A,3B]
続いて、図4を参照して、動力伝達部材としての出力軸10A,10B及び車軸80A,80Bを係合する係合部3A,3Bについて説明する。図4は、係合部3Aの斜視図及び断面図である。なお、係合部3A,3Bの構造は同一であるため、以下では、係合部3Aについてのみ説明し、係合部3Bについての説明を省略する。
本実施形態に係る係合部3Aは、車両100の平面視での中心に対し電動機2Aよりも車幅方向外側の位置で出力軸10A及び車軸80Aを同一方向に一体的に回転するように順係合する係合部である。より詳細には、係合部3Aは、図4(1)(2)に示すように、出力軸10Aの外周に形成された雄部10aと、車軸80Aの内周に形成された雌部80aとがスプライン嵌合することで、出力軸10Aと車軸80Aとを係合する。
ここで、図2及び図3に示すように、逆係合部を構成するサンギヤ21Aと一体に形成される円筒軸16Aは、出力軸10Aの外周を囲繞する。そのため、逆係合部の径方向寸法は、出力軸10Aの径方向寸法よりも大きい。一方、係合部3Aは、出力軸10Aの外周に形成された雄部10aにより構成されるため、係合部3Aの径方向寸法は、出力軸10Aの径方向寸法と一致する。そのため、係合部3Aは、動力伝達部材(遊星歯車式減速機12A,12B、出力軸10A,10B及び車軸80A,80B)を係合する複数の係合部のうち径方向寸法が最も小さい係合部である。
このような係合部3Aには、電動機2Aに起因する電気ノイズを抑制する伝導抑制手段が介装される。伝導抑制手段としては、出力軸10A及び車軸80Aよりも電気伝導率の低い材料を用いることが好ましく、本実施形態では係合部3Aに絶縁被膜を形成することとしている。
具体的には、係合部3Aで係合する出力軸10A及び車軸80Aのうちの少なくとも一方の表面と一体的に絶縁被膜を形成する。即ち、出力軸10Aの雄部10a及び車軸80Aの雌部80aのうちの少なくとも一方に絶縁被膜を形成する。
ここで、内周面に形成された雌部80aよりも外周面に形成された雄部10aの方が被膜の形成が容易であるため、雄部10aに絶縁被膜を形成することが好ましいが、雄部10a及び雌部80aの双方に絶縁被膜を形成することとしてもよく、また、雄部10aに形成することなく雌部80aにのみ絶縁被膜を形成することとしてもよい。
また、絶縁被膜は、任意の絶縁材料を用いて形成することとしてよく、本実施形態では、例えば、DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)などの固体潤滑剤を材料として絶縁被膜を形成する。
なお、雄部10a及び雌部80aの双方に絶縁被膜を形成する場合には、夫々の被膜を異ならせることとしてもよい。これにより、抑制可能な電気ノイズが増え、より広範な電気ノイズを抑制することができる。ここで、被膜を異ならせるとは、被膜材料を異ならせることに加え、形成する被膜の厚みを異ならせることを、少なくとも含むものとする。
また、伝導抑制手段は被膜に限られず、出力軸10Aと車軸80Aとの間に出力軸10A及び車軸80Aよりも電気伝導率の低い別部材を介装させることとしてもよい。一例として、出力軸10Aの外周に予め絶縁性の部材を一体化させておき、この絶縁性の部材により雄部10aを形成することで、出力軸10Aから車軸80Aへ電気ノイズが伝播することを抑制することとしてもよい。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係る動力伝達装置110´について説明する。第2実施形態に係る動力伝達装置110´は、第1実施形態に対して出力軸及び車軸を係合する係合部のみが異なり、他の構成は同一である。そのため、以下では、第2実施形態に係る動力伝達装置110´の係合部3A´,3B´についてのみ説明し、その他の説明を省略する。
第1実施形態の係合部3A,3Bは、出力軸10A,10B及び車軸80A,80Bがスプライン嵌合することで順係合することとしていた。これに対して、第2実施形態の係合部3A´,3B´は、出力軸10A´,10B´及び車軸80A´,80B´を固定具などで接合することで順係合する点で、第1実施形態と異なる。
以下、図5を参照して、第2実施形態の係合部3A´,3B´について説明する。なお、係合部3A´,3B´の構造は同一であるため、以下では、係合部3A´についてのみ説明し、係合部3B´についての説明を省略する。図5は、第2実施形態に係る係合部3Aの断面図である。
図5に示すように、出力軸10A´の車軸80A´と当接する側の端部、及び車軸80A´の出力軸10A´と当接する側の端部には、夫々外周に沿ってフランジ部が形成される。係合部3A´は、出力軸10A´及び車軸80A´を当接させた状態で、夫々のフランジ部を複数のボルトで固定することで出力軸10A´及び車軸80A´を常時接合する。
第2実施形態に係る係合部3A´においても、電動機2Aに起因する電気ノイズを抑制する伝導抑制手段が介装される。
具体的には、係合部3A´で係合する出力軸10A´及び車軸80A´のうちの少なくとも一方の端面(当接面)に、出力軸10A´及び車軸80A´よりも電気伝導率の低い伝導抑制手段、例えば絶縁被膜を形成する。即ち、出力軸10A´の車軸80A´と当接する端面10a´及び車軸80A´の出力軸10A´と当接する端面80a´のうちの少なくとも一方に絶縁被膜を形成する。
なお、絶縁被膜は、出力軸10A´の端面10a´に形成することとしてもよく、車軸80A´の端面80a´に形成することとしてもよく、出力軸10A´の端面10a´及び車軸80A´の端面80a´の双方に形成することとしてもよい。また、端面10a´及び端面80a´に限らず、適宜、ボルト座面やボルト穴などにも絶縁被膜を形成することが好ましい。
また、出力軸10A´の端面10a´及び車軸80A´の端面80a´の双方に絶縁被膜を形成する場合には、夫々の被膜(被膜材料、被膜の厚みなど)を異ならせることとしてもよい。
また、伝導抑制手段は被膜に限られず、出力軸10A´と車軸80A´との間に出力軸10A´と車軸80A´よりも電気伝導率の低い別部材を介装させることとしてもよい。一例として、出力軸10A´の端面10a´及び車軸80A´の端面80a´のうちの少なくとも一方に、絶縁性の部材を予め一体化させておくことで、伝導抑制手段を実現することとしてもよい。
以上説明した第1実施形態及び第2実施形態の動力伝達装置110、110´によれば、以下の効果が奏される。
動力伝達装置110、110´では、電動機2A,2Bから出力された駆動力(トルク)を後輪Wr(RWr,LWr)に伝達する動力伝達経路上の係合部に伝導抑制手段を介装する構成とした。これにより、電動機2A,2Bを起因とする電気ノイズ、即ち(1)電動機2A,2Bから発生した電気ノイズ、及び、(2)電動機2A,2Bのステータ14A,14Bの円環内に配置された出力軸10A,10Bから発生した電気ノイズを係合部で遮断することができ、電気ノイズによる影響を防止できる。
このとき、動力伝達装置110、110´では、動力伝達経路上に設けられた逆係合部(サンギヤ21A,21B及びプラネタリギヤ22A,22B)及び順係合部(係合部3A,3B)のうち、順係合部に伝導抑制手段を介装する構成とした。ここで、2つの動力伝達部材が同一方向に一体的に回転する順係合部は、係合する2つの動力伝達部材の相対運動が小さく2つの動力伝達部材が摺動することないため、摩耗などにより伝導抑制手段の耐久性が低下することがない。そのため、安価かつ簡易な方法で伝導抑制手段を介装させることができ、また、1度介装した伝導抑制手段により長期に亘り電気ノイズを遮断することができる。
なお、2つの動力伝達部材が逆方向に回転する係合部では、2つの動力伝達部材が摺動してしまい、摩擦などにより耐久性が低下してしまう。そのため、動力伝達経路上に順係合部と逆係合部とを備える場合、順係合部にのみ伝導抑制手段を介装することとし、逆係合部には伝導抑制手段を介装しないこととしてもよい。
また、動力伝達装置110、110´では、動力伝達経路上に設けられた複数の係合部のうち、径方向寸法が最も小さい係合部にのみ伝導抑制手段を介装する構成とした。これにより、伝導抑制手段の寸法を最小化することができ、伝導抑制手段のコスト低減及び製造工数の低減を実現できる。
また、動力伝達装置110、110´では、動力伝達経路上に設けられた複数の係合部のうち、電動機2A,2Bよりも車幅方向の外側に位置する係合部に伝導抑制手段を介装する構成とした。これにより、電動機2A,2Bを起因とする電気ノイズが車外方向に伝達されることを防止でき、電気ノイズによる影響を防止できる。
また、動力伝達装置110、110´は、伝導抑制手段を絶縁被膜により実現する構成とした。このような構成によれば、絶縁性を有する他部材を介装する場合に比べて絶縁層の厚みを少なくすることができ、駆動力の伝達ロスを低減することができる。
なお、動力伝達装置110では、出力軸10A,10B及び車軸80A,80Bをスプライン嵌合することとし、絶縁被膜を出力軸10Aの雄部10aに形成する構成とした。このような構成によれば、外周面に形成された雄部10aにのみ絶縁被膜を形成すれば足りるため、被膜形成に係る費用及び時間を低減することができる。
もちろん、動力伝達装置110は、内周面に形成された雌部80aに絶縁被膜を形成することとしてもよく、このような構成であっても電気ノイズによる影響を防止できる。また、雄部10a及び雌部80aの双方に絶縁被膜を形成することとしてもよく、このような場合には雄部10a及び雌部80aの夫々の絶縁材料を異ならせることで、より広範な電気ノイズを抑制することができる。
また、動力伝達装置110´では、出力軸10A´,10B´及び車軸80A´,80B´をボルトなどの固定具により常時接合する構成とした。このような構成であっても、出力軸10A´,10B´及び車軸80A´,80B´が常時接合しているため、係合する2つの動力伝達部材の相対運動が小さく当接面において2つの動力伝達部材が摺動することないため、耐久性によらない伝導抑制手段の介装が可能になる。
なお、動力伝達装置110、110´は、絶縁性を有する他部材により伝導抑制手段を実現する構成としてもよく、このような構成であっても電気ノイズによる影響を防止できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
例えば、上記実施形態では、後輪Wr(RWr,LWr)を被駆動装置としているが、被駆動装置は後輪Wr(RWr,LWr)に限られるものではなく、前輪Wf(RWf、LWf)などその他の被駆動装置に対しても、本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、電動機2A,2Bの回転軸と車軸80A,80B(80A´,80B´)の回転軸とが同一線上に配置されることとしているが、これに限られるものではなく、両回転軸が異なる動力伝達装置に対しても、本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、動力伝達経路上に減速機(遊星歯車式減速機12A,12B)を備えることとしているが、これに限られるものではなく、減速機を備えない動力伝達装置に対しても、本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、後輪の駆動源を電動機2A,2Bのみとしたが、エンジン駆動であってもよい。
また、上記実施形態では、後輪側の第2駆動装置2を2つの電動機2A,2Bを具備する2モータ方式としたが、1モータ方式であってもよい。
110…動力伝達装置
2A,2B…電動機
Wr…後輪(被駆動装置)
12A,12B…遊星歯車式減速機(動力伝達部材)
10A,10B,10A´,10B´…出力軸(動力伝達部材)
80A,80B,80A´,80B´…車軸(動力伝達部材)
21A,21B…サンギヤ(逆係合部)
22A,22B…プラネタリギヤ(逆係合部)
3A,3A´,3B,3B´…係合部(順係合部)

Claims (15)

  1. 駆動力を出力する電動機と、
    前記電動機によって駆動される被駆動装置と、
    前記電動機が出力した前記駆動力を前記被駆動装置に伝達可能に接続する動力伝達経路と、を備え、
    前記動力伝達経路は、互いに動力伝達可能に係合する3以上の動力伝達部材及び当該3以上の動力伝達部材を係合する2以上の係合部を備え、
    複数の前記係合部は、係合する2つの動力伝達部材が互いに同一方向に一体的に回転する順係合部と、係合する2つの動力伝達部材が互いに逆方向に回転する逆係合部と、を含み、
    複数の前記係合部のうち前記順係合部で互いに係合する動力伝達部材の間に、該動力伝達部材よりも電気伝導率の小さい伝導抑制手段を介装する、
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 駆動力を出力する電動機と、
    前記電動機によって駆動される被駆動装置と、
    前記電動機が出力した前記駆動力を前記被駆動装置に伝達可能に接続する動力伝達経路と、を備え、
    前記動力伝達経路は、互いに動力伝達可能に係合する3以上の動力伝達部材及び当該3以上の動力伝達部材を係合する2以上の係合部を備え、
    複数の前記係合部のうち径方向寸法が最も小さい係合部で互いに係合する動力伝達部材の間に、該動力伝達部材よりも電気伝導率の小さい伝導抑制手段を介装する、
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 車両に搭載され、駆動力を出力する電動機と、
    前記電動機によって駆動される被駆動装置としての車輪と、
    前記電動機が出力した前記駆動力を前記車輪に伝達可能に接続する動力伝達経路と、を備え、
    前記動力伝達経路は、互いに動力伝達可能に係合する複数の動力伝達部材及び当該複数の動力伝達部材を係合する1又は複数の係合部を備え、
    前記車両の平面視での中心に対し前記電動機よりも車両外側に位置する係合部で互いに係合する動力伝達部材の間に、該動力伝達部材よりも電気伝導率の小さい伝導抑制手段を介装する、
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  4. 前記伝導抑制手段は、係合する前記動力伝達部材の表面に一体形成される被膜であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の動力伝達装置。
  5. 前記伝導抑制手段が介装される前記係合部は、
    相対的に径方向内側に配置される動力伝達部材の外側に形成される雄部と、
    相対的に径方向外側に配置される動力伝達部材の内側に形成される雌部と、が嵌合することで形成される順係合部であり、
    前記雄部のみに前記被膜を形成することを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置。
  6. 前記伝導抑制手段が介装される前記係合部は、
    相対的に径方向内側に配置される動力伝達部材の外側に形成される雄部と、
    相対的に径方向外側に配置される動力伝達部材の内側に形成される雌部と、が嵌合することで形成される順係合部であり、
    前記雄部及び前記雌部に前記被膜を形成することを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置。
  7. 前記雄部の前記被膜と前記雌部の前記被膜とを夫々異なる被膜で形成することを特徴とする請求項6に記載の動力伝達装置。
  8. 前記伝導抑制手段が介装される前記係合部は、
    相対的に径方向内側に配置される動力伝達部材の外側に形成される雄部と、
    相対的に径方向外側に配置される動力伝達部材の内側に形成される雌部と、が嵌合することで形成される順係合部であり、
    前記伝導抑制手段は、予め前記雄部のみに一体化された伝導抑制部材であり、
    前記伝導抑制部材が一体化された前記雄部及び前記雌部を嵌合することで、前記動力伝達部材の間に前記伝導抑制手段を介装することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の動力伝達装置。
  9. 前記伝導抑制手段が介装される前記係合部は、係合する2つの動力伝達部材の端面を当接させて常時接続する接合部であり、
    前記伝導抑制手段は、前記接合部の当接面に介装されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の動力伝達装置。
  10. 前記伝導抑制手段は、前記2つの動力伝達部材の端面のうちの少なくとも一方の端面に一体形成される被膜であることを特徴とする請求項9に記載の動力伝達装置。
  11. 前記伝導抑制手段は、前記2つの動力伝達部材の夫々の端面に一体形成される被膜であることを特徴とする請求項9に記載の動力伝達装置。
  12. 前記端面に形成される被膜は、前記2つの動力伝達部材の夫々で異なることを特徴とする請求項11に記載の動力伝達装置。
  13. 前記伝導抑制手段が介装される前記係合部は、係合する2つの動力伝達部材の端面を当接させて常時接続する接合部であり、
    前記伝導抑制手段は、前記2つの動力伝達部材の端面のうちの少なくとも一方の端面に一体化された伝導抑制部材であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の動力伝達装置。
  14. 前記伝導抑制手段は、電気絶縁性材料で形成されることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の動力伝達装置。
  15. 前記電動機は車両に搭載され、前記被駆動装置は前記車両の車輪であることを特徴とする請求項1から14に記載の動力伝達装置。
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