JP2009166740A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸方向の全長を可及的に短縮した車両用動力伝達装置を提供する。
【解決手段】エンジン12及び第1電動機MG1が第1回転軸18に連結されると共に、その第1回転軸18とは非同軸且つその第1回転軸18との間の動力伝達可能に設けられて第2電動機MG2に連結された第2回転軸20を備え、オイルポンプ40の第2カバー部材46は、軸方向に関してケース38の反対側に凹状部72が形成されたものであり、その凹状部72内に遊星歯車装置22のリングギヤRを軸心まわりの自転可能に支持するための第9ベアリング76が配設されたものであることから、第1電動機MG1及び第2電動機MG2に関して同軸の回転軸を備えた動力伝達装置に比べて軸方向の全長を短縮できると共に、第2カバー部材46の凹状部72内に配設された第9ベアリング76によりケース38への入力モーメントを低減することができ、アラインメントの悪化を好適に抑制できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、主動力源と、第1電動機と、第2電動機と、動力を伝達するための回転軸と、非回転部材であるケースとを、備えた車両用動力伝達装置に関し、特に、その軸方向の全長を短縮ための改良に関する。
主動力源と、第1電動機と、第2電動機と、動力を伝達するための回転軸と、非回転部材であるケースとを、備えた車両用動力伝達装置が知られている。例えば、特許文献1に記載されたハイブリッド車両の動力伝達装置がそれである。この技術によれば、車両の駆動状態に応じて前記第1電動機及び第2電動機により適宜力行(駆動)或いは回生(発電)を行うハイブリッド制御により、車両の運転性能を確保しつつ燃費を向上させることができる。
特開2007−39000号公報
本発明者は、前述のような車両用動力伝達装置の軸方向の全長を短縮するために、前記第1電動機に対応する回転軸と前記第2電動機に対応する回転軸とを非同軸とすることを考え、実用化のために鋭意研究を継続してきた。その過程において、前記従来の技術に斯かる構成を設けると、前記回転軸によるケースへの入力モーメントが比較的大きくなり、アラインメントが悪化するおそれがあるという弊害を新たに見いだした。斯かるミスアライメントにより、装置の耐久性が低下したりノイズが発生するといった不具合が生じるおそれがあり、そのような不具合を発生させることなく車両用動力伝達装置の軸方向の全長を可及的に短縮する技術は、未だ開発されていないのが現状である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、軸方向の全長を可及的に短縮した車両用動力伝達装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、主動力源と、第1電動機と、第2電動機と、動力を伝達するための回転軸と、非回転部材であるケースと、そのケースに固設されたカバー部材と前記回転軸によって回転駆動させられる回転部材とから成るオイルポンプとを、備えた車両用動力伝達装置であって、前記主動力源及び第1電動機が前記回転軸に連結されると共に、その回転軸とは非同軸且つその回転軸との間の動力伝達可能に設けられて前記第2電動機に連結された第2の回転軸を備え、前記オイルポンプのカバー部材は、軸方向に関して前記ケースの反対側に凹状部が形成されたものであり、その凹状部内に所定の回転部材を軸心まわりの自転可能に支持するためのベアリングが配設されたことを特徴とするものである。
このようにすれば、前記主動力源及び第1電動機が前記回転軸に連結されると共に、その回転軸とは非同軸且つその回転軸との間の動力伝達可能に設けられて前記第2電動機に連結された第2の回転軸を備え、前記オイルポンプのカバー部材は、軸方向に関して前記ケースの反対側に凹状部が形成されたものであり、その凹状部内に所定の回転部材を軸心まわりの自転可能に支持するためのベアリングが配設されたものであることから、前記第1電動機及び第2電動機に関して同軸の回転軸を備えた動力伝達装置に比べて軸方向の全長を短縮できると共に、前記カバー部材の凹状部内に配設されたベアリングにより前記回転部材によるケースへの入力モーメントを低減することができ、アラインメントの悪化を好適に抑制できる。すなわち、軸方向の全長を可及的に短縮した車両用動力伝達装置を提供することができる。
ここで、好適には、前記ケースにおける前記カバー部材の固定に係る壁部の少なくとも一部と、そのカバー部材の凹状部内に配設されたベアリングとは、前記回転軸の軸心に垂直な同一平面内に設けられたものである。このようにすれば、固定に係る前記ケースの壁部とベアリングとのオフセットが無くなり、前記ケースへの入力モーメントを更に低減することができる。
また、好適には、前記カバー部材の凹状部内に配設されたベアリングは、前記回転軸と第2の回転軸との間の動力伝達を行うための遊星歯車装置の回転要素を、前記カバー部材に対して軸心まわりの自転可能に支持するものである。このようにすれば、実用的な車両用動力伝達装置に関して軸方向の全長を可及的に短縮することができる。
また、好適には、前記カバー部材の凹状部内に配設されたベアリングは、前記回転軸を前記カバー部材に対して軸心まわりの自転可能に支持するものである。このようにすれば、実用的な車両用動力伝達装置に関して軸方向の全長を可及的に短縮することができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される車両用動力伝達装置10の構成を説明する骨子図である。この動力伝達装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に用いられる横置き型のハイブリッド駆動装置であり、主動力源としてのエンジン12と、第1電動機MG1と、第2電動機MG2と、例えば左右一対の前輪である駆動輪14と、上記エンジン12や第2電動機MG2等により発生させられる駆動力をその駆動輪14へ伝達すると共にその駆動力の一部を上記第1電動機MG1等へ分配する動力分配機構16とを、備えて構成されている。
上記エンジン12は、例えば、気筒内噴射される燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等の内燃機関であり、走行用の主動力源として機能するものである。このエンジン12は、好適には、その出力軸(クランク軸)が上記動力分配機構16の第1回転軸18に直接に或いは図示しない脈動吸収ダンパを介して直接的に連結されている。このように、本実施例の動力伝達装置10において、好適には、上記エンジン12と動力分配機構16とは直結されている。この直結はトルクコンバータやフルードカップリング等の流体式伝動装置を介することなく連結されているということであり、例えば上記脈動吸収ダンパ等を介する連結はこの直結に含まれる。
前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2は、好適には、何れも電気エネルギから機械的な駆動力を発生させる原動機としての機能及び機械的な駆動力から電気エネルギを発生させる発電機としての機能を有する所謂モータジェネレータであるが、前記第1電動機MG1は反力を発生させるためのジェネレータ(発電機)機能を少なくとも備え、前記第2電動機MG2は走行用の駆動力源として駆動力を出力するためのモータ(発動機)機能を少なくとも備える。すなわち、前記動力伝達装置10において、前記第2電動機MG2は主動力源であるエンジン12の代替として、或いはそのエンジン12と共に走行用の駆動力を発生させる動力源(副動力源)として機能する。また、前記第1電動機MG1は、前記エンジン12と共通の第1回転軸18に対応して設けられた遊星歯車装置22のサンギヤSにそのロータが連結されたものであり、前記第2電動機MG2は、その第1回転軸18とは非同軸且つ上記遊星歯車装置22を介してその第1回転軸18との間の動力伝達可能に設けられた第2回転軸20にそのロータが連結されたものである。
前記動力分配機構16は、シングルピニオン型の遊星歯車装置22を主体として構成されたものであり、その遊星歯車装置22の第1回転要素としてのサンギヤSに前記第1電動機MG1が、第2回転要素としてのキャリアCAに前記エンジン12がそれぞれ連結されている。また、上記遊星歯車装置22の第3回転要素としてのリングギヤRの外周側には、上記第2回転軸20と一体回転させられるように設けられた第2歯車26と噛み合わされる第1歯車24が設けられており、前記第2電動機MG2により発生させられた駆動力がそれら第1歯車24及び第2歯車26を介して前記遊星歯車装置22に入力されるようになっている。また、上記第1歯車24は、前記動力分配機構16の出力歯車(カウンタドライブギヤ)としても機能するものであり、カウンタ軸32と一体回転させられるように設けられた第3歯車28と噛み合わされている。また、同じくそのカウンタ軸32と一体回転させられるように設けられた第4歯車30が差動歯車装置34の入力歯車に噛み合わされている。斯かる構成において、前記エンジン12や第2電動機MG2等から前記動力分配機構16に入力された駆動力は、出力歯車としての上記第1歯車24からカウンタ軸32を介して差動歯車装置34へ入力され、その差動歯車装置34から左右一対の駆動軸36を介して前記駆動輪14に伝達される。
前述のように構成された動力分配機構16では、前記遊星歯車装置22に備えられた3つの回転要素であるサンギヤS、キャリアCA、及びリングギヤRがそれぞれ相互に相対回転可能とされて差動作用が作動可能な状態すなわち差動作用が働く差動状態とされることから、前記エンジン12から出力される駆動力が前記第1電動機MG1と出力部材としての前記カウンタ軸32とに分配されると共に、分配された駆動力の一部で前記第1電動機MG1により発電が行われたり、発電された電力により前記第2電動機MG2が回転駆動されるというように、前記動力分配機構16が電気的な差動装置として機能させられる。これにより、例えば、その動力分配機構16が所謂無段変速状態(電気的CVT状態)とされ、前記エンジン12の所定回転にかかわらず前記カウンタ軸32の回転が連続的に変化させられる。すなわち、前記動力伝達装置10においては、前記第1電動機MG1により発電された電力が図示しないインバータを介して前記第2電動機MG2へ供給され、その電力による第2電動機MG2の駆動により発生させられる駆動力が前記カウンタ軸32へ伝達される。この電気エネルギの発生から前記第2電動機MG2で消費されるまでに関連する機器により、前記エンジン12の動力の一部が電気エネルギに変換され、その電気エネルギを機械的エネルギに変換するまでの電気パスが構成され、前記動力分配機構16は、その変速比γ0が最小値γ0minから最大値γ0maxまで連続的に変化させられる電気式差動部(電気式無段変速機)として機能させられる。
図2は、前記動力伝達装置10の構成を詳しく説明するために前記第1回転軸18、第2回転軸20、及びカウンタ軸32それぞれの軸心を含む平面で切断して示す部分断面図である。この図2に示すように、前記動力伝達装置10は、前記第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び動力分配機構16等が非回転部材であるケース38内に設けられて構成されたものである。このケース38は、図2に示すように複数の部材がボルト等により相互に連結されて構成されたものであるが、本実施例においてはそのように構成されたケース38を一体の非回転部材として以下の説明を行う。
図2に示すように、前記動力伝達装置10には、前記第1回転軸18の回転により油圧を発生させる機械式のオイルポンプ40が設けられている。このオイルポンプ40は、例えば、複数(図2では1本のみを示している)のボルト42により上記ケース38に締着された第1カバー部材44及び第2カバー部材46と、それら第1カバー部材44及び第2カバー部材46の間に前記第1回転軸18によって回転駆動させられるように設けられた回転部材であるインナーロータ(ドライブロータ)48と、そのインナーロータ48の外周側に設けられて前記第1回転軸18によるそのインナーロータ48の回転駆動に追従して回転させられる回転部材であるアウターロータ(ドリブンロータ)50とから構成されている。すなわち、本実施例の動力伝達装置10に備えられたオイルポンプ40は、好適には、前記第1カバー部材44及び第2カバー部材46の間に設けられた回転部材としてのインナーロータ48及びアウターロータ50を前記第1回転軸18により回転駆動することにより、それらインナーロータ48及びアウターロータ50の噛み合いのずれによってオイルを圧送する内接インボリュートギア式或いはトロコイド式のオイルポンプであるが、外接(並列)インボリュートギア式のオイルポンプ等であってもよい。
また、前記動力伝達装置10おいて、前記第2回転軸20は、その軸方向に関する第1位置に設けられた第1ベアリング52及び第2位置に設けられた第2ベアリング54により前記ケース38に対する軸心まわりの自転可能に支持されている。また、 前記カウンタ軸32は、その軸方向に関する第1位置に設けられた第3ベアリング58及び第2位置に設けられた第4ベアリング60により前記ケース38に対する軸心まわりの自転可能に支持されている。また、前記第1電動機MG1のロータを支持するための支持部材62は、その軸方向に関する第1位置に設けられた第5ベアリング64及び第2位置に設けられた第6ベアリング66により前記ケース38に対する軸心まわりの自転可能に支持されている。また、前記第1回転軸18は、上記支持部材62の内周側において、その軸方向に関する第1位置に設けられた第7ベアリング68及び第2位置に設けられた第8ベアリング70により上記支持部材62に対する軸心まわりの自転可能に支持されている。すなわち、前記第1回転軸18は、上記第7ベアリング68、第8ベアリング70、支持部材62、第5ベアリング64、及び第6ベアリング66を介して前記ケース38に対する軸心まわりの自転可能に支持されている。
また、図2に示すように、前記オイルポンプ40を構成する2つのカバー部材のうち前記第1回転軸18側に設けられたものすなわち第2カバー部材46には、軸方向に関して前記ケース38の反対側(第1回転軸18側)に、円筒状の内周面を有して第1回転軸18側に開口する凹状部72が形成されている。また、前記遊星歯車装置22のリングギヤRには、軸方向に関して前記オイルポンプ40側の端部に、上記凹状部72の内周面よりも小径の円筒状を成す外周面を有する凸状部74が形成されており、その凸状部74が上記凹状部72の内周側に位置させられるように設けられている。そして、斯かる凹状部72と凸状部74との間すなわち凹状部72の内周側であり且つ凸状部74の外周側の間隙には、前記第2カバー部材46(ケース38)に対して前記リングギヤRを軸心まわりの自転可能に支持するための第9ベアリング76が配設されている。また、好適には、これら第9ベアリング76と、前記ケース38における前記カバー部材44、46の固定に係る壁部80とは、図2に二点差線pで示すように前記第1回転軸18の軸心に垂直な同一平面内に設けられたものである。また、前記リングギヤRは、軸方向に関する上記凸状部74が形成された側と反対側の端部に設けられた第10ベアリング78により前記ケース38に対する軸心まわりの自転可能に支持されている。
以上のように構成された動力伝達装置10では、カウンタドライブギヤとして機能する前記遊星歯車装置22のリングギヤRが、前記第9ベアリング76及び第10ベアリング78により前記ケース38に対して軸心まわりの自転可能にその両端部において支持されていることから、そのケース38への入力モーメントが低減されてケース38の変形が小さくなり、ミスアライメントが抑制される。また、前記ケース38における前記カバー部材44、46の固定に係る壁部80と前記第9ベアリング76との間にオフセットがないため、前記ケース38への入力モーメントを更に低減することができる。
このように、本実施例によれば、主動力源としてのエンジン12及び第1電動機MG1が前記第1回転軸18に連結されると共に、その第1回転軸18とは非同軸且つその第1回転軸18との間の動力伝達可能に設けられて前記第2電動機MG2に連結された第2回転軸20を備え、前記オイルポンプ40の第2カバー部材46は、軸方向に関して前記ケース38の反対側に凹状部72が形成されたものであり、その凹状部72内に所定の回転部材を軸心まわりの自転可能に支持するための第9ベアリング76が配設されたものであることから、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2に関して同軸の回転軸を備えた動力伝達装置に比べて軸方向の全長を短縮できると共に、前記第2カバー部材46の凹状部72内に配設された第9ベアリング76により前記回転部材によるケース38への入力モーメントを低減することができ、アラインメントの悪化を好適に抑制できる。すなわち、軸方向の全長を可及的に短縮した車両用動力伝達装置10を提供することができる。
また、前記ケース38における前記カバー部材44、46の固定に係る壁部80の少なくとも一部と、その第2カバー部材46の凹状部72内に配設された第9ベアリング76とは、前記第1回転軸18の軸心に垂直な同一平面内に設けられたものであるため、固定に係る前記ケース38の壁部と第9ベアリング76とのオフセットが無くなり、前記ケース38への入力モーメントを更に低減することができる。
また、前記第2カバー部材46の凹状部72内に配設された第9ベアリング76は、前記第1回転軸18と第2回転軸20との間の動力伝達を行うための遊星歯車装置22の第1回転要素であるリングギヤRを、前記第2カバー部材46に対して軸心まわりの自転可能に支持するものであるため、実用的な車両用動力伝達装置10に関して軸方向の全長を可及的に短縮することができる。
続いて、本発明の他の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図3は、本発明の他の好適な実施例である動力伝達装置90の構成を詳しく説明するために前記第1回転軸18、第2回転軸20、及びカウンタ軸32それぞれの軸心を含む平面で切断して示す部分断面図である。この図3に示すように、本実施例の動力伝達装置90では、前述した動力伝達装置10に比べて前記第1回転軸18が前記ケース38側(オイルポンプ40側)へ延伸して設けられており、その軸方向に関する前記オイルポンプ40側の端部に、前記第2カバー部材46に設けられた凹状部72の内周面よりも小径の円筒状を成す外周面を有する凸状部92が形成されており、その凸状部92が上記凹状部72の内周側に位置させられるように設けられている。そして、斯かる凹状部72と凸状部92との間すなわち凹状部72の内周側であり且つ凸状部92の外周側の間隙には、前記第2カバー部材46(ケース38)に対して前記第1回転軸18を軸心まわりの自転可能に支持するための第9ベアリング76が配設されている。また、前記遊星歯車装置22のリングギヤRは、第11ベアリング94及び第12ベアリング96により前記第1回転軸18に対する軸心まわりの自転可能に支持されている。
以上のように構成された動力伝達装置90では、前記第1回転軸18における前記オイルポンプ40側の端部が、前記第9ベアリング76により前記ケース38に対して軸心まわりの自転可能に支持されていることから、その第1回転軸18が前記第7ベアリング68、第8ベアリング70、及び第9ベアリング76によって前記ケース38に支持され、その第1回転軸18の前記ケース38への入力モーメントが低減されてケース38の変形が小さくなり、ミスアライメントが抑制される。また、前記ケース38における前記カバー部材44、46の固定に係る壁部80と前記第9ベアリング76との間にオフセットがないため、前記ケース38への入力モーメントを更に低減することができる。
このように、本実施例において、前記第2カバー部材46の凹状部72内に配設された第9ベアリング76は、前記第1回転軸18を前記第2カバー部材46に対して軸心まわりの自転可能に支持するものであるため、実用的な車両用動力伝達装置90に関して軸方向の全長を可及的に短縮することができる。
図4は、本発明の更に別の実施例である動力伝達装置100の構成を詳しく説明するために前記第1回転軸18、第2回転軸20、及びカウンタ軸32それぞれの軸心を含む平面で切断して示す部分断面図である。この図4に示すように、本実施例の動力伝達装置100では、前記第2カバー部材46における前記第1回転軸18側に円筒状の突出壁部102が設けられている。また、その突出壁部102の内周側に、前記第1回転軸18を支持するための第9ベアリング76を配設するための溝部104が形成されている。すなわち、本実施例の動力伝達装置100においては、この溝部104が前記第9ベアリング76を配設するための凹状部に相当する。そして、斯かる溝部104と凸状部92との間すなわち溝部104の内周側であり且つ凸状部92の外周側の間隙には、前記第2カバー部材46(ケース38)に対して前記第1回転軸18を軸心まわりの自転可能に支持するための第9ベアリング76が配設されている。また、前記遊星歯車装置22のリングギヤRは、第13ベアリング106及び第14ベアリング108により前記第1回転軸18に対する軸心まわりの自転可能に支持されている。
以上のように構成された動力伝達装置100では、前記第1回転軸18における前記オイルポンプ40側の端部が、前記第9ベアリング76により前記ケース38に対して軸心まわりの自転可能に支持されていることから、その第1回転軸18の前記ケース38への入力モーメントが低減されてケース38の変形が小さくなり、ミスアライメントが抑制される。本実施例においては、前記ケース38における前記カバー部材44、46の固定に係る壁部80と前記第9ベアリング76との間にオフセットが存在するが、斯かる構成においても本発明の一応の効果は奏する。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例では、前記エンジン12、第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び動力分配機構16から成る動力伝達装置10に本発明が適用された例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、斯かる構成に加えて有段式の自動変速機やベルト式無段変速機等が動力伝達経路に設けられた動力伝達装置に本発明が適用されても構わない。
また、前述の実施例では、前記第1回転軸18に対応してその第1回転軸18により駆動されるオイルポンプ40が設けられた動力伝達装置10について説明したが、前記第2回転軸20に対応してその第2回転軸20により駆動されるオイルポンプが設けられた動力伝達装置に本発明が適用されても構わない。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明が好適に適用される車両用動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 図1の動力伝達装置の構成を詳しく説明するために第1回転軸、第2回転軸、及びカウンタ軸それぞれの軸心を含む平面で切断して示す部分断面図である。 本発明の他の実施例である動力伝達装置の構成を詳しく説明するために第1回転軸、第2回転軸、及びカウンタ軸それぞれの軸心を含む平面で切断して示す部分断面図である。 本発明の更に別の実施例である動力伝達装置の構成を詳しく説明するために第1回転軸、第2回転軸、及びカウンタ軸それぞれの軸心を含む平面で切断して示す部分断面図である。
符号の説明
10、90、100:車両用動力伝達装置
12:エンジン(主動力源)
18:第1回転軸
20:第2回転軸
22:遊星歯車装置
38:ケース
40:オイルポンプ
44:第1カバー部材
46:第2カバー部材
48:インナーロータ(回転部材)
50:アウターロータ(回転部材)
72:凹状部
76:第9ベアリング
80:壁部
104:溝部(凹状部)
MG1:第1電動機
MG2:第2電動機
R:リングギヤ(第3回転要素)

Claims (4)

  1. 主動力源と、第1電動機と、第2電動機と、動力を伝達するための回転軸と、非回転部材であるケースと、該ケースに固設されたカバー部材と前記回転軸によって回転駆動させられる回転部材とから成るオイルポンプとを、備えた車両用動力伝達装置であって、
    前記主動力源及び第1電動機が前記回転軸に連結されると共に、該回転軸とは非同軸且つ該回転軸との間の動力伝達可能に設けられて前記第2電動機に連結された第2の回転軸を備え、前記オイルポンプのカバー部材は、軸方向に関して前記ケースの反対側に凹状部が形成されたものであり、該凹状部内に所定の回転部材を軸心まわりの自転可能に支持するためのベアリングが配設されたものであることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記ケースにおける前記カバー部材の固定に係る壁部の少なくとも一部と、該カバー部材の凹状部内に配設されたベアリングとは、前記回転軸の軸心に垂直な同一平面内に設けられたものである請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記カバー部材の凹状部内に配設されたベアリングは、前記回転軸と第2の回転軸との間の動力伝達を行うための遊星歯車装置の回転要素を、前記カバー部材に対して軸心まわりの自転可能に支持するものである請求項1又は2に記載の車両用動力伝達装置。
  4. 前記カバー部材の凹状部内に配設されたベアリングは、前記回転軸を前記カバー部材に対して軸心まわりの自転可能に支持するものである請求項1又は2に記載の車両用動力伝達装置。
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