JP2014174434A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ニップ形成部材の定着ベルトと接する面に設けた、潤滑剤を含有させた摺動部材から潤滑剤が漏れて枯渇するのを防止して、定着ベルトのニップ形成部材との摩擦による摩擦抵抗の上昇を抑え、かつ加圧ローラの駆動トルクの上昇を抑えることができる定着装置を提供する。
【解決手段】定着ローラ80を間に挟んで加圧ローラ81と当接してニップ部を形成するニップ形成部材83の定着ローラ80が接する面に、液状の潤滑剤を含有させた摺動部材84が取り付けられており、摺動部材84に形成された、該摺動部材84の一方向側に向けて含有されている潤滑剤を流すための複数の傾斜した織り目84a(流路)と、この織り目84a(流路)の両側に接続された、潤滑剤を摺動部材84との間で循環させるための管87(潤滑剤循環流路)とを有している。
【選択図】図6
【解決手段】定着ローラ80を間に挟んで加圧ローラ81と当接してニップ部を形成するニップ形成部材83の定着ローラ80が接する面に、液状の潤滑剤を含有させた摺動部材84が取り付けられており、摺動部材84に形成された、該摺動部材84の一方向側に向けて含有されている潤滑剤を流すための複数の傾斜した織り目84a(流路)と、この織り目84a(流路)の両側に接続された、潤滑剤を摺動部材84との間で循環させるための管87(潤滑剤循環流路)とを有している。
【選択図】図6
Description
本発明は、無端ベルト状の定着部材と加圧回転部材間にニップ部を形成し、該ニップ部を通る被定着材に対し定着処理を行う定着装置、及び該定着装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置では、像担持体である感光体ドラムの表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム上の静電潜像をトナーなどの現像剤によって現像して顕像化し、このトナー像を転写装置により記録紙に転写して、転写後の記録紙に対して定着装置にて加熱加圧を加えることによって、記録紙上のトナー像を定着し、定着された記録紙を装置外に排紙する構成になっている。
未定着トナー像を定着させるための定着装置の一例として、無端状の定着ベルトを用いるベルト方式の定着装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の定着装置では、中空パイプ状の金属熱伝導体が、無端ベルト状の定着ベルトの内側に該定着ベルトの移動をガイドするように固定されている。金属熱伝導体内には熱源が設けられている。この熱源により金属熱伝導体を介して定着ベルトを加熱する。また、定着ベルトの外側には、定着ベルトを加圧する加圧ローラが配置されている。この加圧ローラは、定着ベルトを介して金属熱伝導体に接触してニップ部を形成している。定着ベルトは、加圧ローラが回転することにより金属熱伝導体で温められながら回転する。
特許文献1に記載の定着装置は、このような構成により、熱源と金属熱伝導体によって定着ベルト全体を素早く加熱することができるので、加熱待機時からのファーストプリント時間(印刷要求を受けた後、印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでの時間)を短縮でき、かつ定着ベルトの高速回転時の熱量不足を解消できると記載されている。
ところで、近年では、定着装置の更なる省エネ性及びファーストプリント時間の短縮化が求めらているため、熱効率を更に向上させる必要がある。
そのため、特許文献1のような定着ベルトを金属熱伝導体により間接的に加熱する構成から、金属熱伝導体を介さずに直接的に加熱する構成が考えられる。これにより、熱効率が大幅に向上するので、消費電力が低減するとともに加熱待機時からのファーストプリント時間を更に短縮できる。また、この場合は、金属熱伝導体を使用しないことによるコストダウンが可能となる。
定着ベルトを直接的に加熱する構成では、定着ベルト内でニップ形成部材が定着ベルトの内周面に接するようにして配置され、加圧ローラが定着ベルトをニップ形成部材に押し付けて、定着ベルトとの間にニップ部を形成する。
また、ニップ形成部材の定着ベルトと接する面には、ニップ形成部材と定着ベルトとの間の摺動抵抗を低減させるために、潤滑剤を含有させたシート状の摺動部材が取り付けられる。
ところで、定着動作に伴う定着ベルトの長期間の回転によって、摺動部材に含有させた潤滑剤の量が不足することがある。これは、定着動作時に加熱源の発熱で摺動部材が加熱されているために、含有されている潤滑剤の粘度が低下し、摺動部材の両側から漏れてしまうためである。
漏れによって摺動部材に含有させた潤滑剤の量が不足すると、定着ベルトとの間の摺動抵抗が大きくなる。このため、圧接して定着ベルトを回転させるための加圧ローラ側の駆動モータの必要回転トルクが大きくなり、駆動モータの負担が増してしまうなどの不具合が発生する。
そこで、本発明は、ニップ形成部材の定着ベルトと接する面に設けた潤滑剤を含有させた摺動部材から潤滑剤が漏れて枯渇するのを防止して、定着ベルトのニップ形成部材との摩擦による摩擦抵抗の上昇を抑え、かつ加圧ローラの駆動トルクの上昇を抑えることができる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明に係る定着装置は、無端ベルト状に形成された回転可能な定着部材と、前記定着部材の表面に当接して、未定着トナー像が転写された記録媒体を挟持搬送させるニップ部を形成する加圧回転部材と、前記定着部材の内側に配置され、該定着部材を加熱する熱源と、前記定着部材の内側に前記加圧回転部材の長手方向に沿って配置され、該定着部材を間に挟んで前記加圧回転部材と当接して前記ニップ部を形成するニップ形成部材と、前記ニップ形成部材の前記定着部材が接する面に前記加圧回転部材の長手方向に沿って取り付けた、液状の潤滑剤を含有させた摺動部材と、を備えた定着装置において、前記摺動部材に形成された、該摺動部材の一方の端面側から他方の端面側に向けて含有されている前記潤滑剤を流すための流路と、前記流路の両側に接続された、潤滑剤を前記摺動部材との間で循環させるための潤滑剤循環流路とを有し、前記摺動部材の前記流路の一方側から漏れた潤滑剤が、前記潤滑剤循環流路を通して前記流路の他方側へ供給されることを特徴としている。
本発明に係る画像形成装置は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の定着装置を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、定着動作時に、摺動部材に含有された潤滑剤が摺動部材の一方側の端部から漏れても、漏れた潤滑剤を潤滑剤循環流路で摺動部材の他端側に供給することで、摺動部材に含有される潤滑剤の枯渇をなくすことできる。
従って、長期にわたって、定着部材のニップ形成部材との摩擦による摩擦抵抗の上昇が抑えられるので、長期にわたって、定着部材がスムーズに回転し、かつ加圧回転部材の駆動トルクの上昇を抑えることができる。
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る定着装置を備えた画像形成装置としての電子写真方式のプリンタを示す概略構成図である。
図1は、本発明の実施形態に係る定着装置を備えた画像形成装置としての電子写真方式のプリンタを示す概略構成図である。
(プリンタの構成、画像形成動作)
図1に示した本実施形態のプリンタ(画像形成装置)1には、タンデム構造が採用されている。このタンデム構造は、像担持体としての感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkを並設したものである。像担持体は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成することが可能である。
図1に示した本実施形態のプリンタ(画像形成装置)1には、タンデム構造が採用されている。このタンデム構造は、像担持体としての感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkを並設したものである。像担持体は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成することが可能である。
プリンタ(画像形成装置)1は、周知のように、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに静電潜像を形成し、各静電潜像を各色のトナーにより現像して可視像化しトナー像を形成する。続いて、これらのトナー像を中間転写体としての中間転写ベルト11に重畳して転写して(1次転写)、その後に記録媒体としての記録紙Sに一括して転写(2次転写)した後、定着装置10により記録紙Sに定着させる。本発明の特徴である定着装置10の詳細については後述する。
無端状の中間転写ベルト11は、駆動ローラ71と複数の従ローラ72,73間に張架されており、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに対峙しながら矢印A1方向に移動可能である。中間転写ベルト11の表面には、中間転写ベルト11上の残留トナー等の異物を除去してクリーニングするクリーニング装置74が設けられている。
各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの周囲には、感光体ドラムの回転に従って画像形成処理するための各部材が配置されている。これについて、ブラック画像形成を行う感光体ドラム20Bkを例に挙げて以下に説明する。
感光体ドラム20Bkの周囲には、感光体ドラム20Bkの回転方向に沿って画像形成処理を行う帯電装置30Bk,現像装置40Bk、1次転写ローラ12Bk及びクリーニング装置50Bkが配置されている。帯電後に行われる書き込みには、光書込装置8が用いられる。
中間転写ベルト11に対する重畳転写(1次転写)は、中間転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに形成された各トナー像が、中間転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるように行われる。
具体的には、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに形成されたトナー像が、1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkによる電圧印加によってA1方向の上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkは、中間転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに対向して配置されている。
2次転写ローラ5は、駆動ローラ71と中間転写ベルト11を間に挟むようにして対向して配置され、中間転写ベルト11に従動して回転する転写部材である。
光書込装置8は、装置本体内のシート給送装置61の上方に配置されている。この光書込装置8は、光源としての半導体レーザ、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラー及び偏向手段としての回転多面鏡などを備えている。
この光書込装置8は、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkに対して色毎に対応した書き込み光を出射して、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Bkに静電潜像を形成する。
シート給送装置61は、給紙ローラ3を備えている。この給紙ローラ3は、給紙動作時に給紙カセット62に積載された最上位の記録紙Sの上面に当接する。そして、シート給送装置61は、給紙ローラ3が反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の記録紙Sをレジストローラ4に向けて送る。
また、装置本体内の上部には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーがそれぞれ充填されているトナーボトル9Y、9C、9M、9Bkが着脱可能に配置されており、各色のトナーを現像装置40Y,40C,40M,40Bkにそれぞれ供給する。
次に、このプリンタ1による画像形成動作について説明する。
各帯電装置30Y、30C、30M、30Bkで所定のプロセススピードで矢印方向に回転している各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの表面を均一に帯電する。そして、光書込装置8からのレーザ光による露光により感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの表面に、例えば外部のパソコン等から入力した画像情報に対応した静電潜像を形成する。
そして、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの表面に形成された静電潜像に対して、各現像装置40Y、40C、40M、40Bkによりトナー(現像剤)を付着させて現像(可視化)する。これにより、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの表面に各色のトナー像が形成され、更に1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkによって、移動する中間転写ベルト11上に各色のトナー像が重畳転写される。
この時、給紙ローラ3によって給紙カセット62から最上部の記録紙Sを取り出し、搬送路を通して搬送された記録紙Sがレジストローラ4でいったん保持される。そして、感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkの表面でのトナー像の形成タイミングに合わせて、レジストローラ対14で保持されていた記録紙Sが、中間転写ベルト11と転写バイアスが印加された2次転写ローラ5間の転写ニップに搬送され、記録紙S上にフルカラーのトナー像が転写される。
そして、トナー像が転写された記録紙Sは、定着装置10に搬送され、定着装置10の無端状の定着ベルト80と加圧ローラ81間の定着ニップ(ニップ部)にて加熱、加圧されることにより、記録紙S上にトナー像が定着される。トナー像が表面に定着された記録紙Sは、排紙ローラ7によって搬送されて排紙トレイ17上に排出される。
(定着装置10の構成、動作)
図2は、定着装置10を示す概略構成図である。図2に示すように、この定着装置10は、定着部材としての無端ベルト状の可撓性を有する定着ベルト80、定着ベルト80の表面に当接してニップ部Nを形成する加圧回転部材としての加圧ローラ81、定着ベルト80を加熱する熱源82、定着ベルト80内で加圧ローラ81と対向してニップ部Nを形成させるためのニップ形成部材83を有している。
図2は、定着装置10を示す概略構成図である。図2に示すように、この定着装置10は、定着部材としての無端ベルト状の可撓性を有する定着ベルト80、定着ベルト80の表面に当接してニップ部Nを形成する加圧回転部材としての加圧ローラ81、定着ベルト80を加熱する熱源82、定着ベルト80内で加圧ローラ81と対向してニップ部Nを形成させるためのニップ形成部材83を有している。
また、ニップ形成部材83の表面には、液状の潤滑剤を含有したシート状の摺動部材84が取り付けられている。摺動部材84は、ニップ形成部材83の表面に摺接するようにして、定着ベルト80のニップ形成部材83との摩擦による摩擦抵抗を緩和させるためのものである(本発明の特徴である摺動部材84の詳細については後述する)。
なお、本実施形態では、ニップ部Nを形成するためのニップ形成部材83の表面が少し凹状になっているが、平坦形状であってもよい。ニップ形成部材83の表面が少し凹状になっていると、ニップ部Nを通過後の記録紙Sの先端の排出方向が加圧ローラ81寄りになって分離性が向上し、ジャムの発生等が抑制される。
定着ベルト80は、加圧ローラ81の長手方向に沿って設けられいる。定着ベルト80の基材には、ニッケルやSUSなどの金属やポリイミドなどの樹脂が用いられている。定着ベルト80の基材の表層(加圧ローラ81側の表面)は、PFA又はPTFE層などの離型層を有し、トナーが付着しないように離型性を持たせている。
なお、定着ベルト80の表層と離型層との間に、シリコーンゴム層などの弾性層があってもよい。このシリコーンゴム層がない場合は熱容量が小さくなり、定着性が向上するが、トナー像を押し潰して定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に、いわゆるユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が残るという不具合が生じる。この不具合を改善するには、シリコーンゴム層を100μm以上の厚みで設ける必要がある。これにより、シリコーンゴム層が変形して、微小な凹凸が吸収されユズ肌画像が改善する。
定着ベルト80の内部には、ニップ形成部材83を支持するための支持部材(ステー)85が設けられており、加圧ローラ81により圧力を受けるニップ形成部材83の撓みを防止し、加圧ローラ81の軸線方向で均一なニップ幅を得られるようにしている。この支持部材85は、保持部材(不図示)に保持固定され位置決めされている。
また、定着ベルト80内には、熱源82と支持部材85間に位置するようにして反射部材86が設けられており、熱源82からの輻射熱などにより支持部材85が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギー消費を抑制している。なお、反射部材86を備える代わりに支持部材85の表面に断熱もしくは鏡面処理を施しても同様の効果を得ることか可能となる。
熱源82は、図示したハロゲンヒータでもよいが、IHであってもよいし、抵抗発熱体、カーボンヒータ等であってもよい。なお、図では、熱源82として3つのハロゲンヒータが設置されているが、例えば1つのハロゲンヒータを備えた構成でもよい。
加圧ローラ81は、芯金81a上に弾性ゴム層81bを有しており、離型性を得るためにその表面に離型層(PFA又はPTFE層)が設けてある。加圧ローラ81は、画像形成装置1に設けられたモータなどの駆動源(不図示)からギヤを介して駆動力が伝達され回転する。
また、加圧ローラ81は、スプリングなどにより定着ベルト80側に押し付けられており、弾性ゴム層81bがニップ形成部材83に圧接して押し潰されて変形することにより、所定のニップ幅を有している。
なお、加圧ローラ81は中空のローラであってもよく、加圧ローラ81内にハロゲンヒータなどの加熱源を有していてもよい。弾性ゴム層81bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ81内にヒータが無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルトの熱が奪われにくくなるので、より望ましい。
定着ベルト80は、圧接する加圧ローラ81により連れ回り回転する。図2の場合は加圧ローラ81が図示しない駆動源により回転し、ニップ部Nで定着ベルト80に駆動力が伝達されることにより、定着ベルト80が回転する。定着ベルト80はニップ部Nで挟み込まれて回転し、ニップ部N以外では円弧状の保持部材(不図示)にガイドされ、移動(回転)する。
そして、定着動作時においては、加圧ローラ81が図示しない駆動源により回転されることで、ニップ部Nで圧接する定着ベルト80が連れ回り回転する。この際、熱源82の発熱によって定着ベルト80は素早く加熱され、所定温度に達している。
そして、ニップ部Nに搬送されてきた未定着トナー像が転写された記録紙Sは、ニップ部Nにおいて定着ベルト80と加圧ローラ81とで挟持搬送されながら加熱、加圧され、記録紙S上にトナー像が定着される。
(摺動部材84の構成)
ニップ部Nでは、定着ベルト80はニップ形成部材83の表面に対して摺動しながら回転(移動)する。このため、定着ベルト80のニップ形成部材83との摩擦による摩擦抵抗を低減して定着ベルト80をスムーズに回転(移動)させるために、ニップ形成部材83の定着ベルト80と摺動接触する表面に、潤滑剤を含有したシート状の摺動部材84が貼り付けられている。
ニップ部Nでは、定着ベルト80はニップ形成部材83の表面に対して摺動しながら回転(移動)する。このため、定着ベルト80のニップ形成部材83との摩擦による摩擦抵抗を低減して定着ベルト80をスムーズに回転(移動)させるために、ニップ形成部材83の定着ベルト80と摺動接触する表面に、潤滑剤を含有したシート状の摺動部材84が貼り付けられている。
図3に示すように、シート状の摺動部材84は、ニップ形成部材83の長手方向に沿ってその表面に貼り付けられている。この摺動部材84として、例えば、フッ素系繊維シートを用いることができる。摺動部材84は、表面に液状の潤滑剤(例えば、シリコーンオイル)が塗布されることで、毛細管現象により全体にむらなく潤滑剤を含有させることができる。
また、摺動部材84には、その長手方向に沿って、綾織り等によって斜めに傾斜した複数の織り目84aが等間隔で形成されている。この斜めに傾斜した複数の織り目84aは、以下に説明するように、摺動部材84内において潤滑剤が流れる流路として用いることができる。織り目84aは、未定着のトナー像が転写された記録紙の通紙方向(矢印A方向)に向けて斜めに傾斜している。
図3は、ニップ形成部材83の長手方向に沿ってその表面に貼り付けられたシート状の摺動部材84をニップ部N側から見た状態を示している。
図3では、ニップ形成部材83(摺動部材84)に摺動接触する定着ベルト80と、定着ベルト80をニップ形成部材83(摺動部材84)に圧接させる加圧ローラ81は省略している。また、図3では、ニップ形成部材83(摺動部材84)の下側から上側に向けて(矢印A方向)、未定着のトナー像が転写された記録紙がニップ部Nに搬送される。なお、図3において、未定着のトナー像が転写された記録紙は、摺動部材84の長手方向両端内を通るようにして通紙される。
そして、図4に示すように、定着動作時に、ニップ形成部材83(摺動部材84)側に加圧ローラ81が加圧されると、摺動部材84内に含有されている潤滑剤は、加圧ローラ81による加圧によって複数の織り目84aに沿って矢印B方向に流れる(移動する)。
即ち、図4では、定着ベルト80が摺動部材84に対して下から上へ圧力を加える向き(矢印A方向)に動くことで、摺動部材84に含有された潤滑剤は、絞られるように下から上へ移動させられる力を受ける。これにより、移動する潤滑剤は、傾斜した織り目84aという流路に沿って、図4の左側から右側にそって一方向に移動することになる。
なお、図4に示すように、1つの織り目84aにおいて移動する潤滑剤は、摺動部材84の上端に達すると重力により摺動部材84内を下方向に移動し、次の織り目84aにおいて同様に下から上へ移動させられる力を受ける。このように、摺動部材84にその長手方向に沿って、斜めに傾斜した複数の織り目84aを形成することで、これらの織り目84aを、摺動部材84の長手方向に沿って潤滑剤を一方向に流す流路としての機能を持たせることができる。
そして、本実施形態では、図5に示すように、摺動部材84の長手方向に沿った両端部84b,84cの間に潤滑剤循環用の管87を接続して、潤滑剤循環流路を形成している。即ち、摺動部材84の一方側の端部に絞り出された潤滑剤は、管87を通して摺動部材84の他方側の端部に戻されるように循環される。ニップ形成部材83の管87が位置する部分は凹状に形成されている。
なお、前記潤滑剤循環流路を形成するには、摺動部材84の長手方向に沿った両端部84b,84cの間に管87を接続する以外にも、例えば、ニップ形成部材83の両端側に孔を設け、ニップ形成部材83のニップ形成面の裏側から管を摺動部材84に接触させるようにしてもよい。
更に、図6に示すように、定着ベルト80の一方側端面に潤滑剤回収ブレード88を設けて、摺動部材84の一方側の端面から漏れて定着ベルト80の内面に付着している一部の潤滑剤を回収するようにしてもよい。この場合には、潤滑剤回収ブレード88と摺動部材84の他方側の端面との間に接続された潤滑剤循環流路を形成する管87aを通して摺動部材84の他方側の端面に供給する。なお、図6では、定着ベルト80内のニップ形成部材83(摺動部材84)や熱源82等は省略している。
また、図7(a)に示すように、潤滑剤循環流路を形成する管87の途中に供給量調整手段としてのポンプ89を設ければ、摺動部材84に必要量だけ潤滑剤を供給することが可能になり、潤滑剤循環流路の長さ、高さ方向の形状にとらわれることなく配置が可能になる。
更に、図7(b)に示すように、潤滑剤循環流路を形成する管87の途中に冷却手段としての冷却装置90を設けることで、潤滑剤の粘度を高くし、摺動部材84の一方の端面から絞り出される量を調整することができる。シリコーンオイル等の潤滑剤は、温度が上がると粘度が低くなり絞り出され易くなり、潤滑剤循環流路を通して移動し易くなる。このように、冷却装置90を用いて潤滑剤を冷却し、潤滑剤の粘度を高くすることで、不要な潤滑剤循環を抑えることが可能になる。
また、摺動部材84は定着ベルト80と摺動接触させているため、摺動部材84に摩耗が生じる。この際、同時に定着ベルト80の裏面(摺動部材84が接する面)に設けている内面コート剤も摩耗し、潤滑剤のシリコーンオイル等と混ざり、潤滑剤としての機能を満たせなくなる。そこで、図7(c)に示すように、潤滑剤循環流路を形成する管87内にフィルター91を設けることで、循環する潤滑剤を清浄化し、より良い状態で潤滑剤を循環させることができる。
ところで、定着ベルト80内の長手方向両端側に、支持部材85を保持する一対の保持部材(不図示)が設けられているので、摺動部材84から漏れた潤滑剤の一部がこの保持部材にも漏れてしまう。このため、摺動部材84から絞り出される潤滑剤を全て循環に使用できるわけではなく、潤滑剤枯渇を防ぐために、潤滑剤を外部から供給する構成が必要になる。
そこで、図8に示すように、潤滑剤循環流路を形成する管87に、配管92を介して潤滑剤Gが充填された潤滑剤タンク93を接続して、外部から潤滑剤を供給するようにしてもよい。潤滑剤タンク93は、外部からの圧力で弾性変形可能な材料で形成されている。また、この潤滑剤タンク93の上面には、潤滑剤タンク93を弾性変形させて内部の潤滑剤Gを排出するための偏心カム94が設けられている。この偏心カム94としては、加圧ローラ81の加圧脱圧動作ための加圧脱圧カムを用いることができる。
摺動部材84から潤滑剤が絞り出されるメカニズムとして、加圧ローラ81による加圧脱圧動作により摺動部材84が圧接される動きと、定着ベルト80の回転の始めと終わりによる摺動部材84の伸び縮みの動きの寄与が大きい。長時間定着ベルト80を回し続けているものと、定着ベルト80の回転と停止を繰り返しているものでは、後者の方が潤滑剤枯渇に不利なことが分かっている。そのため、外部から潤滑剤を供給する場合も、図8のように、加圧ローラ81の加圧脱圧動作をする加圧脱圧カムとしての偏心カム94の動きに連動して、潤滑剤タンク93から配管92を通して管87に潤滑剤を供給できる構成にするとよい。
更に、図8に示すように、潤滑剤循環流路を形成する管87に、潤滑剤タンク93に接続された配管92の潤滑剤供給方向下流側に位置するようにして、潤滑剤撹拌手段としての撹拌スクリュー部材95を設けることで、潤滑剤を撹拌し供給することができる。これにより、長い間循環された潤滑剤と新しく供給された潤滑剤の分離を防ぐことができる。
また、撹拌スクリュー部材95を設けることで、粘度の異なる潤滑剤を同時に使用することが可能になる。例えば粘度の低い潤滑剤は、潤滑剤が摺動部材84から絞り出され易いが、定着ベルト80のニップ形成部材83との摩擦による摩擦抵抗を小さく保つことができる。逆に粘度の高い潤滑剤は、潤滑剤が摺動部材84から絞り出され難いが、定着ベルト80のニップ形成部材83との摩擦による摩擦抵抗が大きくなり易い。
そこで、この2種類の潤滑剤を併用し、粘度の高い潤滑剤に潤滑剤タンク93から粘度の低い潤滑剤を追加していくことで、潤滑剤が摺動部材84から絞り出されるのを低減し、かつ定着ベルト80のニップ形成部材83との摩擦による摩擦抵抗を小さくするように維持することができる。
このように、本実施形態によれば、定着動作時に、摺動部材84に含有された潤滑剤が摺動部材84の端部から漏れても、漏れた潤滑剤を潤滑剤循環流路を形成する管87で摺動部材84の他端側に供給することで、摺動部材84に含有される潤滑剤の枯渇をなくすことできる。
従って、長期にわたって、定着ベルト80のニップ形成部材83との摩擦による摩擦抵抗の上昇が抑えられるので、長期にわたって、定着ベルト80がスムーズに回転し、かつ加圧ローラ81の駆動トルクの上昇を抑えることができる。
1 プリンタ
10 定着装置
80 定着ベルト
81 加圧ローラ
82 熱源
83 ニップ形成部材
84 摺動部材
84a 織り目
87 管
89 ポンプ
90 冷却装置
91 フィルター
93 潤滑剤タンク
94 偏心カム
95 撹拌スクリュー部材
10 定着装置
80 定着ベルト
81 加圧ローラ
82 熱源
83 ニップ形成部材
84 摺動部材
84a 織り目
87 管
89 ポンプ
90 冷却装置
91 フィルター
93 潤滑剤タンク
94 偏心カム
95 撹拌スクリュー部材
Claims (7)
- 無端ベルト状に形成された回転可能な定着部材と、
前記定着部材の表面に当接して、未定着トナー像が転写された記録媒体を挟持搬送させるニップ部を形成する加圧回転部材と、
前記定着部材の内側に配置され、該定着部材を加熱する熱源と、
前記定着部材の内側に前記加圧回転部材の長手方向に沿って配置され、前記定着部材を間に挟んで前記加圧回転部材と当接して前記ニップ部を形成するニップ形成部材と、
前記ニップ形成部材の前記定着部材が接する面に前記加圧回転部材の長手方向に沿って取り付けた、液状の潤滑剤を含有させた摺動部材と、を備えた定着装置において、
前記摺動部材に形成された、該摺動部材の一方の端面側から他方の端面側に向けて含有されている前記潤滑剤を流すための流路と、
前記流路の両側に接続された、潤滑剤を前記摺動部材との間で循環させるための潤滑剤循環流路とを有し、
前記摺動部材の前記流路の一方側から漏れた潤滑剤が、前記潤滑剤循環流路を通して前記流路の他方側へ供給されることを特徴とする定着装置。 - 前記潤滑剤循環流路の途中に、前記潤滑剤循環流路を通して前記流路の他方側へ供給される潤滑剤の供給量を調整する供給量調整手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記潤滑剤循環流路の途中に、前記潤滑剤循環流路を通して前記流路の他方側へ供給される潤滑剤を冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記潤滑剤循環流路の途中に、前記潤滑剤循環流路を通して前記流路の他方側へ供給される潤滑剤を清浄化するフィルターを設けたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記潤滑剤循環流路の途中に、潤滑剤を充填した潤滑剤タンクを設け、前記加圧回転部材の加圧脱圧動作をする加圧脱圧カムの回転動作に連動させて、潤滑剤タンク内の潤滑剤を前記潤滑剤循環流路側に供給することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記潤滑剤循環流路の、前記潤滑剤タンクを設けた潤滑剤供給方向下流側に潤滑剤撹拌手段を設けたことを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013048934A JP2014174434A (ja) | 2013-03-12 | 2013-03-12 | 定着装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013048934A JP2014174434A (ja) | 2013-03-12 | 2013-03-12 | 定着装置及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014174434A true JP2014174434A (ja) | 2014-09-22 |
Family
ID=51695681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013048934A Pending JP2014174434A (ja) | 2013-03-12 | 2013-03-12 | 定着装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014174434A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10073393B2 (en) | 2016-06-21 | 2018-09-11 | Konica Minolta, Inc. | Fixing device and image forming apparatus |
US11054769B2 (en) | 2019-08-09 | 2021-07-06 | Ricoh Company, Ltd. | Fixing device and image forming apparatus incorporating same |
-
2013
- 2013-03-12 JP JP2013048934A patent/JP2014174434A/ja active Pending
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