JP2014174397A - ツイストボール型電子ペーパー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基材上に形成された透明電極を有する透明電極基材と、上記対向基材上に形成された対向電極を有する対向電極基材と、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間を封止する封止部と、ツイストボールおよび溶媒を含む溶媒層を有するツイストボールシートを有し、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間に複数の上記ツイストボールシートが並列に配列されて構成されるツイストボール層と、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間の上記ツイストボールシート間に配置され、上記透明電極基材および上記対向電極基材に対する平面視上の位置が固定されており、上記透明電極基材および上記対向電極基材に対する上記ツイストボールシートの平面視上の位置を固定する固定部と、を有する。
【選択図】図1
Description
また、電子ペーパーの構成にはいくつか種類があり、その中に、例えば2色相球状粒子(ツイストボール)を用いた構成がある(例えば、特許文献1)。
これに対して、上記固定部を有する場合は、ツイストボールシートに加わる負荷を少ないものとすることができることから、ツイストボールの回転を妨げずに良好な表示を行うことが可能となる。
また、一般的に、電子ペーパーにおいては、大きなパネルになるほど、透明電極基材や対向電極基材の中心部がたわみやすくなることから、ツイストボールシートが圧迫されやすくなる可能性がある。これに対しても、本発明の電子ペーパーにおいては、上記固定部を有することから、透明電極基材等のたわみにより生じるツイストボールシートへの圧迫を緩和することができる。
なお、以下の説明においては、透明電極基材および対向電極基材に対する平面視上の位置を、単に平面視上の位置と称して説明する場合がある。
本態様の電子ペーパーは、透明基材および上記透明基材上に形成された透明電極を有する透明電極基材と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極を有する対向電極基材と、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間を封止する封止部と、ツイストボールおよび溶媒を含む溶媒層を有するツイストボールシートを有し、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間に複数の上記ツイストボールシートが並列に配列されて構成されるツイストボール層と、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間の上記ツイストボールシート間に配置され、上記透明電極基材および上記対向電極基材に対する平面視上の位置が固定されており、上記透明電極基材および上記対向電極基材に対する上記ツイストボールシートの平面視上の位置を固定する固定部と、を有し、上記固定部が、上記透明電極基材および上記対向電極基材の少なくとも一方の表面上に固定されていることを特徴とするものである。
図1に例示するように、本態様の電子ペーパー10は、透明基材1aおよび透明基材1a上に形成された透明電極1bを有する透明電極基材1と、対向基材2aおよび対向基材2a上に形成された対向電極2bを有する対向電極基材2と、透明電極基材1および対向電極基材2の間を封止する封止部3と、ツイストボール4aおよび溶媒を含む溶媒層4bを有するツイストボールシート4cを有し、透明電極基材1および対向電極基材2の間に複数のツイストボールシート4cが並列に配列されて構成されるツイストボール層4と、透明電極基材1および対向電極基材2の間のツイストボールシート4c間に配置され、透明電極基材1および対向電極基材2に対する平面視上の位置が固定されており、透明電極基材1および対向電極基材2に対するツイストボールシート4cの平面視上の位置を固定する固定部5と、を有するものである。また、固定部5が、透明電極基材1および対向電極基材2の少なくとも一方の表面上に固定されていることを特徴とするものである。図1に例示する電子ペーパー10においては、固定部5が、透明電極基材1の透明電極1b側の表面上、および対向電極基材2の対向電極2b側の表面上の両方に固定されている例について示している。また、封止部3が封止材層3aから構成されている例について示している。また、図2に例示するように固定部5が封止部3(封止材層3a)と一体に形成されたものである例について示している。
本態様における固定部は、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間の上記ツイストボールシート間に配置され、上記透明電極基材および上記対向電極基材に対する平面視上の位置が固定されているものである。また、上記固定部は、上記透明電極基材および上記対向電極基材に対する上記ツイストボールシートの平面視上の位置を固定するものである。より具体的には、透明電極基材および対向電極基材に対する平面視上の位置が固定された固定部を用いて、ツイストボールシートを保持する。
また、上記固定部が、上記透明電極基材および上記対向電極基材の少なくとも一方の表面上に固定されていることを特徴とする。
本態様における固定部としては、透明電極基材および対向電極基材の少なくとも一方の表面上に固定されていれば特に限定されず、図1に例示するように透明電極基材1および対向電極基材2の両方の表面上に固定されていてもよく、図3(a)に例示するように透明電極基材1上に固定されていてもよく、図3(b)に例示するように対向電極基材2上に固定されていてもよい。本態様においては、なかでも、図1に例示するように透明電極基材1および対向電極基材2の両方の表面上に固定部5が固定されていることが好ましい。固定部の平面視上の位置をより良好に固定することができ、ツイストボールシートの平面視上の位置をより良好に固定することが可能となるからである。
なお、図3(a)、(b)は、本態様の電子ペーパーの他の例を示す概略断面図であり、説明していない符号については図1で説明した符号と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、いずれの配置においても図1、図4(a)、(b)に例示するように固定部5の少なくとも一部と封止部3(封止材層3a)とが平面視上連続的に配置されるように、固定部として、固定部5の少なくとも一部が封止部3(封止材層3a)と一体に形成されたものを用いることができる。
また、いずれの配置においても固定部として、封止部と別体に形成されたものを用いることもできる。また、固定部が、封止部と別体に形成されたものである場合は、図5に例示するように、固定部5が、ツイストボールシート4c間以外の領域に配置される部位を有するものであってもよい。
なお、図4(a)、(b)、図5は、本態様の電子ペーパーにおけるツイストボールシート、固定部、および封止部の配置の他の例について説明する説明図である。
上記固定部の幅としては、具体的には、0.5mm〜2.0mmの範囲内、なかでも0.5mm〜1.5mmの範囲内、特に、0.5mm〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。固定部の幅が上記値に満たない場合は、透明電極基材および対向電極基材の少なくとも一方の表面上に固定部を安定的に固定することが困難となる可能性があるからである。一方、固定部の幅が上記範囲を超える場合は、ツイストボールシート間の距離が広くなり、本態様の電子ペーパーを用いて良好な表示を行うことが困難となる可能性があるからである。
なお、上記固定部の幅とは、図1においてpで示される距離をいう。
上記固定部の厚みとしては、具体的には、50μm〜500μmの範囲内、なかでも70μm〜400μmの範囲内、特に80μm〜360μmの範囲内であることが好ましい。固定部の厚みが上記範囲に満たない場合は、固定部を有する場合も、ツイストボールシートの平面視上の位置を十分に固定することが困難となる可能性があるからである。一方、固定部の厚みが上記範囲を超える場合は、本発明の電子ペーパーの使用時等において、固定部が倒壊しやすくなる可能性や、電子ペーパーの薄型化が困難となる可能性があるからである。また、透明電極基材および対向電極基材の間の距離が大きくなることにより、電子ペーパーの消費電力が大きくなる可能性があるからである。
固定部が、スペーサ機能を有する場合は、後述する封止材層の厚みと同等の厚みとすることが好ましい。
なお、上記固定部の厚みとは、図1においてqで示される距離をいう。
本態様における固定部の材料としては、透明電極基材および対向電極基材の少なくとも一方の表面上に固定することができ、ツイストボールシート間に配置してツイストボールシートの平面視上の位置を固定することができるものであれば特に限定されない。
例えば、固定部が、固定層と接着層とを有し、透明電極基材等の表面と固定層とを接着層を介して貼り合わせることができるものを好適に用いることができる。
粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、アルファ−シアノアクリレート系粘着剤、マレイミド系粘着剤、スチロール系粘着剤、ポリオレフィン系粘着剤、レゾルシノール系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤が挙げられる。なかでも、耐久性及び接着性に優れ低コストであるアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。
本態様における固定部の形成方法としては、特に限定されず、例えば、上述した固定部の材料から構成される固定部形成用基材を準備し、上記固定部形成用基材から固定部の形状を打ち抜くことにより固定部を形成する方法を好適に用いることができる。また、固定部が後述する封止部と一体に形成されたものである場合は、上記固定部形成用基材から固定部および封止部の形状を打ち抜いて形成される方法が好適に用いられる。
本態様におけるツイストボール層は、ツイストボールおよび溶媒を含む溶媒層を有するツイストボールシートを有し、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間に複数の上記ツイストボールシートが並列に配列されて構成されるものである。
ツイストボール層におけるツイストボールシートの配置としては、電子ペーパーの用途等に応じて適宜選択することができる。例えば、図2、図4、図5、図6、図7に示される配置を挙げることができるがこれらに限定されない。本態様においては、ツイストボールシートの配置によっても、電子ペーパーに意匠性を付与することができる。
なお、図6、図7は、本態様の電子ペーパーのツイストボール層におけるツイストボールシートの配置の例について説明する説明図である。
上記ツイストボール層に用いられるツイストボールシートは、ツイストボールと、溶媒を含む溶媒層とを有するものである。
本態様に用いられるツイストボールは、異なる帯電特性を有する2色相を有するものである。また、本態様の電子ペーパーにおいて表示媒体として働くものである。より具体的には、ツイストボールを回転させることにより表示が行われる。
本態様における溶媒層は、ツイストボールとともにツイストボールシートを構成するものである。
本態様に用いられる溶媒層は、溶媒を含むものであれば特に限定されるものではない。上記溶媒層としては、通常、溶媒と、上記溶媒が膨潤させるエラストマー材料からなるエラストマーシートとから構成されるものである。
以下、上記溶媒層に用いられる溶媒、およびエラストマーシートについてそれぞれ説明する。
本態様に用いられる溶媒は、上述したツイストボールの回転が円滑となるようにするために用いられるものである。また、通常は後述するエラストマーシートを膨潤させて用いられるものである。
本態様に用いられるエラストマーシートは、上記溶媒で膨潤させることができるエラストマー材料からなるものである。また、上記エラストマーシートは、上記ツイストボールが分散されたシート状部材であり、これに上記溶媒で膨潤させることによって用いられるものである。
このようなエラストマーシートの材料としては、シリコーン樹脂、微架橋したアクリル樹脂、微架橋したスチレン樹脂、およびポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。
本態様に用いられるツイストボールシートの厚みとしてはツイストボールを用いて情報表示を行うことが可能であれば特に限定されるものではないが、50μm〜1000μmの範囲内、なかでも100μm〜700μmの範囲内、特に150μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。上記ツイストボールシートの厚みが上記範囲に満たない場合は、ツイストボールが所望する方向へ回転するのが困難となる可能性があるからであり、上記ツイストボールシートの厚みが上記範囲を超える場合は、上記対向電極および透明電極間に駆動電圧を印加したとしても、ツイストボールが電気的に反応しにくく、情報表示を行うことが困難となる可能性があるからである。
本態様における透明電極基材は、透明基材と、透明基材上に形成された透明電極とを有するものである。また、上記電子ペーパーにおいては、透明電極基材側の面が表示面として用いられる。
本態様に用いられる透明基材は、透明電極を支持するものである。
上記透明基材としては、所望の透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般的な電子ペーパーに用いられている透明基材と同様のものを用いることができる。中でも、本態様に用いられる透明基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が上記範囲であることにより、上記電子ペーパーの表示輝度が低下すること等を防止することができるからである。
ここで、透明基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
フレキシブルを有する透明な基材を用いた場合は、上記電子ペーパーにフレキシブル性を付与することが可能となり、加工性を向上させることが可能となる。
無機物製透明基材としては、ガラス基材を挙げることができる。また、ガラスとしては、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等を用いることができ、中でも、無アルカリガラスが好ましい。
一方、樹脂製透明基材に用いられる樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。
ラミネート加工が可能な透明基材としては、ラミネート加工可能なベースフィルム材料とシーラントフィルム材料が積層された基材を挙げることができる。
また、シーラントフィルム材料としては無延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。また、ポリウレタン、ポリアクリル、エポキシ樹脂、シリコーン等の熱シール性のある材料からなる塗膜等を用いることも可能である。
なお、ラミネート加工時には、透明基材と対向基材とは積層したベースフィルム材料とシーラントフィルム材料とのうち、シーラントフィルム材料側が対向するように配置されて接着される。
透明電極は、透明基材の一方の表面上に形成されるものである。
上記電子ペーパーが固定の情報表示を行うものである場合、上記透明電極は、透明基材の全面に形成されてもよく、ツイストボール層を構成する各ツイストボールシートに対応する領域ごとに透明基材上にパターン状に形成されてもよい。なかでも、上記透明電極は、透明基材の全面に形成されていることが好ましい。
一方、電子ペーパーが可変の情報表示を行うものである場合、例えばパッシブ駆動によって可変の情報表示を行う場合は、上記透明電極および後述する対向電極のいずれか一方を走査(行)電極、他方を信号(列)電極として用いるものとする。この場合の透明電極の形状については、一般的なパッシブ駆動の電子ペーパーに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。またこの場合、透明電極は、ツイストボール層を構成する各ツイストボールシートに対応する領域ごとに透明基材上にパターン状に形成されてもよく、透明基材の全体にパターン状に形成されてもよい。
また、電子ペーパーが固定の情報表示を行う部分と、可変の情報表示を行う部分とを有する場合は、各部分に対応する透明電極が上述した各形態を有する。
なお、固定の情報表示とは、予め、対向電極の形状を特定の形状とし、表示面における上記特定の形状の有無により表現される情報表示をいう。
一方、可変の情報表示とは、マトリックス状の透明電極および対向電極を用いることにより変化させて表現される情報表示をいう。
本態様における透明電極基材は、上述した透明電極、および透明基材を有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
このような構成としては例えば補助電極、配線等を挙げることができる。
なお、補助電極については、一般的な電子ペーパーの透明電極基材に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記電子ペーパーにおける透明電極基材の配置としては、ツイストボール層中のツイストボールを駆動させることが可能な配置であれば特に限定されず、透明電極基材の透明電極側がツイストボール層と対向するように配置されていてもよく、透明基材側がツイストボール層と対向するように配置されていてもよい。透明電極側がツイストボール層と対向するように配置されることにより、駆動電圧を下げることが可能となる。また、透明基材側がツイストボール層と対向するような配置とすることにより、透明電極がツイストボール層と直接接触しないため、透明電極の材料がツイストボール層の溶媒中に溶出しないことから、上記電子ペーパーの表示品質の低下を防止することが可能となる。
本態様における対向電極基材は、対向基材と、対向基材上に形成された対向電極とを有するものである。
本態様における対向基材は、対向電極を支持するものである。
また、本態様における対向基材は通常、絶縁性を有するものである。
また、本態様においては、必要に応じて対向基材を、上述したツイストボール層のツイストボールの一方の色と同色に着色してもよい。
本態様に用いられる対向電極は、対向基材の一方の表面上に形成されるものである。
一方、接着剤層に用いられる接着剤については公知のものを用いることができる。
一方、対向基材上に対向電極用絶縁層を有する対向電極を形成する場合は、例えば、金属箔を所望のパターン状に切り取り、接着剤を用いて対向基材上に接着する方法や、樹脂層として樹脂製基材を準備し、樹脂製基材上に対向電極として金属膜を形成したのち、所望のパターン状に切り取り、接着剤を用いて対向基材上に接着する方法等を挙げることができる。
本態様における対向電極基材は、上述した対向電極、および対向基材を有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
このような構成としては例えば対向電極用配線等を挙げることができる。
上記対向電極用配線は対向基材上に形成してもよく、配線用絶縁層上に形成して対向基材上に配置してもよい。なお、配線用絶縁層の材料については上述した対向電極用絶縁層に用いられる材料と同様とすることができる。
上記電子ペーパーにおける対向電極基材の配置としては、ツイストボール層中のツイストボールを駆動させることが可能な配置であれば特に限定されず、対向電極基材の対向電極側がツイストボール層と対向するように配置されていてもよく、対向基材側がツイストボール層と対向するように配置されていてもよい。対向電極側がツイストボール層と対向するような配置とすることにより、電子ペーパーの駆動電圧を下げることが可能となる。一方、対向基材側がツイストボール層と対向するような配置とすることにより、対向電極がツイストボール層と直接接触しないため、対向電極の材料がツイストボール層の溶媒中に溶出しないことから、本態様における電子ペーパーの表示品質の低下を防止することが可能となる。
本態様における封止部は、透明電極基材と対向電極基材との間を封止するものである。このような封止部3としては、図1等に例示するように、透明電極基材1と対向電極基材2との間に配置された封止材層3aから構成されたものであってもよく、図8に例示するように、透明基材1aおよび対向基材2aがラミネート加工可能なものである場合は、透明基材1aおよび対向基材2aをラミネート加工した部分から構成されたものであってもよい。
なお、図8は本態様の電子ペーパーの他の例を示す概略断面図であり、説明していない符号については図1で説明した符号と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
具体的な封止材層の幅としては、0.5mm〜3.0mmの範囲内、なかでも1.0mm〜2.5mmの範囲内、特に1.0mm〜2.0mmの範囲内であることが好ましい。
上記封止材層の幅が上記範囲に満たない場合は、透明電極基材および対向電極基材の間を安定的に封止することが困難となる可能性があるからであり、上記封止材層の幅が上記範囲を超える場合は、電子ペーパーを小型化することが困難となる場合があるからである。
なお、上記封止材層の幅とは、図1においてrで示される距離をいう。
具体的な封止材層の厚みとしては、50μm〜500μmの範囲内、なかでも80μm〜400μmの範囲内、特に100μm〜360μmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記封止部の厚みとは、図1においてsで示される距離をいう。
本態様の電子ペーパーは、上述した透明電極基材、対向電極基材、封止部、ツイストボール層、および固定部を有していれば特に限定されず、必要に応じて上記以外の構成を有することができる。
本態様の電子ペーパーの製造方法としては、上述の構成を有する電子ペーパーを製造することができる方法であれば特に限定されず、電子ペーパーの製造方法として公知の製造方法を用いることができる。
なお、図9において説明していない符号については、図1で説明した符号と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様の電子ペーパーの製造方法は、図9に例示される電子ペーパーの製造方法に限定されるものではない。
本発明の電子ペーパーの用途としては、デジタル機器のディスプレイ、電子ブック、デジタルサイネージ(電子看板)、値札、案内サイン、時計、インジケーター、メッセージボード等に用いられる。
本態様の電子ペーパーは、透明基材および上記透明基材上に形成された透明電極を有する透明電極基材と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極を有する対向電極基材と、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間を封止する封止部と、ツイストボールおよび溶媒を含む溶媒層を有するツイストボールシートを有し、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間に複数の上記ツイストボールシートが並列に配列されて構成されるツイストボール層と、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間の上記ツイストボールシート間に配置され、上記透明電極基材および上記対向電極基材に対する平面視上の位置が固定されており、上記透明電極基材および上記対向電極基材に対する上記ツイストボールシートの平面視上の位置を固定する固定部と、を有し、上記電子ペーパーが、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間に配置され上記封止部の内側端部に沿って連続的に配置された枠部を有し、上記固定部が、上記枠部を用いて固定されていることを特徴とするものである。
図10、図11に例示するように、本態様の電子ペーパー10は、透明電極基材1および対向電極基材2の間に配置され封止部3の内側端部に沿って連続的に配置された枠部6を有し、固定部5が、枠部6を用いて固定されていることを特徴とするものである。また、本態様においては、図11に例示するように、固定部5が枠部6と一体に形成されているものであることが好ましい。
なお、図10、図11において説明していない符号については、図1、図2で説明した符号と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様における枠部は、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間に配置され上記封止部の内側端部に沿って連続的に配置されたものである。また、枠部は、透明電極基材および対向電極基材に対する固定部の平面視上の位置を固定するために用いられるものである。
ここで、枠部を用いて固定部を固定するとは、具体的には枠部に固定部を固定することを指す。
上記枠部は、封止部の内側端部に沿って連続的に配置されていることから、透明電極基材および対向電極基材において、封止部により囲まれた領域の縁部分にその平面視上の位置を固定することができるものである。よって、上記枠部に固定部を固定することで、透明電極基材および対向電極基材に対する固定部の平面視上の位置についても固定することが可能となる。
なお、枠部がスペーサ機能を有する場合、枠部の硬度については、上述した「I.第1態様」の項で説明した固定部の硬度と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記枠部の幅としては、具体的には、200μm〜3000μmの範囲内、なかでも500μm〜2000μmの範囲内、特に700μm〜1500μmの範囲内であることが好ましい。枠部の幅が上記範囲に満たない場合は、枠部を形成することが困難となる場合や、枠部の強度を十分なものとすることが困難となる場合があるからであり、枠部の幅が上記範囲を超える場合は、電子ペーパーを小型化することが困難となる可能性があるからである。
なお、上記枠部の幅とは、図10においてtで示される距離をいう。
上記枠部の厚みとしては、具体的には、50μm〜500μmの範囲内、なかでも80μm〜400μmの範囲内、特に100μm〜360μmの範囲内であることが好ましい。上記枠部の厚みが上記範囲に満たない場合は、枠部を形成することが困難となる場合や、枠部の強度を十分なものとすることが困難となる場合があるからであり、枠部の厚みが上記範囲を超える場合は、電子ペーパーを薄膜化することが困難となる可能性があるからである。
なお、上記枠部の厚みとは、図10においてuで示される距離をいう。
本態様における固定部は、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間の上記ツイストボールシート間に配置され、上記透明電極基材および上記対向電極基材に対する平面視上の位置が固定されており、上記ツイストボールシートの平面視上の位置を固定するものである。また、上記固定部は、上述した枠部を用いて固定されているものである。より具体的には、上記固定部は、上述した枠部に固定されているものである。
本態様においては、なかでもツイストボールシート間に固定部5を連続的に配置することが好ましい。固定部を用いてツイストボールシートの平面視上の位置をより良好に固定することができるからである。
なお、図12は、本態様の電子ペーパーにおけるツイストボールシート、固定部、枠部、および封止部の配置の他の例について説明する説明図である。
本態様におけるツイストボール層の構成、および本態様に用いられるツイストボールシートについては、上述した「I.第1態様」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、図13は、本態様の電子ペーパーの他の例を示す概略断面図であり、説明していない符号については図1で説明した符号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、ツイストボール層用基材および透明電極基材、またはツイストボール層用基材および透明電極基材を貼り合わせる場合においては、再剥離可能な接着剤を用いることもできる。ここで、「再剥離可能」とは、ツイストボール層用基材と透明電極基材または対向電極基材とを接着した後、剥離した場合に、ツイストボール層用基材と透明電極基材または対向電極基材とが破損することなく剥離することができるものであることを指す。このような接着剤としては、アクリル系の粘着剤または接着剤、シリコーン系の粘着剤または接着剤、天然ゴム系の粘着剤または接着剤、エチレン-酢酸ビニル(EVA)系の粘着剤または接着剤、ウレタン系の粘着剤または接着剤等を挙げることができる。
本態様における封止部は、透明電極基材および対向電極基材の間を封止するものである。本態様における封止部としては、上述した「I.第1態様」の項で説明した封止部と同様のものを用いることができる。
また、図13に例示するように、本態様の電子ペーパー10が、上述したツイストボール層用基材4dを有する場合において、ツイストボール層用基材4dがラミネート加工可能なものである場合は、封止部3としては、ツイストボール層用基材4d同士、ツイストボール層用基材および透明電極基材(図示せず)、または、ツイストボール層および対向電極基材(図示せず)がラミネート加工された部分から構成されたものであってもよい。ツイストボール層用基材は、通常、ツイストボール層側とは反対側の表面上に透明電極基材、または対向電極基材が固定されて配置されることから、上記ツイストボール層用基材を用いて封止部を構成した場合も、透明電極基材および対向電極基材間を封止して、ツイストボール層を密封することが可能となる。
本態様の電子ペーパーにおける透明電極基材、対向電極基材、および任意の構成については、上述した「I.第1態様」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様の電子ペーパーの製造方法としては、上述の構成を有する電子ペーパーを製造することができる方法であれば特に限定されず、電子ペーパーの製造方法として公知の製造方法を用いることができる。
次に、図14(e)に例示するように、複数のツイストボールシート4cを準備し、対向電極基材2の固定部5側の表面上に並列して配列させることによりツイストボール層4を配置する。次に、図示はしないが、ツイストボール層が配置されている空間にシリコンオイルを添加する。次に、図14(f)に例示するように、封止部3(封止材層3a)の対向電極基材2側とは反対側の表面と透明電極基材1の透明電極1b側の表面とを貼り合わせてツイストボール層4を密封する。以上の工程を行うことにより、電子ペーパー10を製造することができる。
なお、本態様の電子ペーパーの製造方法は、図14に例示される電子ペーパーの製造方法に限定されるものではない。
本態様の電子ペーパーの用途については、上述した「I.第1態様」の項で説明した用途と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明の電子ペーパーは、上述した第1態様および第2態様のいずれかの態様であってもよく、第1態様および第2態様を組み合わせた態様、すなわち、固定部が透明電極基材および対向電極基材の少なくとも一方の表面上に固定されており、さらに、固定部が枠部を用いて固定されている態様であってもよい。この場合は、枠部についても、固定部と同様に透明電極基材および対向電極基材の少なくとも一方の表面上に固定されることが好ましい。
すなわち、図15に例示するように、本態様の電子ペーパー10のツイストボール層4が、ツイストボール層用基材4dを有する場合は、上記固定部5がツイストボール層用基材4dの表面上に固定されている態様をとることができる。上記ツイストボール層用基材は、通常、ツイストボール層側とは反対側の表面上に透明電極基材または対向電極基材が固定されて配置されるため、ツイストボール層用基材に固定部を固定した場合も、透明電極基材および対向電極基材に対する固定部の平面視上の位置を固定することができる。
なお、図15は、本発明の電子ペーパーの他の例について説明する概略断面図であり、説明していない符号については、図1で説明した符号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
表示側の基板(透明電極基材)としてITO透明導電膜(透明電極)を形成したガラス基板(透明基材)(厚み:0.7mm)を、背面側の基板(対向電極基材)として表示電極パターン(対向電極)を形成したガラスエポキシ基板(対向基材)(厚み:1mm)を用いた。また、対向電極基材としては、対向基材上に対向電極が3パターン形成されており、それぞれの対向電極の電極エリアは独立して形成されているものを用いた。それぞれの対向電極間は1mm幅のスペースを形成した。
両面にセパレータを有する粘着スペーサシート(厚み100μmのアクリル系粘着剤を両面に有する厚み188μmのPET)(AS−300A、厚み388μm、綜研化学製)を対向基材と同サイズに断裁、かつ、内側は対向電極間のスペースエリアと同形状となるようにくりぬいて断裁することにより枠部が一体に形成された固定部(枠部付固定部)を得た。このとき、枠部は2mm巾とし、内側の固定部は1mm巾とした。断裁した枠部付固定部の一方のセパレータを剥がし、対向電極基材の縁に沿って、対向電極側に枠部付固定部を貼り合せた。貼り合せ後、もう一方のセパレータを剥がした。対向基材上に形成した枠部付固定部の3つのエリアにツイストボールシート(TS103K、厚み240μm、綜研化学製)3枚を各々配置した。さらに、上記3つのエリア内にシリコンオイルを添加した後、透明電極であるITO透明導電膜側が対向するように透明電極基材を貼り合わせた。貼り合せた後、外周4辺にUV硬化樹脂を塗布、UV光照射により硬化させ、最終封止し、パネル化して電子ペーパー(パネル)を得た。
完成したパネルを縦置きした場合にも、3箇所に配置されたツイストボールシートは隣接するエリアに入り込むことは無く、各エリア内に固定された。電圧を印加したところ、各対向電極上でツイストボールシートが均一に駆動可能であった。
実施例と同様の透明電極基材および対向電極基材を準備した。
両面にセパレータを有する粘着スペーサシート(AS−300A、厚み388μm、綜研化学製)を対向基材と同サイズに断裁し、枠部のみの形状とした。粘着スペーサシートの枠部は2mm巾とした。断裁した粘着スペーサシートの枠部の一方のセパレータを剥がし、対向電極基材の縁に沿って、対向電極側に粘着スペーサシートの枠部を貼り合せた。貼り合せ後、もう一方のセパレータを剥がした。対向電極基材上に形成した粘着スペーサシートの枠部の内側に形成された3つの対向電極上に、ツイストボールシート(TS103K、厚み240μm、綜研化学製)3枚を各々配置した。さらに、粘着スペーサシートの枠部内にシリコンオイルを添加した後、透明電極であるITO透明導電膜側が対向するように透明電極基材を貼り合わせた。貼り合せた後、外周4辺にUV硬化樹脂を塗布、UV光照射により硬化させ、最終封止し、パネル化して電子ペーパー(パネル)を得た。
完成したパネルを縦置きしたところ、枠内に配置した3枚のツイストボールシートがずれて、対向電極間のスペースエリアに入り込んだ。配置がずれたことで、表示面側から対向電極がむき出しとなるエリアが確認された。また、パネルに電圧を印加したところ、対向電極間のスペースエリア上のツイストボールシートは電圧が十分に印加されないため、グレー表示となった。
1a …透明基材
1b …透明電極
2 …対向電極基材
2a …対向基材
2b …対向電極
3 …封止部
4 …ツイストボール層
4a …ツイストボール
4b …溶媒層
5 …固定部
10 …ツイストボール型電子ペーパー(電子ペーパー)
Claims (3)
- 透明基材および前記透明基材上に形成された透明電極を有する透明電極基材と、
対向基材および前記対向基材上に形成された対向電極を有する対向電極基材と、
前記透明電極基材および前記対向電極基材の間を封止する封止部と、
ツイストボールおよび溶媒を含む溶媒層を有するツイストボールシートを有し、前記透明電極基材および前記対向電極基材の間に複数の前記ツイストボールシートが並列に配列されて構成されるツイストボール層と、
前記透明電極基材および前記対向電極基材の間の前記ツイストボールシート間に配置され、前記透明電極基材および前記対向電極基材に対する平面視上の位置が固定されており、前記透明電極基材および前記対向電極基材に対する前記ツイストボールシートの平面視上の位置を固定する固定部と、
を有することを特徴とするツイストボール型電子ペーパー。 - 前記固定部が、前記透明電極基材および前記対向電極基材の少なくとも一方の表面上に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のツイストボール型電子ペーパー。
- 前記電子ペーパーが、前記透明電極基材および前記対向電極基材の間に配置され前記封止部の内側端部に沿って連続的に配置された枠部を有し、前記固定部が、前記枠部を用いて固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のツイストボール型電子ペーパー。
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