JP2014174231A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成装置で、濃度測定用のパッチ画像を形成する頻度をなるべく少なくすることでデッドタイムを低減しつつ、濃度領域によらず安定した濃度特性で画像形成を実行することを可能にする技術を提供する。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、所定のタイミングに、感光ドラムに濃度測定用のパッチ画像を形成し、その濃度の測定結果に応じた補正量で、形成される画像の階調特性を補正する第1の階調補正を実行する。画像形成装置は更に、所定の頻度で、画像形成に用いるトナーの帯電量の検知または推定結果に基づいて、露光装置から出力されるレーザ光の光量を補正するとともに、当該トナーの帯電量の検知または推定結果に応じた補正量で、階調特性を補正する第2の階調補正を実行する。画像形成装置は、第1の階調補正の実行の際に所定の演算によって修正係数を算出し、当該修正係数で修正して得られる補正量で、第2の階調補正を実行してもよい。
【選択図】図19

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関するものであり、特に、形成される画像の濃度及び色味の変動を低減するための技術に関するものである。
一般に、電子写真方式の画像形成装置では、最適な画像形成条件は、感光体、現像器等の構成要素の経時変化とともに画像形成時の環境条件(温度・湿度)に依存する。このため、このような画像形成装置では、例えば、感光ドラムや中間転写体に色ごとのテストパターン画像(パッチ画像)を形成し、その濃度の測定結果に基づいて画像形成条件を制御することで、形成される画像の濃度及び色味の変動を低減する技術が知られている。このような技術によって、画像形成装置において安定した画像形成品質を維持するようにしている。
しかし、このような制御(画像安定化制御)を行うためには、相応の処理時間が必要となる。例えば、所定枚数の画像形成を行うごとにこのような制御を行う場合には、実行中のプリントジョブが阻害される可能性がある。例えば、大量の記録材に対する画像形成(プリント)を連続して実行中に、画像安定化制御を実行する場合、その実行期間がユーザにとってデッドタイムとなる。一方で、画像安定化制御の頻度を減らすと、画像形成品質を劣化させることになる。
このような問題に対して、特許文献1では、テストパッチを形成せずに推定処理に基づく画像安定化制御を画像形成中に行うことによって、画像濃度を安定化させる技術が提案されている。また、特許文献2には、画像濃度を安定化させるために、トナー粒子の帯電量を推定モデルにより推定し、画像形成のコントラスト電位や階調変換条件といった画像形成条件を制御し、出力画像の濃度変動をリアルタイムで抑制するフィードフォワード制御が提案されている。
特開2007−219089号公報 特開2010−102317号公報
しかし、特許文献1及び2のような制御を行った場合、ターゲットとする濃度領域については濃度特性を理想的な特性に合わせることが可能となるが、他の濃度領域については、濃度特性の制御(補正)に誤差が生じうる。例えば、特許文献1では、画像形成装置内の温度・湿度の変化や現像装置内のトナー帯電量の変化から、現像コントラストを補正するものの、高濃度領域等の一部の濃度領域について濃度特性を補正したとしても、他の濃度領域を同様に補正できるとは限らない。
また、特許文献2では、トナー濃度やトナー帯電量を推定し、その推定結果に基づいて階調補正テーブルに相当するルックアップテーブル(LUT)を補正することによって、全ての濃度領域について濃度特性を補正している。しかし、トナー濃度やトナー帯電量から定まる画像の変化は、高濃度領域への寄与が高いため、その推定結果に基づいて低濃度領域についての濃度特性を精度よく補正することは難しい。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。本発明は、画像形成装置で、濃度測定用のパッチ画像を形成する頻度をなるべく少なくすることでデッドタイムを低減しつつ、濃度領域によらず安定した濃度特性で画像形成を実行することを可能にする技術を提供することを目的としている。
本発明は、例えば、画像形成装置として実現できる。本発明の一態様の係る画像形成装置は、表面を帯電される像担持体と、画像信号に従って前記像担持体をレーザ光で露光して、前記像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段と、を含む画像形成手段と、前記画像形成手段によって前記像担持体に濃度測定用のパッチ画像を形成させ、当該パッチ画像の濃度の測定結果に応じた補正量で、前記画像形成手段によって形成される画像の階調特性を補正する第1の階調補正を実行する階調補正手段と、前記現像手段が保持しているトナーの帯電量を検知または推定する検知手段と、前記検知手段によって検知または推定されたトナーの帯電量と基準値との差分に応じて、前記露光手段から出力されるレーザ光の光量を補正する光量補正を実行する光量補正手段と、を備え、前記階調補正手段は、更に、前記光量補正手段によって前記光量補正が行われた際に、前記検知手段によって検知または推定されたトナーの帯電量に応じた補正量で、前記階調特性を補正する第2の階調補正を実行することを特徴とすることを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置で、濃度測定用のパッチ画像を形成する頻度をなるべく少なくすることでデッドタイムを低減しつつ、濃度領域によらず安定した濃度特性で画像形成を実行することを可能にする技術を提供できる。
画像形成装置の構成を示す断面図。 リーダ画像処理部における信号処理のブロック図。 リーダ画像処理部における各制御信号のタイミングを示すタイミングチャート。 画像形成部の制御系のブロック図。 パッチ画像の形成工程の説明図。 パッチ濃度の測定工程の説明図。 画像濃度と画像濃度センサの出力との対応関係を示す図。 トナー帯電量の算出処理の手順を示すフローチャート。 画像比率Dから収束値Q/M1の算出に用いられる、画像比率Dと収束値Q/M1との対応関係を示す図。 トナー帯電量とレーザ光量との対応関係を示す図。 γ補正用のLUTに対応する濃度特性(階調特性)の一例を示す図。 入力画像信号のレベルが64のパッチ画像における濃度のずれを1とした場合の、画像信号の補正用のテーブル(基本LUT補正テーブル)の特性を示す図。 LUT補正テーブルの作成を伴う画像形成処理の手順を示すフローチャート。 トナー帯電量をパラメータとした、入力画像信号と出力濃度との関係の一例を示す図。 レーザ光量をパラメータとした、入力画像信号と出力濃度との関係の一例を示す図。 本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置における、レーザ光量補正制御及び階調補正制御を含む、画像形成処理の手順を示すフローチャート。 本発明の実施形態に係る画像形成装置における、画像形成枚数に対する濃度特性の変化の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る画像形成装置における、画像形成枚数に対するトナー帯電量の変化の一例を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置における、レーザ光量補正制御及び階調補正制御を含む、画像形成処理の手順を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置における、画像形成枚数に対する濃度特性の変化の一例を示す図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<画像形成装置>
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト6に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像をそれぞれ形成する画像形成部PY、PM、PC、PKが設けられたタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部PY、PM、PC、PKでは、Y、M、C、Kのトナー像がそれぞれ感光ドラム(像担持体)1Y、1M、1C、1K上に形成される。感光ドラム1Y、1M、1C、1K上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト6上に順に重ね合わせて転写(一次転写)されることで、中間転写ベルト6上に4色のトナー像が形成される。
中間転写ベルト6は、テンションローラ61、駆動ローラ62、及び対向ローラ63に対して掛け渡されて支持されており、駆動ローラ62に駆動されることで、所定のプロセススピードで矢印R2の方向に回転(周面が移動)する。中間転写ベルト6に転写された4色のトナー像は、中間転写ベルト6の回転に伴って二次転写部T2へ搬送されて、そこで記録材P上に転写(二次転写)される。4色のトナー像が転写された記録材Pは、定着装置11で加熱及び加圧されることで、定着処理が行われる。これにより、記録材Pの表面にトナー像が定着する。定着装置11による定着処理の後、記録材Pは画像形成装置100の外部へ排出される。このようにして、記録材Pの表面に、Y、M、C、Kのトナーから成るマルチカラー(フルカラー)画像が形成される。
記録材カセット65内の記録材Pは、記録材カセット65から取り出されると、分離ローラ66で1枚ずつの記録材Pに分離され、レジストローラ67に向けて送り出される。レジストローラ67は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、中間転写ベルト6からのトナー像に転写タイミングを合わせて、記録材Pを二次転写部T2へ送り込む。二次転写ローラ64は、対向ローラ63によって支持された中間転写ベルト6に当接して、二次転写部T2を形成する。二次転写ローラ64に正極性の直流電圧が印加されると、負極性に帯電した状態で中間転写ベルト6に担持されているトナー像が、記録材P上に転写(二次転写)される。
画像形成部PY、PM、PC、PKは、現像装置4Y、4M、4C、4Kで用いるトナーの色(Y、M、C、K)が相互に異なる以外、実質的に同一の構成を有する。以下では、参照符号から添え字Y、M、C、Kを省略した場合、Y、M、C、Kに対応する各構成要素を共通して表すものとする。
図1及び図4に示すように、画像形成部Pは、感光ドラム1の周囲に、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、一次転写ローラ7、及びクリーニング部8を備えている。
感光ドラム1は、例えば、アルミニウムシリンダの外周面に負極性の帯電極性を有する感光層が形成されており、感光ドラム1は、所定のプロセススピードで矢印R1方向に回転する。例えば、感光ドラム1は、近赤外光(960nm)の反射率が約40%のOPC感光体である。
帯電装置2は、例えば、スコロトロン帯電器により構成される。帯電装置2は、コロナ放電に伴う荷電粒子を感光ドラム1に照射して、感光ドラム1の表面を一様な負極性の電位に帯電させる。露光装置3は、レーザビームをミラーで走査して、帯電した感光ドラム1の表面に所望画像に対応した静電潜像を書き込む。電位センサ5は、露光装置3が感光ドラム1に形成した静電潜像の電位を検出する。
現像装置4は、感光ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像に現像する。一次転写ローラ7は、中間転写ベルト6の内側面を押圧して、感光ドラム1と中間転写ベルト6との間に一次転写部T1を形成する。正極性の直流電圧が一次転写ローラ7に印加されることによって、感光ドラム1に担持された負極性のトナー像が、一次転写部T1を通過する中間転写ベルト6へ転写(一次転写)される。
クリーニング装置8は、中間転写ベルト6へ転写されずに一次転写部T1を通過して感光ドラム1に残ったトナーを、クリーニングブレードによって回収する。ベルトクリーニング装置68は、記録材Pへ転写されずに二次転写部T2を通過して中間転写ベルト6に残ったトナーを、クリーニングブレードによって回収する。
画像形成装置100は、画像読取(リーダ)部Aと、プリンタ部Bと、表示デバイス218を有する操作部20を備えている。操作部20は、画像読取部AのCPU214と、プリンタ部B(画像形成装置100)の制御部110(CPU111)とに接続されている。操作部20は入力デバイスとして機能するため、ユーザは、操作部20を介して、例えば、画像の種類、枚数等の設定情報を入力することができる。プリンタ部Bは、操作部20を介して入力された設定情報に応じて画像形成を行う。
<画像読取部>
図2は、リーダ画像処理部108における信号処理のブロック図である。図3は、リーダ画像処理部108における各制御信号のタイミングを示すタイミングチャートである。
図1に示すように、原稿台ガラス102上には、原稿Gを突き当てて位置決めするための部材107が配置されている。また、原稿台ガラス102上には、CCDセンサ105の白レベルを決定し、CCDセンサ105のスラスト方向のシェーディング補正を行うための基準白色板106が配置されている。
リーダ部Aは、原稿台ガラス102上に置かれた原稿Gの下向き面の画像を読み取る。原稿Gの画像は、光源103に照明されて、光学系104を介してCCDセンサ105に結像される。CCDセンサ105は、3列に配置された、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)にそれぞれ対応する3つのラインセンサから成るCCDラインセンサ群により、ラインセンサごとに、R、G、Bの色成分信号を生成する。光源103、光学系104及びCCDセンサ105を含む読み取り光学系ユニットは、矢印R103方向に移動することにより、原稿Gの画像をラインごとの電気信号データ列に変換する。CCDセンサ105によって得られた画像信号は、リーダ画像処理部108において画像処理が施された後、プリンタ制御部(プリンタ画像処理部)109に送られて、画像処理が施される。
図2に示すように、クロック生成部211は、1画素単位のクロック(CLK信号)を生成する。主走査アドレスカウンタ212は、クロック生成部211によって生成されたクロックを計数して、1ラインの画素ごとの主走査アドレスを生成する。主走査アドレスカウンタ212は、HSYNC信号でクリアされることにより、次の1ラインの主走査アドレスの計数を開始する。デコーダ213は、主走査アドレスカウンタ212からの主走査アドレスをデコードして、シフトパルスやリセットパルス等の、1ライン単位のCCD駆動信号を生成する。また、デコーダ213は、CCDセンサ105の1ライン読み取り信号における有効領域を表すVE信号と、ライン同期信号HSYNCとを生成する。
図3に示すように、VSYNC信号は、副走査方向の画像有効区間を示す信号である。リーダ画像処理部108は、論理「1」の区間において、画像の読み取り(スキャン)を行って、順次、M、C、Y、Kの出力信号を生成する。VE信号は、主走査方向の画像有効区間を示す信号である。リーダ画像処理部108は、論理「1」の区間において、主走査開始位置のタイミングをとる。VE信号は、主にライン遅延のライン計数制御に用いられる。CLK信号は、画素同期信号であり、「0」→「1」の立ち上がりタイミングで画像データを転送するのに用いられる。
CCDセンサ105から出力される画像信号は、図2に示すように、アナログ信号処理部201に入力される。アナログ信号処理部201に入力された信号は、ゲイン調整及びオフセット調整が施された後、A/D変換回路202で色信号ごとに8ビットのデジタル画像信号R1、G1、B1に変換される。デジタル画像信号R1、G1、B1は、シェーディング補正部203に入力されて、基準白色板106の読み取り信号を用いた色ごとのシェーディング補正を施される。
CCDセンサ105の各ラインセンサは、RGB相互に所定の距離を隔てて配置されている。このため、ラインディレイ回路204は、デジタル画像信号R2、G2、B2における副走査方向の空間的ずれを補正する。具体的には、B信号に対して副走査方向において、R、Gの各信号を副走査方向にライン遅延させることで、R、Gの各信号をB信号に合わせる。入力マスキング部205は、CCDセンサ105のR、G、Bのフィルタの分光特性によって定まる読み取り色空間を、マトリックス演算によってNTSCの標準色空間に変換する。
光量/画像濃度変換部(LOG変換部)206は、ルックアップテーブル(LUT)ROMによって構成される。これにより、R4、G4、B4の輝度信号が、M、C、Yの画像信号に相当する濃度信号M0、C0、Y0に変換される。ライン遅延メモリ207は、黒文字判定部(図示せず)によってR4、G4、B4信号から生成される、UCR、FILTER、SEN等の判定信号までのライン遅延分だけ、M0、C0、Y0の画像信号を遅延させるためのメモリである。
マスキング及びUCR回路208は、入力されたM1、C1、Y1の三原色信号から黒Kの信号を抽出し、更にプリンタ部Bでの記録色材の色濁りを補正する演算を施す。そして、マスキング及びUCR回路208は、各読み取り動作の度に、順次、M2、C2、Y2、K2の信号を所定のビット幅(8ビット)で出力する。
γ補正回路209は、リーダ部Aにおいて、画像信号M2、C2、Y2、K2の階調特性をプリンタ部Bにおける理想的な階調特性に合わせるための画像濃度補正を行う。γ補正回路209は、例えば、256バイトのRAM等で構成されたガンマ補正のLUT(階調補正テーブル)を用いて濃度変換を行う。空間フィルタ処理部(出力フィルタ)210は、エッジ強調又はスムージング処理を行う。
<露光装置>
図4は、画像形成部P(PY、PM、PC、PK)の制御系の構成を示すブロック図である。図4に示すように、画像形成装置100は、画像形成動作を統括的に制御する制御部110を有する。制御部110は、CPU111、RAM112及びROM113を有する。
露光装置3は、例えば、回転ミラーまたは共振ミラー有するレーザスキャナを採用できる。レーザ光量制御回路190は、露光装置3においてレーザ出力信号に対して所望の画像濃度レベルが得られるように、露光出力を決定する。また、露光装置3は、γ補正回路209の階調補正テーブル(LUT)を介して生成された駆動信号に従ってパルス幅変調回路191により定めたパルス幅を有する、二値のレーザ駆動パルスに応じたレーザ光を出力する。
予め求められたレーザ出力信号と画像濃度レベルとの関係から、所望の画像濃度を形成可能なレーザ出力信号が、階調補正テーブル(LUT)としてγ補正回路209に記憶されるとともに、この階調補正テーブルに基づいてレーザ出力信号が決定される。空間フィルタ処理部210で処理されたM4、C4、Y4、K4の面順次の画像信号は、プリンタ制御部109に送られる。
露光装置3では、PWM(パルス幅変調)を用いた二値の面積階調による濃度階調を有する画像記録が行われる。即ち、プリンタ制御部109のパルス幅変調回路191は、入力される各画素の画像信号(画素信号)ごとに、そのレベルに対応した幅(時間幅)のレーザ駆動パルスを形成して出力する。パルス幅変調回路191は、高濃度の画素の画像信号に対しては、より幅の広い駆動パルスを、低濃度の画素の画像信号に対しては、より幅の狭い駆動パルスを、中間濃度の画素の画像信号に対しては、中間幅の駆動パルスを、それぞれ形成する。
パルス幅変調回路191から出力された、二値のレーザ駆動パルスは、露光装置3の半導体レーザに供給される。半導体レーザは、供給されたパルス幅に対応する時間だけ発光する。したがって、半導体レーザは、高濃度画素に対しては、より長い時間駆動され、低濃度画素に対しては、より短い時間駆動されることになる。このため、感光ドラム1に形成される静電潜像のドットサイズ(面積)が、画素の濃度に対応して変化する。露光装置3は、高濃度画素については、主走査方向においてより長い範囲を露光し、低濃度画素については、主走査方向においてより短い範囲を露光する。したがって、高濃度画素に対応するトナー消費量は、低濃度画素に対応するトナー消費量よりも多くなる。
<現像装置>
現像装置4は、例えば、非磁性トナーに磁性キャリアを混合した二成分現像剤を使用する二成分現像方式を採用する。現像装置4は、二成分現像剤を攪拌して、磁性キャリアを正極性に、トナーを負極性にそれぞれ帯電させる。
現像装置4は、図4を描画した紙面に対して垂直方向に延在する隔壁46によって、現像容器45内の空間が第1室(現像室)と第2室(攪拌室)とに区画される。第1室には、非磁性の現像スリーブ41が配置されており、現像スリーブ41の内側にはマグネットが固定配置されている。
第1室には、第1のスクリュー42が配置され、第1のスクリュー42は、第1室中の現像剤を攪拌及び搬送する。第2室には、第2のスクリュー43が配置され、第2のスクリュー42は、第2室中の現像剤を攪拌しつつ、第1のスクリュー42の搬送方向とは逆方向に現像剤を搬送する。第2のスクリュー43は、トナー搬送スクリュー32の回転によってトナー補給槽33から供給されたトナーを、既に現像装置4内にある現像剤と攪拌して現像剤のトナー濃度を均一化する。
隔壁46には、図4を描画した紙面の手前側及び奥側の端部において第1室と第2室とを相互に連通させる一対の現像剤通路が形成されている。第1及び第2のスクリュー42、43の搬送力により、一対の現像剤通路を通じて現像容器45内を現像剤が攪拌されつつ循環する。現像によってトナーが消費されてトナー濃度が低下した第1室内の現像剤が、一方の現像剤通路を通じて第2室へ移動する。第2室内でトナーを補給されてトナー濃度が回復した現像剤が、他方の現像剤通路を通じて第1室内へ移動する。
第1室内の二成分現像剤は、第1のスクリュー42によって現像スリーブ41へ塗布され、マグネットの磁力によって現像スリーブ41上に担持される。現像スリーブ41上の現像剤は、層厚規制部材(ブレード)によって層厚を規制された後に、現像スリーブ駆動装置44による、現像スリーブ41の回転に伴って感光ドラム1に対向した現像領域へ搬送される。現像スリーブ41には、負極性の直流電圧Vdcに交流電圧を重畳した現像バイアス電圧(振動電圧)がバイアス電源47から印加される。これにより、負極性に帯電したトナーが、現像スリーブ41よりも相対的に正極性になった感光ドラム1の静電潜像へ移転して静電潜像が反転現像される。
現像剤補給装置30は、現像装置4の上部に、補給用トナーを収容したトナー補給槽33を備えている。トナー補給槽33の下部には、モータ31により回転駆動されるトナー搬送スクリュー32が設置されている。トナー搬送スクリュー32は、トナー搬送スクリュー32が配置されたトナー搬送路を通して現像装置4内に補給用トナーを供給する。制御部110のCPU111がモータ駆動回路(図示せず)を介してモータ31の回転を制御することにより、トナー搬送スクリュー32によるトナーの供給が制御される。CPU111に接続されたRAM112には、モータ駆動回路に供給する制御データ等が記憶されている。トナー補給槽33、モータ31、及びトナー搬送スクリュー32等が、現像剤補給装置30を構成する。
二成分現像剤のトナー濃度(トナーとキャリアの比)を検出するため、トナー濃度センサ14が現像装置4に組み込まれている。トナー濃度センサ14は、現像装置4内を循環する現像剤に接触するように配置されている。トナー濃度センサ14は、駆動コイルと基準コイルと検出コイルとを有しており、現像剤の透磁率に応じた信号を出力する。駆動コイルに高周波バイアスを印加すると、現像剤のトナー濃度に応じて検出コイルの出力バイアスが変化する。検出コイルの出力バイアスを、現像剤に接触していない基準コイルの出力バイアスと比較することで、現像剤のトナー濃度が検出される。
制御部110は、トナー濃度センサ14による検出結果を、ROM113に記憶されている換算式を使用してトナー濃度に変換する。現像装置4内の現像剤のトナー濃度T/Dは、CPU111が、トナー濃度センサ14の測定結果に基づいて次式により求める。
T/D=(SGNL値−SGNLi値)/Rate+初期T/D (1)
式(1)において、SGNL値は、トナー濃度センサ14の測定値である。SGNLi値は、トナー濃度センサ14の初期測定値(初期値)である。Rateは、トナー濃度センサ14の感度である。初期T/D及びSGNLi値は、トナー補給槽33の初期設置時に測定したものを使用している。Rateは、トナー濃度センサ14の特性として、ΔSGNLのT/Dへの感度を予め測定したものである。これらの定数(初期T/D、SGNLi値、Rate)は、制御部110のRAM112に記憶されている。
<トナー補給>
本実施形態では、トナー補給量の算出方法として以下の方法を採用している。画像形成装置100では、感光ドラム1の静電潜像の連続的な現像により現像装置4内の現像剤のトナー濃度が低下する。そのため、制御部110は、トナー補給制御を実行してトナー補給槽33からトナーを現像装置4に補給することにより、現像剤のトナー濃度が一定となるように制御する。これにより、画像濃度も可能な限り一定に制御される。画像形成装置100は、感光ドラム1上の静電潜像を、トナーの面積の違いにより階調を表現する面積階調方式により形成する。このため、トナー補給動作は、パッチ画像の画像濃度センサ12による検知結果に基づいて行われるとともに、感光ドラム1上に形成される静電潜像の画素ごとのデジタル画像信号に基づいて行われる。
制御部110は、ビデオカウントATR(Automatic Toner Reprenisher、オートマティック・トーン・リプレニッシャ)により求めた基礎補給量Mvに、パッチ検出ATRにより求めた補給補正量Mpを加算して、画像形成1枚当たりのトナー補給量Msumを求める。なお、「ビデオカウントATR」とは、ビデオカウント値がトナー消費量に比例する性質を利用してトナー補給量を算出する手法である。「パッチ検出ATR」とは、パッチ画像の画像濃度を検出し、その画像濃度に応じてトナーの補給量を制御する手法である。本実施形態では、画像データに応じて推測されるトナー消費量(Mv)に、パッチ画像から検出した事後的なトナー不足量(Mp)を加算して、次式のように、現在の現像装置4に供給すべきトナー補給量Msumを設定する。
トナー補給量Msum=Mv+(Mp/パッチ検出ATR頻度) (2)
式(2)において、Mvは、ビデオカウントATRにより求まったトナー補給量であり、Mpは、パッチ検出ATRにより求まったトナー補給量である。
<ビデオカウントATR>
基礎補給量Mvは、画像読取装置(リーダ部)Aで読み込んだ画像信号、あるいはコンピュータ等から送られてきた画像信号から求められる。これらの画像信号の処理を行うための回路構成は、図2のブロック図に示したとおりである。
図2に示すように、マスキング及びUCR回路208が出力するM2、C2、Y2、K2の画像信号は、ビデオカウンタ220にも送られる。ビデオカウンタ220は、画素単位の画像濃度値を積算してCMYK各画像のビデオカウント値を算出する。ビデオカウンタ220は、M2、C2、Y2、K2の画像信号を処理して画素単位の濃度値を積算する。これにより、CMYK各色画像のビデオカウント値が算出される。例えば、128レベルのハーフトーン画像を、600dpiで、A3フルサイズ(16.5×11.7inch)に形成する場合、ビデオカウント値は、「128×600×600×16.5×11.7=8895744000」となる。
ビデオカウント値は、予め求められてROM113に記憶されている、ビデオカウント値とトナー補給量との関係を示すテーブルを用いて、基礎補給量Mvに換算される。こうして、1枚の画像についての画像形成ごとに、各画像の基礎補給量Mvが算出される。
<パッチ検出ATR>
図5に示すように、制御部110は、連続した画像形成における所定枚数の画像形成ごとに設けられる画像間隔(非画像領域)にパッチ画像を形成する。例えば、制御部110は、連続画像形成中において24枚目の画像の後端と次の画像の先端とに挟まれた非画像領域に、画像濃度検知用画像パターンであるパッチ画像Qを形成する。即ち、制御部110は、露光装置3を制御してパッチ画像の静電潜像である「パッチ静電潜像」を感光ドラム1に書き込み、現像装置4により現像してパッチ画像Qを形成する。制御部110は、パッチ検出ATRの濃度制御を実行して、画像濃度センサ12によるパッチ画像Qの検知結果に基づいて、パッチ画像Qの画像濃度が基準濃度に収束するようにトナー補給制御を行う。
プリンタ制御部109には、予め定められた画像濃度に対応した信号レベルのパッチ画像信号を発生するパッチ画像信号発生回路(パターンジェネレータ)192が設けられている。パターンジェネレータ192からのパッチ画像信号を、パルス幅変調回路191に供給し、上記の予め定められた濃度に対するパルス幅を有するレーザ駆動パルスを発生させる。このレーザ駆動パルスを、露光装置3の半導体レーザに供給し、半導体レーザをそのパルス幅に対応する時間だけ発光させて、感光ドラム1を露光及び走査する。これによって、上記の予め定められた濃度に対するパッチ静電潜像が、感光ドラム1に形成される。このパッチ静電潜像は、現像装置4により現像される。
図4に示すように、現像装置4の下流側で感光ドラム1に対向させて、パッチ画像Qの画像濃度を検出するための画像濃度センサ(パッチ検出ATRセンサ)12が配置されている。画像濃度センサ12は、LED等の発光素子を備える発光部12aと、フォトダイオード(PD)等の受光素子を備える受光部12bとを有し、受光部12bが感光ドラム1からの正反射光のみを検出するよう構成されている。画像濃度センサ12は、パッチ画像Qが画像濃度センサ12の下を通過するタイミングに、感光ドラム1からの反射光量を測定する。この測定結果に係る信号は、CPU111に入力される。
図6に示すように、画像濃度センサ12に入力される感光ドラム1からの反射光(近赤外光)は、0〜5Vのアナログ電気信号に変換され、制御部110に設けられたA/D変換回路114に入力される。A/D変換回路114は、入力されたアナログ電気信号を、8ビットのデジタル信号に変換して、制御部110に設けられた濃度変換回路115に出力する。濃度変換回路115は、入力されたデジタル信号を濃度情報に変換して出力する。
図7に示すように、感光ドラム1上に形成したパッチ画像Qの画像濃度を面積階調によって段階的に変化させると、画像濃度センサ12の出力が変化する。ここでは、トナーが感光ドラム1に付着していない状態の画像濃度センサ12の出力は5Vであるものとし、パッチ画像Qの画像濃度は、画像濃度センサ12によって255レベルで読み込まれるものとしている。
感光ドラム1に形成される画素におけるトナーによる面積被覆率が大きくなると、画像濃度も大きくなる。一方で、画像濃度センサ12の出力は小さくなる。このような画像濃度センサ12の特性に基づき、画像濃度センサ12の出力から各色の濃度信号に変換する各色専用のテーブル115aを予め用意してある。テーブル115aは、濃度変換回路115の記憶部に記憶されている。これにより、濃度変換回路115は、いずれの色についても、精度よくパッチ画像濃度を検知することができる。濃度変換回路115は、パッチ画像濃度を示す、生成した濃度情報を、CPU111へと出力する。
画像濃度センサ12は対数関数(log関数)の特性を有しており、濃度が高くなるほど検知結果の傾きが少なくなる。つまり、濃度が高くなるほど、濃度の変化に対して検知結果の変化が少なくなり、その結果、検知精度が低くなる。そのため、2ライン1スペースのパターンを使用することで面積階調を下げて、パッチ画像濃度を下げている。露光されるパッチ静電潜像としては、600dpiの解像度で、副走査方向に2ライン1スペースの画像と仮定する。
補給補正量Mpは、初期の現像剤でのパッチ画像Qの濃度の検知値を基準として、その基準値と測定結果との差分ΔDから求まる。例えば、現像装置4内のトナーが基準値より1g(基準量)分ずれた場合のパッチ画像Qの濃度測定結果についての変化量ΔDrateを予め求め、ROM113に記憶しておく。これにより、CPU111は、次式に基づいて補給補正量Mpを計算する。
Mp=ΔD/ΔDrate (3)
ここで、補給補正量Mp分のトナー補給は、急激な色味変動を回避するために、パッチ検出ATRの実行間隔内でなるべく等間隔に分散して実行することが望ましい。パッチ検出ATRの実行後、求めた補給補正量Mpを1枚目の画像形成時にまとめて補給すると、大幅なトナー補給が行なわれて、オーバーシュートが起こる可能性がある。そのため、式(3)では、補給補正量Mpをパッチ検出ATRの実行頻度で除して補給補正量Mpをパッチ検出ATRの実行間隔で均等に分割して処理している。
以上のようにして、制御部110のCPU111は、式(2)によりトナー補給量Msumを求める。更に、CPU111は、モータ31を制御してトナー搬送スクリュー32を動作させることにより、トナー補給槽33から現像容器45へトナー補給量Msumのトナーを補給する。
<トナー帯電量>
次に、図8を参照して、現在のトナー帯電量の推定方法について説明する。トナー帯電量は、制御部110により算出される。制御部110では、例えば、CPU111が、計算を行うための作業バッファとしてRAM112を利用し、ROM113に格納されている、演算に必要なテーブルを適宜用いて、後述する演算を行う。図8に示すように、トナーの帯電量Q/M(μC/g)の算出は、所定の時間間隔で実行される。本実施形態では、一例として、1枚の画像形成ごとに、図8に示す手順に従ってトナー帯電量の算出処理を実行するものとする。なお、当該算出処理は、画像形成装置100が電源オフ状態である場合には実行されない。この場合、画像形成装置100が電源オン状態に移行した後、1枚目の画像形成の際に、トナー帯電量の変化がまとめて計算される。
S801で、制御部110は、n枚目の画像形成におけるトナー帯電量Q/Mの算出を行うために、(n−1)枚目の画像形成におけるトナー帯電量Q/Mの算出が行われた時点を起点として各種データを取得する。具体的には、制御部110は以下のような一連の処理を実行する。
1)制御部110は、n枚目の画像形成におけるビデオカウントの積算値を、ビデオカウンタ220から取得する。ビデオカウント値は値が非常に大きいため、便宜上、例えば2の24乗で割って得られる値をビデオカウント値Vとして使用すればよい。
2)制御部110は、トナー帯電量Q/Mを前回算出した時間から現在までの、現像スリーブ41の駆動時間Td(sec)を、現像スリーブ駆動装置44から取得する。駆動時間Tdは、通常、1枚前の画像形成(出力)と今回の画像形成(出力)との時間差であり、画像形成装置100が電源オフ状態またはアイドル状態にある時間も含まれる。
3)制御部110は、1枚前の画像形成から今回の画像形成までの間の、現像スリーブ41の停止時間Ts(sec)を算出する。
4)制御部110は、トナー濃度センサ14からトナー濃度TDrate(%)を取得する。
5)制御部110は、画像形成装置100の内部に取り付けられている温湿度センサ(図示せず)によって検知された画像形成装置内の絶対水分量H(g/kg)を取得する。
6)制御部110は、現像装置4内の現像剤を交換したタイミングを起点とした、現像スリーブ41の駆動時間Td(sec)の積算値であるスリーブ駆動積算時間Tt(min)を、現像スリーブ駆動装置44から取得する。
次にS802で、制御部110は、画像比率D(%)を、例えば、ビデオカウント値V及び現像スリーブ41の駆動時間Tdを用いて次式に基づいて算出する。
画像比率D=V/Td×0.162 (4)
式(4)に示すように、画像比率Dは、現像スリーブ41の駆動時間Tdに対して、どの程度の画像を形成したのかを示している。なお、係数0.162は、画像形成装置ごとに最適化されるべきものである。式(4)の係数0.162は、1分間にA4サイズの画像を70枚出力する画像形成装置に対して最適化したとき値である。このような最適化を行うことで、1枚ごとの画像比率Dについての平均値と、式(4)に基づいて算出されるDとを一致させている。
次にS803で、制御部110は、トナー帯電量Q/Mの収束値Q/M1を算出する。収束値Q/M1は、画像比率Dから、図9の関係を用いて算出される。図9に示す、画像比率Dに対する収束値Q/M1の関係は、例えば予めテーブル化してメモリに記憶しておくものとする。この収束値Q/M1は、画像比率D(%)で永続的に画像形成を継続した際にトナー帯電量Q/Mが収束する値を意味している。
次にS804で、制御部110は、次式に基づいて、収束値Q/M1から収束値Q/M2(μC/g)を算出する。
収束値Q/M2=収束値Q/M1×(−0.1×TDrate+1.8) (5)
収束値Q/Mはトナー濃度によっても異なるため、式(5)ではトナー濃度で補正している。この関係式は、現像剤の材料等によって異なるものであるため、式(5)に限定されるものではない。一般的に、トナー濃度が上がるとQ/Mは低くなり、トナー濃度が下がるとQ/Mは高くなる傾向がある。なお、式(5)中の係数も例示にすぎない。
次にS805で、制御部110は、次式に基づいて、収束値Q/M2から収束値Q/M3(μC/g)を算出する。
収束値Q/M3=収束値Q/M2+5−0.5×H (6)
収束値Q/Mは環境によっても異なるため、式(6)では湿度(絶対水分量)Hで補正している。この関係式は、現像剤の材料等によって異なるものであるため、本式に限定されるものではない。一般的に、絶対水分量Hが上がるとQ/Mは低くなり、絶対水分量が下がるとQ/Mは高くなる傾向がある。なお、式(6)中の係数も例示にすぎない。
次にS806で、制御部110は、次式に基づいて、収束値Q/M3から収束値Q/M4(μC/g)を算出する。
収束値Q/M4=収束値Q/M3×(−0.000021×Tt+1) (7)
収束値Q/Mは現像剤の劣化度合いによっても異なるため、式(7)ではスリーブ駆動積算時間Ttで補正している。この関係式も現像剤の材料等によって異なるものであるため、本式に限定されるものではない。また、式(7)中の係数も例示にすぎない。
次にS807で、制御部110は、次式に基づいて、収束値Q/M4から仮Q/M(n)を算出する。
仮Q/M(n)=α×(収束値Q/M4−Q/M(n−1))×Td/60+Q/M(n−1) (8)
式(8)は、現像スリーブ41を1分間駆動している間の、トナー帯電量の変化を漸化式で表したものであり、トナー帯電量が収束値Q/Mに徐々に近づいていく現象を表している。ここで、α=0.01としているが、αは現像剤の材料等によって異なるものであるため、本式に限定されるものではない。なお、仮Q/M(n)が収束値Q/M4を上回った場合には、制御部110は、仮Q/M(n)を収束値Q/M4に置き換える。
最終的にS808で、制御部110は、次式に基づいて、現在の(その時点)のQ/M(n)を算出する。次式により、その時点のトナー帯電量Q/M(μC/g)が算出される。
Q/M(n)=−β×Ts/60×仮Q/M(n)+仮Q/M(n) (9)
式(9)は、現像スリーブ41の停止中におけるトナー帯電量の変化を漸化式で表したものであり、トナーに帯電した電荷が徐々に放電されて、その帯電量が0に近づいていく現象を表している。ここで、β=0.001としているが、βは現像剤の材料等によって異なるものであるため、本式に限定されるものではない。なお、Q/M(n)が収束値Q/M4の1/3を下回った場合には、制御部110は、Q/M(n)を収束値Q/M4の1/3に置き換える。これは、トナーの帯電量の下限値を定義するためであり、当該下限値は現像剤の材料等によって異なる。
このように、図8に示す処理を1枚の画像形成ごとに行うことで、1枚ごとのトナー帯電量Q/M(μC/g)を算出することが可能となる。トナー帯電量は、基本的には、上述のトナー補給制御によってほぼ一定に制御される。しかし、トナー補給制御を実行できない画像形成装置100の停止時におけるトナーの帯電量の変化、画像比率の急激な変化、環境の変化等が生じた場合には、トナー補給制御のみではトナー帯電量の変化に追従した制御を行うことができない。このような場合には、上述したトナー帯電量の推定が有効である。
<レーザ光量補正制御>
次に、図4及び図10を参照して、上述のようにして推定されるトナー帯電量に基づくレーザ光量補正制御について説明する。本実施形態では、制御部110(CPU111)は、推定したトナー帯電量に基づいて、レーザ光量制御回路190を制御することで、レーザ光量を制御する。具体的には、制御部110は、操作部20を介して、濃度調整の実行指示がユーザによって入力された際に推定したトナー帯電量を基準として、図10に示すようなトナー帯電量とレーザ光量との対応関係に基づいて、レーザ光量を制御する。ここで、濃度調整は、濃度調整用の複数の複数のパッチ画像をプリンタ部Bで記録材に形成し、その記録材をリーダ部Aで読み取って得られるパッチ画像の濃度に基づき、所望の濃度となるようにレーザ光量及びγ補正回路209の補正特性を調整する動作である。この濃度調整によって、記録材に形成される画像の濃度特性(階調特性)が調整される。なお、この濃度調整は第3の階調補正に相当する。
図10は、レーザ光量補正の基準として用いられる、トナー帯電量とレーザ光量との対応関係の一例を示す図である。本実施形態では、制御部110は、濃度調整の実行時に求められたトナー帯電量から、図10に示す対応関係に基づいて、レーザ光量補正の基準となるレーザ光量を求める。例えば、濃度調整の実行時に推定されたトナー帯電量が25μC/gである場合、基準となるレーザ光量は、図10に示す対応関係から75mWと求められる。その後、任意のタイミングに推定されたトナー帯電量が20μC/gである場合、対応するレーザ光量は125mWであり、基準値との差分は50mWである。その結果、補正すべきレーザ光量に相当する補正値は50mWと求められる。この場合、例えば、濃度調整時に求められたレーザ光量が100mWである場合、補正値50mWで補正したレーザ光量150mWの出力で、画像形成を行う。なお、図10に示す対応関係は、例えば予めテーブル化してROM113等のメモリに記憶しておくものとする。
<階調補正制御>
本実施形態では、通常の画像形成中に、形成される画像の階調特性を補正するために、γ補正回路209内のLUTを補正する階調補正制御を行う。具体的には、制御部110(CPU111)は、上述のパッチ検出ATRのように、非画像領域にパッチ画像Qを形成し、その濃度を検出するとともに、その検出結果に基づいて、γ補正回路209内のLUTを補正する制御を行う。
本実施形態では、一例として、このようなパッチ画像Qの検出に基づく階調補正(パッチ検出LUT補正)を、複数枚(例えば12枚)の画像形成ごとに実行するものとする。パッチ画像Qを形成する際のレーザ出力に用いられるLUTのテーブルデータは、その時点における通常の画像形成で用いられるテーブルデータと同等であり、前回の階調補正制御による補正後のテーブルデータがそのまま用いられる。また、上述のパッチATRのように2ライン1スペースのパターンの画像は用いず、通常の画像形成と同様に、ハーフトーン形成を伴う画像を用いる。
図11は、γ補正回路209内のLUTに対応する濃度特性(階調特性)の一例を示す図である。同図において、レーザ出力は、上述のレーザ光量とは異なり、レーザの発光面積(パルス幅)を示しており、最大値255は100%の発光面積で感光ドラム1を露光することを意味する。
本実施形態では、制御部110は、上述の階調補正制御によって、γ補正回路209が保持しているLUTを随時補正して、記録材に形成される画像の濃度特性が一定となるように制御する。例えば、制御部110は、入力画像信号(入力濃度信号)の値(レベル)が64のパッチ画像Qを感光ドラム1に形成し、感光ドラム1上のパッチ画像Qの濃度を画像濃度センサ12で検知した結果が64となるように、LUTを補正する。一般に、画像形成装置によって形成される画像の濃度特性は、環境条件等に応じて変化する可能性があり、画像濃度センサ12によるパッチ画像Qの濃度の測定結果は64から変化しうる。そこで、制御部110は、パッチ画像Qの画像信号値と、実際にパッチ画像Qを感光ドラム1に形成した場合の濃度の測定結果との差(ずれ量)ΔDに基づいて、LUTのテーブルデータを補正する。なお、ずれ量ΔDは、LUTを用いて前回形成されたパッチ画像Qから得られる濃度(目標値であり、ここでは64)と、LUTを用いて今回形成されたパッチ画像Qから得られる濃度との差(ずれ量)に相当する。
図12は、入力画像信号のレベルが64のパッチ画像Qにおける濃度のずれを1とした場合の、画像信号の補正用のテーブル(基本LUT補正テーブル)の特性を示すグラフである。本実施形態では、この基本補正テーブルを予めROM113に格納しておく。制御部110(CPU111)は、階調補正制御の実行時に、ROM113に格納された基本LUT補正テーブルに含まれる、各画像信号レベルに対応する濃度のずれを示す値をそれぞれΔD倍することで、ずれ量ΔDに応じた補正テーブルを作成する。更に、制御部110は、作成した補正テーブルの特性(パターン)を打ち消すような、γLUT補正テーブルのテーブルデータを、γ補正回路209内のLUTのテーブルデータに加えることで、当該LUTを補正する。このようなLUTの補正は、色ごとに、ずれ量ΔDに応じた補正テーブルの作成が完了するタイミングで行われる。
図13は、LUT補正テーブルの作成を伴う画像形成処理の手順を示すフローチャートである。図13に示す各処理は、ROM113に格納されている制御プログラムをRAM112に読み出して実行することによって実現される。
まず、S1301で、CPU111は、前回の階調補正制御によって得られたγLUT補正テーブルを用いて、以下の式(10)に基づいて、γ補正回路209内のLUTのテーブルデータを補正する。この補正は、前回のLUT補正テーブルの特性を打ち消すように作成されたγLUT補正テーブルのテーブルデータを、次式のように、LUTのテーブルデータに加えることで行われる。
LUT=LUT+γLUT補正テーブル (10)
更に、S1302で、CPU111は、補正の結果として得られたテーブルデータを、γ補正回路209のLUTとして設定する。
次に、S1303で、CPU111は、設定されたLUTを用いてレーザ出力を行い、画像形成を行う。画像形成の終了後、S1304で、CPU111は、感光ドラム1上で、形成された画像の後端と、次回形成される画像の先端との間の領域である非画像領域にパッチ画像Qを形成するとともに、形成されたパッチ画像Qの濃度を濃度センサ12によって測定する。
その後、S1305で、CPU111は、測定した濃度と目標値の濃度(=64)との差分をずれ量ΔDとして算出する。また、S1306で、CPU111は、算出したΔD及び基本LUT補正テーブル(図12)を用いて、LUT補正テーブルを作成するとともに、このLUT補正テーブルの特性を打ち消すようなγLUT補正テーブルを作成する。
その後、S1307で、CPU111は、画像形成(プリントジョブ)の実行を継続するか否かを判定し、画像形成を継続する場合には処理をS1301に戻し、画像形成を終了する場合には、本処理を終了する。
<画像形成処理>
本実施形態に係る画像形成装置100は、記録材に画像を形成した際の画像の色味及び濃度特性(階調特性)を安定させるために、所定のタイミングに、上述のレーザ光量補正制御及び階調補正制御を実行する。この階調補正制御では、基本的には、上述のように所定の実行頻度で(本実施形態では、12枚の画像形成ごとに)、パッチ画像Qを感光ドラム1に形成し、その濃度の測定結果に基づいて階調補正(第1の階調補正)を実行する。本実施形態では、このようなパッチ画像Qを用いた階調補正に加えて、上述のようなトナー帯電量の推定(または検知)結果を利用した階調補正(第2の階調補正)を所定の頻度で実行する。これにより、より安定した濃度特性で画像形成を行うことを可能にする。
ここで、図14は、トナー帯電量をパラメータとした、入力画像信号と出力濃度(各画像信号レベルに対応する出力画像の濃度)との関係の一例を示す図である。同図に示すように、トナー帯電量が高くなるほど、全体的に出力濃度が減少する傾向がある。また、各画像信号レベル(濃度領域)において、トナー帯電量の減少に伴って出力濃度が減少しており、画像信号レベル(入力画像の濃度)が高いほど(高濃度領域)、トナー帯電量の減少に伴う出力濃度の減少が顕著となっている。逆に、入力画像の濃度が低いほど(低濃度領域)、トナー帯電量の減少の影響が出力濃度に生じにくい。
図14に示すトナー帯電量は、現像装置4内のトナー全てについての平均値を示している。しかし、実際には、現像装置4内のトナーの帯電量は一定ではなく分布を有し、トナーごとに帯電量にばらつきが生じている。このため、現像装置4における現像処理では、まず現像により適した(即ち、静電潜像に付着しやすい)帯電量のトナーが現像に用いられると考えられる。低濃度領域の現像では、あまり多くのトナーが使用されず、現像に適した帯電量のトナーのみが用いられるため、平均的なトナー帯電量の影響を受けにくいと考えられる。一方で、高濃度領域の現像では、多くのトナーが使用されるため、平均的なトナー帯電量の寄与が大きくなり、その影響が受けやすくなると考えられる。
このため、上述のようなトナー帯電量の変化に対して、低濃度領域における濃度補正を積極的に行うことは望ましくないと考えられるものの、低濃度領域についてもある程度の濃度補正を行うことは必要である。また、低濃度領域の現像は、平均的なトナー帯電量に依存しにくく、トナー帯電量の分布に依存すると考えられる。しかし、トナー粒子1つ1つの帯電量を推定することは難しく、レーザ光量補正のみによって低濃度領域についての濃度特性を一定に制御することは難しい。
本実施形態では、上述のように、出力画像における低濃度領域の濃度特性を安定化させるために、パッチ画像Qを実際に形成して、その濃度の測定結果に基づく階調補正制御を実行する。この階調補正制御によれば、パッチ画像Qを形成して階調補正を実行したタイミングにおいては、出力画像の濃度特性をほぼ理想的な濃度特性に補正することが可能である。しかし、パッチ画像Qを感光ドラム1に形成する場合、トナーの消費量が増加し、画像間に非画像領域を設ける必要もあるとともに、感光ドラム1からパッチ画像Qを除去するためのクリーニングも必要となり、デッドタイムが生じることになる。
このようなデッドタイムを低減するため、本実施形態では、上述のように12枚の画像形成ごとにパッチ画像Qの形成に基づく階調補正制御を実行するとともに、レーザ光量補正制御を、より短い実行頻度で実行する。
ここで、図15は、レーザ光量をパラメータとした、入力画像信号と出力濃度(各画像信号レベルに対応する出力画像の濃度)との関係の一例を示す図である。同図に示すように、レーザ光量を増加させると、全体的に出力濃度が増加する。しかし、図14に示すトナー帯電量の場合とは逆に、画像信号レベル(入力画像の濃度)が低いほど(低濃度領域)、レーザ光量の変化の影響が出力濃度に生じやすい。これは、感光ドラム1の特性によるものである。高濃度領域では、ビームスポット全体にレーザビームが照射される一方、低濃度領域では、ビームスポット内でまばらにレーザビームが照射される。低濃度領域では、照射されている部分の周辺の領域もレーザビームの照射の影響を受け、特に、レーザ光量が高い場合に影響が大きくなると考えられる。一方、高濃度領域では、レーザビームが照射されている領域の周辺の領域にもレーザビームが照射されるため、そのような影響が生じにくいと考えられる。
このため、トナー帯電量の推定(検知)結果から、高濃度領域を基準として濃度特性を補正するようにレーザ光量を制御すると、低濃度領域においては過剰な補正が行われ、補正誤差が生じる結果となる。本実施形態では、このような現象に対処するために、そのような補正誤差を考慮して、トナー帯電量の推定(検知)結果を利用した階調補正制御を、以下のように実行する。
具体的には、次式に示す関係式によって、上述の階調補正制御に用いるΔDを求める。
ΔD=c×Δトナー帯電量 (11)
ここで、cは、画像形成装置ごとに事前の測定によって得られる係数であり、本実施形態ではc=3としている。また、Δトナー帯電量は、最後にパッチ画像Qを形成したタイミング(即ち、パッチ画像Qに基づく第1の階調補正のタイミング)に推定されたトナー帯電量と、現在のトナー帯電量の差分に相当する。本実施形態では、その差分に係数cを乗算してΔDを算出するとともに、パッチ画像Qに基づく(第1の)階調補正と同様に、算出したΔDを用いて(第2の)階調補正を実行する。これにより、例えば1枚の画像形成ごとにあたかもパッチ画像Qを形成してΔDを算出したかのような制御を実行することで、トナー帯電量の推定結果を利用した階調補正を実行する。なお、実際にパッチ画像Qを形成して(第1の)階調補正を実行した場合には、Δトナー帯電量は「0」となるため、式(11)を用いたトナー帯電量に基づく階調補正は実行されない。
このような階調補正の概略的な仕組みは以下のようになる。図14に示すように、トナー帯電量が大きくなると出力濃度が全体的に低くなるため、上述のレーザ光量補正制御では、レーザ光量を増加させることになる。その結果、高濃度領域では濃度特性を理想的な特性に合わせることができる一方、低濃度領域では、レーザ光量の増加に伴う出力濃度の増加によって、補正誤差が生じる。そこで、本実施形態では、式(11)によって算出されるΔDによって、出力濃度が高くなっていることが検知されるように制御する。その結果、(第2の)階調補正では、濃度のずれ量ΔDを打ち消すようなγLUT補正テーブルが生成され、低濃度領域においても濃度特性を理想的な特性に近づけることが可能になる。
次に、図16を参照して、本実施形態に係る画像形成装置100における、上述のレーザ光量補正制御及び階調補正制御を含む、画像形成処理の手順について説明する。図16に示す各処理は、ROM113に格納されている制御プログラムをRAM112に読み出して実行することによって実現される。
まず、ユーザが、操作部20を介して、CPU111に対して画像形成命令を入力すると、CPU111は、S1601以下の処理を実行する。CPU111は、S1601で、図8を用いて説明した方法でトナー帯電量を推定(または検知)し、S1602で、その推定結果に基づいて、露光装置3から出力されるレーザ光の光量を補正する光量補正制御を実行する。具体的には、図10を用いて説明したように、推定したトナー帯電量と基準値との差分に応じてレーザ光の光量を補正する。
次に、S1603で、CPU111は、S1601で推定したトナー帯電量を用いて、式(11)に基づいてΔDを、推定したトナーの帯電量に応じた補正量として算出する。更に、S1604で、CPU111は、濃度測定用のパッチ画像Qを形成することなく、算出したΔDに基づく階調補正(第2の階調補正)を実行する。なお、S1601〜S1604を画像形成の実行開始前に行うことによって、画像形成装置100が長時間未使用の状態が続いていたり、環境条件に大きな変化が生じた場合にも、画像形成装置100においてより安定した濃度特性で画像形成を行うことが可能になる。
次に、S1605で、CPU111は、画像形成部Pに、画像形成命令に基づく画像形成の実行を開始する。画像形成の実行中に、CPU111は、S1606で、パッチ画像Qの形成タイミング(本実施形態では、12枚の画像形成が完了するごとのタイミング)が到来したか否かを判定する。CPU111は、パッチ画像Qの形成タイミングが到来していないと判定した場合、処理をS1610に進める一方、形成タイミングが到来したと判定した場合、処理をS1607に進める。
CPU111は、S1607で、濃度測定用のパッチ画像Qを感光ドラム1に形成するとともに、S1608で、パッチ画像Qの濃度の測定結果からΔDを、パッチ画像の濃度測定結果に応じた補正量として算出する。CPU111は、S1609で、算出したΔDに基づく階調補正(第1の階調補正)を実行する。更に、S1610で、CPU111は、画像形成を終了するか否かを判定し、終了しない場合には処理をS1601に戻す。
次に、図17は、トナー帯電量の推定結果をレーザ光量補正制御及び階調補正制御に用いた場合(実線)と、トナー帯電量の推定結果をレーザ光量補正制御のみに用いた場合(破線)について、画像形成枚数に対する濃度特性の変化の一例を示している。また、図18は、それら2つの場合について、画像形成枚数に対するトナー帯電量の変化の一例を示している。図17及び図18では、以下のような状況における特性を示している。
・A4サイズで、画像比率5%の画像を連続して1000枚の記録材に形成。
・次に、画像比率50%の画像を1000枚の記録材に形成。
・次に、画像形成装置100を6時間放置した後、画像比率5%の画像を1000枚の記録材に形成。
図17及び図18に示すように、本実施形態のように、トナー帯電量の推定結果をレーザ光量補正制御及び階調補正制御の両方に利用することによって、安定した濃度特性を得ることが可能である。具体的には、画像比率が5%から50%に切り替わる際に、トナー消費の増加に起因したトナーの帯電量不足によって、パッチ検出ATRによって補正されるまでの間、トナー帯電量が低くなる。しかし、レーザ光量補正制御によって、トナー帯電量に応じてレーザ光量が補正されるため、高濃度部(高濃度領域)の濃度特性は安定する。なお、図示していないが、そのようなレーザ光量補正制御を行わない場合、高濃度部の濃度特性は安定しない。一方、低濃度部(低濃度領域)については、レーザ光量補正制御のみの場合(破線)、トナー帯電量の変化に依存して、濃度特性が変動してしまう。これは、画像比率が50%から5%に切り替わる場合も同様であり、また、画像形成装置を放置することでトナー帯電量が低下した場合にも、おおよそ同様である。
これに対して、図17及び図18に示すように、本実施形態によれば、高濃度領域及び低濃度領域のいずれも(即ち、濃度によらず)、上述のような状況の変化に対して安定した濃度特性で画像形成を実行可能である。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置100では、パッチ画像の形成に基づく(第1の)階調補正によって低濃度領域の濃度特性を安定させることが可能である。また、トナー帯電量の推定結果に基づく(第2の)階調補正によって、パッチ画像の形成に基づく階調補正が行われない期間においても、低濃度領域の濃度特性を安定させることが可能になる。即ち、本実施形態によれば、画像形成装置100において、入力画像信号のレベル(濃度)によらず、安定した濃度特性で画像形成を実行することが可能になり、より高品質な画像の形成が可能である。
[第2の実施形態]
第1の実施形態のように、トナー帯電量推定に基づく(第2の)階調補正を逐次的に行うことで、ハーフトーン濃度についての濃度特性を補正でき、階調補正制御による補正後の形成画像の濃度とパッチ画像Qの実際の濃度との差を、理想的には0に制御できる。しかし、トナー帯電量の推定誤差、トナー帯電量の分布のばらつき、またはトナー帯電量以外の要因に起因した濃度特性の変動によって、階調補正制御による補正後の形成画像の濃度とパッチ画像Qの実際の濃度との差に誤差が生じる可能性がある。
そこで、第2の実施形態では、トナー帯電量の推定結果に基づく階調補正を実行する際に、推定したトナー帯電量に応じた補正量を、後述するような修正係数で修正して得られる補正量で、階調特性を補正することを特徴としている。これにより、階調補正制御による補正後の形成画像の濃度とパッチ画像Qの実際の濃度との差を極力低減し、第1の実施形態と比べてさらに安定した濃度特性で画像形成を行うことを実現する。なお、以下では、説明の簡略化のため、第1の実施形態とは共通する部分については説明を省略する。
具体的には、本実施形態では、上述の式(11)にΔDの算出式を、次式のように変更する。
ΔD=J×c×Δトナー帯電量 (12)
ここで、Jは、トナー帯電量の推定結果から、階調補正制御による補正量への制御率を示している。本実施形態では、Jは、パッチ画像Qに基づく(第1の)階調補正が実行されるごとに、パッチ画像の濃度の測定結果に応じた補正量と、最後に実行した、トナー帯電量の推定結果に基づく階調補正で用いた補正量との比率として算出される修正係数に相当する。ユーザの指示により実行された濃度調整(第3の階調補正)が実行された際に、Jは基準値「1」に設定され、その後は、階調補正制御によってパッチ画像Qが形成されるごとに更新される。
具体的には、修正係数Jは、図16及び後述する図19におけるS1608で算出されたΔD(ΔD_1)と、それ以前に、最後にS1603で算出されたΔD(ΔD_2)との比率として、次式のように算出される。
J=ΔD_1/ΔD_2 (13)
この修正係数Jを用いることによって、平均的なトナー帯電量の変化を示すΔトナー帯電量に依存して生じるΔDの誤差を、パッチ画像Qに基づく階調補正で用いる最新の補正量ΔDに基づいて修正できる。これにより、より高い精度で、トナー帯電量の推定結果に基づく階調補正制御を実現できる。
次に、図19を参照して、本実施形態に係る画像形成装置100における、上述のレーザ光量補正制御及び階調補正制御を含む、画像形成処理の手順について説明する。図19に示す各処理は、ROM113に格納されている制御プログラムをRAM112に読み出して実行することによって実現される。
第1の実施形態(図16)と異なる点は、S1608の後、S1901で、CPU111が、式(13)に基づいて修正係数Jを算出する点である。ここで算出された修正係数Jは、次に、パッチ画像Qの形成に基づく階調補正制御が実行されるまでの間、S1603におけるΔDの算出に使用される。
次に、図20は、トナー帯電量の推定結果をレーザ光量補正制御及び階調補正制御に用いた場合について、画像形成枚数に対する濃度特性の変化の一例(実線は本実施形態、破線は第1の実施形態を示す。)を示している。なお、図20では、第1の実施形態における図17及び図18で想定した状況と同様の状況における特性を示している。
図20から分かるように、本実施形態によれば、画像形成装置100において、入力画像信号のレベル(濃度)によらず、第1の実施形態よりもさらに安定した濃度特性で画像形成を実行することが可能になり、より高品質な画像の形成が可能になる。

Claims (9)

  1. 表面を帯電される像担持体と、画像信号に従って前記像担持体をレーザ光で露光して、前記像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段と、を含む画像形成手段と、
    前記画像形成手段によって前記像担持体に濃度測定用のパッチ画像を形成させ、当該パッチ画像の濃度の測定結果に応じた補正量で、前記画像形成手段によって形成される画像の階調特性を補正する第1の階調補正を実行する階調補正手段と、
    前記現像手段が保持しているトナーの帯電量を検知または推定する検知手段と、
    前記検知手段によって検知または推定されたトナーの帯電量と基準値との差分に応じて、前記露光手段から出力されるレーザ光の光量を補正する光量補正を実行する光量補正手段と、を備え、
    前記階調補正手段は、更に、前記光量補正手段によって前記光量補正が行われた際に、前記検知手段によって検知または推定されたトナーの帯電量に応じた補正量で、前記階調特性を補正する第2の階調補正を実行する
    ことを特徴とすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記階調補正手段は、
    前記第1の階調補正を実行するごとに、前記パッチ画像の濃度の測定結果に応じた補正量と、最後に実行した前記第2の階調補正で用いた補正量との比率を修正係数として算出する手段を備え、
    前記第2の階調補正を実行する際には、前記検知手段によって検知または推定されたトナーの帯電量に応じた補正量を前記修正係数で修正して得られる補正量で、前記階調特性を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記階調補正手段は、
    前記修正係数を算出した後、次に前記第1の階調補正を実行するまでの間、当該算出した修正係数を前記第2の階調補正に使用することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記階調補正手段は、前記光量補正手段による前記光量補正の実行頻度よりも低い実行頻度で、前記第1の階調補正を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記光量補正手段は、前記画像形成手段によって1枚の記録材に対する画像形成が行われるごとに、前記光量補正を実行し、
    前記階調補正手段は、前記画像形成手段によって所定の複数枚の記録材に対する画像形成が行われるごとに、前記第1の階調補正を実行する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記階調補正手段は、
    前記第1の階調補正を実行する際に、前記検知手段によってトナーの帯電量を検知または推定させ、当該検知または推定されたトナーの帯電量を、前記第2の階調補正を実行する際の基準値として設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記階調補正手段は、
    前記第2の階調補正では、前記設定した基準値と、前記光量補正手段による補正が行われた際に前記検知手段によって検知または推定されたトナーの帯電量との差分に応じた補正量で、前記階調特性を補正することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 記録材に形成された画像を読み取る読取手段を更に備え、
    前記階調補正手段は、
    ユーザによる実行指示に応じて、前記画像形成手段によって記録材に濃度測定用のパッチ画像を形成させ、かつ、前記読取手段によって当該記録材を読み取って得られる当該パッチ画像の濃度の測定結果に基づいて前記階調特性を補正する第3の階調補正を実行し、
    前記光量補正手段は、
    前記階調補正手段によって前記第3の階調補正が実行された際に、前記検知手段によってトナーの帯電量を検知または推定させるとともに、当該検知または推定されたトナーの帯電量を前記基準値として、前記光量補正を実行する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記第1の階調補正では、前記画像形成手段によって、所定の低濃度のパッチ画像が前記像担持体に形成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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