JP2014172919A - リン酸塩蛍光体、リン酸塩蛍光体の製造方法及びリン酸塩蛍光体を含んだ光源 - Google Patents

リン酸塩蛍光体、リン酸塩蛍光体の製造方法及びリン酸塩蛍光体を含んだ光源 Download PDF

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Abstract

【課題】希土類元素を使用せずに、高い発光強度と高い熱安定性を発揮するリン酸塩蛍光体を提供する。
【解決手段】リン酸塩蛍光体は、組成式Ba(Ti1−xZr)P(式中、xはZrの濃度であり、0<x≦0.15である)を有することを特徴とする。さらに、xが0<x≦0.06であることが好ましい。また、TiOの一部がZrOで置換された結晶構造を有することが好ましい。この蛍光体の製造方法は、Baを含む原料(例えば、BaCO)と、Pを含む原料(例えば、NHPO)と、Tiを含む原料(例えば、TiO)と、Zrを含む原料(例えば、ZrO)と、を秤量し、混合する混合工程と、混合物を粉砕する粉砕工程と、大気雰囲気下かつ1000℃〜1150℃で前記混合物を焼成する焼成工程と、を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、リン酸塩蛍光体に関するものであり、より具体的には、BaTiPに、ジルコニウムを一部固溶させた新規なリン酸塩蛍光体に関するものである。
(希土類元素を使用した従来の蛍光体)
蛍光ランプは、一般に、光の三原色を構成する各材料(青を発する蛍光体と、緑を発する蛍光体と、赤を発する蛍光体と)を混合して白色光を得ている。青色発光用蛍光体には、例えばBaMgAl1017:Eu2+、緑色発光用蛍光体には、例えばLaPO:Ce3+,Tb3+、赤色発光用蛍光体には、例えばY:Eu3+が挙げられる。
しかしながら、上述の蛍光体の発光因子として賦活されているユウロピウム(Eu)やテルビウム(Tb)などの希土類元素は、希少で非常に高価であるため、希土類元素を使用しない蛍光体が求められている。
(希土類元素を使用しない従来の蛍光体)
希土類元素を使用しない白色蛍光体材料には、3Ca(PO・Ca(F,Cl):Sb3+,Mn2+が挙げられる(非特許文献1を参照)。ところが、希土類元素を使用しない多くの蛍光体は、一般に、希土類元素使用の蛍光体に比べ、発光強度や演色性が低いという問題があった。なお、低い演色性については、Sb3+とMn2+とのそれぞれの発光が、青緑領域での発光と、赤領域での発光とによる疑似白色であるということに由来する。
希土類元素を使用しないその他の白色蛍光体として、Ba:Ti4+からなる蛍光体も知られている(非特許文献2を参照)。しかし、この蛍光体の具体的な結晶構造(例えば、Tiの固溶サイト)は未知であった。
また、近年、BaTiPからなる材料についても蛍光特性が報告され、高い量子効率(65.4%)を示すことから注目されている(非特許文献3を参照)。しかし、この蛍光体についても結晶構造は明らかとなっていない。
このうち、BaTiPの発光材料は、発光強度が低いという問題のみならず、熱安定性が不十分であるという問題があった。具体的には、製造段階における焼成温度範囲が1000〜1050℃と極めて狭く、大量生産にあたって焼成温度を常にこの温度範囲内にコントロールすることは困難であることが懸念されていた。
また、BaTiPは、発光材料に使用可能であり、そのうちのチタン(Ti)が発光因子であることが知られているが、上述の通り、その詳しい結晶構造については今までに報告は無い。
S. Shionoya, W. M. Yen, Phosphor Handbook, 1998, p. 394 S. T. Henderson, P. W. Ranby, Journal of the ElectrochemicalSociety, 98 (1951), p. 479 Y. Huang, T. Tsuboi, H. J. Seo, Ceramics International,39 (2013), p. 861
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、希土類元素を使用せずに、高い発光強度と高い熱安定性を発揮するリン酸塩蛍光体を提供することを目的とする。
本発明者らは、発光因子を取り込む無機化合物(母体)を既存の組成として、このうちの発光因子であるチタンの一部をジルコニウム(Zr)で希釈することで、ジルコニウムで希釈しない従来の蛍光体(BaTiP)に比べ、高い発光強度と高い熱安定性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の構成・特徴を備えるものである。
本発明のリン酸塩蛍光体は、組成式Ba(Ti1−xZr)P(式中、xはZrの濃度であり、0<x≦0.15である)を有することを特徴とする。
このリン酸塩蛍光体は、xが0<x≦0.06であることが好ましい。
このリン酸塩蛍光体は、TiOの一部がZrOで置換された結晶構造を有することが好ましい。
本発明のリン酸塩蛍光体の製造方法は、
組成式Ba(Ti1−xZr)P(式中、xはZrの濃度であり、0<x≦0.15である)を有したリン酸塩蛍光体の製造方法であって、
Baを含む原料と、Tiを含む原料と、Pを含む原料と、Zrを含む原料と、を秤量し、混合する混合工程と、
混合物を粉砕する粉砕工程と、
大気雰囲気下かつ1000℃〜1150℃で前記混合物を焼成する焼成工程と、
を含み、かつ、
前記混合工程では、前記Baを含む原料と、前記Tiを含む原料と、前記Pを含む原料と、をそれぞれモル分率で2:1:2になるように秤量し、さらに前記Tiを含む原料の濃度に対して、Zrが前記濃度xとなるよう前記Zrを含む原料を秤量することを特徴とする。
本発明のリン酸塩蛍光体の製造方法は、
組成式Ba(Ti1−xZr)P(式中、xはZrの濃度であり、0<x≦0.15である)を有したリン酸塩蛍光体の製造方法であって、
BaとPとを等モル含む原料と、Tiを含む原料と、Zrを含む原料と、を秤量し、混合する混合工程と、
混合物を粉砕する粉砕工程と、
大気雰囲気下かつ1000℃〜1150℃で前記混合物を焼成する焼成工程と、
を含み、かつ、
前記混合工程では、前記BaとPとを等モル含む原料と、前記Tiを含む原料と、をそれぞれモル分率で2:1になるように秤量し、さらに前記Tiを含む原料の濃度に対して、Zrが前記濃度xとなるよう前記Zrを含む原料を秤量することを特徴とする。
上記製造方法においては、前記焼成工程前に、大気雰囲気下かつ550℃〜650℃で前記混合物を焼成する予備焼成工程をさらに含むことが好ましい。
上記製造方法においては、前記焼成工程の焼成温度が、1000℃〜1100℃であることが好ましい。
本発明の光源は、本発明のリン酸塩蛍光体を含み、かつ、200nm〜300nmの波長を有した紫外線を励起源にして前記蛍光体を励起すると、前記蛍光体は350nm〜750nmの波長を有した近紫外光から近赤外光までの光の発光を示すことを特徴とする。
本発明によれば、希土類元素を使用せずに、高い発光輝度と高い熱安定性を発揮するリン酸塩蛍光体及び光源を提供することが可能となる。すなわち、本発明のリン酸塩蛍光体は、Zrが固溶(ドープ)されているため、従来の同種の蛍光体(BaTiP)よりも高い発光強度で白色に発光する。
さらに、本発明のリン酸塩蛍光体は高い熱安定性を有するため、この蛍光体を製造する段階においては、より広範な焼成温度域での焼成が可能となる。従って、緻密な温度管理が通常困難な量産用の既存の焼成設備においても、蛍光特性の要求を十分に満足させる蛍光体の製造を容易に行うことが可能となる。ここで、熱安定性とは、Zrをドープしていない従来の同種の蛍光体は高温焼成の際に分解してしまうが、Zrをドープした本発明の蛍光体は高温焼成の際に分解しにくくなるということでの安定性を意味する。
既存のBaTiPの結晶構造を示した図である。 実施例1及び比較例1の各蛍光体についての粉末X線回折測定結果を示した図である。 実施例1及び比較例1の蛍光体についての蛍光特性を示した図である。 実施例2の各蛍光体についての粉末X線回折測定結果を示した図である。
以下、添付の図面を参照しながら下記の具体的な実施形態に基づき本発明を説明するが、本発明はこれらの実施形態に何等限定されるものではない。
(従来のリン酸塩蛍光体(BaTiP)について)
本発明の母体には、既存の材料(BaTiP)を利用している。しかしながら、この材料は、上述のようにチタン(Ti)が発光に寄与するであろうことが知られているものの、その結晶構造については今まで報告は無かった。つまり、Tiがどのような配位環境(TiOや、TiO、TiO等)で存在しているのかなどの詳細な事項については、不明であった。
(BaTiPの結晶構造について)
そこで、本発明者らは、この既存の材料(BaTiP)を実際に作製し、この作製物をX線回折評価(XRD)により観測し、リートベルト解析を行った。この結果、BaTiPは、図1に示すような結晶構造を有することが新たに判明した。つまり、図1に示すように、チタン(Ti)は酸素5配位を有する形(TiO)で存在することが分かる。
(本発明のリン酸塩蛍光体の組成について)
本発明のリン酸塩蛍光体は、組成式Ba(Ti1−xZr)Pを有することを特徴とする。
(ジルコニア(Zr)の濃度について)
ここで、上記式中のxはジルコニア(Zr)の濃度であり、0<x≦0.15である。なお、xの単位はモル%(mol%)である。とりわけ、Zrの濃度xは、発光強度の面から、好ましくは0<x≦0.06(6モル%以下)であり、さらに好ましくは、約0.05(0.045≦x≦0.055)である。なお、xをx=0に設定すれば、従来の蛍光体(BaTiP)になり、本発明の作用効果(発光強度や熱安定性の向上)を得られない。また、x>0.1の場合は、発光強度が低下することと、Zrが物理的にTiに固溶していかないこと等の理由に依る。
(本発明のリン酸塩蛍光体の結晶構造について)
さらに、本発明のリン酸塩蛍光体は、既存の材料(BaTiP)を母体として利用する。そして、図1に示したように、BaTiPの結晶構造が新たに判明した。従って、本発明の蛍光体は、TiOの一部がZrOで置換された結晶構造を有することが好ましい。
(本発明の製造方法)
組成式Ba(Ti1−xZr)P(式中、xはZrの濃度であり、0<x≦0.15である)を有した本発明のリン酸塩蛍光体の製造方法について、以下に説明する。
(出発原料)
先ず、出発原料である、Baを含む原料と、Pを含む原料と、Tiを含む原料と、Zrを含む原料とをそれぞれ所定量だけ秤量し、これらを混合する(混合工程)。
なお、Ba(バリウム)を含む原料としては、例えば、BaCO、Ba(NO、BaSOが挙げられる。P(リン)を含む原料としては、例えば、NHPO、(NHPO・3HOが挙げられる。Ti(チタン)を含む原料としては、例えば、TiOが挙げられる。Zrを含む原料としては、例えば、ZrO、Zr(SO・4HO、ZrO(NO・2HOが挙げられる。
また、以上の各出発原料は、別個の出発原料とは限らず、例えば、BaとPとを等モル含んでいる原料(例えば、BaHPO)を使用してもよい。
秤量の具体例として、例えば、BaCOと、TiOと、NHPOと、をそれぞれモル分率で2:1:2になるように秤量し、さらにTiOの濃度に対して、Zrが前記濃度xとなるようZrOを秤量する。
次に、これらの混合物をすり鉢その他の粉砕機によって粉砕する(粉砕工程)。この粉砕工程においては、湿式攪拌混合及び乾式攪拌混合のいずれの方法を用いてもよいが湿式撹拌混合が望ましい。
(焼成工程)
さらに、大気雰囲気下かつ摂氏1000℃〜1150℃で前記混合物を焼成する(焼成工程)。なお、焼成温度が1150℃を超えると、混合物が分解・溶融し始め、目的物が得られなくなるため望ましくない。一方、焼成温度が1000℃未満になると、未反応物が多く残存するとともに焼成に要する時間が長時間になるため望ましくない。
なお、前記焼成工程前に、大気雰囲気下かつ摂氏550℃〜650℃で前記混合物を焼成する予備焼成工程をさらに含むことが好ましい。このような予備焼成(仮焼)を行うことでリン酸等の原料の分解により発生するアンモニアガス等を放出させ、より均一に焼成することができるからである。
また、前記焼成工程の焼成温度が、摂氏1000℃〜1100℃であることがさらに好ましい。この理由は、後述の実施例2に示すように、この温度範囲で焼成すると、他の条件に比べ、目的物がより不純物が少なく得られるようになり、得られた目的物がより強い発光強度を示すからである。
(本発明の蛍光体の蛍光特性)
本発明のリン酸塩蛍光体は、波長200〜300nmの紫外線を励起源として、350〜750nmの波長を有した近紫外光から近赤外光までの光を発光(つまり白色に発光)する光源用の蛍光体として利用できる。光源としては、特定のものに限定されないが、蛍光管が好適である。なお、本発明の蛍光体を照射する励起源としては、特定のものに限定されないが、水銀ランプが好適である。
(実施例1の製造工程)
出発原料として、BaCO(関東化学株式会社製)、NHPO(関東化学株式会社製)、ルチル型TiO(株式会社豊島製作所製)をモル分率で2:1:2の割合で秤量し、TiOのTiの濃度に対してZrの濃度が5モル%(x=0.05)、10モル%(x=0.10)、15モル%(x=0.15)となるようZrO(TECNAN Ltd.)を秤量した。これらを乳鉢でアセトンによる湿式攪拌混合し、全体が均一となるように粉砕した。この粉砕物をペレット状に加圧成形した。このペレット状混合物をアルミナるつぼに入れて、電気炉で、大気雰囲気下、摂氏600℃で6時間焼成後、大気圧空気雰囲気下、摂氏1050℃で12時間焼成した。
以上の工程により作製された蛍光体を実施例1と呼ぶ。なお、ZrOを固溶せずに従来のBaTiPも作製した(これを比較例1と呼ぶ。)。実施例1及び比較例1で得られたサンプルに対して、粉末X線回折装置(マックサイエンス株式会社製、MX−Labo)での粉末X線回折測定と、分光蛍光光度計(日本分光株式会社製、FP−6500)での蛍光特性評価を行った。
(実施例1の粉末X線回折測定結果)
図2は、実施例1及び比較例1の蛍光体についての粉末X線回折測定結果を示す。なお、図2の下段から上段に向かって順に、粉末回折標準に関する合同委員会(Joint Committee on Powder Diffraction Standards (JCPDS))が公表するBaTiPに係る回折パターン、比較例1の蛍光体に係る回折パターン、実施例1の各濃度(x=0.05、x=0.10、x=0.15モル%)で作製された蛍光体に係る回折パターンとなっており、実施例1の各条件で、比較例1と同様の結晶構造が得られていることが推察される。
(実施例1の蛍光特性)
図3は、実施例1及び比較例1の蛍光体についての蛍光特性評価を示す。具体的には、Zr濃度がx=0.05の場合である実施例1のBa(Ti1−xZr)P及びZr濃度がx=0.05の場合である比較例1のBaTiPについて、紫外線254nmで励起した際の発光スペクトルと、発光波長490nmでの励起光のスペクトルとを示す。図3中の破線が励起スペクトルを示す一方、図3中の実線が発光スペクトルを示す。実施例1の蛍光体は、紫外線254nmで励起され、490nmを発光ピークとする非常に幅広なスペクトルを有した白色の発光を示した。また、実施例1の蛍光体は、比較例1の蛍光体に比べ、2割程高い発光強度を示した。
(焼成温度の影響)
次に、実施例2として、上述の実施例1の製造工程のうちZr濃度を一定(x=0.05又はx=0.10、つまり5モル%又は10モル%)にし、焼成温度のみを変更して、1000℃、1050℃、1100℃、1150℃に設定して蛍光体を作製した。
(実施例2 粉末X線回折測定結果)
図4は、各焼成温度で焼成した蛍光体(x=0.05)についての粉末X線回折測定結果を示した図である。なお、参考として、図4の最下段に、JCPDSが公表する従来のBaTiPの回折パターンを示す。いずれの温度条件で焼成した実施例2の蛍光体は、JCPDSの回折パターンと同様のピークを有しているが、1150℃の場合は最強のピークが表れる位置が異なっていることから若干分解が進んでいることが考えられる。
(実施例2 焼成の際の熱安定性の検討)
なお、ZrOを固溶させずに(つまり、x=0)に出発原料を混合し、上述した実施例2の各焼成温度で混合物を焼成した(比較例2と呼ぶ。)。この比較例2の焼成後の生成物との出来具合を確認し、実施例2の蛍光体の出来具合とを比較した。この比較した結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例2のZr濃度x=0.05の場合、1150℃で僅かに分解が進んでいたが、いずれの温度で焼成された生成物でも本発明の目的物質(単一の目的相)が得られた。また、実施例2のZr濃度x=0.10の場合、1100℃以上の温度条件で作製した生成物では、不純物相であるBaZr(POが僅かに確認された。また、x=0.05の場合と同様に、1150℃で僅かに分解が進んでいたが、蛍光体としての使用には支障とならない程度の分解であった。
これに対し、比較例2のZr濃度x=0の場合では、1100℃の条件の生成物では顕著な分解の進行が確認され、1150℃の条件で焼成すると、生成物は溶融した。これにより、実施例2の蛍光体は、比較例2の従来の蛍光体に比べ、製造段階(焼成段階)での熱安定性が向上していることがわかる。
以上のように、比較例2の蛍光体(従来のBaTiP)は、実施例2に比べ、適切な焼成温度範囲が狭く、これより高温度域になると分解し、ひいては溶融する。分解の進んだ生成物では、目的相(BaTiP)の量は減少し、発光強度が下がることも予測される。従って、実施例2の蛍光体のように焼成温度の範囲が広いことは、発光強度の面からも重要である。
本発明により製造されたリン酸塩系蛍光体は、例えば、蛍光管等の光源として利用することで、輝度が向上した白色光源を提供することできる。また、本発明によれば、希土類を一切使用しないため、安価な蛍光体及び光源を提供することが可能となる。従って、本発明は、産業上の利用価値及び利用可能性が非常に高い。

Claims (8)

  1. 組成式Ba(Ti1−xZr)P(式中、xはZrの濃度であり、0<x≦0.15である)を有することを特徴とするリン酸塩蛍光体。
  2. xが0<x≦0.06であることを特徴とする請求項1に記載のリン酸塩蛍光体。
  3. TiOの一部がZrOで置換された結晶構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のリン酸塩蛍光体。
  4. 組成式Ba(Ti1−xZr)P(式中、xはZrの濃度であり、0<x≦0.15である)を有したリン酸塩蛍光体の製造方法であって、
    Baを含む原料と、Tiを含む原料と、Pを含む原料と、Zrを含む原料と、を秤量し、混合する混合工程と、
    混合物を粉砕する粉砕工程と、
    大気雰囲気下かつ1000℃〜1150℃で前記混合物を焼成する焼成工程と、
    を含み、かつ、
    前記混合工程では、前記Baを含む原料と、前記Tiを含む原料と、前記Pを含む原料と、をそれぞれモル分率で2:1:2になるように秤量し、さらに前記Tiを含む原料の濃度に対して、Zrが前記濃度xとなるよう前記Zrを含む原料を秤量することを特徴とするリン酸塩蛍光体の製造方法。
  5. 組成式Ba(Ti1−xZr)P(式中、xはZrの濃度であり、0<x≦0.15である)を有したリン酸塩蛍光体の製造方法であって、
    BaとPとを等モル含む原料と、Tiを含む原料と、Zrを含む原料と、を秤量し、混合する混合工程と、
    混合物を粉砕する粉砕工程と、
    大気雰囲気下かつ1000℃〜1150℃で前記混合物を焼成する焼成工程と、
    を含み、かつ、
    前記混合工程では、前記BaとPとを等モル含む原料と、前記Tiを含む原料と、をそれぞれモル分率で2:1になるように秤量し、さらに前記Tiを含む原料の濃度に対して、Zrが前記濃度xとなるよう前記Zrを含む原料を秤量することを特徴とするリン酸塩蛍光体の製造方法。
  6. 前記焼成工程前に、大気雰囲気下かつ550℃〜650℃で前記混合物を焼成する予備焼成工程をさらに含むことを特徴とする請求項4又は5に記載のリン酸塩蛍光体の製造方法。
  7. 前記焼成工程の焼成温度が、1000℃〜1100℃であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のリン酸塩蛍光体の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のリン酸塩蛍光体を含み、かつ、200nm〜300nmの波長を有した紫外線を励起源にして前記蛍光体を励起すると、前記蛍光体は350nm〜750nmの波長を有した近紫外光から近赤外光までの光の発光を示すことを特徴とする光源。
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