JP2014172658A - 寿司用の包装用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】どのような向きに置いても、流し盛りすべき寿司の配置位置の目安が常に同じ位置に現れて、熟練されていない人でも、寿司の流し盛りを、短時間内で簡単に、しかも貫数の間違いがなく綺麗に行える寿司用の包装用容器を提供すること。
【解決手段】底面10aの各辺近傍に、各辺に対して同じ角度で傾斜し、最初の寿司20aを盛り付けるための目安になる第1リブ11を形成したこと。
【選択図】図1

Description

本発明は、寿司を「流し盛り」するための包装用容器に関し、特に、合成樹脂シートから熱成形した包装用容器に関するものである。
寿司は、寿司店に行って食することもあるが、「中食」と言われているような、家やパーティ会場に持ち帰って食する場合がある。寿司を持ち帰って食する場合には、持ち帰るための「容器」が必要になるが、この容器としては、寿司店に返却しなければならない「寿司桶」に代わって、近年では、使い捨てできる合成樹脂製の包装用容器が大量に使用されるようになってきている。
一方、寿司自体も、寿司職人が手で作るものよりも安価で大量に提供できることから、機械的に作られるものも多くなってきている。機械的に作られた寿司についても、これを上記包装用容器内に盛り付けるためには、人手に頼らざるを得ない。
ところで、複数の寿司を容器に盛る場合には、「流し盛り」という盛り方が採用される。「流し盛り」は、古来採用されていた「重ね盛り」とは異なって、寿司を上下に重ねないで川の流れのように平面的に盛り付ける方法であり、かつ、寿司の両側に指や箸が入れ易くなるように、食べる人に対して「斜め」に盛るものである。
このような「流し盛り」を、寿司製造装置から次々と出てくる大量の寿司について、しかも寿司用の包装用容器に対して短時間内で行おうとすると、ある程度の熟練が必要である。このため、寿司を流し盛りするための包装用容器には、工夫が必要になってくるのである。
寿司を収納するための包装用容器としては、例えば特許文献1や特許文献2等において、既に種々なものが提案されてきている。
実開平4−22874号公報、第2図 特開平11−70930号公報、要約
特許文献1にて提案されている「プラスチック製寿司桶」は、図11に示すように、「プラスチック製の寿司桶の内側に、盛り付ける寿司を仕切るための複数本の直線状の突条が所定の間隔をおいて突設されている」ものである。この特許文献1の「プラスチック製寿司桶」は、図11からすると外形が円形であるから、見た目では全体の方向性はないが、盛り付ける寿司を仕切るための突条を利用して寿司を綺麗に盛り付けようとすると、俄然、方向性が出てきて、当該「プラスチック製寿司桶」を突条が利用できるように設置しなければならない。
まして、この特許文献1の「プラスチック製寿司桶」によって、寿司を流し盛りしようとすると、「寿司を仕切るための複数本の直線状の突条」が却って盛り付け作業を困難にすると考えられる。何故なら、盛り付け作業者の熟練度や癖によって、「プラスチック製寿司桶」自体の設置方向が異なり、この設置方向と「複数本の直線状の突条」の方向とは異なることもあって、「プラスチック製寿司桶」自体の設置方向を修正する作業が必要になるからである。
また、特許文献2の「包装用容器およびその製造方法」は、「寿司やみたらし団子など醤油やタレ等の液状物を必要とするものを収納するのに好適な包装用容器とその製造方法を提供すること」を目的としてなされたもので、図12にも示すように、「四角形の板状体の四隅を切り落し、且つ足刳り部を形成した四隅間の側壁13を起上して側壁端部13′どうしを融着接合した容器であって、側壁上端から少し下げた中央位置を底面とする収納用凹部を形成し、この収納用凹部11には小区画12を形成する凹部または凸部を一体に形成」したものである。
この特許文献2の「包装用容器」は、小区画12を利用して醤油やタレ等の液状物を収納することはできるかもしれないが、寿司の「流し盛り」を考慮していないため、流し盛り作業を短時間内で大量に行うには熟練を要すると思われる。
いずれにしても、寿司製造装置から大量に出てくる寿司を、規定の包装用容器に短時間内で流し盛りしようとすると、まず、作業がし易いように容器全体の位置を決めてから、容器の底面上に順に寿司を並べていかなくてはならないが、従来の容器では、当該容器の位置決めに時間が掛かると考えられるのである。
特に、スーパーマーケットのような大型店舗で寿司を大量に販売しようとする場合、規定の容器に収納されるべき寿司の貫数(通常、握り寿司2個で一貫であるが、以下では、握り寿司1個が一貫であるとして説明する)は当然に決められているのであるから、貫数自体に間違いがあってはならないし、容器毎に見栄えが異なっていてもよくない。そして、重要なことは、スーパーマーケットのような大型店舗等のバックヤードで寿司を流し盛りする作業者は、専門の寿司職人ではないことが多い実状にあるため、このような熟練されていない人でも、貫数の間違いがなくて綺麗な流し盛りが短時間内で行えるような容器が求められているのである。
そこで、本発明者等は、熟練されていない人でも、寿司の流し盛りが簡単にかつ綺麗に行えるような容器とするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
すなわち、本発明の目的とするところは、どのような向きに置いても、流し盛りすべき寿司の配置位置の目安が常に同じ位置に現れて、熟練されていない人でも、寿司の流し盛りを、短時間内で簡単に、しかも貫数の間違いがなく綺麗に行える寿司用の包装用容器を提供することにある。
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「平面視正多角形状の底面10aに、複数の寿司20を流し盛りするための包装用容器10において、
底面10aの各辺近傍に、各辺に対して同じ角度θで傾斜し、最初の寿司20aを盛り付けるための目安になる第1リブ11を形成したことを特徴とする寿司20用の包装用容器10」
である。
本発明に係る包装用容器10は、合成樹脂シートから熱成形によって形成したものであり、図1〜図5に示すように、寿司20が載置されるべき底面10aの全周囲に立ち上げ壁16が連続していて、この寿司20によって寿司20の収納部が形成されている。また、寿司20の上端全周にはフランジ17が一体化されていて、このフランジ17によって当該包装用容器10が必要としている剛性の一部を確保するとともに、当該包装用容器10に対して嵌合される蓋体30の載置場所が確保されている。
また、本発明に係る包装用容器10は、その底面10aが正多角形をなしていることを前提とするものであるが、この場合の正多角形とは、図6の(a)及び(b)に示すように、例えば正四角形の角となっている部分について、弧や直線で「角取り」されたものも含むものである。勿論、底面10aが正多角形をなしているということは、この底面10aの周囲に、正多角形の角数に応じた数の「辺」があるということであり、これらの辺が正多角形を形成しているということである。
さらに、底面10aが正多角形をなしているという前提は、包装用容器10自体の外形を形作っているフランジ17、及びこのフランジ17と底面10aとの間にある立ち上げ壁16がどのような形状になっているか、つまり、包装用容器10自体の外形がどのようになっているかを問わない、という意味でもある。例えば、底面10aが正三角形や正四角形であって、包装用容器10の外形が円や楕円である場合も、本発明の対象となるものである。
この請求項1に係る包装用容器10においては、例えば図1及び図2に示すように、底面10aの各辺近傍に、各辺に対して同じ角度θで傾斜し、最初の寿司20を盛り付けるための目安になる第1リブ11が形成してある。この第1リブ11は、盛り付け作業者が寿司20を盛り付ける場合に利用する目安となるものであるから、底面10aに対して凸になっていても凹になっていてもよく、また、幅や長さは制限されないが、方向性をも示す意味でできるだけ直線状になっていた方が好ましい。
なお、この第1リブ11の表面に細かい凹凸を形成して光を乱反射させるようにすると、底面10a内面の他の部分が光ったときに、この光の中に当該第1リブ11が浮き上がるということになるから、目安とし易いことになる。
以上のように構成した包装用容器10について、その底面10a上に寿司20を流し盛りして行く作業を、底面10aが正四角形である場合について順を追って説明すると、次の通りである。まず、多数の寿司20が順次送り出されてくる、例えば寿司製造装置の排出口、あるいはコンベアベルトの近くに、多数積み重ねられた包装用容器10が置かれているから、作業者はその内の一つを取って作業台上の作業し易い箇所に置く。
この包装用容器10を作業台上に置く場合に、一般的に「右利き」である作業者は、底面10aの一つの辺が、作業者から見て上側で水平になるようにする。何故なら、複数の寿司20を順に並べるには、一番上の列の左奥から始め、この一番上の列が終われば、直ぐ下側の列に移ってまた左奥から始めるのが自然だからである。底面10aの一つの辺が作業者から見て上側で水平になるように包装用容器10を配置すると、この辺の近傍に、当該辺に対して角度θで傾斜した状態の第1リブ11が必ず現れる。この第1リブ11の出現位置と傾斜角度θは、底面10aの一つの辺が上側で水平になるようにするという条件を満たせば、包装用容器10をどの辺を上側にして作業台上に置こうと、常に同じである。
換言すると、作業者が盛り付けし易いように、底面10aの一つの辺が上側で水平になるように包装用容器10を配置すると、盛り付け作業を始める位置に必ず第1リブ11が出現する。この第1リブ11は、これの近傍にある辺に対して同じ角度θで傾斜しているから、この第1リブ11に沿って、つまり第1リブ11を目安にして寿司20を配置すれば、最初の寿司20aは必ず「流し盛り」に必要な角度で斜め載置がなされることになる。
最初の寿司20aが必ず「流し盛り」に必要な角度で斜め載置されれば、図2にも示すように、この最初の寿司20aの載置状態自体や、上側で水平にした辺を、次の寿司20bを流し盛りするための「目安」とすることで、作業者は、この最初の寿司20aを目安としてその右隣に次の寿司20bを流し盛りに合った状態に載置することが簡単にできる。勿論、下側の列に載置作業が移れば、最初の寿司20a等の載置状態やこれらが形成している列状態自体が、次の列での寿司20を流し盛りするための「目安」となることは言うまでもない。
そして、第1リブ11を目安として流し盛りをして行けば、各寿司20が寿司製造装置で略同じ大きさに形成されていることもあって、流し盛り完了後の寿司20の総数は常に一定となり、当該包装用容器10に収納すべき寿司20の貫数に間違いが発生することはない。
以上の結果、底面10aの一つの辺が上側で水平になるようにするという条件(これは自然な作業である)さえ満たせば、包装用容器10の配置がどのようであっても、また、正多角形である底面10aの角数がどのようであっても、最初の寿司20aを載置すべき位置が常に同じ位置に現れる第1リブ11によって示されることになり、熟練を有しない作業者であっても、寿司20の流し盛りが綺麗に行えることになるのである。
従って、この請求項1に係る包装用容器10は、どのような向きに置いても、流し盛りすべき寿司20の配置位置の目安が常に同じ位置に現れて、熟練されていない人でも、寿司20の流し盛りを、短時間内で簡単に、しかも貫数の間違いがなく綺麗に行えるものとなっているのである。
上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載の寿司20用の包装用容器10について、
「第1リブ11を目安にして盛り付けた最初の寿司20aの右隣に次の寿司20bを盛り付けるために、底面10aに、第1リブ11に対して平行または直角で傾斜する第2リブ12を形成したこと」
である。
この請求項2に係る包装用容器10では、図3に示すように、底面10aに、第1リブ11に対して平行または直角で傾斜する第2リブ12を形成したものであるが、この第2リブ12は、第1リブ11を目安にして盛り付けた最初の寿司20aの右隣に、次の寿司20bを盛り付ける際の目安となるものである。
まず、図3に示す例では、底面10aが正四角形であり、横1列について3貫の寿司20を載置し、この横列を上下3つにするもので、合計9貫の寿司20を収納するものであるが、この場合を中心に以下の説明をすすめて行く。勿論、この包装用容器10において、底面10aの各辺近傍に、各辺に対して同じ角度θで傾斜し、最初の寿司20aを盛り付けるための目安になる第1リブ11が形成されていることは言うまでもない。
各第2リブ12は、第1リブ11に対して平行または直角で傾斜する必要があるが、その理由は各寿司20の形状にある。各寿司20は、「寿司飯」の上に種々な形状の「ネタ」を載せて形成されるものであり、「寿司飯」の方は、略長方形状の一定の形状に形成されるが、「ネタ」の方は、「寿司飯」からはみ出るような大きさで、形も一定しないものが多い。従って、各第2リブ12を目安にして底面10a上に載置する場合、寿司20側のどの部分を第2リブ12に合わせればよいか迷う場合がある。
前述したように、複数の寿司20を流し盛りするには、最初に図3の図示上側で左奥となっている第1リブ11を目安として最初の寿司20aが載置されるが、次の寿司20bは、この最初の寿司20aの図示右隣にこれと平行に配置されるべきである。そこで、第2リブ12が第1リブ11と平行に形成されていて、これが「ネタ」に邪魔されることなく見えるであれば、この第2リブ12が次の寿司20bを最初の寿司20aと平行に載置するための目安となるのである。
一方、図7に示す例のように、次の寿司20bを最初の寿司20aと平行に載置するにあたって、寿司20のネタは複雑形状であるが寿司飯の方は「長方形」であることがはっきり分かる場合であって、その載置すべき位置を示す目安としての第2リブ12が第1リブ11に対して直角になっていれば、これに次の寿司20bを構成している寿司飯の下側短辺を合わせれば、次の寿司20bを最初の寿司20aと平行に載置することが容易に行えることになる。これが、第1リブ11に対して直角で傾斜する第2リブ12を形成する場合の理由である。勿論、これらの第2リブ12は、寿司20bの寿司飯のみを目安とするものに限定されるのではなく、例えば、ネタの切り口が直線状である場合、このネタの直線の部分を第2リブ12による目安と合わせればよい。寿司飯とネタのどちらを目安に合わせるかは、作業者がその都度適宜選択すればよい。
なお、底面10aが正四角形で、寿司20が3行3列になる上記の例では、第1リブ11に平行に隣接する第2リブ12の数は「1」であったが、横一列における寿司20の数が、4、5、6…と増加していけば、第2リブ12の数も、2、3、4…と増加可能なことは言うまでもない。
従って、この請求項2に係る包装用容器10は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮する他、最初の寿司20aの隣に次の寿司20bを流し盛りするための目安を第2リブ12によって得ることができるものとなっているのである。
また、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または請求項2に記載の寿司20用の包装用容器10について、
「底面10aが、平面視正方形であること」
である。
この請求項3の包装用容器10では、図1〜図5に示すように、底面10aの形状を平面視正方形、つまり正四角形にしたものであるが、このようにすれば、請求項1の説明で述べた、底面10aの一つの辺が上側で水平になるように包装用容器10を配置する、という条件をさらに簡単にクリアできる。
何故なら、例えば作業台上に包装用容器10を当接させるための桟を作業者に対して平行となるようにしておき、この桟に当接させるように包装用容器10を作業台上に載置すれば、当然に、底面10aの一つの辺が上側で水平になるからである。
従って、この請求項3に係る包装用容器10は、上記請求項1または2のそれと同様な機能を発揮する他、底面10aの一つの辺を上側で簡単に水平し得るものとなっている。
さらに、上記課題を解決するために、請求項4に係る発明の採った手段は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の寿司20用の包装用容器10について、
「底面10aに、その各辺と平行で、各寿司20の配置範囲を画定する第3リブ13を形成したこと」
である。
この請求項4の包装用容器10では、図4及び図5に示すように、底面10aに、その各辺と平行な第3リブ13を形成したものであるが、この第3リブ13によって各寿司20の配置範囲が画定されることになって、この第3リブ13を流し盛り作業時に利用すれば、作業が捗ることになる。つまり、どの包装用容器10を取っても、均質で綺麗な流し盛りができることになるのである。
この第3リブ13は、各寿司20の配置範囲を画定するものであるから、形状や大きさ、あるいは凹にするか凸にするかについて、殆ど制限がないものである。勿論、これらの第3リブ13については、上述した第1リブ11のように、直線状にするのが最も好ましいものであり、また、光を乱反射させる加工をして実施してもよい。
従って、この請求項4に係る包装用容器10は、上記請求項1〜請求項3のいずれかの寿司20用の包装用容器10と同様な機能を発揮する他、寿司20の載置をより一層綺麗にかつ正確に行えるものとなっているのである。
以上、説明した通り、本発明においては、
「平面視正多角形状の底面10aに、複数の寿司20を流し盛りするための包装用容器10において、
底面10aの各辺近傍に、各辺に対して同じ角度θで傾斜し、最初の寿司20aを盛り付けるための目安になる第1リブ11を形成したこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、どのような向きに置いても、流し盛りすべき寿司20の配置位置の目安が常に同じ位置に現れて、熟練されていない人でも、寿司20の流し盛りを、短時間内で簡単に、しかも貫数の間違いがなく綺麗に行える寿司20用の包装用容器10を提供することができるのである。
本願の請求項1に係る発明を説明するためのクレーム対応図である。 同請求項1に係る発明を説明するための、寿司20を流し盛りしたときのクレーム対応図である。 同請求項2に係る発明を説明するためのクレーム対応図である。 同請求項4に係る発明を説明するためのクレーム対応図である。 本発明の実施例に係る包装用容器10を示すもので、(a)は平面図、(b)は寿司20を4貫だけ配置したときの斜視図である。 本発明で述べている正多角形を説明するもので、(a)は底面10aの角部の少しが直線になった場合の平面図、(b)は底面10aの角部の少しが円弧になった場合の平面図である。 同包装用容器10の底面10aを正五角形にした場合の平面図である。 同包装用容器10に蓋体30を嵌合したときの正面図である。 底面10aが正四角形でない場合の、第1リブ11、第2リブ12、第3リブ13、及び第4リブ14の位置関係を示すもので、(a)は底面10aが正五角形である場合の平面図、(b)は底面10aが正六角形である場合の平面図である。 底面10aが正四角形でない場合の、第1リブ11、第2リブ12、第3リブ13、及び第4リブ14の位置関係を示すもので、(a)は底面10aが正七角形である場合の平面図、(b)は底面10aが正八角形である場合の平面図である。 特許文献1に示された技術を示す平面図である。 特許文献2に示された技術を示す斜視図である。
次に、上記のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した実施の形態である包装用容器10について説明すると、図5には本発明の第1実施例に係る包装用容器10が、図7には本発明の第2実施例に係る包装用容器10が示してある。これら各実施例に係る包装用容器10は、種々な材料からなるシートをシート成形して軽量性及び経済性に優れたものとしたものであり、シートとしては合成樹脂シートが好ましい。この合成樹脂シートの材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリスチレンであることが好ましい。
(第1実施例)
図5の(a)には、本発明の第1実施例に係る包装用容器10の平面図が示してあるが、この包装用容器10は、その底面10aを平面視「正四角形」としたものであり、この底面10aの周囲には、図8に示したように、立ち上げ壁16及びフランジ17が順に形成してある。特に、フランジ17については、包装用容器10の平面視外形を形成するものであるが、本実施例ではこのフランジ17についても平面視「正四角形」としたものである。なお、このフランジ17や立ち上げ壁16には、図8に示したように、蓋体30が嵌合されることがある。
この包装用容器10の底面10aは、平面視「正四角形」つまり正方形であるが、この場合の正四角形とは、図6の(a)及び(b)に示したように、正四角形の角となっている部分について、弧や直線で「角取り」されたものも含んでいる。また、本実施形態の包装用容器10は、図2、図4、及び図5の(b)にも示したように、正四角形の底面10a上に対して、横1列について3貫の寿司20を載置し、この横列を上下3つにするもので、合計9貫の寿司20が載置できるようにしたものである。尚、寿司20の大きさは、ネタの大きさが平面視で縦60〜80mm、横25〜35mmの範囲内のもの、寿司飯の大きさが平面視で縦49〜68mm、横21〜36mmの範囲内のものを想定している。
この底面10aには、当該包装用容器10をシート成形する際に、第1リブ11、第2リブ12、第3リブ13、及び第4リブ14が、直線状のものとして同時成形される。これらの第1リブ11、第2リブ12、第3リブ13、及び第4リブ14は、底面10aに対して凸になっていても凹になっていてもよく、また、幅や長さは制限されないが、本実施形態では、底面10aに対して凸となるものである。本実施形態における第1リブ11及び第2リブ12は、10mmの同じ長さで、幅も2mmと同じにしてあり、各辺に対して45°で傾斜させてある。第3リブ13については、幅は3mmで長さが28mmであり、各辺に対して平行となるように形成して、所謂「碁盤の目」となるようにしてある。第4リブ14については、長さが5mmと、各リブの中で最も短いものである。
特に、本実施形態の包装用容器10では、その底面10aが平面視正方形のものであるから、各角においてその二等分線15を考えたとき、この二等分線15の、両側の各辺に対する角度は、45°となる。つまり、この二等分線15の、上側に配置した辺に対する角度θも45°となるのであるが、この角度45°は複数の寿司20を「流し盛り」する際の傾斜角度とするのに適した角度である。勿論、角度θは45°に限定されることはなく、流し盛りが可能な角度で傾斜していればよい。さらにその角度θが30°〜60°の範囲内であれば、「流し盛り」が行い易くなり、食べる人にとっても寿司20を手に取り易くなるため、望ましい。
そこで、本実施形態の包装用容器10においては、図5に示したように、第1リブ11及び第2リブ12を、底面10aの各二等分線15の線対称位置に互いに平行となるように形成することによって、例えば図5の左上に位置する第1リブ11は、その近傍の辺に対して角度45°で傾斜し、図4に示した左奥の寿司20aを盛り付けるための目安になるし、この第1リブ11に対して平行となる第2リブ12は、左奥の寿司20aの右隣に次の寿司20bを盛り付けるための目安となるようにしてある。
換言すれば、底面10aの各二等分線15の線対称位置に互いに平行となるように形成した第1リブ11及び第2リブ12は、その傾斜方向が寿司20を斜め配置、つまり、「流し盛り」するための傾斜方向を示し、これら第1リブ11及び第2リブ12の間が寿司20の載置場所を示している。また、第1リブ11と平行でこれに隣接している第2リブ12は、次の寿司20bを盛り付けるための目安となっているものでもある。
本実施形態の包装用容器10は、縦横3貫づつ、合計9貫の寿司20を載置するものであるから、各第1リブ11と平行でこれに隣接している第2リブ12の隣に、これと平行に、かつ寿司20の幅をおいて2本目の第2リブ12が形成してある。この2本目の第2リブ12の右隣には、次の角のための第1リブ11が形成してある。
各第3リブ13は、各辺に対して平行とすることで「碁盤の目」を形成しており、図4に示したように、これらの第3リブ13を形成した底面10aが縦横3貫づつ、合計9貫の寿司20を載置するものであることを示している。つまり、これらの第3リブ13は、ネタの形状が複雑であることによって寿司20の形が特定されない場合を想定して、各寿司20の大まかな載置場所を示すものである。さらに、各第3リブ13を基準にして寿司20を並べた場合、横(又は縦)方向の寿司の位置が整列され、見た目美しく寿司を載置出来る。尚、各第3リブ13は各辺に対して平行であり、さらに第1リブ11や、第2リブ12と異なる長さで形成されているので、作業者がこれらのリブと第3リブ13をはっきりと区別可能とし、各リブを混同して迷うことなく寿司20の流し盛りが行えるのである。
各第4リブ14は、寿司20が底面10a上に整然と盛り付けて載置されたとき、包装用容器10に振動や揺れが加わった時でも、寿司20が動いて盛り付けが崩れるのを防止するものである。換言すれば、これらの第4リブ14は、直線状である必要はなく、寿司20の盛り付けが崩れにくくなるように考慮した点状のものであってもよい。尚、各第4リブ14は、第1リブ11や、第2リブ12、第3リブ13と異なる長さや角度で形成されているので、作業者がこれらの第4リブ14と他のリブとをはっきり区別できる。勿論、各リブは異なる長さや形状のものであるから、作業者は、これらのリブを混同することはなく、迷うことなく寿司20の流し盛りが行えるのである。
(第2実施例)
図7には、第2実施形態に係る包装用容器10を構成する底面10aの平面が示してある。この底面10aの平面視形状は、正五角形であり、図9の(a)に示したような、各辺に対して寿司20を流し盛りすることを想定したものである。寿司20を各辺に沿って流し盛りすることは、大勢の人が当該包装用容器10を囲んで寿司20を食する場合を想定したものであり、例えば図9の(b)に示したような二等分線15で囲まれた部分にある寿司20が一人分であることが人目で分かるようにしたものである。
さて、この第2実施形態の包装用容器10では、底面10aに形成した各第1リブ11が、各辺に対して同じ角度θで傾斜し、最初の寿司20aを盛り付けるための目安になることは、上述した第1実施例と同じであるが、第1リブ11を目安にして盛り付けた最初の寿司20aの右隣に次の寿司20bを盛り付けるための各第2リブ12が、第1リブ11に対して直角で傾斜するものとした点が上記第1実施例の場合と異なるものである。
各第1リブ11に対して直角に設けた第2リブ12は、図7に示したように、次の寿司20bにおける寿司飯の下側短辺を配置するための目安となるものである。寿司20は、例えば『大トロ』『エビ』『あなご』の場合、その平面視形状がそのネタによって一定形状にはならないことや、ネタが他の寿司よりも極端に大きい場合があるが、寿司飯の方は、寿司製造装置によって作られるため、略一定の長方形状となることが多い。もし、第2リブ12が第1リブ11と平行に形成したものであると、複雑形状の寿司20の何処を第2リブ12に合わせれば良いか迷うことになるが、第1リブ11と直交した第2リブ12が、次の寿司20bにおける寿司飯の下側短辺を配置するための目安であることが明瞭であれば、迷うことなく寿司20の流し盛りが行えるのである。勿論、前述の通り、寿司20bのネタの切り口等と第2リブ12を合わせて目安にし、流し盛りを行うことも可能である事は言うまでもない。
勿論、この第2実施例に係る包装用容器10においても、例えば図9の(a)に示したように、上記第1実施例で述べた第3リブ13や第4リブ14を形成して実施してもよいことは言うまでもない。
(その他の実施例)
図9の(b)には平面視正六角形の底面10aが例示してある。また、図10の(a)または(b)には、平面視正七角形または平面視正八角形の底面10aが、それぞれ例示してある。これらの例示した底面10aには、図示したように、第1リブ11、第2リブ12、第3リブ13、及び第4リブ14が形成されるが、これら第1リブ11、第2リブ12、第3リブ13、及び第4リブ14の配置は、さらに自由に変更される。
10 包装用容器
10a 底面
11 第1リブ
12 第2リブ
13 第3リブ
14 第4リブ
15 二等分線
16 立ち上げ壁
17 フランジ
20・20a・20b 寿司
30 蓋体
θ (傾斜)角度

Claims (4)

  1. 平面視正多角形状の底面に、複数の寿司を流し盛りするための包装用容器において、
    前記底面の各辺近傍に、各辺に対して同じ角度θで傾斜し、最初の寿司を盛り付けるための目安になる第1リブを形成したことを特徴とする寿司用の包装用容器。
  2. 前記第1リブを目安にして盛り付けた最初の寿司の右隣に次の寿司を盛り付けるために、前記底面に、第1リブに対して平行または直角で傾斜する第2リブを形成したことを特徴とする請求項1に記載の寿司用の包装用容器。
  3. 前記底面が、平面視正方形であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の寿司用の包装用容器。
  4. 前記底面に、その各辺と平行で、前記各寿司の配置範囲を画定する第3リブを形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の寿司用の包装用容器。
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