JP2014172069A - レーザ加工装置、レーザ加工条件設定装置、レーザ加工方法、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器 - Google Patents

レーザ加工装置、レーザ加工条件設定装置、レーザ加工方法、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器 Download PDF

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Abstract

【課題】一次元コードの印字等の加工の品質の低下を防ぎつつ、より高速な搬送ラインに追従させた移動加工を可能とする。
【解決手段】一次元コード及び二次元コードについて、それぞれが加工対象物WKの移動方向と略直交する方向においてオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するための加工条件設定部3Cと、加工条件設定部3Cで設定された二次元コードの加工ブロックについて、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割するためのサブブロック分割部80Aと、サブブロック分割部80Aでそれぞれ分割された複数のサブブロックについて、二次元コードについては、加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工され、一次元コードについては、加工ブロック単位で加工されるように、加工順を決定する加工順決定部80Bを備える。
【選択図】図41

Description

本発明は、レーザマーキング装置等、レーザ光を加工対象物に照射して印字等の加工を行うレーザ加工装置において加工条件を設定するレーザ加工装置、レーザ加工条件設定装置、レーザ加工方法、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器に関する。
レーザ加工装置は、レーザ光を所定の領域内において走査して、部品や製品等の加工対象物(ワーク)の表面に対しレーザ光を照射して印字やマーキング等の加工を行う。このようなレーザ加工に際しては、印字品質の低下を防ぐ観点から移動対象物であるワークが静止している状態で印字することが好ましい。例えば、ワークをコンベア等で搬送する場合であっても、印字の際に一旦ワーク(コンベア等)を停止させることが好ましい。しかし、印字の度に一旦ワークを停止させなければならないとなると、タクトタイムが長くなる。そこで、ワークがレーザ加工装置の印字エリア(印字可能エリア)を移動していく間に、ワークに追従しながら印字する、移動印字と呼ばれる印字方法が知られている。この方法であれば、ワークを一旦停止させずにレーザ加工できることから、タクトタイムが短縮され、効率的な印字が実現される。
このような移動印字においては、一般に、移動するワークのうち加工パターンを印字するべき部分が印字エリアに完全に入ったとき、その加工パターンの印字が開始される。例えば加工パターンが「ABC」の3文字からなる場合には、加工対象となるワークのうち「ABC」を印字すべき部分が印字エリアに完全に入ったとき、加工パターン「ABC」の印字が開始される。
ここで、複数の文字から構成される加工パターンをワークに印字する際に、個々の文字をマーキング単位として認識するとともに、移動するワークのうちそのマーキング単位を印字するべき部分が印字エリアに入ったとき、そのマーキング単位の印字を開始する技術が知られている(例えば特許文献1)。例えば加工パターンが「ABC」の3文字からなる場合に、「A」を印字すべき部分が印字エリアに入ると「A」の印字が行われ、「B」を印字すべき部分が印字エリアに入ると「B」の印字が行われ、「C」を印字すべき部分が印字エリアに入ると「C」の印字が行われる、といった具合である。このように、複数の文字のみから構成される加工パターンをワークに印字する際に、それぞれの文字を印字すべきワーク部分が印字エリアに侵入するごとに、移動印字を行う技術が知られている。
ところで、ワーク表面に印字される加工パターンの中には、GS1データバーと呼ばれる標準バーコードシンボルがある。GS1データバーとは、流通システム分野の国際的な標準化団体(GS1)によって制定された標準バーコードシンボルの一つであって、医薬品業界で薬品の識別等に用いられる。GS1データバーには幾つか種類があるが、例えば、一次元コードの真上に二次元コードが配置され、且つ、一次元コードの真下及び二次元コードの真上のそれぞれに各コードに対応する複数の数字が配置されたものが知られている。すなわち、複数の数字からなる文字列並びに一次元コード及び二次元コードが混在したGS1データバーが知られている。このGS1データバーは、上述したように薬品の識別等に用いられ、高い印字品質が求められることから、通常は、ワーク(コンベア等)を一旦静止させて静止印字する。しかしながら、ワークを一旦静止させると、その分だけタクトタイムが長くなる。そこで、上述したように、タクトタイムの短縮を目的として、ワークを一旦静止させずに移動中のワークに対して直接印字する、いわゆる移動印字の技術を用いることが考えられる。
より具体的に説明すると、個々の文字で意味をなす文字列については、各文字をマーキング単位として、それぞれの文字を印字すべきワーク部分が印字エリアに侵入するごとに移動印字を行う一方、コード全体で意味をなす一次元コード及び二次元コードについては、それぞれコード全体を印字すべきワーク部分が印字エリアに侵入したら移動印字を行う、というものである。この場合、一次元コードや二次元コード全体を印字すべきワーク部分が印字エリアに侵入する前に、文字列を構成する個々の文字の印字が開始されるため、そのワーク部分が印字エリアに侵入したときには、全ての文字又は大半の文字の印字が完了しており、その結果、タクトタイムが短縮される。
特開2005−288489号公報
しかしながら、GS1データバーをワークに印字する際に、タクトタイムの更なる短縮化が要請される場合がある。すなわち、ワークの移動速度(コンベアによる搬送速度)を更に上げたい場合があり、この場合の対応策としては、例えば、レーザ光を走査するスキャナの走査速度を速くする手法が考えられる。しかし、スキャナの走査速度が一定速度以上になると、印字される文字が薄くなって印字品質が低下するという問題がある。
このような問題は、必ずしも文字列並びに一次元コード及び二次元コードが混在したGS1データバーに限られず、例えば、文字列を有しておらず一次元コードと二次元コードのみが上下に配置されたデータバーや、一次元コードの下に文字列が配置された通常のバーコードなどにおいても生じ得る。
そこで、文字列や一次元コードが重複して配置されているときには、文字列や一次元コードのすべてが印字エリアに入りきるまで待つことなく、文字やシンボルを分割することで、分割されたサブブロック単位で印字することが考えられる。この方法であれば、文字列や一次元コードの全体が印字エリアに入る前に印字を開始できるため、効率よく印字できる。
しかしながら、一方でこのような印字方法では、文字→バー→文字→・・・のような印字順番になるため、スキャナにより複雑な動作司令を与える必要がある。このため、一次元コードではスキャナの走査軌跡が蛇行する結果、直線部分ががたついたり、位置ずれが起こる原因となる等、印字品質が低下するという問題があった。
本発明は、従来のこのような問題点を解決するために成されたものである。本発明の主な目的は、一次元コードの印字等の加工の品質の低下を防ぎつつ、より高速な搬送ラインに追従させて加工することを可能としたレーザ加工装置、レーザ加工条件設定装置、レーザ加工方法、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の目的を達成するために、第1発明に係るレーザ加工装置によれば、レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ光による加工を行うレーザ加工装置において、レーザ光を発生させるためのレーザ光発生部と、前記レーザ光発生部で発生させたレーザ光を二次元状に走査させるためのレーザ光走査部と、加工面に加工する加工パターンとして、一次元コード及び二次元コードについて、それぞれが加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するための加工条件設定部と、前記加工条件設定部で設定された二次元コードの加工ブロックについて、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割するためのサブブロック分割部と、二次元コードについては、前記サブブロック分割部でそれぞれ分割された複数のサブブロックについて、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定する一方、一次元コードについては、二次元コードの加工後又は加工前に、加工ブロック単位で加工されるように、加工順を決定する加工順決定部と、前記加工条件設定部で設定された加工パターン、及び前記加工順決定部で決定された加工順に基づいて、前記レーザ光走査部でもってレーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成するための展開情報生成部と、前記展開情報生成部で生成された展開情報に基づいて、前記レーザ光発生部及びレーザ光走査部を制御するための走査制御部とを備えることができる。上記構成により、二次元コードについてはサブブロック化することで、その分だけより高速なラインに追従できる。その一方で一次元コードについてはサブブロック化しないことで、一次元コードの加工時にスキャナの動きが単調になる結果、蛇行や位置ずれ等を抑制して加工品質を高めることができる。
また第2発明に係るレーザ加工装置によれば、前記加工順決定部が、一次元コードの加工順について、加工エリア内に加工ブロックが進入するタイミングでもって、加工順を決定することができる。上記構成により、一次元コードの加工ブロック全体が、加工エリア内に進入したことを契機として、加工を開始するよう制御できる。
さらに第3発明に係るレーザ加工装置によれば、前記加工順決定部が、一次元コードを、二次元コードの加工後に、加工ブロック単位で加工するよう、加工順を決定することができる。
さらにまた第4発明に係るレーザ加工装置によれば、前記加工条件設定部は、加工面に加工する加工パターンとして、文字列を含み、前記サブブロック分割部は、前記加工条件設定部で設定された文字列の加工ブロックについて、文字単位を基準としてサブブロックに分割し、前記加工順決定部が、前記サブブロック分割部でそれぞれ分割された複数のサブブロックについて、二次元コード及び文字列については、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定することができる。
さらにまた第5発明に係るレーザ加工装置によれば、前記加工条件設定部で設定された文字列を、一次元コード又は二次元コードにエンコードされた情報と関連付けることができる。
さらにまた第6発明に係るレーザ加工装置によれば、前記加工条件設定部で設定された文字列が、一次元コード又は二次元コードにエンコードされた情報を文字化したヒューマンリーダブル文字の文字列とすることができる。上記構成により、ヒューマンリーダブル文字によってシンボルにエンコードされた情報を目視により確認できる。
さらにまた第7発明に係るレーザ加工装置によれば、前記加工条件設定部は、前記一次元コード又は二次元コードが設定された加工ブロックを参照して、該一次元コード又は二次元コードに対応するヒューマンリーダブル文字列を取得し、該ヒューマンリーダブル文字列を文字列の加工ブロックとして設定可能に構成できる。上記構成により、ヒューマンリーダブル文字列の入力作業を容易に行えると共に、入力ミスを回避できる利点が得られる。
さらにまた第8発明に係るレーザ加工装置によれば、前記加工順決定部が、加工エリア内への進入が完了する順にサブブロックの加工順を決定するにおいて、異なる加工ブロック間の移動が生じる際に、移動元のサブブロックから移動先のサブブロックまでの、加工対象物の移動方向と略直交する方向における距離が、所定の距離閾値以内の場合には、加工ブロック間を跨ぐ加工順の設定を許容し、該距離閾値を超える場合には、加工ブロック間を跨ぐ加工順の設定を禁止するように、加工順を決定できる。上記構成により、加工先のサブブロックの変更に、加工ブロック間を跨ぐ移動が生じる際の、移動距離が長すぎて加工ブロック間の移動に却って時間がかかってしまう場合には、このような加工ブロック間の切り替えを禁止することで、却って加工の効率を低下させる事態を回避できる。
さらにまた第9発明に係るレーザ加工装置によれば、前記加工順決定部が、加工エリア内への進入が完了する順にサブブロックの加工順を決定するにおいて、異なる加工ブロック間の移動が生じる際の、移動元のサブブロックから移動先のサブブロックまでの距離が、距離閾値を超える場合には、移動元のサブブロックが属する加工ブロックを加工終了後に、該移動先のサブブロックが属する加工ブロックに移動させるよう、加工順を決定できる。上記構成により、加工ブロック同士が離れている場合には各加工ブロック単位での加工を優先させて、加工ブロック間の移動によるロスを低減して加工効率を高めることができる。
さらにまた第10発明に係るレーザ加工装置によれば、前記サブブロック分割部が、文字列をサブブロック化する最小単位を、文字単位とすることができる。
さらにまた第11発明に係るレーザ加工装置によれば、前記サブブロック分割部が、二次元コードをサブブロック化する最小単位を、セル単位とすることができる。
さらにまた第12発明に係るレーザ加工装置によれば、前記サブブロック分割部が、二次元コードをサブブロック化する最小単位を、複数セルとすることができる。
さらにまた第13発明に係るレーザ加工装置によれば、前記走査制御部が、外部からのトリガ入力に従って加工対象物の位置を把握することで、移動加工を行うよう構成できる。上記構成により、外部からのトリガ入力に基づいてレーザ加工装置側で加工対象物の位置を把握することができ、移動加工が実現できる。
さらにまた第14発明に係るレーザ加工装置によれば、前記走査制御部が、加工対象物の移動速度の入力を受け付ける移動速度入力部を備えることができる。上記構成により、移動速度入力部から入力される加工対象物の移動速度に基づいて、レーザ加工装置側で加工対象物の位置を把握することができ、移動加工が可能となる。
さらにまた第15発明に係るレーザ加工装置によれば、さらに前記展開情報生成部で生成された展開情報を記憶するための記憶部を備えており、前記展開情報生成部が、予め展開情報を生成して、前記記憶部に記憶することができる。上記構成により、レーザ加工の際に個別に展開情報を生成する必要をなくし、処理時間の短縮化が図られる。
さらにまた第16発明に係るレーザ加工装置によれば、さらに前記展開情報生成部で生成された展開情報を記憶するための記憶部を備えており、前記走査制御部が、試験的な加工を行うためのテスト加工モードに切り替え可能としており、前記展開情報生成部がテスト加工モードにおいて生成した展開情報を、記憶部に記憶することができる。上記構成により、実際の運用前に試験を行うテスト加工モードの際に展開情報を生成しておくことで、実際のレーザ加工の際に個別に展開情報を生成する必要をなくし、処理時間の短縮化を図ることができる。
さらにまた第17発明に係るレーザ加工装置によれば、加工パターンを、GS1データバーとすることができる。
さらにまた第18発明に係るレーザ加工装置によれば、加工パターンが、一次元コード又は二次元コードを複数積層した複数シンボルであり、複数シンボルは、積層された各一次元コード又は二次元コードと、他の一次元コード又は二次元コードとの間に、これらを区切るためのセパレータを設けることができる。
さらにまた第19発明に係るレーザ加工装置によれば、加工パターンの、一次元コードのモジュール幅と、二次元コードのセル幅とを一致させることができる。
さらにまた第20発明に係るレーザ加工装置によれば、一次元コードを、リニアコード又はバーコードとできる。
さらにまた第21発明に係るレーザ加工装置によれば、レーザ光による加工を、印字加工とできる。
さらにまた第22発明に係るレーザ加工装置によれば、前記加工順決定部が、前記サブブロック分割部でそれぞれ分割された複数のサブブロックの内、加工エリア内への進入が完了する順に、異なる加工ブロックに属するサブブロック同士を統合した統合ブロックとして纏め、該統合ブロックが加工エリア内への進入が完了する順に加工順を決定することができる。上記構成により、従来のように加工ブロック単位でなく、加工ブロックを跨いでサブブロック同士を統合した統合ブロックを基準に加工順を制御できるので、加工に適した単位で印字パターンを管理でき、タクトタイムを効率よく管理した移動加工を実現できる。
さらにまた第23発明に係るレーザ加工装置によれば、レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ光による加工を行うレーザ加工装置において、レーザ光を発生させるためのレーザ光発生部と、前記レーザ光発生部で発生させたレーザ光を二次元状に走査させるためのレーザ光走査部と、加工面に加工する加工パターンとして、一次元コード及び二次元コードについて、それぞれが加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するための加工条件設定部と、前記加工条件設定部で設定された二次元コードの加工ブロックについて、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割し、二次元コードについては、分割された複数のサブブロックについて、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定する一方、一次元コードについては、二次元コードの加工後又は加工前に、加工ブロック単位で加工されるように、加工順を決定し、該決定された加工順及び前記加工条件設定部で設定された加工パターンに基づいて、前記レーザ光走査部でもってレーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成し、該展開情報に基づいて、前記レーザ光発生部及びレーザ光走査部を制御するための制御部とを備えることができる。上記構成により、二次元コードについてはサブブロック化することで、その分だけより高速なラインに追従できる。その一方で一次元コードについてはサブブロック化しないことで、一次元コードの加工時にスキャナの動きが単調になる結果、蛇行や位置ずれ等を抑制して加工品質を高めることができる。
さらにまた第24発明に係るレーザ加工装置によれば、レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ光による加工を行うレーザ加工装置において、レーザ光を発生させるためのレーザ光発生部と、前記レーザ光発生部で発生させたレーザ光を二次元状に走査させるためのレーザ光走査部と、加工面に加工する加工パターンとして、一次元コードと、二次元コードと、文字列が、それぞれ加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交交差する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するための加工条件設定部と、前記加工条件設定部で設定された文字列の加工ブロックについては、文字単位を基準としてサブブロックに分割し、二次元コードの加工ブロックについては、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割するためのサブブロック分割部と、前記サブブロック分割部でそれぞれ分割された複数のサブブロックについて、予め定められた所定の手順で該二次元コード及び文字列の加工ブロックを切り替え、該二次元コード及び文字列の加工後又は加工前に、一次元コードを加工ブロック単位で加工するよう、加工順を決定する加工順決定部と、前記加工条件設定部で設定された加工パターン、及び前記加工順決定部で決定された加工順に基づいて、前記レーザ光走査部でもってレーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成するための展開情報生成部と、前記展開情報生成部で生成された展開情報に基づいて、加工対象が二次元コードと文字列の加工ブロック間で入れ替わりながら加工するように、前記レーザ光発生部及びレーザ光走査部を制御するための走査制御部とを備えることができる。上記構成により、複数のサブブロックに対し、加工エリア内に進入する順を検討することなく、一定の手順で加工ブロック間を切り替えるように加工順を設定することができ、加工順の決定プロセスを簡素化しつつ、サブブロック単位で加工順を管理することにより加工に要するタクトタイムを稼ぐことができ、より高速な移動加工にも対応できる利点が得られる。
さらにまた第25発明に係るレーザ加工装置によれば、前記加工順決定部が、二次元コード又は文字列のいずれかの加工ブロックに属するサブブロックを一以上加工した後、二次元コード又は文字列の他のいずれかの加工ブロックに属するサブブロックを一以上加工する手順を、複数回繰り返すようにして、加工順を決定することができる。
さらにまた第26発明に係るレーザ加工条件設定装置によれば、レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ光による加工を行うレーザ加工装置において、レーザ加工条件を設定するためのレーザ加工条件設定装置であって、加工面に加工する加工パターンとして、一次元コード及び二次元コードについて、それぞれが加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するための加工条件設定部と、前記加工条件設定部で設定された二次元コードの加工ブロックについて、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割するためのサブブロック分割部と、二次元コードについては、前記サブブロック分割部でそれぞれ分割された複数のサブブロックについて、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定する一方、一次元コードについては、二次元コードの加工後又は加工前に、加工ブロック単位で加工されるように、加工順を決定する加工順決定部と、前記加工条件設定部で設定された加工パターン、及び前記加工順決定部で決定された加工順に基づいて、前記レーザ光走査部でもってレーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成するための展開情報生成部とを備え、前記展開情報生成部で生成された展開情報に基づいて、レーザ光の発生及び走査を制御可能に構成できる。これにより、二次元コードについてはサブブロック化することで、その分だけより高速なラインに追従できる。その一方で一次元コードについてはサブブロック化しないことで、一次元コードの加工時にスキャナの動きが単調になる結果、蛇行や位置ずれ等を抑制して加工品質を高めることができる。
さらにまた第27発明に係るレーザ加工方法によれば、レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ加工装置を用いてレーザ光による加工を行うためのレーザ加工方法であって、加工面に加工する加工パターンとして、一次元コード及び二次元コードについて、それぞれが加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するよう促す工程と、二次元コードの加工ブロックについて、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割する工程と、二次元コードについては、分割された複数のサブブロックのそれぞれについて、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定する一方、一次元コードについては、二次元コードの加工後又は加工前に、加工ブロック単位で加工されるように、加工順を決定する工程と、設定された加工パターン及び決定された加工順に基づいて、レーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成する工程と、生成された展開情報に基づいて、レーザ光を発生させて走査する工程とを含むことができる。これにより、二次元コードについてはサブブロック化することで、その分だけより高速なラインに追従できる。その一方で一次元コードについてはサブブロック化しないことで、一次元コードの加工時にスキャナの動きが単調になる結果、蛇行や位置ずれ等を抑制して加工品質を高めることができる。
さらにまた第28発明に係るレーザ加工条件設定方法によれば、レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ加工装置を用いてレーザ光による加工を行う加工条件を設定するためのレーザ加工条件設定方法であって、加工面に加工する加工パターンとして、一次元コード及び二次元コードについて、それぞれが加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するよう促す工程と、二次元コードの加工ブロックについて、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割する工程と、二次元コードについては、分割された複数のサブブロックのそれぞれについて、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定する一方、一次元コードについては、二次元コードの加工後又は加工前に、加工ブロック単位で加工されるように、加工順を決定する工程と、設定された加工パターン及び決定された加工順に基づいて、レーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成する工程とを含み、生成された展開情報に基づいて、レーザ光の発生及び走査を制御可能とできる。これにより、二次元コードについてはサブブロック化することで、その分だけより高速なラインに追従できる。その一方で一次元コードについてはサブブロック化しないことで、一次元コードの加工時にスキャナの動きが単調になる結果、蛇行や位置ずれ等を抑制して加工品質を高めることができる。
さらにまた第29発明に係るレーザ加工条件設定プログラムによれば、レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ加工装置を用いてレーザ光による加工を行う加工条件を設定するためのレーザ加工条件設定プログラムであって、加工面に加工する加工パターンとして、一次元コード及び二次元コードについて、それぞれが加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するよう促すための加工条件設定機能と、前記加工条件設定機能を用いて設定された二次元コードの加工ブロックについて、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割するためのサブブロック分割機能と、前記サブブロック分割機能を用いて分割された二次元コードの複数のサブブロックのそれぞれについて、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定する一方、一次元コードについては、二次元コードの加工後又は加工前に、加工ブロック単位で加工されるように、加工順を決定するための加工順決定機能と、前記加工条件設定機能で設定された加工パターン及び前記加工順決定機能で決定された加工順に基づいて、レーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成するための展開情報生成機能と、前記展開情報生成機能で生成された展開情報に基づいて、レーザ光を発生させて走査するための操作制御機能とをコンピュータに実現させることができる。これにより、二次元コードについてはサブブロック化することで、その分だけより高速なラインに追従できる。その一方で一次元コードについてはサブブロック化しないことで、一次元コードの加工時にスキャナの動きが単調になる結果、蛇行や位置ずれ等を抑制して加工品質を高めることができる。
さらにまた第30発明に係るコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器は、上記プログラムを格納したものである。記録媒体には、CD−ROM、CD−R、CD−RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、Blu−ray(登録商標)等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。またプログラムには、上記記録媒体に格納されて配布されるものの他、インターネット等のネットワーク回線を通じてダウンロードによって配布される形態のものも含まれる。さらに記録媒体にはプログラムを記録可能な機器、例えば上記プログラムがソフトウェアやファームウェア等の形態で実行可能な状態に実装された汎用もしくは専用機器を含む。さらにまたプログラムに含まれる各処理や機能は、コンピュータで実行可能なプログラムソフトウエアにより実行してもよいし、各部の処理を所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウエア、又はプログラムソフトウエアとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウエアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。 X・Y・Z軸スキャナの配置状態を示す透明斜視図である。 レーザ加工装置のシステム構成を示すブロック図である。 レーザ加工条件設定装置を示すブロック図である。 印字対象の複数シンボルの一例を示す模式図である。 印字されたGS1データバーの一例を示すイメージ図である。 図6のデータバーに対する従来の印字順序を示すイメージ図である。 レーザ加工条件設定プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。 レーザ加工条件設定プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。 レーザ加工条件設定プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。 レーザ加工条件設定プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。 レーザ加工条件設定プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。 レーザ加工条件設定プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。 レーザ加工条件設定プログラムのユーザインターフェース画面を示すイメージ図である。 移動印字においてワークが印字エリア内に侵入する様子を示す模式平面図である。 移動印字においてワークが印字エリア内に完全に入った様子を示す模式平面図である。 移動印字に際してレーザ加工装置に外部からパルスを入力する様子を示す模式図である。 エンコーダ印字におけるパルスとワーク移動距離の関係を示す概略図である。 従来の移動印字でGS1データバーを印字する順序を示す模式図である。 実施例1に係る移動印字でGS1データバーを印字する際のデータ分割の様子を示す模式図である。 従来の移動印字による印字開始タイミングを示す模式図である。 実施例1に係る移動印字による印字開始タイミングを示す模式図である。 データ分割の手順を示すフローチャートである。 印字をする部位を示す印字マップの模式図である。 図24の印字マップから得られた複数シンボルの印字イメージを示す模式図である。 従来の印字方法でGS1コードの印字が開始されるタイミングを示す模式図である。 従来の印字方法によるGS1コードの印字順を示すイメージ図である。 実施例1に係る印字方法で印字が開始されるタイミングを示す模式図である。 実施例1に係る印字方法によるGS1コードの印字順を示すイメージ図である。 指定された複数シンボルに対し、決定された印字順と、この印字順に従ってレーザ光走査部がレーザ光を走査させる軌跡を示す模式図である。 一次元コードとHR文字がずれて配置された合成シンボルを印字する例を示す模式図である。 一次元コードとHR文字が離間して配置された合成シンボルを印字する例を示す模式図である。 実施例3に係るレーザ加工方法で印字される複数シンボルを示す模式図である。 実施例3に係るレーザ加工方法の印字順を示す表である。 印字されたGS1バーのイメージである。 図35の印字品質を検証機で評価した結果を示す表である。 実施例4に係るレーザ加工方法によるGS1データバーのリニアコードの印字順を示すイメージ図である。 実施例4に係る印字制御の手順を示すフローチャートである。 実施例4に係るレーザ加工方法で印字する複数シンボルを示す模式図である。 実施例4に係るレーザ加工方法で印字する複数シンボルを分解した状態を示す模式図である。 実施例4に係るレーザ加工方法で図39の複数シンボルを印字する印字順を示す模式図である。 図41の文字列と二次元コードをサブブロック単位で印字する印字順を示す模式図である。 図41の一次元コードを印字ブロック単位で印字する印字順を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのレーザ加工装置、レーザ加工条件設定装置、レーザ加工方法、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器を例示するものであって、本発明はレーザ加工装置、レーザ加工条件設定装置、レーザ加工方法、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
本明細書においてレーザ加工装置とこれに接続される操作、制御、入出力、表示、その他の処理等のためのコンピュータ、プリンタ、外部記憶装置その他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232x、RS−422、RS−423、RS−485、USB等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.1x、OFDM方式等の無線LANやBluetooth(登録商標)等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらに観察像のデータ保存や設定の保存等を行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。
以下の実施の形態では、本発明を具現化したレーザ加工装置の一例として、印字を行うレーザマーカについて説明する。ただ、本明細書においてレーザ加工装置は、その名称に拘わらずレーザ応用機器一般に利用でき、例えばレーザ発振器や各種のレーザ加工装置、穴あけ、マーキング、トリミング、スクライビング、表面処理等のレーザ加工や、印刷機器、医療機器等において、好適に利用できる。また、本明細書においては加工の代表例として印字について説明するが、印字とは文字や記号、図形等のマーキングの他、上述した各種の加工も含む概念で使用する。さらに本明細書において印字文字列や印字パターンとは、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットや数字、記号、絵文字、アイコン、ロゴ、一次元コードや二次元コードといったシンボルやグラフィック等、さらに直線、曲線等の図形も含める意味で使用する。なおシンボルには、一次元コードや二次元コードに加え、これらを組み合わせた合成シンボルも含む。一次元コードは、一次元バーコードや一次元シンボル等とも呼ばれ、バーコードやリニアコード等が挙げられる。二次元コードも同様に二次元バーコードや二次元シンボル等とも呼ばれ、マイクロPDF、QRコード(登録商標)、マイクロQRコード、データマトリクス(Data matrix;Data code)、ベリコード(Veri code)、アズテックコード(Aztec code)、PDF417、マキシコード(Maxi code)等がある。また合成シンボルには、リニアコードと二次元コードが混在するGS1(旧RSS)やコンポジットコード等がある。RSSは省スペースシンボル(Reduced Space Symbology)であり、RSS14(GS1 DataBar)、RSS Stacked、RSS Limited、RSS Expanded等が利用されている。コンポジットコード(Composite Code:CC)はバーコードとスタック型二次元コードを複合化したもので、種々の組み合わせが利用可能であり、ベースになるバーコードとしてEAN/UPC(EAN-13,EAN-8,UPC-A,UPC-E)、EAN/UPC128及びRSSファミリ(RSS14,RSS Limited,RSS Expanded)の3種が利用できる。また付加情報には、MicroPDF417又はPDF417の二次元シンボルが利用できる。また、本実施の形態は、バーコードと、マイクロQRコード等のマトリクス型二次元コードとを組み合わせたものにも適用できる。
さらに、白黒パターンの印字に際して、黒字の部分にレーザ光を照射して印字する場合や、逆に白字の部分にレーザ光を照射して印字する場合のいずれにも適用できる。
レーザ加工装置は、レーザ光を所定の領域内において走査して、部品や製品等の加工対象物(ワーク)の表面に対しレーザ光を照射して印字やマーキング等の加工を行う。レーザ加工装置の構成の一例を図1に示す。この図に示すレーザ加工装置100は、レーザ制御部1とレーザ出力部2と入力部3とを備える。レーザ制御部1のレーザ光発生部6で発生される励起光を、レーザ出力部2のレーザ発振部50で発振器を構成するレーザ媒質8に照射し、レーザ発振を生じさせる。レーザ発振光はレーザ媒質8の出射端面から出射され、ビームエキスパンダ53でビーム径を拡大されて、レーザ光走査部9に導かれる。レーザ光走査部9は、レーザ光LBを反射させて所望の方向に偏光し、集光部15から出力されるレーザ光LBは、ワークWKの表面で走査されて印字等の加工を行う。
レーザ加工装置100は、レーザ光をワークWK上で走査させるために、図1に示すようなレーザ光走査部9を備える。レーザ光走査部9は、一対のガルバノミラーを構成するX・Y軸スキャナ14a、14bと、各ガルバノミラーをそれぞれ回動軸に固定し回動するためのガルバノモータ51a、51bとを備えている。X・Y軸スキャナ14a、14bは、図1に示すように互いに直交する姿勢で配置されており、レーザ光をX方向、Y方向に反射させて走査させることができる。また、レーザ光走査部9の下方には、集光部15が備えられる。集光部15はレーザ光を作業領域に照射させるよう集光するための集光レンズで構成され、fθレンズが使用される。
また、本発明は二次元平面内での加工を行うレーザ加工装置のみならず、高さ方向すなわちZ軸方向にレーザ光の焦点距離を調整して三次元状の加工を可能としたレーザ加工装置も利用できる。図2に、このような三次元加工可能なレーザ加工装置の一例として、Z軸スキャナ14cを付加することで焦点距離を変化可能としたレーザ加工装置を示す。Z軸スキャナ14cは、レーザ発振部側に面する入射レンズと、レーザ出射側に面する出射レンズを含んでおり、レンズを駆動モータ等で摺動させてレンズ間の距離を相対的に変化させ、焦点距離すなわち高さ方向のワーキングディスタンスを調整可能としている。これによってレーザ光LBを加工エリアWA内で走査させると共に、高さ方向への調整も可能としている。
(入力部3)
図1に示す入力部3はレーザ制御部1に接続され、レーザ加工装置100を操作するための必要な設定を入力してレーザ制御部1に送信する。設定内容はレーザ加工装置100の動作条件や具体的な印字内容(印字パターン)等である。入力部3はキーボードやマウス、コンソール等の入力デバイスである。また、入力部3で入力された入力情報を確認したり、レーザ制御部1の状態等を表示する表示部82を別途設けることもできる。表示部82はLCDやブラウン管等のモニタが利用できる。またタッチパネル方式を利用すれば、入力部と表示部を兼用することもできる。これによって、コンピュータ等を外部接続することなく入力部でレーザ加工装置の必要な設定を行うことができる。
(レーザ制御部1)
レーザ制御部1は、コントローラ制御部4とメモリ部5とレーザ光発生部6と電源7とを備える。入力部3から入力された設定内容をメモリ部5に記録する。コントローラ制御部4は必要時にメモリから設定内容を読み込み、印字パターンに応じた印字信号に基づいてレーザ光発生部6を動作させてレーザ出力部2のレーザ媒質8を励起する。メモリ部5はRAMやROM等の半導体メモリが利用できる。またメモリ部5はレーザ制御部1に内蔵する他、挿抜可能なPCカードやSDカード等の半導体メモリカード、カード型ハードディスク等のメモリカードを利用することもできる。メモリカードで構成されるメモリ部5は、コンピュータ等の外部機器で容易に書き換え可能であり、コンピュータで設定した内容をメモリカードに書き込み、レーザ制御部1にセットすることで、入力部をレーザ制御部に接続することなく設定を行うことができる。特に半導体メモリはデータの読み込み・書き込みが高速で、しかも機械的動作部分がないため振動等に強く、ハードディスクのようなクラッシュによるデータ消失事故を防止できる。
さらにコントローラ制御部4は、設定された印字を行うようレーザ媒質8で発振されたレーザ光LBを印字対象物(ワーク)WK上で走査させるため、レーザ出力部2のレーザ光走査部9を動作させる走査信号をレーザ光走査部9に出力する。電源7は、定電圧電源として、レーザ光発生部6へ所定電圧を印加する。印字動作を制御する印字信号は、そのHIGH/LOWに応じてレーザ光LBのON/OFFが切り替えられ、その1パルスが発振されるレーザ光LBの1パルスに対応するPWM信号である。PWM信号は、その周波数に応じたデューティ比に基づいてレーザ強度が定められるが、周波数に基づいた走査速度によってもレーザ強度が変化するよう構成することもできる。
レーザ光発生部6は、光学的に接合されたレーザ励起光源10とレーザ励起光源集光部11を備える。レーザ光発生部6は、レーザ励起光源10とレーザ励起光源集光部11をレーザ光発生部ケーシング内に固定している。レーザ光発生部ケーシングは、熱伝導性の良い真鍮等の金属で構成され、レーザ励起光源10を効率よく外部に放熱する。レーザ励起光源10は半導体レーザやランプ等で構成される。
(レーザ出力部2)
レーザ出力部2は、レーザ発振部50を備える。レーザ光LBを発生させるレーザ発振部50は、レーザ媒質8と、レーザ媒質8が放出する誘導放出光の光路に沿って所定の距離を隔てて対向配置された出力ミラー及び全反射ミラーと、これらの間に配されたアパーチャ、Qスイッチ等を備える。レーザ媒質8が放出する誘導放出光を、出力ミラーと全反射ミラーとの間での多重反射により増幅し、Qスイッチの動作により短周期にて通断しつつアパーチャによりモード選別して、出力ミラーを経てレーザ光LBを出力する。図1に示すレーザ出力部2は、レーザ媒質8とレーザ光走査部9を備える。レーザ媒質8は光ファイバケーブル13を介してレーザ光発生部6から入射されるレーザ励起光で励起されて、レーザ発振される。レーザ媒質8はロッド状の一方の端面からレーザ励起光を入力して励起され、他方の端面からレーザ光LBを出射する、いわゆるエンドポンピングによる励起方式を採用している。
(レーザ媒質8)
上記の例では、レーザ媒質8としてロッド状のNd:YVO4の固体レーザ媒質を用いた。また固体レーザ媒質の励起用半導体レーザの波長は、このNd:YVO4の吸収スペクトルの中心波長である809nmに設定した。ただ、この例に限られず他の固体レーザ媒質として、例えば希土類をドープしたYAG、LiSrF、LiCaF、YLF、NAB、KNP、LNP、NYAB、NPP、GGG等も用いることもできる。また、固体レーザ媒質に波長変換素子を組み合わせて、出力されるレーザ光LBの波長を任意の波長に変換できる。また、レーザ媒質としてバルクに代わってファイバーを発振器として利用した、いわゆるファイバーレーザにも適用可能である。
さらに、固体レーザ媒質を使用せず、言い換えるとレーザ光を発振させる共振器を構成せず、波長変換のみを行う波長変換素子を使用することもできる。この場合は、半導体レーザの出力光に対して波長変換を行う。波長変換素子としては、例えばKTP(KTiPO4)、有機非線形光学材料や他の無機非線形光学材料、例えばKN(KNbO3)、KAP(KAsPO4)、BBO、LBOや、バルク型の分極反転素子(LiNbO3(Periodically Polled Lithium Niobate :PPLN)、LiTaO3等)が利用できる。また、Ho、Er、Tm、Sm、Nd等の希土類をドープしたフッ化物ファイバを用いたアップコンバージョンによるレーザの励起光源用半導体レーザを用いることもできる。このように、本実施の形態においてはレーザ発生源として様々なタイプを適宜利用できる。
さらにまた、レーザ発振部は、固体レーザに限られず、CO2やヘリウム−ネオン、アルゴン、窒素等の気体を媒質として用いる気体レーザを利用することもできる。例えば炭酸ガスレーザを用いた場合のレーザ発振部は、レーザ発振部の内部に炭酸ガス(CO2)が充填され、電極を内蔵しており、レーザ制御部から与えられる印字信号に基づいて、レーザ発振部内の炭酸ガスを励起し、レーザ発振させる。
(レーザ加工装置100のシステム構成)
図3に、レーザ加工装置100のシステム構成を示す。この図に示すレーザ加工システムは、レーザ出力部2を構成するマーキングヘッド部150と、マーキングヘッド部150と接続されてこれを制御するレーザ制御部1であるコントローラ部1Aと、コントローラ部1Aとデータ通信可能に接続され、コントローラ部1Aに対して印字パターンを三次元のレーザ加工データとして設定するレーザ加工条件設定装置180とを備える。レーザ加工条件設定装置180は、図3の例においてはコンピュータにレーザ加工条件設定プログラムをインストールして、レーザ加工条件設定機能を実現させている。レーザ加工条件設定装置は、コンピュータの他、タッチパネルを接続したプログラマブルロジックコントローラ(PLC)や、その他専用のハードウェア等を利用することもできる。またレーザ加工条件設定装置は、レーザ加工装置の動作を制御する制御装置として機能させることもできる。例えば、一のコンピュータにレーザ加工条件設定装置としての機能と、レーザ出力部を備えるマーキングヘッドのコントローラとしての機能を統合してもよい。さらにレーザ加工条件設定装置は、レーザ加工装置と別部材で構成する他、レーザ加工装置に統合することもでき、例えばレーザ加工装置に組み込まれたレーザ加工条件設定回路等とすることもできる。
さらにコントローラ部1Aには、必要に応じて各種外部機器190を接続できる。例えばライン上に搬送されるワークWKの種別、位置等を確認するイメージセンサ等の画像認識装置、ワークWKとマーキングヘッド部150との距離に関する情報を取得する変位計等の距離測定装置、所定のシーケンスに従って機器の制御を行うPLC、ワークWKの通過を検出するPDセンサその他各種のセンサ等を設置し、これらとデータ通信可能に接続できる。
(レーザ加工条件設定装置)
印字データをワークWKに印字するための設定情報であるレーザ加工データは、レーザ加工条件設定装置180により設定される。図4は、レーザ加工条件設定装置180の一例としてブロック図を示している。この図に示すレーザ加工条件設定装置180は、加工条件設定部3Cと、制御部80と、レーザ光発生部6と、記憶部5Aと、移動速度入力部3Lを備えている。
加工条件設定部3Cは、加工面に加工する加工パターンとして、一次元コード、二次元コード、及び文字列の内少なくとも2つについて、それぞれの長手方向がワークWKの移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定する。この加工条件設定部3Cは、ボタンやスイッチ等の各種入力手段が利用できる。また、グラフィカルユーザーインターフェースを用いて入力することもできる(詳細は後述)。
制御部80は、サブブロック分割部80Aと、加工順決定部80Bと、展開情報生成部80Cと、走査制御部80Dの機能を実現する。このような制御部80は、FPGAやLSI等のIC等で構成できる。
サブブロック分割部80Aは、加工条件設定部3Cで設定された各加工ブロックを、文字列については文字単位を基準としてサブブロックに分割し、二次元コード又は一次元コードについては、これら二次元コード又は一次元コードを構成するセル単位又はモジュール幅単位を基準として、サブブロックに分割する。また加工順決定部80Bは、サブブロック分割部80Aでそれぞれ分割された複数のサブブロックについて、ワークWKの加工面が加工エリアWA内に移動された場合に、加工エリアWA内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定する。なお「加工エリアへの進入が完了する」とは、例えばサブブロックを構成する枠(ユーザが視認し得るか否かは問わない)の内、ワークが移動する向きから最も離れた部分(線であるか点であるかは問わない)が加工エリアへ進入したとき、ということもできる。より具体的には、例えばサブブロックを構成する枠が四角枠であって、且つワークが移動する向きと略直交する2辺を有する場合、ワークが移動する向きから離れた方の辺が加工エリアへ進入したとき、ということもできる。さらに展開情報生成部80Cは、加工条件設定部3Cで設定された加工パターン、及び加工順決定部80Bで決定された加工順に基づいて、レーザ光走査部9でもってレーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成する。さらにまた走査制御部80Dは、展開情報生成部80Cで生成された展開情報に基づいて、加工対象が2以上の加工ブロック間で入れ替わりながら加工するように、レーザ光発生部6及びレーザ光走査部9を制御する。
また記憶部5Aは、各種設定を保持するための部材である。このような記憶部材には半導体メモリやハードディスク等の記憶素子、記憶媒体が利用できる。例えば加工条件設定部3Cで設定されたレーザ加工設定条件を保持する。また、展開情報生成部80Cで生成された展開情報を記憶する。好ましくは、展開情報生成部80Cは、レーザ加工装置の運用時の前に、予め展開情報を生成して、この展開情報を記憶部5Aに記憶しておく。そして運用時には、記憶部5Aから展開情報を読み出すことで、一々展開情報部で展開情報を生成する必要がなく、処理の軽負荷化と高速化を図ることができる。
より好ましくは、実際の運用前に試験的な加工を行うテスト加工の際に、展開情報生成部80Cで生成された展開情報を、記憶部5Aに記憶しておく。走査制御部80Dは、運用時の通常の動作モードに加えて、試験的な加工を行うためのテスト加工モードに切り替え可能としている。そしてテスト加工モードでレーザ加工の様々な加工条件が決定された際に、この時点で得られた加工条件に従って展開情報生成部80Cは展開情報を生成し、これを記憶部5Aに保存しておく。
移動速度入力部3Lは、ワークWKの移動速度を入力するための部材である。例えばワークWKを搬送するライン速度が等速の場合は、ライン速度を直接数値でユーザが入力部を介して入力する。また、ライン速度が可変の場合は、エンコーダを用いたトリガ入力等によって、レーザ加工装置側でワークWKの位置を把握できる(詳細は後述)。
また図4の例では、レーザ加工条件設定装置180を専用のハードウェアで構成したが、これらの部材はソフトウェアでも実行できる。特に、図3に示すように汎用のコンピュータにレーザ加工条件設定プログラムをインストールして、レーザ加工条件設定装置180として機能させることもできる。また図4の例では、レーザ加工条件設定装置180とレーザ加工装置100とを個別の機器としたが、これらを一体的に統合することもできる。例えばレーザ加工装置に自体にレーザ加工条件設定機能を付加することもできる。
さらに図3の例ではヘッド部1とコントローラ部2とが分離しており、通信ケーブルで両者が接続されているが、本発明はヘッド部とコントローラ部とを一体に構成したレーザ加工装置に適用することもできる。
(複数シンボル)
以上のレーザ加工装置を用いて、ワークWKの表面にシンボル等の印字パターンの印字を行う。印字パターンは一次元コードや二次元コード、ヒューマンリーダブル(HR)文字列を組み合わせて構成される。特に本実施の形態においては、一次元コード、二次元コード、HR文字列の内、少なくとも二以上を組み合わせた複数シンボルとしている。例えば図5に示す複数シンボルの例では、上から順に第二HR文字列領域、二次元コード領域、一次元コード領域、第一HR文字列領域の4層に重ねている。またこの複数シンボルを印字するための印字パターンとして、レーザ加工条件設定装置は、一次元コード、二次元コード、HR文字列単位で加工ブロックのデータを保持している。なお、図5は印字パターンの一例であって、例えばHR文字列を含まない複数シンボルとしたり、シンボル同士を離間させたもの、あるいは後述する図31、図32に示すように、シンボルとHR文字列を離間させて配置したものも、本発明の対象に含める。具体的には、印字パターンが一次元コードや二次元コード等のシンボルとシンボルの組み合わせ、あるいはシンボルと文字列の組み合わせも、後述する加工方法により印字することができる。さらに、印字されるHR文字列とシンボルとは、情報が関連付けられているものに限らず、関連付けられていないものも本発明に含まれる。
複数シンボルの一例として、GS1データバーをレーザ加工装置で印字した結果を図6に示す。一般的にGS1データバーは、二次元コードとしてマイクロPDFと、一次元コードとしてリニアコードと、これらの間に配置されたセパレータの3ブロックで構成される。図6に示すGS1データバーは、上から順にマイクロPDF、セパレータ、リニアコードが配置されている。さらに図6の例では、GS1データバーにHR文字列を付加しており、エンコードされた文字列をHR文字列で確認できるようにしている。この例では、上側の第一HR文字列(ここでは(17)0701203(10)12345の数字列)は、マイクロPDFでエンコードされた情報を示しており、下側の第二HR文字列(ここでは(01)12345678901231の数字列)はリニアコードでエンコードされた情報を示している。このように、一次元コード又は二次元コードにエンコードされた情報と関連付けた文字列を付加することで、情報の確認に資する。ただ、本発明は必ずしも印字される文字列を、一次元コード又は二次元コードにエンコードされた情報と関連付けた情報に限定するものでない。なお、GS1データバー(或いはそれを構成する一次元コード及び二次元コード)の長手方向は、図6に示す左右方向であって、一次元コードを構成する各バーが延びる方向(図6でいう上下方向)と略直交する方向である。
シンボルを複数積層した複数シンボルの場合は、一次元コードのモジュール幅と、二次元コードのセル幅とを、一致させることが好ましい。これにより、積層後の複数シンボルの印字をスムーズに行うことができ、また印字品質も向上する。例えば複数シンボルがGS1データバーの場合は、リニアコードのモジュール幅と、マイクロPDFのセル幅とが規格上一致されている。また、印字ブロック毎のサブブロック化に際して、各サブブロックのサイズが揃う点においても印字品質の面から有利となる(詳細は後述)。ただ、本発明は必ずしも、複数シンボルを構成する一次元コードのモジュール幅と、二次元コードのセル幅とが一致されていることを要しない。
なお、図6のようなGS1データバーを印字する際、従来のレーザマーカの印字データでは、マイクロPDF、セパレータ、リニアコードという3つの印字ブロックとして作成し、印字していた。この場合、印字は印字ブロック単位で行われるため、図7において矢印で示すように、マイクロPDF、セパレータ、リニアコードの順に印字されていた(詳細は後述)。
(レーザ加工条件設定プログラム)
次に、以上のようなレーザ加工データを設定する方法として、レーザ加工条件設定プログラムを用いて、加工条件設定部3Cから入力された文字情報等に基づいて加工パターンを生成する手順を、図8〜図14のユーザインターフェース画面に基づいて説明する。なおこれらのプログラムのユーザインターフェース画面の例において、各入力欄や各ボタン等の配置、形状、表示の仕方、サイズ、配色、模様等は適宜変更できることはいうまでもない。デザインの変更によってより見やすく、評価や判断が容易な表示としたり操作しやすいレイアウトとすることもできる。例えば詳細設定画面を別ウィンドウで表示させる、複数画面を同一表示画面内で表示する等、適宜変更できる。またこれらのプログラムのユーザインターフェース画面において、仮想的に設けられたボタン類や入力欄に対するON/OFF操作、数値や命令入力等の指定は、加工条件設定部3Cで行う。ここでは、プログラムを組み込んだコンピュータに接続された入力デバイスでもって、加工条件の設定を行う。本明細書において「押下する」とは、ボタン類に物理的に触れて操作する他、入力部によりクリックあるいは選択して擬似的に押下することを含む。入力部等を構成する入出力デバイスはコンピュータと有線もしくは無線で接続され、あるいはコンピュータ等に固定されている。一般的な入力部としては、例えばマウスやキーボード、スライドパッド、トラックポイント、タブレット、ジョイスティック、コンソール、ジョグダイヤル、デジタイザ、ライトペン、テンキー、タッチパッド、アキュポイント等の各種ポインティングデバイスが挙げられる。またこれらの入出力デバイスは、プログラムの操作のみに限られず、レーザ加工装置等のハードウェアの操作にも利用できる。さらに、インターフェース画面を表示する表示部82のディスプレイ自体にタッチスクリーンやタッチパネルを利用して、画面上をユーザが手で直接触れることにより入力や操作を可能としたり、又は音声入力その他の既存の入力手段を利用、あるいはこれらを併用することもできる。
なお、このレーザ加工条件設定プログラムは、三次元レーザ加工データの編集が可能である。ただ、三次元データの編集が不得手なユーザを考慮し、平面上での設定のみ可能で、三次元上での編集ができない「2D編集モード」を用意し、三次元レーザ加工データの加工が可能な「3D編集モード」と切り替え可能としてもよい。このような複数の編集モードを備える場合は、現在の編集モードを示す編集モード表示欄270と、編集モードを切り替える編集モード切替ボタン272を備える。図8の例では、レーザ加工条件設定プログラムの起動時は「2D編集モード」とし、画面右上に設けられた編集モード表示欄270に、現在の編集モードが「2D編集中」であることを表示させている。操作が比較的容易な二次元編集モードを起動時のデフォルト編集モードとして設定することにより、三次元レーザ加工データの編集が不得手なユーザであっても戸惑うことなく操作できる。また、起動時の編集モードはユーザが変更可能に構成することもでき、操作を習熟したユーザが編集モードを切り替えることなく三次元レーザ加工データの編集が可能となるよう設定することもできる。また、二次元でのレーザ加工が可能なレーザ加工装置に対しては、二次元のレーザ加工データのみを設定することも可能であることはいうまでもない。
図8〜図14は、レーザ加工条件設定プログラムのユーザインターフェース画面の一例を示しており、画面の左側にワーク上に印字される加工パターンのイメージを表示する編集表示欄202、右側に具体的な加工条件として各種データを指定する印字パターン入力欄204を設けている。印字パターン入力欄204では、設定項目を選択するタブとして「基本設定」タブ204h、「形状設定」タブ204i、「詳細設定」タブ204jを切り替えることができる。図8の例では「基本設定」タブ204hが選択されており、ここには加工種類指定欄204aと、文字データ指定欄204d、文字入力欄204b、詳細設定欄204cを設けている。加工種類指定欄204aは、加工パターンの種別として、文字列やシンボル、ロゴ、模様、図等のイメージを含めた印字パターン、若しくは加工機としての動作を行うかを指定する。図8の例では、加工種類指定欄204aからラジオボタンで文字列、ロゴ・図、加工機動作の別を選択する。また文字データ指定欄204dは、文字データの種別を指定する。ここでは文字、バーコード、二次元コード、GS1データバー・CC(Composite Code)のいずれかをプルダウンメニューから選択する。さらに選択された文字データの種別に応じて、さらに詳細な種別を種別指定欄204qで選択する。例えば文字を選択した場合はフォントの種別、バーコードを選択した場合は、CODE39、ITF、2 of 5、NW7、JAN、Code 28等のバーコード種別、二次元コードを選択した場合は、QRコード(登録商標)、マイクロQRコード、DataMatrix等の二次元コード種別、GS1データバー・CCを選択した場合は、GS1 DataBar-14、GS1 DataBar-14 CC-A、GS1 DataBar Stacked、GS1 DataBar Stacked CC-A、GS1 DataBar Limited、GS1 DataBar Limited CC-A等のGS1データバーコード種別、又はGS1データバーコンポジットコード種別を指定する。文字入力欄204bでは、印字したい文字情報を入力する。入力された文字は、文字データ指定欄204dで文字を選択した場合、そのまま文字列として印字される。一方、シンボルが指定された場合は、選択されたシンボルの種別に従って入力された文字列がエンコードされた加工パターンが生成される。加工パターンの生成は、加工条件設定部3Cでの設定に従い、制御部80が行っている。また詳細設定欄204cは、タブを切り替えて「印字データ」タブ204e、「サイズ・位置」タブ204f、「印字条件」タブ204g等、印字条件の詳細を指定する。
また編集表示欄202には、印字エリアの一部を二次元状に表示させた設定平面が表示される。ここで編集表示欄202で表示される印字エリアは、拡大縮小が可能であり、印字エリアを拡大表示させた場合は、編集表示欄202には印字エリアに対応する設定平面の一部が表示されることとなる。また印字エリアを編集表示欄202で縮小表示させて、印字エリアの全体、すなわち最大印字エリアを表示させることもできる。このように編集表示欄202には、最大加工エリアに対応する設定平面の少なくとも一部を表示可能としている。また、編集表示欄202に印字エリアを三次元状に表示させることもできる。ユーザは、この編集表示欄202に表示された設定平面上で、加工ブロック(この例では印字可能なので印字ブロック)を設定できる。
図9の例では文字データ指定欄204dでGS1データバー・CCが指定されており、種別指定欄204qでGS1 DataBar Limited CC-Aが指定されている。「印字データ」タブ204eでモジュール幅、モジュール微調整、印字線幅、リニアコードの高さ、セパレータの高さ、2Dモジュールの高さ等を数値で指定する。また必要に応じてモード自動、白黒反転、パスワード等を指定できる。
なお加工種類指定欄204aから加工機動作を選択すると、加工種別がプルダウンメニューから選択できるようになり、定点、直線、破線、左回り円・楕円、右回り円・楕円、トリガON中定点等が選択できる。加工機動作では、加工パターンとして文字入力欄に代わって線分座標指定欄が設けられ、直線や円弧等の軌跡を座標で指定する。
(加工ブロック設定手段)
以上のようにして、一つの加工ブロック、すなわち印字ブロックに関する印字パターン情報を設定する。また、印字ブロックを複数設定することもできる。すなわち、加工領域において複数の印字ブロックを設定し、異なる印字条件で印字加工を行うことができる。印字ブロックは、一のワーク又は加工(印字)面に対して複数設定する他、加工領域内に存在する複数のワークに対して各々設定することもできる。
印字ブロックの設定は、加工ブロック設定手段で行う。図8の例では、加工ブロック設定手段の一形態として、印字パターン入力欄204の上欄にブロック番号選択欄が設けられる。ブロック番号選択欄にはブロック番号を表示する番号表示欄205aと、番号指定手段として、「>」ボタン、「>>」ボタン、「<」ボタン、「<<」ボタンが設けられる。「>」ボタンを押下すると、ブロック番号が1インクリメントされて、新たな印字ブロックの設定が可能となる。また、設定済みの印字ブロックの設定を変更する際も、同様に「>」ボタンを操作してブロック番号を選択し、該当する印字ブロックの設定を呼び出すことができる。また「>>」ボタンを押下すると最終のブロック番号にジャンプする。さらに「<」ボタンを押下するとブロック番号が1つ戻り、「<<」ボタンを押下すると先頭のブロック番号にジャンプする。さらに、ブロック番号選択欄の数値表示欄に直接数値を入力してブロック番号を指定することもできる。このようにして、ブロック番号選択欄で印字ブロックを選択し、各印字ブロックについて印字パターン情報を指定する。この例では、ブロック番号を0〜255まで設定可能としている。
図9においては、ブロック番号000の印字ブロックとして、GS1データバーを設定している。ここでは、文字データ指定欄204dでGS1データバーを選択し、文字入力欄204bにエンコードする文字列を入力すると、入力された文字列と対応するシンボルが作成され、編集表示欄202にそのイメージが表示される。また、印字パターン入力欄204でシンボルの設定条件を変更すれば、これに応じて編集表示欄202に表示されるシンボルの表示イメージも変化する。
また必要に応じて「ヒューマン」ボタン、「区切り」ボタン、「更新文字挿入」ボタン等を設けることもできる。図8の例では、文字入力欄204bの下部に、各種の機能を設けたフローティングバーを配置しており、この内の一である「ヒューマン」ボタン204rをクリックすれば、設定済みの印字ブロックのシンボルに対応するHR文字列を取得することができる。その詳細については後述する。また「区切り」ボタンは、コンポジットコードを設定する際に、複数種類のバーコードの区切り文字を入力するために使用される。「更新文字挿入」ボタンは、シリアル番号や日時情報のような更新文字を入力する際に使用される。
図9に示すようにシンボルの入力が完了した状態で、対応するHR文字列を設定する。この例では、GS1データバーと対応するHR文字列を、GS1データバーとは別の印字ブロックとして設定する。まず図10に示すように、ブロック番号選択欄でブロック番号を000から001に切り替え、新たな印字ブロックを設定する。ここでは番号指定手段で「>」ボタンを押下する、あるいは番号表示欄205aで直接数値を入力して、番号表示欄205aにおけるブロック番号の表示を「000」から「001」に切り替えると、新たな印字ブロックの設定が可能となる。ここでは、加工種類指定欄204aにおいてラジオボタンで文字列を選択する。そして「ヒューマン」ボタン204rを押下すると、図11のHR文字設定画面210が表示される。このHR文字設定画面210から、HR文字列を設定する。ここでHR文字列は、対応するシンボルを参照して入力することができる。
図11の例では、HR文字列は、HR文字列と対応するGS1データバーを設定した印字ブロックのブロック番号を指定することで、自動的に取得できる。具体的には、HR文字設定画面210の中段に設けられた「参照ブロック番号」欄213で「0」を指定すると、参照ブロック番号「0」に設定されたGS1データバーに対応するHR文字列が、「印字サンプル」欄211に表示される。またその下の「文字列」欄212には、対応するHR文字列参照文字列が表示される。ここではHR文字列参照文字列として「%H<0001>」が入力される。「%」は特殊文字を表し、「H」はヒューマンリーダブル文字列を表す。また<0001>はブロック0番目の一次元コードを参照する意味である。例えば<0052>であれば、ブロック5番目の二次次元コードを参照することを示す。
またHR文字設定画面210の「GS1 DataBar&CCオプション」設定欄における「参照シンボル」欄214は、コンポジットコードの参照シンボルを指定する。ここでは「リニアコード」が指定される。
このように加工条件設定部3Cは、一次元コード又は二次元コードが設定された印字ブロックを参照して、これら一次元コード又は二次元コードに対応するヒューマンリーダブル文字列を取得し、このヒューマンリーダブル文字列を文字列の印字ブロックとして設定することができる。この方法であれば、入力手間を省力化できると共に、入力ミスも回避できる。なお以上の例では、加工条件設定部3Cを用いて、印字ブロックをブロック毎にそれぞれ設定しているが、加工条件設定部3Cによる設定方法は種々の方法が考えられ、例えばユーザがGUI上で一連の数字を入力すると、それに対応する一次元コード・二次元コード・ヒューマンリーダブル文字列が自動的に設定されるような態様であってもよい。
このようにして「印字サンプル」欄211にHR文字列が表示された状態で、「追加」ボタン215を押下すると、図10における文字入力欄に、取得されたHR文字列参照文字列(例えば「%H<0001>」)が表示される。また、印字パターン入力欄204で設定された条件に従って、HR文字列の印字サンプルが編集表示欄202に表示される(図12)。ここでも上述したシンボルと同様、印字パターン入力欄204でHR文字列の設定条件を変更すれば、これに応じて編集表示欄202に表示されるHR文字列の表示イメージも変化する。さらに、編集表示欄202に表示されたシンボルやHR文字列のイメージを、マウス等のポインティングデバイスを用いたドラッグ操作によって印字位置や文字列全体の大きさ(縮尺)を変更することもできる。これにより、図12に示すように、シンボルの下に適切な大きさのHR文字列を配置して印字することができる。
次に、コンポジットコードを構成する二次元バーコードのHR文字列の印字パターンをブロック番号「002」の印字ブロックに設定する。ブロック番号に「002」を設定し、再び「ヒューマン」ボタン204rをクリックすると、図13に示すように、HR文字列を設定するためのHR文字設定画面210が現れる。ここで、「参照ブロック番号」欄213を0に設定し、「参照シンボル」欄214にはプルダウンメニュー68から二次元コードを選択する。その結果、ブロック番号「000」に設定されたコンポジットコードを構成する二次元コードに対応するHR文字列が、「印字サンプル」欄212に表示される。
この状態で「追加」ボタン215を押下すると、図14に示すように、取得されたHR文字列が文字入力欄204bに表示される。また、印字データの種類等を設定する印字パターン入力欄204に設定された文字データの種類、種別、線種、サイズ・位置、及び印字条件にしたがって、HR文字列を加えたGS1データバーのイメージが編集表示欄202に表示される。
編集表示欄202に表示されたHR文字列のイメージも、上記と同様にマウス等のポインティングデバイスを用いたドラッグ操作によって印字位置や文字列全体の大きさ(縮尺)を変更することができる。このようにして、コンポジットコードを構成する一次元バーコードの下に対応するHR文字列を適切な大きさで配置し、また二次元バーコードの上にも対応するHR文字列を適切な大きさで配置することができる。
なお以上の例では、コンピュータの画面からユーザが複数シンボルとこれに対応するHR文字列の印字パターンを設定する場合について説明したが、予めユーザが設定した更新文字を含む設定情報に従って所定のタイミングで外部コンピュータから自動的に印字パターンの更新を行うような場合も、同様の処理によってHR文字列を生成し、印字することが可能である。この場合にカウンタやリアルタイムクロックを参照して更新文字に対応する具体的な数値データを生成する点や、チェックディジットの具体数値を計算によって求め、HR文字列とすることもできる。またこのような処理を、コンソールやパーソナルコンピュータの処理部に代わって、コントローラ部2の演算部80が実行するように構成することも可能である。
また、上記の実施例ではGS1データバーを構成するリニアコードとマイクロPDFコードについて説明したが、他の一次元コードや二次元コード、あるいは文字列の組み合わせにも本発明を適用することができる。さらに、2種類のシンボルを組み合わさせた複数シンボルを例にとって説明したが、3種類以上のシンボルや文字列を組み合わせた複数シンボルにも本発明を適用することができる。
(移動印字)
以上のようにしてGS1データバー等の複数シンボルの印字パターンがレーザ加工条件設定装置で設定された後、レーザ加工装置のレーザ光発生部6及びレーザ光走査部9を制御して、印字加工を行う。ここで、レーザ加工装置を用いて印字対象のワークの表面にシンボル等の印字を行う場合には、ワークを静止させた状態で印字を行う他、図15、図16に示すように、移動中のワークWKに対して印字を行う移動印字が知られている。移動印字では、ワークを加工エリア(加工が印字の場合は印字エリア)内で移動させながら印字する。移動しているワークを追従しながら、レーザ光をワークの印字面上で走査させて文字列や一次元コード、二次元コード等を印字する。例えば、工場のライン上にレーザ加工装置を設置し、搬送されるワークに対して印字するという使用方法が一般的である。なお、本実施形態でいう「印字エリア」とは、レーザ光走査部9によってレーザ光を走査可能な2次元平面を意味する。この「印字エリア」は、ユーザによって設定変更することが可能であり、レーザ光走査部9によってレーザ光を走査可能な最大印字エリアよりも狭い限定的なエリアを設定することもできる(例えば、fθレンズの光軸付近の矩形領域に限定する等)。
(ライン速度入力方法)
移動するワークに追従しながら印字するには、ワークがどのような速度で移動しているかを示すライン速度を、レーザ加工装置側で把握しておく必要がある。このため、レーザ加工装置に何らかの方法でライン速度を入力する。このようなライン速度の入力方法としては、等速印字とエンコーダ印字の2通りがある。
(等速印字)
等速印字の場合は、ワークが一定速度で搬送されており、ライン速度に変動がないので、ライン速度をそのままレーザ加工装置に入力すればよい。例えばユーザが移動速度入力部3Lから、レーザ加工装置にライン速度(例えば300mm/s)を数値で直接入力する。
(エンコーダ印字)
一方ワークのライン速度が可変の場合は、一定値でないことからこのような数値入力では対応が困難である。そこで、外部からトリガを入力して印字のタイミングを制御する。具体的には、レーザ加工装置にパルスを入力し、ワークの移動距離とパルス数との関係に基づいてレーザ加工装置側でワークの搬送速度や位置を把握する。このような方法をエンコーダ印字と呼ぶ。エンコーダ印字の一例を図17の模式図に示す。この図に示すように、レーザ加工装置のコントローラ部1Aは、パルス入力部1aを備えており、外部のパルス発生器OCからパルスをパルス入力部1aに入力している。パルス発生器OCは、ライン速度に応じてパルスの周期を変化させている。例えば、搬送ラインLNを駆動するモータMTの回転数と同期させて、パルス発生器OCはパルスを生成する。レーザ加工装置は、パルス入力部1aから入力されたパルスの回数によって、ワークWKがどれだけ移動しているかを計算して、印字していく。このため、パルスの数とワークの移動距離の関係を予めコントローラ部1A側に指定しておく。例えば、単位距離当たりのパルス数(例えば[パルス/mm])をユーザがコントローラ部1Aに入力する。
また図示しないが、ユーザはワークが搬送される方向を設定することができる。一例として図17では、図15の搬送方向と逆方向に設定している。なお、本実施例ではワークをX軸方向に搬送する例を説明しているが、Y軸方向やZ軸方向等、任意の方向に設定可能としてもよい。
ライン速度とパルス数の一例を図18のグラフに示す。この例では、2パルスでワークが1mm移動する状態を示しており、5パルスでは2.5mm分ワークが移動する計算となる。これにより、コントローラはワークの位置をパルスに基づいて把握できる。この方法であれば、ライン速度が変化しても対応できる利点が得られる。
(従来の移動印字方法)
このような移動印字において、図5〜図7等に示した複数シンボルを印字する場合を考える。移動印字では、図15のように搬送されるワークの印字面における印字ブロックが、図16に示すように印字エリアに完全に入ったときに印字を開始する。ここで従来の移動印字においては、印字パターンは印字ブロック毎に分割されていた。例えば、一次元コード、二次元コード、HR文字単位で印字ブロックのデータを保持している場合は、一次元コード、二次元コード、HR文字の印字ブロックの全体がそれぞれ印字エリアに入ったタイミングで、印字が開始されていた。このように、印字パターンを複数の印字ブロックに分割し、各印字ブロックをそれぞれシーケンシャルに印字するように印字データを分割していた。
例えば、図19に示すような、マイクロPDFとセパレータとリニアコードで構成されたGS1データバーを、図において右から左に移動するワークの印字面に印字する際には、印字ブロックが印字エリアに完全に進入する順、すなわちセパレータ、マイクロPDF、リニアコードの順で印字されることになる。この際、各印字ブロックの右端が印字エリアに入った状態で、印字が開始されていた(図21)。いいかえると、リニアコードやマイクロPDFの一部が印字エリアに入った状態では(図22)、印字動作を開始しなかった。このように、印字ブロックのすべてが印字エリアに入った後で印字を開始する理由は、印字エリア外には印字できないことから、印字ブロックのすべてが印字エリアにない場合は、印字ブロックの一部が印字できない状態となるからである。
以上の理由から、従来の移動印字においては、印字ブロック全体が印字エリアに入りきるまでの間、待ち時間が存在していた。これにより、印字に使える時間が減少するため、走査速度を早くすることによる印字品質の低下や、搬送ラインの搬送速度が早い場合には印字が追従できない等の問題点があった。
(実施例1)
そこで本実施の形態においては、サブブロック分割部80Aで印字ブロックをさらに複数のサブブロックに分解して、加工順決定部80Bによりサブブロック単位で印字順を決定するように制御する。すなわち、図22に示すようにサブブロックが印字可能エリアに入った段階で印字を開始できることから、従来の移動印字よりも早い段階で印字を介することが可能となる。また、その分だけ印字に要する時間を長く取ることができることから、早く印字を開始した分、印字終了時間も早くでき、印字のタクトタイムを長く取ることができる。このため、高品質な印字加工が可能となり、また早いライン速度に対応させることも可能となる。さらに印字開始までの待ち時間を短くできることから、一層効率よく印字が可能となる。
例えば図19で示したGS1データバーを印字する場合、サブブロック分割部80Aは、図20に示すように、ワークの移動方向に対して垂直な方向に、短冊状に印字ブロックを分割する。このように分割することで、図22に示すように一つの短冊が印字エリアに入ったタイミングで印字を開始することができるようになる。
一方、従来の移動印字では、GS1データバーを構成するバーが1本印字エリアに入っただけでは、印字が開始されず、図21に示すようにGS1データバーのほぼすべてが印字エリアに入るまで印字が開始されなかった。図21と図22を比較すれば、印字開始のタイミングが速くなっていることは明らかである。この結果、印字に使える時間が増えるため、より早いライン速度に追従できたり、レーザ光走査部9の走査速度を遅くして印字品質を向上させることができる。
より具体的には、特にGS1データバーを印字する場合、従来のデータ分割方法では、マイクロPDF、セパレータ、リニアコードの3つにデータを分割するに止まっていた。このデータ分割方法では、マイクロPDF、セパレータ、リニアコードをそれぞれ印字中に、これらの印字ブロックの間で入れ替わりながら印字することはなく、それぞれをシーケンシャルに印字するようなデータ分割方法となっていた。このため、従来の印字加工では一次元コードや二次元コード全体が印字エリア内に入ったタイミングで初めて、印字を開始していた。これに対して、実施例1に係るレーザ加工方法では、印字ブロックをさらにサブブロックに分解し、図20に示したように短冊状にデータを分割することで、一の短冊が印字エリアに入ったタイミングで印字を開始できるようにして、待ち時間を低減し印字の効率化を図っている。
(サブブロック分割部80A)
サブブロック分割部80Aは、文字列については文字単位を最小単位としてサブブロックに分割する。また二次元コードについては、二次元コードを構成するセルを最小単位として、サブブロックに分割する。さらに一次元コードについては、一次元コードを構成するバー、スペースの基準となるモジュール幅単位を基準としてサブブロックに分割する。例えば一次元コードがバーコードの場合は、ナローバーの幅が最小単位となる。ただ、本発明はこのようなシンボルや文字列の最小単位を、そのままサブブロックの最小単位とする構成に限らず、例えば2文字、セル2個分、あるいはモジュール幅を複数本といった、複数個の文字やセル、モジュール幅を基準としてサブブロックに分割することもできる。
なお本明細書において「モジュール幅」はシンボルを構成する最も幅狭のコードであり、「ナローバー」を含む概念である。またこの例では、二次元コードと一次元コードで、互いのモジュール幅の幅を一致させているが、これらを調整可能としてもよい。例えばモジュール幅の最小単位を変更するためのGUI画面を用意する等、各シンボルのモジュール幅やナローバーの幅の単位を変更設定するための機能を設けることもできる。
(データ分割のフローチャート)
本実施の形態におけるデータ分割の手順を、図23のフローチャートに基づいて説明する。まずステップS1では、ユーザが加工条件設定部3Cで入力した文字列を解析し、リニアコードにエンコードする文字列、マイクロPDFにエンコードする文字列をそれぞれ確定させる。次にステップS2に進み、ステップS1で確定した文字列をそれぞれエンコードし、印字をする部位としない部位を示す印字マップを作成する。ここでは、リニアコードの印字マップ、マイクロPDFの印字マップをそれぞれ作成し、さらにこれらの印字マップに基づいて、セパレータの印字マップを作成する。図24に、リニアコード、マイクロPDF、セパレータの印字マップを、それぞれS2’,S3’,S4’として示している。なお、図24では説明のため、印字ONの箇所は黒く塗り潰しているが、実際のデータでは、黒の部分は1、白の部分は0としてデータを保持している。
次にステップS3に進み、ステップS2で得られた印字マップを、GS1データバーの形式に適合するように接続させる。この結果、図25に示すようなGS1データバーの印字パターンが得られる。さらにステップS4に進み、ステップS5で得られたGS1データバーを、移動方向に対して垂直な方向に分割する。ここでは、サブブロック分割部80Aによってサブブロックに分割する。さらに必要に応じて、各印字ブロックの、サブブロック同士を縦方向に結合して統合ブロックを得ることもできる(詳細は後述)。すべての印字ブロックを分割すると、処理を終了する。この結果、図25に示した、短冊状に分割された印字パターンが得られる。なお、分割された個々のサブブロックには、それぞれ印字ブロック内における自身の位置を示す座標情報が付加され、加工順決定部80Bがサブブロック単位での印字順を決定する際に、この座標情報が用いられる。
このようにして得られたGS1コードの印字パターンを印字する様子を、図26〜図29に示す。これらの図において、図26は従来の印字方法でGS1コードの印字が開始されるタイミングを、図27は従来の印字方法によるGS1コードの印字順を、また図28は実施例1に係る印字方法で印字が開始されるタイミングを、図29は実施例1に係る印字方法によるGS1コードの印字順を、それぞれ示している。従来の印字方法では、図26に示すように、各印字ブロックは、ブロック全体が印字エリアに入って初めて印字が開始されていた。この方法では、図27において枠状で示す各印字ブロックは、全体が印字エリアに入った順に印字されるので、その印字順は、(→(→1→0→7→1→・・・4→マイクロPDF→セパレータ→リニアコード→5のようになる。これでは、印字ブロックが印字エリアに完全に入りきるまでは印字が開始できず、印字開始のタイミングが遅れる結果、印字に充てることのできる時間が短くなり、結果として印字品質の低下や、早いライン速度に対応できない事態が生じていた。
これに対し、実施例1によれば、印字ブロックをさらにサブブロックに分割している。サブブロックの例は、図29において枠状で示している。このため、マイクロPDF、セパレータ、リニアコード等の端部が印字可能エリアに入ると、サブブロック単位での印字が可能となるため、印字ブロックが印字エリアに完全に入りきらなくとも印字を開始できる。このように、印字を行うブロックの区切りを細かくしたことで、印字開始のタイミングを早く繰り上げることが可能となり、印字に充てることのできる時間を長くとることが可能となるのである。
(レーザ光走査部9による走査)
以上のようにして加工順決定部80Bで決定された加工順すなわち印字順に従い、展開情報生成部80Cは展開情報を生成する。また走査制御部80Dは、展開情報に従って印字面の印字を行う。図30に、指定された複数シンボルに対し、決定された印字順と、この印字順に従ってレーザ光走査部9のスキャナがレーザ光を走査させる軌跡の一例を示す。この例では、複数シンボルは上から順に第二HR文字列と、二次元コードと、一次元コードと、第一HR文字列とで構成される。第二HR文字列は、二次元コードのエンコード内容を、第一HR文字列は一次元コードのエンコード内容を、それぞれ示している。またこの複数シンボルを印字するワークの印字面は、図において右から左に移動されるものとする。さらに印字順を決定するための端となるサブブロックは、一次元コードのナローバー、二次元コードのセル、文字列の文字単位としている。この結果、最も早く印字可能エリアへの進入が完了するのは、一次元コードの左端のナローバーとなる。よって、このバーから印字が開始される。
図30の例では、レーザ光を図において下から上、さらに上から下に一往復させた2パスで、ナローバーを印字している。なおこの例では、図において下から上、上から下の2パスでサブブロックに相当する一のナローバー、又は二次元コードの一セルあるいは複数セルが縦方向に連続したバー状の印字を行う例を示している。ただ、上から下、下から上にレーザ光を走査させることでサブブロックを印字することも可能である。また、1パスあるいは3パス以上のレーザ光の走査によってサブブロックを印字することも可能であることは、いうまでもない。
また、各バーやバー状を印字する際に、レーザ光の走査方向を同じ方向に揃えることで、印字品質を向上できる。図30の例では、図において下から上にレーザ光を走査させ、さらに下から上に走査させる一往復の軌跡で、各ナローバーやセルを印字している。このように同一方向にレーザ光を走査させることで、印字結果が綺麗になる。ただ、本発明は必ずしも同一方向にレーザ光を走査させる構成に限定するものでなく、印字順の効率を考慮して、例えばレーザ光を上から下、下から上に往復させて印字させる軌跡を混在させてもよい。
またここでは、ナローバー単位での印字を行うため、図30の例ではナローバー2本で幅広のバーを構成しているところ、左端のナローバーを印字した時点で、次の印字対象のサブブロックを選択する。いいかえると、左端のナローバーと隣接する左から2番目のナローバーの印字は、この時点では行われない。
左端のナローバーに次いで、印字エリアへの進入が完了するのは第二第Rコードの文字「A」となるので、Aの印字を行うようにレーザ光走査部9を駆動させ、印字位置を移動させる。いいかえると、二次元コードの印字ブロックから文字列の印字ブロックに、印字対象の印字ブロックを切り替えている。なおこの例では、複数シンボルは、各シンボルがスタックされて、いいかえると近接して配置されているため、サブブロック間の距離の判定作業を不要とすることもできる。この場合は、単純にサブブロックが印字エリアに侵入した順に印字を開始する。また、「A」を印字する際の始点及び終点は、プログラムによって適切な位置に設定される。
(統合ブロック)
またこの例では、一次元コードのナローバーの幅と、二次元コードのセルの幅とを一致させている。この結果、文字「A」に続いて印字可能エリアに進入が完了するのは、二次元コードの左端のセルで構成されたバー状と、一次元コードの左から2番目のナローバーとなる。この場合は、印字ブロック毎にサブブロックを逐次印字することもできるが、サブブロック同士を印字ブロックを跨いで結合させて、一の統合ブロックとして扱うことも可能である。すなわち二次元コードのバー状を印字した後、一次元コードのナローバーを印字する他、これらバー状とナローバーとを統合した統合ブロックとして扱い、統合ブロック単位で印字することもできる。この方法であれば、サブブロック毎に個別に印字するよりも、効率よく印字を行えるので、タクトタイムを圧縮でき、また印字品質も直進性が増すことから、綺麗にできる利点が得られる。
このように統合ブロックは、印字ブロックを超えて統合できる。特に複数シンボルがGS1データバーの場合は、一次元コードのモジュール幅と二次元コードのセル幅とが同じであることから、サブブロックに分割された際の幅が等しいため、これらを統合させることが容易となる。
なお、サブブロック単位での印字を行う場合は、ワークの進入方向に対して略直交する方向において同じ位置にあるサブブロック同士の印字順は、いずれを先に印字することもできるが、好ましくは、現在のレーザ光走査部9の走査位置と近い側から印字を開始する。すなわち、図30の例においては、文字「A」の印字が終了した時点では、走査位置が上方に位置するため、文字「A」と隣接する二次元コードのサブブロック(バー状)を先に印字し、その後、文字「A」から遠い側に位置していた一次元コードのサブブロック(ナローバー)の印字を行う。これにより、レーザ光走査部9の移動量を少なくでき、効率よく印字が行えることから、タクトタイムの圧縮が図られる。
続いて同様に、次に印字エリアに侵入完了する第一HR文字列の文字「D」の印字を開始し、終了後は二次元コードのセルの印字を行う。
さらに該セルの印字終了は、一次元コードのナローバーと、二次元コードの下側のセル及び上側のセルの3つのサブブロックが、同時に印字エリアに侵入する。ここでは、一次元コードのナローバーと二次元コードの下側のセルを統合した統合ブロックの印字を行い、その後二次元コードの上側のセルの印字を行う。このようにして、順次サブブロック、又はサブブロック同士が統合された統合ブロック単位で印字を繰り返し、最終的に右端の二次元コード及び一次元コードのセル及びバーを印字して、コの印字パターンの印字を終了する。また、必要に応じてレーザ光走査部9を次の印字ブロックに移動させる。
以上のように、実施例1によれば、複数の異なる印字ブロック間を跨ぐようにして、印字対象の印字ブロックを随時切り替えながら印字を行うことで、未だ印字ブロックの全体が印字エリアに完全に進入する前であっても印字作業を開始することができ、待ち時間を削減して効率よく印字を行うことができる。言い換えると、複数の異なる印字ブロック間で、印字対象を遷移させながら印字を行うことで、効率よく印字を行うことができる。
なお以上の例では、図6に示したように、各印字ブロックが端縁をほぼ同じ線上に揃えた複数シンボルを印字する例について説明した。ただ、本発明はこの構成に限らず、各印字ブロックの端縁が異なる位置に配置された複数のブロックにおいても、印字を行うことが可能である。例えば、図31や図32に示すように、一次元コードとHR文字列がずれて配置された場合においても、上記実施例1と同様に各印字ブロックをサブブロックに分解すると共に、ワークの移動方向に沿って、先に印字エリアへの進入が完了したサブブロックから順次印字していく。
(実施例2)
一方で、印字ブロック間が余りに懸け離れている場合は、印字ブロックを切り替える際にレーザ光走査部9の移動距離が長くなり、移動に要する時間のロスが多くなる。例えば、図31に示すように、ワークの移動方法(図において右から左)とほぼ直交する方向(図において上下)における、印字ブロック間の距離d1が、比較的短い場合は、印字対象を頻繁に切り替えてもさほどロスとならない。しかしながら、図32に示すように印字ブロック間の距離d2が大きく離れている場合は、この間をレーザ光走査部9で移動させるのに相応の時間を要する。しかも、印字対象の印字ブロックを切り替える回数が多い程、レーザ光走査部9の移動に要する時間も長くなり、無視できないロスとなる。
そこで、予め所定の距離閾値を設定しておき、印字ブロック間の距離が距離閾値以内の場合には、印字ブロック間を跨ぐ印字順の設定を許容する一方で、距離閾値を超える場合には、印字ブロック間を跨ぐ印字ブロックの切り替えを禁止するように設定することもできる。このような例を実施例2として、以下詳細に説明する。この場合は、加工順決定部80Bが、サブブロックの印字順を決定するに際し、印字ブロックの切り替えが必要な場合に、移動元のサブブロックから移動先のサブブロックまでの距離、すなわちワークの移動方向と直交する方向における距離を調べ、この距離を距離閾値と比較する。そして距離閾値以内の場合には、実施例1と同様に印字ブロック間を跨ぐ印字順の設定を許容する一方、距離閾値を超える場合には、印字ブロック間を跨ぐ印字順の設定を禁止する。このような制御を加えることで、図32に示すような、印字ブロック間の移動距離が長すぎて印字ブロック間の移動に時間がかかってしまう事態を避け、印字ブロックの切り替えに要する時間が却って印字の効率を低下させる事態を回避できる。なお印字ブロック間の距離が距離閾値を超える場合には、例えば移動元のサブブロックが属する印字ブロックの印字が終了した後に、移動先のサブブロックが属する印字ブロックに移動させるように、加工順決定部80Bが印字順を決定することができる。このようにすることで、印字ブロック同士が離れている場合には各印字ブロック単位での印字を優先させて、印字ブロック間の移動によるロスを低減して印字効率を高めることができる。
なお、印字対象を他の印字ブロックに切り替える際に、該印字ブロックの切り替えを許容するかどうかの基準となる閾値距離は、印字エリアの大きさやレーザ光走査部9の走査速度、ワークを移動させるライン速度、要求される印字品質等に応じて決定される。例えば、印字エリアの一辺の長さの約1/2を距離閾値として、印字ブロック間の距離がこれよりも長い場合に印字ブロック間を跨ぐ移動に規制をかけるようにする。あるいは、印字ブロックの、ワークの移動方向と平行な方向での長さを基準としてもよい。さらには、ユーザが所望の数値を直接指定するように構成することもできる。
また図31や図32の例では、ワークの移動方向である右から左方向において、一次元コードが数字列よりも先に印字エリアに進入するため、一次元コードを先に印字している。ただ、数字列が一次元コードよりも先に印字エリアに進入する場合、例えば数字列がバーコードよりも左にある場合や、搬送方向が左から右方向である場合には、数字列が先に印字されることとなるのは、言うまでもない。
(実施例3)
また、以上の例では、印字エリアに入ったサブブロック順に印字を行う例を説明したが、本発明はサブブロックの印字順を必ずしもこの順に限定しない。例えばライン速度やサブブロックの幅が判明しており、印字エリアにサブブロックが完全に入ったことを確認しなくとも印字可能な場合は、印字エリアにサブブロックが完全に入ったことの確認作業を省略して、所定の順に印字を行うように構成してもよい。例えば、一次元コードを構成するバー、あるいは二次元コードを構成するセルやこれを複数纏めたバーを、所定の数だけ印字して、他のシンボルに切り替えるような手順を予め決定しておく方法も採用できる。ここで実施例3として、図33に示すように、文字列と二次元コードを組み合わせた複数シンボルを印字する場合を考える。この場合は、二次元コードを構成するセルを、シンボルの積層方向と平行な方向に纏めたバー状のサブブロックに分割し、サブブロックを2個分印字すると、文字の印字に切り替えるように、二次元コードと文字列の印字を交互に繰り返す印字順とする。この例では、図34の表に示すような順で印字している。
あるいは、この場合にバー状を2本単位で予めサブブロック化しておけば、サブブロックと文字の印字を交互に行うことでも、同様の結果を得ることができる。
この場合加工順決定部80Bは、サブブロック分割部80Aでそれぞれ分割された複数のサブブロックについて、予め定められた所定の手順で該一次元コード、二次元コード、及び文字列の内少なくとも2つについて、印字ブロックを切り替えるよう加工順を決定する。具体的には、一次元コード、二次元コード、及び文字列のいずれかの印字ブロックに属するサブブロックを一以上加工した後、一次元コード、二次元コード、及び文字列の他のいずれかの印字ブロックに属するサブブロックを一以上加工する手順を、複数回繰り返すように、加工順決定部80Bが加工順を決定する。例えば図34の例では、文字1個印字後に、バー2本を印字する動作を交互に行う。これによって、複数のサブブロックに対し、印字エリア内に進入する順を検討することなく、一定の手順で印字ブロック間を切り替えるように加工順を設定することができ、加工順の決定プロセスを簡素化しつつ、サブブロック単位で加工順を管理することにより加工に要するタクトタイムを稼ぐことができ、より高速な移動加工にも対応できる利点が得られる。
(実施例4)
以上の方法では、一次元コードや二次元コード、文字列等の印字ブロックをサブブロックに分割して、印字エリアへの進入が完了したものから順に印字する例を説明した。一方でこの方法では、一次元コードや二次元コードの印字途中で、他の印字ブロックに印字対象を切り替えることが多くなるため、レーザ光走査部9の動作が細かくなり、いきおい印字品質が低下することがあった。すなわち、印字順序が文字列や二次元コード、一次元コード等に頻繁に切り替わるため、レーザ光を走査させるためにレーザ光走査部のスキャナに対し、より複雑な動作司令を与える必要がある。この結果、特に一次元コードでは蛇行や位置ずれが起こる原因となっていた。
レーザ加工装置の印字品質は、例えば専用の検証機によって評価される。検証機では、白部分と黒部分のコントラスト、バーの直進性、セルの欠けがないか等の項目を評価し、判定値を出力する。一例として、レーザ加工装置で印字されたGS1バーの印字結果のイメージ、このGS1バーの印字品質を、検証機で評価した検証結果を、図35、図36に示す。この図において、図35は実施例1の方法で印字されたGS1バーの印字結果のイメージを、図36はこのGS1バーの印字品質を検証機で評価した検証結果を、それぞれ示している。
レーザ加工装置のユーザからは、印字されたシンボルの読み取り性能を向上、安定化させるために、検証機による高い判定値が求められている。しかしながら、印字ブロックをサブブロックに分割すると、上述の通り蛇行や位置ずれが生じやすくなり、印字品質の低下が懸念される。特にバーコードやリニアコードのような一次元コードでは、シンボル自体が単純であることから、傾きなどの影響を受けやすい。図36に示すとおり、印字エリアへの進入完了順に印字を行うと、スキャナに複雑な動作司令を送ることから、蛇行や位置ずれが多くなる結果、直進性や黒と白バーの幅の均一性が重要なリニアコードにおいて、検証機の評価値が低下してしまう。このような蛇行や位置ずれの影響を抑えるためには、レーザ光走査部9に、より単調な動作をさせる必要がある。
そこで、直進性や印字位置の正確性が必要な印字ブロックに関しては、印字対象の切り替えを行わずに、それ単体で一括して印字を行う。いいかえると、印字ブロックを跨ぐような印字順序の切り替えを行わずに、纏めて印字する。このような制御を行うことで、レーザ光走査部9のスキャナに対して単調な動作をさせることができる。例えば、図35のGS1バーの例では、図37に示すようにリニアコードの部分のみを纏めて印字させる。この場合は、図37において矢印で示すようにレーザ光が走査されるので、同じ振幅で縦方向に上下させるような、単調な動作になっていることが確認できる。この結果、検証機による評価値を向上させることができる。
(フローチャート)
次に、実施例4に係る印字制御の手順を、図38のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、図39に示す複数シンボルを印字するための印字データを作成する例を考える。図38のフローチャートにおいて、ステップS’1〜S’2までの動作は、上述した図23のステップS1〜S2の動作とほぼ同じであり、詳細説明を省略する。
ステップS’3に進むと、加工順決定部80Bが印字対象の各印字ブロックについて、印字結果の品質評価に際してバーの直進性が必要な印字ブロックと、そうでない印字ブロックに分類する。例えばGS1データバーを印字する場合は、リニアコードが蛇行や位置ずれに敏感であるために、リニアコードを直進性が必要な印字ブロックに分類し、他の印字ブロック、例えばマイクロPDF、セパレータを直進性が不要な印字ブロックに分類する。このため図39の複数シンボルの例では、図40に示すようにリニアコードMB2を、直進性が必要な印字ブロックに分類し、マイクロPDFMB3とセパレータMB4を、直進性が不要な印字ブロックに、それぞれ分類する。
次にステップS’4に進み、印字マップを作成する。ここで、直進性が必要とされたリニアコードについては、単体で印字マップを作成する(図39において一点鎖線で示す。)。一方、直線性を要しないマイクロPDFとセパレータについては、これらを接続する。そしてS5に進み、マイクロPDFとセパレータについて、移動方向に垂直な方向にサブブロック分割部80Aでデータを分割してサブブロックを得る。これらの工程は、上述した図23のステップS3、S4と同様である。そして印字ブロックのすべてのサブブロックに分割すると、ステップS’6に進み、ステップS’3で分類した印字ブロック同士を統合して、印字データ作成を完了する。
このようにして、図39に示すようなデータ分割結果が得られる。この印字ブロックでは、二次元コードと文字列は実施例1における図30と同様、図39において破線で示すようなサブブロックに分割して印字される一方で、一点鎖線の枠で囲まれた一次元コード部分は、他の印字ブロックと行き来することなく単体で印字される。このような順序で各印字ブロックを印字することで、蛇行や位置ずれの影響を抑えることができ、印字品質を向上することができる。
ここで図39の複数シンボルを印字する具体的な印字順を、図41に示す。まず図42に示すように先に文字列と二次元コードとをサブブロック単位で印字する。ここでの印字は、上述した実施例1における図30のような印字順と同様に、サブブロックの印字エリアへの進入順に行われる。このようにして文字列と二次元コードの印字が終了すると、次に図43に示すように、一次元コードの印字を行う。このようにすることで、一次元コードの印字品質を向上でき、特にGS1データバーにおけるリニアコードの直進性が改善され、印字結果の検証機による検証結果が向上される。
なお図41の例では、バーやセルをレーザ光を2回走査させて(2パスで)印字する例を示しているが、複数シンボルの大きさを変更すると、これに応じて線幅も変動するので、印字に必要な走査回数も変化することはいうまでもない。また、走査するレーザ光のスポット径の大きさによっても、走査回数が変化することも同様である。さらに図41では、文字列と二次元コードの印字終了後に一次元コードの印字を行う例を説明したが、実施例1と同様に印字エリアへの進入順に、すなわち一次元コードの印字が終了した後、文字列と二次元コードの印字を開始することもできる。
本発明のレーザ加工装置、レーザ加工条件設定装置、レーザ加工方法、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器は、例えばマーキング、穴あけ、トリミング、スクライビング、表面処理等、立体形状を有する立体の表面にレーザ照射を行う処理において、立体形状の設定に広く適用可能である。なお、三次元印字が可能なレーザマーカの例について説明したが、本発明は二次元印字が可能なレーザマーカに対しても好適に適用できる。
100…レーザ加工装置
1…レーザ制御部;1A…コントローラ部;1a…パルス入力部
2…レーザ出力部
3…入力部;3C…加工条件設定部;3L…移動速度入力部
4…コントローラ制御部;5…メモリ部;5A…記憶部
6…レーザ光発生部;7…電源;8…レーザ媒質;9…レーザ光走査部
10…レーザ励起光源;11…レーザ励起光源集光部;13…光ファイバケーブル
14…スキャナ;14a…X軸スキャナ;14b…Y軸スキャナ;14c…Z軸スキャナ
15…集光部
50…レーザ発振部;51、51a、51b…ガルバノモータ
52…スキャナ駆動回路;53…ビームエキスパンダ
80…制御部;80A…サブブロック分割部;80B…加工順決定部
80C…展開情報生成部;80D…走査制御部
82…表示部
150…マーキングヘッド部;180…レーザ加工条件設定装置;190…外部機器
202…編集表示欄
204…印字パターン入力欄;204a…加工種類指定欄;204b…文字入力欄
204c…詳細設定欄;204d…文字データ指定欄;204e…「印字データ」タブ
204f…「サイズ・位置」タブ;204g…「印字条件」タブ
204h…「基本設定」タブ;204i…「形状設定」タブ
204j…「詳細設定」タブ;204q…種別指定欄;204r…「ヒューマン」ボタン
205a…番号表示欄
210…HR文字設定画面
211…「印字サンプル」欄
212…「文字列」欄
213…「参照ブロック番号」欄
214…「参照シンボル」欄
215…「追加」ボタン
270…編集モード表示欄
272…編集モード切替ボタン
LB…レーザ光;WK…ワーク;WA…加工エリア
OC…パルス発生器;LN…搬送ライン;MT…モータ

Claims (30)

  1. レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ光による加工を行うレーザ加工装置において、
    レーザ光を発生させるためのレーザ光発生部と、
    前記レーザ光発生部で発生させたレーザ光を二次元状に走査させるためのレーザ光走査部と、
    加工面に加工する加工パターンとして、一次元コード及び二次元コードについて、それぞれが加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するための加工条件設定部と、
    前記加工条件設定部で設定された二次元コードの加工ブロックについて、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割するためのサブブロック分割部と、
    二次元コードについては、前記サブブロック分割部でそれぞれ分割された複数のサブブロックについて、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定する一方、
    一次元コードについては、二次元コードの加工後又は加工前に、加工ブロック単位で加工されるように、加工順を決定する加工順決定部と、
    前記加工条件設定部で設定された加工パターン、及び前記加工順決定部で決定された加工順に基づいて、前記レーザ光走査部でもってレーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成するための展開情報生成部と、
    前記展開情報生成部で生成された展開情報に基づいて、前記レーザ光発生部及びレーザ光走査部を制御するための走査制御部と
    を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 請求項1に記載のレーザ加工装置であって、
    前記加工順決定部が、一次元コードの加工順について、加工エリア内に加工ブロックが進入するタイミングでもって、加工順を決定してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  3. 請求項1に記載のレーザ加工装置であって、
    前記加工順決定部が、一次元コードを、二次元コードの加工後に、加工ブロック単位で加工するよう、加工順を決定してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    前記加工条件設定部は、加工面に加工する加工パターンとして、文字列を含み、
    前記サブブロック分割部は、前記加工条件設定部で設定された文字列の加工ブロックについて、文字単位を基準としてサブブロックに分割し、
    前記加工順決定部が、前記サブブロック分割部でそれぞれ分割された複数のサブブロックについて、二次元コード及び文字列については、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  5. 請求項4に記載のレーザ加工装置であって、
    前記加工条件設定部で設定された文字列が、一次元コード又は二次元コードにエンコードされた情報と関連付けられてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  6. 請求項4又は5に記載のレーザ加工装置であって、
    前記加工条件設定部で設定された文字列が、一次元コード又は二次元コードにエンコードされた情報を文字化したヒューマンリーダブル文字の文字列であることを特徴とするレーザ加工装置。
  7. 請求項6に記載のレーザ加工装置であって、
    前記加工条件設定部は、前記一次元コード又は二次元コードが設定された加工ブロックを参照して、該一次元コード又は二次元コードに対応するヒューマンリーダブル文字列を取得し、該ヒューマンリーダブル文字列を文字列の加工ブロックとして設定可能に構成してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    前記加工順決定部が、加工エリア内への進入が完了する順にサブブロックの加工順を決定するにおいて、異なる加工ブロック間の移動が生じる際に、移動元のサブブロックから移動先のサブブロックまでの、加工対象物の移動方向と略直交する方向における距離が、
    所定の距離閾値以内の場合には、加工ブロック間を跨ぐ加工順の設定を許容し、
    該距離閾値を超える場合には、加工ブロック間を跨ぐ加工順の設定を禁止するように、加工順を決定してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  9. 請求項8に記載のレーザ加工装置であって、
    前記加工順決定部が、加工エリア内への進入が完了する順にサブブロックの加工順を決定するにおいて、異なる加工ブロック間の移動が生じる際の、移動元のサブブロックから移動先のサブブロックまでの距離が、距離閾値を超える場合には、移動元のサブブロックが属する加工ブロックを加工終了後に、該移動先のサブブロックが属する加工ブロックに移動させるよう、加工順を決定してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  10. 請求項4〜9のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    前記サブブロック分割部が、文字列をサブブロック化する最小単位を、文字単位としてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  11. 請求項4〜10のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    前記サブブロック分割部が、二次元コードをサブブロック化する最小単位を、セル単位としてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    前記サブブロック分割部が、二次元コードをサブブロック化する最小単位を、複数セルとしてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    前記走査制御部が、外部からのトリガ入力に従って加工対象物の位置を把握することで、移動加工を行うよう構成してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  14. 請求項1〜12のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    前記走査制御部が、加工対象物の移動速度の入力を受け付ける移動速度入力部を備えてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、さらに
    前記展開情報生成部で生成された展開情報を記憶するための記憶部を備えており、
    前記展開情報生成部が、予め展開情報を生成して、前記記憶部に記憶してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、さらに
    前記展開情報生成部で生成された展開情報を記憶するための記憶部を備えており、
    前記走査制御部が、試験的な加工を行うためのテスト加工モードに切り替え可能としており、
    前記展開情報生成部がテスト加工モードにおいて生成した展開情報を、記憶部に記憶してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  17. 請求項1〜16のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    加工パターンが、GS1データバーであることを特徴とするレーザ加工装置。
  18. 請求項1〜17のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    加工パターンが、一次元コード又は二次元コードを複数積層した複数シンボルであり、
    複数シンボルは、積層された各一次元コード又は二次元コードと、他の一次元コード又は二次元コードとの間に、これらを区切るためのセパレータを設けてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  19. 請求項1〜18のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    加工パターンが、一次元コードのモジュール幅と、二次元コードのセル幅とを一致させてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  20. 請求項1〜19のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    一次元コードが、リニアコード又はバーコードであることを特徴とするレーザ加工装置。
  21. 請求項1〜20のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    レーザ光による加工が、印字加工であることを特徴とするレーザ加工装置。
  22. 請求項1〜21のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、
    前記加工順決定部が、前記サブブロック分割部でそれぞれ分割された複数のサブブロックの内、加工エリア内への進入が完了する順に、異なる加工ブロックに属するサブブロック同士を統合した統合ブロックとして纏め、該統合ブロックが加工エリア内への進入が完了する順に加工順を決定するよう構成してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  23. レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ光による加工を行うレーザ加工装置において、
    レーザ光を発生させるためのレーザ光発生部と、
    前記レーザ光発生部で発生させたレーザ光を二次元状に走査させるためのレーザ光走査部と、
    加工面に加工する加工パターンとして、一次元コード及び二次元コードについて、それぞれが加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するための加工条件設定部と、
    前記加工条件設定部で設定された二次元コードの加工ブロックについて、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割し、二次元コードについては、分割された複数のサブブロックについて、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定する一方、一次元コードについては、二次元コードの加工後又は加工前に、加工ブロック単位で加工されるように、加工順を決定し、該決定された加工順及び前記加工条件設定部で設定された加工パターンに基づいて、前記レーザ光走査部でもってレーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成し、該展開情報に基づいて、前記レーザ光発生部及びレーザ光走査部を制御するための制御部と
    を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
  24. レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ光による加工を行うレーザ加工装置において、
    レーザ光を発生させるためのレーザ光発生部と、
    前記レーザ光発生部で発生させたレーザ光を二次元状に走査させるためのレーザ光走査部と、
    加工面に加工する加工パターンとして、一次元コードと、二次元コードと、文字列が、それぞれ加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交交差する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するための加工条件設定部と、
    前記加工条件設定部で設定された
    文字列の加工ブロックについては、文字単位を基準としてサブブロックに分割し、
    二次元コードの加工ブロックについては、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割するためのサブブロック分割部と、
    前記サブブロック分割部でそれぞれ分割された複数のサブブロックについて、予め定められた所定の手順で該二次元コード及び文字列の加工ブロックを切り替え、該二次元コード及び文字列の加工後又は加工前に、一次元コードを加工ブロック単位で加工するよう、加工順を決定する加工順決定部と、
    前記加工条件設定部で設定された加工パターン、及び前記加工順決定部で決定された加工順に基づいて、前記レーザ光走査部でもってレーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成するための展開情報生成部と、
    前記展開情報生成部で生成された展開情報に基づいて、加工対象が二次元コードと文字列の加工ブロック間で入れ替わりながら加工するように、前記レーザ光発生部及びレーザ光走査部を制御するための走査制御部と
    を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
  25. 請求項24に記載のレーザ加工装置であって、
    前記加工順決定部が、二次元コード又は文字列のいずれかの加工ブロックに属するサブブロックを一以上加工した後、二次元コード又は文字列の他のいずれかの加工ブロックに属するサブブロックを一以上加工する手順を、複数回繰り返すようにして、加工順を決定してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  26. レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ光による加工を行うレーザ加工装置において、レーザ加工条件を設定するためのレーザ加工条件設定装置であって、
    加工面に加工する加工パターンとして、一次元コード及び二次元コードについて、それぞれが加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するための加工条件設定部と、
    前記加工条件設定部で設定された二次元コードの加工ブロックについて、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割するためのサブブロック分割部と、
    二次元コードについては、前記サブブロック分割部でそれぞれ分割された複数のサブブロックについて、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工を行う一方、
    一次元コードについては、二次元コードの加工後又は加工前に、加工ブロック単位で加工されるように、加工順を決定する加工順決定部と、
    前記加工条件設定部で設定された加工パターン、及び前記加工順決定部で決定された加工順に基づいて、前記レーザ光走査部でもってレーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成するための展開情報生成部とを備え、
    前記展開情報生成部で生成された展開情報に基づいて、レーザ光の発生及び走査を制御可能に構成してなることを特徴とするレーザ加工条件設定装置。
  27. レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ加工装置を用いてレーザ光による加工を行うためのレーザ加工方法であって、
    加工面に加工する加工パターンとして、一次元コード及び二次元コードについて、それぞれが加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するよう促す工程と、
    二次元コードの加工ブロックについて、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割する工程と、
    二次元コードについては、分割された複数のサブブロックのそれぞれについて、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定する一方、
    一次元コードについては、二次元コードの加工後又は加工前に、加工ブロック単位で加工されるように、加工順を決定する工程と、
    設定された加工パターン及び決定された加工順に基づいて、レーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成する工程と、
    生成された展開情報に基づいて、レーザ光を発生させて走査する工程と
    を含むことを特徴とするレーザ加工方法。
  28. レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ加工装置を用いてレーザ光による加工を行う加工条件を設定するためのレーザ加工条件設定方法であって、
    加工面に加工する加工パターンとして、一次元コード及び二次元コードについて、それぞれが加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するよう促す工程と、
    二次元コードの加工ブロックについて、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割する工程と、
    二次元コードについては、分割された複数のサブブロックのそれぞれについて、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定する一方、
    一次元コードについては、二次元コードの加工後又は加工前に、加工ブロック単位で加工されるように、加工順を決定する工程と、
    設定された加工パターン及び決定された加工順に基づいて、レーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成する工程と
    を含み、
    生成された展開情報に基づいて、レーザ光の発生及び走査を制御可能としてなることを特徴とするレーザ加工条件設定方法。
  29. レーザ光を加工エリア内で二次元状に走査させることにより、該加工エリア内を移動中の加工対象物の加工面に対し、レーザ加工装置を用いてレーザ光による加工を行う加工条件を設定するためのレーザ加工条件設定プログラムであって、
    加工面に加工する加工パターンとして、一次元コード及び二次元コードについて、それぞれが加工対象物の移動方向と略平行に並び、かつ該移動方向と略直交する方向において少なくとも一部が互いにオーバーラップするように配置された加工ブロックとして設定するよう促すための加工条件設定機能と、
    前記加工条件設定機能を用いて設定された二次元コードの加工ブロックについて、該二次元コードを構成するセル単位を基準としてサブブロックに分割するためのサブブロック分割機能と、
    前記サブブロック分割機能を用いて分割された二次元コードの複数のサブブロックのそれぞれについて、加工対象物の加工面が加工エリア内に移動された場合に、該加工エリア内への進入が完了するサブブロックから順に加工されるように、加工順を決定する一方、一次元コードについては、二次元コードの加工後又は加工前に、加工ブロック単位で加工されるように、加工順を決定するための加工順決定機能と、
    前記加工条件設定機能で設定された加工パターン及び前記加工順決定機能で決定された加工順に基づいて、レーザ光が辿るべき軌跡を規定する線分データ、及びレーザ光をON又はOFFに制御するための制御データを含む展開情報を生成するための展開情報生成機能と、
    前記展開情報生成機能で生成された展開情報に基づいて、レーザ光を発生させて走査するための操作制御機能と
    をコンピュータに実現させることを特徴とするレーザ加工条件設定プログラム。
  30. 請求項29に記載されるプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110382158A (zh) * 2016-10-06 2019-10-25 卓泰克激光股份有限公司 用激光绘图仪来雕刻、打标和/或刻写工件的方法以及相应的激光绘图仪

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