JP2014171421A - Dna親和性物質含有組成物、dna親和性物質の精製方法、dna親和性物質含有組成物の製造方法およびdna親和性物質を精製するためのキット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】DNA親和性物質含有組成物は、鎖置換型DNA増幅法において増幅可能なDNAを、前記組成物中のDNA親和性物質100ngあたり0ag以上30ag未満含有するものであり、また、前記DNA親和性物質を精製する方法は、DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するステップと、前記混合物に含まれるDNAの増幅能を、DNA不活化剤により不活化するステップとの組み合わせを含む前記方法。
【選択図】図5
Description
しかしながら、非特許文献6および7に記載の方法は、大量の熱を発するハロゲンランプやUV処置により光照射を行うため、耐熱性ではない酵素に対しては使用することができず、広範囲の酵素に対する応用に適さない。
[1]DNA親和性物質含有組成物であって、鎖置換型DNA増幅法において増幅可能なDNAの含有量が、前記組成物中のDNA親和性物質100ngあたり0ag以上30ag未満である、前記DNA親和性物質含有組成物。
[2]鋳型DNAを含まない試料に対して用いられた際に、以下の(1)〜(3)の条件下で行われるマルチプリープライムローリングサークル増幅によって検出可能なDNAを含まない、[1]のDNA親和性物質含有組成物:
(1)95℃における1分間の加熱処理、
(2)25℃における30分間のアニーリング、
(3)30℃における16時間の伸長反応。
[3]DNA親和性物質含有組成物であって、
鋳型DNAを含まない試料に対して用いられた際に、以下の(1)〜(3)の条件下で行われるマルチプリープライムローリングサークル増幅によって検出可能なDNAを含まない、前記DNA親和性物質含有組成物:
(1)95℃における1分間の加熱処理、
(2)25℃における30分間のアニーリング、
(3)30℃における16時間の伸長反応。
[4]DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するステップと、
前記混合物に含まれるDNAの増幅能を、DNA不活化剤により不活化するステップとの組み合わせを含む製造方法により製造された、[1]〜[3]のいずれかのDNA親和性物質含有組成物。
[5]DNA親和性物質の精製方法であって、
DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するステップと、
前記混合物に含まれるDNAの増幅能を、DNA不活化剤により不活化するステップとの組み合わせを含む、前記DNA親和性物質の精製方法。
[6]DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAの少なくとも一部を、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するステップ、および
前記混合物に含まれるDNAの残部の増幅能を、DNA不活化剤により不活化するステップ
を含む、[5]のDNA親和性物質の精製方法。
[7]DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAの少なくとも一部の増幅能を、DNA不活化剤により不活化するステップ、および
前記混合物に含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するステップ
を含む、[5]のDNA親和性物質の精製方法。
[8]DNA吸着剤が、カチオン性ポリマーを含んで構成されている、[5]〜[7]のいずれかのDNA親和性物質の精製方法。
[9]DNA吸着剤が、アミン含有ポリマーおよび陰イオン交換担体からなる群から選択される1種または2種以上を含んで構成されている、[5]〜[8]のいずれかのDNA親和性物質の精製方法。
[10]DNA不活化剤が、DNAインターカレート剤およびDNA分解酵素からなる群から選択される1種または2種以上である、[5]〜[9]のいずれかに記載のDNA親和性物質の精製方法。
[11]DNA親和性物質が、DNAポリメラーゼである、[5]〜[10]のいずれかのDNA親和性物質の精製方法。
[12]DNA親和性物質が、鎖置換型DNA増幅法に用いられるものである、[5]〜[11]のいずれかのDNA親和性物質の精製方法。
[13][5]〜[12]のいずれかのDNA親和性物質の精製方法で精製された、DNA親和性物質含有組成物。
[14]DNA親和性物質含有混合物を準備するステップ、
前記混合物に含まれるDNAの少なくとも一部を、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するステップ、および
前記混合物に含まれるDNAの残部の増幅能を、DNA不活化剤により不活化して、DNA親和性物質含有組成物を得るステップ
を含む、DNA親和性物質含有組成物の製造方法。
[15]DNA親和性物質含有混合物を準備するステップ、
前記混合物に含まれるDNAの少なくとも一部の増幅能を、DNA不活化剤により不活化するステップ、および
前記混合物に含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去して、DNA親和性物質含有組成物を得るステップ
を含む、DNA親和性物質含有組成物の製造方法。
[16]DNA親和性物質を精製するためのキットであって、
DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するためのDNA吸着剤、および
DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAの増幅能を、DNA不活化剤により不活化するためのDNA不活化剤を含む、前記キット。
また、本発明のDNA親和性物質含有組成物を、鋳型DNAを投入せずにDNA増幅法において用いると、夾雑DNAの増幅が起こらない、陰性コントロールを取ることが可能となる。
まず、本発明のDNA親和性物質含有組成物に先立って、DNA親和性物質の精製方法およびDNA親和性物質含有組成物の製造方法について説明する。
本発明のDNA親和性物質の精製方法は、DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するステップと、前記混合物に含まれるDNAの増幅能を、DNA不活化剤により不活化するステップとの組み合わせを含む。
図1は、(A)本発明の第1実施態様における製造方法および精製方法を示すフロー図、(B)前記フロー図に記載された方法のより具体的な一例を示す概要図である。
本実施態様において、吸着ステップにて夾雑DNAの少なくとも一部を除去し、不活化ステップにて夾雑DNAの残部の増幅能を不活化することにより、DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAの全てを除去および/または不活化することができる。なお、説明の容易化のために、DNA親和性物質含有混合物に含まれ、除去または不活化すべきDNAを夾雑DNAともいう。
なお、本明細書中においてとくに明記しない限り、各ステップは任意の温度、例えば常温、任意の雰囲気下、例えば空気雰囲気下、任意の気圧、例えば常圧で行うことができる。また、記載する手段が公知の場合には、公知の諸条件に合わせて本方法を行うことができる。
まず、本ステップによって、DNA親和性物質含有混合物を準備する。
ここで、本明細書において、DNA親和性物質とは、DNAに対し親和性を有する物質であり、このような性質を有するものであればとくに限定されないが、例えば、デオキシヌクレオチドを基質とした反応に関与可能な酵素や、これを構成するタンパク質、当該タンパク質の一部分と同一の構造を有するポリペプチド等が挙げられる。
DNA親和性物質は、生物由来の天然のものであってもよいし、遺伝子組換え体由来のものであってもよいし、化学的に合成されたものであってもよい。
本発明において、DNAポリメラーゼとしては、Taqポリメラーゼ、逆転写酵素、φ29DNAポリメラーゼが好ましく、中温性酵素であり、MDA法やMPRCA法において好適であるという観点において、高い鎖置換活性およびプロセシビティーを備えるφ29DNAポリメラーゼがとくに好ましい。
このようなアフィニティタグとしては、特に限定されないが、例えば、グルタチオントランスフェラーゼタグ(Gluthathione transferase tag; GSTタグ、各社)、マルトースバインディングプロテインタグ(Maltose binding protein tag; MBPタグ、New England BioLabs社)、ヒスチジンタグ(Hisタグ、各社)、T7タグ(Merck社)、相補的サブユニットタグ(Sタグ、Merck社)、StrepタグII(Merck社)、ビオチンタグ(Promega社)ハロタグ(Promega社)などからなる群から選択される1種または2種以上を用いることができる。上述した中でも、利用上の簡便さの観点から、GSTタグ、Hisタグ、MBPタグが好ましい。
また、DNA親和性物質含有混合物中において、DNA親和性物質は、いかなる状態で存在していてもよいが、好ましくは、DNA親和性物質含有混合物は液体を含み、DNA親和性物質は液体中に存在する。このような場合、例えば、DNA親和性物質は、上記液体中に溶解していてもよいし、分散または懸濁していてもよい。また、例えば、遺伝子組換え体などの生体細胞中に内包された状態で、上記液体中に分散または懸濁していてもよい。
このような液体としては、特に限定されないが、例えば、トリス、リン酸、HEPES等の緩衝液、LBや2×YT等の液体培地などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、DNA親和性物質含有混合物は、その他の任意の成分を含んでいてもよい。
DNA親和性物質含有混合物を新たに調製する場合においては、任意の方法により、DNA親和性物質含有混合物を調製することができる。例えば、DNA親和性物質が生体分子である場合、かかる生体分子をコードするゲノム遺伝子を、プラスミドなどを用いてクローニングし、大腸菌などで発現する。以下に、具体的な例を述べる。
制限酵素としては、とくに限定されないが、例えば、BamHI、EcoRI、HindIII、NcoI、NotI、PstI、XhoIなどが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、DNA親和性物質を、前述のアフィニティタグが結合したタグ融合物質とする場合には、DNA親和性タンパク質を、アフィニティタグとの融合タンパク質として発現させることができる。
次に、図1(A)で示すように、本ステップでは、準備ステップで準備されたDNA親和性物質含有混合物に含まれる夾雑DNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去する(S−2)。
上述したように、DNA親和性物質含有混合物がホスト細胞やプラスミドを用いて準備された場合、DNA親和性物質含有混合物には、一般に、ホスト細胞のゲノムDNAないしプラスミドDNAが含まれる。
本明細書において、夾雑DNAとは、二本鎖DNAに限らず、一本鎖DNAをも含むものである。
このようなカチオン性ポリマーを含んで構成されるDNA吸着剤としては、例えば、陰イオン交換担体や、アミン含有ポリマー等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
沈殿除去では、DNA親和性物質含有混合物にアミン含有ポリマー等のDNA吸着剤を添加して、前記混合物に含まれる夾雑DNAをDNA吸着剤に吸着させた状態で沈殿させ、沈殿物を前記混合物から除去することにより、前記混合物から夾雑DNAを除去する。
通液除去では、かかる混合物を陰イオン交換担体等のDNA吸着剤に通液させて、前記混合物に含まれる夾雑DNAをDNA吸着剤に吸着させて、夾雑DNAを前記混合物から除去する。
アミン含有ポリマーの重量平均分子量はとくに限定されないが、600〜100,000であり、好ましくは5,000〜100,000であり、DNA沈殿効率の観点から、とくに好ましくは60,000〜80,000である。
アミン含有ポリマーの添加量はとくに限定されないが、例えば、DNA親和性物質1mgに対して0.0001g〜0.1g、好ましくは0.001g〜0.05g、洗浄効率の観点から、とくに好ましくは0.001〜0.005gである。
アミン含有ポリマーを用いてDNA親和性物質含有混合物を処理する場合、処理時間は、1〜10分、好ましくは1〜5分、より好ましくは1〜2分である。
アミン含有ポリマーを用いる場合、吸着ステップを行う作業温度は、0〜25℃、好ましくは0〜10℃、より好ましくは0〜4℃である。
DNAを吸着したあと、例えば洗浄、カラム、フィルター濾過を1種または2種以上組み合わせて、かかる作業を1回または2回以上行うことによりアミン含有ポリマーを除去する。
本発明において、陰イオン交換樹脂としては、例えば、第1級〜第3級アミノ基、第4級アンモニウム基などの官能基を担持する担体などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。上述した中でも、DNAを強力に引き寄せて吸着するという観点から、とくに第4級アンモニウム基を担持する担体が好ましい。
粒子状の陰イオン交換樹脂を用いた場合には、その粒径はとくに限定されないが、例えば3〜1000μmであり、好ましくは25〜200μmである。
粒子状の陰イオン交換樹脂の量はとくに限定されないが、DNA親和性物質1mgに対し、陰イオン交換樹脂の膨潤体積として0.01〜10mL、好ましくは、0.1〜5mL、より好ましくは、0.5〜2mLである。
吸着ステップにおいて可能な限り多量のDNAを吸着するために、通液の回数を2回以上としてもよい。
精製用担体を用いる量は、DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNA親和性物質を固定できるものであればとくに限定されないが、例えば、DNA親和性物質1mgに対して、膨張体積約0.01〜10mL、好ましくは、0.1〜5mL、DNA親和性物質の目的含有量を確保する観点から、とくに好ましくは0.5〜2mLである。
最後に、本ステップでは、吸着ステップでDNA吸着剤によりDNAを吸着させてDNA親和性物質含有混合物から除去させた後のものに対し、これに依然として含まれるDNAの増幅能を、DNA不活化剤により不活化する(図1(A):S−3)。本明細書において、単に「DNAを不活化する」と記載した場合も、DNAの増幅能を不活化することを意味する。
本態様においては、DNA不活化剤がDNAの混入源になる可能性があるという理由により、夾雑DNAを新たに導入するリスクの低い化学物質である、DNAインターカレート剤を用いることが好ましい。
DNAインターカレート剤を用いてDNA親和性物質含有混合物を処理する場合、処理時間は、5〜120分、好ましくは30〜120分、より好ましくは30〜60分である。
DNAインターカレート剤を用いる場合、不活化ステップを行う作業温度は、0〜25℃、好ましくは0〜10℃、より好ましくは1〜4℃である。
DNA分解酵素を用いる場合には、例えば、ヌクレアーゼ緩衝液とともに用いることができる。
DNA分解酵素を用いてDNA親和性物質含有混合物を処理する場合、処理時間は、1〜48時間、好ましくは6〜48時間、より好ましくは15〜25時間である。
DNA分解酵素を用いる場合、不活化ステップを行う作業温度は、0〜25℃、好ましくは0〜10℃、より好ましくは1〜4℃である。
具体的には、例えば、Factor Xa プロテアーゼ (各社)、エンテロキナーゼ(各社)、HRV−3Cプロテアーゼ(各社)、PreScission(登録商標)プロテアーゼ(GE healthcare社)、Generase(登録商標)I(New England BioLabs社)、Furin(New England BioLabs社)などのプロテアーゼをDNA親和性物質含有混合物に添加することにより、DNA親和性物質に付着したアフィニティタグを切断することができる。
なお、得られたDNA親和性物質含有組成物に、保存安定性の確保や使用目的に応じて、グリセロール、緩衝液、還元剤、キレート剤、界面活性剤などの任意の添加剤を加えてもよい。
本発明によると、1コピー〜10コピー程度の超微量の鋳型DNAによる精密な増幅法を用いた場合でも、夾雑DNAによる影響を受けないことから、信頼性の高い実験結果を得ることができる。
図2は、(A)本発明の第2実施態様における製造方法および精製方法を示すフロー図、(B)前記フロー図に記載された方法のより具体的な一例を示す概要図である。
本実施態様において、不活化ステップにて夾雑DNAの少なくとも一部の増幅能を不活化し、吸着ステップにて夾雑DNAを吸着して混合物から除去することにより、DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAの全てを除去および/または不活化する。
第1実施態様と同様に、本ステップにより、DNA親和性物質含有混合物を準備する。
図2(A)で示すように、本ステップは、準備したDNA親和性物質含有混合物に対して行う、これに含まれるDNAの少なくとも一部の増幅能を、DNA不活化剤により不活化するステップである(S’−2)。本ステップは、上述した第1実施態様の不活化ステップと同様にして行うことができるが、本実施態様における好ましい条件を以下に述べる。
精製用担体に担持させる方法としては、とくに限定されないが、例えば前述したアフィニティタグを用いるものが挙げられる。本実施態様において、精製用担体およびアフィニティタグは、DNA親和性物質を可溶性画分として得られる可能性が高いことおよび穏やかな条件で精製できるという観点から、グルタチオンセファロースおよびGSTが好ましい。
次に、図2(A)で示すように、本ステップでは、前述の不活化ステップで処理されたDNA親和性物質含有混合物に依然として含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去する(S’−3)。本ステップは、上述した第1実施態様の吸着ステップと同様にして行うことができるが、本実施態様における好ましい条件を以下に述べる。
また、前述の不活化ステップにおいて、前述したアフィニティタグおよび精製用担体を用いた場合には、本ステップにおける吸着の効率を向上するために、DNAの吸着を行う前にアフィニティタグの切り離しを行うことが好ましい。
本発明は、鎖置換型DNA増幅法において増幅可能なDNAの含有量が、前記組成物中のDNA親和性物質100ngあたり0ag以上30ag未満である、DNA親和性物質含有組成物にも関する。
鎖置換型DNA増幅法は、微量のDNAを鋳型として用いた場合であっても、これを増幅・検出することができるものである。このため、微量のDNAを鋳型にする鎖置換型DNA増幅法において、微量でも夾雑DNAを含むDNAポリメラーゼを用いると、これが増幅され、上記微量の鋳型DNA由来のDNAの検出が困難となる場合が多い。しかしながら、本願発明者らは、DNA親和性物質含有組成物において、増幅可能な夾雑DNAの含有量が上記範囲内、すなわちDNA親和性物質100ngあたり30ag未満であると、かかる夾雑DNAは、通常の条件を用いる鎖置換型DNA増幅法において検出されないことを見出した。
DNA親和性物質含有組成物中における、鎖置換型DNA増幅法において増幅可能なDNAの含有量は、上記範囲内であればとくに限定されないが、より高純度のDNA親和性物質含有組成物を得るために、好ましくは、前記DNA親和性物質含有組成物中のDNA親和性物質100ngあたり、0〜25agであり、より好ましくは、0〜15agである。
(1)95℃における1分間の加熱処理、
(2)25℃における30分間のアニーリング、
(3)30℃における16時間の伸長反応。
鋳型DNAを含まない試料に対して用いられた際に、以下の(1)〜(3)の条件下で行われるMPRCAによって検出可能なDNAを含まない、前記DNA親和性物質含有組成物:
(1)95℃における1分間の加熱処理、
(2)25℃における30分間のアニーリング、
(3)30℃における16時間の伸長反応、にも関する。
上述したような条件において、通常の反応スケール(約20μL)で増幅反応を行った場合、例えば、DNA親和性物質100ngに対して30ag以上の濃度で試料中に存在する極めて微量のDNAであっても検出が可能である。したがって、上記DNA親和性物質含有組成物は、このような極めて微量のDNAの検出を行う場合に、増幅試薬として好適に用いることができる。
鋳型DNAを含まない試料に対して用いられた際に、以下の(1)、(2)および(3’)の条件下で行われるリアルタイムMPRCAによって検出可能なDNAを含まない、前記DNA親和性物質含有組成物:
(1)95℃における1分間の加熱処理、
(2)25℃における30分間のアニーリング、
(3’)30℃における9時間の伸長反応、にも関する。
上記(3’)の伸長反応は、好ましくは11時間、より好ましくは12時間、さらに好ましくは16時間、さらにより好ましくは24時間行われる。
ここで、検出可能なDNAとは、ゲル上で蛍光標識が肉眼で視認できる程度をいい、例えば、アガロースゲル電気泳動後に、アガロースゲル中のDNAを臭化エチジウムで検出した場合、1ng/バンド以上のものをいう。また、増幅反応溶液に発色用試薬を加えて増幅反応を行う場合には、蛍光強度が上昇することをいい、例えば、SYBR(R) Green II(タカラバイオ社)などの発色用試薬を終濃度で1×濃度となるように増幅反応溶液に添加してリアルタイムPCR装置を用いて蛍光強度を観測しながら増幅反応を行った場合には、蛍光強度が反応開始時の2倍以上に上昇することをいう。
本明細書において、反応スケールとは、DNA増幅反応溶液の合計液量を指し、DNA親和性物質、プライマー、サンプル溶液、水、DNA増幅用緩衝液、4種類のデオキシリボヌクレオチド三リン酸、無機ピロフォスファターゼなどの、DNA増幅に必要な任意の物質を含む液体の全量である。
本発明はまた、DNA親和性物質を精製するためのキットであって、DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するためのDNA吸着剤、および前記混合物に含まれるDNAの増幅能を、DNA不活化剤により不活化するためのDNA不活化剤を含む、前記キットに関する。
本キットに含まれるDNA吸着剤は、上述したDNA親和性物質の精製方法において用いることのできるDNA吸着剤から選択される1種または2種以上の組み合わせとすることができる。
また、本キットに含まれるDNA不活化剤は、上述したDNA親和性物質の精製方法において用いることのできるDNA不活化剤から選択される1種または2種以上の組み合わせとすることができる。
また、本キットは、本発明のDNA親和性物質の精製方法および本発明のDNA親和性物質含有組成物の製造方法のために用いられることができる。したがって、本キットには、さらに、例えば、取扱い説明書、DNA親和性物質、DNA親和性物質のゲノムDNAなどに代表される、本発明の精製方法および製造方法に必要なものが含まれてもよい。
例えば、任意の構成を付加・削除・転換してもよく、各剤を2種以上組み合わせて用いてもよく、各工程やステップは1回以上繰り返してもよい。
1−1.実施例1
<準備ステップ(S−1)>
(GST融合バクテリオファージφ29DNAポリメラーゼ発現ベクターの作製)
バクテリオファージφ29のゲノムDNAを鋳型として、制限酵素であるEcoRIおよびNotIの認識配列をそれぞれ付加した示したプライマー(配列番号1および2)を用いて、PCRでφ29DNAポリメラーゼの遺伝子配列を増幅した。増幅産物をEcoRIおよびNotIで消化し、発現ベクターpGEX−6P−1(GE healthcare社)のEcoRIおよびNotIサイト間に連結し、GST融合φ29DNAポリメラーゼを発現するための組み換えプラスミドpGEX−φ29polを作製した。
大腸菌BL21株コンピテント細胞(Novagen社)にpGEX−φ29polを形質転換した。pGEX−φ29polが導入された大腸菌株を0.05mg/mLのアンピシリンを含むLB液体培地で30°Cで、8時間振とう培養した。さらに、前記培養液0.25mLを0.2%のラクトース、0.05%のグルコース、1mMの硫酸マグネシウム、0.05mg/mLのアンピシリンを含むLB液体培地250mLに添加し、30℃で18時間振とう培養を行い、GST融合φ29DNAポリメラーゼの発現を誘導した。その後、培養液を4℃で15分間遠心分離(5,000×g)を行い、大腸菌体を回収した。回収した大腸菌体は使用するまで−80℃で保存した。
GST融合φ29DNAポリメラーゼが誘導された大腸菌体1gにつき、4mLのBugBuster(登録商標)Protein Extraction Reagent(Merck社)、100ユニットのBenzonase(登録商標)ヌクレアーゼ(Merck社)、100μLの5M 塩化ナトリウムおよび0.8mgのリゾチーム(ナカライ社)を加えて懸濁し、氷冷水中で5分間、菌体を破砕した。
菌体破砕液には速やかに、5mLのDNA沈殿液(50mM トリス−塩酸 pH7.5,2M 塩化ナトリウム,1mM EDTA、1%Tween20、1%Nonidet p40および0.6%ポリエチレンイミン)を加えよく懸濁した後、4°Cで15,000rpm、15分間遠心分離を行う事により、沈殿と上清に分離させた。上清を新しい50mLコニカルチューブに移し、さらに等量の希釈液(50mM トリス−塩酸 pH7.5、1mM EDTA、1%Tween20、および1%Nonidet p40)を加えてよく懸濁後、4°Cで15,000rpm、15分間遠心分離する事により、沈殿と上清に分離させた。上清を新しい50mLコニカルチューブに移し、5gのトレハロース(林原社)を加え、溶解した後に、あらかじめ洗浄したおいた膨潤体積約1mLのグルタチオンセファロース4B(GS4B)担体(GE healthcare社)カラムにかける事によって、GST融合φ29DNAポリメラーゼをGS4B担体に吸着させた。GST融合φ29DNAポリメラーゼを吸着させたGS4Bカラムは、あらかじめ氷水中で冷却しておいた8mLの洗浄液1(50mM トリス−塩酸 pH7.5、300mM 塩化ナトリウム、1mM EDTA,1%Tween20、1%Nonidet p40および0.5M トレハロース)で洗浄した後、250mLの洗浄液2(50mMトリス−塩酸 pH7.5,3M 塩化ナトリウム、1mM EDTA、1%Tween20および1%Nonidet p40)で洗浄し、残留ポリエチレンイミンを除去した。
洗浄されたカラム中のGS4B担体は、あらかじめ氷水中で冷却しておいた10mLの洗浄液1で懸濁後、清浄なシャーレに移し、100μLの0.5mg/mLのエチジウムブロミドモノアジド液を加えた後、アルミホイルで遮光後、4°Cで30分間震盪した。遮光震盪後、アルミホイルを外し、発光ダイオード(パナソニック、LDA9DH)から可視光を、4°Cにおいて60分間照射した。洗浄後、約1mLのプロテアーゼ緩衝液でGS4B担体を懸濁後、2.0mLチューブ(BioPur、エッペンドルフ社)に移し、さらに1mLのプロテアーゼ緩衝液(66mM トリス−塩酸 pH7.5、200mM 塩化ナトリウム、0.2mM EDTA,1%Tween20、1%Nonidet p40および1mM トリスヒドロキシホスフィン)で洗浄した。洗浄したGS4B担体を200μLのプロテアーゼ緩衝液で懸濁し、30ユニットのPreScission(登録商標)プロテアーゼ(GE healthcare社)を加え、4°Cで120時間以上反応することによりGST−tag部分からφ29DNAポリメラーゼを分離させた。分離したφ29DNAポリメラーゼは、4°Cで500×g、2分間遠心分離する事により、GS4B担体から回収した。回収した酵素液に等量のグリセロール液(Invitrogen社)および1/500倍量の1M ジチオスレイトールを加えて良く攪拌したものを精製酵素として−20°Cで保存した。
<準備ステップ(S−1)>
実施例1と同様にベクターを作製し、大腸菌株でポリメラーゼの発現を誘導した。
(菌体破砕)
GST融合φ29DNAポリメラーゼが誘導された大腸菌体2gにつき、8mLのBugBuster(登録商標)Protein Extraction Reagent(Merck社)、560ユニットのDNaseI(Roche社)、1.6mgのリゾチーム(ナカライ社)を加えて懸濁し、氷冷水中で30分間放置し、菌体を破砕した。その後、TritonX−405を終濃度1%になるように添加した後、4℃で15分間遠心分離(8,500×g)を行い、上清を回収した。
上清を洗浄液(50mM トリス−酢酸 pH7.5、500mM 酢酸カリウム、1mM EDTA、1%TritonX−405、1mM ジチオスレイトール)で平衡化した2mLのグルタチオンセファロース4B(GS4B)担体(GE healthcare社)が入った15mLコニカルチューブに添加し、4℃で30分間撹拌することでGS4B担体にGST融合φ29DNAポリメラーゼを吸着させた。撹拌後、4℃で5分間遠心分離(500×g)を行い、上清を除去してGS4B担体を回収した。回収したGS4B担体を、あらかじめ4℃に冷却した洗浄液10mLで5回洗浄することにより、菌体破砕液の夾雑成分を除去した。洗浄後、GS4B担体をあらかじめ4℃に冷却したヌクレアーゼ緩衝液(33mM トリス−酢酸 pH7.5、66mM 酢酸カリウム、10mM 酢酸マグネシウム、0.5mM 塩化カルシウム、1%TritonX−405、1mM ジチオスレイトール)に置換した後、冷ヌクレアーゼ緩衝液2mLと100ユニットのDNaseIを添加し、4℃で18時間撹拌することで、夾雑DNAを分解した。
回収した上清1mLを溶出緩衝液で平衡化した1mLのセルロファイン(登録商標)KANTO QAE−500(QAE)担体(関東化学社)が入った新しい15mL容コニカルチューブに添加し、4℃で30分間撹拌することで、残存する夾雑DNAをQAE担体に吸着させた。撹拌後、QAE担体懸濁液を0.1μmフィルターろ過を行い、φ29DNAポリメラーゼを含むろ液を回収した。ろ液0.6mLに対して80%グリセロール含有緩衝液(80%グリセロール、33mM トリス−酢酸,pH7.5、100mM 酢酸カリウム、0.1mM EDTA、0.2%TritonX−405、1mM ジチオスレイトール)1mLを混合したものを精製酵素液とし、−20°Cで保存した。
実施例1において記載した条件と同一の条件で(ただし、エチジウムモノアジドによる不活化ステップを用いない)、DNA親和性物質含有組成物を作製した。
実施例2において記載した条件と同一の条件で(ただし、QAEによる吸着ステップを用いない)、DNA親和性物質含有組成物を作製した。
2−1.実施例1および2で得たφ29DNAポリメラーゼのタンパク質純度の確認
実施例1および2の各精製過程および精製酵素をe−PAGEL 5−12.5%グラジェントゲル(アトー社)を用いてSDS−PAGEを行い、CBB染色によりφ29DNAポリメラーゼを検出した結果を図3および4に夫々示した。
実施例1および2ともに、精製酵素には約67kDaであるφ29DNAポリメラーゼ以外のバンドはほとんど検出されず、高純度に精製されていることが確認された。
(DNA増幅反応)
実施例1および2で得たφ29DNAポリメラーゼならびに市販酵素のφ29DNAポリメラーゼを用いて、MPRCA法によるDNA増幅反応を行った。市販酵素のφ29DNAポリメラーゼとしては、Epicentre社、New England Biolabs社、Fermentas社、和光純薬社が発売しているものを用いた。鋳型DNAはpUC19DNA(タカラバイオ社)を精製水で0.5×106コピー/μLに調製した。RNAプライマーは6塩基のランダムRNAプライマーで全塩基がチオリン酸エステルで結合したものを用いた。
実施例1および2で得られたφ29DNAポリメラーゼならびにEpicentre社、New England Biolabs社、Fermentas社、和光純薬社のφ29DNAポリメラーゼを用いて、MPRCA法によるDNA増幅反応を行った結果を図5に示す。市販酵素では何れの酵素でも鋳型DNAを反応系に添加していないにも関わらず、DNAの増幅が認められた。実施例1および2で得られた精製φ29DNAポリメラーゼでは鋳型DNAなしではDNAの増幅は認められず、鋳型DNAに依存した信頼性の高い増幅結果が得られた。
実施例1および2、および比較例1および2で得られたφ29DNAポリメラーゼならびにEpicentre社のφ29DNAポリメラーゼを用いて、鋳型DNAとして104、103、102、101、1、0コピーのpUC19DNA(タカラバイオ社)を上述の方法と同様に、MPRCA法により増幅した。反応液を精製水で10倍希釈した後、その5μLを制限酵素BamHIおよびEcoRIで切断し、全量を1%アガロースゲルで電気泳動後、臭化エチジウムで染色してDNAを検出した。結果を図6に示す。各レーンの上部に記載した数字は鋳型DNAとして使用したpUC19DNAのコピー数、Mは分子量マーカーを示す。pUC19DNAに由来する増幅産物は図中に矢印で示したpUC19DNAのサイズである約2.7kbのバンドとして検出され、夾雑DNAに由来する増幅産物は約2.7kb以外のバンドとして検出される。Epicentre社、比較例1(実施例1のEMA処理なし)および2(実施例2のQAE処理なし)で得られたφ29DNAポリメラーゼでは、それぞれ10コピー、1コピー、102コピー以下のpUC19DNAを鋳型DNAにした場合、pUC19DNAのサイズ以外のバンドが検出され、夾雑DNAの増幅が認められた(図6)。
一方、実施例1および2で得られたφ29DNAポリメラーゼでは、pUC19DNAのサイズ以外のバンドは検出されなかった。この結果から、DNA吸着剤およびDNA不活化剤が無い場合には、夾雑DNAの除去が不十分であったが、両方の剤を用いると、夾雑DNAが十分に除去されていることがわかる。
リアルタイムMPRCA反応は、MPRCA反応液にSYBR(R)Green II(タカラバイオ社)を終濃度で1×濃度となるように添加し、リアルタイムPCR装置であるThermal Cycler Dice(R)Real Time System II(タカラバイオ社)を用いて15分間隔で蛍光強度を測定しながら30℃で24時間インキュベートすることで行った。鋳型DNAとして106、104、102、1、0コピーのpUC19DNA(タカラバイオ社)を検出した結果を図7に示す。また、2nd Derivative Maximum法により作成した検量線を図8に示す。
実施例1および2で得られた精製φ29DNAポリメラーゼ、比較例2で得られたφ29DNAポリメラーゼ、Epicentre社のφ29DNAポリメラーゼを用いて、鋳型DNAなしでMPRCA法によるDNA増幅反応を行った結果を図9に示す。Epicentre社および比較例2(実施例2のQAE処理なし)で得られたφ29DNAポリメラーゼでは鋳型DNAを反応系に添加していないにも関わらずDNA増幅に伴う蛍光強度の上昇が認められ、夾雑DNA量は図8の検量線からそれぞれ392コピーと14コピーのpUC19DNAに相当する。
実施例1および実施例2で得られた精製φ29DNAポリメラーゼでは蛍光強度の上昇は認められない。
実施例1および2で得られたφ29DNAポリメラーゼを100ng用い、pUC19DNA(DNA重量約3ag/コピー)を鋳型DNAとして、そのコピー数を1、101、102、103、104と変動させて、上記と同じ条件下で、MPRCA法により増幅させた。すると、1コピーでは検出不可能であったが、101コピー以上の鋳型DNAを用いると検出可能であった(図6)。したがって、DNAポリメラーゼを100ng用いた際には、pUC19DNAの101コピー分の重量である約30agが検出限界値であるといえる。
また近年、環境中に多数存在する培養法が不明な微生物(難培養微生物)のゲノムDNAを直接DNA増幅して配列解析を行うことによって、そのゲノム配列から有用な遺伝子資源を探索するメタゲノム解析が頻繁に行われているが、そのDNA増幅方法として中温性酵素のφ29DNAポリメラーゼを利用した鎖置換増幅法が注目されている。本発明を利用して精製されたφ29DNAポリメラーゼを利用したメタゲノム解析は、僅か1個体の菌体からのDNA増幅が可能となるため、本発明を利用して精製された中温性酵素によるDNA増幅技術は食品関連、医療用、工業用など利用可能性は高いと考えられる。
Claims (16)
- DNA親和性物質含有組成物であって、鎖置換型DNA増幅法において増幅可能なDNAの含有量が、前記組成物中のDNA親和性物質100ngあたり0ag以上30ag未満である、前記DNA親和性物質含有組成物。
- 鋳型DNAを含まない試料に対して用いられた際に、以下の(1)〜(3)の条件下で行われるマルチプリープライムローリングサークル増幅によって検出可能なDNAを含まない、請求項1に記載のDNA親和性物質含有組成物:
(1)95℃における1分間の加熱処理、
(2)25℃における30分間のアニーリング、
(3)30℃における16時間の伸長反応。 - DNA親和性物質含有組成物であって、
鋳型DNAを含まない試料に対して用いられた際に、以下の(1)〜(3)の条件下で行われるマルチプリープライムローリングサークル増幅によって検出可能なDNAを含まない、前記DNA親和性物質含有組成物:
(1)95℃における1分間の加熱処理、
(2)25℃における30分間のアニーリング、
(3)30℃における16時間の伸長反応。 - DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するステップと、
前記混合物に含まれるDNAの増幅能を、DNA不活化剤により不活化するステップとの組み合わせを含む製造方法により製造された、請求項1〜3のいずれか一項に記載のDNA親和性物質含有組成物。 - DNA親和性物質の精製方法であって、
DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するステップと、
前記混合物に含まれるDNAの増幅能を、DNA不活化剤により不活化するステップとの組み合わせを含む、前記DNA親和性物質の精製方法。 - DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAの少なくとも一部を、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するステップ、および
前記混合物に含まれるDNAの残部の増幅能を、DNA不活化剤により不活化するステップ
を含む、請求項5に記載のDNA親和性物質の精製方法。 - DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAの少なくとも一部の増幅能を、DNA不活化剤により不活化するステップ、および
前記混合物に含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するステップ
を含む、請求項5に記載のDNA親和性物質の精製方法。 - DNA吸着剤が、カチオン性ポリマーを含んで構成されている、請求項5〜7のいずれか一項に記載のDNA親和性物質の精製方法。
- DNA吸着剤が、アミン含有ポリマーおよび陰イオン交換担体からなる群から選択される1種または2種以上を含んで構成されている、請求項5〜8のいずれか一項に記載のDNA親和性物質の精製方法。
- DNA不活化剤が、DNAインターカレート剤およびDNA分解酵素からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項5〜9のいずれか一項に記載のDNA親和性物質の精製方法。
- DNA親和性物質が、DNAポリメラーゼである、請求項5〜10のいずれか一項に記載のDNA親和性物質の精製方法。
- DNA親和性物質が、鎖置換型DNA増幅法に用いられるものである、請求項5〜11のいずれか一項に記載のDNA親和性物質の精製方法。
- 請求項5〜12のいずれか一項に記載のDNA親和性物質の精製方法で精製された、DNA親和性物質含有組成物。
- DNA親和性物質含有混合物を準備するステップ、
前記混合物に含まれるDNAの少なくとも一部を、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するステップ、および
前記混合物に含まれるDNAの残部の増幅能を、DNA不活化剤により不活化して、DNA親和性物質含有組成物を得るステップ
を含む、DNA親和性物質含有組成物の製造方法。 - DNA親和性物質含有混合物を準備するステップ、
前記混合物に含まれるDNAの少なくとも一部の増幅能を、DNA不活化剤により不活化するステップ、および
前記混合物に含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去して、DNA親和性物質含有組成物を得るステップ
を含む、DNA親和性物質含有組成物の製造方法。 - DNA親和性物質を精製するためのキットであって、
DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAを、DNA吸着剤に吸着させて前記混合物から除去するためのDNA吸着剤、および
DNA親和性物質含有混合物に含まれるDNAの増幅能を、DNA不活化剤により不活化するためのDNA不活化剤を含む、前記キット。
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