JPWO2008146649A1 - 酵素含有ゲル及び核酸の増幅キット - Google Patents

酵素含有ゲル及び核酸の増幅キット Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008146649A1
JPWO2008146649A1 JP2009516257A JP2009516257A JPWO2008146649A1 JP WO2008146649 A1 JPWO2008146649 A1 JP WO2008146649A1 JP 2009516257 A JP2009516257 A JP 2009516257A JP 2009516257 A JP2009516257 A JP 2009516257A JP WO2008146649 A1 JPWO2008146649 A1 JP WO2008146649A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
enzyme
nucleic acid
acid amplification
reaction
containing gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009516257A
Other languages
English (en)
Inventor
健 田窪
健 田窪
Original Assignee
ベックマン・コールター・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ベックマン・コールター・インコーポレーテッド filed Critical ベックマン・コールター・インコーポレーテッド
Publication of JPWO2008146649A1 publication Critical patent/JPWO2008146649A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/96Stabilising an enzyme by forming an adduct or a composition; Forming enzyme conjugates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/12Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
    • C12N9/1241Nucleotidyltransferases (2.7.7)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Abstract

本発明は、タンパク質と核酸を含有する試料から、容易かつ簡便に、タンパク質を失活させて該試料中の核酸を増幅するために用いられる酵素含有ゲル、該酵素含有ゲルを有する核酸の増幅キット、及び該酵素含有ゲルを用いた核酸の増幅方法を提供することを課題とする。本発明は、耐熱性酵素を含有することを特徴とする酵素含有ゲル、前記酵素含有ゲルとタンパク質分解酵素とを有する核酸の増幅キット、前記酵素含有ゲルを用いる核酸の増幅方法を提供する。

Description

本発明は、タンパク質と核酸を含有する試料から、タンパク質を失活させた後、該試料中の核酸を増幅するために用いられる酵素含有ゲル、該酵素含有ゲルを有する核酸の増幅キット、及び該酵素含有ゲルを用いた核酸の増幅方法に関する。
近年の遺伝子工学技術や分子生物学の進歩に伴い、試料中に含まれる核酸の解析は、学術研究の分野のみならず、医療分野においても広く行われるようになってきている。例えば、遺伝病、癌、感染症、生活習慣病等の診断のために、生体試料中のゲノムDNAやmRNA等の核酸の解析が行われている。通常は、生体試料中に含まれる核酸は微量であるため、解析対象となる標的核酸を増幅することにより解析が行われることが多い。
生体試料中には、タンパク質をはじめとする様々な物質が含まれているが、これらの物質は、核酸増幅反応の阻害要因となり得る。特にタンパク質には、核酸分解活性や、核酸の増幅に用いられる酵素等の阻害活性を有するものが多く、高精度かつ高感度に標的核酸を増幅するためには、生体試料中のタンパク質の失活や除去を行うことが好ましい。このため、通常、核酸抽出等の前処理がなされた生体試料を用いて核酸の増幅は行われる。
このような前処理方法については、種々の方法が開示されている。核酸を抽出する前処理方法として、例えば、フェノール抽出法や、シリカゲル粒子カラムを用いた抽出法等がある。ここで、フェノール抽出法とは、(a)生体試料に界面活性剤を添加して細胞を溶解し、プロテイナーゼKでタンパク質を消化する、(b)フェノールを用いた抽出操作によりタンパク質の除去を行う、(c)エタノールを加えてDNAを沈殿させることにより、DNAを抽出する、という方法である(例えば、非特許文献1参照)。また、シリカゲル粒子カラムを用いた抽出法とは、(a)生体試料に界面活性剤を添加して細胞を溶解し、プロテイナーゼKでタンパク質を消化する、(b)該消化処理後の生体試料をシリカゲル粒子カラムに通すことにより、核酸をシリカゲル粒子に吸着させる、(c)その後、溶出液を用いてカラムから核酸を溶出することにより、核酸を抽出する、という方法である。前記シリカゲル粒子カラムを用いた方法は、市販のキット等により広く用いられており、前記シリカゲル粒子を磁性粒子とした核酸抽出用全自動機も市販されている。
上記方法とは異なり、生体試料中の核酸増幅阻害物質に対する中和作用物質の添加や加熱等の処理をすることにより、核酸を抽出しない前処理方法もある。該方法として、例えば、試料中にポリアミンを添加する方法(例えば、特許文献1参照)、ジチオスレイトールを添加する方法(例えば、特許文献2参照)、硫酸化多糖を添加する方法(例えば、特許文献3参照)、ポリアミン、ジチオスレイトール、及び硫酸化多糖を添加する方法(例えば、特許文献4参照)アルブミンを添加する方法(例えば、特許文献5参照)、多価アルコール及び/又は硫酸アンモニウムを添加する方法(例えば、特許文献6参照)、陰イオンを含有した繰り返し構造を持つ高分子化合物(ポリアニオン)及び/又はその不溶性高分子を添加する方法(例えば、特許文献7参照)等がある。また、核酸合成を行う前に、試料を添加した遺伝子増幅反応液を耐熱酵素の熱安定性が保たれる温度、例えば70℃〜90℃で5〜20分処理を行う方法(例えば、特許文献8参照)や、従来多用されているpHよりも高いpH条件下、つまり、25℃温度条件下でのpHが8.9以上の反応液中でPCRを行う方法(例えば、特許文献9参照)等がある。
また、RNAを鋳型として核酸の増幅を行う場合の前処理方法として、例えば、組織細胞溶解液のpHを2.5〜5とし、反応阻害物と相互作用するカオトロピック塩を加えて処理することにより、RNA分解や増幅反応阻害を抑制する方法(例えば、特許文献10参照)等がある。その他、例えば、単に生体試料を煮沸処理するボイリング法等がある(例えば、非特許文献1参照)。
蛋白質核酸酵素、共立出版、1996年、第41巻、第5号、p453〜456 特開平6−277061号公報 特開2000−93175号公報 特開2000−93176号公報 特開2001−8680号公報 特開2001−8685号公報 特開2000−352982号公報 特開2005−323617号公報 特開平11−113573号公報 特開2003−174878号公報 特開2001−8680号公報 特許第3313358号 特許第03433929号
上記フェノール抽出法は、フェノール自体が有害物質であり、好ましい方法であるとは言えない。一方で、上記シリカゲル粒子カラムを用いた抽出法は、生体試料中の主な核酸増幅阻害物質であるタンパク質を分解し失活させるため、核酸の増幅のための前処理としては非常に好ましく、広く普及している。しかしながら、タンパク質分解酵素は、核酸の増幅に用いられる酵素も分解してしまうため、タンパク質分解酵素処理と核酸抽出処理をした後に、改めて核酸の増幅に用いられる酵素を添加して核酸の増幅処理を行う必要があり、操作等の工程が多く、時間がかかるという問題がある。
その他、上記の核酸増幅阻害物質に対する中和作用物質の添加や加熱等の処理を、核酸と分離せずに行う前処理方法では、生体試料中の核酸増幅阻害物質自体を失活させていないため、核酸増幅阻害物質による阻害作用の抑制が不十分であるという問題がある。また、上記ボイリング法では、煮沸処理によりタンパク質を失活させることができるが、煮沸条件等によりタンパク質の変性が不十分となる場合が多く、不確実である。
本発明は、タンパク質と核酸を含有する試料から、容易かつ簡便に、タンパク質を失活させて該試料中の核酸を増幅するために用いられる酵素含有ゲル、該酵素含有ゲルを有する核酸の増幅キット、及び該酵素含有ゲルを用いた核酸の増幅方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、核酸の増幅に用いられる耐熱性酵素を、予めゲル内に分散させるなどして固めておくことにより、該耐熱性酵素を保護しつつ、タンパク質分解酵素処理を行うことができること、及び、タンパク質分解後に加熱処理をすることにより、ゲルを溶解させて該耐熱性酵素を試料溶液中に放出させ得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の構成をとる。
(1)耐熱性酵素を含有する酵素含有ゲル。
(2)融点が60〜100℃である、前記(1)に記載の酵素含有ゲル。
(3)前記耐熱性酵素が核酸の増幅に用いられる酵素である、前記(1)又は(2)に記載の酵素含有ゲル。
(4)核酸の増幅に用いるためのヌクレオチドを該ゲル内に更に含有する、前記(3)に記載の酵素含有ゲル。
(5)核酸の増幅に用いるためのプライマーを該ゲル内に更に含有する前記(3)に記載の酵素含有ゲル。
(6)前記(3)〜(5)のいずれか一つに記載の酵素含有ゲル;及びタンパク質分解酵素;を独立に含む核酸の増幅キット。
(7)1又は複数の核酸増幅反応用容器、及び前記タンパク質分解酵素用の緩衝液を更に含み、該容器のそれぞれの内部に前記の酵素含有ゲルを含み、該緩衝液が前記タンパク質分解酵素を含む、前記(6)に記載の核酸の増幅キット。
(8)前記緩衝液が、核酸の増幅に用いるためのヌクレオチドを更に含む、前記(7)に記載の核酸の増幅キット。
(9)前記緩衝液が核酸の増幅に用いるためのプライマーを更に含む前記(7)に記載の核酸の増幅キット。
(10)前記タンパク質分解酵素がプロテイナーゼKである、前記(6)に記載の核酸の増幅キット。
(11)核酸増幅用反応容器内に、前記(3)〜(5)のいずれか一つに記載の酵素含有ゲル;増幅対象の核酸を含む試料;及び適宜、反応基質、プライマー、酵素反応用緩衝液;を導入する工程;並びに該容器内で核酸の増幅反応を行う工程;を含む、核酸の増幅方法。
(12)前記核酸の増幅反応を行う工程が、前記酵素含有ゲルを、60℃〜100℃の温度で溶融させる工程;及び55℃〜100℃の温度で核酸の増幅反応を行う工程;を含む、前記(11)に記載の核酸の増幅方法。
(13)(a)タンパク質及び増幅対象の核酸を含む試料、前記(3)〜5のいずれか一つに記載の酵素含有ゲル、タンパク質分解酵素、並びに、適宜、反応基質、プライマー、及び酵素反応用緩衝液を混合し、反応溶液を調製する工程;(b) 前記反応溶液を、30℃〜60℃の温度で0〜15分間加熱する工程;(c)前記の加熱された反応溶液を、更に60〜100℃の温度で0〜15分間加熱する工程;及び(d)前記反応溶液を用いて、核酸の増幅反応を行う工程;を有する核酸の増幅方法。
(14)前記工程(b)において、前記工程(a)において得られた反応溶液を、45〜55℃の温度で0〜15分間加熱する前記(13)に記載の核酸の増幅方法。
本発明の酵素含有ゲルにより、核酸の増幅に用いられる耐熱性酵素を保護しつつ、タンパク質分解酵素処理を行うことができるため、タンパク質分解酵素処理から核酸増幅処理までを、1の核酸増幅反応用容器内で行うことができる。核酸抽出処理を行う必要がないため、操作等の工程が少なく、迅速に核酸の増幅を行うことができる。特に、本発明の核酸の増幅キットを用いることにより、非常に容易かつ簡便に核酸の増幅を行うことができる。
本発明の核酸の増幅方法では、タンパク質分解酵素処理から核酸増幅処理までの工程で必要な全試薬を、予め1の核酸増幅反応用容器に分注し、途中の工程で分注や試薬の添加等の操作を行わなくてもよいため、コンタミネーションのおそれや、感染性試料を用いた場合の二次感染のおそれ等を顕著に低減することができる。また、該耐熱性酵素をゲルから放出させるための加熱処理により、試料溶液中のタンパク質を変性させることができるため、試料溶液中のタンパク質を、従来に無く効果的に失活させ得ることが期待できる。
実施例2と比較例1で得られたPCR済み反応溶液を、アガロースゲル電気泳動した後、エチジウムブロマイドで染色して得られたバンドパターンを模式的に表した図である。図中、「実施例」は実施例2で得られたPCR済み反応溶液を泳動したレーンを、「比較例」は比較例1で得られたPCR済み反応溶液を泳動したレーンを、「M」はマーカーを泳動したレーンを、それぞれ示している。また、矢印アは、238bpのバンドを示す。
本発明における核酸とは、増幅が望まれる核酸であって、増幅反応において鋳型となり得るものであれば、特に限定されるものではない。DNAであってもよく、RNAであってもよく、RNAから逆転写酵素を用いて合成されたcDNAであってもよい。また、ヒト等の生物由来のものであってもよく、合成されたものであってもよい。
本発明における試料とは、核酸を含有する試料であれば、特に限定されるものではないが、夾雑物としてのタンパク質を含むものであってもよい。例えば、血液や体液等の生体試料、培養細胞や培養液等の培養物等がこれに含まれる。
本発明の酵素含有ゲルは、耐熱性酵素を含有することを特徴とするものである。このため、本発明の酵素含有ゲルを添加した試料に対して、タンパク質分解酵素によるタンパク質分解処理を行っても、本発明の酵素含有ゲルに含有されている耐熱性酵素を分解や失活させることがない。つまり、本発明の酵素含有ゲルにおいて、ゲルは、耐熱性酵素をタンパク質分解酵素の影響から保護する保護膜の役割を果たすものである。ゲルは加熱により溶解させることができるため、該タンパク質分解処理後、該試料を加熱することで該タンパク質分解酵素を失活させるとともに、保護膜としてのゲルに保護されていた耐熱性酵素をゲルから容易に放出させることができる。放出された耐熱性酵素は、試料中の核酸増幅反応に用いることができる。
ここで、「耐熱性酵素を含有する」とは、酵素含有ゲルとタンパク質分解酵素が同一の溶液中に存在する場合に、耐熱性酵素が、該タンパク質分解酵素から該耐熱性酵素を保護し得る状態で、ゲルに含有されていることを意味する。したがって、本発明の酵素含有ゲルは、ゲルにより形成された皮膜の内部に耐熱性酵素を含有するものであってもよく、ゲルを溶解させた溶解液に耐熱性酵素を添加して混合した後、適当な形状に凝固させたものであってもよい。
本発明の酵素含有ゲルに含有される耐熱性酵素は、特に限定されるものではないが、好ましくは核酸の増幅に用いられる酵素とすることができる。本発明における核酸の増幅に用いられる耐熱性酵素(以下、核酸増幅用耐熱性酵素という)は、通常60℃以上の温度条件下における核酸増幅反応に用いられる耐熱性酵素であれば、特に限定されるものではない。
該核酸増幅用耐熱性酵素として、例えば、耐熱性DNAポリメラーゼ、耐熱性RNAポリメラーゼ、耐熱性RNAヌクレアーゼ等がある。また、本発明の酵素含有ゲルに含有される耐熱性酵素の濃度は、該耐熱性酵素の種類や酵素活性等を考慮して、適宜決定することができる。
本発明における核酸の増幅は、好ましくは試料中の核酸を鋳型とし、ヌクレオチドの相補性を用いて塩基鎖を伸長することにより、該試料中の核酸を増幅する方法である。該方法として、例えば、PCR(Polymerase Chain Reaction)法、NASBA(Nucleic acids Suquence Based Amplification)法、LAMP(Loop mediated isothermal amplification)法(例えば、特許文献11参照)、ICAN(Isothermal and Chimeric primer−initiated Amplification of Nucleic acids)法(例えば、特許文献12参照)等がある。
本発明の酵素含有ゲルの主成分であるゲル成分は、タンパク質分解酵素に耐性を有し、かつ適当な融点を有するゲル状組成物であれば、特に限定されるものではない。ここで、「適当な融点を有するゲル状組成物」とは、タンパク質分解酵素処理時の温度において凝固しており、かつ、該タンパク質分解酵素は失活するが耐熱性酵素は失活しない温度において溶解するゲル状組成物を意味する。タンパク質分解酵素に対する耐性に優れており、かつ取り扱いが容易であるため、多糖類を主成分とするゲル成分であることが好ましい。
また、含有する耐熱性酵素の活性を高い状態で維持することができるため、アガロース等のように、非架橋性のゲル成分であることがより好ましい。なお、本発明におけるゲルの融点とは、凝固したゲルが加熱処理によって再溶解する時の温度を意味する。
本発明の酵素含有ゲルのゲル成分の種類や濃度等は、タンパク質分解酵素や耐熱性酵素の種類等を考慮して、所望の融点を得られるように、適宜決定することができる。該ゲル成分は、一種類のゲルからなるものであってもよく、二種類以上のゲルの混合物からなるものであってもよい。さらに、該ゲル成分に、塩化カルシウム等の塩類や、グリセリン等の多価アルコール等を適宜混合させることにより、本発明の酵素含有ゲルの融点を調整することもできる。
本発明の酵素含有ゲルの融点は、60〜100℃であることが好ましい。融点が60〜100℃のゲルであれば、ゲルの溶解時に、通常用いられるタンパク質分解酵素を失活させることができるためである。核酸の増幅方法が、RNAを鋳型とするNASBA法のように、二本鎖核酸を一本鎖核酸にする変性工程等を含まない方法である場合には、融点が60〜70℃のゲルであることが好ましい。耐熱性の条件が緩和され、本発明の酵素含有ゲルに含有させ得る耐熱性酵素の種類が増えるためである。
本発明において使用することができるゲルの例としては、株式会社ニッポンジーン製のAgarose21(融点85℃以下)、同社製AgaroseXP(融点70℃以下)、同社製AgaroseX(融点92℃以下)、同社製AgaroseL(融点65℃以下)、及び同社製AgaroseGB(融点65℃以下)、並びにタカラバイオ株式会社製のNuSieve(登録商標)GTG(登録商標)Agarose(融点65℃以下)、同社製SeaPlaque(登録商標)GTG(登録商標)Agarose(融点65℃以下)、同社製InCert(登録商標)Agarose(融点70℃以下)、及び同社製MetaPhor(登録商標)Agarose(融点70℃以下)を挙げることができる。
本発明の酵素含有ゲルは、含有する耐熱性酵素の活性を損なわない限り、耐熱性酵素以外の耐熱性物質を含有することができる。例えば、本発明の酵素含有ゲルが、核酸増幅用耐熱性酵素を含有する場合には、核酸の増幅に用いるための他の試薬等を含有することができる。特に、核酸の増幅に用いるための基質としてのヌクレオチドやプライマーを更に含有させることができる。ヌクレオチド等を予め耐熱性酵素と共にゲルに含有させておくことにより、別途分注する操作を省略することができるためである。
本発明の核酸の増幅キットは、本発明の酵素含有ゲルと、タンパク質分解酵素とを有することを特徴とする。該タンパク質分解酵素は、非耐熱性酵素であれば、特に限定されるものではなく、通常タンパク質の分解に用いられるいずれの酵素であってもよい。該タンパク質分解酵素は、酵素活性における至適温度が60℃未満の非耐熱性酵素であることが好ましく、プロテイナーゼKであることが特に好ましい。タンパク質分解酵素活性に優れており、かつ汎用されており、入手が容易であるためである。
本発明の核酸の増幅キットは、さらに、1又は複数の核酸増幅反応用容器、及び該タンパク質分解酵素によるタンパク質分解反応や、該酵素含有ゲルに含有されている耐熱性酵素による酵素反応において必要な試薬等を有していてもよい。例えば、該タンパク質分解酵素は、酵素反応用緩衝液に溶解した状態でキットに含ませることができる。該酵素反応用緩衝液は、タンパク質分解反応と、該耐熱性酵素による酵素反応の双方に適した緩衝液であることが好ましい。タンパク質分解反応終了後、反応溶液のpHや塩濃度等を新たに調整することなく、該耐熱性酵素による酵素反応を行うことができるためである。タンパク質分解反応に適した緩衝液の組成と、該耐熱性酵素による酵素反応に適した緩衝液の組成が、大きく異なる場合には、緩衝液の組成を調整するための塩類等を含有するゲルを調製し、該ゲルを、酵素含有ゲルと共に、タンパク質分解酵素を含有する酵素反応用緩衝液に添加しておくことにより、タンパク質分解反応終了後、反応溶液の調整操作を省略することができる。なお、酵素含有ゲル中の耐熱性酵素の酵素活性を損なうおそれが小さい場合には、緩衝液調整のための塩類等を酵素含有ゲルに含有させることもできる。
本発明の酵素含有ゲルを溶液中で保存すると、該酵素含有ゲル中の耐熱性酵素が、徐々に溶液中に溶出するおそれがある。このため、本発明の核酸の増幅キットにおいては、酵素含有ゲルを他の試薬とは別の容器に個別に保存していることが好ましい。操作の利便性の点から、酵素含有ゲルは、一の酵素反応に必要な量ずつ、予め個別に保存していることがより好ましい。
また、凍結融解により、ゲル中の耐熱性酵素が失活するおそれがある。このため、本発明の酵素含有ゲルは、冷蔵保存することが好ましい。
例えば、本発明の核酸の増幅キットが、核酸増幅用耐熱性酵素を含有する酵素含有ゲルを有する核酸の増幅キットである場合には、酵素含有ゲルを内部に有する核酸増幅反応用容器と、タンパク質分解酵素を含有する酵素反応用緩衝液とを有するキットであることが好ましい。該酵素反応用緩衝液が、該タンパク質分解酵素によるタンパク質分解反応と、該核酸増幅用耐熱性酵素による核酸増幅反応の双方に適した緩衝液であることが、より好ましい。さらに、核酸の増幅に用いるためのヌクレオチドやプライマーを含むキットであることが特に好ましい。ヌクレオチドやプライマーは、タンパク質分解酵素に耐性であり、かつタンパク質分解反応に特に影響しないため、タンパク質分解酵素と共に酵素反応用緩衝液に含有させていてもよく、酵素含有ゲルに含有させていてもよい。
また、一の核酸増幅反応用容器中には、一の核酸増幅反応に必要な量の酵素含有ゲルが含まれていることが好ましい。ここで、一の核酸増幅反応に必要な酵素含有ゲル量は、使用する核酸増幅用耐熱性酵素の種類やゲル中の濃度、核酸増幅反応における反応溶液の容量等を考慮して、適宜決定することができる。反応溶液中に溶解したゲルが、核酸増幅反応に与える影響を抑えることができるため、酵素含有ゲルの量は、核酸増幅反応時の反応溶液量の1/10以下であることが好ましい。
本発明の核酸の増幅方法は、本発明の酵素含有ゲルを用いる核酸の増幅方法であれば、特に限定されるものではない。本発明の核酸の増幅方法により、容易かつ簡便に、試料中のタンパク質を失活させた後に、該試料中の核酸を増幅することができる。例えば、以下のようにして、核酸を含有する試料中の核酸を増幅することができる。
核酸増幅用反応容器内に、本発明の酵素含有ゲル;増幅対象の核酸を含む試料;及び適宜、反応基質、プライマー、酵素反応用緩衝液;を導入する工程;並びに、該容器内で核酸の増幅反応を行う工程;を含む、核酸の増幅方法である。また、この核酸の増幅方法においては、前記核酸の増幅反応を行う工程を、前記酵素含有ゲルを、60℃〜100℃の温度で溶融させる工程;及び55℃〜100℃の温度で核酸の増幅反応を行う工程;を含むものとすることができる。
更に本発明の核酸の増幅方法は、次のようにして行うこともできる。すなわち工程(a)として、タンパク質と核酸を含有する試料、本発明の酵素含有ゲル、タンパク質分解酵素、並びに適宜、反応基質、プライマー、及び酵素反応用緩衝液を混合し、反応溶液を調製する。全工程に必要な試薬を予め添加し、混合することにより、途中の工程で試薬を添加する操作が不要となり、操作の利便性や迅速性を向上させ、コンタミネーションや二次感染のおそれを低減することができる。なお、ヌクレオチドやプライマーは、反応溶液中に添加して溶解させてもよく、酵素含有ゲルに核酸増幅用耐熱性酵素と共に含有させた状態で添加してもよい。また、酵素反応用緩衝液、ヌクレオチド、プライマー等のタンパク質分解反応や核酸増幅反応に用いられる試薬は、特に限定されるものではなく、通常核酸の増幅を行う場合に用いられるものを、通常用いられる量で用いることができる。
次に、工程(b)として、工程(a)において得られた反応溶液を、30℃〜60℃の温度で0〜15分間加熱する。該タンパク質分解酵素を用いたタンパク質分解処理に適した温度に該反応溶液を加熱することにより、該試料に含まれているタンパク質を効果的に分解することができる。タンパク質分解酵素として、プロテイナーゼKを用いる場合には、前記工程(a)において得られた反応溶液を、45〜55℃の温度で0〜15分間加熱することが特に好ましい。プロテイナーゼKの酵素活性を高く維持できるためである。
タンパク質分解反応終了後、工程(c)として、工程(b)において加熱された反応溶液を、更に60〜100℃の温度で、0〜15分間加熱する。該加熱処理により、該酵素含有ゲルを溶解させ、核酸増幅用耐熱性酵素を該反応溶液中に放出させることができる。また、該加熱処理により、タンパク質分解酵素は変性し、失活するため、放出された核酸増幅用耐熱性酵素は、分解されることなく、核酸の増幅に用いることができる。さらに、該加熱処理により、該試料に含まれている非耐熱性タンパク質も変性させることができる。つまり、本発明の核酸の増幅方法においては、核酸増幅反応における主要な阻害要因である試料中のタンパク質を、酵素処理と加熱処理により、非常に効果的に失活させることができる。
さらに、工程(d)として、工程(c)において得られた反応溶液を用いて、核酸の増幅を行うことにより、該試料中の目的の核酸を増幅することができる。核酸の増幅は、該核酸増幅用耐熱性酵素を用いて、通常行われている方法により、行うことができる。また、核酸増幅反応における反応条件等は、増幅の目的である核酸の長さやプライマーの種類等を考慮して、適宜決定することができる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、融点が88〜90℃のAgarose S(ニッポンジーン社製)を、TAE緩衝液(40mM Tris−acetate、1mM EDTA、pH8.0)に添加し、煮沸して混合することにより、3%のアガロース溶液を調製した。
次に、ポリプロピレン製のPCR用チューブに、1μLのDNAポリメラーゼKODplus(1unit、東洋紡社製)を分注した。該PCR用チューブに、3μLの該アガロース溶液を添加して、DNAポリメラーゼと混合した後、凝固させることにより、DNAポリメラーゼを含有する酵素含有ゲル1を得た。
抗凝固剤(EDTA−2K)入りヒト血液(抗凝固剤処理全血)を試料とし、実施例1で得た酵素含有ゲル1を用いて、PCRを行った。具体的には、配列番号1の塩基配列を有するプライマー1と、配列番号2の塩基配列を有するプライマー2とを用いて、ハウスキーピング遺伝子の1つであるGAPDH(glyceraldehyde−3−phosphate dehydrogenase)遺伝子を鋳型とし、238bpの核酸を増幅した。
まず、実施例1で得た酵素含有ゲル1入りPCR用チューブに、5μLの10×酵素反応用緩衝液(200mM Tris−HCl、500mM KCl、80mM MgCl)、0.5μLのdNTP(20mM)、1μLのプライマー1(15μM)、1μLのプライマー2(15μM)、1μLのプロテイナーゼK(2mg)、及び40.5μLの滅菌済純水を添加して混合した後、1μLの抗凝固剤処理全血を添加して、反応溶液を調製した。
次に、該反応溶液を、50℃で10分間加熱した。さらに、該反応溶液を、94℃で5分間加熱した後、94℃で15秒間、55℃で30秒間、68℃で30秒間を30サイクル繰り返すことによりPCRを行った。PCR済み反応溶液を、アガロースゲル電気泳動した後、エチジウムブロマイドで染色することにより、目的の238bpの核酸が増幅されているか否かを確認した。
[比較例1]
酵素含有ゲル1に代えて、1μLのDNAポリメラーゼKODplus(1unit、東洋紡社製)を用いて、実施例2と同様にして、GAPDH遺伝子の238bpの核酸を増幅した。具体的には、以下のように行った。
まず、PCR用チューブに、1μLのDNAポリメラーゼKODplus、5μLの10×酵素反応用緩衝液(200mM Tris−HCl、500mM KCl、80mM MgCl)、0.5μLのdNTP(20mM)、1μLのプライマー1(15μM)、1μLのプライマー2(15μM)、及び41.5μLの滅菌済純水を添加して混合した後、1μLの抗凝固剤処理全血を添加して、反応溶液を調製した。
次に、該反応溶液を、50℃で10分間加熱した。さらに、該反応溶液を、94℃で5分間加熱した後、94℃で15秒間、55℃で30秒間、68℃で30秒間を30サイクル繰り返すことによりPCRを行った。PCR済み反応溶液を、アガロースゲル電気泳動した後、エチジウムブロマイドで染色することにより、目的の238bpの核酸が増幅されているか否かを確認した。
図1は、実施例2と比較例1で得られたPCR済み反応溶液を、アガロースゲル電気泳動した後、エチジウムブロマイドで染色して得られたバンドパターンを模式的に表した図である。図中、「実施例」は実施例2で得られたPCR済み反応溶液を泳動したレーンを、「比較例」は比較例1で得られたPCR済み反応溶液を泳動したレーンを、「M」はマーカーを泳動したレーンを、それぞれ示している。また、矢印アは、238bpのバンドを示す。図1から明らかであるように、実施例2のPCR済み反応溶液では、目的の238bpの核酸が増幅されていたが、比較例1では増幅された核酸は検出できなかった。これは、比較例1では、プロテアーゼKを反応溶液中に添加すると、DNAポリメラーゼが失活するため、実施例2とは異なり、増幅阻害物質であるタンパク質が除去されなかったためと推察される。実施例2において増幅された核酸が検出されたことから、本発明の酵素含有ゲルは、プロテイナーゼK等のタンパク質分解酵素の影響を受けないこと、及び、通常PCRにおいて行われる変性工程と同じ加熱処理(94℃5分間)によって、反応溶液中にDNAポリメラーゼが溶出され、PCRが行われることが明らかである。
これらの結果から、本発明の酵素含有ゲルを用いることにより、DNAポリメラーゼ等の耐熱性酵素の酵素活性に影響を及ぼすことなく、全血等の生体試料のタンパク質分解処理を行うことができること、及び、タンパク質分解反応とその後の核酸増幅反応が一の反応容器内で行うことができ、迅速に試料中の核酸を増幅できることが明らかである。
まず、実施例1と同様にして、3%のアガロース溶液を調製した。
次に、ポリプロピレン製のPCR用チューブに、1μLのDNAポリメラーゼKODplus(1unit、東洋紡社製)、0.5μLのdNTP(20mM)、1μLのプライマー1(15μM)、1μLのプライマー2(15μM)を、それぞれ分注した。該PCR用チューブに、3μLの該アガロース溶液を添加して、DNAポリメラーゼ等と混合した後、凝固させることにより、DNAポリメラーゼとヌクレオチドとプライマーを含有する酵素含有ゲル2を得た。
酵素含有ゲル1に代えて、酵素含有ゲル2を用いて、実施例2と同様にして、GAPDH遺伝子の238bpの核酸を増幅した。具体的には、以下のように行った。
まず、実施例3で得た酵素含有ゲル2入りPCR用チューブに、5μLの10×酵素反応用緩衝液(200mM Tris−HCl、500mM KCl、80mM MgCl)、1μLのプロテイナーゼK(2mg)、及び40.5μLの滅菌済純水を添加して混合した後、1μLの抗凝固剤処理全血を添加して、反応溶液を調製した。
次に、該反応溶液を、50℃で10分間加熱した。さらに、該反応溶液を、94℃で5分間加熱した後、94℃で15秒間、55℃で30秒間、68℃で30秒間を30サイクル繰り返すことによりPCRを行った。PCR済み反応溶液を、アガロースゲル電気泳動した後、エチジウムブロマイドで染色することにより、目的の238bpの核酸が増幅されているか否かを確認した。
この結果、実施例2で得られたPCR済み反応溶液と同様に、238bpの核酸が増幅されていることが確認できた。
本発明の酵素含有ゲルを用いることにより、耐熱性酵素を添加した状態で、タンパク質分解酵素を用いて、試料中のタンパク質を効果的に失活させることができるため、特に生体試料を用いた遺伝子解析等の分野において利用が可能である。

Claims (14)

  1. 耐熱性酵素を含有する酵素含有ゲル。
  2. 融点が60〜100℃である、請求項1記載の酵素含有ゲル。
  3. 前記耐熱性酵素が核酸増幅酵素である、請求項1に記載の酵素含有ゲル。
  4. 核酸増幅反応における基質としてのヌクレオチドを該ゲル内に更に含有する、請求項3に記載の酵素含有ゲル。
  5. 核酸増幅反応におけるプライマーを該ゲル内に更に含有する、請求項3に記載の酵素含有ゲル。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の酵素含有ゲル;及び
    タンパク質分解酵素;
    を独立に含む核酸の増幅キット。
  7. 1又は複数の核酸増幅反応用容器、及び前記タンパク質分解酵素用の緩衝液を更に含み、
    該容器のそれぞれの内部に前記酵素含有ゲルを含み、
    該緩衝液が前記タンパク質分解酵素を含む、
    請求項6に記載の核酸の増幅キット。
  8. 前記緩衝液が核酸増幅反応における基質としてのヌクレオチドを更に含む、請求項7に記載の核酸の増幅キット。
  9. 前記緩衝液が核酸増幅反応におけるプライマーを更に含む、請求項7に記載の核酸の増幅キット。
  10. 前記タンパク質分解酵素がプロテイナーゼKである、請求項6に記載の核酸の増幅キット。
  11. 核酸増幅用反応容器内に、
    請求項3〜5のいずれか一項に記載の酵素含有ゲル;
    増幅対象の核酸を含む試料;及び
    適宜、反応基質、プライマー、酵素反応用緩衝液;
    を導入する工程;並びに、
    該容器内で核酸の増幅反応を行う工程;
    を含む、核酸の増幅方法。
  12. 前記核酸の増幅反応を行う工程が、
    前記酵素含有ゲルを、60℃〜100℃の温度で溶融させる工程;及び
    55℃〜100℃の温度で核酸の増幅反応を行う工程;
    を含む、請求項11に記載の核酸の増幅方法。
  13. (a) タンパク質及び増幅対象の核酸を含む試料、請求項3〜5のいずれか一項に記載の酵素含有ゲル、タンパク質分解酵素、並びに、適宜、反応基質、プライマー、及び酵素反応用緩衝液を混合し、反応溶液を調製する工程;
    (b) 前記反応溶液を、30℃〜60℃の温度で、0〜15分間加熱する工程;
    (c) 前記の加熱された反応溶液を、更に60〜100℃の温度で、0〜15分間に加熱する工程;及び
    (d) 前記反応溶液を用いて、核酸の増幅反応を行う工程;
    を有する核酸の増幅方法。
  14. 前記工程(b)において、前記工程(a)において得られた反応溶液を、45〜55℃の温度で、0〜15分間加熱することを特徴とする請求項13に記載の核酸の増幅方法。
JP2009516257A 2007-05-25 2008-05-20 酵素含有ゲル及び核酸の増幅キット Pending JPWO2008146649A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007139144 2007-05-25
JP2007139144 2007-05-25
PCT/JP2008/059183 WO2008146649A1 (ja) 2007-05-25 2008-05-20 酵素含有ゲル及び核酸の増幅キット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2008146649A1 true JPWO2008146649A1 (ja) 2010-08-19

Family

ID=40074913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009516257A Pending JPWO2008146649A1 (ja) 2007-05-25 2008-05-20 酵素含有ゲル及び核酸の増幅キット

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20100081175A1 (ja)
JP (1) JPWO2008146649A1 (ja)
WO (1) WO2008146649A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019009592A2 (ko) * 2017-07-04 2019-01-10 한국과학기술연구원 Ucst 소재를 적용한 입자 및 이를 이용한 핵산 증폭 방법
CN113646441A (zh) * 2019-12-11 2021-11-12 因美纳有限公司 在流通池中的固定
CN115141877A (zh) * 2021-03-30 2022-10-04 杭州杰毅生物技术有限公司 一种核酸等温扩增方法及其应用

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5188963A (en) * 1989-11-17 1993-02-23 Gene Tec Corporation Device for processing biological specimens for analysis of nucleic acids
ES2141088T3 (es) * 1990-02-16 2000-03-16 Hoffmann La Roche Mejoras en la especificidad y conveniencia de la reaccion en cadena de la polimerasa.
US5840305A (en) * 1996-03-14 1998-11-24 The Picower Institute For Medical Research Treatment of HIV-Infection by interfering with host cell cyclophilin receptor activity

Also Published As

Publication number Publication date
US20100081175A1 (en) 2010-04-01
WO2008146649A1 (ja) 2008-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200080134A1 (en) Methods and compositions for detecting bacterial contamination
KR101870311B1 (ko) 핫스타트 역전사반응 또는 핫스타트 역전사 중합효소 연쇄반응용 조성물
EP3728586B1 (en) Target enrichment by unidirectional dual probe primer extension
US20210147908A1 (en) Inhibition-resistant polymerases
KR20060126434A (ko) 핵산 분자가 포함되는 직접 효소 반응 방법
JP2022088403A (ja) 改変された耐熱性dnaポリメラーゼ
JP2001029078A (ja) Rna増幅法
US20120171728A1 (en) Process for amplifying dna using tetratethylene glycol, kit of parts therefor and use thereof
US6962780B2 (en) Method for synthesis of nucleic acids
US7749707B2 (en) Method for obtaining subtraction polynucleotide
JPWO2008146649A1 (ja) 酵素含有ゲル及び核酸の増幅キット
CN107614704B (zh) 采样测序
CN104312992B (zh) 一种简单、快速提取和纯化Taq‑DNA聚合酶的方法
JP5052500B2 (ja) Dnaの同時分解を伴う逆転写及びrnaの増幅
KR20240006024A (ko) 단일 가닥 dna의 증폭
US20100081176A1 (en) Enzyme-containing capsules and nucleic acid amplification kits
US20120164654A1 (en) Composition for reverse transcription polymerase chain reaction
JP6565147B2 (ja) マルチプレックスpcr法
JP2011115122A (ja) 試料の前処理方法及び遺伝子の検出方法
US10894981B2 (en) Method for fragmenting double-stranded RNA and use of the same
TW202313984A (zh) 組成物、用於細胞裂解及核酸萃取的方法及試劑盒以及分子診斷方法
JP2001258556A (ja) 核酸合成法
JP2003093055A (ja) Dnaポリメラーゼの調製方法
JP2005323617A (ja) 核酸合成法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110520

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20120925