JP2014171398A - 乳酸菌発酵再構成肉食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミンチ肉等を原料肉としつつ、乳酸菌の発酵によって保存性を向上させ、水分活性を調整しつつ好適な食べごたえを備えた乳酸菌発酵再構成肉食品を提供する。
【解決手段】ホエイを含む培養液から得た乳酸菌カルチャーを濃縮して濃縮乳酸菌カルチャー(CLc)を調製し、これをミンチ状、細切れ状、またはペースト状の原料肉(M)に接種、混合して乳酸菌含有肉原料を調製し、成形シート部材を用いて乳酸菌含有肉原料を保形し乳酸菌含有肉保形物を得て、乳酸菌含有肉保形物を成形シート部材とともに押圧して乳酸菌含有肉成形物を得て、乳酸菌含有肉成形物内に生存する乳酸菌を増殖させて乳酸菌発酵成形肉を得て、乳酸菌発酵成形肉の水分量を調整して、乳酸菌発酵成形肉の水分活性が0.65〜0.87であり、厚さ2〜7mmの乳酸菌発酵成形肉のせん断力価が0.5〜3kgの乳酸菌発酵再構成肉食品(P)とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、乳酸菌発酵再構成肉食品に関し、特に生菌状態の乳酸菌の増殖により有害菌類を除去し適度な食べごたえのある再構成肉食品に関する。
現在、我が国の高齢者人口比率の増大に併せて高齢者の健康維持のあり方が盛んに検討されている。そのひとつに、高齢になるほどタンパク質摂取量が低下する点がある。適切なタンパク質量を摂取し続けなければ低栄養状態となり、免疫力の低下や各種疾病を誘発する危険性が高まることが指摘されている。そこで、高齢者向けに喫食しやすい状態に加工した食肉によってタンパク質を摂取しやすくすることが試みられている。
例えば、ミンチ状または細切れ状の原料肉に、デンプン、油脂、増粘多糖類等を添加して成形した食肉ソフト加工食品が提案されている(特許文献1等)。特許文献1の食肉加工食品は専ら咀嚼困難者や嚥下困難者向きの比較的柔らかめに仕上げた加工品である。そのため、比較的、喫食時の咀嚼が可能な高齢者に対しては食肉本来の食べごたえを失わせる結果となり、食事としての充実感が欠けてしまいがちである。このことは、栄養面の充実以上に問題視されている。また、特許文献1の加工食品は通常の生肉と同様であるため、冷凍、冷蔵条件下での取り扱い、保存を要する。
そこで、より簡便な食肉類の取り扱い、具体的には常温下における保存についても検討されている。保存性向上の手法として、食肉類に乳酸菌を添加し発酵させる加工法が古くから経験として知られている。乳酸菌の発酵を利用した伝統的な食品にサラミ等のドライソーセージが各地に存在する。このドライソーセージの製造は、食肉類を腸詰め成形後、数週間から数か月の発酵、乾燥期間を要する。また、ドライソーセージ自体も硬く乾燥した状態に仕上がることから、咀嚼に相当の力が必要となる。
従来の乳酸菌発酵を用いた食肉類の加工や保存の技術は、食べやすさよりも保存性を重視した保存食加工法である。また、乳酸発酵等に起因する特有の香味を有していることから食べ慣れていないと敬遠されることもある。そのため、広く一般に受け入れられているとは言い難い。
しかし、乳酸菌発酵の利点として、食肉製品の保存性向上にとどまらず、プロバイオティクス作用に代表される整腸効果等が挙げられる。そのため、旧来のドライソーセージ等の食肉発酵食品から改良が重ねられている。例えば、低温生育性や耐塩性を有する新規乳酸菌を食肉に添加、発酵させて得たソーセージ等の加工食品が提案されている(特許文献2,3等)。特許文献2,3等は、原料肉への混在が不可避な雑菌を低温にすることにより休眠させながら、低温生育性の優れた乳酸菌を接種して原料肉中において優勢化させた方法を利用した加工食品である。特許文献2,3等の開示の製法によると、乳酸菌の発酵期間の短縮は可能ではあるものの、食肉本来の食感(食べごたえ)を再現しているとは言い難い。
これらの点を改良するべく、発明者は、乳酸菌カルチャーを含むヨーグルトに一枚肉を浸漬した後、非加熱乾燥することにより、適度な硬さと生存状態の乳酸菌を残した食肉製品とその製法を提案した(特許文献4参照)。特許文献4は、食肉の食べごたえ感に満足できる仕上がりではあった。しかしながら、原料肉を平切りの一枚肉としたため、出来上がる製品は、原料肉の部位に依存する肉質や、等級等に由来する品質のばらつきに否応なく左右される。それゆえ、原料肉の品質にかかわらず製品の品質(硬さ等)を安定に仕上げることは容易ではない。
その後、発明者らは、使用する原料肉、乳酸菌の接種の条件等について多面的に鋭意検討を行うことにより、乳酸菌の発酵による保存性の向上とともに食肉本来の食べごたえに近づけ、硬さを任意に調整できる食肉食品を完成させるに至った。
特開2005−110677号公報 特許第2879261号公報 特許第3034451号公報 特開2009−213450号公報
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、ミンチ肉等を原料肉としつつ、乳酸菌の発酵によって保存性を向上させ、水分活性を調整しつつ好適な食べごたえを備えた乳酸菌発酵再構成肉食品を提供する。
すなわち、請求項1の発明は、ホエイを含む培養液から得た乳酸菌カルチャーを濃縮することによって菌数を増加した濃縮乳酸菌カルチャーを調製し、前記濃縮乳酸菌カルチャーをミンチ状、細切れ状、またはペースト状の原料肉に接種、混合して乳酸菌含有肉原料を調製し、成形シート部材を用いて前記乳酸菌含有肉原料を保形し乳酸菌含有肉保形物を得て、前記乳酸菌含有肉保形物を前記成形シート部材とともに押圧して乳酸菌含有肉成形物を得て、前記乳酸菌含有肉成形物内に生存する乳酸菌を増殖させて乳酸菌発酵成形肉を得て、前記乳酸菌発酵成形肉の水分量を調整して、前記乳酸菌発酵成形肉の水分活性を0.65〜0.87とし、かつ、下記せん断力価の測定(i)において測定した厚さ2〜7mmの前記乳酸菌発酵成形肉のせん断力価を0.5〜3kgとすることを特徴とする乳酸菌発酵再構成肉食品に係る。
せん断力価の測定(i)は、前記乳酸菌発酵成形肉を5mm×25mmの板状片試料に切り分け、ワーナー・ブラッツラーせん断力計に前記板状片試料の面部分を垂直に切断する向きで設置し測定する。一の乳酸菌発酵成形肉当たり12回測定し、最大値及び最小値を除外し残余の10回分の平均値を当該乳酸菌発酵成形肉のせん断力価(kg)とする。
請求項2の発明は、前記成形シート部材が、布もしくは穴あき樹脂シートである請求項1に記載の乳酸菌発酵再構成肉食品に係る。
請求項3の発明は、前記成形シート部材が、セルロースもしくはタンパク質よりなる透過性シート部材である請求項1に記載の乳酸菌発酵再構成肉食品に係る。
請求項4の発明は、前記成形シート部材が、紙もしくは布の基材にビスコースを含浸して得た透過性シート部材よりなる請求項1に記載の乳酸菌発酵再構成肉食品に係る。
請求項5の発明は、前記成形シート部材が筒状体であり該筒状体の内部に前記乳酸菌含有肉原料が充填される請求項1ないし4のいずれか1項に記載の乳酸菌発酵再構成肉食品に係る。
請求項6の発明は、前記乳酸菌発酵成形肉が調味される請求項1ないし5のいずれか1項に記載の乳酸菌発酵再構成肉食品に係る。
請求項1の発明に係る乳酸菌発酵再構成肉食品によると、ホエイを含む培養液から得た乳酸菌カルチャーを濃縮することによって菌数を増加した濃縮乳酸菌カルチャーを調製し、前記濃縮乳酸菌カルチャーをミンチ状、細切れ状、またはペースト状の原料肉に接種、混合して乳酸菌含有肉原料を調製し、成形シート部材を用いて前記乳酸菌含有肉原料を保形し乳酸菌含有肉保形物を得て、前記乳酸菌含有肉保形物を前記成形シート部材とともに押圧して乳酸菌含有肉成形物を得て、前記乳酸菌含有肉成形物内に生存する乳酸菌を増殖させて乳酸菌発酵成形肉を得て、前記乳酸菌発酵成形肉の水分量を調整して、前記乳酸菌発酵成形肉の水分活性を0.65〜0.87とし、かつ、せん断力価の測定において測定した厚さ2〜7mmの前記乳酸菌発酵成形肉のせん断力価を0.5〜3kgとするため、ミンチ肉等を原料肉としつつ、乳酸菌の発酵によって保存性を向上させ、水分活性を調整しつつ好適な食べごたえを備えた乳酸菌発酵再構成肉食品を完成することができた。
加えて、乳酸菌の培養中に雑菌の繁殖を防ぐとともに、目的とする乳酸菌の効率よい増殖を促すことができる。原料肉への接種時点で優勢となり他の雑菌を容易に低減させることができる。さらに、培養液の水分を取り除くことにより原料肉に添加される水分量を抑制することができ、喫食するときのせん断力価に起因する感触の保持と乾燥効率の両立を図ることができる。特に、常温保存が可能であり、流通、保存、及び消費において極めて利便性が高い。非加熱乾燥の再構成肉としているため、食肉の食べごたえの再現と高齢者の喫食可能な軟らかさの両立を実現することができる。さらに、乳酸菌発酵再構成肉食品には乳酸菌が生存状態で残存しているため、整腸効果等のプロバイオティック作用も期待できる。
請求項2の発明に係る乳酸菌発酵再構成肉食品によると、請求項1の発明において、前記成形シート部材が、布もしくは穴あき樹脂シートであるため、安価な材料により成形シート部材を形成することができる。
請求項3の発明に係る乳酸菌発酵再構成肉食品によると、請求項1の発明において、前記成形シート部材が、セルロースもしくはタンパク質よりなる透過性シート部材であるため、ケーシング材としてソーセージ等の製造に用いられていた部材でありそのまま転用可能である。
請求項4の発明に係る乳酸菌発酵再構成肉食品によると、請求項1の発明において、前記成形シート部材が、紙もしくは布の基材にビスコースを含浸して得た透過性シート部材よりなるため、強度が向上して成形工程における取り扱いやすさが向上し、水分の透過効率に優れており乾燥も容易に進む。
請求項5の発明に係る乳酸菌発酵再構成肉食品によると、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記成形シート部材が筒状体であり該筒状体の内部に前記乳酸菌含有肉原料が充填されるため、成形シート部材から乳酸菌含有肉原料が漏れ出ることはなく、製造環境の清浄度を維持する上で非常に好ましい。
請求項6の発明に係る乳酸菌発酵再構成肉食品によると、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記乳酸菌発酵成形肉が調味されるため、既に発酵を終えた後の調味であることから乳酸菌に及ぼす調味時の塩の影響が軽減される。また、乳酸発酵により生じた固有の香味を軽減することができる。
本発明の濃縮乳酸菌カルチャー調製の概略工程図である。 本発明の乳酸菌発酵再構成肉食品の製造方法に関する概略工程図である。 保形段階における乳酸菌含有肉保形物の概略図である。 成形段階における乳酸菌含有肉成形物の概略図である。 実施例1の乳酸菌発酵再構成肉食品の写真である。 SDS−PAGEによる泳動写真である。 実施例19の乳酸菌発酵再構成肉食品の写真である。 実施例20の乳酸菌発酵再構成肉食品の写真である。 実施例21の乳酸菌発酵再構成肉食品の写真である。
本発明の乳酸菌発酵再構成肉食品における再構成肉とは、畜肉の挽き肉、魚肉を所定形状に成形した食肉加工製品の総称である。一枚肉等を得る食肉加工の際、不定形な肉塊から余剰部分を取り去るトリミングと称される処理が行われる。トリミングにより生じた余剰部分は落とし肉等と称され、さらにミンチ状または細切れ状に加工とされる。また、魚肉はペースト状にも加工される。このようなミンチ状または細切れ状、さらにはペースト状の原料肉を結着させて再び一体化した成形物が再構成肉である。
一般に、再構成肉は切り出した肉塊の表面に近い部分に由来する。そのため、肉塊表面に付着した微生物による汚染を受けやすく、さらに原料肉を細かく加工することにより、微生物汚染が全体に広がりやすい問題点がある。従って、再構成肉を原料とした製品は、微生物を死滅させるため喫食前に充分な加熱調理が必要である。しかし、肉類を加熱調理することは、微生物死滅には効果的であるものの、肉自体の加熱変性に伴う固化を促すことから肉は堅く食べにくくなる。
加熱処理ではない食品微生物の代表的な制御方法として発酵がある。発酵とは有用な微生物作用を指し、増殖させたい微生物を対象物に接種し、故意に増殖させることにより有害な微生物の生育、増殖を妨げ、保存性や呈味の向上等の有用な効果を得る食品加工法の一種である。
そこで、本発明は、背景技術の特許文献4(特開2009−213450号公報)の時点では完成しておらず、従来は未利用であったミンチ状または細切れ状、さらにはペースト状の原料肉にまで使用原料を拡張し、これに濃縮乳酸菌カルチャーを接種して乳酸菌発酵による保存性向上をはじめとする各種性質を改善した乳酸菌発酵再構成肉食品を得るに至った。
はじめに図1の概略工程図を用い濃縮乳酸菌カルチャーCLcの事前培養から説明する。乳酸菌Lは市販の乾燥品でもヨーグルトや腸管からの分取物、自然界からの採取物でもよく、糖分や塩類等の栄養分を溶解した培養液中に添加され培養される(S1)。このとき、乳酸菌LはホエイWh(乳清、whey)を含む培養液にて培養される(S2)。従って、培養により生じた乳酸菌カルチャーLcはホエイWhを含む培養液により得た培養産物である。
発明者らの検証によると、培養液へのホエイ添加の有無により単位培養時間当たりの乳酸菌の増加は顕著に相違した。ホエイに含まれているどのような成分がどの種類の乳酸菌の増殖に寄与するのかについて、現状解明されてはいない。しかし、発明者が明らかにした知見においては、培養中の雑菌の繁殖を防ぎ、目的とする乳酸菌の効率よい増殖を促すため、培養液中へのホエイの添加は必要である。
次に、乳酸菌培養液は濃縮されて菌数の増加が図られる(S2)。乳酸菌培養液の濃縮方法は適宜であり濾過や遠心分離等が挙げられる。実施例においては、操作が簡単であることから遠心分離による菌濃縮とした。乳酸菌培養液は遠心分離により乳酸菌の沈殿物と上清に分けられる。上清を取り除くことにより乳酸菌を濃縮した沈殿物が得られる。すなわち、この沈殿物が濃縮乳酸菌カルチャーCLcとなる。なお、濾過の場合は濾材に残留する残渣が濃縮乳酸菌カルチャーとなる。こうして、ホエイを含む培養液から得た乳酸菌カルチャーを濃縮することによって単位体積当たりの乳酸菌の菌数を増加させた濃縮乳酸菌カルチャーが調製される。
乳酸菌カルチャーと濃縮乳酸菌カルチャーとの間では、自明ながら濃縮により単位量当たりの乳酸菌数が増加する。従って、原料肉へより高濃度の乳酸菌の接種が可能である。このため、原料肉に含まれる大腸菌等の雑菌に対して接種時点で菌数の上から優勢となり、他の雑菌を容易に減少させることができる。また、濃縮の利点として、培養による乳酸菌の活性向上と同時に、培養液の水分を取り除くことが可能である。乳酸菌カルチャーの接種では培養液自体の水分も一緒に混合され、原料肉の水分量が増してしまう。これに対し、濃縮乳酸菌カルチャーの場合、乳酸菌の量の割に原料肉に添加される水分量を抑制することができる。つまり、後の水分調整(S16)を考慮して、極力余計な水分を減らすべきである。
濃縮乳酸菌カルチャーは、図1並びにその説明のとおり、予め乳酸菌を培養するとともに濃縮した乳酸菌の菌叢である。使用可能な乳酸菌は、ラクトバシラス属(Lactobacillus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)等の食品工業に用いられている一般的な菌種である。乳酸菌は、単独種あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の乳酸菌発酵再構成肉食品は、図1の概略工程図に示すように、原料肉Mから出発し、濃縮乳酸菌カルチャーCLcの接種・混合(S11)、保形(S12)、成形(S13)、発酵(S14)、必要により追加される調味(S15)、水分調整(S16)を順に経て、最終的に乳酸菌発酵再構成肉食品である製品Pが得られる。
接種・混合(S11)において、まず、ミンチ状、細切れ状、またはペースト状の原料肉に濃縮乳酸菌カルチャーCLcが接種される。原料肉と乳酸菌は適度な混合を経て乳酸菌含有肉原料として調製される。
使用可能な原料肉の種類は、特段限定されることなく、牛、豚、羊、山羊、馬等の家畜、鶏、鴨、あひる、がちょう、うずら、鳩等の家禽の肉、これらの肝臓、腎臓、心臓、消化器、生殖器、舌等の臓物である。加えて、鹿、猪、熊、うさぎ、鯨、カンガルー、らくだ等の肉類、あるいは、ワニ、カメ、カエル等の肉類も含められる。さらには、タラ、スケトウダラ、サケ、カツオ、マグロ、サバ、ナマズ、サメ、エイ等の各種魚肉も原料肉に含められる。
ミンチ状または細切れ状の原料肉は、前掲の動物の屠体からの削ぎ取った肉片、肉塊のトリミングにより生じた落とし肉に対し、保形や成形時の流動性を担保できる程度細かくした肉類である。一般に、挽肉製造器(ミートチョッパー、ミートミンサー)、包丁、食品カッター等により細片状に調製される。あるいは、原料肉はフードプロセッサー等によりペースト状に調製される。
原料肉と乳酸菌(濃縮乳酸菌カルチャー)との混合は、出来上がる再構成肉食品の食べごたえ、以降の工程の流動性を考慮して混合される。混合に際し、人手で捏ねる他、ブレンダー等の器具が用いられる。なお、当該混合において食塩、香辛料、香草、アミノ酸や核酸系の調味料等を混合することができる。接種する乳酸菌の耐塩性や、香辛料等への耐性等が勘案される。あるいは、野菜、海草、香草等の風味付けを目的とする原料に留めて混合することとしてもよい。こうして、接種・混合(S11)から乳酸菌含有肉原料が得られる。
保形(S12)では、図3の模式図が参照されるように、成形シート部材10を用いて乳酸菌含有肉原料Maの保形が行われ、乳酸菌含有肉保形物20が得られる。成形シート部材10は、乳酸菌含有肉原料を次述の成形に供する際に形状を保つ上で必要である。つまり、乳酸菌含有肉原料Maのような不定形物の取り扱い(ハンドリング)をよくするために必要である。
そこで、例えば、成形シート部材として、布もしくは穴あき樹脂シートが用いられる。この布とは、綿や麻等の織布または不織布である。また、樹脂シートには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等の各種の樹脂から形成されるシート状物である。そのため、安価な材料により成形シート部材を形成することができる。布の通気性はもともと高いものの、樹脂シートでは通気性はほとんどない。そのため、後述する調味や乾燥の工程において調味料の浸透、水分の透過効率を高めるため穴あきとする必要がある。
あるいは、成形シート部材として、セルロースもしくはタンパク質よりなる透過性シート部材が用いられる。セルロースよりなる透過性シート部材は、膜状セルロースから形成され、一般にソーセージ製造に用いるケーシング材である。タンパク質よりなる透過性シート部材は、動物や魚類由来のコラーゲンを膜状としたソーセージ製造に用いるケーシング材である。他に、豚や羊の腸も用いられる。これらの透過性シート部材は、ソーセージ等の製造に用いられていた部材でありそのまま転用可能である。穴あき樹脂シートに比べ調味料の浸透、水分の透過効率に優れる。また、セルロースやタンパク質のシート部材表面は布よりも平滑であるため、製品となった際に引きはがしやすい利点がある。
そしてさらに、紙もしくは布の基材にビスコースを含浸して得た透過性シート部材が成形シート部材として用いられる。成形シート部材の主体となるビスコースの調製はおおよそ次のとおりである。はじめに木材等のパルプに苛性ソーダ水溶液が添加されてアルカリ溶解によりスラリー状となる。ここに二硫化炭素が添加されセルロースキサンテートが生成される。セルロースキサンテートに苛性ソーダ水溶液が添加、溶解によりビスコースが生じる。そこで、ビスコースは適宜の紙もしくは布に塗布され、硫酸、硫酸ナトリウムを含む凝固浴に浸漬される。この時点でビスコース中の成分は全てセルロースに転化される。その後、硫化ソーダ浴への浸漬による脱硫、水洗、柔軟剤塗布、乾燥等の工程を経て透過性シート部材となる。この成形シート部材の一例として、特許第4541777号公報に開示される畜肉加工用袋がある。
すなわち、セルロースの膜体内に骨格となる紙もしくは布の基材が埋め込まれたシート部材である。使用できる紙、布は特段限定されない。例えば、和紙や洋紙等の紙、マニラ麻やサイザル麻等の漉紙やそれらから得た織布、麻布、綿布、さらには不織布等の適宜である。セルロースの膜体は半透膜であることから、調味料の浸透、水分の透過効率に優れる。また、内部に紙もしくは布の基材を備えるため、非常に強度が向上する。すなわち、むらなく水分は透過することができ、適度なこしを備えた柔軟な素材である。さらに、加工時に大きな力を加えても破損しにくい。このようなことから、以降の成形工程における取り扱いやすさにおいて最も好適な成形シート部材となる。
ここで、図3を用い、保形(S12)における成形シート部材10を用いた乳酸菌含有肉原料Maの保形の様子を説明する。図3(a)左側は、2枚の板状の成形シート部材11,11の中に乳酸菌含有肉原料Maが注入される。同右側のとおり、成形シート部材による挟み込み状の乳酸菌含有肉保形物21を得ることができる。図3(b)左側は、一枚の板状の成形シート部材12を2つ折りとし、この中に乳酸菌含有肉原料Maが注入される。同右側のとおり、成形シート部材の折り込み状の乳酸菌含有肉保形物22を得ることができる。
そして、図3(c)左側にあっては、筒状体の成形シート部材13が用いられ、同成形シート部材13の内部に乳酸菌含有肉原料Maが注入、充填され長筒状の乳酸菌含有肉保形物23が得られる。すなわち、筒状体の成形シート部材13は、一般にハムやソーセージ等の製造に用いるケーシング材に相当する。充填の都合上、成形シート部材13の末端は封止部14により封止される。
図3(c)の筒状体の成形シート部材13は、図3(a)や(b)の成形シート部材11,12と異なり、いったん、筒状体の成形シート部材13の内部に乳酸菌含有肉原料Maが充填された後は、次述の成形等において成形シート部材13から乳酸菌含有肉原料Maが漏れ出ることはない。これは、製造環境の清浄度を維持する上で非常に好ましい。特に、透過性シート部材の場合、実質的に無孔であることから接種した乳酸菌自体の漏出も防ぐことができる。そのため、食品製造現場の他の製造ラインへの混入や、乳酸菌の混入を防ぐ必要がある食品を取り扱う場合に都合よい。さらに、乳酸菌と拮抗する他の微生物の侵入も防ぐことができ乳酸菌発酵の阻害要因の低減に大いに寄与する。
成形(S13)では、乳酸菌含有肉保形物は成形シート部材とともに押圧され、乳酸菌含有肉成形物が得られる。当該成形とは、専ら出来上がる乳酸菌含有肉成形物を板状もしくは棒状にすることにより表面積を増やす工程である。厚さを減らすことにより、後に行われる調味や水分調整に伴う乾燥の効率は高められる。押圧の手法は適宜であり、単純に手で押すことに加え、麺棒で伸ばしたり、板を押し当てたりする等である。その他、ローラーを用いて伸ばすことも可能である。この成形工程から理解されるように、流動質の乳酸菌含有肉原料Maを適当な形状に成形するためにも成形シート部材は必要である。
図4の模式図を用い成形の一例を説明する。同図は筒状体の成形シート部材13を用い形成された乳酸菌含有肉保形物23の押圧の様子である。乳酸菌含有肉保形物23とその中の乳酸菌含有肉原料Maは、上下のローラーR,Rに挟まれ当該ローラーの回転により押圧されて扁平な乳酸菌含有肉成形物30に仕上がる。ローラーで押圧して扁平にする場合、連続して成形が可能であるため製造効率がよい。特に筒状体の成形シート部材13は、他の成形シート部材よりも比較的長く調製できる。このため、連続製造が容易である。また、ローラー同士の間隔を調整することができるため、乳酸菌含有肉成形物の厚さの制御に都合良い。
この場合、乳酸菌含有肉成形物30は2ないし7mmの厚さとなるように押圧により成形される。乳酸菌含有肉成形物の厚さは、後出の実施例における検証により乾燥の便宜と食べごたえの調和から勘案した値である。乳酸菌含有肉成形物の厚さが2mmを下回る場合、出来上がる再構成肉が薄くなりすぎて肉を喫食するときの肉らしい感触からほど遠い。加えて、材料が少なすぎて原料肉同士の結着も進みにくい。逆に、乳酸菌含有肉成形物の厚さが7mmを上回る場合、その厚みにより水分調整の効率が悪化しやすい。つまり、保存に不向きとなる。
発酵(S14)では、乳酸菌含有肉成形物が所定温度、時間のもと、乳酸菌発酵が促進する。この段階で乳酸菌カルチャーより原料肉に接種された乳酸菌は急激に増殖して個体数が増加するとともに、乳酸等の発酵代謝産物の産生に伴い乳酸菌含有肉成形物中のpH低下が起こり、乳酸菌発酵成形肉を得ることができる。乳酸菌は乳酸菌含有肉成形物中で優勢となり、原料肉に付着している大腸菌等の雑菌類は、酸性化環境あるいは乳酸菌由来の増殖抑制因子等の要因により検出限界以下まで菌数が抑制される。また、乳酸菌の発酵に伴い、菌体外多糖類(EPS:Exocellular Polysaccharide)も産生される。そして、菌体外多糖類により原料肉同士の結着性が向上し、成形、保係に有利に作用すると考えられる。発酵条件は、使用する乳酸菌の種類に依存する。そのため、乳酸菌含有肉成形物は、10℃以下の低温度域、20℃前後の中温度域、もしくは40℃前後の高温度域等の接種した乳酸菌に最も相応しい温度の恒温室に2時間ないし48時間、あるいはそれ以上静置される。こうして発酵が進み乳酸菌発酵成形肉となる。
調味(S15)は必要により追加される工程であり、通常、発酵(S14)と乾燥(S16)の間に挿入される。原料肉のタンパク質や脂と発酵により生じた乳酸等が混じると特有の風味が生じる。それゆえ、旧来のドライソーセージ等に馴染みがない喫食者の場合、喫食者はこのような風味に苦手意識を持ちやすい。この点を踏まえ、調味は、乳酸菌発酵成形肉の味付けとともに乳酸発酵により生じた固有の香味を軽減(マスキング)し、任意の呈味や香気となるように調整する役割を担う。
調味において、成形シート部材で被覆された状態の乳酸菌発酵成形肉は、醤油、みりん、塩、砂糖、アミノ酸や核酸系の調味料、ブイヨン、スープ、野菜、香辛料、香草等を合わせた漬け液(マリネ液等)に漬け込まれる。調味に際し、乳酸菌発酵成形肉を成形シート部材から外して乳酸菌発酵成形肉のみで漬け込むことも可能ではあるものの、前述のとおり厚さを薄くしていることから乳酸菌発酵成形肉は工程途中で壊れてしまうおそれがある。そのため、乳酸菌発酵成形肉の形状維持や作業性の便宜を重視して成形シート部材を伴った状態(例えば図4の乳酸菌含有肉成形物30参照)で調味に供される。
一般に、調味に用いる調味料には塩が含まれる。そのため、発酵段階よりも前に調味を行う場合、耐塩性の乳酸菌以外は調味料に存在する塩により増殖が阻害される場合がある。つまり、乳酸菌の所望の増殖を得ることができず、再構成肉の保存性を著しく低下させることとなる。なお、原料肉の時点や接種・混合(S11)の段階での調味、あるいは、水分調整(S16)の後でも調味は可能である。また、むしろ、ドライソーセージ等の風味を味わう場合もある。これらの場合、当該調味(S15)は省略される。
水分調整(S16)では、一連のS11ないしS14の工程、もしくはS11ないしS15の工程を経た乳酸菌発酵成形肉に対して乾燥が行われ、乳酸菌発酵成形肉の水分活性は0.65以上0.87未満に調整される。乾燥方法は室温下における自然乾燥あるいは通風乾燥等の適宜である。乾燥による微生物の増殖抑制は古来より用いられている手法である。乾燥に際し、食品に含まれる水分の形態が問題となる。微生物が利用する水分とは、食品(本発明の原料肉)を構成する糖質やタンパク質等と結合している結合水を除いた自由水と呼ばれる状態の水分に限られる。
水分活性の低下で阻止できるのは微生物の増殖であり、既に増殖した微生物には効果が低いことに注意すべきである。それゆえ、一連の工程から明らかなように、乳酸菌の接種による雑菌繁殖の抑制及びその除去、そして乾燥による水分活性低下に起因する増殖抑制(静菌化)を経て、安定した保存が可能となる。
事前の調味での調味液への浸漬による水分量が上昇しても、水分調整により結果的に乾燥食肉加工品において規定されている水分活性への調整は可能である。なお、水分調整の前後において、水分活性に影響を与えない範囲で適宜の調味料等を添加することもできる。水分調整のための乾燥後、乳酸菌発酵成形肉を被覆していた成形シート部材は取り外されて規定の水分活性量となった乳酸菌発酵成形肉のみが得られる。こうして、再構成肉の製品P(図2参照)が完成する。その後、再構成肉の製品Pは真空包装等の適宜の包装の後に出荷される。
水分活性は食品中に含有される自由水の割合を示す指標である。水分活性は専用の測定装置により簡便に測定可能であり、1以下の数値で示される。水自体の水分活性は1であり、生野菜や果実のような、水分の豊富な食品の水分活性は0.95程度である。これに対し、ビーフジャーキー、ドライドビーフ、サラミソーセージ等の乾燥食肉加工品では0.87未満と定められている(食品、添加物等の規格基準の食肉製品参照)。それゆえ、乳酸菌発酵成形肉の水分活性の上限は0.87未満である。水分活性の下限は再構成肉食品としての食べごたえを備える上で適切なせん断力価との相関性(後記実施例参照)から導き出される。水分活性が0.65を下回る場合、乾燥が進み硬くなりすぎであり、ミンチ状等の原料肉を使用した再構成肉の利点が活かされない。
さらに、水分活性の好適な範囲(0.65以上0.87未満)を満たしつつ、前述の乳酸菌発酵成形肉の厚さ2ないし7mmを前提とした場合に得ることができるせん断力価は0.5ないし3kgである。一般に水分活性が低下すると乾燥が進み硬く締まってしまう。これに対し、本発明のように、乳酸菌の発酵を伴いつつ水分調整した乳酸菌発酵成形肉は低い水分活性量としながらもせん断力価が高くならない。つまり、食べごたえを維持しつつ、噛み切りやすさも備える食品である。
せん断力価の測定(i)に際し、水分調整等を経て出来上がった乳酸菌発酵成形肉は予め5mm×25mmの板状片試料に切り分けられる。ワーナー・ブラッツラーせん断力計に板状片試料の面部分を垂直に切断する向きで設置され測定される。一の乳酸菌発酵成形肉当たり12回測定され、最大値及び最小値を除外し残余の10回分の平均値が当該乳酸菌発酵成形肉のせん断力価(kg)となる。
従って、乳酸菌発酵成形肉の好適な水分活性は0.65以上、0.87未満であり、このときのせん断力価は0.5kg以上、3kg以下であり、より好ましくは、水分活性0.7以上、0.87未満であり、このときのせん断力価は0.8kg以上、2.5kg以下である。
図1ないし図4に準じこれまでに詳述した乳酸菌発酵再構成肉食品の製造方法により製造した乳酸菌発酵再構成肉食品は、乾燥食肉加工品の水分活性量であることから常温保存が可能であり、しかも月単位の保存も可能である。従って、流通、保存、及び消費において極めて利便性が高い。
高齢者の健康維持について食肉に含まれる栄養素が重要であるという指摘があるものの、実際には高齢になるほど、歯の劣化、咀嚼力の低下から食肉製品を避ける傾向がある。一方で、高齢者向けの介助用の食事は流動食、半流動食等の栄養は充足しても心理的に「食べごたえ」がないことがかねてから問題とされてきた。
こられの問題に対して、本発明の乳酸菌発酵再構成肉食品は、後述する発明者らの実施例における検証から、非加熱乾燥の再構成肉としているため、見た目はジャーキー風である(図5、図7ないし図9参照)。しかし、本発明に規定のせん断力価の範囲を充たすため、手で簡単に裂けるほどの軟らかさも備える。すなわち、食肉の食べごたえの再現と高齢者の喫食可能な軟らかさの両立が実現可能である。
さらに、乳酸菌発酵再構成肉食品には乳酸菌が生存状態で残存させることもできる。このことは、再構成肉食品の保存性を高めるだけでなく、ヨーグルト等の乳酸菌が含まれる食品の摂取に起因する整腸効果等のプロバイオティック作用も期待される。
[濃縮乳酸菌カルチャーの調製]
各実施例並びに比較例の乳酸菌発酵再構成肉食品の試作に際し、次の方法により、濃縮乳酸菌カルチャーを調製した。乳酸菌に市販の乳酸菌粉末YC−380(クリスチャン・ハンセン社製:Lactobacillus.delbrueckii subsp.及びStreptcoccus.themophilusの混合である。)を使用した。はじめに、容量3Lの液体培養容器内に滅菌水2Lに対し、牛乳由来のホエイ10%、酵母エキス0.5%、及びグルコース0.5%の割合で投入し、この中に、前出の乳酸菌粉末0.5gを接種した。培養容器を43℃の恒温室に静置し、経時的に培養液を分取してpHを測定し、pH4.6となった時点から2.5時間経過後に培養を終了した。培養終了時の乳酸菌を含む培養液が乳酸菌カルチャーである。さらに、培養終了時の乳酸菌を含む培養液を無菌的に10000×gにて10分間遠心分離し、ここから上清を取り去った残渣が濃縮乳酸菌カルチャーである。
[乳酸菌発酵再構成肉食品の分析]
発明者らは、実施例及び比較例にて示す作製方法に基づいて各種乳酸菌発酵再構成肉食品を作製した。そして、作製した再構成肉食品について微生物測定、水分活性、pHを測定した。各測定ともひとつの試料につき3回測定して平均を求め、この平均値を当該試料における測定値とした。
〈微生物測定〉
「一般生菌数の測定」に際し、測定対象となる実施例及び比較例の肉試料5gを滅菌ホモジナイズバッグに採取し、45mLの滅菌生理的食塩水を加えて密封した。そして、ストマッカーにより、230rpmで2分間処理して懸濁液を得た。この懸濁液を希釈平板法により測定した。
「乳酸菌数の測定」に際し、肉試料を一般生菌数の場合と同様の処理により調製した。その後、培地としてBCP加プレートカウントアガール培地(日水製薬株式会社製)を用い37℃にて72時間培養した。培養後に形成した黄変集落数を測定した。
「大腸菌数の測定」に際し、肉試料を一般生菌数の場合と同様の処理により調製した。その後、培地としてデソキシコーレート培地(日水製薬株式会社製)を用い37℃にて24時間培養した。培養後に形成した赤色集落数を測定した。
〈水分活性〉
水分活性(Aw)の測定に際し、測定対象となる実施例及び比較例の肉試料をミルミキサーにより粉砕し、当該試料を水分活性計(アクアラボ・ライト,Decagon Devices社製)により温度25℃の室内にて測定した。
〈pHの測定〉
測定対象となる実施例及び比較例の肉試料5gに蒸留水45mLを加え、専用容器内にてホモジナイザーにより粉砕処理(15000rpm,3分間)した。同処理後の懸濁液をガラス電極pHメーターにより測定した。
[乳酸菌発酵再構成肉食品の実証例]
〈実施例1〉
豚肉(もも)の切り落としを約直径4mmの挽き肉に加工し原料肉とした。原料肉(豚挽き肉)に対し、重量比で10重量%の前記調製の濃縮乳酸菌カルチャーを接種して双方を十分に混合し乳酸菌含有肉原料とした。成形シート部材として、紙の基材にビスコースを含浸して得た透過性シート部材(フタムラ化学株式会社製のファイブラスケーシング,ミートロン(登録商標)のVタイプ)を用いた。この透過性シート部材は一端が閉じた円筒体である。なお、使用時に蒸留水に浸して軟化した。
成形シート部材(透過性シート部材)内に、ソーセージ等の腸詰め食品の要領で乳酸菌含有肉原料を充填し、乳酸菌含有肉保形物を得た。この乳酸菌含有肉保形物を市販のパスタマシンの円筒ローラー間に通すことによって、押圧して厚さ3mmに仕上げ乳酸菌含有肉成形物を得た。その後、乳酸菌含有肉成形物を43℃、6時間静置し乳酸菌の発酵を促した。
実施例1は調味を伴う作製とした。そこで、醤油とみりんを同量ずつ合わせた調味液(漬け液)を用意した。この調味液内に透過性シート部材で被われた状態の乳酸菌含有肉成形物を浸し、室温で8時間ほど静置した。その後、乳酸菌含有肉成形物を調味液から取り出し、表面の余分な調味液を拭き取った後、20℃で10時間通風乾燥し水分調整とした。そして、外装の成形シート部材を取り外し、実施例1の再構成肉食品を得た。
〈比較例1−1〉
比較例1−1は、実施例1の作製手順より濃縮乳酸菌カルチャーの接種を省略して作製した再構成肉食品である。他の製法、手順は変更せずに作製した。
〈比較例1−2〉
比較例1−2は、実施例1の作製手順より濃縮乳酸菌カルチャーを乳酸菌カルチャーに変更して接種し作製した再構成肉食品である。他の製法、手順は変更せずに作製した。
実施例1、比較例1−1,1−2について、結果は以下の表1となった。表中、順に乳酸菌カルチャー、濃縮乳酸菌カルチャーの有無、添加量(重量%(wt%))、大腸菌群、乳酸菌数(1g当たりの個数、対数値表記)、水分活性、性状、総合評価を示す。総合評価は、表中に提示した測定、評価事項、性状の差異等を踏まえ行った。極めて良好を「A」、良好を「B」、普通を「C」、不良を「D」とした。
Figure 2014171398
[表1の結果と考察]
完成後の性状について、実施例1は、原料肉同士がしっかりと結着した仕上がりであり、しなやかに屈曲する。比較例1−1は、原料肉同士の結着が弱く、成形シート部材から再構成肉を取り出す際に形状が壊れてしまった。比較例1−2は、原料肉同士が結着した仕上がりではあるものの、実施例1よりも柔軟性を欠く。図5の写真は出来上がった実施例1の乳酸菌発酵再構成肉食品であり、これのラミネート包装品である。図5から把握されるように、全体に同色であることから原料肉同士が結着により均一化していることがわかる。
実施例1及び比較例1−2はともに大腸菌群は陰性であり、十分量の乳酸菌数を確認することができた。そして、水分活性は乾燥食肉加工品の基準である0.87未満となった。比較例1−1のように、もともとの乳酸菌の接種がない場合、大腸菌群が陽性であるとの点から食品としては不適切である。また、実施例1は濃縮乳酸菌カルチャーの接種であり、比較例1−2の乳酸菌カルチャーの接種よりも高濃度である。このように、乳酸菌濃度を事前に高めて原料肉に接種することにより、最終的な乳酸菌数の増加のみならず、原料肉同士の結着性も向上し、再構成肉食品としての完成度、品質向上につながる。おそらく、乳酸菌の発酵代謝産物に起因して原料肉同士の組織やタンパク質の結合性が増したことが考えられる。
この結果より、発明者らは、ミンチ状または細切れ状の原料肉に乳酸菌カルチャーを接種、混合し、成形シート部材内に注入してから同成形シート部材とともに押圧して成形し、発酵、調味、乾燥を経てなる本発明の乳酸菌発酵再構成肉食品及びその製造方法の有効性を確信した。
[発酵中、乾燥中の変化]
発明者らは、乳酸菌数濃度の相違による影響を明らかにするため、原料肉の発酵中のpH、乳酸菌数、大腸菌群数の経時的変化、及び水分調整中の水分活性の経時的変化を調査した。表2は発酵中のpHの変化、表3は発酵中の乳酸菌数(対数値表記)の変化、表4は発酵中の大腸菌群数(対数値表記)の変化、表5は水分調整中の水分活性の変化、表6は水分調整中の水分量の変化である。表中、「N.D.」は検出せずの意味である。
〈実施例2〉
実施例2は、実施例1の再構成肉食品の製造において、発酵段階では接種直後から2時間ごとに肉試料を分取し測定に供した。また、水分調整段階では乾燥直後から2時間ごとに肉試料を分取し測定に供した。
〈実施例3〉
実施例3は、実施例1の再構成肉食品の製造において濃縮乳酸菌カルチャーの接種量を原料肉に対し重量比で5重量%とし(実施例1の半分)、その他の製法、手順を同一とした。そして、実施例2と同様に発酵段階では接種直後から2時間ごとに肉試料を分取し測定に供した。また、水分調整段階では乾燥直後から2時間ごとに肉試料を分取し測定に供した。
〈実施例4〉
実施例4は、実施例1の再構成肉食品の製造において濃縮乳酸菌カルチャーの接種量を原料肉に対し重量比で20重量%とし(実施例1の2倍)、その他の製法、手順を同一とした。そして、実施例2と同様に発酵段階では接種直後から2時間ごとに肉試料を分取し測定に供した。また、水分調整段階では乾燥直後から2時間ごとに肉試料を分取し測定に供した。
〈比較例2〉
比較例2は、実施例1の作製手順より濃縮乳酸菌カルチャーの接種を省略して作製した再構成肉食品であり、他の作製手順を変更せずに作製した。比較例2においても、実施例2と同様に計測直後から2時間ごとに肉試料を分取し測定に供した。また、乾燥段階では乾燥開始直後から2時間ごとに肉試料を分取し測定に供した。
Figure 2014171398
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Figure 2014171398
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[表2ないし表6の結果と考察]
表2より、乳酸菌未接種の比較例2ではpHの低下は生じなかった。その他の乳酸菌を接種した実施例の場合、いずれも経時的にpHの低下が生じた。各実施例の全体的な傾向を踏まえると、接種時点における乳酸菌数の多少がpHの低下に影響を与えている。表3より、乳酸菌未接種の比較例2はもともとの原料肉等に付着していた乳酸菌であり菌数の増加は見られない。その他の乳酸菌を接種した実施例の場合、接種時の菌数の多少により乳酸菌数にばらつきは生じたものの、いずれも順調に菌数増加を確認することができた。
表4より、乳酸菌未接種の比較例2では乳酸菌数が明らかに不足しており、表3の結果からも明らかなように、乳酸菌の増殖も思わしくない。そのため、非加熱乾燥の再構成肉食品に必要な大腸菌群減少の作用を得るに至らなかった。これに対し、乳酸菌を接種した実施例の場合、4ないし6時間経過後にはいずれも大腸菌群を検出しない水準まで到達した。大腸菌群を駆逐する速さは乳酸菌数の増加速度と対応し、特に、乳酸菌接種量の影響を受けていることがわかる。
表2ないし表4の結果をまとめると、濃縮乳酸菌カルチャーの接種によりpH低下と大腸菌群を未検出までの減少効果を発揮した。特に、発酵に要する時間を少なくして生産効率を高めようとする場合、当初から乳酸菌の接種量を多くすることが好ましく、濃縮乳酸菌カルチャーの接種が好適である。そして、濃縮乳酸菌カルチャー自体の接種量を増やすことが望ましいといえる。ただし、乳酸菌量に比例してpHは低下することから、出来上がる乳酸菌発酵再構成肉食品の風味に酸味が増すことが考えられる。そこで、生産効率と風味との均衡も乳酸菌接種量を規定する要素となり得る。
表5の乾燥中の水分活性の変化について、実施例4では4時間、その他の実施例、比較例では6時間の水分調整を経た時点で乾燥食肉加工品の基準である0.87未満に到達した。ただし、水分調整の時間に比べて実施例は比較例よりも水分活性の低下は緩慢となった。表6の水分調整中の水分量を比較した場合、各実施例については水分調整の開始時点では水分量は多くなる。これは濃縮乳酸菌カルチャーに由来する。また、比較例2と比べても各実施例は水分量の低下も水分活性と同様に緩慢となった。表5及び表6の結果から、原料肉に対する濃縮乳酸菌カルチャーの接種、その後の増殖、発酵は、乾燥等の水分調整から生じる水分の急な変化を軽減するべく作用すると考える。
[厚さの違いと水分活性の変化]
乳酸菌含有肉成形物を作製する際の厚さの多少は、最終的に出来上がる乳酸菌発酵再構成肉食品の厚さにも影響を及ぼし、食べごたえを左右する。一般に、厚みが増すほど乾燥し難くなると予想される。そこで、発明者らは、前出の実施例1と異なる厚さによる乳酸菌発酵再構成肉食品を製造し、水分調整時の水分活性を測定した。結果は表7となった。
〈実施例5〉
実施例5は、実施例1の製造において、乳酸菌含有肉成形物を押圧して仕上げる際の厚さを3mmから5mmへ変更した。その他の製法、手順は実施例1−1と共通とした。水分調整段階では水分調整の開始直後から2時間ごとに肉試料を分取し測定に供した。
〈実施例6〉
実施例6は、実施例1の製造において、乳酸菌含有肉成形物を押圧して仕上げる際の厚さを3mmから7mmへ変更した。その他の製法、手順は実施例1と共通とした。水分調整段階では水分調整の開始直後から2時間ごとに肉試料を分取し測定に供した。
Figure 2014171398
[表7の結果と考察]
表6の結果から、厚さ5mmの実施例では、水分活性が乾燥食肉加工品の基準である0.87未満に到達するまで6ないし8時間の乾燥となった。これに対し、厚さ7mmの実施例では、10ないし12時間の乾燥となった。乾燥と水分活性低下の関係は、乳酸菌含有肉成形物の厚さと比例した。従って、出来上がる乳酸菌発酵再構成肉食品の厚さに応じた食べごたえと、乾燥に要する時間や経費との兼ね合いにより、乳酸菌含有肉成形物の厚さを規定することが望ましい。表中の実施例6の水分活性のように、乾燥時間を長く要することから、およそ7mmが厚さの上限と考える。
[厚さ、水分活性の違いとせん断力価]
乳酸菌発酵再構成肉食品を異なる厚さに作り分けるとともに、適当な水分調整に伴う乾燥時点での水分活性、せん断力価(kg)を測定した(実施例7ないし実施例17)。また、再構成肉ではなく、一枚肉を使用して実施例に開示の乳酸菌発酵再構成肉食品の製法に準じて比較例も製造し、水分活性、せん断力価を測定した(比較例3ないし比較例7)。さらに、市販の乾燥食肉食品を複数種類購入し、水分活性、せん断力価を測定した(市販品1ないし市販品12)。実施例、比較例、市販品のそれぞれについての測定結果は表8ないし表10となった。
〈厚さの測定〉
厚さの測定は、ノギスを用い乾燥後の実施例、比較例等の試料を計測した。ひとつの試料につき7箇所の測定を行った。そのうち、最大値と最小値を除いて平均値を求めた。この平均値を当該試料における厚さ(mm)とした。
〈せん断力の測定〉
せん断力の測定に際し、ワーナー・ブラッツラーせん断力計(G−R MANUFACTURING社製,MODEL235)を使用した。測定対象となる実施例の乳酸菌発酵再構成肉食品を5mm×25mmの細片試料に切り分けた。前記のせん断力計に、筋線維の方向に対して垂直に切断する位置に細片試料を設置し、同せん断力計にて測定した。ひとつの試料当たり12回測定した。そして、最大値と最小値を除外して残余の10回分の数値の平均を求め、この平均値を当該試料におけるせん断力価(kg)とした。
〈実施例7〜実施例10〉
実施例7ないし実施例10は、実施例1の製造において、乳酸菌含有肉成形物を押圧して仕上げる際の厚さを3mmから2mmへ変更した。その他の製法、手順は実施例1と共通とし製造した。そして、水分調整段階において適宜肉試料を分取し測定に供した。
〈実施例11〜実施例14〉
実施例11ないし実施例14は、実施例1の製造と製法、手順を実施例1と共通とし、乳酸菌含有肉成形物を押圧して仕上げる際の厚さを3mmとして製造した。そして、水分調整段階において適宜肉試料を分取し測定に供した。
〈実施例15〜実施例17〉
実施例15ないし実施例17は、実施例1の製造において、乳酸菌含有肉成形物を押圧して仕上げる際の厚さを3mmから4mmへ変更した。その他の製法、手順は実施例1と共通とし製造した。そして、水分調整段階において適宜肉試料を分取し測定に供した。
〈比較例3〜比較例7〉
比較例3ないし比較例7は、従前の一枚肉を用いて実施例1と同様の製法、手順により乾燥肉食品を製造し、測定に供した。はじめに豚肉(もも)を厚さ約3mmないし4mmの板状にスライスして原料肉とした。一枚肉の原料肉に対し、重量比で10重量%の濃縮乳酸菌カルチャーを接種して十分に馴染ませた。そして、実施例1と同様に成形シート部材(透過性シート部材)内に、乳酸菌付着の一枚肉を入れた。その後、43℃、6時間静置し乳酸菌の発酵を促した。
続いて、実施例1にて用いた調味液内に透過性シート部材で被われた状態の乳酸菌付着一枚肉を浸し、室温で8時間ほど静置した。その後、乳酸菌付着一枚肉を調味液から取り出し、表面の余分な調味液を拭き取った後、20℃で10時間通風乾燥し水分調整とした。そして、外装の成形シート部材を取り外し、比較例3ないし比較例7の乾燥肉食品を得た。
〈市販品1〜市販品12〉
市販品1ないし市販品6は牛の一枚肉を原料肉とする乾燥肉食品である。市販品7,8は豚の一枚肉を原料肉とする乾燥肉食品である。市販品9,10,11は牛を原料肉とする再構成肉の乾燥肉食品である。市販品12は牛を原料肉とする再構成肉の乾燥肉食品である。
〈実施例7−1〜実施例7−12〉
水分活性とせん断力価との関連性をさらに検証するため、乳酸菌含有肉成形物を押圧して仕上げる際の厚さを極力2mmに揃えつつ、水分調整に伴う乾燥条件を適宜変更しながら、水分活性値の異なる乳酸菌発酵再構成肉食品を製造した(実施例7−1〜実施例7−12)。製法、手順は実施例1と共通である。
Figure 2014171398
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[表8,9,10,11の結果と考察]
表8の実施例7ないし実施例10について、同様の厚さの場合、水分活性の低下とともにせん断力価は上昇する傾向にある。例えば、実施例8と実施例13、及び実施例11と実施例17について見られるように、同程度の水分活性であっても厚みが大きいほどせん断力価は上昇する傾向にある。これについては、作製時の厚さと水分活性(乾燥)による肉質の変化がともにせん断力価に大きく影響を与えることを示している。このことから、作製時の厚さと、水分活性(乾燥)の加減により、再構成肉食品の硬軟の作りわけが簡単であることを明らかにした。
表8の再構成肉の実施例と表9の一枚肉の比較例との比較では、実施例のように原料肉を挽き肉としたことから、同様の仕上がり厚さとする場合であっても、せん断力価は低下した。つまり、食べごたえを保ちつつも噛み切りやすく仕上がった。なお一枚肉の場合、部位や肉質の影響を受けることが多い。しかし、ミンチ状または細切れ状の不定形の細かい原料肉を使用するため原料肉自体に起因する肉質のばらつきを軽減することができる。
表10に示した市販品は、一般にビーフジャーキー、ポークジャーキーと称される乾燥肉食品であり、せん断力価の値から噛みごたえを重視した商品が多い。これに対し、表9の濃縮乳酸菌カルチャーを接種した一枚肉の比較例は、表10の一枚肉の市販品よりも低いせん断力価となった。このことから、乳酸菌はある程度肉質を軟化する作用を有するといえる。また、表8の実施例と表10の市販品の中の再構成肉との比較から、表5の実施例の再構成肉は、市販品よりも低いせん断力価となった。従って、咀嚼力低下により、従前の再構成肉食品を避けていた高齢者等も実施例のせん断力価の水準であれば喫食可能となり、新たな需要を開拓可能である。
表11に示した水分活性とせん断力価との関係性によると、水分活性の上昇に伴いせん断力価は低下する傾向にある。表11の実施例7−1ないし7−12の数値に基づいて最小二乗法により直線回帰を求めた結果、「y=−8.776x+8.235」(水分活性をx、せん断力価をyとする。)の回帰式、「R2=0.914」の決定係数となった。従って、極めて高い一次相関性が成立することが判明した。これとともに、前掲表8の異なる厚さ同士の実施例7ないし17から最小二乗法により直線回帰を求めた結果、「y=−9.447x+8.625」(水分活性をx、せん断力価をyとする。)の回帰式、「R2=0.714」の決定係数となった。表8からも高い一次相関性が成立した。
そこで、保形性維持と咀嚼力低下を考慮して再構成肉食品の適切なせん断力価の水準を規定した場合、せん断力価0.5kg以上、3kg以下が適正であり、より好ましくは0.8kg以上、2.5kg以下さらに適正である。また、水分活性とせん断力価の相関性から明らかであるように、対応する水分活性は0.65以上、0.87未満、より好ましくは0.7以上、0.87未満である。つまり、水分活性を低下させながらもせん断力価を上昇させすぎることなく、むしろ、適度な食感と咀嚼の容易さを兼備した食品である。
[発酵中の変化]
発明者らは、これまでの検証から乳酸菌発酵再構成肉食品における水分活性とせん断力価との間に明確な相関性を明らかにした。しかも再構成肉食品は低い水分活性でありながら他の食品に比べてせん断力価を抑える傾向にある。そこで、摂取した乳酸菌の発酵に伴う変化について、タンパク質の分解(図6参照)、菌体外多糖の産生(μg/g)から検証した。併せて、せん断力価(kg)、引張り力価(N)、引張り伸び(mm)を測定した(表12参照)。
〈実施例18〉
実施例18は、実施例1の製造において、乳酸菌含有肉成形物を押圧して仕上げる際の厚さを3mmから2mmへ変更した。その他の製法、手順は実施例1と共通とし再構成肉食品を製造した。濃縮乳酸菌カルチャーは10重量%の接種とした。そして、接種直後から発酵進行中の経時で分取し測定に供した。
〈比較例8〉
比較例8は、実施例1の製造から濃縮乳酸菌カルチャーの接種のみを省略し、押圧して仕上げる際の厚さを3mmから2mmへ変更した。その他は実施例1と共通とし製造した。成形後から経時で分取し測定に供した。
〈SDS−PAGE〉
再構成肉食品を4g採取し、100mM KCl、20mM KH2PO4、5mM EDTA2Na、及び1mM MgCl2を含有する緩衝液(pH7.0)40mLを添加し、氷冷下で1分間のホモジェナイズ(15000rpm)を2回繰り返した。懸濁液を0℃、15分間、遠心分離(1000×g)し、上清を捨てて沈殿物を取り出した。この沈殿物に前出の緩衝液40mLを添加して懸濁、遠心分離を2回繰り返した。得られた沈殿物に前出の緩衝液10mLを添加して懸濁後、18meshのフィルターで濾過し、肉の結合組織を除去し筋原繊維のみとした。
筋原繊維に8M 尿素、2.5% SDS、1mM ジチオトレイトール、10mM トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(pH8.0)を等量添加し、沸騰水中にて2分間の変性処理に供した。そして、SDS−PAGEにより分析した。このとき、スタッキングゲルを4.5%、セパレーティングゲルを12.5%とした。泳動後は図6の写真である。最左列レーンのバンドは分子量マーカーであり、Controlのレーンは比較例8、LABのレーンは実施例18である。それぞれ、0,2,4,6のレーンは分取時(経過時間)である。
〈菌体外多糖の測定〉
菌体外多糖(EPS)の測定に際し、再構成肉食品を5g採取し、蒸留水45mLを添加して氷冷下で1分間ホモジェナイズした(15000rpm)。この懸濁液を蒸留水により10倍に希釈し、試料液とした。試料液1mLに5Mのトリクロロ酢酸300μLを添加し室温下、10分間、遠心分離(3000×g)し、上清と残渣に分離した。上清500μLに2.5M NaOHを125μL添加して中和し、ultra−filtration kit(UST−1,MW:10000cut off,アドバンテック東洋株式会社製)を用いて濾過した。蒸留水で5回洗浄後、高分子量成分を500μLの蒸留水により回収した。当該高分子量成分を菌体外多糖(EPS)とみなし、フェノール硫酸法によりグルコースを標準糖として算出した。
〈引張り力価、引張り伸びの測定〉
引張り力価の測定に際し、株式会社サン科学製,レオメーター:COMPAC−100IIを使用した。試料の引張り力価及び引張り伸びの測定には専用のクランプ型治具を使用した。再構成肉食品の試料を5×25mmの小片に裁断し、専用クランプに取り付け、前記のレオメーターにより試料を引っ張ったときの最大荷重(引張り力価)を読みとった。1試料につき12回測定して最大値と最小値を除いた10回分の数値の平均を求め、この平均値を当該試料における引張り力価(N)とした。引張り伸びについては、引っ張りはじめから最大荷重が得られた時点までの試料の伸びを読みとった。1試料につき12回測定して最大値と最小値を除いた10回分の数値の平均を求め、この平均値を当該試料における引張り伸び(mm)とした。表12中、「―」は測定ができなかったことを示す。
Figure 2014171398
[図5、表12の結果と考察]
図5の泳動後のゲルの写真から、比較例8(Control)のレーンでは時間経過に伴うバンドの変化は見られない。これに対し、実施例18(LAB)のレーンでは時間経過に伴い23kDのバンドが薄くなり、16ないし19kD付近のバンドが濃くなった。すなわち、乳酸菌の菌数増加と発酵により、高分子量のタンパク質が分解されて低分子量化したといえる。
次に表12の結果によると、比較例8の乳酸菌未接種ではEPS含量、水分、せん断力価にほとんど変化がなかった。これに対し、実施例18の濃縮乳酸菌カルチャー接種の場合、際立ってEPS含量が増加している。これは、乳酸菌数の増加を示唆する。また、水分や水分活性は比較例8と同程度もしくは多いとしても、せん断力価は有意に低下した。せん断力価が低下しながらも、引張り力価や引張り伸びの減少が抑制された。この結果とEPS含量の増加を重ねると、乳酸菌の発酵、増殖の過程で生じた菌体外多糖が再構成肉食品の原料肉同士の結着性に寄与したと考えることができる。
せん断力価は咀嚼時の噛み切りやすさに換言でき、引張り力価や引張り伸びは再構成肉食品の柔軟性の指標となる。従って、菌体外多糖(EPS含量)の多い再構成肉食品は、咀嚼に過大な負荷を要すことなく、柔軟性や保形性を十分に確保した好適な再構成肉食品ということができる。
[原料肉の種類拡張]
これまでに詳述した実施例の原料肉は豚挽き肉である。そこで、これ以外の原料肉を用いた場合であっても、同様に乳酸菌発酵再構成肉食品が製造可能か否か検証した。以下の実施例19,20,21であり、表13にその結果を記す。表中に提示した測定、評価事項、性状の差異等を踏まえて、総合評価も行った。極めて良好を「A」、良好を「B」、普通を「C」、不良を「D」とした。
〈実施例19〉
実施例19は鶏胸肉を原料肉とした。鶏胸肉をフードプロセッサーによりペースト状にした。原料肉(鶏胸肉)に対し、重量比で10重量%の前記調製の濃縮乳酸菌カルチャーを接種して双方を十分に混合し乳酸菌含有肉原料とした。成形シート部材として実施例1−1と同様の透過性シート部材を用いた。
成形シート部材(透過性シート部材)内に、ソーセージ等の腸詰め食品の要領で乳酸菌含有肉原料を充填し、乳酸菌含有肉保形物を得た。この乳酸菌含有肉保形物を市販のパスタマシンの円筒ローラー間に通すことによって、押圧して厚さ3mmに仕上げ乳酸菌含有肉成形物を得た。その後、乳酸菌含有肉成形物を43℃、6時間静置し乳酸菌の発酵を促した。実施例19の調味とその後の乾燥は、実施例1と同様とし、乾燥後、外装の成形シート部材を取り外し、実施例19の鶏胸肉原料の再構成肉食品を得た。
〈実施例20〉
実施例20はサケを原料肉とした。サケの切り身から皮と骨を取り除き、肉のみをフードプロセッサーによりペースト状にした。以降の製法、手順は実施例19と同一とした。
〈実施例21〉
実施例21はタラを原料肉とした。タラの切り身から皮と骨を取り除き、肉のみをフードプロセッサーによりペースト状にした。以降の製法、手順は実施例19と同一とした。
Figure 2014171398
[表13の結果と考察]
完成後の性状について、実施例19,20は、原料肉同士がしっかりと結着した仕上がりであり、しなやかに屈曲する。具体的には、図7は実施例19の鶏胸肉を使用した乳酸菌発酵再構成肉食品の写真であり、図8は実施例20のサケを使用した乳酸菌発酵再構成肉食品の写真である。全体の色合いが均質であることから結着が良好であると判断できる。実施例21は、原料肉同士が結着しているものの、実施例19,20よりもやや柔軟性を欠き壊れやすい。ちょうど、図9の実施例21のタラを使用した乳酸菌発酵再構成肉食品の写真から把握されるように、一部に欠けている部位が存在するものの、比較的結着している。
実施例19より、鶏胸肉に代表される鳥類の肉であっても畜肉同様の加工が可能であり、しかも良好な仕上がりとなることを確認した。実施例20のサケと実施例21のタラの評価の違いについては、魚肉自体の性質が大きく影響した。そこで、使用する魚肉の選択、配合等をさらに改良することにより改善可能であると考えられる。従って、畜肉や鶏肉に加え、魚肉も使用できることを確認した。このことから、比較的広汎な種類の原料肉に対して濃縮乳酸菌カルチャーを添加して乳酸菌発酵再構成肉食品を製造することが可能といえる。
[成形シート部材の種類拡張]
これまでに詳述した実施例では、成形シート部材として紙の基材にビスコースを含浸して得た透過性シート部材(ファイブラスケーシング)を用いた。この他の資材についても同様に乳酸菌発酵再構成肉食品が製造可能か否か検証した。以下の実施例22ないし実施例27、比較例9,比較例10であり、表14,表15にその結果を記す。表中の各項目に対する評価について、「◎」は良好に使用でき非常に取り扱いが便利である。「○」は十分に使用可能である。「△」は使用可能であるものの取り扱いに注意を要する。「×」は使用できない。「−」は評価不能である。
〈評価項目〉
「充填」は、乳酸菌含有肉原料を成形シート部材に充填した際、成形シート部材からの乳酸菌含有肉原料の漏出の有無の評価とした。
「成形」は、乳酸菌含有肉保形物を成形シート部材とともに押圧した際、成形シート部材の破裂の有無と乳酸菌含有肉原料の漏出の有無の評価とした。
「乾燥」は、乳酸菌発酵成形肉の乾燥しやすさ、乾燥のむらの有無の評価とした。
「保護」は、製造段階における成形シート部材の取り扱いやすさであり、摩擦等による損傷の有無を評価した。
「剥離」は、乾燥を終えた後の成形シート部材の取り外しやすさの評価とした。
「総合評価」は、表中に提示した評価項目、乳酸菌発酵再構成肉食品の出来栄え、取り扱いの良さを加味して、極めて良好を「A」、良好を「B」、普通を「C」、不良または完成せずを「D」として判じた。
〈実施例22〉
実施例22は、前出の実施例1における製法、手順、材料と同様としてあらためて製造した。成形シート部材として、紙の基材にビスコースを含浸して得た透過性シート部材(ファイブラスケーシング)の使用である。
〈実施例23〉
実施例23は、成形シート部材としてセルロースケーシング(パール金属株式会社製)を用いた。その他の製法、手順は実施例22(実施例1)と同様とした。
〈実施例24〉
実施例24は、成形シート部材としてコラーゲンケーシング(ニッピ株式会社製)を用いた。その他の製法、手順は実施例22(実施例1)と同様とした。
〈実施例25〉
実施例25は、成形シート部材として天然羊腸(ニッピ株式会社製)を用いた。その他の製法、手順は実施例22(実施例1)と同様とした。
〈実施例26〉
実施例26は、成形シート部材として不織布ケーシング(フジシロ株式会社製)を用いた。その他の製法、手順は実施例22(実施例1)と同様とした。
〈実施例27〉
実施例27は、成形シート部材として穴開け加工を施したプラスチックフィルムのケーシング(藤森工業株式会社製)を用いた。穴の大きさは約1.0mm、間隔は約20.0mmおきとし、金属針により穴を形成した。その他の製法、手順は実施例22(実施例1)と同様とした。
〈比較例9〉
比較例9は、成形シート部材としてプラスチックフィルムのケーシング(藤森工業株式会社製)を用いた。その他の製法、手順は実施例22(実施例1)と同様とした。
〈比較例10〉
比較例10は、成形シート部材として市販の食品加工ネットを用いた。その他の製法、手順は実施例22(実施例1)と同様とした。
Figure 2014171398
Figure 2014171398
[表14,15の結果と考察]
各例の成形シート部材を用いて乳酸菌発酵再構成肉食品を製造した際、以下の点が明らかとなった。実施例22は全ての項目、評価において最も良好であった。実施例23,24,25は材質的にやや脆弱であるため成形時に慎重を要する。その分、保護の評価が下がった。実施例26は不織布を円筒に折り込む形態のため部分的に乾燥のむらが生じた。また、不織布自体に毛羽立ちが存在するため、出来上がった再構成肉の剥離が他の例よりも思わしくなかった。実施例27は穴あき部分とフィルム部分において乾燥にむらが生じた。また、出来上がった再構成肉が穴部分に残りやすくなることも確認した。比較例9の場合、プラスチックケーシングの通気性がほとんどないため乾燥不能であり製品として完成しなかった。比較例10の場合、食品加工ネットに充填しようとしても、乳酸菌含有肉原料が網目から漏れ出てしまい、以降の処理が不能であった。
乳酸菌発酵再構成肉食品の製造に用いる成形シート部材としての適性を勘案した場合、実施例22のファイブラスケーシングが際立って優れており、最も取り扱いが容易であった。その他の実施例23ないし27についても十分に使用可能であった。ただし、実施例25は羊腸であり天然物であることから大きさや形状は不揃いである。実施例23ないし27の結果より、生産規模や作業の熟練度に応じて使用する成形シート部材を使い分けたり組み合わせたりすることも検討すべきである。併せて、本実施例の製造に用いた商品以外の同種の商品の選択も考慮し得る。
従って、成形シート部材は、実施例22の紙の基材にビスコースを含浸して得た透過性シート部材を筆頭に、実施例23のセルロースケーシングのセルロースよりなる透過性シート部材、実施例24のコラーゲンケーシングや実施例25の羊腸に代表されるタンパク質よりなる透過性シート部材、さらには、実施例26の不織布(布)や実施例27の穴あき樹脂シートまで使用可能であることを確認した。
本発明の乳酸菌発酵再構成肉食品は、ミンチ状、細切れ状、またはペースト状の原料肉を使用するため、原料肉の部位に依存する肉質や等級等間の品質のばらつきを軽減して製造することができ、従来の乾燥肉において未利用の原料肉にも利用範囲を広げることができる。
また、本発明の乳酸菌発酵再構成肉食品は、乾燥食肉加工品と同等の水分活性値であることから常温保存が可能である。そして、比較的少ないせん断力価の非加熱乾燥の再構成肉としているため手で簡単に裂けるほどの軟らかさも備える。このことから、食肉の食べごたえの再現と高齢者の喫食可能な軟らかさの両立も併せ持つ食品となる。加えて、乳酸菌発酵再構成肉食品には乳酸菌が生存状態で残存させることもできるため、整腸効果等のプロバイオティック作用も期待できる。
M 原料肉
P 製品(再構成肉)
L 乳酸菌
CLc 濃縮乳酸菌カルチャー
Wh ホエイ
Ma 乳酸菌含有肉原料
10(11,12,13) 成形シート部材
14 封止部
20(21,22,23) 乳酸菌含有肉保形物
30 乳酸菌含有肉成形物
R ローラー

Claims (6)

  1. ホエイを含む培養液から得た乳酸菌カルチャーを濃縮することによって菌数を増加した濃縮乳酸菌カルチャーを調製し、
    前記濃縮乳酸菌カルチャーをミンチ状、細切れ状、またはペースト状の原料肉に接種、混合して乳酸菌含有肉原料を調製し、
    成形シート部材を用いて前記乳酸菌含有肉原料を保形し乳酸菌含有肉保形物を得て、
    前記乳酸菌含有肉保形物を前記成形シート部材とともに押圧して乳酸菌含有肉成形物を得て、
    前記乳酸菌含有肉成形物内に生存する乳酸菌を増殖させて乳酸菌発酵成形肉を得て、
    前記乳酸菌発酵成形肉の水分量を調整して、
    前記乳酸菌発酵成形肉の水分活性を0.65〜0.87とし、かつ、下記せん断力価の測定(i)において測定した厚さ2〜7mmの前記乳酸菌発酵成形肉のせん断力価を0.5〜3kgとする
    ことを特徴とする乳酸菌発酵再構成肉食品。
    (せん断力価の測定(i):前記乳酸菌発酵成形肉を5mm×25mmの板状片試料に切り分け、ワーナー・ブラッツラーせん断力計に前記板状片試料の面部分を垂直に切断する向きで設置し測定する。一の乳酸菌発酵成形肉当たり12回測定し、最大値及び最小値を除外し残余の10回分の平均値を当該乳酸菌発酵成形肉のせん断力価(kg)とする。)
  2. 前記成形シート部材が、布もしくは穴あき樹脂シートである請求項1に記載の乳酸菌発酵再構成肉食品。
  3. 前記成形シート部材が、セルロースもしくはタンパク質よりなる透過性シート部材である請求項1に記載の乳酸菌発酵再構成肉食品。
  4. 前記成形シート部材が、紙もしくは布の基材にビスコースを含浸して得た透過性シート部材よりなる請求項1に記載の乳酸菌発酵再構成肉食品。
  5. 前記成形シート部材が筒状体であり該筒状体の内部に前記乳酸菌含有肉原料が充填される請求項1ないし4のいずれか1項に記載の乳酸菌発酵再構成肉食品。
  6. 前記乳酸菌発酵成形肉が調味される請求項1ないし5のいずれか1項に記載の乳酸菌発酵再構成肉食品。
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