JP2014170729A - マイクロ波加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】テーブル、アンテナ、位相器の回転機構などを用いない簡易的な構造で被加熱物を効率良く、均一に加熱すること。
【解決手段】マイクロ波供給手段105から供給され導波管106内を伝送するマイクロ波を、結合軸108により導波管構造アンテナ107へ導くことで、マイクロ波供給ポイントを導波管構造アンテナ107から対称性を持ってマイクロ波を放射できる位置へと変更し、複数のマイクロ波放射開口部109からマイクロ波を放射することで、対称性を持ったマイクロ波放射を行い、被加熱物を均一に加熱することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子レンジ等のマイクロ波加熱装置に関し、特にマイクロ波放射部の構造に特徴を有するマイクロ波加熱装置に関するものである。
マイクロ波により被加熱物を加熱処理するマイクロ波加熱装置の代表的な装置としては、電子レンジがある。電子レンジにおいては、マイクロ波供給手段において発生したマイクロ波が金属製の加熱室の内部に放射され、加熱室内部の被加熱物が放射されたマイクロ波により加熱処理される。
従来の電子レンジにおけるマイクロ波供給手段としては、マグネトロンが用いられている。マグネトロンにより生成されたマイクロ波は、導波管を介して加熱室内部に放射される。加熱室内部におけるマイクロ波の電磁界分布が不均一であると、被加熱物を均一にマイクロ波加熱することができない。
被加熱物を均一に加熱する手段として、被加熱物を載置するテーブルを回転させて被加熱物を回転させる構造、被加熱物を固定してマイクロ波を放射するアンテナを回転させる構造、または位相器によってマイクロ波供給手段から発生するマイクロ波の位相を変化させる構造を有するマイクロ波加熱装置が一般的であった。
例えば、従来のマイクロ波加熱装置では、導波管内部に回転アンテナ、アンテナシャフトなどが配置されており、アンテナモータによって回転アンテナを回転させながらマグネトロンを駆動することで、加熱室内のマイクロ波分布の不均一さを低減している。
また、特許文献1に記載されているように、マグネトロンの上部に回転可能なアンテナを設け、該回転アンテナの羽根に送風ファンからの冷却風をあてることにより、該送風ファンの風力でアンテナを回転させ、加熱室内のマイクロ波分布を変化させているマイクロ波加熱装置が提案されている。
一方、マイクロ波加熱による被加熱物の不均一加熱の低減と共にコストダウンおよび給電部の省スペース化を図った特許文献2に記載されているように、円偏波を加熱室内部に放射する単一のマイクロ波放射部を有したマイクロ波加熱装置が提案されている。
特開昭62−064093号公報 米国特許第4301347号明細書
しかしながら、前記従来の構成の電子レンジのようなマイクロ波加熱装置では、なるべく簡易的な構造で、被加熱物を効率良く、ムラ無く加熱することが求められているが、これまで提案されていた構造では種々の課題があった。
また、マイクロ波加熱装置、特に電子レンジは、高出力化の技術開発が進み、国内では定格高周波出力1000Wが商品化されている。電子レンジは、熱伝導によって食品を加熱するのではなく、誘電加熱を用いて直接食品を加熱できる利便性が商品の大きな特徴で
あるが、不均一加熱が未解決の中での高出力化は不均一加熱の課題をより顕在化させることになる。
従来のマイクロ波加熱装置が抱える構造上の課題としては、下記の2点のことが挙げられる。
1点目は、不均一加熱を低減するためにテーブルまたはアンテナを回転させる機構を必要としており、このため回転スペースおよびテーブルまたはアンテナを回転させるモータなどの設置スペースを確保しなければならず、電子レンジの小型化を阻害していたことである。
2点目は、テーブルまたはアンテナを安定的に回転させるために、該回転アンテナを加熱室の上部又は下部に設ける必要があり、構造が制限されていたことである。
マイクロ波加熱装置におけるマイクロ波照射室内にテーブルまたは位相器の回転機構などを設置することは信頼性を下げる。よって、これら機構を不要とするマイクロ波加熱装置が要求されている。
また、マイクロ波加熱による被加熱物の不均一加熱の低減と共に、コストダウンおよび給電部の省スペース化を図った特許文献2に記載されているような、円偏波を加熱室内部に放射する単一のマイクロ波放射部を有したマイクロ波加熱装置については、回転機構を有していないという利点はあるが、マイクロ波加熱による十分な均一加熱が実現されていないことが課題である。
本発明は前記従来の課題を解決するものであり、回転機構を用いないで、被加熱物を均一にマイクロ波加熱させることができるマイクロ波加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、マイクロ波供給手段から供給され導波管内を伝送するマイクロ波を、結合軸により導波管構造アンテナへ導くことで、マイクロ波供給ポイントを導波管構造アンテナから対称性を持ってマイクロ波を放射できる位置へと変更し、複数のマイクロ波放射開口部からマイクロ波を放射することで、対称性を持ったマイクロ波放射を行い、被加熱物を均一に加熱することができる。
また、マイクロ波伝送方向に設けた進行波促進開口部を備えることで、導波管構造アンテナ内を伝送するマイクロ波を進行波とすることができる。これにより振幅が変化する進行波が、マイクロ波放射開口部を通過することとなるため、放射量が変化するマイクロ波を複数箇所に分散させた開口から放射することとなり、被加熱物を均一に加熱することができる。
また、導波管構造アンテナが直方体状の多面体として構成され、上面部にマイクロ波放射開口部が設けられた導波管構造部と、下面部に導波管構造部と接するフランジ部を備え、フランジ部はマイクロ波の伝送方向と平行に形成されていることにより、進行波促進開口部以外からのマイクロ波漏洩を防ぎ、導波管構造アンテナを加熱室に固着させない簡易な構成で均一加熱を実現することができる。
また、導波管構造アンテナが対称軸を持つように構成されていることで、マイクロ波を対称軸に対して対称に伝送させることができ、マイクロ波放射開口部からのマイクロ波放射の均一性を向上することができる。
また、マイクロ波放射開口部として円偏波を放射する形状を用いることで、マイクロ波放射部から拡がりをもったマイクロ波が放射され、被加熱物へのマイクロ波の放射をより広い範囲で均一化することができる。
また、導波管からマイクロ波を放射する複数のマイクロ波間接放射開口部を備え、複数のマイクロ波間接放射開口部をマイクロ波放射開口部の配置面より被加熱物から遠い位置に配置することで、被加熱物側面および上面の加熱に寄与するマイクロ波を加熱室に供給し、被加熱物の均一加熱性能をより向上することができる。
本発明によれば、マイクロ波供給手段から供給され導波管内を伝送するマイクロ波を、結合軸により導波管構造アンテナへ導くことで、マイクロ波供給ポイントを導波管構造アンテナから対称性を持ってマイクロ波を放射できる位置へと変更し、複数のマイクロ波放射開口部からマイクロ波を放射することで、対称性を持ったマイクロ波放射を行い、回転機構を用いないで被加熱物を均一に加熱することが可能なマイクロ波加熱装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の断面図 本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の斜視図 本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置のマイクロ波放射開口部と進行波の関係説明図 本発明の実施の形態1における導波管構造アンテナにおける対称性を示す平面図 本発明の実施の形態2における導波管構造アンテナの構成を説明する概略図 本発明の実施の形態3におけるマイクロ波加熱装置の断面図 本発明の実施の形態3におけるマイクロ波加熱装置のマイクロ波放射開口部と進行波の関係説明図 本発明の実施の形態3におけるマイクロ波加熱装置の円偏波を放射するマイクロ波放射開口部の例を示す説明図 本発明の実施の形態4におけるマイクロ波加熱装置の断面図 本発明の実施の形態4における導波管構造アンテナの構成を説明する概略斜視図 本発明の実施の形態4におけるマイクロ波加熱装置の構成を示す平面図
第1の発明は、被加熱物を入れる加熱室と、前記被加熱物を載置する載置部と、前記加熱室にマイクロ波を供給するためのマイクロ波供給手段と、前記マイクロ波供給手段から供給されるマイクロ波を伝送するための導波管と、前記加熱室にマイクロ波を放射するための1つまたは複数の導波管構造アンテナと、前記導波管から前記導波管構造アンテナへマイクロ波を伝えるための1つまたは複数の結合軸と、前記導波管構造アンテナから前記加熱室へ放射するための複数のマイクロ波放射開口部を備えたマイクロ波加熱装置とすることにより、マイクロ波供給手段から供給され導波管内を伝送するマイクロ波を、結合軸により導波管構造アンテナへ導くことで、マイクロ波供給ポイントを導波管構造アンテナから対称性を持ってマイクロ波を放射できる位置へと変更し、複数のマイクロ波放射開口部からマイクロ波を放射することで、対称性を持ったマイクロ波放射を行い、被加熱物を均一に加熱するマイクロ波加熱装置を提供することができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記導波管構造アンテナ内を伝送するマイク
ロ波の伝送方向に設けた進行波促進開口部を備えたマイクロ波加熱装置とすることにより、導波管構造アンテナ内を伝送するマイクロ波を進行波とすることができる。これにより振幅が変化する進行波が、マイクロ波放射部を通過することとなるため、放射量が変化するマイクロ波を複数箇所に分散させた開口から放射することとなり、被加熱物を均一に加熱するマイクロ波加熱装置を提供することができる。
第3の発明は、特に第2の発明において、導波管構造アンテナは、直方体状の多面体として構成され、上面部にマイクロ波放射開口部が設けられた導波管構造部と、下面部に前記導波管構造部と接するフランジ部を備え、フランジ部はマイクロ波の伝送方向と平行に形成されているマイクロ波加熱装置とすることにより、進行波促進開口部以外からのマイクロ波漏洩を防ぎ、導波管構造アンテナを加熱室に固着させない簡易な構成で均一加熱を実現するマイクロ波加熱装置を提供することができる。
第4の発明は、特に第1〜3のいずれか1つの発明において、前記導波管構造アンテナが対称軸を持つよう構成されているマイクロ波加熱装置とすることにより、マイクロ波を対称軸に対して対称に伝送させることができ、マイクロ波放射開口部からのマイクロ波放射の均一性を向上するマイクロ波加熱装置を提供することができる。
第5の発明は、特に第1〜4のいずれか1つの発明において、前記マイクロ波放射開口部が、円偏波を放射する形状となっているマイクロ波加熱装置とすることにより、マイクロ波放射部から拡がりをもったマイクロ波が放射され、被加熱物へのマイクロ波の放射をより広い範囲で均一化するマイクロ波加熱装置を提供することができる。
第6の発明は、特に第1〜5のいずれか1つの発明において、前記導波管からマイクロ波を放射する複数のマイクロ波間接放射開口部を備え、前記複数のマイクロ波間接放射開口部が前記マイクロ波放射開口部の配置面より前記被加熱物から遠い位置に配置されているマイクロ波加熱装置とすることにより、被加熱物側面および上面の加熱に寄与するマイクロ波を加熱室に供給し、被加熱物の均一加熱性能をより向上したマイクロ波加熱装置を提供することができる。
以下、本発明に係るマイクロ波加熱装置の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態のマイクロ波加熱装置においては電子レンジについて説明するが、電子レンジは例示であり、本発明のマイクロ波加熱装置は電子レンジに限定されるものではなく、誘電加熱を利用した加熱装置、生ゴミ処理機、あるいは半導体製造装置などのマイクロ波加熱装置を含むものである。また、本発明は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本発明に含まれる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の断面図である。図1において、101は筐体、102は被加熱物、103は被加熱物102を入れる加熱室、104は被加熱物102を載置する載置部、105は加熱室103にマイクロ波を供給するためのマイクロ波供給手段、106はマイクロ波供給手段105から供給されるマイクロ波を加熱室103へ伝送するための導波管、107は導波管構造アンテナ、108は結合軸、109はマイクロ波放射開口部、110は進行波促進開口部である。なお、載置部104にはガラス板、マイクロ波供給手段105にはマグネトロン、導波管106には方形導波管、導波管構造アンテナ107には直方体状の多面体、結合軸108は導波管106内を伝送するマイクロ波を導波管構造アンテナ107に伝えるための同軸構造、マイクロ波放射開口部109は導波管構造アンテナ107に設けた開口部、進行波促進開口部110は導波管構造アンテナ107内を伝送するマイクロ波の伝送方向に設けた開口部を用いる
ことでこの構成を容易に実現できる。
図2は実施の形態1におけるマイクロ波加熱装置の斜視図である。図2において201は被加熱物102を加熱室103へ出し入れするための扉である。
図3(a)は導波管106、導波管構造アンテナ107の概略側面図、図3(b)は導波管構造アンテナ107上面のマイクロ波放射開口部109の概略図である。図3において、結合軸108は、導波管構造アンテナ107と接合され、一部が導波管106内に挿入されることで、導波管106内を伝送するマイクロ波を導波管構造アンテナ107へのマイクロ波供給ポイントとなる構成となっている。また、導波管構造アンテナ107は伝送方向に設けた開口部である進行波促進開口部110によりマイクロ波供給ポイントである結合軸108から進行波促進開口部110へ向かってマイクロ波が進行波301として伝送される構成となっている。また、マイクロ波放射開口部109は、導波管構造アンテナ107上部に設けた開口であり、加熱室103へマイクロ波を放射する構成となっている。
以下、マイクロ波加熱装置の動作について説明を行う。使用者により加熱室103内の載置部104上に被加熱物102が置かれ、加熱開始指示が行われると、マイクロ波加熱装置は、マイクロ波供給手段105であるマグネトロンから導波管106内にマイクロ波を供給する。導波管106内を伝送するマイクロ波は、図3に示すように結合軸108により導波管構造アンテナ107へ伝えられ、進行波促進開口部110の開口部方向へ進行波301として伝送される。進行波301が導波管構造アンテナ107内を伝送する時、図3(a)において点線で示しているようにマイクロ波放射開口部109における振幅を変化させながら進むこととなる。したがって、被加熱物102を加熱するマイクロ波は、放射元となる進行波301の振幅変化に従い放射量を変化させつつ、複数のマイクロ波放射開口部109に分散されて加熱室103に放射されることとなり、均一加熱を実現することができる。
以上のように、本実施の形態においては、マイクロ波供給手段105から供給され導波管106内を伝送するマイクロ波を、結合軸108により導波管構造アンテナ107へ導くことで、マイクロ波供給ポイントを導波管構造アンテナ107から対称性を持ってマイクロ波を放射できる位置へと変更し、複数のマイクロ波放射開口部109からマイクロ波を放射することで、対称性を持ったマイクロ波放射を行い、被加熱物を均一に加熱することができる。この構成によれば、振幅が変化する進行波301が、マイクロ波放射開口部109を通過することとなるため、放射量が変化するマイクロ波を複数箇所に分散させた開口から放射することとなり、回転機構を用いることなく被加熱物102を均一にマイクロ波加熱させることが可能なマイクロ波加熱装置を提供することができる。
ここで、図4に示すように、導波管構造アンテナ107が左右方向、奥行き方向にそれぞれ左右方向対称軸401、奥行き方向対称軸402を備えることで、マイクロ波を対称軸に対して対称に伝送させることができ、マイクロ波放射開口部からのマイクロ波放射の均一性を向上することができる。
なお、本実施の形態ではマイクロ波放射開口部109の開口部形状を図3の形状で説明を行ったがこの開口形状に限定されるものではない。
また、本実施の形態においては、導波管構造アンテナ107および結合軸108が1つの場合について説明を行ったが、複数の導波管構造アンテナや結合軸を用いてマイクロ波加熱装置を構成してもよいことは明らかである。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における導波管構造アンテナ107の概略斜視図である。以下、その動作、作用を説明する。なお、図面において、実施の形態1と同一動作を示す部分は同一番号を付与している。また、実施の形態2における基本的な動作は実施の形態1と同様である。
本実施の形態においては、図5に示すように導波管構造アンテナ107は直方体状の多面体として構成され、上面部にマイクロ波放射開口部109が設けられている点は実施の形態1と同様であるが、実施の形態2における導波管構造アンテナ107は、構造的には平面部と垂直部を有する導波管構造部501とフランジ部502から構成され、このフランジ部502がマイクロ波の伝送方向302と平行に導波管構造部501の下面部と接するように形成されている点が異なっている。ここで導波管構造部501と接する点からフランジ部502外縁との距離を適切にとる(例えば、マイクロ波漏洩防止用のチョーク構造として一般によく用いられるマイクロ波供給手段105の発振波長の4分の1に相当する距離)ことで、導波管構造アンテナ107を加熱室103および導波管106と固着させない簡易な構成でも導波管構造アンテナ107内にマイクロ波を伝送させることが可能となる。これにより、被加熱物102を加熱するマイクロ波は、放射元となる進行波の振幅変化に従い放射量を変化させつつ、複数のマイクロ波放射開口部109に分散されて加熱室103に放射されることとなり、均一加熱を実現することができる。
以上のように、本実施の形態においては、導波管構造アンテナ107が直方体状の多面体として構成され、上面部にマイクロ波放射開口部109が設けられた導波管構造部501と、下面部に導波管構造部501と接するフランジ部502を備え、フランジ部502はマイクロ波の伝送方向と平行に形成されていることにより、進行波促進開口部110以外からのマイクロ波漏洩を防ぎ、導波管構造アンテナ107を加熱室103に固着させない簡易な構成においても均一加熱を実現することができる。
なお、このように構成する場合、導波管構造アンテナ107の向きを自由に設定することが可能となることは言うまでもない。この場合、被加熱物102に対して手動により適切な方向へ設定することが可能となる。また、回転手段を導入すれば、加熱室103内に発生する加熱室内の定在波を変化させることになるため、更に均一性を向上させることも可能となる。
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3におけるマイクロ波加熱装置の断面図、図7は本発明の実施の形態3における円偏波を放射する形状をもったマイクロ波放射開口部109の配置説明図である。以下、その動作、作用を説明する。なお、図面において、実施の形態1と同一動作を示す部分は同一番号を付与している。また、本実施の形態における基本的な動作は実施の形態1と同様である。
本実施の形態においては、マイクロ波放射開口部109を図6および図7に示すような円偏波を放射する形状としている。円偏波とは、移動通信および衛星通信の分野で広く用いられている技術であり、身近な使用例としては、ETC(Electronic Toll Collection System)「ノンストップ自動料金収受システム」などが挙げられる。円偏波は、電界の偏波面が電波の進行方向に対して時間に応じて回転するマイクロ波であり、円偏波を形成すると電界の方向が時間に応じて変化し続けるので、加熱室103内に放射されるマイクロ波の放射角度も変化し続け、時間的に電界強度の大きさが変化しないという特徴を有している。これにより、従来のマイクロ波加熱装置に用いられている直線偏波によるマイクロ波加熱と比較して、広範囲にわたってマイクロ波が分散放射されて、被加熱物を均一にマイクロ波加熱することができるようになる。特に、
円偏波の周方向に対して均一加熱の傾向が強い。なお、円偏波は回転方向から右旋偏波(CW:clockwise)と左旋偏波(CCW:counter clockwise)の2種類に分類されるが、加熱性能に違いはない。
前記の特長を利用し、マイクロ波放射開口部109を通して円偏波のマイクロ波を放射することで、加熱室103内の加熱分布をより均一化することができる。なお、導波管構造アンテナ107に設けたマイクロ波放射開口部109から円偏波を出力するためには、図7に示すように、幅を持ったスリット2本を中央で交差させ、マイクロ波伝送方向に対し45度傾けた形状を、導波管構造アンテナ107のマイクロ波伝送方向の管軸701を通らない位置に配置する必要がある。
以上のように、本実施の形態においては、マイクロ波放射開口部109を、円偏波を放射する形状とすることで、マイクロ波放射部から拡がりをもったマイクロ波が放射され、被加熱物102へのマイクロ波の放射をより広い範囲で均一化することができる。
なお、本実施の形態において、円偏波を放射するマイクロ波放射開口部109の形状は図6および図7で示した形状で説明したが、この形状に限定されるものではなく図8に示すような円偏波を放射する形状であれば何でもよい。
(実施の形態4)
図9は本発明の実施の形態4におけるマイクロ波加熱装置の構成を示す概略断面図である。また、図10は図9で用いられている導波管構造アンテナ107の概略斜視図である。図9において、導波管106には、開口であるマイクロ波間接放射開口部901が形成されている。マイクロ波間接放射開口部901は、導波管構造アンテナ107に設けられたマイクロ波放射開口部109の配置面よりも被加熱物102から遠い位置に配置されている。以下、その動作、作用を説明する。なお、図面において、実施の形態1〜実施の形態3と同一動作を示す部分は同一番号を付与している。また、本実施の形態4における基本的な動作は実施の形態1と同様である。
図9に示すように、マイクロ波間接放射開口部901を配置するマイクロ波間接放射開口部配置面902は、マイクロ波放射開口部配置面903よりも被加熱物102から遠い位置となるように配置されている。このように、マイクロ波放射開口部109とマイクロ波間接放射開口部901を配置することにより、マイクロ波放射開口部109はマイクロ波間接放射開口部901よりも被加熱物102に対して物理的に近い位置を占めることとなるため、放射されたマイクロ波は被加熱物102の下部へ直接吸収され易くなる。この場合、マイクロ波放射開口部109と被加熱物102の近傍にはマイクロ波が直接入射するような電場が発生することから、マイクロ波間接放射開口部901からの放射は被加熱物102へ直接入射し難くなる。よって、マイクロ波間接放射開口部901から放射されたマイクロ波は載置部104を透過し加熱室103内へ放射され、被加熱物102の側面および上部の加熱を促進する。この作用により、被加熱物102に対して上面、下面、側面からマイクロ波を供給することができるため、被加熱物に対する均一加熱性能をより高めることが可能となる。特にこの作用は、マイクロ波加熱の負荷としては少ない量の被加熱物102(例えば含有水分量が150g以下の食品)において、被加熱物102の下部に電力が集中して過加熱となることを防ぎたい場合に有効に働く。
以上のように、本実施の形態においては、導波管106にマイクロ波間接放射開口部901を設け、マイクロ波間接放射開口部配置面902をマイクロ波放射開口部配置面903より被加熱物102から遠い位置に配置することにより、マイクロ波間接放射開口部901から被加熱物102側面および上面の加熱に寄与するマイクロ波を加熱室に供給し、被加熱物の均一加熱性能をより向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、マイクロ波間接放射開口部901に円偏波を放射する開口を備えた図面で説明を行ったが、必ずしも円偏波を放射する開口でなくてもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態においては、マイクロ波間接放射開口部901とマイクロ波放射開口部109を同一軸上に配置した図面で説明を行ったが、例えば、図11に示すように、導波管構造アンテナ107の向きを自由に設定してもよいことは言うまでもない。導波管構造アンテナ107の向きを自由に設定する場合、被加熱物102に対して手動により適切な方向へ設定することも可能となる。また、回転手段を導入すれば、加熱室103内に発生する加熱室内の定在波を変化させることになるため、更に均一性を向上させることも可能となる。
以上のように、本発明のマイクロ波加熱装置は、被加熱物への均一照射ができるので、食品の加熱加工や殺菌などを行うマイクロ波加熱装置などに有効に利用することができる。また、本発明においては回転機構を用いないで、被加熱物を均一にマイクロ波加熱させることができるマイクロ波装置として説明を行ったが、回転機構を導入して加熱室内に発生する加熱室内定在波をより複雑にすることで均一性を向上することも可能である。
101 筐体
102 被加熱物
103 加熱室
104 載置部
105 マイクロ波供給手段
106 導波管
107 導波管構造アンテナ
108 結合軸
109 マイクロ波放射開口部
110 進行波促進開口部
201 扉
301 進行波
401 左右方向対称軸
402 奥行き方向対称軸
501 導波管構造部
502 フランジ部
701 管軸
901 マイクロ波間接放射開口部
902 マイクロ波間接放射開口部配置面
903 マイクロ波放射開口部配置面

Claims (6)

  1. 被加熱物を入れる加熱室と、
    前記被加熱物を載置する載置部と、
    前記加熱室にマイクロ波を供給するためのマイクロ波供給手段と、
    前記マイクロ波供給手段から供給されるマイクロ波を伝送するための導波管と、
    前記加熱室にマイクロ波を放射するための1つまたは複数の導波管構造アンテナと、
    前記導波管から前記導波管構造アンテナへマイクロ波を伝えるための1つまたは複数の結合軸と、
    前記導波管構造アンテナから前記加熱室へ放射するための複数のマイクロ波放射開口部を備えたことを特徴とするマイクロ波加熱装置。
  2. 前記導波管構造アンテナ内を伝送するマイクロ波の伝送方向に設けた進行波促進開口部を備えたことを特徴とする請求項1記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 前記導波管構造アンテナは、直方体状の多面体として構成され、上面部に前記マイクロ波放射開口部が設けられた導波管構造部と、下面部に前記導波管構造部と接するフランジ部を備え、前記フランジ部はマイクロ波の伝送方向と平行に形成されていることを特徴とする請求項2記載のマイクロ波加熱装置。
  4. 前記導波管構造アンテナが対称軸を持つよう構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  5. 前記マイクロ波放射開口部が、円偏波を放射する形状となっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  6. 前記導波管からマイクロ波を放射する複数のマイクロ波間接放射開口部を備え、前記複数のマイクロ波間接放射開口部が前記マイクロ波放射開口部の配置面よりも前記被加熱物から遠い位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
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