JP2014169993A - 人検出装置、人移動判定システム、ユニットバス、トイレユニット及びベッド - Google Patents

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Keiichi Yamamoto
圭一 山本
Hiromi Nakanishi
裕美 中西
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Abstract

【課題】精度良く人を検出することができる人検出装置、人移動判定システム、ユニットバス、トイレユニット及びベッドを提供する。
【解決手段】発光部は、複数の波長の赤外光を発するようにしてある。受光部は、マトリクス状に配置され、複数の波長の反射光それぞれを受光し、受光した反射光を電気信号に変換する複数の受光素子を備える。算出手段は、各受光素子が変換した各波長の反射光に対応する電気信号に基づいて人の存否に関する評価値を算出する。検出手段は、算出した評価値に基づいて人を検出する。
【選択図】図5

Description

本発明は、所定の波長の光を発する発光部と、発光部が発光した光による反射光を受光する受光部とを備え、受光部で受光した反射光に基づいて人を検出する人検出装置、該人検出装置を備える人移動判定システム、該人移動判定システムを備えるユニットバス、トイレユニット及びベッドに関する。
近年、通行人又は侵入者などの人を検出する要望が高まっている。人を検出する技術として、例えば、CMOSセンサなどの画像撮像素子を組み込んだビデオカメラを利用し、撮像して得られた撮像画像に対して画像処理して人を検出するものがある。また、デジタルカメラで撮像された画像から顔候補を検出し、検出した顔候補の検出位置に対応する判定基準を用いて顔を検出する顔検出装置がある(特許文献1参照)。
特許第4798042号公報
しかし、特許文献1の装置は、画像内の位置座標毎に異なる判定基準を設定しているため、デジタルカメラの設置位置に応じて判定基準が変化してしまい、顔認識の精度が十分ではないという問題がある。また、画像撮像素子を用いているので、夜間に又は暗所で人を検出するためには、別途照明を必要とする。また、人の顔を検出することにより、却ってプライバシーの観点から問題が生じることもある。さらに、人を確実に検出することができる画像処理アルゴリズムは未確立である。
また、人の存在を検出するために赤外線などの熱センサを用いることも考えられるが、熱センサでは、人の正確な位置を検出することや人の移動方向を検出することができない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、精度良く人を検出することができる人検出装置、該人検出装置を備える人移動判定システム、該人移動判定システムを備えるユニットバス、トイレユニット及びベッドを提供することを目的とする。
本発明の実施の形態に係る人検出装置は、発光部と、該発光部が発光した光を受光する受光部とを備え、該受光部で受光した光に基づいて人を検出する人検出装置において、前記発光部は、複数の波長の赤外光を発するようにしてあり、前記受光部は、前記発光部が発した複数の波長の反射光それぞれを受光し、受光した反射光を電気信号に変換する複数の受光素子を備え、各受光素子が変換した各波長の反射光に対応する電気信号に基づいて人の存否に関する評価値を算出する算出手段と、該算出手段で算出した評価値に基づいて人を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る人検出装置にあっては、発光部は、複数の波長(例えば、λ1、λ2)の赤外光を発する。発光部は、例えば、照射エリアに向かって赤外光を発する。受光部は、発光部が発した複数の波長の反射光それぞれを受光し、受光した反射光を電気信号に変換する複数の受光素子を備える。反射光は、照射エリア内の人などの検出対象物により反射した赤外光である。算出手段は、各受光素子が変換した各波長の反射光に対応する電気信号に基づいて人の存否に関する評価値を算出する。検出手段は、算出した評価値に基づいて人を検出する。各波長の反射光に対応する電気信号の強度をPλ1、Pλ2とすると、例えば、評価値Eは、E=(Pλ1−Pλ2)/(Pλ1+Pλ2)という式で算出することができる。すなわち、人(例えば、人肌)に照射された複数の波長(例えば、λ1、λ2)の赤外光が反射した場合の評価値Eが所定の閾値より大きくなるように複数の波長を設定することにより、人の検出を行うことができる。
上述のように、人を検出するために画像処理を行う必要がなく、スペクトル情報を使用しているため、精度良く人を検出することができる。また、夜間でも照明なしに人を検出することができ、さらに人を検出するために顔認識処理を行っていないのでプライバシーの問題もない。
また、前記受光部は、前記発光部が発した赤外光が照射される空間内の検出対象領域からの反射光を受光するようにしてあり、各受光素子は、前記検出対象領域を複数に分割した各分割領域からの反射光を受光するように配置してあることを特徴とする。
受光部は、発光部が発した赤外光が照射される空間内の検出対象領域からの反射光を受光する。各受光素子は、検出対象領域を複数に分割した各分割領域からの反射光を受光する。すなわち、それぞれの分割領域からの反射光を、それぞれの受光素子で個別に受光する。分割領域は、例えば、1個の受光素子が反射光を受光することができる範囲であり、受光素子の受光径φなどのパラメータに依存する。また、検出対象領域の大小に応じて配置する受光素子の多少を設定すれば、照射エリア内の所望のエリアを検出対象領域とすることができる。
また、前記発光部が所定の周期で前記複数の波長の赤外光を順次的に発すべく制御する発光制御手段を備え、各受光素子は、前記発光部が各周期で赤外光を発している間に電気信号に変換するようにしてあり、前記算出手段は、前記受光素子毎に該受光素子が変換した電気信号に基づいて評価値を算出するようにしてあることを特徴とする。
発光制御手段は、発光部が所定の周期で複数の波長の赤外光を順次的に発すべく制御する。例えば、発光部が、波長λ1及びλ2の赤外光を発する場合、発光制御部は、波長λ1の赤外光を時間T(例えば、1ms)だけ発光させた後、波長λ2の赤外光を時間T(例えば、1ms)だけ発光させる。以降同様の動作を繰り返す。受光素子は、発光部が各周期で赤外光を発している間に電気信号に変換する。算出手段は、受光素子毎に受光素子が変換した電気信号に基づいて評価値を算出する。
例えば、発光部が波長λ1の赤外光を時間T発光している間に各受光素子は受光した反射光を電気信号に変換する。また、発光部が波長λ2の赤外光を時間T発光している間に各受光素子は受光した反射光を電気信号に変換する。算出手段は、受光素子毎に、波長λ1の反射光に対応する電気信号の強度Pλ1と、波長λ2の反射光に対応する電気信号の強度Pλ2とに基づいて評価値Eを算出する。これにより、複数の波長の赤外光の反射光を時分割して取得することができるので、評価値を精度良く求めることができる。また、各受光素子に対応して算出した評価値の時間的に分布を考慮することにより、人の移動状態(移動方向、移動速度など)も検出することができる。
また、前記複数の受光素子を実装した実装基板を備え、該実装基板は、前記受光素子毎に該受光素子に接続される個別の電極を備え、前記算出手段は、前記個別の電極を介して取り出した電気信号に基づいて評価値を算出するようにしてあることを特徴とする。
複数の受光素子を実装した実装基板を備える。実装基板は、受光素子毎に受光素子に接続される個別の電極を備える。算出手段は、個別の電極を介して取り出した電気信号に基づいて評価値を算出する。例えば、受光素子は、電気信号を出力するための2つの端子を有するので、2つの端子に別個に接続される2つの電極を受光素子毎に設ける。
複数の受光素子をマトリクス状に配置した場合に、複数の受光素子の間で共通の電極又は共通の電極に接続した配線パターンを使用したときは、共通の電極又は配線パターンに流れる微小電流(漏れ電流など)により受光素子間で不要なバイアス電圧が印加され、光電変換して得られた電気信号にバイアス電圧が重畳することにより正確な電気信号を取り出すことができず、受光感度が低下する。受光素子毎に、別個の電極を設けることにより、微小電流によるバイアス電圧の発生をなくし、受光素子間のクロストークを低減することができ、高感度化を図ることができる。
また、前記実装基板と平行に配置した基板を備え、前記実装基板は、前記複数の受光素子をマトリクス状に配置してあり、各受光素子の一方の端子を接続してあり、前記複数の受光素子のうち外周部に配置された受光素子の他方の端子を接続してあり、前記基板は、前記外周部に配置された受光素子以外の受光素子の他方の端子を接続してあることを特徴とする。
実装基板と平行に配置した基板を備える。実装基板は、複数の受光素子をマトリクス状に配置してある。受光素子は一面に実装基板上の配線パターンに接続するための一方の端子を有し、他面に他方の端子を設けてあるとする。実装基板は、各受光素子の一方の端子を接続してあり、マトリクス状に配置した複数の受光素子のうち外周部に配置された受光素子の他方の端子を接続してある。基板は、外周部に配置された受光素子以外の受光素子の他方の端子を接続してある。この場合、マトリクス状とは、外周部に配置される受光素子の内側に受光素子が配置される場合であり、例えば、少なくとも3行×3列以上の行又は列を有する配置(例えば、8行×4列など)である。
例えば、32個の受光素子を8行×4列でマトリクス状に配置したとする。32個の受光素子それぞれの一方の端子を実装基板に接続し、外周部の受光素子(例えば、20個)の他方の端子を実装基板上の端子へボンディングワイヤ等で接続する。そして、外周部の受光素子の内側に配置した受光素子(例えば、12個)の他方の端子は、実装基板に平行に配置した基板上の端子又は配線パターンに接続する。マトリクス状に配置した複数の受光素子のうち外周部に配置される受光素子の内側に配置された受光素子の他方の端子を、実装基板と平行に配置した基板に接続することができるので、隣り合う受光素子間の離隔寸法を小さくしてもすべての受光素子から電気信号を取り出すことができる。
また、前記実装基板及び基板は、ボンディングワイヤを介して前記受光素子の他方の端子を接続してあることを特徴とする。
実装基板及び基板は、ボンディングワイヤを介して受光素子の他方の端子を接続してある。この場合、基板は、受光素子からの電気信号を取り出すための電極の他に、ボンディングワイヤが挿通する挿通孔、ボンディングワイヤを接続する端子、該端子と電極とを繋ぐ配線パターンなどを設けてある。これにより、隣り合う受光素子間の離隔寸法を小さくしてもすべての受光素子から電気信号を取り出すことができる。
また、前記基板は、前記赤外光を透光可能であって、前記実装基板の受光素子の実装面に対向して配置されていることを特徴とする。
基板は、赤外光を透光する透光性を有し、実装基板の受光素子の実装面に対向して配置されている。これにより、受光素子は、基板を介して反射光を受光することができる。
また、前記発光部は、人と人以外とで反射率が異なる複数の波長の赤外光を発するようにしてあることを特徴とする。
発光部は、例えば、一方が人による反射率が高い波長(基準波長)の赤外光を出力し、他方が人による反射率が低い波長(測定波長)の赤外光を出力する。これにより、発光部が発した複数の波長の赤外光が人で反射した場合に、反射光の量又は強度に大きな差が生じ、精度良く人を検出することが可能となる。
また、前記発光部は、水分による吸収率が異なる複数の波長の赤外光を発するようにしてあることを特徴とする。
発光部は、例えば、一方が水分による吸収率が高い波長(基準波長)の赤外光を出力し、他方が水分による吸収率が低い波長(測定波長)の赤外光を出力する。これにより、人肌に対する評価値を人肌以外の物質に比べて大きくすることができ、人検出の精度を高くすることができる。
本発明の実施の形態に係る人移動判定システムは、前述の発明の実施の形態のいずれか1つに係る人検出装置と、該人検出装置が検出した人の移動方向を判定する判定部を備える判定装置とを備えることを特徴とする。
判定部は、人検出装置が検出した人の移動方向を判定する。人検出装置は、各受光素子それぞれに対応して算出した評価値の時間的な分布を特定することができ、人の移動方向を検出することができる。判定部は、人検出装置が検出した検出結果を時系列的に収集することにより、人の移動方向を判定することができる。そして、発光部が発した赤外光が照射される空間内の検出対象領域において、日常の生活での通常又は正常な場合の人の移動方向の範囲(正常範囲とも称する)と、例えば、何らかの異常又は事故等が考えられる場合の人の移動方向の範囲(異常範囲とも称する)とを予め定めておくことにより、判定部で判定した人の移動方向が異常範囲にある場合には、直ちに人の異常又は事故などを判定することができる。
また、前記判定部が判定した判定結果を報知する報知部を備えることを特徴とする。
報知部を備えることにより、判定部で人の異常又は事故などを判定した場合には、その旨を直ちに報知することができ、日常生活における事故又は異常などに対する見守りと、迅速な対応を実現することができる。
本発明の実施の形態に係るユニットバスは、前述の発明の実施の形態に係る人移動判定システムを備えることを特徴とする。
人移動判定システムを備えることにより、人の異常又は事故などを判定することができるので、浴室内での人の見守りを実現することができる。
本発明の実施の形態に係るトイレユニットは、前述の発明の実施の形態に係る人移動判定システムを備えることを特徴とする。
人移動判定システムを備えることにより、人の異常又は事故などを判定することができるので、トイレ内での人の見守りを実現することができる。
本発明の実施の形態に係るベッドは、前述の発明の実施の形態に係る人移動判定システムを備えることを特徴とする。
人移動判定システムを備えることにより、人の異常又は事故などを判定することができるので、ベッドを置いてある寝室などの室内での人の見守りを実現することができる。
本発明によれば、精度良く人を検出することができる。
本実施の形態の人検出装置の構成の要部を示す正面図である。 本実施の形態のフォトダイオード部を含む要部の一例を示す断面図である。 フォトダイオード部の受光面側の一例を示す平面図である。 フォトダイオード部の受光面と反対側の一例を示す平面図である。 本実施の形態の人検出装置の構成の一例を示すブロック図である。 本実施の形態の人検出装置による人検出エリアの一例を示す模式図である。 本実施の形態の人検出装置の各フォトダイオードの検出エリアの一例を示す模式図である。 本実施の形態の人検出装置による発光及び受光のタイミングの一例を示すタイムチャートである。 物質毎の正規化指標の一例を示す説明図である。 正規化指標の閾値の一例を示す説明図である。 本実施の形態の人検出装置による人検出の様子の第1例を示す説明図である。 本実施の形態の人検出装置による人検出の様子の第2例を示す説明図である。 実施の形態2のフォトダイオード部を含む要部の一例を示す断面図である。 実施の形態2の実装基板の受光面側の一例を示す平面図である。 実施の形態2の実装基板にフォトダイオードが実装された状態の一例を示す平面図である。 外周部に配置されたフォトダイオードにボンディングワイヤを接続した状態の一例を示す平面図である。 基板の一例を示す平面図である。 基板へのボンディングワイヤの様子を示す説明図である。 実装基板に基板を装着した状態の一例を示す平面図である。 制御基板の一例を示す平面図である。 実施の形態3の人検出装置の構成の要部を示す正面図である。 実施の形態3のフォトダイオード部の受光面側の一例を示す平面図である。 実施の形態3の人検出装置の各フォトダイオードの検出エリアの一例を示す模式図である。 物質毎の正規化指標の他の例を示す説明図である。 人検出装置を備えるユニットバスの一例を示す模式図である。 実施の形態の人移動判定システムによる人の移動方向が正常である場合の一例を示す説明図である。 実施の形態の人移動判定システムによる人の移動方向が異常である場合の一例を示す説明図である。 人の移動方向により正常又は異常を判定する方法の一例を示す説明図である。 人検出装置を備えるトイレユニットの一例を示す模式図である。 反射物体からの反射光に対応する電気信号の強度と反射物体までの距離との関係の一例を示す模式図である。 人検出装置を備えるトイレユニットの他の例を示す模式図である。
(実施の形態1)
以下、本発明に係る人検出装置の実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の人検出装置100の構成の要部を示す正面図である。人検出装置100は、ピーク波長が異なる複数の波長の赤外光を発する発光部10、発光部10が発光した光による反射光を受光する受光部20、発光部10及び受光部20の動作を制御する制御部30などを備える。
図1に示すように、発光部10は、ピーク波長がλ1の赤外光を発する3個のLEDモジュール11、ピーク波長がλ2(λ1とは異なる波長)の赤外光を発する3個のLEDモジュール12を有し、合計6個のLEDモジュールを2行×3列に配置してある。また、正面視において、左右両側は、モジュール11を上側に配置し、モジュール12を下側に配置してある。また、中央部は、モジュール12を上側に配置し、モジュール11を下側に配置してある。すなわち、上下左右隣り合うLEDモジュールは異なる波長の赤外光を発するようにしてある。
各LEDモジュール11、12は、例えば、100個の砲弾型LEDを10×10の格子状又はマトリクス状に並べてある。各LEDの放射角は、例えば、8°程度とすることができる。また、各LEDが発する赤外光の半値幅は、例えば、100±50nm程度とすることができる。なお、LEDモジュールの数又は配置は図1の例に限定されるものではない。また、各LEDモジュールにおけるLEDの数又は配置も上述の例に限定されるものではない。
受光部20は、発光部10が発した赤外光が照射される照射エリアに存在する人などの検出対象物で当該赤外光が反射し、反射した赤外光を受光する。受光部20は、レンズ部21、後述する受光素子としてのフォトダイオードなどを有する。
制御部30は、1又は複数の回路基板で構成され、発光部10の発光タイミングの制御手段、受光部20が出力する電気信号の出力制御手段、人の識別に関する評価値の算出手段、算出した評価値に基づいて人を検出する検出手段などの機能を有する。
図2は本実施の形態のフォトダイオード部40を含む要部の一例を示す断面図である。受光部20は、円筒状の枠体に装着されたレンズ部21、フォトダイオード部40などを有する。また、前述の制御部30は、具体的には、PD基板50及びCPU基板60などで構成される。なお、図2の例では、簡便のためPD基板50及びCPU基板60に実装される電気部品又は電子部品等は省略している。
フォトダイオード部40は、実装基板41、実装基板41に実装された複数の受光素子としてのフォトダイオード42、実装基板41の周縁部に設けられた支持部45、支持部45で支持された透明カバー44などを備える。透明カバー44は、発光部10が発した赤外光の波長に対して透明な材料を用いる。レンズ部21を透過した赤外光は、さらに透明カバー44を透過してフォトダイオード42で受光される。
図2に示すように、PD基板50には、受光部20が装着されている。より具体的には、フォトダイオード部40の実装基板41は、例えば、ボールグリッドアレイ(BGA)接続技術を用いて、半田ボール43によりPD基板50に電気的に接続されている。また、PD基板50とCPU基板60とは、接続ブロック51により電気的に接続されている。
図3はフォトダイオード部40の受光面側の一例を示す平面図であり、図4はフォトダイオード部40の受光面と反対側の一例を示す平面図である。なお、図3及び図4においては簡便のため透明カバー44及び支持部45は省略している。また、図4はフォトダイオード42を実装する前の状態を示す。
図3及び図4に示すように、実装基板41は、例えば、多層セラミック基板であり、長方形状などの矩形状をなす。実装基板41の中央部には、フォトダイオード42の2つの端子(アノード端子及びカソード端子)のうちの一方の端子(不図示)を挿通して実装基板41の配線と電気的に接続するためのスルーホール412(例えば、ビア穴)を複数形成してある。図4の例では、フォトダイオード42の配置に合わせて、16個のスルーホール412を2×8のマトリクス状(格子状)に形成してある。なお、マトリクス状とは、1行又は1列の配置も含むものとする。
実装基板41の長手側の辺縁それぞれには、後述の電極46の位置に合わせて、8個のスルーホール411を直線状に形成してある。各スルーホール412、411の周囲は、半田ボール43を接続することができるように半田接続面を設けてある。
実装基板41の長手側の辺縁それぞれには、フォトダイオード42の他方の端子421をボンディングワイヤ47で電気的に接続するための8個の電極46を適長離隔して設けてある。図3の例では、2列に並んで配置された一方の列の8個の各フォトダイオード42の端子421は、当該フォトダイオード42の近傍に設けられた電極46に接続されている。また、もう一方の列の8個の各フォトダイオード42の端子421も、当該フォトダイオード42の近傍に設けられた電極46に接続されている。
図3に示すように、フォトダイオード42は、2×8のマトリクス状(格子状)に配置してある。マトリクス状とは、1行又は1列の配置も含むものとする。フォトダイオード42は、InGaAs(インジウムガリウムヒ素)などの材料を用いたフォトダイオードであるが、赤外光を受光することができるものであれば他の材料のものでもよい。これにより、CCDセンサを用いる必要がない。
なお、上述の構成においては、ボンディングワイヤ47を配線パターンと見ることができ、電極46、スルーホール412、411をフォトダイオード42毎に設けられた個別の電極と見ることができる。
以上のように、実装基板41は、フォトダイオード42毎にフォトダイオード42に接続される複数の配線パターン、フォトダイオード42毎に各配線パターンに接続された個別の電極又はフォトダイオード42に接続された個別の電極を備える。
複数のフォトダイオード42をマトリクス状に配置した場合に、複数のフォトダイオード42の間で共通の配線パターン又は共通の電極を使用したときは、共通の配線パターンに流れる微小電流(漏れ電流など)によりフォトダイオード42間で不要なバイアス電圧が印加され、光電変換して得られた電気信号にバイアス電圧が重畳することにより正確な電気信号を取り出すことができず、受光感度が低下する。
そこで、図3及び図4に示すようにフォトダイオード42毎に、別個の独立の配線パターン又は電極を設けることにより、微小電流によるバイアス電圧の発生をなくし、フォトダイオード42間のクロストークを低減することができ、フォトダイオード42の受光感度を高くすることができる。
図5は本実施の形態の人検出装置100の構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、本実施の形態の人検出装置100は、3個のLEDモジュール11、各LEDモジュール11を駆動するLEDドライバ13、3個のLEDモジュール12、各LEDモジュール12を駆動するLEDドライバ14、フォトダイオード部40、PD基板50、CPU基板60などを備える。なお、図5ではレンズ部21は省略している。
また、PD基板50には、トランスインピーダンスアンプ(TIA)51、バンドパスフィルタ(BPF)52などを設けてある。また、CPU基板60には、CPU61、増幅回路(AMP)62、63、マルチプレクサ回路(MUX)64、65などを設けてある。
LEDドライバ13は、CPU61の制御の下、所要のタイミングでLEDモジュール11を点灯する。また、同様に、LEDドライバ14は、CPU61の制御の下、所要のタイミングでLEDモジュール12を点灯する。
LEDモジュール11は、波長λ1が、例えば、1070±30nm(すなわち、ピーク波長が1070±30nm)の赤外光を発する100個の砲弾型LEDを10×10の格子状又はマトリクス状に並べてある。また、LEDモジュール12は、波長λ2が、例えば、1550±30nm(すなわち、ピーク波長が1550±30nm)の赤外光を発する100個の砲弾型LEDを10×10の格子状又はマトリクス状に並べてある。
なお、LEDモジュール11及び12の波長はこれらに限定されない。LEDモジュール11及び12は、一方が人による反射率が高い波長(基準波長)を出力し、他方が人による反射率が低い波長(測定波長)を出力するように選択すればよい。したがって、例えば基準波長に、850±30nm、又は1070±30nm等を使用し、測定波長に、960±30nm、1550±30nm、1300±30nm、又は1650±30nm等を使用してもよい。ここでは説明のため、λ1を1070nm、λ2を1550nmとして記載する。反射率が異なる赤外光を用いることにより、LEDモジュール11、12が発した複数の波長の赤外光が人で反射した場合に、反射光の量又は強度に大きな差が生じ、精度良く人を検出することが可能となる。
フォトダイオード部40は、発光部10(LEDモジュール11、12)が発した赤外光による反射光を受光する。より具体的には、LEDモジュール11、12から各波長λ1、λ2の赤外光が照射エリアへ照射される。そして照射エリアにおいて検出対象候補物が存在する場合、当該物で反射した赤外光をフォトダイオード部40で受光する。フォトダイオード部40の各フォトダイオード42は、受光した反射光を光電変換し、変換した電気信号をトランスインピーダンスアンプ51へ出力する。
トランスインピーダンスアンプ51は、CPU61の制御の下、各フォトダイオード42から出力された電気信号(電流信号)をインピーダンス変換し、増幅して電圧信号(電
気信号)としてバンドパスフィルタ52へ出力する。なお、トランスインピーダンスアン
プ51は、フォトダイオード42の数と同数(例えば、16個)備えてある。
バンドパスフィルタ52は、フォトダイオード42で受光した赤外光の波長が1070nm及び1550nmに対応する電気信号の周波数帯域を透過し、それ以外の周波数帯域の電気信号を遮断する。これにより、波長が1070nm及び1550nmに対応する電気信号だけを取り出すことができる。なお、バンドパスフィルタ52に、例えば、遮断周波数(カットオフ周波数)が1kHz程度のフィルタを加えることにより、ノイズ光を遮断することもできる。
バンドパスフィルタ52は、16個のフォトダイオード42のうち、8個のフォトダイオード42からの電気信号をマルチプレクサ回路64へ出力し、残りの8個のフォトダイオード42からの電気信号をマルチプレクサ回路65へ出力する。なお、マルチプレクサ回路64、65は1つのマルチプレクサ回路に纏めることもできる。
マルチプレクサ回路64、65は、CPU61の制御の下、16個のフォトダイオード42が出力した電気信号を時分割して増幅回路62、63へ出力する。
増幅回路62、63は、それぞれAD変換回路を備え、16個のフォトダイオード42が出力した電気信号を増幅するとともに、電気信号をデジタル信号(デジタル値)に変換してCPU61へ出力する。
図6は本実施の形態の人検出装置100による人検出エリアの一例を示す模式図である。図6に示すように、本実施の形態の人検出装置100は、LEDモジュール11、12を交互に配置した構成を有し、LEDモジュール11、12の近傍に、フォトダイオード42をマトリクス状に配置した受光部20を備える。
図6に示すように、人検出装置100から検出最大距離Lの位置に仮想の検出面を想定する。検出面の横方向をx軸とし、縦方向をy軸とする。図6において、右上に位置するLEDモジュール11の光が検出面で照射される領域を実線で囲んだ領域11sとする。また、右下に位置するLEDモジュール12の光が検出面で照射される領域を破線で囲んだ領域12sとする。なお、検出面において領域12sが領域11sより若干下方にずれた位置にあるのは、LEDモジュール12がLEDモジュール11の下側に配置されているからである。領域11sと12sは大部分で共通(重複)する。
同様に、中央部の上下に位置するLEDモジュール12及びLEDモジュール11の光が照射される領域12sと11sも大部分で共通(重複)する。また、左上及び左下に位置するLEDモジュール11及びLEDモジュール12の光が照射される領域11sと12sも大部分で共通(重複)する。
LEDモジュール11及びLEDモジュール12の光が照射される領域11s及び12sの共通部分全体が、人検出装置100の発光部10が発した赤外光が照射される照射エリアWである。
また、図6において、最小検出像サイズ(d×d)は、1個のフォトダイオード42で受光する反射光が反射される反射エリアの最小のサイズを表す。別言すれば、1個のフォトダイオード42は、少なくとも最小検出像サイズ(d×d)で表される反射エリアからの反射光は受光することができる。
なお、照射エリアWは、人検出装置100からの距離が検出最大距離Lに位置する場合に限定されるものではなく、検出最大距離L以内であれば、任意の距離において照射エリアWが存在する。
次に、本実施の形態の人検出装置100の光学的パラメータについて説明する。発光部10の照射光強度をPoとし、照射エリアWの照射面積をSw、最小検出像サイズをd×dとすると、照射エリアWに存在する検出対象候補物からの反射光強度Prは、式(1)で表すことができる。
Figure 2014169993
また、受光部20での結像光強度Piは、検出最大距離をL、受光部20のレンズの有効面積をSlとすると、式(2)で表すことができる。また、受光部20での結像サイズをDx、Dyとし、受光部20の受光径をφ(例えば、1mm)とすると、フォトダイオード42での光強度Pdは、式(3)で表すことができる。
受光部20のレンズの焦点距離をfとし、レンズの画角をθとし、x軸方向の画角をθxとすると、x軸方向の画角θxは、式(4)で表すことができる。また、y軸方向の画角θyは、式(5)で表すことができる。
照射エリアWの横寸法Wxは、式(6)で表すことができ、照射エリアWの縦寸法Wyは、式(7)で表すことができる。また、横方向に並べたフォトダイオード42の数をnとすると、式(8)の関係が成立する。
図7は本実施の形態の人検出装置100の各フォトダイオード42の検出エリアの一例を示す模式図である。図7において、矩形状の実像エリアは、便宜上示したものであり、例えば、可視光を用いたカメラ又はビデオカメラ等で撮像した撮像画像を模式的に示す。本実施の形態の人検出装置100によるものではない。図7において、実像エリア上に発光部10による照射エリアWを模式的に示す。人検出装置100は、照射エリアW内に存在する人を検出するものである。
照射エリアW内には、発光部10が発した赤外光が照射される空間内の検出対象領域としての検出エリアがある。受光部20のフォトダイオード42は、検出エリアからの反射光を受光する。より具体的には、各フォトダイオード42は、検出エリアを複数に分割した各分割領域からの反射光を受光する。すなわち、それぞれの分割領域からの反射光を、それぞれのフォトダイオード42で個別に受光する。分割領域は、前述の最小検出像サイズ又は最小検出像サイズを含む領域であり、1個のフォトダイオード42が反射光を受光することができる範囲である。
16個のフォトダイオード42(符号PD1〜PD16を付す)が、縦×横が2×8のマトリクス状に配置してあるので、検出エリアを2×8の16個の分割領域に分割した場合、各分割領域に対応してフォトダイオード42が1個ずつ対応することになる。例えば、図7に示すように、照射エリアWの上側は、左から右に向かって、符号PD1〜PD8のフォトダイオード42による検出エリアとなる。また、照射エリアWの下側は、左から右に向かって、符号PD9〜PD16のフォトダイオード42による検出エリアとなる。各フォトダイオード42は、マトリクス状に配置してあるので、検出エリアの大小に応じて配置するフォトダイオード42の数又は配置を設定すれば、照射エリア内の所望のエリアを検出エリアとすることができる。
図8は本実施の形態の人検出装置100による発光及び受光のタイミングの一例を示すタイムチャートである。図8において、LED駆動パルスは、例えば、CPU61が、LEDモジュール11を点灯させるべくLEDドライバ13へ出力するものである。また、LED駆動パルスは、CPU61が、LEDモジュール12を点灯させるべくLEDドライバ14へ出力するものである。
マルチプレクサセレクト信号(4bits)は、マルチプレクサ回路64、65の16個のチャネル(パス)のうち、いずれのチャネルを選択するかを示す信号であり、16個のチャネルが順次的に選択されることにより、16個のフォトダイオード42が出力する電気信号を順次的に増幅回路62、63へ出力する。
PD1〜16電圧A/Dタイミング(CPU1ch、CPU2ch)は、増幅回路62、63に順次的に入力された電気信号をデジタル信号に変換するタイミングを示すものである。また、調整用A/Dセンターマーカーは、CPU1chとCPU2chとを切り替えるタイミングを調整するものである。
図8に示すように、発光制御手段としてのCPU61は、発光部10が所定の周期で複数の波長の赤外光を順次的に発すべく制御する。例えば、発光部10が、波長λ1及びλ2の赤外光を発する場合、CPU61は、LEDドライバ13へLED駆動パルスを出力して、LEDモジュール11から波長λ1の赤外光を時間T(例えば、1ms)だけ発光させる。同様に、CPU61は、LEDドライバ14へLED駆動パルスを出力して、LEDモジュール12から波長λ2の赤外光を時間T(例えば、1ms)だけ発光させる。CPU61は、以降同様の処理を行う。LED駆動パルスは、例えば、デューティ比が1%程度とすることができる。すなわち、発光部10は、例えば、100msの都度、1msの間赤外光を発するので、発光部10は、100m毎に波長が異なる赤外光が約1msの間発することになる。
また、出力制御手段としてのCPU61は、発光部10が各周期で赤外光を発している間に各フォトダイオード42が変換した電気信号を順次的に出力させる。図8の例では、1msの都度、16個のフォトダイオード42が変換した電気信号が順次的にデジタル変換されてCPU61へ出力される。
CPU61は、算出手段としての機能を有し、各フォトダイオード42が変換した各波長の反射光に対応する電気信号に基づいて人の存否に関する評価値としての正規化指標Eを算出する。また、CPU61は、検出手段としての機能を有し、算出した正規化指標Eに基づいて人を検出する。例えば、各波長λ1、λ2の反射光に対応する電気信号の強度をPλ1、Pλ2とすると、正規化指標Eは、E=(Pλ1−Pλ2)/(Pλ1+Pλ2)という式で算出することができる。すなわち、人(例えば、人肌)に照射された複数の波長(例えば、λ1、λ2)の赤外光が反射した場合の正規化指標Eが所定の閾値より大きくなるように複数の波長を設定することにより、人の検出を行うことができる。
図9は物質毎の正規化指標の一例を示す説明図であり、図10は正規化指標の閾値の一例を示す説明図である。図9に示す正規化指標Eは、E=(Pλ1−Pλ2)/(Pλ1+Pλ2)という式で求めたものであり、波長λ1は1070nmであり、波長λ2は1550nmである。図9に示すように、赤外光が反射する反射物が人肌である場合、正規化指標Eは0.75〜0.95となる。また、赤外光が反射する反射物が綿である場合、正規化指標Eは0.18〜0.28となり、反射物がウールである場合、正規化指標Eは0.25〜0.35となる。一方、赤外光が反射する反射物が木材である場合、正規化指標Eは0.03〜0.08となり、反射物が石である場合、正規化指標Eは0となる。波長が1550nmの赤外光は水分吸収が大きく、当該波長の赤外光は人肌で吸収され反射光の光量が少なくなり、正規化指標Eを人肌以外の物質に比べて大きくすることができる。
従って、図10に示すように、正規化指標Eの閾値TH1を0.4に設定することにより、16個のフォトダイオード42のうち任意のフォトダイオード42が出力した、各波長λ1、λ2の反射光に対応する電気信号に基づく正規化指標Eが閾値TH1(=0.4)より大きい場合には、当該フォトダイオード42に対応する検出エリア(分割領域)に人が存在すること、すなわち人を検出することができる。これにより、人検出の精度を高くすることができる。
また、正規化指標Eの閾値TH2を0.1に設定することにより、16個のフォトダイオード42のうち任意のフォトダイオード42が出力した、各波長λ1、λ2の反射光に対応する電気信号に基づく正規化指標Eが閾値TH2(=0.1)より大きい場合には、当該フォトダイオード42に対応する検出エリア(分割領域)に人の衣服(綿、ウールなど)が存在すること、すなわち人を検出することができる。
上述のように、人を検出するために画像処理を行う必要がなく、スペクトル情報を使用しているため、精度良く人を検出することができる。また、夜間でも照明なしに人を検出することができ、さらに人を検出するために顔認識処理を行っていないのでプライバシーの問題もない。
また、赤外光を受光することができるフォトダイオード42を用いることにより、CCDセンサを用いる必要がなく、CCDセンサにより生ずる問題を解決することができ、高感度化及び低コストを図ることができる。
図11は本実施の形態の人検出装置100による人検出の様子の第1例を示す説明図である。図11A〜Cにおいて、上段の図は、説明をわかりやすくするため、仮に可視光を用いたカメラ又はビデオカメラ等で撮像した場合の撮像画像(実像)を模式的に示すものである。また、図11A〜Cにおいて、下段の図は、縦×横が2×8で配置された16個のフォトダイオード42を示し、各フォトダイオード42(PDモジュール)での検出状態を模式的に示すものである。また、図11Aでは、照射エリアに人が存在せず、図11Bから図11Cでは、照射エリアを左から右に向かって人が移動している様子を示す。なお、図11において、照射エリア及び検出エリアは図示していないが、図7と同様に配置されている。
図11Aに示すように、人が存在しない場合には、複数の波長の赤外光それぞれの反射光に基づいて算出される正規化指標Eは、各フォトダイオード42において閾値TH2より小さいので人が存在していないことが分かる。
図11Bに示すように、照射エリアの左側に人がいる場合には、人の顔(人肌)が存在する検出エリアからの反射光を受光するフォトダイオード42(図11の例では、上段の左から2番目)が出力した電気信号に基づいて算出される正規化指標Eは、閾値TH1より大きくなり、人の肌が存在、すなわち人が存在していることが分かる。また、人の顔よりも下側は衣服が存在するので、衣服が存在する検出エリアからの反射光を受光するフォトダイオード42(図11の例では、下段の左から2番目及び3番目)が出力した電気信号に基づいて算出される正規化指標Eは、閾値TH1より小さく、かつ閾値TH2より大きくなり、衣服が存在、すなわち人が存在していることが分かる。
また、図11Cに示すように、照射エリアの右側に人がいる場合には、人の顔(人肌)が存在する検出エリアからの反射光を受光するフォトダイオード42(図11の例では、上段の右から2番目)が出力した電気信号に基づいて算出される正規化指標Eは、閾値TH1より大きくなり、人の肌が存在、すなわち人が存在していることが分かる。また、人の顔よりも下側は衣服が存在するので、衣服が存在する検出エリアからの反射光を受光するフォトダイオード42(図11の例では、下段の右から2番目及び3番目)が出力した電気信号に基づいて算出される正規化指標Eは、閾値TH1より小さく、かつ閾値TH2より大きくなり、衣服が存在、すなわち人が存在していることが分かる。また、図11Bと図11Cとの間の時間間隔を加味することにより、人の移動速度を求めることができる。
このように、CPU61は、フォトダイオード42毎にフォトダイオード42が変換した電気信号に基づいて正規化指標Eを算出する。すなわち、CPU61は、フォトダイオード42毎に、波長λ1の反射光に対応する電気信号の強度Pλ1と、波長λ2の反射光に対応する電気信号の強度Pλ2とに基づいて正規化指標Eを算出する。これにより、複数の波長の赤外光の反射光を時分割して取得することができるので、フォトダイオード42毎の正規化指標Eを精度良く求めることができる。また、各フォトダイオード42に対応して算出した正規化指標Eの時間的に分布を考慮することにより、人の移動状態(移動方向、移動速度など)も検出することができる。
図12は本実施の形態の人検出装置100による人検出の様子の第2例を示す説明図である。図12A〜Cにおいて、上段の図は、説明をわかりやすくするため、仮に可視光を用いたカメラ又はビデオカメラ等で撮像した場合の撮像画像(実像)を模式的に示すものである。また、図12A〜Cにおいて、下段の図は、縦×横が2×8で配置された16個のフォトダイオード42を示し、各フォトダイオード42(PDモジュール)での検出状態を模式的に示すものである。また、図12Aでは、照射エリアに人が約20m遠方に存在し、図12B、図12Cでは、人が次第に近づいて来る様子を示す。なお、図12において、照射エリア及び検出エリアは図示していないが、図7と同様に配置されている。
図12Aに示すように、照射エリアの右側であって比較的遠方(例えば、人検出装置100から20m離れた位置)に人がいる場合には、人の顔(人肌)の部分は相対的に小さくなり、人の顔で反射する反射光を十分に受光することができない。一方、人の衣服の部分は相対的に大きいので、衣服が存在する検出エリアからの反射光を受光するフォトダイオード42(図12の例では、下段の右から2番目)が出力した電気信号に基づいて算出される正規化指標Eは、閾値TH1より小さく、閾値TH2より大きくなり、人の衣服が存在、すなわち人が存在していることが分かる。
次に、図12Bに示すように、人が近づいてきた場合(例えば、人検出装置100から15m離れた位置)、人の顔(人肌)が存在する検出エリアからの反射光を受光するフォトダイオード42(図12の例では、上段の右から4番目)が出力した電気信号に基づいて算出される正規化指標Eは、閾値TH1より大きくなり、人の肌が存在、すなわち人が存在していることが分かる。また、人の顔の下方には衣服が存在するので、当該衣服が存在する検出エリアからの反射光を受光するフォトダイオード42(図12の例では、下段の右から4番目)が出力した電気信号に基づいて算出される正規化指標Eは、閾値TH1より小さく、閾値TH2より大きくなり、人の衣服が存在、すなわち人が存在していることが分かる。
次に、図12Cに示すように、さらに、人が近づいてきた場合(例えば、人検出装置100から10m離れた位置)、人全体の大きさが相対的に大きくなる。そして、人の顔(人肌)が存在する検出エリアからの反射光を受光するフォトダイオード42(図12の例では、上段の左から3番目及び4番目)が出力した電気信号に基づいて算出される正規化指標Eは、閾値TH1より大きくなり、人の肌が存在、すなわち人が存在していることが分かる。また、人の顔の下方には衣服が存在するので、当該衣服が存在する検出エリアからの反射光を受光するフォトダイオード42(図12の例では、下段の左から3番目及び4番目)が出力した電気信号に基づいて算出される正規化指標Eは、閾値TH1より小さく、閾値TH2より大きくなり、人の衣服が存在、すなわち人が存在していることが分かる。また、図12A乃至図12Cの間の時間間隔を加味することにより、人の移動速度を求めることができる。
このように、所要の状態で配置されたフォトダイオード42毎に算出される正規化指標Eにより、人の有無を検出することができるだけでなく、人の移動方向、移動速度なども検出することが可能となる。
(実施の形態2)
上述の実施の形態1では、16個のフォトダイオード42を縦×横が2×8のマトリクス状に配置したものであった。フォトダイオード42の配置状態は、実施の形態1に限定されるものではなく、反射光の検出エリアの大小に応じて配置を変えることができる。実施の形態2では、32個のフォトダイオード42を縦×横が4×8のマトリクス状に配置した場合について説明する。
図13は実施の形態2のフォトダイオード部140を含む要部の一例を示す断面図であり、図14は実施の形態2の実装基板141の受光面側の一例を示す平面図である。実施の形態2では、フォトダイオード42を実装する実装基板141と平行に配置した透明の基板80、実装基板141と半田ボール43で電気的に接続される制御基板70などを備える。
制御基板70は、実施の形態1のPD基板50及びCPU基板60の両方の機能を有するものであるが、これに限定されるものではない。
実装基板141は、例えば、多層セラミック基板であり、長方形状などの矩形状をなす。実装基板141の中央部には、フォトダイオード42の2つの端子(アノード端子及びカソード端子)のうちの一方の端子(不図示)を挿通して実装基板141の配線と電気的に接続するためのスルーホール147(例えば、ビア穴)を複数形成してある。図14の例では、フォトダイオード42の配置に合わせて、32個のスルーホール147を4×8のマトリクス状(格子状)に形成してある。
実装基板141の32個のスルーホール147の周りには、実装基板141の各辺縁に平行に8個ずつ合計32個の電極146を設けてある。電極146には、スルーホールを形成してあり、例えば、ボールグリッドアレイ(BGA)接続技術を用いて、半田ボール43により制御基板70に電気的に接続されている。同様に、各スルーホール147も、半田ボール43により制御基板70に電気的に接続されている。
また、実装基板141の周縁部には支持部145を周設してあり、支持部145で支持されたカバー144などを備える。カバー144は、発光部10が発した赤外光の波長に対して透明な材料を用いる。
実施の形態2では、32個のフォトダイオード42の一方の端子それぞれは、スルーホール147を介して実装基板141に接続してある。また、マトリクス状に配置された32個のフォトダイオード42のうち、外周部に配置されたフォトダイオード42の他方の端子は、ボンディングワイヤ(図13では不図示)を介して実装基板141上の電極146に接続してある。
一方、マトリクス状に配置された32個のフォトダイオード42のうち、外周部に配置されていないフォトダイオード42の他方の端子は、基板80に設けられた挿通孔を介して基板80上の端子にボンディングワイヤ47で接続してある。実施の形態2では、マトリクス状とは、外周部に配置されるフォトダイオード42の内側にフォトダイオード42が配置される場合であり、例えば、少なくとも3行×3列以上の行又は列を有する配置(例えば、8行×4列など)である。
マトリクス状に配置した複数のフォトダイオード42のうち外周部に配置されるフォトダイオード42の内側に配置されたフォトダイオード42の他方の端子を、実装基板141と平行に配置した基板80に接続することができるので、隣り合うフォトダイオード42間の離隔寸法を小さくすることができ(例えば、0.1mmなど)、また、当該離隔寸法を小さくしても各フォトダイオード42から電気信号を取り出すことができる。
次に、実施の形態2のフォトダイオード部140の製造工程について説明する。図15は実施の形態2の実装基板141にフォトダイオード42が実装された状態の一例を示す平面図であり、図16は外周部に配置されたフォトダイオード42にボンディングワイヤを接続した状態の一例を示す平面図であり、図17は基板80の一例を示す平面図であり、図18は基板80へのボンディングワイヤの様子を示す説明図であり、図19は実装基板141に基板80を装着した状態の一例を示す平面図であり、図20は制御基板70の一例を示す平面図である。
図14に示す状態において、実装基板141にAgペーストを塗布し、図15に示すように、32個のフォトダイオード42の一方の端子をスルーホール147に接続して、フォトダイオード42を実装基板141に実装する。
図15の状態で、例えば、200℃の雰囲気で約1時間ベークする。次に、図16に示すように、外周部の20個のフォトダイオード42と電極146とをボンディングワイヤ47で接続し、Agペーストを塗布する。
次に、透明の基板80上の端子821へのボンディングワイヤについて説明する。図18に示すように、実装基板141と対向させて透明の基板80を配置する。
図17に示すように、基板80は、実装基板141上で外周部に配置された20個のフォトダイオード42を除く12個のフォトダイオード42の他方の端子の位置に合わせて、ボンディングワイヤを挿通させるための挿通孔81を形成してある。また、各挿通孔81の近傍には、ボンディングワイヤを接続するための端子821を設けてあり、各端子821は配線パターン82により電極83に電気的に接続されている。基板80上の電極83の位置は、実装基板141上の電極146の位置に合わせてあり、電極83と電極146は、接続ブロック48により電気的に接続される。
図18Aに示すように、ワイヤーボンディングキャピラリ200の先端部を基板80の挿通孔81を通してフォトダイオード42の他方の端子に当接する。図18Bに示すように、ワイヤーボンディングキャピラリ200の先端部を上方に引き上げ、挿通孔81から取り出すとともに所定距離平行移動させる。図18Cに示すように、ワイヤーボンディングキャピラリ200の先端部を基板80の端子821に当接させることにより、フォトダイオード42の他方の端子と基板80の端子821とをボンディングワイヤ47で電気的に接続することができる。
図19は、実装基板141上で外周部に配置された20個のフォトダイオード42を除く12個のフォトダイオード42の他方の端子がボンディングワイヤ47により基板80上の端子821に電気的に接続された状態を示す。
図19に示す状態において、半田又は合成樹脂等により透明カバー144を取り付ける。より具体的には、最終的にフォトダイオード部140は、SnAgCu半田又は樹脂、あるいはシーム溶接などにより嵌装窒素雰囲気中でハーメチックシールすることにより完成させることができる。これにより、外部からの水分の浸入を防止することができる。
図20に示すように、制御基板70には、実装基板141の電極146及びスルーホール147の位置に合わせて半田ボール43を実装するための電極71を設けてある。制御基板70に所要の電気部品又は電子部品を実装した後、半田ボールを実装し、リフローすることにより実装基板141と制御基板70とを電気的に接続する。
実施の形態2においても、32個すべてのフォトダイオード42は、別個独立の電極又は配線パターンを介して電気信号を取り出すことができるので、隣接するフォトダイオード42間のクロストークを低減することができるとともに、個々のフォトダイオード42が出力する電気信号を別個独立に増幅することができるので、受光感度を高めることができる。
また、実装基板141と制御基板70とをBGA接続することにより、安価でクロストークを低減することができる。
基板80は、透光性を有するので、実装基板141のフォトダイオード42の実装面に対向して配置することができる。これにより、フォトダイオード42は、基板80を介して反射光を受光することができる。
上述の実施の形態において波長の異なる赤外光を照射エリアへ照射させて均一に混色させる。この場合、波長の異なるLEDモジュールを交互に配置させることで混色させることが可能である。また、拡散板、ホモジナイザー等の光学部品を用いて混色させることも可能である。
上述の実施の形態では、波長が1070nm及び1550nmの赤外光を用いる構成であったが、波長は2種類に限定されるものではなく、3種類以上(例えば、1070nm、1550nm及び1650nmなど)を用いることもできる。また、波長は一例であって、上述の実施の形態のものに限定されるものではない。検出する物質に応じて変更することができる。
また、本実施の形態では、CCDセンサを使用せず、赤外光の反射光の強度を用いて人の有無を検出するので、CCDセンサのように人の顔などを識別することができてしまうことにより、プライバシーの保護が図れないという事態を招くおそれもない。
(実施の形態3)
図21は実施の形態3の人検出装置110の構成の要部を示す正面図である。人検出装置110は、実施の形態1と同様に、人肌と人肌以外の物質とを判別するセンサであり、ピーク波長が異なる複数の波長の赤外光を発する発光部10、レンズ部21を有し発光部10が発光した光による反射光を受光する受光部20、発光部10及び受光部20の動作を制御する制御部30などを備える。発光部10は、5個のLEDモジュール15で構成されている。
図21に示すように、人検出装置110は、受光部20を囲むようにして5個のLEDモジュール15を配置してある。なお、LEDモジュール15の数、配置は一例であって、図21の例に限定されるものではない。
各LEDモジュール15は、例えば、76個の砲弾型LEDを縦×横が、8×9乃至10の格子状又はマトリクス状になるように並べてある。より具体的には、図21に示すように、LEDモジュール15の上から1列目と2列目には、ピーク波長がλ1の赤外光を発する19個のLED151を配置してあり、LEDモジュール15の上から3列目と4列目には、ピーク波長がλ2の赤外光を発する19個のLED152を配置してあり、LEDモジュール15の上から5列目と6列目には、ピーク波長がλ1の赤外光を発する19個のLED151を配置してあり、LEDモジュール15の上から7列目と8列目には、ピーク波長がλ2の赤外光を発する19個のLED152を配置してある。波長λ1、λ2は、実施の形態1と同様である。なお、各LED151、152の配置は一例であり、図21の例に限定されるものではない。
LED151、152の放射角は、実施の形態1の場合よりも広く、例えば、25°程度であり、受光部20と検出エリアとの距離は、例えば、1m〜3m程度の比較的近距離である。
図22は実施の形態3のフォトダイオード部40の受光面側の一例を示す平面図である。実施の形態1との相違点は、図22に示すように、実装基板41は、正方形状であり、フォトダイオード42は、4×4のマトリクス状(格子状)に配置してある。実施の形態1と同様の箇所は同一符号を付して説明を省略する。
図23は実施の形態3の人検出装置110の各フォトダイオード42の検出エリアの一例を示す模式図である。実施の形態1との相違点は、16個のフォトダイオード42(符号PD1〜PD16を付す)を、縦×横が4×4のマトリクス状になるように配置してある点である。かかる配置により、検出エリアを4×4の16個の分割領域に分割した場合、各分割領域に対応してフォトダイオード42が1個ずつ対応することになる。
例えば、図23に示すように、照射エリアWの上側から1列目は、左から右に向かって、符号PD1〜PD4のフォトダイオード42による検出エリアとなる。照射エリアWの上側から2列目は、左から右に向かって、符号PD5〜PD8のフォトダイオード42による検出エリアとなる。照射エリアWの上側から3列目は、左から右に向かって、符号PD9〜PD12のフォトダイオード42による検出エリアとなる。また、照射エリアWの上側から4列目は、左から右に向かって、符号PD13〜PD16のフォトダイオード42による検出エリアとなる。
次に、実施の形態3の人検出装置110を日常生活空間での見守りセンサとして適用する例について説明する。以下の説明において見守りセンサとは、例えば、日常の生活空間、特に住宅、介護施設などの建物内において、人が正常に生活しているか否か、あるいは何らかの異常又は事故がないか否かなどを検出するためのセンサである。
図24は物質毎の正規化指標の他の例を示す説明図である。図24に示す正規化指標Eは、E=(Pλ1−Pλ2)/(Pλ1+Pλ2)という式で求めたものであり、波長λ1は1070nmであり、波長λ2は1550nmである。図24に示すように、赤外光が反射する反射物が人肌である場合、正規化指標Eは0.75〜0.95となる。また、赤外光が反射する反射物が水である場合、正規化指標Eは0となり、反射物が壁(例えば、部屋の壁、浴室の壁、トイレの壁など)である場合、正規化指標Eは0〜0.1となり、また赤外光が反射する反射物が布である場合、正規化指標Eは0.18〜0.28となる。
次に、見守りセンサを適用する第1実施例として、実施の形態3の人検出装置110を浴室で使用する場合について説明する。
図25は人検出装置110を備えるユニットバスの一例を示す模式図である。ユニットバスは、例えば、浴槽301、後述の人移動判定システムなどを備える。人移動判定システムは、人検出装置110及び判定装置200などを備える。人検出装置110及び判定装置200との間は、有線又は無線等によりデータの送受信を行うことができる。判定装置200は、人検出装置110が検出した人の移動方向を判定する判定部201を備える。
図25において、破線で囲まれた領域は、人検出装置110による検出エリアを示す。また、図25は、お湯(水)302を張った浴槽301に人が入っている状態を示す。
判定部201は、人検出装置110が検出した人の移動方向を判定する。人検出装置110は、各受光素子それぞれに対応して算出した評価値の時間的な分布を特定することができ、人の移動方向を検出することができる。判定部201は、人検出装置110が検出した検出結果を時系列的に収集することにより、人の移動方向を判定することができる。以下、具体的に説明する。
図26は実施の形態の人移動判定システムによる人の移動方向が正常である場合の一例を示す説明図である。図26A〜Cにおいて、上段の図は、説明をわかりやすくするため、仮に可視光を用いたカメラ又はビデオカメラ等で、図25に例示する検出エリアを撮像した場合の撮像画像(実像)を模式的に示すものである。また、図26A〜Cにおいて、下段の図は、縦×横が4×4で配置された16個のフォトダイオード42を示し、各フォトダイオード42(PDモジュール)での検出状態を模式的に示すものである。
図26Aは、図25に例示したように人が浴槽301に入っている状態を示す。図25に示すように、人が浴槽301内でお湯に浸かっている場合には、検出エリアのほぼ中央に人の顔及び体(人肌)が存在する。この場合、検出エリアからの反射光を受光するフォトダイオード42(図26Aの例では、模様を付したPD6、PD7、PD10、PD11、PD13〜16)が出力した電気信号に基づいて算出される正規化指標Eは、閾値TH1より大きくなり、人の肌が存在、すなわち人が存在していることが分かる。
図26Bは、人の移動方向が正常である場合、例えば、人が浴槽301から出る場合の状態を示す。図26Bに示すように、人が浴槽301から出る場合には、浴槽301から立ち上がりながら横方向へ移動する。この場合、検出エリアからの反射光を受光するフォトダイオード42(図26Bの例では、模様を付したPD3、PD4、PD7、PD8、PD11、PD12、PD15、PD16)が出力した電気信号に基づいて算出される正規化指標Eは、閾値TH1より大きくなり、人の肌が存在、すなわち人が存在していることが分かる。図26Aと図26Bとを対比すると、人肌を検知したPDが横方向かつ上方向に移動していることが分かる。
図26Cは、さらに人が移動して浴槽301から出てしまった状態を示す。図26Cで示す場合には、照射エリアから人がいなくなるため、複数の波長の赤外光それぞれの反射光に基づいて算出される正規化指標Eは、各フォトダイオード42において閾値TH2より小さいので、人肌を検出したPDは存在しない。図26Bと図26Cとを対比すると、人肌を検知したPDが横方向に移動していることが分かる。
図27は実施の形態の人移動判定システムによる人の移動方向が異常である場合の一例を示す説明図である。図27Aは、図26Aと同様の場合であり、図25に例示したように人が浴槽301に入っている状態を示す。
図27Bは、人の移動方向が異常である場合、例えば、浴槽301内の人が意識を失いお湯302の中に沈む場合の状態を示す。図27Bに示すように、人が浴槽301内で沈み込む場合には、人は下方へ移動する。この場合、人の体はお湯302の中に沈み込み、お湯302から露出しているのは顔だけとなる。顔からの反射光を受光するフォトダイオード42(図27Bの例では、模様を付したPD14、PD15)が出力した電気信号に基づいて算出される正規化指標Eは、閾値TH1より大きくなる。図27Aと図27Bとを対比すると、人肌を検知したPDが下方向に移動していることが分かる。
図27Cは、人がお湯302の中に完全に沈んだ状態を示す。図27Cで示す場合には、照射エリアから人がいなくなるため、複数の波長の赤外光それぞれの反射光に基づいて算出される正規化指標Eは、各フォトダイオード42において閾値TH2より小さいので、人肌を検出したPDは存在しない。図27Bと図27Cとを対比すると、人肌を検知したPDが下方向に移動していることが分かる。
図26及び図27で示すように、検出エリアに人が存在する場合に、人が移動して検出エリアからいなくなるときに、人の移動方向が、横方向、あるいは斜め上方向であれば、人は正常であり、日常の生活空間で安全であることが分かる。一方、検出エリアに人が存在する場合に、人が移動して検出エリアからいなくなるときに、人の移動方向が、下方向、あるいは斜め下方向であれば、急病又は事故等が発生して異常な状態であり、日常の生活空間で危険な状態であることが分かる。
図28は人の移動方向により正常又は異常を判定する方法の一例を示す説明図である。図28において、符号Oで示す点は、例えば、人肌を検知したPD全体の面積重心を示す点であるとする。なお、符号Oの位置は、人が存在する場所、位置に応じて適宜変わるが、以下では簡便のため、検出エリアの中心に人肌を検知したPD全体の面積重心があると仮定する。
この場合、点Oが、符号M1、M2で示す方向(すなわち、下方向、斜め下方向)に移動するとともに、検出エリアからいなくなる場合には、浴槽301での事故等が考えられる。そこで、何らかの異常又は事故等が考えられる場合の人の移動方向の範囲(異常範囲とも称する)を予め定めておくことにより、判定部201で判定した人の移動方向が異常範囲にある場合には、直ちに人の異常又は事故などを判定することができる。
また、判定装置200は、報知部としての音声出力機能を備えることにより、判定部201で人の異常又は事故などを判定した場合には、その旨を直ちに報知することができ、日常生活における事故又は異常などに対する見守りと、迅速な対応を実現することができる。
一方、点Oが、符号M3、M4で示す方向(すなわち、横方向又は斜め上方向、上方向の後に横方向)に移動するとともに、検出エリアからいなくなる場合には、日常の生活での通常又は正常な場合の人の移動方向の範囲(正常範囲とも称する)と考えられる。
上述のように、人移動判定システムを備えることにより、人の異常又は事故などを判定することができるので、浴室内での人の見守りを実現することができる。
上述の例では、検出エリア内に存在する人が移動して検出エリアからいなくなる場合の人の移動方向に基づいて、人の正常・異常を判定する構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、検出エリアから人がいなくなる場合だけでなく、検出エリア内に存在する場合でも人の異常を判定することができる。例えば、図27Bで示す状態が所定時間継続する場合、すなわち、検出エリア内で、通常又は正常な姿勢と異なる姿勢を所定時間継続して検知した場合には、人の異常又は事故などとして判定することができる。
次に、見守りセンサを適用する第2実施例として、実施の形態3の人検出装置110をトイレで使用する場合について説明する。
図29は人検出装置110を備えるトイレユニットの一例を示す模式図である。トイレユニットは、例えば、便器303、人移動判定システムなどを備える。人移動判定システムは、人検出装置110及び判定装置200などを備える。人検出装置110及び判定装置200との間は、有線又は無線等によりデータの送受信を行うことができる。判定装置200は、人検出装置110が検出した人の移動方向を判定する判定部201を備える。
図29Aにおいて、破線で囲まれた領域は、人検出装置110による検出エリアを示す。判定部201は、人検出装置110が検出した人の移動方向を判定する。人検出装置110は、各受光素子それぞれに対応して算出した評価値の時間的な分布を特定することができ、人の移動方向を検出することができる。判定部201は、人検出装置110が検出した検出結果を時系列的に収集することにより、人の移動方向を判定することができる。
図29Bは、人の移動方向により正常又は異常を判定する方法の一例を示す説明図であり、図28と同様である。図29Bにおいて、符号Oで示す点は、例えば、人肌を検知したPD全体の面積重心を示す点であるとする。なお、符号Oの位置は、人が存在する場所、位置に応じて適宜変わるが、以下では簡便のため、検出エリアの中心に人肌を検知したPD全体の面積重心があると仮定する。
この場合、点Oが、符号M11で示す方向(すなわち、斜め下方向)に移動する場合には、便器303に座っていた人が床の方へ倒れ込むことが考えられ、トイレ内での事故等が考えられる。すなわち、判定部201で判定した人の移動方向が異常範囲にある場合には、直ちに人の異常又は事故などを判定することができる。
一方、点Oが、符号M12、M13で示す方向(すなわち、横方向又は上方向の後に横方向)に移動する場合には、人が車いすでトイレから出る場合、あるいは健常者が便器303から立ってトイレから出る場合が考えられ、日常の生活での通常又は正常な場合の人の移動方向の範囲(正常範囲とも称する)と考えられる。
上述のように、人移動判定システムを備えることにより、人の異常又は事故などを判定することができるので、トイレ内での人の見守りを実現することができる。
図30は反射物体からの反射光に対応する電気信号の強度と反射物体までの距離との関係の一例を示す模式図である。図30において、横軸は人検出装置110と人などの反射物体との間の距離を示し、縦軸はフォトダイオード42で変換した電気信号の強度を示す。また、図30において、符号Lは検出エリアの最大距離である。
判定部201は、フォトダイオード42が変換した一の波長の反射光に対応する電気信号に基づいて、例えば、人検出装置110と人との間の距離を算出することができる。
図31は人検出装置110を備えるトイレユニットの他の例を示す模式図である。図31の例では、人検出装置110を、例えば、トイレのドアに対向するように配置している。図31の例も、図29Bの例と同様に、判定部201で判定した人の移動方向が異常範囲にある場合には、直ちに人の異常又は事故などを判定することができる。また、図31の例では、さらに、図30に例示した電気信号の強度を算出することにより、図29Bで示すような人の移動方向だけでなく、人がトイレに入ってきたか、あるいはトイレから出ようとしているかを判定することができる。
次に、見守りセンサを適用する第3実施例として、実施の形態3の人検出装置110を寝室などに設けたベッドで使用する場合について説明する。この場合も、前述の第2例実施として説明したトイレの場合と同様である。例えば、検出エリア内にベッド及びベッドの周辺が入るように、人検出装置110を配置することにより、前述の図29乃至図31で例示した場合と同様の作用効果を期待することができる。すなわち、人移動判定システムを備えることにより、人の異常又は事故などを判定することができるので、ベッドを置いてある寝室などの室内での人の見守りを実現することができる。
上述のように、本実施の形態の人検出装置、当該人検出装置を具備する人移動判定システムを備えることにより、日常の生活空間において、人が通常通り又は正常に生活している場合には、検出エリアにおいて正常な姿勢で人(人肌)を検出することができるとともに、急病又は事故などが発生した場合には、検出エリアから異常範囲内の方向へ移動して人がいなくなる、あるいは検出エリアにおいて異常又は不自然な姿勢で人を検出するので、急病又は事故などを迅速に検出又は判定することができ、例えば、高齢者又は要介護の人の見守りセンサを実現することができる。
また、ビデオカメラ等を用いたセンサと異なり、近赤外線を利用した人肌を判別するので、人の顔を認識する必要がなく、特にプライバシーを重視する空間であっても使用することが可能となる。また、単に近赤外線を用いた熱センサでは、浴室のお湯と人肌との温度差を判別することができないので、人の位置及び移動方向を判別することができないが、本実施の形態によれば、人の位置及び移動方向も精度よく判定することができる。
また、上述の実施の形態の一部同士を任意に組み合わせてもよい。
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 発光部
11、12、15 LEDモジュール
20 受光部
41、141 実装基板
42 フォトダイオード
46 電極
411、412 スルーホール
47 ボンディングワイヤ
61 CPU
80 基板
100、110 人検出装置
200 判定装置
201 判定部
301 浴槽
303 便器

Claims (14)

  1. 発光部と、該発光部が発光した光を受光する受光部とを備え、該受光部で受光した光に基づいて人を検出する人検出装置において、
    前記発光部は、
    複数の波長の赤外光を発するようにしてあり、
    前記受光部は、
    前記発光部が発した複数の波長の反射光それぞれを受光し、受光した反射光を電気信号に変換する複数の受光素子を備え、
    各受光素子が変換した各波長の反射光に対応する電気信号に基づいて人の存否に関する評価値を算出する算出手段と、
    該算出手段で算出した評価値に基づいて人を検出する検出手段と
    を備える人検出装置。
  2. 前記受光部は、
    前記発光部が発した赤外光が照射される空間内の検出対象領域からの反射光を受光するようにしてあり、
    各受光素子は、
    前記検出対象領域を複数に分割した各分割領域からの反射光を受光するように配置してある請求項1に記載の人検出装置。
  3. 前記発光部が所定の周期で前記複数の波長の赤外光を順次的に発すべく制御する発光制御手段を備え、
    各受光素子は、
    前記発光部が各周期で赤外光を発している間に電気信号に変換するようにしてあり、
    前記算出手段は、
    前記受光素子毎に該受光素子が変換した電気信号に基づいて評価値を算出するようにしてある請求項1又は請求項2に記載の人検出装置。
  4. 前記複数の受光素子を実装した実装基板を備え、
    該実装基板は、
    前記受光素子毎に該受光素子に接続される個別の電極を備え、
    前記算出手段は、
    前記個別の電極を介して取り出した電気信号に基づいて評価値を算出するようにしてある請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の人検出装置。
  5. 前記実装基板と平行に配置した基板を備え、
    前記実装基板は、
    前記複数の受光素子をマトリクス状に配置してあり、
    各受光素子の一方の端子を接続してあり、
    前記複数の受光素子のうち外周部に配置された受光素子の他方の端子を接続してあり、
    前記基板は、
    前記外周部に配置された受光素子以外の受光素子の他方の端子を接続してある請求項4に記載の人検出装置。
  6. 前記実装基板及び基板は、
    ボンディングワイヤを介して前記受光素子の他方の端子を接続してある請求項5に記載の人検出装置。
  7. 前記基板は、
    前記赤外光を透光可能であって、前記実装基板の受光素子の実装面に対向して配置されている請求項5又は請求項6に記載の人検出装置。
  8. 前記発光部は、
    人と人以外とで反射率が異なる複数の波長の赤外光を発するようにしてある請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の人検出装置。
  9. 前記発光部は、
    水分による吸収率が異なる複数の波長の赤外光を発するようにしてある請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の人検出装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の人検出装置と、
    該人検出装置が検出した人の移動方向を判定する判定部を備える判定装置と
    を備える人移動判定システム。
  11. 前記判定部が判定した判定結果を報知する報知部を備える請求項10に記載の人移動判定システム。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の人移動判定システムを備えるユニットバス。
  13. 請求項10又は請求項11に記載の人移動判定システムを備えるトイレユニット。
  14. 請求項10又は請求項11に記載の人移動判定システムを備えるベッド。
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