JP2014169867A - 部分放電検出装置及び部分放電検出方法 - Google Patents

部分放電検出装置及び部分放電検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】部分放電に基づく信号とノイズとの識別力を向上する。
【解決手段】正弦波重畳部7と、アトラクタ構成部8と、軌道平行測度計算部9とを有する部分放電検出装置4である。被計測電気機器から発生する時系列データをセンサ2で検出し、信号変換部3を介して部分放電検出装置4に入力する。正弦波重畳部7は、入力された時系列データに被計測電気機器の電源周波数と同じ周波数の正弦波を重畳する。アトラクタ構成部8は、正弦波が重畳された時系列データに対して予め設定された遅れ時間と埋め込み次元で埋め込み処理を行う。アトラクタ構成部8で構成されたアトラクタを出力部5に出力する。また、軌道平行測度計算部9は、アトラクタ構成部8で構成されたアトラクタに対して軌道平行測度を求め、軌道平行測度に基づいて部分放電信号を識別する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機器の絶縁体における部分放電を検出する部分放電検出装置及び部分放電検出方法に関する。特に、電気機器から検出された時系列データをカオス解析技術に基づいて解析する解析技術に関する。
部分放電は、絶縁破壊の前駆現象であり、電気機器(例えば、変圧器や開閉装置または回転機)の絶縁性能の劣化診断を行うために、運転状態の電気機器から発生する部分放電が計測・評価されている。
このような活線での部分放電を検出する方法として、例えば、部分放電に伴う発光・発熱・パルス電流・電磁波・超音波等の時系列データを計測し、この時系列データを解析することにより部分放電を検出する方法がある(例えば、特許文献1、非特許文献1)。
電気機器から得られる時系列データには、フィールドノイズ(機器の磁歪音や外来からの電気的ノイズ)の混在もあり、部分放電由来の信号をノイズと識別する必要がある。
そこで、特許文献1では、部分放電を外乱ノイズから判別するために、部分放電が電源電圧の変動に伴って発生する性質を利用している。具体的には、計測した超音波信号に短期フーリエ変換による周波数解析を行い、周波数スペクトルの周期成分が電源周波数あるいはその2倍の周波数成分を含んだ場合を部分放電として検出している。
特開2004−61358号公報 特許第3785703号公報
野田 和宏、永井 美徳、「部分放電検出装置」、明電時報、通巻337号、2012年、p.13−15 蓬田 倫之、林 孝則、「時系列データから異常検知する逐次軌道平行測度法」、平成24年電気学会全国大会、2012年3月、pp.146−147
しかしながら、部分放電を活線計測する環境における外乱ノイズの中には、電気機器由来のノイズ(例えば、インバータノイズ)等があり、これらのノイズは、部分放電と同じように電源電圧の変動に伴って変動する性質を有する。このようなノイズは、電源電圧の周波数に基づいて識別するだけでは、識別することが困難である。
上記事情に鑑み、本発明は、電気機器の絶縁体で発生する部分放電を検出する部分放電検出装置において、部分放電に基づく信号とノイズとの識別力の向上に貢献する技術の提供を目的としている。
上記目的を達成する本発明の部分放電検出装置は、電気機器の絶縁体において発生する部分放電を検出する部分放電検出装置であって、前記電気機器から検出された時系列データに、前記電気機器に供給される電源電圧の周波数と同じ周波数の正弦波を重畳する重畳手段と、前記正弦波が重畳された時系列データに対してn次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込み処理手段と、前記埋め込み処理された時系列データの軌道平行測度を測定し、当該軌道平行測度に基づいて部分放電に基づく波形を検出する検出手段と、を有することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の部分放電検出装置は、電気機器の絶縁体において発生する部分放電を検出する部分放電検出装置であって、前記電気機器から検出された時系列データに、前記電気機器に供給される電源電圧の周波数と同じ周波数の正弦波を重畳する重畳手段と、前記正弦波が重畳された時系列データに対して2次元または3次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込み処理手段と、前記埋め込み処理により得られるアトラクタを表示させる表示手段と、を有することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の部分放電検出方法は、電気機器の絶縁体において発生する部分放電を検出する部分放電検出装置による部分放電検出方法であって、前記電気機器から検出された時系列データに、前記電気機器に供給される電源電圧の周波数と同じ周波数の正弦波を重畳する重畳ステップと、前記正弦波が重畳された時系列データに対してn次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込みステップと、前記埋め込み処理された時系列データの軌道平行測度を測定し、当該軌道平行測度に基づいて部分放電に基づく波形を検出する検出ステップと、を有することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の部分放電検出装置は、電気機器の絶縁体において発生する部分放電を検出する部分放電検出装置による部分放電検出方法であって、前記電気機器から検出された時系列データに、前記電気機器に供給される電源電圧の周波数と同じ周波数の正弦波を重畳する重畳ステップと、前記正弦波が重畳された時系列データに対して2次元または3次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込みステップと、前記埋め込み処理により得られるアトラクタを表示させる表示ステップと、を有することを特徴としている。
本発明によれば、電気機器の絶縁体で発生する部分放電を検出する部分放電検出装置において、部分放電に基づく信号とノイズとの識別力の向上に貢献することができる。
本発明の実施形態に係る部分放電検出システムのシステム構成図である。 部分放電に基づく波形を含む時系列データを示す図であり、(a)部分放電検出装置に入力される時系列データを示す図、(b)部分放電検出装置に入力される時系列データと被計測対象である電気機器の電源周波数と同じ周波数の正弦波とを重ねて表示した図、(c)部分放電検出装置に入力される時系列データに被計測対象である電気機器の電源周波数と同じ周波数の正弦波を重畳させた時系列データを示す図である。 図2(c)に示す時系列データを3次元状態空間に埋め込んだアトラクタを示す図である。 図2(a)に示す時系列データを3次元状態空間に埋め込んだアトラクタを示す図である。 インバータノイズに基づく波形を含む時系列データを示す図であり、(a)部分放電検出装置に入力される時系列データを示す図、(b)部分放電検出装置に入力される時系列データと被計測対象である電気機器の電源周波数と同じ周波数の正弦波とを重ねて表示した図、(c)部分放電検出装置に入力される時系列データに被計測対象である電気機器の電源周波数と同じ周波数の正弦波を重畳させた時系列データを示す図である。 図5(c)に示す時系列データを3次元状態空間に埋め込んだアトラクタを示す図である。 図5(a)に示す時系列データを3次元状態空間に埋め込んだアトラクタを示す図である。 本発明の実施形態に係る部分放電検出装置における時系列データの解析処理手順を説明するフロー図である。
本発明の実施形態に係る部分放電検出装置及び部分放電検出方法について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る部分放電検出システムの概略を示す図である。
図1に示すように、部分放電検出システム1は、センサ2と、信号変換部3と、部分放電検出装置4と、出力部5と、を有する。
センサ2は、被計測電気機器(図示せず)から部分放電信号を含んだ信号を検出する。センサ2は、部分放電に伴って発生する信号を検出するためのものであり、例えば、超音波(衝撃波)を検知するため被計測電気機器の外壁に取り付けたAEセンサ、電磁波を検知するため被計測電気機器の近傍に配置されたアンテナ、あるいはパルス電流を検知するため被計測電気機器の接地線に取り付けた高周波CTや被計測電気機器の接地線近傍に配置された磁界プローブ等である。
信号変換部3は、センサ2が検出した信号に対して増幅・A/D変換・フィルタリング処理等の処理を行い、センサ2が検出した信号を解析に適した時系列データに逐次変換する。例えば、センサ2が超音波信号を検出する場合、信号変換部3はフィルタリング処理として部分放電信号が含まれやすい40〜60kHzの成分を抽出した後で1kHzローパス・フィルタ処理を行う。このような変換処理を行うことで、超音波信号の位相特徴が得やすくなる。
部分放電検出装置4は、センサ2で検出された信号から部分放電を検知するための解析を行う。部分放電検出装置4は、時系列データ蓄積部6、正弦波重畳部7、アトラクタ構成部8及び軌道平行測度計算部9を有する。
時系列データ蓄積部6は、入力された信号を時系列データとして解析に必要な範囲で蓄積する。蓄積する解析対象範囲は被計測電気機器の電源周波数を基準として少なくとも2周期分以上、通常3〜5周期分程度を蓄積する。時系列データ蓄積部6に蓄積された古いデータは逐次解析対象範囲から外されるが、解析対象から外されたデータをそのまま時系列データ蓄積部6に保存しておけば、保存されたデータに基づいて過去の時系列データの確認作業を行うことができる。時系列データのサンプリング周波数は、例えば、電源周波数の1周期に100点以上サンプリングできる5kHz以上が望ましい。
正弦波重畳部7は、解析対象信号である時系列データに正弦波を重畳する。部分放電を検出する場合、正弦波重畳部7は、被計測電気機器の電源周波数と同じ周波数の正弦波をセンサ2で検出された時系列データに重畳する。重畳する正弦波の周波数はなるべく正確に電源周波数と合わせることが望ましいが、正弦波の位相は電源電圧等の位相に必ずしも合わせる必要はない。また、重畳される正弦波の振幅は、例えば、解析対象信号である時系列データの最大振幅の1倍から100倍程度のものを用いる。
アトラクタ構成部8は、正弦波が重畳された時系列データに対して予め設定された遅れ時間と埋め込み次元で埋め込み処理を行いアトラクタを構成する。このとき、遅れ時間は電源周波数の1周期のサンプリング数の数分の一になるように設定すると解析が容易になる。後述の実施例では、500kHzサンプリング、電源周波数50Hzに対して遅れ時間1000と、1周期のサンプリング数の10分の1になる値を使用した。なお、同じサンプリング周波数で電源周波数60Hzの場合にも遅れ時間1000で同様に部分放電を検出することができた。埋め込み次元n(nは正の整数)は、例えば、3〜5次元とすることで部分放電を検出することができた。
軌道平行測度計算部9は、解析対象範囲の軌道平行測度を求める。軌道平行測度計算部9は、アトラクタから選択された任意のデータベクトルとこのデータベクトルの近傍のデータベクトルにおける軌道の接線方向(単位接ベクトル)をそれぞれ求め、求められた接線方向の向きの類似度合いを軌道平行測度として算出する。なお、軌道平行測度の詳細な算出方法は、特許文献2や非特許文献2に記載されている。例えば、非特許文献2に記載のように、取得した時系列データから逐次データベクトルを取得し、取得したデータベクトルにおける軌道平行測度を算出する場合は、予め定められた範囲内での平均値・中央値等の統計量を利用してアトラクタの軌道平行測度を評価する。実施例では、非特許文献2に記載された方法に基づいて、逐次平行度を計測し、算出された軌道平行測度の平均値に基づいて部分放電信号の検出を行った。
出力部5は、部分放電検出装置4から出力される解析結果を整形して、部分放電の有無を分かりやすく表示したり、記録したりする。そして、出力部5の出力結果(アトラクタの形状)に基づいて部分放電の有無を判別することもできる。例えば、解析を続けながら、あるいはある時刻の解析出力のスナップショットを元に部分放電の有無を判別する。また、算出された軌道平行測度の値が予め定められた閾値を超えた場合は、部分放電が発生していることの警告を出力する。なお、部分放電の有無の判別は、後に詳細に説明するように、アトラクタ軌道の形状や軌道平行測度の値を用いて行うことができ、その両方を用いて行うとより部分放電の判別精度が向上する。
ここで、部分放電検出システム1における部分放電検知の原理について説明する。
図2(a)に、部分放電に伴ってセンサが検出する時系列データ(以後、部分放電信号という)を示す。図2(a)に示すように、部分放電信号は、被計測電気機器の電源電圧の変動に応じて変化する傾向がある。
そこで、部分放電信号に、図2(b)に示すような被計測電気機器の電源電圧の周波数を有する正弦波を重畳することで、図2(c)に示すような時系列データを得ることができる。
図2(c)に示す時系列データに対して3次元状態空間に埋め込み処理を行うと、図3に示すアトラクタを得ることができる。描かれるアトラクタは、円を描くように形成される。円の一周分は、電源周波数の1周期に相当する。なお、図2(a)に示す時系列データを直接3次元状態空間に埋め込んだ場合は、このようなアトラクタを得ることができない(図4に示す)。
図5(a)に、インバータノイズに伴ってセンサが検出する時系列データ(以後、電気機器由来信号という)を示す。電気機器由来信号も、被計測電気機器の電源電圧の変動に応じて変化する傾向がある。
そこで、電気機器由来信号に、図5(b)に示すような被計測電気機器の電源電圧の周波数を有する正弦波を重畳することで、図5(c)に示すような時系列データを得ることができる。
図5(c)に示す時系列データに対して3次元状態空間に埋め込み処理を行うと、図6に示すアトラクタを得ることができる。描かれるアトラクタは、円を描くように形成される。なお、図5(a)に示す時系列データを直接3次元状態空間に埋め込んだ場合は、このようなアトラクタを得ることができない(図7に示す)。
図3,6に示すように、部分放電信号も電気機器由来信号も被計測電気機器の電源電圧の変動に伴って変動するので、電源周波数を基準にとってある位相の位置に信号を検出することができる。なお、両図とも電源周波数で3周期強のデータでアトラクタ軌道をプロットしている。
図3に示すように、部分放電信号はその位相にある程度の「ゆらぎ」がある。一方、図6に示すように、電気機器由来信号では位相の「ゆらぎ」はほとんどなく、電源周波数数周期分程度の範囲ではほぼ同じ位相になる。
このように、正弦波重畳信号のアトラクタに基づいて、位相の「ゆらぎ」があるかないかを判断することができる。つまり、部分放電信号のアトラクタは、信号の「ゆらぎ」により軌道が網の目のように交差するのに対して、電気機器由来信号は、電源周期でほぼ重なった軌道を取る。この形状の違いにより部分放電の有無を判別することができる。
なお、このアトラクタ形状の違いは軌道平行測度の値にも反映される。つまり、部分放電信号に基づくアトラクタで算出される軌道平行測度は、電気機器由来信号に基づくアトラクタで算出される軌道平行測度と比べ大きな値を取る。よって、算出される軌道平行測度に適当な閾値を設け、算出された軌道平行測度が閾値以上となった場合に、部分放電が発生していると判別することができる。
例えば、図3に示すアトラクタ(部分放電信号)では、軌道が3周期分複雑に絡み合って網の目のようになっているのに対して、図6に示すアトラクタ(電気機器由来信号)では、軌道が3周期分ほぼ重なって一つの軌道のように見えることが分かる。このアトラクタに基づいて、実施例の条件設定で軌道平行測度を算出すると、図3に示すアトラクタでは、0.10788、図4に示すアトラクタでは0.00028となり、大きく異なった値となる。
図3,6に示したアトラクタの他に、幾つかの時系列データで軌道平行測度を算出したところ、部分放電信号の場合は、(正弦波重畳での)軌道平行測度は0.05以上なのに対して、電気機器由来信号の場合は、(正弦波重畳での)軌道平行測度は0.0008未満であった。このことから、軌道平行測度の閾値を、例えば、0.001に設定することで、軌道平行測度に基づいて部分放電を識別できることが確認された。
[実施例]
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明の部分放電検出装置及び部分放電検出方法について詳細に説明する。実施例は、部分放電検出装置4を用いて、上記図3,6のアトラクタを導出したものである。
図8を参照して、部分放電検出装置4の時系列データの解析手順について説明する。
まず、前準備として、被計測電気機器にセンサ2を設置した。そして、センサ2の計測値を確認しながらセンサ2の感度等を調整するとともに、信号変換部3の設定を調整した。このとき、センサ2の計測データに正弦波を重畳することを考慮してセンサ2から入力される信号の振幅は、例えば、−0.3〜0.3の範囲に収まるように調整した。
次に、部分放電検出装置4の解析条件を設定した。部分放電検出装置4における設定項目としては、例えば、以下の項目が挙げられる。
・計測周期(周波数):サンプリング周波数を設定する。実施例では、500kHzに設定した。
・正弦波周波数:重畳する電源周波数を設定する。実施例では、50Hzに設定した。
・正弦波重畳割合:センサで検出された信号に重畳する正弦波の振幅の大きさを決定する。実施例では、予めセンサで検出された信号の振幅を0.3以下に調整しているため、正弦波の振幅は信号振幅との比率ではなく振幅1に設定した。
・埋め込み次元:部分放電検出では3〜5次元とする。なお、埋め込み次元は、3以上の整数であれば任意に設定可能であるが、大きすぎると計算負荷が高くなる。実施例では、軌道平行測度を算出する場合は5次元に設定し、アトラクタを表示する場合は3次元に設定した。なお、埋め込み次元を5次元に設定し、得られたアトラクタを2次元または3次元に射影して出力部5に表示させてもよい。
・遅れ時間:正弦波周波数の周期の数分の1になるようにする。実施例では、1000と設定した。
・参照近傍数:軌道平行測度を計算するときに使う参照近傍数を指定する。実施例では、5に設定した。
・出力範囲:出力装置に表示されるアトラクタの周期を設定する。例えば、被計測電気機器の電源周波数の周期で2〜5周期分程度を表示する。実施例では、3周期分を表示した。
・出力軸:アトラクタの表示次元を決定する。実施例では、3次元に設定した。
部分放電検出装置4の設定項目を設定した後、センサ2の出力信号を部分放電検出装置4に入力し、入力した時系列データの解析を、以下のステップS1〜S7の手順に従い行った。
<ステップS1> サンプリング周期毎に、時系列データを取得する。
<ステップS2> センサ2で計測され、信号変換部3で変換された信号値を時系列データ蓄積部6に蓄積する。
<ステップS3> 正弦波重畳部7で時系列データ蓄積部6から新たに計測した時系列データを取得し、設定された周波数と重畳割合で正弦波を重畳して、新たに追加した正弦波重畳時系列データを含む正弦波重畳時系列データに更新する。ここで重畳とは時系列の各値に、対応する位相での正弦波の値を加算することである。この位相は計測周波数と正弦波周波数、そして解析開始時点での正弦波位相から決まるが、実施例では、解析開始時点での正弦波位相をゼロとした。
<ステップS4> アトラクタ構成部8で新たに追加した正弦波重畳時系列データを取得し、設定された埋め込み次元と遅れ時間で埋め込み処理して、追加データを反映したアトラクタに更新する。
<ステップS5> 軌道平行測度計算部9で追加データを反映したアトラクタから軌道平行測度を計算して更新する。逐次軌道平行測度法を使う場合は新たに追加したデータに対応する部分の軌道平行測度を計算して蓄積範囲での平均値を軌道平行測度として使用する。
<ステップS6> アトラクタ構成部8は、設定された出力軸と出力範囲の指定に従ってアトラクタの射影を更新する。解析を行う毎に結果を出力する場合は、更新されたアトラクタが、出力部5に表示される。軌道平行測度計算部9は、設定された出力範囲の指定に従って軌道平行測度の列を出力する。解析を行う毎に結果を出力する場合は、軌道平行測度の列が、出力部5に表示される。出力部5における、解析結果の出力形式は、例えば、アトラクタ表示は3次元のプロット、軌道平行測度は時系列の折れ線グラフが見やすいが、出力形式はこれに限定されるものではない。
<ステップS7> 出力範囲内にまだ時系列データが残っていれば(図中矢印NOの場合)、再度ステップS1からステップS6を繰り返して、時系列データの解析を行う。出力範囲内の時系列データをすべて解析済みであれば(図中矢印YESの場合)、出力部5に解析結果を出力する。このようにして、部分放電検出装置4での解析結果が出力部5に表示される。出力される解析結果としては、アトラクタや、軌道平行測度、軌道平行測度が閾値を超えた場合における部分放電信号検出信号等が挙げられる。
以上のように、本発明の部分放電検出装置及び部分放電検出方法によれば、部分放電に基づく時系列データをより識別できるようになる。特に、インバータノイズのように被計測電気機器の電源電圧に応じて変化するノイズと、部分放電に基づく時系列データの識別が可能となる。
また、センサにより検出された時系列データに被計測電気機器の電源周波数と同じ周波数の正弦波を重畳した時系列データの軌道平行測度を算出することで、閾値に基づいた部分放電信号の検出を行うことができる。つまり、正弦波重畳信号に基づいてアトラクタを形成し、このアトラクタで算出された軌道平行測度が予め定められた閾値より大きい場合に、時系列データに部分放電に基づく波形が検出されたと判断する(部分放電の位相の「ゆらぎ」を検出する)ことができる。
また、センサにより検出された時系列データに電源周波数と同じ周波数を有する正弦波を重畳した正弦波重畳時系列データに対して2次元または3次元状態空間に埋め込み処理を行うことで、部分放電信号が発生したことを視覚的に表示することができる。つまり、正弦波重畳信号に対して埋め込み処理を行うことで、部分放電の位相の「ゆらぎ」を、アトラクタ形状の網目として視覚的に表示することができる。
なお、上記のように構成された実施形態に係る部分放電検出装置は、例えば、ROM、RAM、CPU等で構成されるコンピュータに所定のプログラムが読み込まれて、CPUがそのプログラムを実行することで実現されるものである。
上記装置における各手段は、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより構成することにしてもよいし、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。例えば、時系列データ蓄積部6は、ハードディスクあるいはRAMなどの保存手段・記憶手段として構築される。
上記装置における処理手段をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、各装置における処理手段がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。具体的には、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto Optical disc)等を、半導体メモリとしてフラッシュメモリー等を用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を介して行う。また、このプログラムをサーバコンピュータの記録装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
1…部分放電検出システム
2…センサ
3…信号変換部
4…部分放電検出装置
5…出力部
6…時系列データ蓄積部
7…正弦波重畳部(重畳手段)
8…アトラクタ構成部(埋め込み処理手段)
9…軌道平行測度計算部(検出手段)

Claims (4)

  1. 電気機器の絶縁体において発生する部分放電を検出する部分放電検出装置であって、
    前記電気機器から検出された時系列データに、前記電気機器に供給される電源電圧の周波数と同じ周波数の正弦波を重畳する重畳手段と、
    前記正弦波が重畳された時系列データに対してn次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込み処理手段と、
    前記埋め込み処理された時系列データの軌道平行測度を測定し、当該軌道平行測度に基づいて部分放電に基づく波形を検出する検出手段と、
    を有することを特徴とする部分放電検出装置。
  2. 電気機器の絶縁体において発生する部分放電を検出する部分放電検出装置であって、
    前記電気機器から検出された時系列データに、前記電気機器に供給される電源電圧の周波数と同じ周波数の正弦波を重畳する重畳手段と、
    前記正弦波が重畳された時系列データに対して2次元または3次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込み処理手段と、
    前記埋め込み処理により得られるアトラクタを表示させる表示手段と、
    を有することを特徴とする部分放電検出装置。
  3. 電気機器の絶縁体において発生する部分放電を検出する部分放電検出装置による部分放電検出方法であって、
    前記電気機器から検出された時系列データに、前記電気機器に供給される電源電圧の周波数と同じ周波数の正弦波を重畳する重畳ステップと、
    前記正弦波が重畳された時系列データに対してn次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込みステップと、
    前記埋め込み処理された時系列データの軌道平行測度を測定し、当該軌道平行測度に基づいて部分放電に基づく波形を検出する検出ステップと、
    を有することを特徴とする部分放電検出方法。
  4. 電気機器の絶縁体において発生する部分放電を検出する部分放電検出装置による部分放電検出方法であって、
    前記電気機器から検出された時系列データに、前記電気機器に供給される電源電圧の周波数と同じ周波数の正弦波を重畳する重畳ステップと、
    前記正弦波が重畳された時系列データに対して2次元または3次元状態空間に埋め込み処理を行う埋め込みステップと、
    前記埋め込み処理により得られるアトラクタを表示させる表示ステップと、
    を有することを特徴とする部分放電検出方法。
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