JP2014169593A - 建築物の免震基礎構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを低く抑えつつ、施工時における作業の効率化を図ることが可能な建築物の免震基礎構造を提供する。
【解決手段】地面を掘削して形成した根切り部2に基礎を設置し、この根切り部2と基礎(布基礎4)との間の少なくとも一部にゴム材料及び/又はプラスチック材料で形成された免震部材5を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建築物の免震基礎構造に関する。
一般に、建築物は、構造材としての柱を土台で受けるように構成されている。土台は、コンクリートで形成された基礎の上に載置して固定するのが一般的である。近年は、比較的規模の大きな地震が多く発生することから、耐震性や免震性に優れた建築物が増加している。このような建築物として従来から知られているものとしては、土台と基礎との間に弾性材料等を設けたものがある。例えば、特許文献1には、防振ゴムを板状に一体成形した防振基礎パッキングを、布基礎と建物の土台との間に介装したものが開示されている。また、特許文献2には、建物と、この建物を支える基礎とを切り離して、これら建物と基礎との間に、積層ゴムと減衰装置とから構成された免震装置を設けたものが開示されている。
特開2006−283428号公報 実用新案登録第3109877号公報
特許文献1及び2に記載されている免震基礎構造は、基礎と建物との間に防振基礎パッキングや免震装置(以下、免震装置等と言う。)を介して接合されている。そのため、基礎と建物とを接合するためには、基礎と免震装置等を接合し、さらに免震装置等と建物とを接合しなければならなかった。しかし、特許文献1に記載されているように、免震装置等が防振ゴム等のようなゴム材料で形成されている場合には、基礎として一般的に用いられるコンクリートとゴム材料とを接着剤等で接合することが難しく、仮に接合しても容易に剥離してしまうという問題があった。これは、基礎と免震装置等との間だけではなく、免震装置等と建物との間においても同様であり、やはり免震装置等の剥離の問題が生じていた。
このような問題を解決するためには、例えば、鉄筋やボルト等を用いて、免震装置等を介在させつつ基礎と建物とを接合することも考えられる。しかし、この方法では、鉄筋やボルト等と免震装置等とが干渉し合わないようにするために、免震装置等に何らかの加工をしなければならず、作業効率が悪化したり、免震装置等の製造コストが増加してしまうというような問題が生じる。また、鉄筋やボルト等を用いて基礎と建物とを接合してしまうと、免震装置等を基礎と建物との間に介在させたとしても、地面から基礎に伝わった揺れが鉄筋やボルトを通じて建物に伝達されてしまい、完全に建物の揺れを排除することが難しいという問題もあった。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、製造コストを低く抑えつつ、施工時における作業の効率化を図ることが可能な建築物の免震基礎構造を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)地面を掘削して形成した根切り部に基礎を設置した免震基礎構造であって、前記根切り部と前記基礎の間の少なくとも一部にゴム材料及び/又はプラスチック材料で形成された免震部材を設けたことを特徴とする建築物の免震基礎構造、
(2)根切り部と基礎との間の少なくとも一部に複数の免震部材が積層されている、上記(1)記載の建築物の免震基礎構造、
(3)免震部材が基礎の下の少なくとも一部に設けられている、上記(1)又は(2)記載の建築物の免震基礎構造、
(4)多数の栗石を転圧して形成された栗石層が免震部材の下に設けられている、上記(3)記載の建築物の免震基礎構造、
(5)根切り部の側面と基礎の側面との間に、ゴム材料及び/又はプラスチック材料で形成された緩衝材が設けられている、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の建築物の免震基礎構造、
を要旨とする。
本発明に係る建築物の免震基礎構造によれば、地面を掘削して形成した根切り部と基礎の間に免震部材を設けたので、基礎と建築物とを直接的に接合しつつ、建築物に揺れが伝わらないようにすることが可能になる。また、このような構成とすることにより、免震部材に何らかの複雑な加工をせずに使用することができるので、免震部材の製造コストを低く低減することができ、また施工時における作業効率も大幅に向上させることが可能になる。
本発明の建築物の免震基礎構造に係る第1の実施の形態を示す断面図である。 本発明の建築物の免震基礎構造に係る第1の実施の形態の変形例を示す断面図である。 本発明の建築物の免震基礎構造に係る第2の実施の形態を示す断面図である。 本発明の建築物の免震基礎構造に係る第2の実施の形態の変形例を示す断面図である。 本発明の建築物の免震基礎構造に係る第3の実施の形態を示す断面図である。 本発明の建築物の免震基礎構造に係る第4の実施の形態を示す断面図である。 本発明の建築物の免震基礎構造に係る第4の実施の形態の変形例を示す断面図である。
[第1の実施の形態]
本発明に係る建築物の免震基礎構造(以下、単に「免震基礎構造」と言う。)の第1の実施の形態の構成について説明する。図1は、本発明の免震基礎構造に係る第1の実施の形態を示す断面図である。なお、本明細書における上下左右は、各図面にて記載した上下左右方向を示すものとする。
図1に示すように、本実施の形態に係る免震基礎構造1は、地面に掘削した根切り部2に栗石層3、布基礎4及び免震部材5が設置されている。根切り部2は、地面を掘削して形成されている。また、根切り部2の内側面2aと布基礎4の外側面4a及び免震部材5の外側面5aとの間には空間部6が形成されており、この空間部6は土等によって埋められている。
根切り部2は、所定の幅を有する溝状に形成されている。この根切り部2の幅方向(左右方向)の大きさは、布基礎4の幅方向(左右方向)の大きさよりも大きくなるように形成されている。また、根切り部2は、布基礎4が全体的に根切り部2内に設置されるように、長手方向に形成されている。この根切り部2には、底部7に多数の栗石3aを転圧して形成された栗石層3が設けられている。栗石層3に用いられる栗石3aは、従来から公知のものを任意に選択して用いてもよいし、また栗石3aに代えて所定の大きさに砕いた砕石を用いてもよい。
布基礎4は、RC又はPCコンクリートで形成されており、左右方向の断面形状が逆T字状をなすように形成されている。すなわち、本実施の形態の布基礎4は、免震部材5と接する下面4bを有する基部8と、この基部8の上側から建造物(図示せず)に向けて延出するように形成されている柱部9とからなり、柱部9の幅が基部8の幅よりも小さくなるように形成されている。
免震部材5は、地面の揺れを布基礎4及びこの布基礎4を有する建築物(図示せず)に伝えるのを防止するためのものである。この免震部材5は、布基礎4と栗石層3との間に設けられている。免震部材5としては、例えば所定の厚さを有するゴム材料及び/又はプラスチック材料で形成された部材が用いられる。ゴム材料としては、例えば、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性、耐微生物性、耐油性、耐有機溶剤性に優れたものが好ましい。このようなゴム材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリルゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム−塩化ビニル樹脂ブレンド、ニトリルゴム/EPDMブレンド、並びに、再生ゴム等が挙げられる。また、これらのゴムには、オイル類、加硫剤、老化防止剤などが必要に応じて添加されてもよい。また、これらのゴムとしては、未加硫ゴム、加硫ゴムの何れでもよい。未加硫ゴムの中では、廉価で且つ素材の粘度も低いことから、再生ゴムが最も好ましい。また、プラスチック材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、及びこれらの再生樹脂、さらには容器リサイクル樹脂等が用いられる。
空間部6は、布基礎4の外側面4a及び免震部材5の外側面5aと、根切り部2の内側面2aとの間に形成されている。この空間部6は、砕石及び/又は土等によって埋められており、弾性吸収層として機能するように形成されている。
次に、本実施の形態に係る免震基礎構造1の作用効果について説明する。上記した通り、この免震基礎構造1は、根切り部2の底部7に栗石層3が載置するように設けられ、この栗石層3の上に免震部材5が載置するように設けられ、さらにこの免震部材5の上に布基礎4が載置されるように設けられている。
ここで、地震等により、例えば左右方向に大きな揺れが発生した場合、地面に掘削された根切り部2は左右方向に大きく揺れ、それに伴って根切り部2の底部7に設けられた栗石層3も左右方向に大きく揺れる。この時、下面5bが栗石層3の上面3bと接している免震部材5は、該栗石層3の上に載置されているので、互いに接触するこれら栗石層3の上面3bと免震部材5の下面5bとの間に滑りが生じる。そのため、免震部材5に伝わる左右方向の揺れの量は、根切り部2及び栗石層3の左右方向の揺れの量に比べて小さくなる。
また、免震部材5の上には布基礎4が設けられているものの、これら免震部材5と布基礎4も接合されておらず、免震部材5の上に布基礎4が載置されているだけであるので、免震部材5が大きく揺れた場合であっても、布基礎4の基部8の下面4bと免震部材5の上面5cとの間に滑りが生じる。したがって、布基礎4に伝わる左右方向の揺れの量は、免震部材5の左右方向の揺れの量に比べて小さくなる。
すなわち、本実施の形態に係る免震基礎構造1によれば、布基礎4、及びこの布基礎4と直接的に接合された建築物は、免震部材5を介して設置されていることによって、地震等によって大きな揺れが発生した場合であっても、栗石3a等と免震部材5との間における滑り作用、及び免震部材5と布基礎4との間における滑り作用が生じ、地面の揺れの影響を受けないようにすることができる。したがって、大きな地震等があった場合であっても、その影響が建築物にまで及ばないようにし、該建築物に何らかの損傷が発生する事態を防止することが可能になる。
また、本実施の形態に係る免震基礎構造1は、布基礎4の外側面4a及び免震部材5の外側面5aと根切り部2の内側面2aとの間に空間部6を有し、この空間部6を砕石及び/又は土等で埋めて弾性吸収層として形成しているので、地震等によって地面が大きく左右方向に揺れた場合であっても、その揺れによる影響を弾性吸収層で吸収することができる。したがって、上記したように地面が大きく左右方向に揺れたとしても、弾性吸収層によって覆われた布基礎4及び免震部材5への影響を非常に少なくすることができ、揺れによる影響を受けて建築物が何らかの損傷が発生する事態をより大きく防止することが可能になる。
[第1の実施の形態の変形例]
次に、第1の実施の形態に係る免震基礎構造の変形例について説明する。なお、本変形例の構成に関して先に説明したものと同一のものについては、ここでの説明は省略する。本変形例に係る免震基礎構造は、根切り部と基礎との間の少なくとも一部に複数の免震部材を積層して構成されていることを特徴とするものである。
図2に示すように、本変形例に係る免震基礎構造11は、布基礎12の基部13と栗石層14との間に第1免震部材15と第2免震部材16が積層されている。第1免震部材15は、上面15aが基部13の下面13aと接し、下面15bが第2免震部材16の上面16aと接するように配置されており、第2免震部材16は、上面16aが第1免震部材15の下面15bと接し、下面16bが栗石層14の上面14aと接するように配置されている。これら第1免震部材15及び第2免震部材16は、上記したゴム材料及び/又はプラスチック材料により形成することができる。なお、これら第1免震部材15及び第2免震部材16は、同一のゴム材料及び/又はプラスチック材料を用いて形成してもよいし、それぞれを異なる材料で形成してもよい。
次に、本変形例に係る免震基礎構造11の作用効果について説明する。上記した通り、この免震基礎構造11は、根切り部17の底部18に栗石層14が設けられ、この栗石層14の上に第2免震部材16が載置するように設けられ、第2免震部材16の上に第1免震部材15が載置するように設けられ、さらにこの第1免震部材15の上に布基礎12が載置するように設けられている。
ここで、地震等によって根切り部17が左右方向に大きく揺れた場合、栗石層14も左右方向に大きく揺れる。この時、下面16bが栗石層14の上面14aと接している第2免震部材16は、栗石層14の上に載置されているので、互いに接触するこれら栗石層14の上面14aと第2免震部材16の下面16bとの間に滑りが生じる。そのため、第1免震部材15及び第2免震部材16に伝わる左右方向の揺れの量は、根切り部17及び栗石層14の左右方向の揺れの量に比べて小さくなる。
また、第2免震部材16の上には第1免震部材15が載置されているので、互いに接触する第2免震部材16の上面16aと第1免震部材15の下面15bとの間にも滑りが生じる。さらに、第1免震部材15の上には布基礎12が載置されているので、互いに接触する第1免震部材15の上面15aと布基礎12の下面12aとの間にも滑りが生じる。
このように、本変形例に係る免震基礎構造11によれば、地震等によって地面が大きく揺れた場合であっても、栗石層14と第2免震部材16との間、第2免震部材16と第1免震部材15との間、及び第1免震部材15と布基礎12との間において発生する滑り作用により、布基礎12に伝わる左右方向の揺れの量をさらにより小さくすることができる。したがって、本変形例に係る免震基礎構造11によれば、大きな地震等があった場合であっても、地震等による揺れにより受ける建築物の影響をさらにより及ばないようにすることができ、該建築物に何らかの損傷が発生する事態をより確実に防止することが可能になる。
なお、本変形例では、複数積層する免震部材として、第1免震部材15及び第2免震部材16の二つの免震部材から構成される例を用いて説明したが、免震部材を積層する数はこれに限定されるものではない。また、複数の免震部材を積層する場合、それらの形状や大きさ、厚み等の各種寸法は、それぞれ同じものにしてもよいし、異ならせてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る免震基礎構造について説明する。なお、本実施の形態の構成に関して先に説明したのと同一のものについては、ここでの説明は省略する。本実施の形態に係る免震基礎構造は、根切り部の底面と基礎の下面との間にゴム製の免震部材を設けており、この免震部材は基礎に対して全体的に設けられていることを特徴とするものである。なお、本実施の形態では、いわゆるベタ基礎と呼ばれる基礎を用いた免震基礎構造の例を用いて説明するが、布基礎のように、基礎と基礎との間に所定の空間が形成されている基礎構造であってもよい。
図3に示すように、本実施の形態に係る免震基礎構造20は、根切り部21に栗石層22、ベタ基礎23及び免震部材24が設置されている。根切り部21は地面を掘削して、ベタ基礎23が全体的に該根切り部21の内部に設置され、この設置されたベタ基礎23の外側面23a及び免震部材24の外側面24aと根切り部21の内側面21aとの間に空間部25が形成される大きさに形成されている。なお、図3中の符号26は、空間部25を埋めた砕石及び/又は土等であり、空間部25に砕石及び/又は土等を入れることで弾性吸収層が形成されている。
ベタ基礎23は、RC又はPCコンクリートで形成されており、複数の柱状部27と、これら複数の柱状部27の間に設けられた梁状部28とから構成されている。柱状部27は、図示しない建築物と直接的に接合されるように形成されており、梁状部28は、左右方向に延びるように形成されている。免震部材24は、ベタ基礎23と栗石層22との間に設けられている。本実施の形態では、免震部材24としては、ベタ基礎23の下面と同じ大きさ及び形状のものが用いられているが、これに限定されるものではなく、ベタ基礎23の下面の一部分に設けてもよい。
本実施の形態に係る免震基礎構造20の作用効果について説明する。上記した通り、この免震基礎構造20は、ベタ基礎23の全体を内部に設置可能な大きさに形成された根切り部21の底部29に栗石層22が設けられ、この栗石層22の上に、ベタ基礎23の下面23bに対して全体的に設けられるように形成された免震部材24が載置され、さらにこの免震部材24の上にベタ基礎23が載置されている。
このように構成された免震基礎構造20は、地震等によって左右方向に大きな揺れが発生した場合には、栗石層22が左右方向に大きく揺れると、免震部材24の下面24bと栗石層22の上面22aとの間で滑りが生じるとともに、栗石層22の揺れによって該栗石層22から受けた力を受けて免震部材24が弾性変形する。即ち、本実施の形態に係る免震基礎構造20では、ベタ基礎23の下面23bの全体と同じ程度の大きさの免震部材24が設けられているため、栗石層22の上面22aと免震部材24の下面24bとの間における摩擦抵抗力、免震部材24の上面24cとベタ基礎23の下面23bとの間における摩擦抵抗力が大きくなる。そのため、栗石層22が大きく揺れた場合であっても、栗石層22の上面22aと免震部材24の下面24bとの間における滑り、及び免震部材24の上面24cとベタ基礎23の下面23bとの間における滑りが生じにくく、この場合は免震部材24の弾性変形により揺れの影響が吸収される。即ち、地面の揺れにより影響を受ける栗石層22の揺れは免震部材24において吸収され、該免震部材24の上に載置されているベタ基礎23及びこのベタ基礎23上の建築物が揺れることを防止することが可能になる。また、このような影響を受けてベタ基礎23等が揺れるのを防止することで、建築物に何らかの損傷が発生する事態も防止することが可能になる。
[第2の実施の形態の変形例]
次に、第2の実施の形態に係る免震基礎構造の変形例について説明する。なお、本変形例の構成に関して先に説明したのと同一のものについては、ここでの説明を省略する。本変形例に係る免震基礎構造は、根切り部の底面と基礎の下面との間にゴム材料及び/又はプラスチック材料で形成された複数の免震部材を設けており、これら複数の免震部材が基礎に対して全体的に設けられていることを特徴とするものである。
図4に示すように、本変形例に係る免震基礎構造31は、ベタ基礎32の基部33と栗石層34との間に第1免震部材35と第2免震部材36が積層されている。第1免震部材35は、上面35aがベタ基礎32の下面32aと接し、下面32aが第2免震部材36の上面36aと接するように配置されており、第2免震部材36は、上面36aが第1免震部材35の下面35bと接し、下面35bが栗石層34の上面34aと接するように配置されている。これら第1免震部材35及び第2免震部材36は、上記したゴム材料及び/又はプラスチック材料により形成することができる。なお、これら第1免震部材35は、同一のゴム材料及び/又はプラスチック材料を用いて形成してもよいし、それぞれを異なるゴム材料及び/又はプラスチック材料で形成してもよい。
次に、本変形例に係る免震基礎構造31の作用効果について説明する。上記した通り、この免震基礎構造31は、根切り部に設けられた栗石層34の上に、第2免震部材36、第1免震部材35及びベタ基礎32が順次載置されている。ここで、地震等によって地面が大きく揺れ、根切り部も例えば左右方向に大きく揺れた場合、栗石層34の左右方向における揺れは、第2免震部材36の弾性変形と栗石層34の上面34a及び第2免震部材36の下面36aの間における滑りとにより、第2免震部材36において低減される。また、第2免震部材36における左右方向の揺れは、第1免震部材35の弾性変形と第2免震部材36の上面36a及び第1免震部材35の下面35bとの間における滑りとにより、第1免震部材35において低減される。さらに、第1免震部材35における左右方向の揺れは、該第1免震部材35の上面35aとベタ基礎32の下面32aとの間における滑りにより低減される。
このように、本変形例に係る免震基礎構造31によれば、基礎がベタ基礎32であって、このベタ基礎32に対して全体的に第1免震部材35及び第2免震部材36が積層されている場合であっても、地震等による揺れにより受ける建築物の影響をさらにより及ばないようにすることができ、該建築物に何らかの損傷が発生する事態をより確実に防止することが可能になる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る免震基礎構造について説明する。なお、本実施の形態の構成に関して先に説明したのと同一のものについては、ここでの説明は省略する。本実施の形態に係る免震基礎構造は、根切り部に基礎を設置し、根切り部の側面と、基礎の側面との間の少なくとも一部にゴム材料及び/又はプラスチック材料で形成された緩衝材が設けたことを特徴とするものである。なお、本実施の形態では、布基礎と呼ばれる基礎を用いた免震基礎構造の例を用いて説明するが、布基礎以外の基礎であってもよい。
図5に示すように、本実施の形態に係る免震基礎構造41は、根切り部42に栗石層43が設けられ、この栗石層43の上に布基礎44の基部45が載置されている。また、根切り部42には、この根切り部42の内側面42aと布基礎44の外側面44a及び栗石層43の外側面43aとの間に緩衝材46が設けられている。本実施の形態では、根切り部42の左側に第1緩衝材47が設けられ、根切り部42の右側に第2緩衝材48が設けられている。
根切り部42は、地面を掘削して形成されており、該根切り部42の中に栗石層43、布基礎44、並びに第1緩衝材47及び第2緩衝材48を設けることが可能な幅に形成されている。第1緩衝材47は、根切り部42内の左側において、該第1緩衝材47の左側面47aが根切り部42の内側面42aと接触し、該第1緩衝材47の右側面47bが布基礎44の外側面44a及び栗石層43の外側面43aと接触するように設けられている。また、第2緩衝材48は、根切り部42内の右側において、該第2緩衝材48の右側面48aが根切り部42の内側面42aと接触し、該第2緩衝材48の左側面48bが布基礎44の外側面44a及び栗石層43の外側面43aと接触するように設けられている。なお、これら第1緩衝材47及び第2緩衝材48は、同じゴム材料及び/又はプラスチック材料で形成してもよいし、異なるゴム材料及び/又はプラスチック材料で形成してもよい。また、これら第1緩衝材47の厚さや形状と、第2緩衝材48の厚さや形状も、同一であってもよいし異なっていてもよい。
次に、本実施の形態に係る免震基礎構造41の作用効果について説明する。上記した通り、この免震基礎構造41は、根切り部42に栗石層43が設けられると共に、該根切り部42の左側に第1緩衝材47を、該根切り部42の右側に第2緩衝材48を設け、そしてこれら第1緩衝材47と第2緩衝材48との間であって栗石層43の上に載置されるように、布基礎44が設けられている。
このように構成された免震基礎構造41は、地震等によって左右方向に大きな揺れが発生した場合には、この左右方向の揺れを第1緩衝材47及び第2緩衝材48が吸収し、布基礎44に対して振動を伝達しないようにすることができる。即ち、左右方向の揺れが発生すると、第1緩衝材47及び第2緩衝材48が圧縮方向又は引張方向へ伸縮する。このような第1緩衝材47及び第2緩衝材48の伸縮によって、外部からの左右方向への揺れは吸収され、これら第1緩衝材47及び第2緩衝材48の間に設けられている布基礎44は、揺れの影響を受けることがない。したがって、本実施の形態に係る免震基礎構造41によれば、大きな地震があった場合であっても、地震等による揺れにより受ける建築物の影響をさらにより及ばないようにすることができ、該建築物に何らかの損傷が発生する事態をさらにより確実に防止することが可能になる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る免震基礎構造について説明する。なお、本実施の形態の構成に関して先に説明したのと同一のものについては、ここでの説明は省略する。本実施の形態に係る免震基礎構造は、根切り部に基礎を設置し、根切り部の側面と、基礎の側面との間の少なくとも一部に緩衝材を設けると共に、根切り部の下の少なくとも一部に免震部材を設けたことを特徴とするものである。なお、本実施の形態では、布基礎と呼ばれる基礎を用いた免震基礎構造の例を用いて説明するが、布基礎以外の基礎であってもよい。
図6に示すように、本実施の形態に係る免震基礎構造51は、根切り部52に栗石層53が設けられ、この栗石層53の上に第1免震部材54及び布基礎55が順次載置するように設けられている。また、根切り部52には、この根切り部52の左側に第1緩衝材56が、また根切り部52の右側に第2緩衝材57が設けられている。このように構成すると、左右方向の揺れが生じた場合に、第1緩衝材56及び第2緩衝材57の伸縮により該左右方向の大きな揺れの影響を受けないようにすることができる。また、これに加えて、第1免震部材54と布基礎55との間における滑りが作用することで、布基礎55に加わる揺れをさらにより低減することが可能になる。このように、本実施の形態に係る免震基礎構造51によっても、地震等の揺れに対する影響を非常に大きくすることが可能になる。
[第4の実施の形態の変形例]
次に、本発明に係る第4の実施の形態の変形例について説明する。本変形例に係る免震基礎構造は、先に説明した第4の実施の形態に係る免震基礎構造において、布基礎の下に設けた第1免震部材に代えて、複数の免震部材を設けたことを特徴とするものである。
図7に示すように、本変形例に係る免震基礎構造61は、布基礎62の基部63と栗石層64との間に第1免震部材65及び第2免震部材66が積層されている。第1免震部材65は、上面65aが基部63の下面63aと接し、下面65bが第2免震部材66の上面66aと接するように配置されており、第2免震部材66は、上面66aが第1免震部材65の下面65bと接し、下面66bが栗石層64の上面64aと接するように配置されている。また、本変形例に係る免震基礎構造61は、根切り部67の左側に第1緩衝材68が設けられ、根切り部67の右側に第2緩衝材69が設けられている。このように構成した免震基礎構造61によれば、地震等によって大きな揺れが生じた場合であっても、地面の大きな揺れは、第1緩衝材68及び第2緩衝材69が伸縮することにより吸収され、地面の揺れのうち、細かい揺れ等に関しては、布基礎62と第1免震部材65との間、第1免震部材65と第2免震部材66との間、第2免震部材66と栗石層64、との間における滑り作用によって、大幅に影響を受けないようにすることができる。したがって、このような構成にすることで、さらにより地震等による揺れの影響を受けにくくすることが可能になる。
以上、本発明に係る免震基礎構造について詳細に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書では、左右方向の揺れのみを用いて説明したが、本発明に係る免震基礎構造は、地震等によって上下前後方向に揺れた場合も、上記したと同様の作用効果を有する。
1,11,20,31,41,51,61 免震基礎構造
2,17,21,42,52,67 根切り部
3,14,22,34,43,53,64 栗石層
4,12,44,55,62 布基礎
5,24,46 免震部材
15,35,47,54,65 第1免震部材
16,36,48,56,66 第2免震部材
23,32 ベタ基礎
57,68 第1緩衝材
69 第2緩衝材

Claims (5)

  1. 地面を掘削して形成した根切り部に基礎を設置した免震基礎構造であって、
    前記根切り部と前記基礎の間の少なくとも一部にゴム材料及び/又はプラスチック材料で形成された免震部材を設けたことを特徴とする建築物の免震基礎構造。
  2. 根切り部と基礎との間の少なくとも一部に複数の免震部材が積層されている、請求項1記載の建築物の免震基礎構造。
  3. 免震部材が基礎の下の少なくとも一部に設けられている、請求項1又は2記載の建築物の免震基礎構造。
  4. 多数の栗石を転圧して形成された栗石層が免震部材の下に設けられている、請求項3記載の建築物の免震基礎構造。
  5. 根切り部の側面と基礎の側面との間に、ゴム材料及び/又はプラスチック材料で形成された緩衝材が設けられている、請求項1〜4のいずれかに記載の建築物の免震基礎構造。
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