JP2014169283A - 粘膜投与用ワクチン組成物 - Google Patents

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Arimichi Okazaki
有道 岡崎
Kyohei Matsushita
恭平 松下
Katsuyuki Okubo
勝之 大久保
Yoshimi Maeda
佳己 前田
takuya Shishido
卓矢 宍戸
Wenjing Li
文▲せい▼ 李
Mitsuhiko Hori
光彦 堀
Haruo Sugiyama
治夫 杉山
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Abstract

【課題】効能の高く、利便性の高い癌ワクチン用組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、(i)HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチド;ならびに(ii)細胞性免疫誘導促進剤を含む、細胞性免疫誘導のための粘膜投与用癌ワクチン組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬組成物、より具体的にはワクチン組成物に関する。さらに具体的には、本発明は、HER2抗原ペプチド、特にHER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチド、ならびに細胞性免疫誘導促進剤を含む粘膜投与用癌ワクチン組成物に関する。
癌ワクチンは、ウイルスによって引き起こされる癌を予防するためにウイルス感染を防止するという観点のものと、癌特異的抗原を免疫機構、特に細胞障害性T細胞(CTL)が重要な役割を果たす細胞性免疫機構に認識させることによって、癌細胞を免疫系によって特異的に攻撃するという観点のものとがある。前者はウイルスが関与しない癌には全く有効でないが、後者は癌細胞自体が有する抗原をターゲットとする癌治療戦略であるため、抗原を特定することによって、その抗原を有する癌に広く有効であると考えられている。とりわけ後者の観点に基づく癌ワクチンは、外科手術によって切除が困難なサイズの腫瘍を治療でき、化学療法や放射線療法などの従来の治療と比較して副作用が低い。
HER2/neu遺伝子は、乳癌を始めとした種々の腺癌において増幅および過剰発現されて、HER2/neu遺伝子産物であるHER2/neu蛋白を癌細胞内で過剰産生する。HER2/neu蛋白は癌細胞内で断片化され、8〜12個のアミノ酸からなる部分ペプチドであるHER2/neuペプチドが生じる。HER2/neuペプチドは、癌細胞内でMHC class I分子と結合したものが癌細胞表面に移動し、癌細胞表面にてMHC class I分子に結合した形で抗原として提示され、癌細胞の目印となる。HER2/neuペプチドのうち、HLA−A2またはA3ハプロタイプのMHC拘束性ペプチドであるHER2/neu E75ペプチドは臨床試験での効果が報告されており、特に有望である。HER2/neu E75ペプチドのアミノ酸配列は、Lys―Ile―Phe―Gly―Ser―Leu―Ala―Phe―Leu(配列番号1)である。抗原として、HER2/neu E75ペプチドあるいはその一部アミノ酸を置換あるいは修飾した改変HER2/neu E75ペプチドを生体に投与した場合(ここで、抗原として投与されたHER2/neu E75ペプチドまたは改変HER2/neu E75ペプチドを“E75抗原ペプチド”と称する)、E75抗原ペプチドは、抗原提示細胞である樹状細胞の表面でMHC ClassI分子に結合するか、一旦樹状細胞に取り込まれて樹状細胞内でMHC class I分子と結合したものが樹状細胞表面に移動してくるかして、樹状細胞表面にてMHC class I分子に結合した形で抗原として提示される。E75抗原ペプチド/MHC class I分子複合体を持つ活性化樹状細胞は所属リンパ節に移動し、そのE75抗原ペプチド/MHC class I分子複合体を認識するCD8陽性Tリンパ球を活性化し、細胞障害性T細胞(CTL)に分化、増殖させる。CTLは、E75抗原ペプチドと同じアミノ酸配列のHER2/neu E75ペプチド(内因性HER2/neu蛋白由来)とMHC class I分子の複合体を持つ腫瘍細胞、あるいはE75抗原ペプチドと交叉免疫反応性を有するアミノ酸配列のHER2/neu E75ペプチド(内因性HER2/neu蛋白由来)とMHC class I分子の複合体を持つ腫瘍細胞を認識し、その腫瘍細胞を攻撃する。したがって、HER2/neu E75ペプチド、およびそれらの一部アミノ酸を置換あるいは修飾した改変HER2/neu E75ペプチドは、癌ワクチンとして有用である。
HER2/neu E75ペプチドの癌ワクチンとしての作用を高めるために、アジュバントを利用することも知られている。HER2/neu E75ペプチドは注射免疫で検討報告されており、その際のアジュバントとして、GM−CSFが知られている。
ワクチンの投与経路としては皮下または皮内注射が最も一般的であるが、これ以外にも様々な投与経路、例えば経皮投与(特許文献1および非特許文献1)や、頬側投与、経鼻投与、舌下投与等の粘膜投与(非特許文献2、特許文献2および特許文献3)による免疫誘導が試みられている。
米国特許出願公開US2008/0193487号 特表2002−531415号公報 米国特許出願公開US2008/0112974号 特表平7−505883号公報 特表2007−529531号公報
Hosoi Akihiro et al., Cancer Research, 68, 3941−3949 (2008) Zhengrong Cui et al., Pharmaceutical Research, Vol.19, No.7, 947−953 (2002) Mittendorf EA et al., Cancer Immunol Immunother, 57(10), 1511−1521 (2008) George EP et al., Journal of Clinical Oncology, 23(30), 7536−7545 (2005)
ワクチンの効能を高めるためにアジュバントを用いることが周知であるが、好適なアジュバントは、一般に、抗原の種類、投与経路、誘導したい免疫(すなわち細胞性免疫か液性免疫か)等に依存して変化する。また、アジュバント以外にも免疫誘導を促進する種々の物質が存在する。そこで本発明は、より効能の高く、利便性の高い癌ワクチン用組成物を提供することを目的とする。
広く使用されているワクチンは、微生物もしくはウイルスそのものまたはそれらの一部を投与して免疫するものである。通常微生物やウイルスはそのサイズの為に皮膚によって侵入が阻止されるため、容易には皮膚から投与する事はできず、また経口投与では胃酸及び消化酵素により分解される為、これら投与方法は容易ではない。当該観点から、侵襲的に体内に投与する注射剤が一般的に利用されてきた。しかし、注射には、痛み、恐怖心、注射痕およびそれに続く瘢痕化、医療従事者にしか許されていないこと、免疫効果の高い皮内注射は投与手技が難しいこと、医療従事者の針刺し感染事故のリスクがあること、繰返し投与を行う場合は通院が患者の生活の負担となること、注射針など特殊廃棄の必要な医療廃棄物が生じること等の問題があるため、それは必ずしも最適な投与経路とはいえない。
HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドは、MHC class I分子を介してCTL(細胞傷害性T細胞)を誘導し得る。また、HER2/neu E75ペプチドは、9アミノ酸からなる分子量約1000の分子であり、低分子とはいえないが微生物やウイルスそのものよりもかなり小さいので、注射以外の投与経路で投与できる可能性も考えられたが、未だそのような製剤は開発されていない。その理由は、好適な細胞性免疫誘導促進剤が不明であったこと、細胞性免疫誘導に適した組織に抗原を送達できるか不明であったことなど多岐にわたる。とりわけ、注射以外の投与経路において細胞性免疫を誘導するために抗原を投与する場合に用いることができる免疫誘導促進剤が不明であった。
HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドの粘膜投与による免疫誘導に好適な物質を探索した結果、PamCSK、Poly(I:C)、リポポリサッカライド、イミキモド、レシキモドのようなTLRリガンド;環状ジGMPおよび環状ジAMPのような環状ジヌクレオチド;レバミゾール塩酸塩のような免疫調節低分子薬物;エトドラクおよびロキソプロフェンのようなシクロオキシゲナーゼ阻害剤;EP2受容体拮抗薬、EP4受容体拮抗薬、DP受容体拮抗薬、IP受容体拮抗薬のようなプロスタグランジン受容体拮抗薬;EP3受容体作動薬のようなプロスタグランジン受容体作動薬;塩化ベルベリンおよびナリンゲニンのようなTSLP産生抑制剤;2’,5’−ジデオキシアデノシンおよびナイアシンのようなアデニル酸シクラーゼ阻害剤;エイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸のようなオメガ3脂肪酸;PPAR−α作動薬、PPAR−δ作動薬、PPAR−γ作動薬のようなPPAR作動薬;D1受容体拮抗薬、D5受容体拮抗薬のようなドーパミン受容体拮抗薬;D2受容体作動薬、D3受容体作動薬、D4受容体作動薬のようなドーパミン受容体作動薬;H1受容体拮抗薬、H2受容体拮抗薬のようなヒスタミン受容体拮抗薬;H1受容体作動薬、H3受容体作動薬、H4受容体作動薬のようなヒスタミン受容体作動薬;5−HT2受容体拮抗薬、5−HT4受容体拮抗薬、5−HT6受容体拮抗薬、5−HT7受容体拮抗薬のようなセロトニン受容体拮抗薬;5−HT1受容体作動薬、5−HT2受容体作動薬のようなセロトニン受容体作動薬;V2受容体拮抗薬のようなバソプレシン受容体拮抗薬;V1受容体作動薬のようなバソプレシン受容体作動薬;M1受容体拮抗薬、M3受容体拮抗薬、M5受容体拮抗薬のようなムスカリン受容体拮抗薬;M1受容体作動薬、M2受容体作動薬、M3受容体作動薬、M4受容体作動薬、M5受容体作動薬のようなムスカリン受容体作動薬;α1受容体拮抗薬、β1受容体拮抗薬、β2受容体拮抗薬、β3受容体拮抗薬のようなアドレナリン受容体拮抗薬;α1受容体作動薬、α2受容体作動薬のようなアドレナリン受容体作動薬;AT2受容体作動薬のようなアンジオテンシン受容体作動薬;GABA受容体作動薬のようなGABA受容体作動薬;PAR−1受容体拮抗薬のようなトロンビン受容体拮抗薬;PAR−1受容体作動薬のようなトロンビン受容体作動薬;ブプレノルフィンのようなオピオイド受容体作動薬;CysLT1受容体拮抗薬、CysLT2受容体拮抗薬のようなロイコトリエン受容体拮抗薬;BLT受容体作動薬のようなロイコトリエン受容体作動薬;アデノシン二リン酸のようなADP受容体作動薬;メラトニンのようなメラトニン受容体作動薬;オクトレオチドのようなソマトスタチン受容体作動薬;ドロナビノールのようなカンナビノイド受容体作動薬;フィンゴリモドのようなスフィンゴシン1リン酸受容体作動薬;mGluR2受容体作動薬、mGluR3受容体作動薬、mGluR4受容体作動薬、mGluR6受容体作動薬、mGluR7受容体作動薬、mGluR8受容体作動薬のような代謝型グルタミン酸受容体作動薬;グリチルリチン酸のようなホスホリパーゼA2阻害剤;ピルフェニドンのようなTGF−β産生抑制剤;トシル酸スプラタストのようなTh2サイトカイン阻害剤;デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、オレイン酸のような薬理学的に許容される酸またはその薬理学的に許容される塩;およびPeptide−25のようなヘルパーペプチドの使用が好適であることを見出した。
口腔粘膜投与においては、とりわけ、PamCSKのようなTLR1/2リガンド、イミキモドおよびレシキモドのようなTLR7および/またはTLR8リガンド、環状ジGMPおよび環状ジAMPのような環状ジヌクレオチド、レバミゾール塩酸塩のような免疫調節低分子薬物、エトドラクおよびロキソプロフェンのようなシクロオキシゲナーゼ阻害剤;EP2受容体拮抗薬、EP4受容体拮抗薬、DP受容体拮抗薬、IP受容体拮抗薬のようなプロスタグランジン受容体拮抗薬;EP3受容体作動薬のようなプロスタグランジン受容体作動薬;塩化ベルベリンおよびナリンゲニンのようなTSLP産生抑制剤;2’,5’−ジデオキシアデノシンおよびナイアシンのようなアデニル酸シクラーゼ阻害剤;エイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸のようなオメガ3脂肪酸;PPAR−α作動薬、PPAR−δ作動薬、PPAR−γ作動薬のようなPPAR作動薬;D1受容体拮抗薬、D5受容体拮抗薬のようなドーパミン受容体拮抗薬;D2受容体作動薬、D3受容体作動薬、D4受容体作動薬のようなドーパミン受容体作動薬;H1受容体拮抗薬、H2受容体拮抗薬のようなヒスタミン受容体拮抗薬;H1受容体作動薬、H3受容体作動薬、H4受容体作動薬のようなヒスタミン受容体作動薬;5−HT2受容体拮抗薬、5−HT4受容体拮抗薬、5−HT6受容体拮抗薬、5−HT7受容体拮抗薬のようなセロトニン受容体拮抗薬;5−HT1受容体作動薬、5−HT2受容体作動薬のようなセロトニン受容体作動薬;V2受容体拮抗薬のようなバソプレシン受容体拮抗薬;V1受容体作動薬のようなバソプレシン受容体作動薬;M1受容体拮抗薬、M3受容体拮抗薬、M5受容体拮抗薬のようなムスカリン受容体拮抗薬;M1受容体作動薬、M2受容体作動薬、M3受容体作動薬、M4受容体作動薬、M5受容体作動薬のようなムスカリン受容体作動薬;α1受容体拮抗薬、β1受容体拮抗薬、β2受容体拮抗薬、β3受容体拮抗薬のようなアドレナリン受容体拮抗薬;α1受容体作動薬、α2受容体作動薬のようなアドレナリン受容体作動薬;AT2受容体作動薬のようなアンジオテンシン受容体作動薬;GABA受容体作動薬のようなGABA受容体作動薬;PAR−1受容体拮抗薬のようなトロンビン受容体拮抗薬;PAR−1受容体作動薬のようなトロンビン受容体作動薬;ブプレノルフィンのようなオピオイド受容体作動薬;CysLT1受容体拮抗薬、CysLT2受容体拮抗薬のようなロイコトリエン受容体拮抗薬;BLT受容体作動薬のようなロイコトリエン受容体作動薬;アデノシン二リン酸のようなADP受容体作動薬;メラトニンのようなメラトニン受容体作動薬;オクトレオチドのようなソマトスタチン受容体作動薬;ドロナビノールのようなカンナビノイド受容体作動薬;フィンゴリモドのようなスフィンゴシン1リン酸受容体作動薬;mGluR2受容体作動薬、mGluR3受容体作動薬、mGluR4受容体作動薬、mGluR6受容体作動薬、mGluR7受容体作動薬、mGluR8受容体作動薬のような代謝型グルタミン酸受容体作動薬;グリチルリチン酸のようなホスホリパーゼA2阻害剤;ピルフェニドンのようなTGF−β産生抑制剤;トシル酸スプラタストのようなTh2サイトカイン阻害剤; ヘルパーペプチド、またはそれらの2種以上の組合せの使用が好適であることを見出した。そしてさらに、これらTLRリガンドとヘルパーペプチドの組合せ、環状ジヌクレオチドとヘルパーペプチドの組合せ、免疫調節低分子薬物とヘルパーペプチドの組合せ、シクロオキシゲナーゼ阻害剤とヘルパーペプチドの組合せ、プロスタグランジン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、プロスタグランジン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、TSLP産生抑制剤とヘルパーペプチドの組合せ、アデニル酸シクラーゼ阻害剤とヘルパーペプチドの組合せ、オメガ3脂肪酸とヘルパーペプチドの組合せ、PPAR作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ドーパミン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、ドーパミン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ヒスタミン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ヒスタミン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、セロトニン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、セロトニン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、バソプレシン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、バソプレシン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ムスカリン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、ムスカリン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、アドレナリン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、アドレナリン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、アンジオテンシン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、GABA受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、トロンビン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、トロンビン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、オピオイド受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ADP受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ロイコトリエン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、ロイコトリエン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、メラトニン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ソマトスタチン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、カンナビノイド受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、代謝型グルタミン酸受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ホスホリパーゼA2阻害剤とヘルパーペプチドの組合せ、TGF−β産生抑制剤とヘルパーペプチドの組合せ、Th2サイトカイン阻害剤とヘルパーペプチドの組合せ、薬理学的に許容される酸またはその薬理学的に許容される塩とヘルパーペプチドの組合せによって顕著に細胞性免疫が増強されることも見出した。
鼻腔粘膜投与においては、とりわけ、PamCSKのようなTLR1/2リガンド、Poly(I:C)のようなTLR3リガンド、リポポリサッカライドのようなTLR4リガンド、環状ジGMPおよび環状ジAMPのような環状ジヌクレオチド、エトドラクおよびロキソプロフェンのようなシクロオキシゲナーゼ阻害剤;EP2受容体拮抗薬、EP4受容体拮抗薬、DP受容体拮抗薬、IP受容体拮抗薬のようなプロスタグランジン受容体拮抗薬;EP3受容体作動薬のようなプロスタグランジン受容体作動薬;塩化ベルベリンおよびナリンゲニンのようなTSLP産生抑制剤;2’,5’−ジデオキシアデノシンおよびナイアシンのようなアデニル酸シクラーゼ阻害剤;エイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸のようなオメガ3脂肪酸;PPAR−α作動薬、PPAR−δ作動薬、PPAR−γ作動薬のようなPPAR作動薬;D1受容体拮抗薬、D5受容体拮抗薬のようなドーパミン受容体拮抗薬;D2受容体作動薬、D3受容体作動薬、D4受容体作動薬のようなドーパミン受容体作動薬;H1受容体拮抗薬、H2受容体拮抗薬のようなヒスタミン受容体拮抗薬;H1受容体作動薬、H3受容体作動薬、H4受容体作動薬のようなヒスタミン受容体作動薬;5−HT2受容体拮抗薬、5−HT4受容体拮抗薬、5−HT6受容体拮抗薬、5−HT7受容体拮抗薬のようなセロトニン受容体拮抗薬;5−HT1受容体作動薬、5−HT2受容体作動薬のようなセロトニン受容体作動薬;V2受容体拮抗薬のようなバソプレシン受容体拮抗薬;V1受容体作動薬のようなバソプレシン受容体作動薬;M1受容体拮抗薬、M3受容体拮抗薬、M5受容体拮抗薬のようなムスカリン受容体拮抗薬;M1受容体作動薬、M2受容体作動薬、M3受容体作動薬、M4受容体作動薬、M5受容体作動薬のようなムスカリン受容体作動薬;α1受容体拮抗薬、β1受容体拮抗薬、β2受容体拮抗薬、β3受容体拮抗薬のようなアドレナリン受容体拮抗薬;α1受容体作動薬、α2受容体作動薬のようなアドレナリン受容体作動薬;AT2受容体作動薬のようなアンジオテンシン受容体作動薬;GABA受容体作動薬のようなGABA受容体作動薬;PAR−1受容体拮抗薬のようなトロンビン受容体拮抗薬;PAR−1受容体作動薬のようなトロンビン受容体作動薬;ブプレノルフィンのようなオピオイド受容体作動薬;CysLT1受容体拮抗薬、CysLT2受容体拮抗薬のようなロイコトリエン受容体拮抗薬;BLT受容体作動薬のようなロイコトリエン受容体作動薬;アデノシン二リン酸のようなADP受容体作動薬;メラトニンのようなメラトニン受容体作動薬;オクトレオチドのようなソマトスタチン受容体作動薬;ドロナビノールのようなカンナビノイド受容体作動薬;フィンゴリモドのようなスフィンゴシン1リン酸受容体作動薬;mGluR2受容体作動薬、mGluR3受容体作動薬、mGluR4受容体作動薬、mGluR6受容体作動薬、mGluR7受容体作動薬、mGluR8受容体作動薬のような代謝型グルタミン酸受容体作動薬;グリチルリチン酸のようなホスホリパーゼA2阻害剤;ピルフェニドンのようなTGF−β産生抑制剤;トシル酸スプラタストのようなTh2サイトカイン阻害剤; ヘルパーペプチド、またはそれらの2種以上の組合せの使用が好適であることを見出した。
そしてさらに、これらTLRリガンドとヘルパーペプチドの組合せ、環状ジヌクレオチドとヘルパーペプチドの組合せ、免疫調節低分子薬物とヘルパーペプチドの組合せ、シクロオキシゲナーゼ阻害剤とヘルパーペプチドの組合せ、プロスタグランジン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、プロスタグランジン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、TSLP産生抑制剤とヘルパーペプチドの組合せ、アデニル酸シクラーゼ阻害剤とヘルパーペプチドの組合せ、オメガ3脂肪酸とヘルパーペプチドの組合せ、PPAR作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ドーパミン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、ドーパミン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ヒスタミン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ヒスタミン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、セロトニン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、セロトニン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、バソプレシン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、バソプレシン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ムスカリン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、ムスカリン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、アドレナリン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、アドレナリン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、アンジオテンシン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、GABA受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、トロンビン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、トロンビン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、オピオイド受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ADP受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ロイコトリエン受容体拮抗薬とヘルパーペプチドの組合せ、ロイコトリエン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、メラトニン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ソマトスタチン受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、カンナビノイド受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、代謝型グルタミン酸受容体作動薬とヘルパーペプチドの組合せ、ホスホリパーゼA2阻害剤とヘルパーペプチドの組合せ、TGF−β産生抑制剤とヘルパーペプチドの組合せ、Th2サイトカイン阻害剤とヘルパーペプチドの組合せ、薬理学的に許容される酸またはその薬理学的に許容される塩とヘルパーペプチドの組合せによって顕著に細胞性免疫が増強されることも見出した。
したがって本発明は、第一の態様において、次に列挙する態様を提供する:
(1)(i)HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチド;ならびに
(ii)TLRリガンド、環状ジヌクレオチド、ヘルパーペプチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、Th2サイトカイン阻害剤、およびそれらの2種以上の組合せから選択される第一の細胞性免疫誘導促進剤
を含む、粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(2)さらに第二の細胞性免疫誘導促進剤としての薬理学的に許容される酸またはその薬理学的に許容される塩を含む、(1)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(3)第一の細胞性免疫誘導促進剤がTLRリガンドである、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(4)第一の細胞性免疫誘導促進剤が環状ジヌクレオチドである、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(5)第一の細胞性免疫誘導促進剤が免疫調節低分子薬物である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(6)第一の細胞性免疫誘導促進剤がシクロオキシゲナーゼ阻害剤である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(7)第一の細胞性免疫誘導促進剤がプロスタグランジン受容体拮抗薬であり、更にプロスタグランジン受容体拮抗薬が、EP2受容体拮抗薬、EP4受容体拮抗薬、DP受容体拮抗薬、IP受容体拮抗薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(8)第一の細胞性免疫誘導促進剤がプロスタグランジン受容体作動薬であり、更にプロスタグランジン受容体作動薬が、EP3受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(9)第一の細胞性免疫誘導促進剤がTSLP産生抑制剤である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(10)第一の細胞性免疫誘導促進剤がアデニル酸シクラーゼ阻害剤である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(11)第一の細胞性免疫誘導促進剤がオメガ3脂肪酸である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(12)第一の細胞性免疫誘導促進剤がPPAR作動薬であり、更にPPAR作動薬がPPAR−α作動薬、PPAR−δ作動薬、PPAR−γ作動薬である(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(13)第一の細胞性免疫誘導促進剤がドーパミン受容体拮抗薬であり、更にドーパミン受容体拮抗薬が、D1受容体拮抗薬、D5受容体拮抗薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(14)第一の細胞性免疫誘導促進剤がドーパミン受容体作動薬であり、更にドーパミン受容体作動薬が、D2受容体作動薬、D3受容体作動薬、D4受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(15)第一の細胞性免疫誘導促進剤がヒスタミン受容体拮抗薬であり、更にヒスタミン受容体拮抗薬が、H1受容体拮抗薬、H2受容体拮抗薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(16)第一の細胞性免疫誘導促進剤がヒスタミン受容体作動薬であり、更にヒスタミン受容体作動薬が、H1受容体作動薬、H3受容体作動薬、H4受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(17)第一の細胞性免疫誘導促進剤がセロトニン受容体拮抗薬であり、更にセロトニン受容体拮抗薬が、5−HT2受容体拮抗薬、5−HT4受容体拮抗薬、5−HT6受容体拮抗薬、5−HT7受容体拮抗薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(18)第一の細胞性免疫誘導促進剤がセロトニン受容体作動薬であり、更にセロトニン受容体作動薬が、5−HT1受容体作動薬、5−HT2受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(19)第一の細胞性免疫誘導促進剤がバソプレシン受容体拮抗薬であり、更にバソプレシン受容体拮抗薬が、V2受容体拮抗薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(20)第一の細胞性免疫誘導促進剤がバソプレシン受容体作動薬であり、更にバソプレシン受容体作動薬が、V1受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(21)第一の細胞性免疫誘導促進剤がムスカリン受容体拮抗薬であり、更にムスカリン受容体拮抗薬が、M1受容体拮抗薬、M3受容体拮抗薬、M5受容体拮抗薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(22)第一の細胞性免疫誘導促進剤がムスカリン受容体作動薬であり、更にムスカリン受容体作動薬が、M1受容体作動薬、M2受容体作動薬、M3受容体作動薬、M4受容体作動薬、M5受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(23)第一の細胞性免疫誘導促進剤がアドレナリン受容体拮抗薬であり、更にアドレナリン受容体拮抗薬が、α1受容体拮抗薬、β1受容体拮抗薬、β2受容体拮抗薬、β3受容体拮抗薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(24)第一の細胞性免疫誘導促進剤がアドレナリン受容体作動薬であり、更にアドレナリン受容体作動薬が、α1受容体作動薬、α2受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(25)第一の細胞性免疫誘導促進剤がアンジオテンシン受容体作動薬であり、更にアンジオテンシン受容体作動薬が、AT2受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(26)第一の細胞性免疫誘導促進剤がGABA受容体作動薬であり、更にGABA受容体作動薬が、GABA受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(27)第一の細胞性免疫誘導促進剤がトロンビン受容体拮抗薬であり、更にトロンビン受容体拮抗薬が、PAR−1受容体拮抗薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(28)第一の細胞性免疫誘導促進剤がトロンビン受容体作動薬であり、更にトロンビン受容体作動薬が、PAR−1受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(29)第一の細胞性免疫誘導促進剤がオピオイド受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(30)第一の細胞性免疫誘導促進剤がロイコトリエン受容体拮抗薬であり、更にロイコトリエン受容体拮抗薬が、CysLT1受容体拮抗薬、CysLT2受容体拮抗薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(31)第一の細胞性免疫誘導促進剤がロイコトリエン受容体作動薬であり、更にロイコトリエン受容体作動薬が、BLT受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物。
(32)第一の細胞性免疫誘導促進剤がメラトニン受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物。
(33)第一の細胞性免疫誘導促進剤がソマトスタチン受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物。
(34)第一の細胞性免疫誘導促進剤がカンナビノイド受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物。
(35)第一の細胞性免疫誘導促進剤がスフィンゴシン1リン酸受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物。
(36)第一の細胞性免疫誘導促進剤が代謝型グルタミン酸受容体作動薬であり、更に代謝型グルタミン酸受容体作動薬が、mGluR2受容体作動薬、mGluR3受容体作動薬、mGluR4受容体作動薬、mGluR6受容体作動薬、mGluR7受容体作動薬、mGluR8受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物。
(37)第一の細胞性免疫誘導促進剤がADP受容体作動薬である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(38)第一の細胞性免疫誘導促進剤がホスホリパーゼA2阻害剤である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(39)第一の細胞性免疫誘導促進剤がTGF−β産生抑制剤である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(40)第一の細胞性免疫誘導促進剤がTh2サイトカイン阻害剤である、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(41)第一の細胞性免疫誘導促進剤がヘルパーペプチドである、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(42)第一の細胞性免疫誘導促進剤がTLRリガンド、環状ジヌクレオチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、およびTh2サイトカイン阻害剤からなる群より選択される1種以上とヘルパーペプチドとの組み合わせである、(1)または(2)の粘膜投与用癌ワクチン組成物;
(43)(1)〜(42)いずれかに記載の組成物を含み、フィルム状製剤の形態である、粘膜投与用癌ワクチンフィルム剤;および
(44)(1)〜(42)いずれかに記載の組成物を含み、液剤の形態である、粘膜投与用癌ワクチン液剤。
(45)(1)〜(42)いずれかに記載の組成物を含み、口腔内崩壊錠の形態である、粘膜投与用癌ワクチン口腔内崩壊錠。
別の態様において、本発明の癌ワクチンは、癌の処置または予防のために使用することができる。したがって本発明は、次に列挙する態様も提供する:
(46)治療上有効量の(i)HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチド、ならびに(ii)TLRリガンド、環状ジヌクレオチド、ヘルパーペプチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、Th2サイトカイン阻害剤、およびそれらの2種以上の組合せから選択される細胞性免疫誘導促進剤を対象に粘膜投与することを含む、癌の処置または予防方法; および
(47)治療上有効量の(1)〜(42)のいずれか1項の粘膜投与用癌ワクチン組成物、(43)の粘膜投与用癌ワクチンフィルム剤または(44)の粘膜投与用癌ワクチン液剤または(45)の粘膜投与用癌ワクチン口腔内崩壊錠を対象に投与することを含む、癌の処置または予防方法。
別の態様において、本発明は、HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドの細胞性免疫誘導促進剤としてのTLRリガンド、環状ジヌクレオチド、ヘルパーペプチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、Th2サイトカイン阻害剤、およびそれらの2種以上の組合せも提供する。したがって本発明は、次の態様も提供する:
(48)HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドの粘膜投与用細胞性免疫誘導促進剤として使用するための、TLRリガンド、環状ジヌクレオチド、ヘルパーペプチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、Th2サイトカイン阻害剤、またはそれらの2種以上の組合せ。
また、本発明は、次に記載する態様も提供する:
(49)(i)HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチド、ならびに(ii)TLRリガンド、環状ジヌクレオチド、ヘルパーペプチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、Th2サイトカイン阻害剤およびそれらの2種以上の組合せから選択される第一の細胞性免疫誘導促進剤を対象に粘膜投与することを含む、細胞性免疫誘導方法;
(50)HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドの粘膜投与による細胞性免疫誘導の促進のために使用するための、TLRリガンド、環状ジヌクレオチド、ヘルパーペプチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、Th2サイトカイン阻害剤、またはそれらの2種以上の組合せ;
(51)HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドの粘膜投与による細胞性免疫誘導のために使用するための、(i)HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドと(ii)TLRリガンド、環状ジヌクレオチド、ヘルパーペプチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、Th2サイトカイン阻害剤およびそれらの2種以上の組合せから選択される第一の細胞性免疫誘導促進剤との組合せ;
(52)癌の処置または予防に用いるための、(i)HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドと(ii)TLRリガンド、環状ジヌクレオチド、ヘルパーペプチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、Th2サイトカイン阻害剤およびそれらの2種以上の組合せから選択される細胞性免疫誘導促進剤との組合せであって、粘膜投与されるものである組合せ; および
(53)粘膜投与用癌ワクチン組成物の製造における、(i)HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドならびに(ii)TLRリガンド、環状ジヌクレオチド、ヘルパーペプチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、Th2サイトカイン阻害剤、およびそれらの2種以上の組合せから選択される細胞性免疫誘導促進剤の使用。
本発明の癌ワクチンは、粘膜投与(特に経鼻投与、舌下粘膜を含む口腔粘膜投与)が可能であるため、優れたコンプライアンス、例えば非侵襲的投与、無痛、注射の恐怖からの解放、投与が簡便なため患者が自ら投与可能であり、医療従事者の針刺し感染事故のリスクも回避でき、繰返し投与を行う場合の通院頻度の低減が可能となり患者の生活の質の向上に貢献でき、注射針のような特殊廃棄の必要な医療廃棄物が生じないという利点を有する。さらに、本発明の癌ワクチンの効能が、HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドの単独投与と比較して、顕著に向上するという利点も有する。更に、注射投与と比較して本発明の癌ワクチンの粘膜投与は、強い細胞性免疫を誘導可能であるという利点も有する。
本発明がより容易に理解されるように、まず本明細書で用いる用語を定義する。定義のない用語は、特に文脈が異なることを示唆しない限り、当業者、特に医学、薬学、免疫学、細胞生物学、生化学、高分子化学等の分野における当業者が通常理解する意味を有する。
I.定義
本明細書において使用するとき、用語「HER2/neu E75ペプチド」は、配列 Lys Ile Phe Gly Ser Leu Ala Phe Leu(配列番号1)からなる、癌遺伝子HER2/neuの産物(HER2タンパク質)に由来するペプチドを意味する。
本明細書において使用するとき、用語「改変HER2/neu E75ペプチド」は、HER2/neu E75ペプチドの全部または一部のアミノ酸が置換や修飾等により改変されたペプチドを意味する。
改変HER2/neu E75ペプチドには、例えば、
(a)HER2/neu E75ペプチドのアミノ酸配列において、1個から数個、例えば1個、2個、3個、4個または5個のアミノ酸が置換、欠失または付加されたアミノ酸配列からなるペプチド;および
(b)HER2/neu E75ペプチドのアミノ酸配列において、全部または一部のアミノ酸、例えば1個または複数個、例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個のアミノ酸が修飾されたアミノ酸配列からなるペプチド
が含まれる。
改変HER2/neu E75ペプチドが有し得るアミノ酸の「修飾」としては、これらに限定されないが、例えば、アセチル化、メチル化などのアルキル化、グリコシル化、ヒドロキシル化、カルボキシル化、アルデヒド化、リン酸化、スルホニル化、ホルミル化、ミリストイル化やパルミトイル化やステアロイル化のような脂肪鎖付加修飾、オクタノイル化、エステル化、アミド化、脱アミド化、シスチン修飾やグルタチオン修飾やチオグリコール酸修飾のようなジスルフィド結合形成修飾、糖化、ユビキチン化、スクシンイミド形成、グルタミル化、プレニル化等が挙げられる。改変HER2/neu E75ペプチドは、1個以上のアミノ酸の置換、欠失または付加と、1個以上のアミノ酸の修飾を組み合わせて含むものであってもよい。
HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドは、遊離形または薬理学的に許容される任意の塩形、例えば酸塩(酢酸塩、TFA塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、臭化水素酸塩、コハク酸塩、硝酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、プロピオン酸塩、蟻酸塩、安息香酸塩、ピクリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ドデシル硫酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、グルタル酸塩、種々のアミノ酸塩など)、金属塩(アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩)、アルミニウム塩など)、アミン塩(トリエチルアミン塩、ベンジルアミン塩、ジエタノールアミン塩、t−ブチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、アルギニン塩、ジメチルアンモニウム塩、アンモニウム塩など)の形態でありうる。好ましい薬理学的に許容される塩は、酢酸塩またはTFA塩である。HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドは周知の方法で合成または産生し、単離および精製したものを用いることができる。
本明細書において使用するとき、用語「細胞性免疫誘導促進剤」は、共に投与された抗原の細胞性免疫を誘導する効率を、それなしでの効率と比較して、改善しうるあらゆる物質を意味するものであり、細胞性免疫誘導を促進する作用機構によって限定されないが、本願明細書で特定されたものを意味する。
本明細書において使用するとき、用語「TLRリガンド」は、Toll様受容体(TLR)のリガンドを意味し、例えばTLR1〜9のリガンドを含む。TLRリガンドとしては、TLR1およびTLR2のヘテロダイマーのリガンド(TLR1/2リガンド)、TLR2およびTLR6のヘテロダイマーのリガンド(TLR2/6リガンド)、TLR2およびDectin1のリガンド、TLR3のリガンド、TLR4のリガンド、TLR5のリガンド、TLR7および/またはTLR8のリガンド、TLR9のリガンドなどが挙げられ、いずれも本発明において細胞性免疫誘導促進剤として用いることができる。本発明の好ましい態様において、TLRリガンドは、TLR1/2リガンド、TLR3リガンド、TLR4リガンド、ならびにTLR7および/またはTLR8リガンドである。
本明細書において使用するとき、用語「TLR1/2リガンド」は、Toll様受容体(TLR)1及びToll様受容体(TLR)2のヘテロダイマーのリガンドを意味し、例えば細菌の細胞壁由来のトリアシル化リポタンパク及びその塩が含まれるが、これらは抽出物、生成物または合成品であってもよく、またこれらに限定されない。
本発明の好ましい態様において、TLR1/2リガンドは、PamCSKである。PamCSKは、式
を有する。
本明細書において使用するとき、用語「TLR2およびDectin1リガンド」は、Toll様受容体(TLR)2及びβ1,3−グルカン受容体(Dectin1)のリガンドを意味し、例えば真菌の細胞壁由来のβ1,3−グルカン及びその塩が含まれるが、これらは抽出物、生成物または合成品であってもよく、またこれらに限定されない。本発明の好ましい態様において、TLR2およびDectin1リガンドは、酵母細胞壁由来のZymosanである。
本明細書において使用するとき、用語「TLR3リガンド」は、Toll様受容体(TLR)3のリガンドを意味し、例えばウイルス由来の二本鎖RNA(dsRNA)及びその塩が含まれるが、これらは抽出物、生成物または合成品であってもよく、またこれらに限定されない。本発明の好ましい態様において、TLR3リガンドは、合成品であるポリイノシンポリシチジン酸(Poly(I:C))及び/またはその塩である。
本明細書において使用するとき、用語「TLR4リガンド」は、Toll様受容体(TLR)4のリガンドを意味し、例えば細菌もしくは植物由来のリポポリサッカライド(LPS)、特にリピドA誘導体、例えばモノホスホリルリピドA、3脱アシル化モノホスホリルリピドA(3D−MPL)、OM174、OM 294 DPもしくはOM 197 MP−Ac DP等、アルキルグルコサミニドホスフェート(AGP)、例えばWO 9850399もしくはUS 6303347に開示されるAGPまたはUS 6764840に開示されるようなAGPの塩を含み、また、パントエア菌由来リポポリサッカライド、グルコピラノシルリピッド、ヒアルロン酸ナトリウムを含むがこれらに限定されない。
本発明の好ましい態様において、TLR4リガンドは、Acetobacter属(例えばAcetobacter aceti、Acetobacter xylinum、Acetobacter orientalis等)、Zymomonas属(例えばZymomonas mobilis等)、Xanthomonas属(例えばXanthomonas campestris等)、Enterobacter属(例えばEnterobacter cloacae等)、Pantoea属(例えばPantoea agglomerans等)由来のリポポリサッカライドが好ましい。これらのリポポリサッカライド由来の抽出物または精製したリポポリサッカライドをそのまま用いる事も可能である。また、例えばPantoea agglomerans由来のリポポリサッカライド(IP−PA1)は(株)フナコシから購入できる。また、本発明の好ましい態様において、TLR4リガンドは、パントエア菌由来リポポリサッカライド、グルコピラノシルリピッド、および/またはヒアルロン酸ナトリウムである。
本明細書において使用するとき、用語「TLR7および/またはTLR8リガンド」は、Toll様受容体(TLR)7および/またはTLR8のリガンドを意味し、例えば一本鎖RNA、イミキモド、レシキモド(R848)、TLR7−IIおよび他の化合物、例えばロキソリビンおよびブロピリミンを含むがこれらに限定されない。
本発明の好ましい態様において、TLR7および/またはTLR8リガンドは、イミキモドである。イミキモドは式
の1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンであり、例えば特表平7−505883号公報(特許文献4)にその特徴および製造法が記載されている。
別の好ましい態様において、TLR7および/またはTLR8リガンドは、レシキモドである。レシキモドは式
の4−アミノ−2−(エトキシメチル)−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールである。
別の好ましい態様において、TLR7および/またはTLR8リガンドはTLR7−IIである。TLR7−IIは式、
で表される。
別の好ましい態様において、TLR7および/またはTLR8リガンドはブロピリミンである。ブロピリミンは式、
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「TLR9リガンド」は、Toll様受容体(TLR)9のリガンドを意味し、例えば、ODN1826等が含まれる。本発明において用いるTLR9リガンドは抽出物、生成物または合成品であってもよく、またこれらに限定されない。本発明の好ましい態様において、TLR9リガンドは、ODN1826である。
ODN1826は、以下の配列(配列番号2)からなるオリゴデオキシヌクレオチドである。
本明細書において使用するとき、用語「TLR2/6リガンド」は、Toll様受容体(TLR)2及びToll様受容体(TLR)6のヘテロダイマーのリガンドを意味し、例えばマイコプラズマの細胞壁由来のジアシル化リポタンパク及びその塩が含まれるが、これらは抽出物、生成物または合成品であってもよく、またこれらに限定されない。本発明の好ましい態様において、TLR2/6リガンドは、PamCSK、MALP−2及び/またはFSL−1である。
PamCSKは、次の式で表される。
FSL−1は、次の式で表される。
本明細書において使用するとき、用語「TLR5リガンド」は、Toll様受容体(TLR)5のリガンドを意味し、例えば、フラジェリン等が含まれる。本発明において用いるTLR5リガンドは抽出物、生成物または合成品であってもよく、またこれらに限定されない。本発明の好ましい態様において、TLR5リガンドは、フラジェリンである。
Toll様受容因子(TLR)は、そのin vivo活性化によって特異的サイトカイン、ケモカインおよび成長因子が関与する先天性免疫応答を開始させる、I型膜貫通タンパク質のファミリーである。全てのTLRが一定の細胞内シグナル伝達分子、例えば核性因子κB(NF−κB)およびマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPキナーゼ)などを活性化することができる一方で、放出されるサイトカインおよびケモカインの特異的集合物は各TLRに固有なようである。TLR1/2、TLR2/6、TLR4、TLR5は、免疫細胞(樹状細胞および単球など)はもちろん、粘膜上皮細胞等の一般的な細胞にまで広く発現している。これらは細菌の構成成分を認識し、炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−1、IL−6)の分泌を促進させる事が知られている。TLR4に関しては、別途I型インターフェロン(IFNαおよびIFNβ)の産生も促進させる事が知られている。TLR3、7、8、および9は、免疫細胞(樹状細胞および単球など)のエンドソーム区画またはリソソーム区画中に存在するTLRのサブファミリーを含む。具体的には、TLR3は、樹状細胞や繊維芽細胞など広範囲な細胞によって発現され、TLR7は、形質細胞様樹状細胞によって発現され、且つより少ない程度で単球によって発現され、TLR8は、単球ならびに単球由来樹状細胞および骨髄性樹状細胞によって発現され、TLR9は、形質細胞様樹状細胞によって発現される。このサブファミリーは、微生物核酸(一本鎖RNA、二本鎖RNA、一本鎖DNAなど)の認識を媒介する。TLR3、TLR7および/またはTLR8、TLR9のアゴニストは、種々の炎症性サイトカイン、例えばインターロイキン−6、インターロイキン−12、TNF−α、およびインターフェロン−γの産生を刺激する。かかるアゴニストはまた、共刺激分子、例えばCD40、CD80、およびCD86など、主要組織適合性複合体分子、およびケモカイン受容体の発現の増加を促進する。I型インターフェロン(IFNαおよびIFNβ)はまた、TLR7および/または8アゴニストでの活性化の際に細胞によって産生される。
本明細書において使用するとき、用語「環状ジヌクレオチド」は、2個のヌクレオチドの糖部分のOH基2個が、各々同一のリン酸分子に対してエステルを生成し、環状化した分子およびその類似体を意味し、例えば環状ジAMP(c−di−AMP、環状−di−AMP)、環状ジGMP(c−di−GMP、環状−di−GMP)、c−dGpGp、c−dGpdGp、c−GpAp、c−GpCp、c−GpUp等を含むが、これらに限定されない。環状ジヌクレオチドは、樹状細胞又はT細胞を活性化する。環状ジヌクレオチドのさらなる例、それらをアジュバントとして使用できること、およびそれらの製造方法は、特表2007−529531号公報(特許文献5)に記載されている。本発明の好ましい態様において、環状ジヌクレオチドは、環状ジGMP及び/又は環状ジAMPである。環状ジGMPは式
を有し、Kawai et al., Nucleic Acids Research Suppl.3:103−4にその合成方法が記載されている。
本明細書において使用するとき、用語「ヘルパーペプチド」は、ヘルパーT細胞を活性化するあらゆるペプチドを意味し、例えば結核菌由来ヘルパーペプチド、麻疹ウイルス由来ヘルパーペプチド、B型肝炎ウイルス由来ヘルパーペプチド、C型肝炎ウイルス由来ヘルパーペプチド、トラコーマクラミジア由来ヘルパーペプチド、熱帯性マラリア原虫スポロゾイド由来ヘルパーペプチド、keyhole limpet haemocyanin由来ヘルパーペプチド、破傷風毒素由来ヘルパーペプチド、百日咳毒素由来ヘルパーペプチド、ジフテリア毒素由来ヘルパーペプチド、癌細胞由来ヘルパーペプチド(例えば、IMA−MMP−001ヘルパーペプチド、CEA−006ヘルパーペプチド、MMP−001ヘルパーペプチド、TGFBI−004ヘルパーペプチド、HER−2/neu(aa776−790) ヘルパーペプチド、AE36ヘルパーペプチド、AE37ヘルパーペプチド、MET−005ヘルパーペプチド、BIR−002ヘルパーペプチドなど)、ユニバーサルヘルパーアナログ(例えばPADRE)を含む。本発明の好ましい態様において、ヘルパーペプチドは、10〜18個のアミノ酸、好ましくは12〜16個のアミノ酸、より好ましくは13〜15個のアミノ酸からなるものである。本発明の好ましい態様において、ヘルパーペプチドはPeptide−25またはPADREである。である。Peptide−25は、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)によって分泌される主要タンパク質の一つであるAg85Bのアミノ酸残基240〜254に対応する、配列Phe Gln Asp Ala Tyr Asn Ala Ala Gly Gly His Asn Ala Val Phe(配列番号3)からなる15アミノ酸のペプチドである。PADREは、配列D−Ala Lys cyclohexyl−Ala Val Ala Ala Trp Thr Leu Lys Ala Ala D−Alaからなる13アミノ酸のペプチドである(本願において、配列番号4として示す)。
また、本発明においては、上記のようなヘルパーペプチドに代えて、またはこれと組み合わせて、該ヘルパーペプチドの全部または一部のアミノ酸が置換や修飾等により改変されたペプチド(以下、「改変ヘルパーペプチド」と称する)も使用することができる。
改変ヘルパーペプチドには、例えば、
(a)元のヘルパーペプチドのアミノ酸配列において、1個から数個、例えば1個、2個、3個、4個または5個のアミノ酸が置換、欠失または付加されたアミノ酸配列からなるペプチド;および
(b)元のヘルパーペプチドのアミノ酸配列において、全部または一部のアミノ酸、例えば1個または複数個、例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個または15個のアミノ酸が修飾されたアミノ酸配列からなるペプチド
が含まれる。
改変ヘルパーペプチドが有し得るアミノ酸の「修飾」としては、これらに限定されないが、例えば、アセチル化、メチル化などのアルキル化、グリコシル化、ヒドロキシル化、カルボキシル化、アルデヒド化、リン酸化、スルホニル化、ホルミル化、ミリストイル化やパルミトイル化やステアロイル化のような脂肪鎖付加修飾、オクタノイル化、エステル化、アミド化、脱アミド化、シスチン修飾やグルタチオン修飾やチオグリコール酸修飾のようなジスルフィド結合形成修飾、糖化、ユビキチン化、スクシンイミド形成、グルタミル化、プレニル化等が挙げられる。また、改変ヘルパーペプチドは、1個以上のアミノ酸の置換、欠失または付加と、1個以上のアミノ酸の修飾を組み合わせて含むものであってもよい。
本明細書において使用するとき、用語「シクロオキシゲナーゼ阻害剤」は、シクロオキシゲナーゼ(COX)の機能を阻害する物質を意味する。以下、「COX阻害剤」とも称する。COX阻害剤には、特定のシクロオキシゲナーゼ(例えばCOX−1、COX−2)に選択的に作用するものや、選択性を有しないものがある。本発明において用い得るCOX阻害剤としては、エトドラク、ロキソプロフェン、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、メロキシカム、テノキシカム、ジクロフェナク、メフェナム酸、トルフェナム酸、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、ニフルム酸、ベンジダミン、インドブフェン、トリフルサール、トルメチン、フェノプロフェン、チアプロフェン酸、フェルビナク、ネパフェナク、アンフェナク、プラバドリン、ザルトプロフェン、スリンダク、ナブメトン、ジフルニサル、ピロキシカム、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、アスピリン、サリチル酸メチル、サリチルアミド、サルサラート、アロキシプリン、トルメチン、インドメタシン、プログルメタシン、アセメタシン、フルルビプロフェン、プラノプロフェン、アセトアミノフェン、フロクタフェニン、ロルノキシカム、テノキシカム、チアプロフェン酸、オキサプロジン、ケトプロフェン、デクスケトプロフェン、デキシブプロフェン、アルミノプロフェン、ケトロラク、モフェゾラク、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、ケトフェニルブタゾン、フェプラゾン、フェンブタゾン、エテンザミド、チアラミド、チノリジン、エピリゾール、エモルファゾンおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。本発明の好ましい態様において、COX阻害剤は、エトドラクおよび/またはロキソプロフェンである。
ロキソプロフェンは式

で表される。
本明細書において使用するとき、用語「プロスタグランジン受容体拮抗薬」は、プロスタグランジンが受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味し、例えばEP2受容体拮抗薬、EP4受容体拮抗薬、DP受容体拮抗薬、IP受容体拮抗薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「EP2受容体拮抗薬」は、プロスタグランジンE2がEP2受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。EP2受容体拮抗薬としては、AH6809およびその誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
AH6809は式

で表される。
本明細書において使用するとき、用語「EP4受容体拮抗薬」は、プロスタグランジンEがEP4受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。EP4受容体拮抗薬としては、GW627368Xおよびその誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
GW627368Xは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「DP受容体拮抗薬」は、プロスタグランジンDがDP受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。DP受容体拮抗薬としては、S−5751、BWA868Cおよびその誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
BWA868Cは式

で表される。
本明細書において使用するとき、用語「IP受容体拮抗薬」は、プロスタグランジンIがIP受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。IP受容体拮抗薬としては、RO1138452およびその誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
RO1138452は式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「プロスタグランジン受容体作動薬」は、当該物質自体がプロスタグランジン受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えばEP3受容体作動薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「EP3受容体作動薬」は、当該物質自体がEP3受容体に作用する機能を有する物質を意味する。EP3受容体作動薬としては、スルプロストン、GR63799、クロプロステノール、ONO−AE−248、カルバサイクリン、およびその誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
スルプロストンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「TSLP産生抑制剤」は、TSLPの産生を抑制する機能を有する物質を意味する。NF−kBを抑制するような薬剤も間接的にTSLP産生を抑制すると考えられる為、当該カテゴリーに含まれる。TSLP産生抑制剤としては、ナリンゲニン、ベルベリン、レスベラトロール、ルテオリン、アピゲニン、クリソエリオール、ベルチン、ルチン、ヘスペリジン、ケルセチン、ダイゼイン、ゲニステイン、ノスカピン、ジインドリルメタン、キサントン、パルテノリドおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ベルベリンは式

で表される。
本明細書において使用するとき、用語「アデニル酸シクラーゼ阻害剤」は、アデニル酸シクラーゼの活性を抑制する機能を有する物質を意味する。アデニル酸シクラーゼ阻害剤としては、2’,5’−ジデオキシアデノシン、ナイアシン、インスリン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
2’,5’−ジデオキシアデノシンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「オメガ3脂肪酸」は、不飽和脂肪酸の分類の1つで、ω−3位に炭素−炭素二重結合をもつ物を示す。オメガ3脂肪酸としては、エイコサペンタエン酸、α−リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
エイコサペンタエン酸は式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「PPAR作動薬」は、当該物質自体がペルオキシソーム増殖因子活性化受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えばPPAR−α作動薬、PPAR−δ作動薬、PPAR−γ作動薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「PPAR−α作動薬」は、当該物質自体がα型ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体に作用する機能を有する物質を意味する。用語「PPAR−δ作動薬」は、当該物質自体がδ型ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体に作用する機能を有する物質を意味する。用語「PPAR−γ作動薬」は、当該物質自体がγ型ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体に作用する機能を有する物質を意味する。PPAR−α作動薬、および/またはPPAR−δ作動薬、および/またはPPAR−γ作動薬としては、クロフィブラート、フェノフィブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート、エトフィブラート、テルミサルタン、オレイルエタノールアミド、テトラデシルチオ酢酸、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、バラグリタゾン、リボグリタゾン、シグリタゾン、ダルグリタゾン、エダグリタゾン、ネトグリダゾン、インデグリタザル、テサグリタザル、ムラグリタザル、アレグリタザルおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
クロフィブラートは式

で表される。
本明細書において使用するとき、用語「ドーパミン受容体拮抗薬」は、ドーパミンが受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味し、例えばD1受容体拮抗薬、D5受容体拮抗薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「D1受容体拮抗薬」は、ドーパミンがD1受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。D1受容体拮抗薬としては、ベンザゼピン、フェノルドパム、ロルカセリン、SCH23390、SCH39166、LE300およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ベンザゼピンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「D5受容体拮抗薬」は、ドーパミンがD5受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。D5受容体拮抗薬としては、SCH39166およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
SCH39166は式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「ドーパミン受容体作動薬」は、当該物質自体がドーパミン受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えばD2受容体作動薬、D3受容体作動薬、D4受容体作動薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「D2受容体作動薬」は、当該物質自体がD2受容体に作用する機能を有する物質を意味する。D2受容体作動薬としては、カベルゴリン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、ロピニロール、タリペキソール、アリピプラゾール、ルラシドン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ロピニロールは式

で表される。
本明細書において使用するとき、用語「D3受容体作動薬」は、当該物質自体がD3受容体に作用する機能を有する物質を意味する。D3受容体作動薬としては、ピリベジル、ロチゴチン、PD1289077、OH−DPATおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ロチゴチンは式
で表わされる。
本明細書において使用するとき、用語「D4受容体作動薬」は、当該物質自体がD4受容体に作用する機能を有する物質を意味する。D4受容体作動薬としては、フリバンセリン、ABT724、PD168077、CP226269およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
フリバンセリンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「ヒスタミン受容体拮抗薬」は、ヒスタミンが受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味し、例えばH1受容体拮抗薬、H2受容体拮抗薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「H1受容体拮抗薬」は、ヒスタミンがH1受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。H1受容体拮抗薬としては、ケタンセリン、トンジルアミン、メピラミン、トリペレナミン、ジメチンデン、クレマスチン、バミピン、イソチペンジル、クロルフェノキサミン、ジメトチアジン、クロルプロマジン、ヒドロキシジン、オピプラモール、ベタヒスチン、シンナリジン、レボカバスチン、アンタゾリン、ジフェニルピラリン、カルビノキサミン、ドキシラミン、アリメマジン、シクリジン、メクロジン、レボセチリジン、シプロヘプタジン、フェニンダミン、トリプロリジン、アザタジン、アステミゾール、テルフェナジン、アクリバスチン、エバスチン、デスロラタジン、ルパタジン、ビラスチン、ミゾラスチン、ノベラスチン、ロカスチン、テメラスチン、ベボタスチン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、ケトチフェン、プロメタジン、シプロヘプタジン、エピナスチン、オロパタジン、ベポタスチン、アステミゾール、エメダスチン、メキタジン、オキサトミド、ロラタジン、フェキソフェナジン、セチリジン、アゼラスチン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ジフェンヒドラミンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「H2受容体拮抗薬」は、ヒスタミンがH2受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。H2受容体拮抗薬としては、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、ロキサチジン、ラフチジン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ファモチジンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「ヒスタミン受容体作動薬」は、当該物質自体がヒスタミン受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えばH1受容体作動薬、H3受容体作動薬、H4受容体作動薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「H1受容体作動薬」は、当該物質自体がH1受容体に作用する機能を有する物質を意味する。H1受容体作動薬としては、2−ピリジルエチルアミン、2−チアゾリルエチルアミンおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
2−ピリジルエチルアミンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「H3受容体作動薬」は、当該物質自体がH3受容体に作用する機能を有する物質を意味する。H3受容体作動薬としては、Immethridine、Imetit、Immepip、α−メチルヒスタミン、プロキシファン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
プロキシファンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「H4受容体作動薬」は、当該物質自体がH4受容体に作用する機能を有する物質を意味する。H4受容体作動薬としては、4−メチルヒスタミン、VUF8430、Immepipおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
4−メチルヒスタミンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「セロトニン受容体拮抗薬」は、セロトニンが受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味し、例えば5−HT2受容体拮抗薬、5−HT4受容体拮抗薬、5−HT6受容体拮抗薬、5−HT7受容体拮抗薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「5−HT2受容体拮抗薬」は、セロトニンが5−HT2受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。5−HT2受容体拮抗薬としては、ピゾチフェン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール、ブロナンセリン、クロザピン、パリペリドン、リタンセリン、ヨヒンビン、メスレルギン、アゴメラチン、シクロベンザプリン、サルポグレラート、メチセルギド、ケタンセリンおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
オランザピンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「5−HT4受容体拮抗薬」は、セロトニンが5−HT4受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。5−HT4受容体拮抗薬としては、ピボセロド、GR113808、GR125487、RS39604、SB204070およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ピボセロドは式

で表される。
本明細書において使用するとき、用語「5−HT6受容体拮抗薬」は、セロトニンが5−HT6受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。5−HT6受容体拮抗薬としては、セルラピルジン、クロザピンおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
セルラピルジンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「5−HT7受容体拮抗薬」は、セロトニンが5−HT7受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。5−HT7受容体拮抗薬としては、ルラシドン、メテルゴリンおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
メテルゴリンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「セロトニン受容体作動薬」は、当該物質自体がセロトニン受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えば5−HT1受容体作動薬、5−HT2受容体作動薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「5−HT1受容体作動薬」は、当該物質自体が5−HT1受容体に作用する機能を有する物質を意味する。5−HT1受容体作動薬としては、ピクロゾタン、タンドスピロン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、アビトリプタン、エルゴタミン、麦角アルカロイドおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ゾルミトリプタンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「5−HT2受容体作動薬」は、当該物質自体が5−HT2受容体に作用する機能を有する物質を意味する。5−HT2受容体作動薬としては、α―メチル−5−HT、アゴメラチン、ノルフェンフルラミン、メタクロロフェニルピペラジンおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
アゴメラチンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「バソプレシン受容体拮抗薬」は、バソプレシンが受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味し、例えばV2受容体拮抗薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「V2受容体拮抗薬」は、バソプレシンがV2受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。V2受容体拮抗薬としては、トルバプタン、モザバプタン、コニバプタン、リキシバプタン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
モザバプタンは式

で表される。
本明細書において使用するとき、用語「バソプレシン受容体作動薬」は、当該物質自体がバソプレシン受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えばV1受容体作動薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「V1受容体作動薬」は、当該物質自体がV1受容体に作用する機能を有する物質を意味する。V1受容体作動薬としては、バソプレシン、フェリプレシン、デスモプレシン、ライプレシン、テルリプレシン、オルニプレシン、アルギプレシン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
デスモプレシンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「ムスカリン受容体拮抗薬」は、アセチルコリンがムスカリン受容体に作用するするのを妨げる機能を有する物質を意味し、例えばM1受容体拮抗薬、M3受容体拮抗薬、M5受容体拮抗薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「M1受容体拮抗薬」は、アセチルコリンがM1受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。用語「M3受容体拮抗薬」は、アセチルコリンがM3受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。用語「M5受容体拮抗薬」は、アセチルコリンがM5受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。M1受容体拮抗薬、および/またはM3受容体拮抗薬、および/またはM5受容体拮抗薬としては、ピレンゼピン、アトロピン、トリメブチン、ピペリドレート、オキシブチニン、トロピカミド、プロピベリン、トルテロジン、ソリフェナシン、ダリフェナシン、イミダフェナシン、オキシフェンサイクリミン、チオトロピウム臭化物、エスオキシブチニン、チキジウム、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
オキシブチニンは式

で表される。
本明細書において使用するとき、用語「ムスカリン受容体作動薬」は、当該物質自体がムスカリン受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えばM1受容体作動薬、M2受容体作動薬、M3受容体作動薬、M4受容体作動薬、M5受容体作動薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「M1受容体作動薬」は、当該物質自体がM1受容体に作用する機能を有する物質を意味する。用語「M2受容体作動薬」は、当該物質自体がM2受容体に作用する機能を有する物質を意味する。用語「M3受容体作動薬」は、当該物質自体がM3受容体に作用する機能を有する物質を意味する。用語「M4受容体作動薬」は、当該物質自体がM4受容体に作用する機能を有する物質を意味する。用語「M5受容体作動薬」は、当該物質自体がM5受容体に作用する機能を有する物質を意味する。M1受容体作動薬、および/またはM2受容体作動薬、および/またはM3受容体作動薬、および/またはM4受容体作動薬、および/またはM5受容体作動薬としては、アセチルコリン、アセクリジン、アルバメリン、タルサクリジン、キサノメリン、ピロカルピン、セビメリン、ベタネコール、マザチコール、ムスカリンおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ベタネコールは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「アドレナリン受容体拮抗薬」は、アドレナリンが受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味し、例えばα1受容体拮抗薬、β1受容体拮抗薬、β2受容体拮抗薬、β3受容体拮抗薬を含む。
本明細書において使用するとき、用語「α1受容体拮抗薬」は、アドレナリンがα1受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。α1受容体拮抗薬としては、プラゾシン、ドキサゾシン、ブナゾシン、トリマゾシン、アルフゾシン、シロドシン、テラゾシン、タムスロシン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
タムスロシンは式

で表される。
本明細書において使用するとき、用語「β1受容体拮抗薬」は、アドレナリンがβ1受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。用語「β2受容体拮抗薬」は、アドレナリンがβ2受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。用語「β3受容体拮抗薬」は、アドレナリンがβ3受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。β1受容体拮抗薬、および/またはβ2受容体拮抗薬、および/またはβ3受容体拮抗薬としては、ボピンドロール、ピンドロール、チモロール、ジクロロイソプレナリン、アルプレノロール、カルテオロール、インデノロール、ブニトロロール、ペンブトロール、プロプラノロール、ナドロール、ニプラジロール、チリソロール、アセブトロール、セリプロロール、メトプロロール、アテノロール、ビソプロロール、ベタキソロール、プラクトロール、ベバントロール、ブトキサミン、カルベジロール、アモスラロール、アロチノロール、ラベタロール、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
プロプラノロールは式

で表される。
本明細書において使用するとき、用語「アンジオテンシン受容体作動薬」は、当該物質自体がアンジオテンシン受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えばAT2受容体作動薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「アドレナリン受容体作動薬」は、当該物質自体がアドレナリン受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えばα1受容体作動薬、α2受容体作動薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「α1受容体作動薬」は、当該物質自体がα1受容体に作用する機能を有する物質を意味する。用語「α2受容体作動薬」は、当該物質自体がα2受容体に作用する機能を有する物質を意味する。α1受容体作動薬、および/またはα2受容体作動薬としては、ノルエピネフリン、ノルフェネフリン、エチレフリン、ナファゾリン、フェニレフリン、ミドドリン、メトキサミン、オキセドリン、メタラミノール、アルブタミン、エフェドリン、オキシメタゾリン、テトリゾリン、キシロメタゾリン、トラマゾリン、プソイドエフェドリン、ジピベフリン、アミデフリン、メチルエフェドリン、リルメニジン、ブリモニジン、メデトミジン、キシラジン、チザニジン、グアンファシン、メチルドーパ、グアナベンズ、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
キシラジンは式
で表わされる。
本明細書において使用するとき、用語「アンジオテンシン受容体作動薬」は、当該物質自体がアンジオテンシン受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えばAT2受容体作動薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「AT2受容体作動薬」は、当該物質自体がAT2受容体に作用する機能を有する物質を意味する。AT2受容体作動薬としては、ノボキニン、アンジオテンシンおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
アンジオテンシンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「GABA受容体作動薬」は、当該物質自体がGABA受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えばGABA受容体作動薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「GABA受容体作動薬」は、当該物質自体がGABA受容体に作用する機能を有する物質を意味する。GABA受容体作動薬としては、バクロフェン、γ−アミノ酪酸、アルバクロフェンおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
バクロフェンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「トロンビン受容体拮抗薬」は、トロンビンが受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味し、例えばPAR−1受容体拮抗薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「PAR−1受容体拮抗薬」は、トロンビンがPAR−1受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。PAR−1受容体拮抗薬としては、ボラパクサール、アトパキサ、FR171113、RWJ56110、ダビガトラン、ダビガトランエテキシレート、メラガトラン、キシメラガトラン、ヒルジン、ヒロログ、アルガトロバンおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ボラパクサールは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「トロンビン受容体作動薬」は、当該物質自体がトロンビン受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えばPAR−1受容体作動薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「PAR−1受容体作動薬」は、当該物質自体がPAR−1受容体に作用する機能を有する物質を意味する。PAR−1受容体作動薬としては、TRAP−6、TRAP−14、NAT6−NHおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
TRAP−6は式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「オピオイド受容体作動薬」は、当該物質自体がオピオイド受容体に作用する機能を有する物質を意味する。オピオイド受容体作動薬としては、トリメブチン、アルビモパン、モルフィン、オキシコドン、ジヒドロコデイン、ジアモルフィン、ペチジン、ペンタゾシン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィン、チリジン、デゾシン、メプタジノール、タペンタドール、ナルトレキソン、メタドン、エチルモルフィン、ヒドロコドン、アセチルジヒドロコデイン、ナロルフィン、ロペラミド、レモキシプリド、オピプラモール、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ブプレノルフィンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「ロイコトリエン受容体拮抗薬」は、ロイコトリエンが受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味し、例えばCysLT1受容体拮抗薬、CysLT2受容体拮抗薬を含む。
本明細書において使用するとき、用語「CysLT1受容体拮抗薬」は、ロイコトリエンがCysLT1受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。用語「CysLT2受容体拮抗薬」は、ロイコトリエンがCysLT2受容体に作用するのを妨げる機能を有する物質を意味する。CysLT1受容体拮抗薬、および/またはCysLT2受容体拮抗薬としては、モンテルカスト、ザフィルルカスト、プランルカスト、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。例えば、モンテルカストの薬理学的に許容される塩としては、モンテルカストナトリウムなどが挙げられる。
モンテルカストナトリウムは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「ロイコトリエン受容体作動薬」は、当該物質自体がロイコトリエン受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えばBLT受容体作動薬を含む。
本明細書において使用するとき、用語「BLT受容体作動薬」は、当該物質自体がBLT受容体に作用する機能を有する物質を意味する。BLT受容体作動薬としては、ロイコトリエンB4、CAY10583およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ロイコトリエンB4は式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「ADP受容体作動薬」は、当該物質自体がADP受容体に作用する機能を有する物質を意味する。ADP受容体作動薬としては、アデノシン二リン酸、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
アデノシン二リン酸は式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「メラトニン受容体作動薬」は、当該物質自体がメラトニン受容体に作用する機能を有する物質を意味する。メラトニン受容体作動薬としては、メラトニン、ペルラピン、タシメルテオン、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
メラトニンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「ソマトスタチン受容体作動薬」は、当該物質自体がソマトスタチン受容体に作用する機能を有する物質を意味する。ソマトスタチン受容体作動薬としては、ソマトスタチン、ソマトスタチン-14、オクトレオチド、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
オクトレオチドは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「カンナビノイド受容体作動薬」は、当該物質自体がカンナビノイド受容体に作用する機能を有する物質を意味する。カンナビノイド受容体作動薬としては、ドロナビノール、ナビロン、レボナントラドール、オテナバント、GW833972A、GW405833、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ドロナビノールは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬」は、当該物質自体がスフィンゴシン1リン酸受容体に作用する機能を有する物質を意味する。スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬としては、フィンゴリモド、ポネシモド、RPC−1063、ONO−4641、SEW2871、スフィンゴシン1リン酸およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
フィンゴリモドは式

で表される。
本明細書において使用するとき、用語「代謝型グルタミン酸受容体作動薬」は、当該物質自体が代謝型グルタミン酸受容体に作用する機能を有する物質を意味し、例えばmGluR2受容体作動薬、mGluR3受容体作動薬、mGluR4受容体作動薬、mGluR6受容体作動薬、mGluR7受容体作動薬、mGluR8受容体作動薬、を含む。
本明細書において使用するとき、用語「mGluR2受容体作動薬」は、当該物質自体がmGluR2受容体に作用する機能を有する物質を意味する。用語「mGluR3受容体作動薬」は、当該物質自体がmGluR3受容体に作用する機能を有する物質を意味する。用語「mGluR4受容体作動薬」は、当該物質自体がmGluR4受容体に作用する機能を有する物質を意味する。用語「mGluR6受容体作動薬」は、当該物質自体がmGluR6受容体に作用する機能を有する物質を意味する。用語「mGluR7受容体作動薬」は、当該物質自体がmGluR7受容体に作用する機能を有する物質を意味する。用語「mGluR8受容体作動薬」は、当該物質自体がmGluR8受容体に作用する機能を有する物質を意味する。mGluR2受容体作動薬、および/またはmGluR3受容体作動薬、および/またはmGluR4受容体作動薬、および/またはmGluR6受容体作動薬、および/またはmGluR7受容体作動薬、および/またはmGluR8受容体作動薬、としては、VU0361737、VU0155041、ビフェニルインダノンA、PBDA、L−AP4、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
VU0361737は式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「ホスホリパーゼA2阻害剤」は、ホスホリパーゼA2の活性を抑制する機能を有する物質を意味する。ホスホリパーゼA2阻害剤としては、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
グリチルレチン酸は式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「TGF−β産生抑制剤」は、TGF−βの産生を抑制する機能を有する物質を意味する。TGF−β産生抑制剤としては、ピルフェニドン、トラニラスト、およびその誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。
ピルフェニドンは式
で表される。
本明細書において使用するとき、用語「Th2サイトカイン阻害剤」は、IL−4、IL−5といったTh2サイトカインの産生を抑制する機能を有する物質を意味する。Th2サイトカイン阻害剤としては、スプラタストおよびその誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。スプラタストの薬理学的に許容される塩としては、例えばトシル酸スプラタストが挙げられる。本発明の好ましい態様において、Th2サイトカイン阻害剤はトシル酸スプラタストである。
トシル酸スプラタストは式
で表される。
本明細書において使用するとき、本発明の組成物に含有させ得る、第二の細胞性免疫誘導促進剤としての、「薬理学的に許容される酸」とは、投与対象に有害な作用を及ぼさず、かつ、該組成物中の成分の薬理活性を消失させない酸を意味する。本発明の好ましい態様において、薬理学的に許容される酸は有機酸であり、より好ましくはカルボキシル基を含む有機化合物またはスルホン酸基を含む有機化合物であり、より好ましくは飽和直鎖部分の炭素数が8〜20である飽和または不飽和の直鎖または分岐脂肪酸または乳酸またはリンゴ酸またはサリチル酸またはマレイン酸またはクエン酸、またはスルホン酸基を含む有機化合物であり、より好ましくは飽和直鎖部分の炭素数が8〜16である飽和または不飽和の直鎖または分岐脂肪酸または乳酸またはリンゴ酸またはサリチル酸またはマレイン酸またはクエン酸、またはスルホン酸基を含む有機化合物であり、さらに好ましくはデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸からなる群より選択される脂肪酸、または乳酸またはサリチル酸またはクエン酸またはメタンスルホン酸である。
本明細書において使用するとき、本発明の組成物に含有させ得る「薬理学的に許容される塩」とは、投与対象に有害な作用を及ぼさず、かつ、該組成物中の成分の薬理活性を消失させない塩を意味し、無機酸塩(例えば塩酸塩やリン酸塩)、有機酸塩(例えば酢酸塩やフタル酸塩、TFA塩)、金属塩(アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩)、アルミニウム塩など)、アミン塩(トリエチルアミン塩、ベンジルアミン塩、ジエタノールアミン塩、t−ブチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、アルギニン塩、ジメチルアンモニウム塩、アンモニウム塩など)を含むが、これらに限定されない。
本明細書において使用するとき、用語「免疫調節低分子薬物」は、T細胞、NK細胞、マクロファージ等の免疫細胞を活性化または抑制する物質のうち、上述したTLRリガンド、環状ジヌクレオチド、ヘルパーペプチド、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、およびTh2サイトカイン阻害剤のいずれにも該当しないものを意味する。免疫調節低分子薬物としては、例えば、ベスタチン、ピドチモド、レバミゾール、ゴロチモド、ホルフェニシノール、およびそれらの誘導体、ならびにそれらの薬理学的に許容される塩などが挙げられる。例えば、レバミゾールの薬理学的に許容される塩としては、レバミゾール塩酸塩などが挙げられる。
ベスタチンは式
で表される。
ピドチモドは式

で表される。
レバミゾール塩酸塩は式
で表される。
本発明において、免疫調節低分子薬物は、通常、分子量1000未満、好ましくは500未満の化合物である。本発明の好ましい態様において、免疫調節低分子薬物は、ベスタチン、ピドチモドおよびレバミゾール塩酸塩からなる群より選択される1種以上の化合物である。
本発明は、上記の通り、種々の細胞性免疫誘導促進剤の中でもTLRリガンド、環状ジヌクレオチド、ヘルパーペプチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、およびTh2サイトカイン阻害剤がHER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドの粘膜投与にとりわけ好適であることを見出したものであり、したがって、一つの態様において、本願発明の細胞性免疫誘導促進剤は、それらから選択される1種以上の物質である。本願発明の特に好ましい態様において、細胞性免疫誘導促進剤は、TLRリガンド、環状ジヌクレオチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、およびTh2サイトカイン阻害剤から選択される1種以上の物質とヘルパーペプチドとの組合せである。細胞性免疫の誘導を定量的に測定する方法としては様々なものが開発されており、そのいずれか1つまたはそれ以上、例えば実施例に記載のELISPOT法を用いてよい。
本明細書において使用するとき、非侵襲的投与とは、物理的刺激および/または化学的刺激、好ましくは物理刺激(例えば粘膜剥離処理、粘膜損傷処理、粘膜穿孔処理)を積極的に粘膜に与えることなく、投与することを意味する。
本明細書において使用するとき、用語「癌」は、HER2/neu遺伝子の異常な発現、例えば過剰発現を伴う癌、例えば腺癌を意味する。HER2/neu遺伝子の異常な発現を伴う腺癌には、例えば乳癌や前立腺癌等が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において使用するとき、用語「遺伝子の異常な発現」は、ある細胞におけるその遺伝子の発現レベルが、同じ組織の他の細胞と比較して、顕著に、例えば2倍以上、例えば4倍以上、上昇または低下していることを意味する。用語「過剰発現」は、異常な発現が発現レベルの上昇であることを意味する。遺伝子の発現レベルは、当該技術分野で周知のいずれかの方法を用いて、容易に測定できる。
本明細書において使用するとき、用語「対象」は、HER2/neu遺伝子を有するいずれかの動物、典型的にはヒトを含む哺乳類、例えばマウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、サル、チンパンジー等を意味する。特に好ましい対象は、ヒトである。
II.粘膜投与用癌ワクチン組成物
HER2/neu E75ペプチドが癌ワクチンとして有用なことは、既に明らかにされている(非特許文献3、非特許文献4)。
本明細書において使用するとき、用語「粘膜投与用」組成物は、粘膜投与、例えば舌下、経鼻、頬側、直腸または膣投与に通常使用されるいずれかの製剤を意味し、例えばゲル剤(ゼリー剤)、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤などの半固形剤、液剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、フィルム剤や錠剤、口腔内崩壊錠等の固形製剤、エアゾール剤のような粘膜用スプレー剤、吸引剤等であってよい。これらの組成物の区分、定義、性質、製法等は、当該技術分野において周知であり、例えば日本薬局方第16版を参照されたい。
例えば液剤用溶媒としては、適量の水又はエタノール、グリセリン、プロピレングリコール等の溶媒を用いることができ、当該溶媒に成分を分散または溶解させて液剤を調製する事ができる。
例えばゲル剤(ゼリー剤)用基剤としては、ヒドロゲル基剤としてのカルボキシビニルポリマー、ゲルベース、無脂肪性軟膏、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デンプン、キサンタンガム、カラヤガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、トラガント、アラビアゴム、タラガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、寒天、ジェランガム、グルコマンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、カラギーナン、デキストリン、デキストラン、アミロース、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、プルラン、キトサン、カルボキシメチルスターチナトリウム、プランタゴ種皮、ガラクトマンナン、オイドラギット、カゼイン、アルギン酸アルキルエステル、ゼラチン、ポリエチレングリコール等を用いることができる。これらの基材を溶媒に溶解し流動性のあるゲル剤や成形性があるゲル剤を調製する事ができる。溶媒としては、好ましくは水であるが、グリセリンやプロピレングリコールも用いる事ができる。
例えばクリーム剤用基剤としては、親水軟膏、バニシングクリーム等の水/油型基剤;親水ワセリン、精製ラノリン、アクアホール、オイセリン、ネオセリン、加水ラノリン、コールドクリーム、親水プラスチベース等の油/水型基剤が挙げられる。これらの基材を油脂系溶媒または水に入れ、ホモジナイザー等で高速攪拌させる事によりクリーム剤を調製する事ができる。
例えばフィルム剤用基剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デンプン、キサンタンガム、カラヤガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カンテン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、トラガント、アラビアゴム、ローカストビーンガム、グアーガム、カラギーナン、デキストリン、デキストラン、アミロース、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、プルラン、キトサン、カルボキシメチルスターチナトリウム、プランタゴ種皮、ガラクトマンナン、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、メチルアクリレート・メタクリル酸・メチルメタアクリレートコポリマー、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、カゼイン、アルギン酸アルキルエステル等が挙げられる。これらの基材を水又はエタノール等の極性有機溶媒に溶解し、薄膜塗工後、乾燥させる事によりフィルム剤を調製する事ができる。一つの好ましい態様において、本発明の粘膜投与用ワクチン組成物は、フィルム状製剤の形態である。
例えば散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤用添加剤としては、乳糖やコーンスターチ、結晶セルロースといった賦形剤、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム等の結合剤、さらに適量の水又はエタノール等の溶媒を用い、混合攪拌した後、造粒、乾燥、打錠といった工程を組み合わせて調製する事ができる。必要であればステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ショ糖等のコーティング剤を添加してもよい。
例えば口腔内崩壊錠(凍結乾燥型)用基材としては、ゼラチンやプルラン等の多糖類が挙げられる。また成形剤としてマンニトール、トレハロース、ソルビトール、グリシン等を用いても良い。これら添加剤を水に溶解し、分注後凍結乾燥させる事により口腔内崩壊錠(凍結乾燥型)を調製する事ができる。一つの好ましい態様において、本発明の粘膜投与用ワクチン組成物は、口腔内崩壊錠の形態である。
例えばエアゾール剤としては、内容物として液剤や流動性が高いゲル剤、クリーム剤、散剤等の微粉末が挙げられる。これらを、噴霧デバイスを用いて気体中に固体または液体の微粒子を分散させる事により、効率良く口腔粘膜、経鼻粘膜といった投与部位に投与する事が可能である。
本発明の組成物中における、HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドならびに細胞性免疫誘導促進剤の割合は、特に限定されない。一つの態様において、本発明の組成物は、HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドを、組成物の総重量に基づき、好ましくは0.01〜40重量%、より好ましくは0.1〜30重量%含む。一つの態様において、本発明の組成物は、細胞性免疫誘導促進剤を、組成物の総重量に基づき、好ましくは0.001〜30重量%、より好ましくは0.01〜20重量%含む。
また、本発明の組成物は、必要に応じて、添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、基剤の主成分、HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチド、およびその細胞性免疫誘導促進剤との適合性、意図する投与レジメン等に応じて、例えば、等張化剤、防腐・殺菌剤、酸化防止剤、溶解剤、溶解補助剤、懸濁化剤、充填剤、pH調節剤、安定化剤、吸収促進剤、放出速度制御剤、着色剤、可塑剤、粘着剤等、あるいはそれらの2種以上の組合せから選択される。
HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドの治療上有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的な健康ならびに他の既知の要因に依存して広範に変化し得るが、一般に、1日用量約0.1μg〜1g/kg体重で満足のいく結果が得られる。細胞性免疫誘導促進剤はHER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドと同時または逐次的に、好ましくは同時に投与される。細胞性免疫誘導促進剤の有効量は、用いる具体的な細胞性免疫誘導促進剤、他の細胞性免疫誘導促進剤の有無などに依存して広範に変化し得るが、1日用量0.01μg〜1g/kg体重で満足のいく結果が得られる。1日用量は、1回で投与してもよいが、2回以上、例えば2回、3回、4回または5回などの複数回に分けて投与してもよい。投与間隔は任意であるが例えば1日1回、3日に1回、1週間に1回、2週間に1回、1月に1回、3月に1回、6月に1回、1年に1回またはそれ以上から、患者の状態、癌の重症度、治療目的か予防目的か等に応じて、適宜選択される。一般に、重度の癌を現実に有する患者の治療目的では、より高頻度、高用量でHER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドを投与し、癌を有さない患者の予防目的では、より低頻度、低用量でHER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチドを投与する。
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
クロフィブラート:LKT Laboratories製、ケルセチン:Cayman Chemical製、レスベラトロール(レスベラトロール(合成品)):和光純薬製、ノスカピン:和光純薬製、3,3’−ジインドリルメタン:和光純薬製、キサントン:和光純薬製、パルテノリド:和光純薬製、エトドラク:和光純薬製、ロキソプロフェン(ロキソプロフェンNa):陽進堂製、ジクロフェナク(ジクロフェナクナトリウム):和光純薬製、ケトプロフェン:和光純薬製、セレコキシブ:TOCRIS bioscience製、ドコサヘキサエン酸:Cayman Chemical製、2’,5’-ジデオキシアデノシン:BIOMOL International製、SCH23390:和光純薬製、ロチゴチン:STARNASCENS製、GW627368X:Cayman Chemical製、スルプロストン:Cayman Chemical製、クロプロステノール:和光純薬製、BWA868C:Cayman Chemical製、RO1138452:Cayman Chemical製、ロイコトリエンB4:Cayman Chemical製、モンテルカスト(モンテルカストナトリウム):LG Life Sciences製 、ジレウトン:Toronto Research Chemicals製、グリチルリチン酸(グリチルリチン酸二カリウム):和光純薬製、ピルフェニドン:TOCRIS bioscience製、ジフェンヒドラミン(ジフェンヒドラミン塩酸塩):和光純薬製、ファモチジン:和光純薬製、イムピップ(イムピップ二臭化水素酸塩):TOCRIS bioscience製、プロキシファン:TOCRIS bioscience製、4−メチルヒスタミン:TOCRIS bioscience製、オランザピン:和光純薬製、ゾルミトリプタン:Cipla製、トルバプタン:Sigma−Aldrich製、デスモプレシン:Sigma−Aldrich製、オキシブチニン(オキシブチニン塩酸塩):SIGMA製、ピロカルピン(塩酸ピロカルピン):和光純薬製、タムスロシン(タムスロシン塩酸塩):Cipla製、プロプラノロール(塩酸プロプラノロール):和光純薬製、キシラジン:和光純薬製、ノボキニン:Sigma−Aldrich製、バクロフェン:東京化成製、メラトニン:LKT Labs製、TRAP−6:Bachem製、アデノシン二リン酸:MP Biomedicals製、ソマトスタチン−14:Bachem製、GW405833:Sigma−Aldrich製、SEW2871:Cayman Chemical製、トリメブチン(マレイン酸トリメブチン):東京化成製、ロペラミド(ロペラミド塩酸塩):和光純薬製、メラトニン:LKT Labs製、L−AP4(L―2―アミノ−4−ホスホノ酪酸):和光純薬製、トシル酸スプラタスト:TOCRIS bioscience製を用いた。
舌下投与液剤
下記表1の組成を有する液剤を製造し、マウス免疫試験の投与サンプルとした。具体的には、表1に記載される配合量のHER2/neu E75ペプチド(TFA塩)および細胞性免疫誘導促進剤ならびに所望により薬理学的に許容される酸に、20重量部の添加剤(DMSO)および基剤としての生理食塩水を添加して合計100重量部とし、混和して舌下投与液剤を調製した。
HER2/neu E75ペプチドおよびPeptide−25はいずれも化学合成し、HPLC精製したものを用いた。イミキモドは東京化成工業から購入した。環状ジGMP(c−di−GMP)および環状ジAMP(c−di−AMP)はBiolog Life Science Institute社から購入した。PamCSKはInvivoGen製のもの、Zymosanはナカライテスク製のもの、Poly(I:C)はInvivoGen製のもの、パントエア菌由来リポポリサッカライドは自然免疫応用技研製のもの、グルコピラノシルリピッドはInvivoGen製のもの(MPLAs)、レシキモド(R848)およびODN1826はInvivoGen製のもの、ピドチモドはSanta Cruz Biotechnology製のもの、ベスタチンは和光純薬製のもの、レバミゾール塩酸塩はMP Biomedical製のもの、ペプチドグリカンはInvivoGen製のもの、PamCSKはInvivoGen製のもの、フラジェリンはInvivoGen製のもの、をそれぞれ用いた。
フィルム剤
下記表1の組成を有するフィルム剤を製造した。具体的には、D−マンニトール(ロケット製)46重量部及びポリエチレングリコール400(和光純薬製)2.6重量部に精製水150重量部を添加し、超音波攪拌した。ここにヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製、HPC−SSL)46重量部、HER2/neu E75ペプチド(TFA塩)(化学合成・HPLC精製品)5重量部、Peptide−25(化学合成・HPLC精製品)0.3重量部、およびヘルパーペプチド以外の細胞性免疫誘導促進剤0.1重量部を添加し、十分に攪拌混合した。当該溶液の1/100量(2.5重量部)をポリエチレンテレフタレート製剥離フィルム上に滴下し、風乾及び減圧乾燥し、1重量部のフィルム状製剤を得た。後述のマウス免疫試験においては、各フィルム状製剤をマウス1匹あたり1枚(10mg)/回投与した。細胞性免疫誘導促進剤の入手元は上記舌下投与液剤の場合と同様である。
口腔内崩壊錠
下記表1の組成を有する口腔内崩壊錠を製造した。具体的には、D−マンニトール(ロケット製)48.6重量部及び水溶性魚由来ゼラチン46重量部を取り、精製水400重量部に加え、35℃下で溶解した。ここにHER2/neu E75ペプチド(TFA塩)(化学合成・HPLC精製品)5重量部、Peptide−25(化学合成・HPLC精製品)0.3重量部、およびヘルパーペプチド以外の細胞性免疫誘導促進剤0.1重量部を添加し、十分に攪拌混合した。当該溶液の1/100量(5重量部)をアルミ箔上に滴下し、凍結乾燥処理を行い、1重量部の口腔内崩壊錠を得た。後述のマウス免疫試験においては、各口腔内崩壊錠をマウス1匹あたり1錠(10mg)/回投与した。細胞性免疫誘導促進剤の入手元は上記舌下投与液剤の場合と同様である。
マウス免疫試験1(舌下投与)
上記舌下投与液剤、フィルム剤および口腔内崩壊錠について、マウス免疫試験を行った。試験は、ELISPOT法によって行った。具体的には、1回投与の場合には、マウスに麻酔をした後に、舌下部に液剤、フィルム剤または口腔内崩壊錠を投与し、2分間そのまま維持させた後、6日間飼育した。2回投与の場合には1回目の投与から6日後に同様に上記操作を繰り返した。最後に投与した日から6日後に脾臓を摘出し、以下に記載するELISPOT法で抗原特異的な細胞性免疫誘導レベルを評価した。
(ELISPOT法)
摘出した脾臓から、脾細胞懸濁液を調製した。抗マウスIFN-γ抗体を固定化したELISPOTプレートのウェルに、脾細胞(3×10cells/well)と抗原ペプチド(100μM)とを培養液とともに入れ、37℃、5%COの培養条件にて20時間、共培養し、IFN−γ産生細胞スポット数(スポット数/3×10cells)を評価した。
免疫試験の結果を、投与量および投与回数と共に下記表1に示す。使用したマウスは、HLA−A0201型MHC拘束性ペプチドによる免疫誘導を評価可能な遺伝子改変マウスである。また、比較のため、後述の注射剤を用いた免疫の結果(比較例2)を表1の最後に記載する。
経鼻投与液剤
下記表2の組成を有する液剤を製造し、マウス免疫試験の投与サンプルとした。具体的には、表2に記載される配合量のHER2/neu E75ペプチドおよび細胞性免疫誘導促進剤に、20重量部の添加剤(DMSO)および基剤としての生理食塩水を添加して合計100重量部とし、混和して経鼻投与液剤を調製した。HER2/neu E75ペプチドおよび細胞性免疫誘導促進剤の入手元は上記舌下投与液剤の場合と同様である。
マウス免疫試験2(経鼻投与)
上記経鼻投与液剤について、マウス免疫試験を行った。試験は、ELISPOT法によって行った。具体的には、1回投与の場合には、マウスに麻酔をした後に、鼻腔から液剤を吸引させ、6日間飼育した。2回投与の場合には1回目の投与から6日後に同様に上記操作を繰り返した。最後に投与した日から6日後に脾臓を摘出し、ELISPOT法で抗原特異的な細胞性免疫誘導レベルを評価した。ELISPOT法は上記マウス免疫試験1と同様の方法で行った。
免疫試験の結果を、投与量および投与回数と共に下記表2に示す。使用したマウスは、HLA−A0201型MHC拘束性ペプチドによる免疫誘導を評価可能な遺伝子改変マウスである。また、比較のため、後述の注射剤を用いた免疫の結果(比較例2)を表2の最後に記載する。
皮下注射剤
下記表3の組成を有する皮下注射剤を調製し、免疫実験の投与サンプルとした。具体的には、表3に記載される配合量のHER2/neu E75ペプチドおよびアジュバントとしてのMontanide ISA51VG(フロイント産業)に、0.5重量部の添加剤(DMSO)および基剤としての生理食塩水を添加して合計100重量部とし、混和して注射剤を調製した。HER2/neu E75ペプチドの入手元は上記舌下投与液剤の場合と同様である。
マウス免疫試験3(皮下注射)
上記皮下注射剤について、マウス免疫試験を行った。試験は、ELISPOT法によって行った。具体的には、マウス背部皮下に200μLを注射投与した後、6日間飼育した。投与日から6日後に脾臓を摘出し、ELISPOT法で抗原特異的な細胞性免疫誘導レベルを評価した。投与回数は1回とした。使用したマウスはHLA−A0201型MHC拘束性ペプチドによる免疫誘導を評価可能な遺伝子改変マウスである。ELISPOT法は上記マウス免疫試験1と同様の方法で行った。免疫試験の結果を下記表3に示す。
HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチド;ならびに第一の細胞性免疫誘導促進剤を含む粘膜投与用癌ワクチン組成物について、舌下(表1)あるいは経鼻(表2)に投与し、有効な第一の細胞性免疫誘導促進剤を評価した。
その結果、TLRリガンド、環状ジヌクレオチド、ヘルパーペプチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、Th2サイトカイン阻害剤およびそれらの2種以上の組合せから選択される細胞性免疫誘導促進剤が好ましかった。
好ましくは、TLRリガンド、環状ジヌクレオチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、TSLP産生抑制剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、PPAR作動薬、TGF-β産生抑制剤、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体拮抗薬、オピオイド受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬およびそれらの2種以上の組合せから選択される第一の細胞性免疫誘導促進剤、並びにヘルパーペプチド以外のそれらの第一の細胞性免疫誘導促進剤とヘルパーペプチドとの組合せが有効であった。
舌下において、さらに好ましくは、TLR4リガンド、TLR7および/またはTLR8リガンド、環状ジヌクレオチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、TSLP産生抑制剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、PPAR作動薬、TGF-β産生抑制剤、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体拮抗薬、オピオイド受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬およびそれらの2種以上の組合せから選択される第一の細胞性免疫誘導促進剤、並びにヘルパーペプチド以外のそれらの第一の細胞性免疫誘導促進剤とヘルパーペプチドとの組合せが有効であった。
経鼻において、さらに好ましくは、TLR4リガンド、TLR1/2リガンド、TLR3リガンド、環状ジヌクレオチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、TSLP産生抑制剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、PPAR作動薬、TGF-β産生抑制剤、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体拮抗薬、オピオイド受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬およびそれらの2種以上の組合せから選択される第一の細胞性免疫誘導促進剤、並びにヘルパーペプチド以外のそれらの第一の細胞性免疫誘導促進剤とヘルパーペプチドとの組合せが有効であった。
さらに第二の細胞性免疫誘導促進剤としての薬理学的に許容される酸またはその薬理学的に許容される塩を添加することにより免疫誘導促進することも確認した。
また、安全性の観点で鼻よりも舌下投与の方が好ましいが、投与簡便性や保存安定性の観点で好ましい剤型である、フィルム剤や口腔内崩壊錠でも強い免疫誘導を確認した。

Claims (7)

  1. (i)HER2/neu E75ペプチドおよび/または改変HER2/neu E75ペプチド;ならびに
    (ii)TLRリガンド、環状ジヌクレオチド、ヘルパーペプチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、Th2サイトカイン阻害剤、およびそれらの2種以上の組合せから選択される第一の細胞性免疫誘導促進剤
    を含む、細胞性免疫誘導のための粘膜投与用癌ワクチン組成物。
  2. さらに第二の細胞性免疫誘導促進剤としての薬理学的に許容される酸またはその薬理学的に許容される塩を含む、請求項1の粘膜投与用癌ワクチン組成物。
  3. 第一の細胞性免疫誘導促進剤がヘルパーペプチドである、請求項1または2の粘膜投与用癌ワクチン組成物。
  4. 第一の細胞性免疫誘導促進剤がTLRリガンド、環状ジヌクレオチド、免疫調節低分子薬物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、プロスタグランジン受容体拮抗薬、プロスタグランジン受容体作動薬、TSLP産生抑制剤、アデニル酸シクラーゼ阻害剤、オメガ3脂肪酸、PPAR作動薬、ドーパミン受容体拮抗薬、ドーパミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬、セロトニン受容体作動薬、セロトニン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体拮抗薬、バソプレシン受容体作動薬、ムスカリン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、アドレナリン受容体拮抗薬、アドレナリン受容体作動薬、アンジオテンシン受容体作動薬、GABA受容体作動薬、トロンビン受容体拮抗薬、トロンビン受容体作動薬、オピオイド受容体作動薬、ADP受容体作動薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、ソマトスタチン受容体作動薬、カンナビノイド受容体作動薬、スフィンゴシン1リン酸受容体作動薬、代謝型グルタミン酸受容体作動薬、ホスホリパーゼA2阻害剤、TGF−β産生抑制剤、およびTh2サイトカイン阻害剤からなる群より選択される1種以上とヘルパーペプチドとの組み合わせである、請求項1または2の粘膜投与用癌ワクチン組成物。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の組成物を含み、フィルム状製剤の形態である、粘膜投与用癌ワクチンフィルム剤。
  6. 請求項1〜4いずれかに記載の組成物を含み、液剤の形態である、粘膜投与用癌ワクチン液剤。
  7. 請求項1〜4いずれかに記載の組成物を含み、口腔内崩壊錠の形態である、粘膜投与用癌ワクチン口腔内崩壊錠。
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