JP2014168716A - ヒドロゲル眼内レンズおよびこれを形成するための方法 - Google Patents
ヒドロゲル眼内レンズおよびこれを形成するための方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014168716A JP2014168716A JP2014123992A JP2014123992A JP2014168716A JP 2014168716 A JP2014168716 A JP 2014168716A JP 2014123992 A JP2014123992 A JP 2014123992A JP 2014123992 A JP2014123992 A JP 2014123992A JP 2014168716 A JP2014168716 A JP 2014168716A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydrogel
- lens
- alkyl
- radiation
- typically
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61F—FILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
- A61F2/00—Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
- A61F2/02—Prostheses implantable into the body
- A61F2/14—Eye parts, e.g. lenses, corneal implants; Implanting instruments specially adapted therefor; Artificial eyes
- A61F2/16—Intraocular lenses
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L27/00—Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
- A61L27/14—Macromolecular materials
- A61L27/16—Macromolecular materials obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L27/00—Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
- A61L27/50—Materials characterised by their function or physical properties, e.g. injectable or lubricating compositions, shape-memory materials, surface modified materials
- A61L27/52—Hydrogels or hydrocolloids
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61F—FILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
- A61F2/00—Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
- A61F2/02—Prostheses implantable into the body
- A61F2/14—Eye parts, e.g. lenses, corneal implants; Implanting instruments specially adapted therefor; Artificial eyes
- A61F2/16—Intraocular lenses
- A61F2002/16965—Lens includes ultraviolet absorber
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L2430/00—Materials or treatment for tissue regeneration
- A61L2430/16—Materials or treatment for tissue regeneration for reconstruction of eye parts, e.g. intraocular lens, cornea
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
- Transplantation (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Dermatology (AREA)
- Ophthalmology & Optometry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Vascular Medicine (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Heart & Thoracic Surgery (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Cardiology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Prostheses (AREA)
Abstract
【課題】ヒドロゲル眼内レンズおよびこれを形成するための方法の提供。
【解決手段】本発明は眼科用デバイス材料に関し、そしてより特定すると、ヒドロゲル材料から形成される眼内レンズ(IOL)に関する。このヒドロゲル材料は、アクリレートポリマーおよび放射線耐性化合物を含む。この材料は、代表的に相対的に高い屈折率を有し、そして/または所望の度合いの放射線保護を示す。上記のレンズおよび/またはヒドロゲル材料はまた、代表的にUV発色団を含み、そしてこのUV発色団は代表的にベンゾトリアゾール(例えば、2(−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール)を含む。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は眼科用デバイス材料に関し、そしてより特定すると、ヒドロゲル材料から形成される眼内レンズ(IOL)に関する。このヒドロゲル材料は、アクリレートポリマーおよび放射線耐性化合物を含む。この材料は、代表的に相対的に高い屈折率を有し、そして/または所望の度合いの放射線保護を示す。上記のレンズおよび/またはヒドロゲル材料はまた、代表的にUV発色団を含み、そしてこのUV発色団は代表的にベンゾトリアゾール(例えば、2(−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール)を含む。
【選択図】なし
Description
(関連する出願との相互参照)
本出願は、2008年3月27日に出願された米国仮特許出願第61/039,896号に基づく優先権を主張する。
本出願は、2008年3月27日に出願された米国仮特許出願第61/039,896号に基づく優先権を主張する。
(発明の技術分野)
本発明は、眼科用デバイス材料および、より特定すると、所望の屈折率、所望の度合いの放射保護、所望のイオン透過性またはこれらの組み合わせを有するアクリレートヒドロゲル材料から形成される眼内レンズ(IOL)に関する。
本発明は、眼科用デバイス材料および、より特定すると、所望の屈折率、所望の度合いの放射保護、所望のイオン透過性またはこれらの組み合わせを有するアクリレートヒドロゲル材料から形成される眼内レンズ(IOL)に関する。
(発明の背景)
本発明は、眼科用デバイスおよび、特に眼内レンズ(IOL)に関する。IOLは開発されており、そして目の種々の位置へと挿入されており、そして生来の目の水晶体により提供される視力を補うか、または矯正するために用いられ得るか、あるいは生来の目の水晶体を置き換え得る。生来の水晶体を置き換えることなく視力を補うか、または矯正するレンズは、代表的に、Phakicレンズと称される一方で、生来の水晶体を置き換えるレンズは、代表的に、Aphakicレンズと称される。Phakicレンズは、目の前房(AC)内に位置し得る(AC Phakicレンズ)か、または目の後房(PC)内に位置し得る(PC Phakicレンズ)。
本発明は、眼科用デバイスおよび、特に眼内レンズ(IOL)に関する。IOLは開発されており、そして目の種々の位置へと挿入されており、そして生来の目の水晶体により提供される視力を補うか、または矯正するために用いられ得るか、あるいは生来の目の水晶体を置き換え得る。生来の水晶体を置き換えることなく視力を補うか、または矯正するレンズは、代表的に、Phakicレンズと称される一方で、生来の水晶体を置き換えるレンズは、代表的に、Aphakicレンズと称される。Phakicレンズは、目の前房(AC)内に位置し得る(AC Phakicレンズ)か、または目の後房(PC)内に位置し得る(PC Phakicレンズ)。
IOLは、種々の材料から形成され得る。しかし、近年、柔らかく、折り曲げ可能な材料を使用するという傾向が存在している。柔らかく、折り曲げ可能な材料は目における小さな切開口を通し目へと挿入することが、より容易であるという傾向がある。一般に、これらのレンズの材料は、以下のカテゴリー:ヒドロゲル、シリコーン、および非ヒドロゲルアクリル、に入る。
IOLの材料が、相対的に高い屈折率を有することは、IOLが、相対的に薄いままであり得、そしてさらに相対的に高い度合いの視力の矯正を示し得るのでので、代表的に望ましい。特にPC Phakicレンズの場合に望ましい。しかし、歴史的には、ヒドロゲル材料は、望ましくない低い屈折率を代表的に示していた。したがって、研究者たちは、より高い屈折率を有するヒドロゲル材料の発見に向けて、時間および努力を費やしてきた。そのような材料の例は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、および特許文献15および特許文献16において議論される。これらの文献は全て、全ての目的のために、参照によりその全体が本明細書中に援用される。
これらの新規材料は、所望の屈折率を提供している一方で、これらはまた、欠点を有していた。特に、これらの材料は、電磁放射線および特に紫外(UV)放射線に曝露されるとき、望まない度合いの劣化を示し得ることが見出されている。このような劣化は、個体の視力を矯正する際にIOLの能力を阻害または劣化させ得、そして、他の視力の問題(例えば、「曇った」視界または「曇った」点)を潜在的に引き起こし得る。
多くの化合物(例えば、UV発色団)は公知であり、そして、有害な電磁放射線から目の組織を保護するために眼科用レンズ(例えば、IOLおよびコンタクトレンズ)へと組み入れられている。これらの化合物は、有害なUV放射線を吸収し、UV放射線が目の組織に届かないようにし得る。しかし同時に、これらの化合物は、代表的に、有害な放射線から眼科用レンズを保護することなく、そして多くの例において、眼科用レンズの劣化を加速し得る。なぜなら、有害な電磁線がレンズ内に吸収されるからである。このタイプの劣化は、特にIOLにとって不利になり得る。なぜならこのようなレンズは、代表的に長期間、目の中に移植され、この間放射線が、レンズの特性(例えば、屈折率、拡大能、透過能など)を、望ましくなく変化させ得るからである。
ヒドロゲルレンズは、UVおよび他の放射線により引き起こされる劣化に対して、かなり敏感であり得る。さらに、このような劣化は、レンズ中の特定のUV発色団の混入により増加され得る。ヒドロゲルIOL(特に、P.C.Phakic IOL)における使用のために適した保護化合物はほとんど存在しない(ここで、これらの化合物は、このような劣化を増加させないか、またはこれらの化合物は、有害な電磁放射線からIOL材料を保護する)。
加えて、ヒドロゲルレンズは、相対的に高い濃度のUV発色団を、所望の度合いのUV吸収を保証するためにしばしば必要としていた。しかし、このような濃度は、イオン透過能を減少させ得、またはレンズの他の望ましい性質を減じ得る。
したがって、効果的なUV耐性化合物を組み入れるヒドロゲルIOLに対する要求がある。ここで、このIOLの材料は、その他には電磁放射線に対する曝露により引き起こされ得る劣化に対して、所望の度合いの耐性を示す。さらに、このIOL材料が相対的に高い屈折率、相対的に高いイオン透過能および/または相対的に低い屈折率の損失および/または放射線曝露に起因する拡大能を示すことは特に望ましい。
(発明の要旨)
本発明は、IOLとしての使用のために適したヒドロゲル材料ならびにこの材料を用いて形成されるIOLに関する。上記の眼内レンズは、目の前房または後房への挿入のために構成され得、そしてPhakicレンズまたはAphakicレンズとして構成され得る。しかし、好ましくは上記のレンズは、P.C. Phakicレンズとしての大きさおよび形状で構成される。上記のレンズおよび/または上記のレンズのためのヒドロゲル材料は、代表的に架橋性アクリレートポリマーを用いて形成される。上記のレンズおよび/またはヒドロゲル材料はまた、代表的にUV発色団を含み、そしてこのUV発色団は代表的にベンゾトリアゾール(例えば、2(−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール)を含む。好ましくは、上記のUV発色団は、電磁放射線による劣化に対するレンズの耐性を著しく強化する。
本発明は、IOLとしての使用のために適したヒドロゲル材料ならびにこの材料を用いて形成されるIOLに関する。上記の眼内レンズは、目の前房または後房への挿入のために構成され得、そしてPhakicレンズまたはAphakicレンズとして構成され得る。しかし、好ましくは上記のレンズは、P.C. Phakicレンズとしての大きさおよび形状で構成される。上記のレンズおよび/または上記のレンズのためのヒドロゲル材料は、代表的に架橋性アクリレートポリマーを用いて形成される。上記のレンズおよび/またはヒドロゲル材料はまた、代表的にUV発色団を含み、そしてこのUV発色団は代表的にベンゾトリアゾール(例えば、2(−2ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール)を含む。好ましくは、上記のUV発色団は、電磁放射線による劣化に対するレンズの耐性を著しく強化する。
本発明の眼科用デバイス材料において使用するために適したUV発色団は式(A)により表される。
ここで、式(A)について、
R1は、置換もしくは非置換のC1〜C6アルキル、ハロゲン、OH、C1〜C12アルキルオキシ、必要に応じて置換されたフェノキシ、または必要に応じて置換されたナフチルオキシ(napthyloxy)であり、ここで、必要に応じた置換基は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、OH、−(CH2CH2O)n−、または−(CH2CH(CH3)O)n−であり;
R2は、C1〜C12アルキル、(CH2CH2O)n、(CH2CH(CH3)O)n、またはCH2CH2CH2(Si(CH3)2O)mSi(CH3)2CH2CH2CH2であり;
Xは、R2が(CH2CH2O)nまたは(CH2CH(CH3)O)nのとき存在せず、そうでなければ、XはO、NR4、またはSであり;
R3は、存在しないか、C(=O)、C(=O)CjH2j、C1〜C6アルキル、フェニル、またはC1〜C6アルキルフェニルであり;
R4は、Hまたはメチルであり;
R5は、H、C1〜C6アルキルまたはフェニルであり;
R6は、H、C1〜C12アルキル、またはC1〜C12アルキルオキシ(例えば、メトキシ)であり;
R7は、C1〜C6アルキルであるか、または存在せず;
mは、1〜9であり;
nは、2〜10であり;そして
jは、1〜6である。
本発明の好ましい実施形態において、ポリマー材料は、一つ以上の窒素−含有モノマー(好ましくは環状であり、そして最も好ましくは複素環式窒素含有モノマー)からなる第一のモノマーを含む。ヒドロゲルのポリマー性材料が、ビニルメタクリレートを含み得、そしてより特定すると、NVPメタクリレートコポリマーを含み得ることが企図される。非常に好ましい実施形態において、上記のビニルメタクリレートとしては、NVP−co−ヒドロキシルメタクリレート、NVP−co−アリールメタクリレートまたはこれらの組み合わせが挙げられる。
したがって、本発明は、以下の項目を提供する:
(項目1)
眼科用デバイスであって、以下;
目への挿入のために構成される眼内レンズを含有し、ここで:
i. 該レンズは、環状窒素含有モノマーを含む架橋されたポリマーを用いて形成されたヒドロゲル材料から形成され;そして、
ii. 該レンズは、UV発色団を含み、そして該UV発色団は、以下の式:
に従うベンゾトリアゾールを含み、
ここで、式(A)について、
R1は、置換もしくは非置換のC1〜C6アルキル、ハロゲン、OH、C1〜C12アルキルオキシ、必要に応じて置換されたフェノキシ、または必要に応じて置換されたナフチルオキシであり、ここで、必要に応じた置換基は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、OH、−(CH2CH2O)n−、または−(CH2CH(CH3)O)n−であり;
R2は、C1〜C12アルキル、(CH2CH2O)n、(CH2CH(CH3)O)n、またはCH2CH2CH2(Si(CH3)2O)mSi(CH3)2CH2CH2CH2であり;
Xは、R2が(CH2CH2O)nまたは(CH2CH(CH3)O)nのとき存在せず、そうでなければ、XはO、NR4、またはSであり;
R3は、存在しないか、C(=O)、C(=O)CjH2j、C1〜C6アルキル、フェニル、またはC1〜C6アルキルフェニルであり;
R4は、Hまたはメチルであり;
R5は、H、C1〜C6アルキルまたはフェニルであり;
R6は、H、C1〜C12アルキル、またはC1〜C12アルキルオキシ(例えば、メトキシ)であり;
R7は、C1〜C6アルキルであるか、または存在せず;
mは、1〜9であり;
nは、2〜10であり;そして
jは、1〜6である、眼科用デバイス。
(項目2)
項目1に記載される眼科用デバイスであって、上記ベンゾトリアゾールが以下の式:
のものであり、
式中、
R1は、ハロゲン、OH,C1〜C12アルキルオキシ、必要に応じて置換されたフェノキシ、または必要に応じて置換されたナフチルオキシであり、ここで、必要に応じた置換基は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、OH、−(CH2CH2O)n−、または−(CH2CH(CH3)O)n−であり;
R2は、C1〜C12アルキル、(CH2CH2O)n、(CH2CH(CH3)O)n、またはCH2CH2CH2(Si(CH3)2O)mSi(CH3)2CH2CH2CH2であり;
Xは、R2が(CH2CH2O)nまたは(CH2CH(CH3)O)nのとき、存在せず、そうでなければ、XはO、NR4、またはSであり;
R3は、存在しないか、C(=O)、C(=O)CjH2j、C1〜C6アルキル、フェニル、またはC1〜C6アルキルフェニルであり;
R4は、Hまたはメチルであり;
R5は、H、C1〜C6アルキルまたはフェニルであり;
R6は、H、またはC1〜C12アルキルであり;
mは、1〜9であり;
nは、2〜10であり;そして
jは、1〜6である、眼科用デバイス。
(項目3)
項目1に記載の眼科用デバイスであって、ここで:
R1は、Cl、Br、C1〜C4アルコキシ、またはフェノキシであり;
R2は、C1〜C6アルキルであり;
Xは、OまたはNR4であり;
R3は、C(=O)またはC1〜C6アルキルフェニルであり;
R4は、Hまたはメチルであり;
R5は、Hであり;そして
R6は、C4〜C12t−アルキルである、眼科用デバイス。
(項目4)
項目1に記載の眼科用デバイスであって、ここで:
R1はメトキシであり;
R2はC2〜C3アルキルであり;
XはOであり;
R3はC(=O)であり;
R4はHまたはメチルであり;
R5はHであり;そして
R6はt−ブチルである、眼科用デバイス。
(項目5)
項目1〜4のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記UV発色団が、2−{2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’[3’’−(4’’’−ビニルベンジルオキシ)プロポキシ]フェニル}−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール:
であるか、または2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’’−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール:
である、眼科用デバイス。
(項目6)
項目1〜5のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記UV発色団が、電磁放射線による劣化に対するレンズの耐性を著しく強化する、眼科用デバイス。
(項目7)
項目1〜6のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記架橋されたポリマーが、ビニルメタクリレートを含む、眼科用デバイス。
(項目8)
項目7に記載の眼科用デバイスであって、上記ビニルメタクリレートが、NVPメタクリレートコポリマーを含む、眼科用デバイス。
(項目9)
項目7または8に記載の眼科用デバイスであって、上記ビニルメタクリレートが、NVP−co−ヒドロキシルメタクリレート、NVP−co−アリールメタクリレート、またはこれらの組み合わせを含む、眼科用デバイス。
(項目10)
項目1〜9のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記ヒドロゲル材料が、少なくとも1.4の屈折率を有する、眼科用デバイス。
(項目11)
項目1〜10のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記ヒドロゲル材料が、少なくとも0.02重量%であるが、1重量%未満のUV発色団を含む、眼科用デバイス。
(項目12)
項目1〜11のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記ヒドロゲル材料が、少なくとも0.5重量%未満のUV発色団を含む、眼科用デバイス。
(項目13)
前述の項目のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記目が、前房および後房を有し、そして上記レンズが該目の後房に、PC Phakicレンズとして挿入されるために、サイジングされ、そして成形される、眼科用デバイス。
(項目14)
前述の項目のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記ヒドロゲル材料のイオン拡散係数が、35℃で少なくとも17x10−7cm2/秒である、眼科用デバイス。
(項目15)
前述の項目のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記ヒドロゲル材料の平衡含水率が、少なくとも50%である、眼科用デバイス。
したがって、本発明は、以下の項目を提供する:
(項目1)
眼科用デバイスであって、以下;
目への挿入のために構成される眼内レンズを含有し、ここで:
i. 該レンズは、環状窒素含有モノマーを含む架橋されたポリマーを用いて形成されたヒドロゲル材料から形成され;そして、
ii. 該レンズは、UV発色団を含み、そして該UV発色団は、以下の式:
に従うベンゾトリアゾールを含み、
ここで、式(A)について、
R1は、置換もしくは非置換のC1〜C6アルキル、ハロゲン、OH、C1〜C12アルキルオキシ、必要に応じて置換されたフェノキシ、または必要に応じて置換されたナフチルオキシであり、ここで、必要に応じた置換基は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、OH、−(CH2CH2O)n−、または−(CH2CH(CH3)O)n−であり;
R2は、C1〜C12アルキル、(CH2CH2O)n、(CH2CH(CH3)O)n、またはCH2CH2CH2(Si(CH3)2O)mSi(CH3)2CH2CH2CH2であり;
Xは、R2が(CH2CH2O)nまたは(CH2CH(CH3)O)nのとき存在せず、そうでなければ、XはO、NR4、またはSであり;
R3は、存在しないか、C(=O)、C(=O)CjH2j、C1〜C6アルキル、フェニル、またはC1〜C6アルキルフェニルであり;
R4は、Hまたはメチルであり;
R5は、H、C1〜C6アルキルまたはフェニルであり;
R6は、H、C1〜C12アルキル、またはC1〜C12アルキルオキシ(例えば、メトキシ)であり;
R7は、C1〜C6アルキルであるか、または存在せず;
mは、1〜9であり;
nは、2〜10であり;そして
jは、1〜6である、眼科用デバイス。
(項目2)
項目1に記載される眼科用デバイスであって、上記ベンゾトリアゾールが以下の式:
のものであり、
式中、
R1は、ハロゲン、OH,C1〜C12アルキルオキシ、必要に応じて置換されたフェノキシ、または必要に応じて置換されたナフチルオキシであり、ここで、必要に応じた置換基は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、OH、−(CH2CH2O)n−、または−(CH2CH(CH3)O)n−であり;
R2は、C1〜C12アルキル、(CH2CH2O)n、(CH2CH(CH3)O)n、またはCH2CH2CH2(Si(CH3)2O)mSi(CH3)2CH2CH2CH2であり;
Xは、R2が(CH2CH2O)nまたは(CH2CH(CH3)O)nのとき、存在せず、そうでなければ、XはO、NR4、またはSであり;
R3は、存在しないか、C(=O)、C(=O)CjH2j、C1〜C6アルキル、フェニル、またはC1〜C6アルキルフェニルであり;
R4は、Hまたはメチルであり;
R5は、H、C1〜C6アルキルまたはフェニルであり;
R6は、H、またはC1〜C12アルキルであり;
mは、1〜9であり;
nは、2〜10であり;そして
jは、1〜6である、眼科用デバイス。
(項目3)
項目1に記載の眼科用デバイスであって、ここで:
R1は、Cl、Br、C1〜C4アルコキシ、またはフェノキシであり;
R2は、C1〜C6アルキルであり;
Xは、OまたはNR4であり;
R3は、C(=O)またはC1〜C6アルキルフェニルであり;
R4は、Hまたはメチルであり;
R5は、Hであり;そして
R6は、C4〜C12t−アルキルである、眼科用デバイス。
(項目4)
項目1に記載の眼科用デバイスであって、ここで:
R1はメトキシであり;
R2はC2〜C3アルキルであり;
XはOであり;
R3はC(=O)であり;
R4はHまたはメチルであり;
R5はHであり;そして
R6はt−ブチルである、眼科用デバイス。
(項目5)
項目1〜4のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記UV発色団が、2−{2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’[3’’−(4’’’−ビニルベンジルオキシ)プロポキシ]フェニル}−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール:
であるか、または2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(3’’−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール:
である、眼科用デバイス。
(項目6)
項目1〜5のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記UV発色団が、電磁放射線による劣化に対するレンズの耐性を著しく強化する、眼科用デバイス。
(項目7)
項目1〜6のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記架橋されたポリマーが、ビニルメタクリレートを含む、眼科用デバイス。
(項目8)
項目7に記載の眼科用デバイスであって、上記ビニルメタクリレートが、NVPメタクリレートコポリマーを含む、眼科用デバイス。
(項目9)
項目7または8に記載の眼科用デバイスであって、上記ビニルメタクリレートが、NVP−co−ヒドロキシルメタクリレート、NVP−co−アリールメタクリレート、またはこれらの組み合わせを含む、眼科用デバイス。
(項目10)
項目1〜9のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記ヒドロゲル材料が、少なくとも1.4の屈折率を有する、眼科用デバイス。
(項目11)
項目1〜10のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記ヒドロゲル材料が、少なくとも0.02重量%であるが、1重量%未満のUV発色団を含む、眼科用デバイス。
(項目12)
項目1〜11のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記ヒドロゲル材料が、少なくとも0.5重量%未満のUV発色団を含む、眼科用デバイス。
(項目13)
前述の項目のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記目が、前房および後房を有し、そして上記レンズが該目の後房に、PC Phakicレンズとして挿入されるために、サイジングされ、そして成形される、眼科用デバイス。
(項目14)
前述の項目のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記ヒドロゲル材料のイオン拡散係数が、35℃で少なくとも17x10−7cm2/秒である、眼科用デバイス。
(項目15)
前述の項目のいずれか一項に記載の眼科用デバイスであって、上記ヒドロゲル材料の平衡含水率が、少なくとも50%である、眼科用デバイス。
(発明の詳細な記述)
本発明は、ヒドロゲル材料から形成され、そして放射線耐性成分または放射線耐性化合物(例えば、UV(紫外)発色団)を含む眼内レンズ(IOL)の提供に基づき予測される。このUV耐性化合物は、電磁放射線、とくにUV放射線への曝露に起因するか、違った形でヒドロゲル材料が経験し得る劣化を阻止するために、ヒドロゲル材料を代表的に補助する。
本発明は、ヒドロゲル材料から形成され、そして放射線耐性成分または放射線耐性化合物(例えば、UV(紫外)発色団)を含む眼内レンズ(IOL)の提供に基づき予測される。このUV耐性化合物は、電磁放射線、とくにUV放射線への曝露に起因するか、違った形でヒドロゲル材料が経験し得る劣化を阻止するために、ヒドロゲル材料を代表的に補助する。
本明細書中で用いられるとき、用語「ヒドロゲル」または「ヒドロゲル材料」は、その材料がヒトの目の中の水性の環境内に位置するとき30重量%より多い水を含む材料を意味する。
本明細書中で用いられるとき、用語「電磁放射線」は、可視であるか、非可視であるかにかかわらず、電磁スペクトルにおける全ての光を含む。
本発明のIOLを形成するために用いられるヒドロゲル材料は、代表的にポリマー性材料を含む。このポリマー性材料は、一つのポリマーまたは種々のポリマーの混合物からなり得る。このポリマー性材料は、熱可塑性ポリマーを含み得、代表的には熱硬化ポリマーまたは熱硬化可能なポリマーを含む。このポリマー性材料は、単一の繰り返し単位のポリマー、コポリマー、またはこれら両方を含み得る。
好ましくは、上記のヒドロゲルのポリマー性材料は、部分的に、全体的に、または実質的には全体的にコポリマー構成要素(第一のモノマーおよび第二のモノマーの混合物を有するコポリマーから構成される)を含むか、または部分的に、全体的に、または実質的には全体的にこのコポリマー構成要素から形成される。
本発明の好ましい実施形態において、上記の第一のモノマーは、窒素−含有モノマーからなり得、好ましくは環状の窒素含有モノマー、そして最も好ましくは複素環式窒素含有モノマーからなり得る。複素環式N−ビニルモノマーは、とくに好ましく、例えばN−ビニルラクタムである。好ましいN−ビニルラクタムは、ピロリドン、ピペリドン、およびカプロラクタムおよびこれらの誘導体、例えば、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、またはこれらの誘導体である。少なくとも80重量%、90重量%またはそれ以上の第一のモノマーが、これらのモノマーの任意の一つまたは任意の組み合わせからなり得ることが企図される。
N−ビニルラクタムに追加するもの、または代替となるものとして、複素環式N−ビニルモノマー、例えばN−ビニルイミダゾール、N−ビニルスクシンアミド、またはN−ビニルグルタルイミドが使用され得る。
上記で言及される複素環式モノマーに対する代替、または追加の窒素含有モノマーは、(メタ)アクリル化合物のアミド誘導体、例えば、(メタ)アクリルアミドまたはそのN−置換誘導体である。好ましいものは、例えばアルキル、ヒドロキシアルキル、またはアミノアルキル置換基で一置換または二置換されたものである。具体的なこれらの材料の例としては、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N−メチルアミノイソプロピルアクリルアミドまたは上記のうちの任意の一つのメタクリルアミド類縁体である。
上記のコポリマー材料の第二のモノマーは、代表的に以下の式1:
であり、
であり、
mは、0〜10であり;
Yは、存在しないか、O、S、またはNRであり、ここでRは、H、CH3、CnH2n+1(nは1〜10)、イソ−OC3H7、C6H5、またはCH2C6H5であり;
Arは、非置換であり得るかまたは、CH3、C2H5、n−C3H7、イソ−C3H7、OCH3、C6H11、C6H5、もしくはCH2C6H5で置換され得る任意の芳香族環である。
構造(I)の適したモノマーとしては、2−エチルフェノキシメタクリレート;2−エチルフェノキシアクリレート;2−エチルチオフェニルメタクリレート;2−エチルチオフェニルアクリレート;2−エチルアミノフェニルメタクリレート;2−エチルアミノフェニルアクリレート;フェニルメタクリレート;フェニルアクリレート;ベンジルメタクリレート;ベンジルアクリレート;2−フェニルエチルメタクリレート;2−フェニルエチルアクリレート;3−フェニルプロピルメタクリレート;3−フェニルプロピルアクリレート;4−フェニルブチルメタクリレート;4−フェニルブチルアクリレート;4−メチルフェニルメタクリレート;4−メチルフェニルアクリレート;4−メチルベンジルメタクリレート;4−メチルベンジルアクリレート;2−2−メチルフェニルエチルメタクリレート;2−2−メチルフェニルエチルアクリレート;2−3−メチルフェニルエチルメタクリレート;2−3−メチルフェニルエチルアクリレート;2−4−メチルフェニルエチルメタクリレート;2−4−メチルフェニルエチルアクリレート;2−(4−プロピルフェニル)エチルメタクリレート;2−(4−プロピルフェニル)エチルアクリレート;2−(4−(1−メチルエチル)フェニル)エチルメタクリレート;2−(4−(1−メチルエチル)フェニル)エチルアクリレート;2−(4−メトキシフェニル)エチルメタクリレート;2−(4−メトキシフェニル)エチルアクリレート;2−(4−シクロヘキシルフェニル)エチルメタクリレート;2−(4−シクロヘキシルフェニル)エチルアクリレート;2−(2−クロロフェニル)エチルメタクリレート;2−(2−クロロフェニル)エチルアクリレート;2−(3−クロロフェニル)エチルメタクリレート;2−(3−クロロフェニル)エチルアクリレート;2−(4−クロロフェニル)エチルメタクリレート;2−(4−クロロフェニル)エチルアクリレート;2−(4−ブロモフェニル)エチルメタクリレート;2−(4−ブロモフェニル)エチルアクリレート;2−(3−フェニルフェニル)エチルメタクリレート;2−(3−フェニルフェニル)エチルアクリレート(acrlate);2−(4−フェニルフェニル)エチルメタクリレート;2−(4−フェニルフェニル)エチルアクリレート;2−(4−ベンジルフェニル)エチルメタクリレート;および2−(4−ベンジルフェニル)エチルアクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
好ましい構造(I)のモノマーは、mが2〜4であり、Yは存在しないか、またはOであり、そしてArがフェニルであるものである。最も好ましいものは、2−フェニルエチルアクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、およびこれらの組み合わせである。少なくとも80重量%、90重量%またはそれ以上の第二のモノマーがこれら二つのモノマーのうちの一つまたはこの両方からなることが企図される。
上記第一のモノマーおよび第二のモノマーから形成されるコポリマー構成要素が、第一のモノマーとして適したモノマーの群の内で挙げられた任意のモノマーおよび第二のモノマーとして適したモノマーの群の内で挙げられた任意のモノマーを有する種々の異なるコポリマーを含み得ることが理解されるべきである。このコポリマー構成要素はまた、一つだけのコポリマーから形成され得る。上記のコポリマー構成要素に対して好ましいコポリマーとしては、N−ビニル−2−ピロリドン−co−アリールメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン−co−ヒドロキシル(アルキル)メタクリレートまたはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
上記のコポリマー構成要素は、IOLを形成するポリマー性材料またはヒドロゲル材料の、代表的に少なくとも30重量%、より代表的には少なくとも60重量%そしてさらにより代表的には80重量%であり、または少なくとも90重量%でさえある。このコポリマー構成要素はまた、代表的に、IOLを形成するヒドロゲル材料の約99.5重量%未満である。そうではないと示唆されない限り、上記のヒドロゲル材料の成分の百分率(例えば、重量百分率)は無水の百分率としてなされるか、または水もしくは水性媒質の環境にさらした際、代表的にヒドロゲルを透過する他の水性媒質を含まない百分率としてなされる。そのようなヒドロゲル材料は、そのような水性媒質にさらされる前の前述の重量百分率について、代表的に全体として固体である。
硬化剤(例えば、開始剤)は、モノマーの重合を開始するため、および/またはこれらのモノマーから形成されるポリマー(例えば、コポリマー)を架橋もしくは熱硬化させるために代表的に使用される。適切な硬化剤の例としては、ペルオキシ硬化剤(すなわち、ペルオキシ基を含む任意の硬化剤)、オキシド硬化剤(すなわち、オキシド基を含む任意の硬化剤(例えば、二酸化物)または当業者に公知の他の硬化剤が挙げられる。好ましいペルオキシ硬化剤の一つの例としては、tert−ブチルペルオキシ−2-エチルヘキサ
ノエート有機ペルオキシ開始剤である。このような硬化剤は、熱的硬化に特に適している。オキシド硬化剤の一つの例は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドである。このような硬化剤は青色光硬化に特に適している。
ノエート有機ペルオキシ開始剤である。このような硬化剤は、熱的硬化に特に適している。オキシド硬化剤の一つの例は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドである。このような硬化剤は青色光硬化に特に適している。
硬化剤加速剤もまた、使用され得る。種々の硬化剤加速剤が公知であり、そして、規定の量または実験的に適切であると見出されている量で使用され得る。代表的に、上記の硬化剤、硬化剤加速剤またはこれらの組み合わせの量は、上記のヒドロゲル材料の約0.1重量%と約8重量%との間である。
硬化剤および加速剤は、種々の量で用いられ得、これらは使用されるモノマーおよびポリマー、硬化のために用いられる任意の周囲の条件(例えば、熱、光、またはその他)ならびに/あるいは他の因子に、代表的に依存する。
上記で議論されるように、本発明のヒドロゲル材料は、放射線耐性化合物を含む。この放射線耐性化合物は、単一の化合物であっても、複数の化合物の組み合わせであってもよい。
本明細書中で用いられるとき、「放射線耐性化合物」とは、電磁放射線に曝露されることにより引き起こされ得るか、または別の形で引き起こされ得る劣化(例えば、形状、大きさ、色、屈折率、イオン透過能、平衡含水率(EWC)など)を阻止する際に上記のヒドロゲル材料、特にこのヒドロゲル材料のポリマー性構成要素を補助する化合物である。上記の放射線耐性化合物は、電磁スペクトル内の任意の電磁放射線により引き起こされ得るか、または別の形で引き起こされ得る劣化を阻止し得る。しかし、上記の放射線耐性化合物は、UV放射線(すなわち、100nmまたは150nmと400nmとの間の範囲の波長を有する電磁放射線)により引き起こされるか、または別の形で引き起こされる劣化を阻止することが、一般に好ましい。ここでUV放射線は、近UV(すなわち、300nm〜400nmの範囲の波長)、中間UV(すなわち、200nm〜300nmの範囲の波長)、極UV(すなわち、150nm〜200nmの範囲の波長)またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。
有利なことに、特定のUV発色団は、本発明のヒドロゲル材料に対するUV保護を提供するか、または少なくともUV曝露に起因するIOL材料の劣化を著しくは増加させない。特に、本発明のベンゾトリアゾールはそのような特徴を提供することが示されている。
好ましいベンゾトリゾールとしては、置換された2−ヒドロキシフェニルベンゾトリゾールUV吸収剤が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の眼科用デバイス材料における使用のためのUV発色団は、式(A):
ここで、式(A)について、
R1は、置換もしくは非置換のC1〜C6アルキル、ハロゲン、OH、C1〜C12アルキルオキシ、必要に応じて置換されたフェノキシ、または必要に応じて置換されたナフチルオキシ(napthyloxy)であり、ここで、必要に応じた置換基は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、OH、−(CH2CH2O)n−、または−(CH2CH(CH3)O)n−であり;
R2は、C1〜C12アルキル、(CH2CH2O)n、(CH2CH(CH3)O)n、またはCH2CH2CH2(Si(CH3)2O)mSi(CH3)2CH2CH2CH2であり;
Xは、R2が(CH2CH2O)nまたは(CH2CH(CH3)O)nのとき、存在せず、そうでなければ、XはO、NR4、またはSであり;
R3は、存在しないか、C(=O)、C(=O)CjH2j、C1〜C6アルキル、フェニル、またはC1〜C6アルキルフェニルであり;
R4は、Hまたはメチルであり;
R5は、H、C1〜C6アルキルまたはフェニルであり;
R6は、H、C1〜C12アルキル、またはC1〜C12アルキルオキシ(例えば、メトキシ)であり;
R7は、C1〜C6アルキルであるか、または存在せず;
mは、1〜9であり;
nは、2〜10であり;そして
jは、1〜6である。
より特に好ましいUV発色団はまた、式(A)のものであり、本発明の眼科用デバイス材料における使用のために適したものは、式(I):
式(I)について、
R1は、ハロゲン、OH、C1〜C12アルキルオキシ、必要に応じて置換されたフェノキシ、または必要に応じて置換されたナフチルオキシ(napthyloxy)であり、ここで、必要に応じた置換基は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、OH、−(CH2CH2O)n−、または−(CH2CH(CH3)O)n−であり;
R2は、C1〜C12アルキル、(CH2CH2O)n、(CH2CH(CH3)O)n、またはCH2CH2CH2(Si(CH3)2O)mSi(CH3)2CH2CH2CH2であり;
Xは、R2が(CH2CH2O)nまたは(CH2CH(CH3)O)nのとき、存在せず、そうでなければ、XはO、NR4、またはSであり;
R3は、存在しないか、C(=O)、C(=O)CjH2j、C1〜C6アルキル、フェニル、またはC1〜C6アルキルフェニルであり;
R4は、Hまたはメチルであり;
R5は、H、C1〜C6アルキルまたはフェニルであり;
R6は、H、またはC1〜C12アルキル、であり;
mは、1〜9であり;
nは、2〜10であり;そして
jは、1〜6である。
好ましくは、式(I)および/または式(A)において
R1は、Cl、Br、C1〜C4アルコキシ、またはフェノキシであり;
R2は、C1〜C6アルキル;
Xは、OまたはNR4であり;
R3は、C(=O)またはC1〜C6アルキルフェニルであり;
R4は、Hまたはメチルであり;
R5は、Hであり;そして
R6は、C4〜C12t−アルキルである。
R1は、Cl、Br、C1〜C4アルコキシ、またはフェノキシであり;
R2は、C1〜C6アルキル;
Xは、OまたはNR4であり;
R3は、C(=O)またはC1〜C6アルキルフェニルであり;
R4は、Hまたはメチルであり;
R5は、Hであり;そして
R6は、C4〜C12t−アルキルである。
最も好ましくは、式(I)または式(A)において、
R1はメトキシであり;
R2はC2〜C3アルキルであり;
XはOであり;
R3はC(=O)であり;
R4はHまたはメチルであり;
R5はHであり;そして
R6はt−ブチルである。
R1はメトキシであり;
R2はC2〜C3アルキルであり;
XはOであり;
R3はC(=O)であり;
R4はHまたはメチルであり;
R5はHであり;そして
R6はt−ブチルである。
式(A)および式(I)の化合物は当該分野で公知の方法を用いて、作製され得る。式(A)および式(I)の二つの好ましい化合物は、2−{2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’[3’’−(4’’’−ビニルベンジルオキシ)プロポキシ]フェニル}−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール:
好ましい実施形態において、本発明のUV発色団は、385より大きい波長の透過カットオフを提供し、代表的には、電磁スペクトルの可視領域の短波長(410〜430nm)においてカットオフを提供する。したがって、これらの発色団はUV放射線(<400nm)からのヒトの組織および/またはIOL材料に対する所望の保護を提供する。上記のベンゾトリアゾールは、そのようなUV発色団の例である。そこで、これらのUV発色団はまた、UV/短波長可視光吸収剤として称され得る。
本発明のデバイス材料はまた、中および長波長(430〜500nm)青色光を減衰させる重合可能な黄色色素を含み得る。そのような色素および有用なUV発色団は、「Intraocular Lenses with Unique Blue−Violet
Cutoff and Blue Light Transmission Characteristics」と題され、2007年10月12日に出願された、共有されている米国特許出願公開第11/871,411号に記載されており、この出願公開は、全ての目的のために、その全体が本明細書中に援用される。
Cutoff and Blue Light Transmission Characteristics」と題され、2007年10月12日に出願された、共有されている米国特許出願公開第11/871,411号に記載されており、この出願公開は、全ての目的のために、その全体が本明細書中に援用される。
そうではないと明示されない限り、「カットオフ」とは、光透過が1%を超えない波長を意味する。「1%カットオフ」とは、光透過が1%を超えない波長を意味する。「10%カットオフ」とは、光透過が10%を超えない波長を意味する。
追加の利点として、これらのベンゾトリアゾールは、相対的に低い濃度で用いられるときでさえ、放射線に起因する劣化を阻止するために有効であり得ることが見出されている。したがって、上記のヒドロゲル材料中のベンゾトリアゾールの有効量は、上記のヒドロゲル材料の3重量%未満、より代表的には1%未満、そしてさらに可能ならば0.5重量%未満であることが企図される。ベンゾトリアゾールの量は、代表的に上記のヒドロゲル材料の約0.02重量%より大きく、さらにより代表的には0.1重量%より大きい。しかし、これらの放射線耐性化合物に対する重量百分率は、特に具体的に示唆されない限り、本発明の範囲内で用いられ得る放射線耐性化合物の量を制限するものではないことが理解されるべきである。
有利に、式(I)のベンゾトリアゾールの使用が、特により低い濃度で用いられるとき、上記のヒドロゲル材料またはIOLに強化されたイオン透過能、強化されたEWC、強化された抽出能を提供し得る。好ましい実施形態において、本発明のヒドロゲル材料は、35℃で、少なくとも15x10−7cm2/秒、より特定すると、17x10−7cm2/秒、または18x10−7cm2/秒、そして可能ならば20x10−7cm2/秒であるイオン拡散係数(IDC)を有する。理解されるように、イオン拡散係数は、イオン透過能を示すものである。塩化ナトリウム溶液を用いて、塩化物イオンの拡散に対して係数が与えられる。イオン拡散係数を決定するための方法は、以下に与えられる。
追加で、または代替で、上記のヒドロゲル材料は、少なくとも50%、より代表的には、少なくとも53%、そしてさらに可能なら少なくとも55%であるEWC百分率を有し得る。上記のヒドロゲル材料は、少なくとも13%である抽出能百分率を有し得ることもまた企図される。EWC百分率および抽出能百分率を、重量分析法に従い測定する。これらの値は、放射前の値であるが、しかしこれらの値はまた、特に上記のIOL材料がUV放射線からの劣化を阻止するときに、放射後において強化されることが留意されるべきである。
EWC百分率を、以下のプロトコル:1)完全に、または実質的に完全に(すなわち、1重量%未満の水)脱水された状態におけるヒドロゲル材料を計量し、脱水重量(Wd)を得る;2)上記のヒドロゲル材料を精製脱イオン水中(例えば、バイアル中の)に、少なくとも24時間37℃で沈め、この材料を完全に水和させる;そして3)完全に水和した材料を計量し、完全に水和した重量(Wh)を得る、に従って、本発明について決定し得る。従って、以下の式がEWC百分率を決定するために用いられる:
EWC百分率=((Wh−Wd)/Wh)x100
このタイプのUV保護は、特にPC Phakic IOLにとって望ましいことが理解されるべきである。特に、例えば、使い捨てのコンタクトレンズとは対照的に、PC Phakic IOLは、代表的に目内に長期間(例えば、6ヶ月以上、一年以上、数年以上)に位置する。そこで、このタイプのレンズは、放射線曝露により引き起こされる劣化に対し長期間の耐性を示すことが非常に望ましい。さらに、この保護をヒドロゲルPC
Phakic IOLに提供することが特に望ましい。なぜなら、PC Phakic
IOLは、代表的に、目の生来の水晶体に隣接する目の前房に配置され、そしてヒドロゲル材料は、この位置における応用に適した数少ない材料の一つであることが証明されているからである。このようなPC Phakic IOLは代表的に、必ずしも必要とされていないが、IOLをPC房内に固定するのを補助するように角度を付けて曲げられる眼内レンズ支持部を含む。
EWC百分率=((Wh−Wd)/Wh)x100
このタイプのUV保護は、特にPC Phakic IOLにとって望ましいことが理解されるべきである。特に、例えば、使い捨てのコンタクトレンズとは対照的に、PC Phakic IOLは、代表的に目内に長期間(例えば、6ヶ月以上、一年以上、数年以上)に位置する。そこで、このタイプのレンズは、放射線曝露により引き起こされる劣化に対し長期間の耐性を示すことが非常に望ましい。さらに、この保護をヒドロゲルPC
Phakic IOLに提供することが特に望ましい。なぜなら、PC Phakic
IOLは、代表的に、目の生来の水晶体に隣接する目の前房に配置され、そしてヒドロゲル材料は、この位置における応用に適した数少ない材料の一つであることが証明されているからである。このようなPC Phakic IOLは代表的に、必ずしも必要とされていないが、IOLをPC房内に固定するのを補助するように角度を付けて曲げられる眼内レンズ支持部を含む。
さらに上記で議論される特性、特にイオン透過能のために、生来の水性材料の目に対する循環が強化され得る。このことは、PC Phakic IOLにとって、特に重要であり、そして、前房に付随した本発明のIOLを、生来の水晶体から離れた位置にあるよりもむしろ目の生来の水晶体上に、一時的にか、またはより恒久的に接触または存在することを可能にさえし得る。
本発明のIOLが、種々の追加または代替の成分、特徴、その他を含み得ることが、さらに企図される。例としては、コーティング材料、医薬(治療剤)、細胞受容体機能化群、タンパク質群、粘性剤(増粘剤、またはシンナー(thinner))、希釈剤、これらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のIOLは、多数の異なる技術またはプロトコルを用いて形成され得る。一つの好ましいプロトコルによると、本発明のモノマー(例えば、コモノマー)、硬化剤および必要に応じた硬化剤加速剤、放射線耐性化合物、および、他の任意の所望の成分を、一緒に合わせ、マスターバッチを形成する。このマスターバッチを、その後、モノマーの重合および架橋を開始する刺激(例えば、熱または光(例えば、青色光)などのような周囲の条件)にさらす。開始されたマスターバッチを所望の幾何学様式のウエーハへと成型し得、そして、IOLを形成するために硬化固定物を確実なものとし得る。
上記の成型ウエーハを、その後、熱、光(例えば、青色光)またはこれら両方のような周囲条件に、さらにさらすことで代表的に硬化させる。例えば、一つの実施形態において、上記の成型ウエーハを、高温(例えば約70℃)で第一の時間(例えば、約2時間)さらし、そしてその後、第二の温度(例えば約110℃)へと、第二の時間(例えば、少なくとも10分)上昇させる。第二の例示的な実施形態において、このウエーハを、約405nm〜約415nmの波長の青色光を用いて、第一の時間(例えば、約3時間)硬化させ、そして、その後高温(例えば、約110℃)に第二の時間(例えば、約1時間)さらす。好ましくは、開始、硬化またはこの両方は、低水分(例えば、1ppm未満の水)、低酸素(100ppm未満)の環境で実施される。
本発明に従って形成されるヒドロゲル材料は、相対的に高い屈折率を、代表的に示す。本発明のヒドロゲル材料の25℃での屈折率は、代表的に約1.410より大きく、より代表的には、約1.415より大きく、さらにより代表的には約1.420より大きく、そしてさらに可能であれば1.44より大きく、あるいは、材料(完全に水和)の屈折率が、BS EN ISO 11979−5:2000に従って計測されるときは1.47でさえある。
出願人は、本開示中に引用される全ての参考文献の全内容を、具体的に援用する。さらに、量、濃度、またはその他の値もしくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、または好ましい上の値および好ましい下の値の一覧いずれかとして与えられるとき、このことは、任意の範囲の上限または好ましい値と、任意の範囲の下限または好ましい値との任意の組から形成される全ての範囲を具体的に開示することだと、範囲が別個に開示されるか、否かに関わらず、理解されるべきである。数値の範囲が本明細書中で明記されるとき、そうではないと示唆されない限り、範囲は、範囲の終点、およびその範囲内の全ての整数または有理数を含むことが意図される。範囲を定義するとき、本発明の範囲が、明記された特定の値に限定されることは意図されない。
本発明の他の実施形態は、本明細書の考察および本明細書中に開示される本発明の実施から、当業者にとって明らかである。本明細書および実施例は、添付の特許請求の範囲およびこれらの等価物により示される本発明の真の範囲および意図についての例示的なものでしかないと考えられることが意図される。
(比較例)
以下の表1は、UV放射線への曝露に対する光安定性またはUV放射線への曝露に対する劣化への耐性を測定するために試験されたヒドロゲルを形成するために用いられたいくつかの調合物を説明する。
以下の表1は、UV放射線への曝露に対する光安定性またはUV放射線への曝露に対する劣化への耐性を測定するために試験されたヒドロゲルを形成するために用いられたいくつかの調合物を説明する。
さらに、以下の表3は、UV曝露前、10年のUV曝露と等価な曝露後、および20年のUV曝露と等価な曝露後の、試料A(すなわち、UV発色団を含まない試料)および実質的には試料E(すなわち、試料Aと類似するが、UV13を含む試料)と同一の試料についてのジオプター屈折力計測を示す。
(イオン拡散係数計測)
本発明のヒドロゲル材料についてのイオン拡散係数を、溶液分離システムを用いて測定し得る。特に、ヒドロゲル材料の試料を、第一の溶液(相対的に高い濃度の塩化ナトリウム(NaCl)を有する)と第二の溶液(相対的に低い濃度のNaClを有するか、NaClを有さない)との間に置く。その後、一つ以上の伝導度計および導電率プローブを用いて、第一の溶液、第二の溶液またはこれら両方の伝導度における変化を計測する。この計測の間、上記の第一の溶液および第二の溶液を、継続して撹拌し、そして温度を35℃に保持する。試料のイオン拡散係数(D)は、その後、Fickの法則および物質収支を用いて、上記の第二の溶液の導電率とイオン拡散係数を関係させることにより、決定され得る。特に、Fickの法則は単位面積(J)あたりの流量が、交差部位(X)に対して規格化される、計測された濃度(C)の勾配に比例する、すなわち
J=−D(∂C/∂x)
である。
本発明のヒドロゲル材料についてのイオン拡散係数を、溶液分離システムを用いて測定し得る。特に、ヒドロゲル材料の試料を、第一の溶液(相対的に高い濃度の塩化ナトリウム(NaCl)を有する)と第二の溶液(相対的に低い濃度のNaClを有するか、NaClを有さない)との間に置く。その後、一つ以上の伝導度計および導電率プローブを用いて、第一の溶液、第二の溶液またはこれら両方の伝導度における変化を計測する。この計測の間、上記の第一の溶液および第二の溶液を、継続して撹拌し、そして温度を35℃に保持する。試料のイオン拡散係数(D)は、その後、Fickの法則および物質収支を用いて、上記の第二の溶液の導電率とイオン拡散係数を関係させることにより、決定され得る。特に、Fickの法則は単位面積(J)あたりの流量が、交差部位(X)に対して規格化される、計測された濃度(C)の勾配に比例する、すなわち
J=−D(∂C/∂x)
である。
物質収支の保存は、時間(t)に関する試料の一つの溶液の濃度における増加が、他の溶液の濃度における減少に等しく対応しなければならないということを、第一の溶液および第二の溶液の各々に関する体積(V)を考慮に入れて、数学的に示唆する、すなわち、Vh(dCh/dt)+V(dCl/dt)=0
である。
である。
式中、下付きのhは高濃度の溶液であり、そして下付きのlは、低濃度の溶液である。これらの原理および方法論ならびに良好な科学的な較正および洗浄を用いて、当業者は、高い確度のイオン拡散係数を決定することが可能である。
Claims (1)
- 本願明細書に記載された発明。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US3989608P | 2008-03-27 | 2008-03-27 | |
US61/039,896 | 2008-03-27 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011501894A Division JP2011517418A (ja) | 2008-03-27 | 2009-03-12 | ヒドロゲル眼内レンズおよびこれを形成するための方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014168716A true JP2014168716A (ja) | 2014-09-18 |
Family
ID=40886807
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011501894A Pending JP2011517418A (ja) | 2008-03-27 | 2009-03-12 | ヒドロゲル眼内レンズおよびこれを形成するための方法 |
JP2014123992A Pending JP2014168716A (ja) | 2008-03-27 | 2014-06-17 | ヒドロゲル眼内レンズおよびこれを形成するための方法 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011501894A Pending JP2011517418A (ja) | 2008-03-27 | 2009-03-12 | ヒドロゲル眼内レンズおよびこれを形成するための方法 |
Country Status (11)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20090248150A1 (ja) |
EP (1) | EP2254511A2 (ja) |
JP (2) | JP2011517418A (ja) |
CN (1) | CN101980669A (ja) |
AR (1) | AR071071A1 (ja) |
AU (1) | AU2009228847B2 (ja) |
BR (1) | BRPI0909511A2 (ja) |
CA (1) | CA2717601A1 (ja) |
RU (1) | RU2491034C2 (ja) |
TW (1) | TW200942522A (ja) |
WO (1) | WO2009120511A2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10018853B2 (en) | 2008-04-04 | 2018-07-10 | Battelle Memorial Institute | Methods of altering the refractive index of materials |
WO2015038614A1 (en) | 2013-09-12 | 2015-03-19 | Battelle Memorial Institute | Methods of altering the refractive index of materials |
US10254562B2 (en) | 2008-04-04 | 2019-04-09 | Battelle Memorial Institute | Methods for tailoring the refractive index of lenses |
WO2009124231A1 (en) | 2008-04-04 | 2009-10-08 | Battelle Memorial Institute | Adjustable intraocular lens |
EP2591025B1 (en) | 2010-07-05 | 2016-10-05 | Dave, Jagrat Natavar | Polymeric composition for ocular devices |
TW201311621A (zh) | 2011-08-15 | 2013-03-16 | Novartis Ag | 眼用鏡片材料之紫外光吸收劑 |
US9731437B2 (en) | 2013-11-22 | 2017-08-15 | Johnson & Johnson Vision Care, Inc. | Method of manufacturing hydrogel ophthalmic devices with electronic elements |
RU2717083C2 (ru) * | 2014-04-07 | 2020-03-18 | Тюбитак | Композиция для изготовления интраокулярной линзы (иол) и способ изготовления такой линзы |
US11950997B2 (en) * | 2019-05-20 | 2024-04-09 | The Trustees Of The Stevens Institute Of Technology | Artificial cornea with double-side microtextured pHEMA hydrogel |
KR102654801B1 (ko) * | 2021-12-30 | 2024-04-05 | 이철우 | 청색광 차단 하이드로겔 콘택트렌즈 조성물 및 이를 포함하는 하이드로겔 콘택트렌즈 |
Family Cites Families (33)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AR207867A1 (es) * | 1974-07-04 | 1976-11-08 | Smith & Nephew Res | Un copolimero hidrogel ligeramente entrelazado |
US4123407A (en) * | 1976-11-26 | 1978-10-31 | American Optical Corporation | Hydrophilic contact lens |
US4123408A (en) * | 1976-11-26 | 1978-10-31 | American Optical Corporation | Hydrogel contact lens |
US4495313A (en) * | 1981-04-30 | 1985-01-22 | Mia Lens Production A/S | Preparation of hydrogel for soft contact lens with water displaceable boric acid ester |
US4430458A (en) * | 1981-10-08 | 1984-02-07 | Kelvin Lenses Limited | Hydrogel-forming polymeric materials |
US4611061A (en) * | 1984-03-26 | 1986-09-09 | Iolab Corporation | 2'-hydroxy-5'-(hydroxyalkyl)phenyl-2H-benzotriazoles |
US4528311A (en) * | 1983-07-11 | 1985-07-09 | Iolab Corporation | Ultraviolet absorbing polymers comprising 2-hydroxy-5-acrylyloxyphenyl-2H-benzotriazoles |
NZ208751A (en) * | 1983-07-11 | 1987-04-30 | Iolab Corp | 2-hydroxy-5-acrylyloxyalkylphenyl-2h-benzotriazole derivatives and polymers and copolymers thereof and use as uv absorbing additives in polymer compositions |
US4680336A (en) * | 1984-11-21 | 1987-07-14 | Vistakon, Inc. | Method of forming shaped hydrogel articles |
DE3445093A1 (de) * | 1984-12-11 | 1986-06-19 | Bayer Ag, 5090 Leverkusen | Hydrophile copolymere, deren verwendung als biomedizinische materialien und hieraus hergestellte kontaktoptische gegenstaende |
US5135965A (en) * | 1984-12-18 | 1992-08-04 | T. R. Developments, Ltd. | Hydrogel-forming polymers used in intraocular lenses |
US4620954A (en) * | 1985-06-07 | 1986-11-04 | Ciba Vision Care Corp. | Hydrogel from ultraviolet-initiated copolymerization |
GB8601949D0 (en) * | 1986-01-28 | 1986-03-05 | Smith & Nephew Ass | Hydrogel polymers |
US4716234A (en) * | 1986-12-01 | 1987-12-29 | Iolab Corporation | Ultraviolet absorbing polymers comprising 2-(2'-hydroxy-5'-acryloyloxyalkoxyphenyl)-2H-benzotriazole |
US4803254A (en) * | 1987-03-11 | 1989-02-07 | Iolab Corporation | Vinylsilylalkoxy arylbenzotriazole compounds and UV absorbing compositions made therefrom |
IL90362A0 (en) * | 1988-05-26 | 1989-12-15 | Alcon Lab Inc | Ultraviolet absorbing hydrogels and lenses containing the same |
US4889664A (en) * | 1988-11-25 | 1989-12-26 | Vistakon, Inc. | Method of forming shaped hydrogel articles including contact lenses |
US4997442A (en) * | 1989-05-04 | 1991-03-05 | Alcon Laboratories, Inc. | Bicomposite intraocular lenses |
JP2685980B2 (ja) * | 1990-11-26 | 1997-12-08 | 株式会社メニコン | 紫外線吸収性眼内レンズ |
US5480950A (en) * | 1992-09-28 | 1996-01-02 | Kabi Pharmacia Ophthalmics, Inc. | High refractive index hydrogels and uses thereof |
US5712356A (en) * | 1993-11-26 | 1998-01-27 | Ciba Vision Corporation | Cross-linkable copolymers and hydrogels |
JP3727035B2 (ja) * | 1995-03-14 | 2005-12-14 | Hoya株式会社 | ベンゾトリアゾール化合物、それからなる紫外線吸収剤およびそれを含む眼用レンズ |
US5824719A (en) * | 1995-06-07 | 1998-10-20 | Bausch & Lomb Incorporated | Polymer compositions for contact lenses |
JP3672370B2 (ja) * | 1996-02-29 | 2005-07-20 | 株式会社メニコン | 重合性基を有しない紫外線吸収性ポリマーを含む眼用レンズ材料及びその製造方法 |
JP3805853B2 (ja) * | 1997-03-13 | 2006-08-09 | 株式会社メニコン | 重合性色素及びそれを用いた着色眼用レンズ材料 |
US6015842A (en) * | 1997-08-07 | 2000-01-18 | Alcon Laboratories, Inc. | Method of preparing foldable hydrophilic ophthalmic device materials |
JP3641110B2 (ja) * | 1997-08-20 | 2005-04-20 | 株式会社メニコン | 軟質眼内レンズ用材料 |
US6244707B1 (en) * | 1998-07-21 | 2001-06-12 | Wesley Jessen Corporation | UV blocking lenses and material containing benzotriazoles and benzophenones |
RU2129880C1 (ru) * | 1998-07-21 | 1999-05-10 | Межотраслевой научно-технический комплекс "Микрохирургия глаза" | Эластичный искусственный хрусталик глаза |
US6329485B1 (en) * | 1998-12-11 | 2001-12-11 | Bausch & Lomb Incorporated | High refractive index hydrogel compositions for ophthalmic implants |
US6281319B1 (en) * | 1999-04-12 | 2001-08-28 | Surgidev Corporation | Water plasticized high refractive index polymer for ophthalmic applications |
WO2004058289A1 (en) * | 2002-12-20 | 2004-07-15 | Chakshu Research, Inc. | Ophthalmic formulation for the prevention and treatment of ocular conditions |
CA2665549C (en) * | 2006-10-13 | 2015-02-17 | Alcon, Inc. | Intraocular lenses with unique blue-violet cutoff and blue light transmission characteristics |
-
2009
- 2009-03-12 JP JP2011501894A patent/JP2011517418A/ja active Pending
- 2009-03-12 CA CA2717601A patent/CA2717601A1/en not_active Abandoned
- 2009-03-12 RU RU2010143876/15A patent/RU2491034C2/ru not_active IP Right Cessation
- 2009-03-12 WO PCT/US2009/036925 patent/WO2009120511A2/en active Application Filing
- 2009-03-12 EP EP09723925A patent/EP2254511A2/en not_active Withdrawn
- 2009-03-12 BR BRPI0909511A patent/BRPI0909511A2/pt not_active IP Right Cessation
- 2009-03-12 AU AU2009228847A patent/AU2009228847B2/en not_active Ceased
- 2009-03-12 US US12/402,865 patent/US20090248150A1/en not_active Abandoned
- 2009-03-12 CN CN2009801110275A patent/CN101980669A/zh active Pending
- 2009-03-20 TW TW098109121A patent/TW200942522A/zh unknown
- 2009-03-25 AR ARP090101061A patent/AR071071A1/es not_active Application Discontinuation
-
2014
- 2014-06-17 JP JP2014123992A patent/JP2014168716A/ja active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
RU2010143876A (ru) | 2012-05-10 |
WO2009120511A3 (en) | 2010-06-24 |
WO2009120511A2 (en) | 2009-10-01 |
BRPI0909511A2 (pt) | 2015-12-22 |
JP2011517418A (ja) | 2011-06-09 |
EP2254511A2 (en) | 2010-12-01 |
CN101980669A (zh) | 2011-02-23 |
RU2491034C2 (ru) | 2013-08-27 |
CA2717601A1 (en) | 2009-10-01 |
AU2009228847A1 (en) | 2009-10-01 |
TW200942522A (en) | 2009-10-16 |
US20090248150A1 (en) | 2009-10-01 |
AU2009228847B2 (en) | 2014-08-07 |
AR071071A1 (es) | 2010-05-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2014168716A (ja) | ヒドロゲル眼内レンズおよびこれを形成するための方法 | |
CA2665549C (en) | Intraocular lenses with unique blue-violet cutoff and blue light transmission characteristics | |
JP5363683B2 (ja) | グリスニングが低い、高屈折率の眼科的アクリルデバイス材料 | |
CA2338245C (en) | Uv blocking lenses and material containing benzotriazoles and benzophenones | |
JP2604799B2 (ja) | 眼内レンズ材料 | |
CA2836291C (en) | Hydrophobic acrylic intraocular lens materials | |
CA2945961C (en) | (meth)acrylamide polymers for contact lens and intraocular lens | |
EP2225325B1 (en) | High refractive index ophthalmic device materials | |
JP2002511012A (ja) | 折り畳み可能な高屈折率アクリル性眼用デバイス物質の調製方法 | |
EP2192933A1 (en) | Ophthalmic and otorhinolaryngological device materials | |
AU2014357332B2 (en) | Soft hydrophobic acrylic materials | |
CA2381177A1 (en) | Ophthalmic and otorhinolaryngological device materials | |
AU2015362796B2 (en) | Low-water content acrylate-acrylamide copolymers for ophthalmic devices | |
JP2023052498A (ja) | 眼適用のためのポリマーおよび方法 | |
CA2862795C (en) | Ophthalmic and otorhinolaryngological device materials containing a multi-arm peg macromer | |
KR20210111428A (ko) | 반짝임 변성이 감소된 소수성 아크릴 인공수정체의 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140617 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150604 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20151112 |