以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図12は本発明をパチンコ機に適用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の左右一側、例えば左側のヒンジ3を介して縦軸心廻りに開閉及び着脱自在に枢着された内枠4とを備えている。
内枠4には、その上部側に図2に示す遊技盤5等が、下部側に発射手段6(図4)等が夫々配置されており、その内枠4の前側には、遊技盤5の前側を覆うガラス扉7と、そのガラス扉7の下側で発射手段6等の前側を覆う下部開閉扉8とがヒンジ3と同じ側のヒンジ9により開閉及び着脱自在に枢着されている。ガラス扉7には、遊技盤5の前面側に設けられた遊技領域10に対応するガラス窓11が設けられている。
また下部開閉扉8には、遊技球を貯留して発射手段6に供給する上皿12、その上皿12が満杯のときに余剰球を貯留する下皿13、演出用の押しボタン14及び十字キー15、遊技機本体1に隣接するCRユニット(図示省略)を操作するためのCR操作パネル16、発射手段6を操作するための発射ハンドル17等が設けられている。上皿12、下皿13等は、合成樹脂製のカバーパネル18によってその略全体が前側から覆われており、押しボタン14、十字キー15、CR操作パネル16等はそのカバーパネル18上に配置され、発射ハンドル17はカバーパネル18の前側に突設されている。
図2に示すように、遊技盤5の前面側には、発射手段6から発射された遊技球を案内するガイドレール21が環状に装着されると共に、そのガイドレール21の内側の遊技領域10内に、センターケース22、普通図柄始動手段23、特別図柄始動手段24、大入賞手段25、普通入賞手段26a〜26d等の各種遊技部品が配置されている。センターケース22には、液晶式その他の主表示装置27及び副表示装置28が配置されると共に、普通図柄表示手段29、特別図柄表示手段30、普通保留個数表示手段31、特別保留個数表示手段32等が設けられている。主表示装置27及び副表示装置28は、遊技状態に応じて各種演出画像を表示するもので、大型の主表示装置27は例えば演出図柄表示手段33等を構成し、主表示装置27よりも小型の副表示装置28は例えば育成演出表示手段34等を構成している。
普通図柄始動手段23は、普通図柄表示手段29による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、例えばセンターケース22の左側に配置されている。なお、この普通図柄始動手段23には、通過する遊技球を検出可能な近接スイッチ等よりなる通過検出スイッチ35が設けられている。
普通図柄表示手段29は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、遊技球が普通図柄始動手段23を通過し、通過検出スイッチ35がそれを検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段23による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段29の変動表示中、又は後述する当たり状態中に普通図柄始動手段23の通過検出スイッチ35が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段31がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段24は、特別図柄表示手段30による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口24a,24bと、下特別始動口24bを開閉する開閉手段36とを備え、例えばセンターケース22の下側に配置されている。
上特別始動口24aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口24bは、開閉手段36により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段29の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段36が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。なお、この特別図柄始動手段24には、上下の特別始動口24a,24bに入賞した遊技球を夫々検出する近接スイッチ等よりなる入賞検出スイッチ37a,37bが設けられている。
特別図柄表示手段30は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段24の上下の特別始動口24a,24bの何れかに遊技球が入賞し、入賞検出スイッチ37a,37bがそれを検出することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口24a,24bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する大当たり状態中に特別始動口24a,24bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる特別保留個数表示手段32が大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
演出図柄表示手段33は、例えば特別図柄表示手段30による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に主表示装置27上で変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段24の上下の特別始動口24a,24bの何れかに遊技球が入賞し、入賞検出スイッチ37a,37bがそれを検出することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様となるものとする。なお、演出図柄表示手段33は、特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
育成演出表示手段(演出表示手段)34は、育成シミュレーション演出(以下、「育成演出」という)に関する各種画像を表示するもので、育成演出の育成対象となっているキャラクター(以下、「育成キャラ」という)の画像、その他の育成演出画像を副表示装置28上に表示するようになっている。
大入賞手段25は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板38を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段30の変動後の特別図柄が大当たり態様となって特別利益状態が発生したときに、開閉板38が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。なお、この大入賞手段25には、入賞した遊技球を検出する近接スイッチ等よりなる入賞検出スイッチ39が設けられている。
また、例えばこの大入賞手段25の右側に普通入賞手段26aが、左側に普通入賞手段26b〜26dが夫々配置されている。これら普通入賞手段26a〜26dには、入賞した遊技球を検出する近接スイッチ等よりなる入賞検出スイッチ40a〜40dが設けられている。
また、遊技盤5の裏面側には、図3に示すようにセンターケース22等の遊技部品を後側から覆う裏カバー41が装着され、この裏カバー41の背面側に、主制御基板42が格納された主基板ケース42a、演出制御基板43が格納された演出基板ケース43a、液晶制御基板44が格納された液晶基板ケース44a等が着脱自在に装着されている。
内枠4の裏側には、遊技盤5の裏側を開閉自在に覆う開閉カバー45が着脱自在に装着されると共に、その上側に遊技球タンク46とタンクレール47とが、左右一側に払い出し手段48と払い出し通路49とが夫々装着されており、遊技球が大入賞手段25等の入賞口に入賞したとき、又は図外のCRユニットから球貸し指令があったときに、遊技球タンク46内の遊技球をタンクレール47を経て払い出し手段48により払い出し、その遊技球を払い出し通路49を経て上皿12に案内するようになっている。
また、内枠4の裏側下部には、基板装着台51が着脱自在に装着されており、この基板装着台51の背面側に、電源基板52が格納された電源基板ケース52a、払出制御基板53が格納された払い出し基板ケース53aが夫々着脱自在に装着されている。
図4は本パチンコ機の制御系のブロック図である。主制御基板42は、遊技の進行を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段61、普通始動口チェック処理手段62、普通乱数記憶手段63、普通図柄処理手段64、普通利益状態発生手段65、普通図柄表示制御手段66、特別乱数作成処理手段71、特別始動口チェック処理手段72、特別乱数記憶手段73、特別図柄処理手段74、特別利益状態発生手段75、特別図柄表示制御手段76、特別遊技状態発生手段77、入賞処理手段78、制御コマンド送信手段79等を備えている。
また、この主制御基板42には、演出制御基板43、払出制御基板53等のサブ制御基板が接続され、また普通図柄表示手段29、特別図柄表示手段30等の表示手段、普通図柄始動手段23の通過検出スイッチ35、特別図柄始動手段24、大入賞手段25、普通入賞手段26a〜26dの各入賞検出スイッチ37a,37b,39,40a〜40d等が接続されている。なお、発射制御基板70は発射手段6を制御するもので、払出制御基板53を介して主制御基板42に間接的に接続されている。
普通乱数作成処理手段61は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段62は、普通図柄始動手段23による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段23の通過検出スイッチ35が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段61で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段63に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段64は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段29が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段63に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。なお、当たり判定で当たりとなる確率は、後述する特別遊技状態中の方がそれ以外の通常遊技状態中よりも高い値に設定され、また普通図柄の変動時間は、特別遊技状態中の方が通常遊技状態中よりも短くなるように設定されている。
普通利益状態発生手段65は、普通図柄処理手段64による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段29の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に、下特別始動口24bを開閉する開閉手段36を、例えば通常遊技状態中は通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)で、特別遊技状態中はその通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)で、夫々作動させるようになっている。
普通図柄表示制御手段66は、普通図柄処理手段64による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段29の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段29が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段29による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段64で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段64で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
特別乱数作成処理手段71は、変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定に用いる大当たり判定乱数、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段72は、特別図柄始動手段24への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段24の特別始動口24a,24bに遊技球が入賞し、入賞検出スイッチ37a,37bがその遊技球を検出することに基づいて、特別乱数作成処理手段71で作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を1個ずつ取得し、それら当たり判定乱数値、当たり図柄乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として特別乱数記憶手段73に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段74は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特別図柄表示手段30が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段73に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段73に最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段73に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果に基づいて、演出図柄の変動パターンとして複数種類の変動パターンの中から1つを選択する変動パターン選択機能等を備えている。
特別利益状態発生手段75は、大入賞手段25を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるためのもので、特別図柄処理手段74による判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段30による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合に、大入賞手段25が所定の開放パターンで開放する特別利益状態を発生させるようになっている。
特別図柄表示制御手段76は、特別図柄表示手段30の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段74による特別図柄処理に基づいて特別図柄表示手段30による特別図柄の変動を開始させると共に、変動パターン選択機能により選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、特別停止図柄選択機能により選択された停止図柄態様で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段77は、特別利益状態の発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、特別図柄が大当たり態様となって特別利益状態が発生したときに、例えばその特別利益状態の終了後の所定期間、その大当たり態様の種類に応じて例えば時短遊技状態と確変遊技状態との何れかを発生させるようになっている。
時短遊技状態中は、特別図柄表示手段30の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄の変動時間が通常変動時間から短縮変動時間へ、特別図柄始動手段24の開閉手段36の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。また、確変遊技状態中は、特別図柄が大当たり態様となる確率が低確率から高確率に切り換えられ、更に時短遊技状態と同様の処理が行われるようになっている。
入賞処理手段78は、上特別始動口24a、下特別始動口24b、大入賞手段25、普通入賞手段26a〜26dの7つの入賞口への遊技球の入賞に関する処理を行うもので、各入賞口に設けられた各入賞検出スイッチ37a,37b,39,40a〜40dからの検出信号に基づいて、例えば各入賞口への遊技球の入賞毎に、その入賞口に設定された賞球個数に対応する払出個数指定コマンドを、制御コマンド送信手段79を介して払出制御基板53等に送信するように構成されている。
制御コマンド送信手段79は、演出制御基板43、払出制御基板53等のサブ制御基板に制御コマンドを送信するもので、例えば特別図柄の変動開始時には、特別図柄処理手段74による特別図柄処理に基づいて、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、演出図柄の停止図柄の抽選を指示する停止図柄コマンド、演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンド等を演出制御基板43に送信し、また何れかの入賞口への入賞があった場合には、入賞処理手段78の制御により、賞球の払出個数を指定する払出個数指定コマンドを払出制御基板53及び演出制御基板43に送信するようになっている。
払出制御基板53は、払い出し手段48による賞球等の払い出しに関する制御を行うためのもので、例えば主制御基板42から払出個数指定コマンドを受信した場合に、その払出個数指定コマンドで指定された賞球個数に基づいて払い出し手段48を作動させるようになっている。
発射制御基板70は、発射手段6の制御を行うもので、例えば払出制御基板53からの発射制御信号がONの状態で発射ハンドル17が操作されることを条件に発射手段6を作動させるように構成されている。なお、発射動作中であるか否かは、例えば発射制御基板70から主制御基板42を介して演出制御基板43に通知されるものとする。もちろん、演出制御基板43は発射動作中であるか否かの情報を発射制御基板70から直接取得するように構成してもよい。
演出制御基板43は、演出図柄表示手段33、育成演出表示手段34、音声出力手段81、電飾手段82等の各種演出手段を制御するためのもので、演出図柄制御手段83、育成演出制御手段84等を備えている。
演出図柄制御手段83は、演出図柄表示手段33の表示制御及びそれに伴う音声出力手段81、電飾手段82等の制御を行うもので、主制御基板42から変動パターンコマンド及び停止図柄コマンドを受信した場合に、その変動パターンコマンドに対応する変動パターンに基づいて演出図柄表示手段33による演出図柄の変動表示を開始させると共に変動後の停止図柄態様を抽選により決定し、その後に変動停止コマンドを受信したときに、抽選により決定した停止図柄態様で演出図柄の変動を停止させ、またその演出図柄の変動表示に合わせて音声出力手段81から所定の効果音を出力し、電飾手段82を所定のパターンで発光させるようになっている。
育成演出制御手段84は、育成キャラの育成シミュレーションを行う育成演出を制御するもので、状態値管理手段84a、状態値記憶手段84b、育成キャラ表示制御手段84c等を備えている。本実施形態の育成演出では、育成キャラの状態を示す状態値(状態情報)として、図5に示すように「年齢値」、「健康値」、「空腹値」、「善悪値」の4種類を設けている。
「年齢値」は、育成キャラの年齢を示すもので、取り得る範囲は0〜50、初期値は0に設定されており、遊技状態中と非遊技状態中とに拘わらず、所定の年齢値更新時間経過毎に1ずつ増加するようになっている。即ち、この年齢値は遊技状態中だけでなく非遊技状態中も時間経過に応じて変化し、その変化方向は遊技状態中と非遊技状態中とで同じ(増加方向)である。
本実施形態では、発射手段6による発射動作が行われている状態を「遊技状態中」、発射手段6による発射動作が行われていない状態を「非遊技状態中」とする。発射動作中であるか否かは、上述したように例えば発射制御基板70から主制御基板42を介して演出制御基板43に通知される。なお、遊技状態中か否かを、発射動作の有無だけでなく、図柄変動中か否か、払い出し中か否か等の複数の条件に基づいて判定するようにしてもよい。例えば、発射動作中でなく、図柄変動中でなく、払い出し中でない状態となったとき、又はその状態が所定時間継続したときに「非遊技状態」が開始されたと判定し、そのような状態の何れかが終了したときに「遊技状態」が開始されたと判定するようにしてもよい。
「健康値」は、育成キャラの健康度合いを示すもので、取り得る範囲は0(最も不健康)〜100(最も健康)、初期値は60に設定されており、遊技状態中と非遊技状態中とに拘わらず所定の健康値更新時間経過毎に2ずつ減少すると共に、演出図柄がリーチとなった場合には4増加し、大当たり態様となった場合には10増加するようになっている。即ち、この健康値は、遊技状態中だけでなく非遊技状態中も時間経過に応じて特定方向(減少方向)に変化すると共に、遊技状態中については所定条件の成立(例えば所定の遊技状態の出現)によって反特定方向(増加方向)に変化するようになっている。
「空腹値」は、育成キャラの空腹度合いを示すもので、取り得る範囲は0(空腹)〜10(満腹)、初期値は5に設定されており、所定の入賞判定時間当たりの入賞個数が第1判定値より大であれば1増加し、第2判定値(≦第1判定値)より小であれば1減少するようになっている。即ち、この空腹値は、遊技状態中だけでなく非遊技状態中も変化するが、遊技状態中については両方向への変化が可能であるのに対し、非遊技状態中は所定方向(減少方向)への変化のみが可能となっている。
「善悪値」は、育成キャラの善悪度合いを示すもので、取り得る範囲は0(最悪)〜100(最善)、初期値は50に設定されており、遊技状態中は所定の善悪値更新時間経過毎に2ずつ増加し、非遊技状態中は同じく所定の善悪値更新時間経過毎に5ずつ減少するようになっている。即ち、この善悪値は遊技状態中だけでなく非遊技状態中も時間経過に応じて変化し、その変化方向は遊技状態中と非遊技状態中とで異なっている。
状態値管理手段(状態情報管理手段)84aは、育成キャラの状態値を管理するもので、例えば図6に示す状態値管理処理を、例えば所定時間(例えば4msec)毎の定期割込において実行するように構成されている。なお、各状態値は状態値記憶手段84bに記憶され、状態値管理手段84aによる状態値管理処理において読み出し、及び更新が行われる。図6に示す状態値管理処理では、年齢値管理処理(S1)、健康値管理処理(S2)、空腹値管理処理(S3)及び善悪値管理処理(S4)が順次実行される。
年齢値管理処理(S1)では、例えば図7に示すように、まず時間経過判定処理(S11)が実行される。この時間経過判定処理(S11)では、予め定められた年齢値更新時間(例えば15分)が経過したか否かが判定される。即ち、図11に示すように、所定の計時カウンタ(ここでは年齢値更新用カウンタ)の値が0であることを条件に(S71:Yes)、その計時カウンタに、所定時間(ここでは年齢値更新時間)に対応する値がセットされる(S72)。そして、計時カウンタの値が1減算され(S73)、その減算後の計時カウンタの値が0の場合に(S74:Yes)、所定時間(ここでは年齢値更新時間)が経過したと判定される(S75)。
S11において年齢値更新時間が経過したと判定された場合には(S12:Yes)、年齢値が1加算される(S13)。そして、その加算後の年齢値が上限値(ここでは50)に達した場合には、例えば年齢値が初期値である0にリセットされ(S15)、育成演出が新たに最初から開始される。なお、年齢値が初期値にリセットされた場合には、他の状態値も初期値にリセットされることが望ましい。
健康値管理処理(S2)では、例えば図8に示すように、まず時間経過判定処理(S21)が実行される。この時間経過判定処理(S21)では、予め定められた健康値更新時間(例えば5分)が経過したか否かが判定される。なお、この時間経過判定処理(S21)の内容は、図11の計時カウンタ(S71〜S74)を健康値更新用カウンタとし、所定時間(S75)を健康値更新時間としただけで、年齢値管理処理(S1)の時間経過判定処理(S11)と基本的に同じであるため、ここでの説明は省略する。
S21において健康値更新時間が経過したと判定された場合には(S22:Yes)、原則として健康値が2減算されるが(S24)、特別遊技状態中については、後述するS28及びS30の加算処理の機会が得られないため、S24の減算処理は行われないようになっている(S23)。このように、遊技状態中と非遊技状態中とに拘わらず時間経過に応じて状態値を所定方向に変化させる場合であっても、例えば状態値を反所定方向に変化させる機会が与えられない期間、その他の所定期間については時間経過に応じた所定方向への変化を停止してもよい。なお、減算後の健康値が下限値(ここでは0)未満となる場合には(S25:Yes)、健康値がその下限値に設定される(S26)。
また、演出図柄の変動においてリーチが成立した場合には(S27:Yes)、健康値に4が加算され(S28)、演出図柄の変動において大当たり態様が確定した場合には(S29:Yes)、健康値に10が加算される(S30)。そして、加算後の健康値が上限値(ここでは100)を超える場合には(S31:Yes)、健康値がその上限値に設定される(S32)。
空腹値管理処理(S3)では、例えば図9に示すように、まず上特別始動口24a、下特別始動口24b、大入賞手段25、普通入賞手段26a〜26dの何れかに遊技球が入賞したか否かが判定され(S41)、入賞したと判定された場合には(S41:Yes)、入賞カウンタが1加算される(S42)。ここで、各入賞手段への入賞があったか否かについては、例えば主制御基板42から払出制御基板53に送信される払出個数指定コマンドを演出制御基板43に対しても送信するように構成することで、状態値管理手段84aに認識させることが可能である。
そして、時間経過判定処理(S43)により、予め定められた入賞判定時間(例えば10分)が経過したか否かが判定される。この時間経過判定処理(S43)の内容は、図11の計時カウンタ(S71〜S74)を空腹値更新用カウンタとし、所定時間(S75)を入賞判定時間としただけで、年齢値管理処理(S1)の時間経過判定処理(S11)と基本的に同じであるため、ここでの説明は省略する。
S43において入賞判定時間が経過したと判定された場合には(S44:Yes)、入賞カウンタの値は0クリアされるが(S53)、その0クリアの前に、入賞カウンタの値と第1判定値及び第2判定値(≦第1判定値)とが比較される(S45,S49)。そして、入賞カウンタの値が第1判定値よりも大であれば(S45:Yes)、空腹値が1加算される(S46)と共に、その加算後の空腹値が上限値(ここでは10)を超える場合には(S47:Yes)、空腹値がその上限値に設定される(S48)。また、入賞カウンタの値が第2判定値よりも小であれば(S49:Yes)、空腹値が1減算される(S50)と共に、その減算後の空腹値が下限値(ここでは0)未満となる場合には(S51:Yes)、空腹値がその下限値に設定される(S52)。入賞カウンタの値が第1判定値以下で且つ第2判定値以上であれば(S49:No)、空腹値の値は変化しない。
善悪値管理処理(S4)では、例えば図10に示すように、まず時間経過判定処理(S61)が実行される。この時間経過判定処理(S61)では、予め定められた善悪値更新時間(例えば10分)が経過下か否かが判定される。なお、この時間経過判定処理(S61)の内容は、図11の計時カウンタ(S71〜S74)を善悪値更新用カウンタとし、所定時間(S75)を善悪値更新時間としただけで、年齢値管理処理(S1)の時間経過判定処理(S11)と基本的に同じであるため、ここでの説明は省略する。
S61において善悪値更新時間が経過したと判定された場合には(S62:Yes)、遊技状態中か否かが判定される(S63)。そして、遊技状態中であると判定された場合には(S63:Yes)、善悪値が2加算される(S64)と共に、その加算後の善悪値が上限値(ここでは100)を超える場合には(S65:Yes)、善悪値がその上限値に設定される(S66)。一方、非遊技状態中であると判定された場合には(S63:No)、善悪値が5減算される(S67)と共に、その減算後の善悪値が下限値(ここでは0)未満となる場合には(S68:Yes)、善悪値がその下限値に設定される(S69)。
図12は、各状態値の変化履歴の一例を示したものである。この図12に示すように、年齢値は遊技状態中だけでなく非遊技状態中も時間経過に応じて変化し、その変化方向は遊技状態中と非遊技状態中とで同じ増加方向であり、また変化幅も同じとなっている。また健康値は、遊技状態中だけでなく非遊技状態中も時間経過に応じて減少方向に変化する(特別遊技状態中を除く)と共に、遊技状態中についてはリーチ状態成立、大当たり態様確定によって増加方向に変化するようになっている。
また空腹値は、遊技状態中だけでなく非遊技状態中も変化するが、遊技状態中については所定の入賞判定時間当たりの入賞個数に応じて増減両方向への変化が可能であるのに対し、入賞があり得ない非遊技状態中は減少方向への変化のみが可能となっている。また善悪値は、遊技状態中だけでなく非遊技状態中も時間経過に応じて変化するが、その変化方向は遊技状態中が増加方向、非遊技状態中が減少方向となっている。
このように、各状態値は全て遊技状態中だけでなく非遊技状態中も変化するが、年齢値については非遊技状態中も遊技状態中と同様に増加方向に変化するのに対し、その他の健康値、空腹値、善悪値については非遊技状態中は必ず減少方向に変化するようになっている。
育成キャラ表示制御手段84cは、育成演出表示手段34への育成キャラその他の育成演出画像の表示等を制御するもので、状態値記憶手段84bに記憶されている各状態値に基づいて、図12の下部に示すように例えばその状態値に対応する育成キャラの動画像を育成演出表示手段34上に表示させると共にその動画像に応じた音声を音声出力手段81から出力させるようになっている。また、育成キャラ表示制御手段84cは、任意のタイミングで、各状態値の変化状態に応じた報知画像を、例えば育成キャラの画像と共に育成演出表示手段34に表示させるようにしてもよい。例えば、非遊技状態が続いて健康値、空腹値、善悪値が大きく減少した場合、或いは減少しそうな場合には、「病気で死にそうです」、「空腹で倒れそう」、「グレてやる」などの報知画像を表示させることで、遊技者の遊技参加を促すことができる(図12の下部参照)。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、非遊技状態中の経過時間に応じて育成キャラの状態値(状態情報)を変更するように構成されており、しかも複数の状態値のうちの少なくとも一つ、例えば善悪値については非遊技状態中と遊技状態中とで異なる方向に変更するように構成されているため、遊技を行っている遊技者だけでなく、遊技を行っていない遊技者の遊技意欲をも喚起することができ、遊技への参加を促すことが可能である。
図13及び図14は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、リアルタイムクロックから取得した日時情報に基づいて経過時間を判断するように構成した例を示している。以下、第1の実施形態との相違部分を中心に説明する。
図13に示すように、本実施形態のパチンコ機では、例えば演出制御基板43上にリアルタイムクロック(以下、RTCという)84dが設けられている。このRTC84dは計時専用チップであり、電源がOFFの状態でも内蔵電池からの電源供給により日時をカウントするようになっている。なお、RTC84dは必ずしも演出制御基板43上に設ける必要はなく、例えば主制御基板42上にRTC84dを設け、コマンドにより演出制御基板43に日時情報を送信するようにしてもよい。
図14は、本実施形態の時間経過判定処理のフローチャートであり、第1の実施形態における時間経過判定処理(図11)に対応するものである。この時間経過判定処理(図14)は、年齢値管理処理(図7)、健康値管理処理(図8)、空腹値管理処理(図9)及び善悪値管理処理(図10)において呼び出されるようになっている。
この時間経過判定処理(図14)では、まずRTC84dから日時情報が取得され(S81)、最新更新日時の設定があるか否かが判定される(S82)。ここで、「最新更新日時」とは、前回の状態値(例えば年齢値管理処理(図7)では年齢値)の更新日時がセットされるものである。
そして、最新更新日時が設定されていないと判定された場合(S82:No)、即ち電源投入直後である場合には、RTC84dから取得した日時情報が最新更新日時にセットされ(S83)、ここで時間経過判定処理は終了する。
一方、最新更新日時が設定されていると判定された場合には(S82:Yes)、最新更新日時から現在の日時(RTC84dから取得した日時)までの経過時間が算出され(S84)、その経過時間と所定時間(例えば年齢値管理処理(図7)では年齢値更新時間)とが比較され(S85)、最新更新日時から所定時間(年齢値更新時間等)が経過したか否かが判定される(S86)。そして、最新更新日時から所定時間(年齢値更新時間等)が経過したと判定された場合には(S86:Yes)、RTC84dから取得した日時情報が最新更新日時にセットされ(S87)、時間経過判定処理は終了する。
以上説明したように、遊技状態中、非遊技状態中の経過時間は、計時カウンタによるカウント値ではなくRTC84dから取得した日時情報に基づいて求めることも可能である。
図15〜図19は本発明の第3の実施形態を例示し、第2の実施形態を一部変更して、遊技者が遊技を開始する際に前回の遊技終了時の状態値を引き継ぐことができるようにした例を示している。以下、第2の実施形態との相違部分を中心に説明する。
図15に示すように、本実施形態のパチンコ機では、保存情報入力手段の一例として十字キー15が演出制御基板43に接続されている。
また、本実施形態の状態値管理処理(図16)では、第1,第2の実施形態に係る状態値管理処理(図6)に対して、保存情報出力処理(S0a)及び保存情報入力処理(0b)が追加されている。
保存情報出力処理(S0a)では、例えば図17に示すように、保存情報出力指示があったか否かが判定され(S91)、保存情報出力指示がない場合(S91:No)には保存情報出力処理は終了する。ここで、保存情報出力指示は、例えば遊技者による所定操作、例えば十字キー15等による所定の保存情報出力操作に基づいて行われる。
S91において保存情報出力指示があったと判定された場合には(S91:Yes)、状態値記憶手段84bからその時点の各状態値が読み出され、その各状態値に対応する保存情報が生成され(S92)、その生成された保存情報が出力される(S93)。ここで、保存情報は例えば所定数の文字列等で構成され、元の各状態値を復元可能な可逆性を有するものとする。また、保存情報の出力は、例えば育成演出表示手段(保存情報出力手段)34に保存情報を表示することにより行われるが、保存情報を構成する文字列等をそのまま表示してもよいし、その文字列等に対応する二次元コード等を表示してもよい。例えば保存情報を二次元コードにより表示すれば、遊技者はその二次元コードを携帯電話のカメラ等で撮影することにより容易に保存可能である。
保存情報が出力されると(S93)、状態値記憶手段84bに記憶されている各状態値がリセットされ(S94)、保存情報出力処理は終了する。従って、当該パチンコ機でその後に遊技を行う新たな遊技者は、育成演出を最初から楽しむことができる。
また、保存情報入力処理(S0b)では、例えば図18に示すように、保存情報の入力があったか否かが判定され(S101)、保存情報の入力がない場合(S101:No)には保存情報入力処理は終了する。
ここで、保存情報の入力は、遊技者によって例えば十字キー15等を用いて行われる。即ち、例えば遊技者が保存情報の入力を開始するための所定操作を行うと、例えば育成演出表示手段34上に仮想キーボードが表示され、その仮想キーボード上のカーソルを十字キー(保存情報入力手段)15により移動させて英数字を順次選択・確定することにより保存情報を入力することができる。なお、保存情報を二次元コード等で出力する場合には、遊技機本体1に撮像センサを設け、二次元コード等の画像を表示させた携帯電話の画面をその撮像センサで読み取らせることにより保存情報を入力するようにしてもよい。
S101において保存情報が入力されたと判定された場合には(S101:Yes)、入力された保存情報に基づいてそれに対応する保存状態値が復元されると共に(S102)、状態値記憶手段84bに記憶されている各状態値が、その保存状態値に更新され(S103)、保存情報入力処理は終了する。従って、遊技者は遊技を開始する際に前回の遊技終了時の状態値を引き継いで育成演出を楽しむことができる。
図19は本実施形態における各状態値の変化履歴の一例を示したものである。図19に示すように、保存情報が出力されると、各状態値がリセットされて新たに育成演出が開始されるが、その後に保存情報が入力されると、その時点の状態値に拘わらず、その保存情報が出力された時点の状態値から育成演出が再開される。
図20及び図21は本発明の第4の実施形態を例示し、第3の実施形態を一部変更して、保存情報を出力した時点から、その保存情報が入力されるまでの経過時間を状態値に反映させるように構成した例を示している。以下、第3の実施形態との相違部分を中心に説明する。
図20に示す保存情報出力処理は、第3の実施形態の保存情報出力処理(図17)を一部変更したもので、S91において保存情報出力指示があったと判定された場合に(S91:Yes)、RTC84dから日時情報が取得され(S91a)、状態値記憶手段84bから読み出された各状態値と、RTC84dから取得された日時情報とに対応する保存情報が生成され(S92a)、その生成された保存情報が出力される(S93)ように構成されている。このように、本実施形態の保存情報は、元の状態値と日時情報とを復元可能な可逆性を有するものとする。
また、図21に示す保存情報入力処理は、第3の実施形態の保存情報入力処理(図18)を一部変更したもので、S101において保存情報が入力されたと判定された場合には(S101:Yes)、入力された保存情報に基づいて、それに対応する状態値(保存状態値)と日時情報(保存時日時)とが取得される(S102,S102a)。また、RTC84dから日時情報(現日時)が所得され(S102b)、保存時日時から現日時までの経過時間が算出される(S102c)。
そして、得られた経過時間に応じて保存状態値が変更され(S102d)、状態値記憶手段84bに記憶されている各状態値が、その変更後の保存状態値に更新され(S103a)、保存情報入力処理は終了する。この保存時日時から現日時までの経過時間に基づく保存状態値の変更は、非遊技状態中の経過時間に基づく状態値の変更と同じルールに基づいて行ってもよいし、異なるルールに基づいて行ってもよい。
図22は本実施形態における各状態値の変化履歴の一例を示したものである。図22に示すように、保存情報(日時情報あり)が出力されると、各状態値がリセットされて新たに育成演出が開始されるが、その後に保存情報が入力されると、その時点の状態値に拘わらず、新たな状態値から育成演出が開始される。この保存情報入力時の新たな状態値は、保存情報出力時の状態値と同じではなく、保存情報が出力された時点からその保存情報が入力されるまでの経過時間が反映された値となっている。但し、保存情報が出力された時点からその保存情報が入力されるまでの単位経過時間に対する状態値の変化度合いは、非遊技状態中における単位時間経過に対する状態値の変化度合いに比べて小さくなっている。
またこのようにRTCを用いれば、電源OFF→ONを挟む場合、即ち二日以上に跨がる場合でも経過時間を求めることができ、保存情報が出力されてからその保存情報が入力されるまでの期間が二日以上に跨がる場合でもその期間中の経過時間に基づいて状態値を変更することが可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では育成キャラを育成する育成演出を実行するように構成したが、時間経過等に応じて変化する一又は複数種類の状態情報に対応する演出画像を表示する演出であればよく、必ずしもキャラクタを育成する演出に限られるものではない。
また、時間経過等に応じて変化する状態情報は、実施形態で示した年齢値等のような数値情報(状態値)であることが望ましいが、これに限られるものではなく、大/中/小、ON/OFF等、数値以外の情報を用いてもよい。もっとも、これらの情報についても、内部的には全て数値で把握することが可能である。
実施形態で示した各状態値は、全て遊技状態中だけでなく非遊技状態中も変化するように構成したが、非遊技状態中は変化せず、遊技状態中にのみ変化する状態値があってもよい。また、遊技状態中は変化せず、非遊技状態中にのみ変化する状態値があってもよい。
図5に示した各状態値の変更条件は、二日以上に跨がって育成演出を行う場合を想定したものではないが、第4の実施形態のように二日以上に跨がって育成演出を行うことを前提とする場合には、それに合わせて各状態値の変更条件を設定することが望ましい。
また実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、アレンジボール機等の他の弾球遊技機はもちろん、スロットマシン等、弾球遊技機以外の各種遊技機においても同様に実施可能であることは言うまでもない。