JP2014167567A - 光導波路回路の製造方法および光導波路回路 - Google Patents

光導波路回路の製造方法および光導波路回路 Download PDF

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洋志 川島
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正隆 安田
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礼高 松原
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【課題】光導波路回路の特性に悪影響を及ぼさずに樹脂を供給することができる光導波路回路の製造方法および光導波路回路を提供すること。
【解決手段】クラッド部と、前記クラッド部内に配置され、前記クラッド部よりも屈折率が高いコア部とを備え、前記クラッド部の表面から前記コア部を横切るように形成された溝を有する光導波路回路を作製する光導波路回路作製工程と、前記溝に第1樹脂を供給しながら、前記溝の外側に流れた前記第1樹脂を該溝の外周の少なくとも一部の位置にて硬化させる第1樹脂硬化工程と、前記第1樹脂の供給終了後に、該供給した第1樹脂全体を硬化させる第2樹脂硬化工程と、を含む光導波路回路の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、光導波路回路の製造方法および光導波路回路に関するものである。
石英系ガラスを材料とする光導波路回路である平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)により構成したマッハツェンダー光干渉計(Mach-Zehnder interferometer:MZI)やアレイ導波路回折格子(Arrayed-Waveguide Grating:AWG)などの光干渉計素子が、波長合分波器として用いられている。これらの波長合分波器は、光干渉計素子を構成する石英系ガラスの屈折率の温度依存性のため、波長合分波特性の温度依存性を有している。例えば、石英系ガラスの屈折率の温度係数が約1×10−5(1/℃)であるときに、波長合分波器の透過中心波長λcの温度係数が約0.01(nm/℃)であることが知られている。
この温度依存性を解消するために、波長合分波器をヒータやペルチェ素子等の温度制御手段に実装することで一定の温度に保ち、温度に依存しない一定の透過中心波長λcを得る方法がある。あるいは、逆に波長合分波器を温度制御して、透過中心波長λcを任意に変化させることにより、波長可変特性を有する波長合分波器を実現する技術が開示されている。
一方、電力消費量の削減などを目的として、上記の温度制御手段を用いずに一定のまたは可変のλcを得ることが求められている。特許文献1には、MZIのアーム部にコア部を横切る溝を形成し、この溝に屈折率の温度係数が石英系ガラスとは異なる樹脂からなる温度補償材料(たとえば、ポリシロキサンを含むシリコーン樹脂)を充填する技術が開示されている。特許文献1によれば、MZIを構成する材料の屈折率の温度依存性を相殺するような温度補償材料・溝設計を適用することによって、波長合分波器の透過中心波長λcの温度依存性をほぼ無くした温度無依存型波長合分波器が実現される。また、特許文献2では、温度補償材料を温度制御することによって透過中心波長λcを任意に変化させることができる波長可変型波長合分波器が開示されている。
特許文献3では、温度補償材料を充填する溝によってコア部に間隙ができることにより発生する放射損失を抑制するために、溝を複数に分割している。これによって、1つあたりの溝の幅(光導波方向での幅)を小さくできるので、放射損失を抑制することができる。さらに特許文献3では、溝を形成するコア部の、基板面に対して水平方向の幅および垂直方向の高さを変化させて、テーパ形状を設けている。これによって、溝の前後でのコア部のサイズを拡大し、コア部を導波する光の、溝内の端面におけるスポットサイズを拡大することによって、放射損失を抑制している。
一方、光導波路回路のコア部を伝搬する光には、2つの偏波状態(TM波とTE波)が存在する。光干渉計においては、透過波長特性における透過率のピークが、TM波の光とTE波光との間で差が生じる現象がある。この現象は偏波依存周波数シフト(Polarization Dependent Frequency Shift:PDFS)と呼ばれる。
PDFSを解消する技術として、光導波路を局所的に加熱してその屈折率や複屈折率を恒久的に変化させる技術が開示されている。この技術は、高精度にPDFSを調整し、かつその調整された特性を恒久的に維持することができる実用的な手段であり、有用であると考えられている。このように光導波路を加熱してその屈折率や複屈折率を恒久的に変化させる技術はトリミングと呼ばれることがある。
たとえば、特許文献4では、光導波路回路のチップ上に薄膜ヒータを形成し、かつこのヒータ幅などの構造により光導波路を局所加熱する領域を適切に設定することにより、トリミングによるPDFSの調整量を制御する技術が開示されている。
特許第4283248号公報 特開2010−054624号公報 特許第4058402号公報 特許第3703013号公報
温度補償材料であるシリコーン樹脂を溝に充填する際には、複数に分割された溝の端に、シリコーン樹脂を滴下する液溜めを設け、毛細管現象により各溝へシリコーン樹脂を流し込んでいく方法がある。このとき、後工程で光導波路回路をアルコールに浸して洗浄する際に、溝と樹脂との隙間からアルコールが浸入するおそれがある。このため、溝の上からさらにシリコーン樹脂を回路表面に盛り上がるように滴下して、隙間からアルコールが浸入しないようにすることが好ましい。また、シリコーン樹脂の上をさらに低透湿性の樹脂で覆う場合もある。
ところが、樹脂を回路表面に盛り上がるように滴下すると、他の構成要素(たとえば、トリミング用のヒータ)に樹脂が広がってしまうおそれがある。たとえばトリミング用ヒータの場合、光導波路の屈折率を変化させるためにきわめて高温となるので、樹脂が焼損し、光導波路回路の特性に悪影響を及ぼすおそれがあるという問題がある。または、樹脂がシリコーン樹脂の場合には、シリコーン樹脂に含まれるシロキサンが他の構成要素に広がった場合に、光導波路回路の特性に悪影響を及ぼすおそれがあるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光導波路回路の特性に悪影響を及ぼさずに樹脂を供給することができる光導波路回路の製造方法および光導波路回路を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光導波路回路の製造方法は、クラッド部と、前記クラッド部内に配置され、前記クラッド部よりも屈折率が高いコア部とを備え、前記クラッド部の表面から前記コア部を横切るように形成された溝を有する光導波路回路を作製する光導波路回路作製工程と、前記溝に第1樹脂を供給しながら、前記溝の外側に流れた前記第1樹脂を該溝の外周の少なくとも一部の位置にて硬化させる第1樹脂硬化工程と、前記第1樹脂の供給終了後に、該供給した第1樹脂全体を硬化させる第2樹脂硬化工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る光導波路回路の製造方法は、クラッド部と、前記クラッド部内に配置され、前記クラッド部よりも屈折率が高いコア部とを備え、前記クラッド部の表面から前記コア部を横切るように形成された溝を有する光導波路回路を作製する光導波路回路作製工程と、前記溝の外周の少なくとも一部の位置に第1樹脂を滴下し、樹脂が隆起した状態に硬化させる第1樹脂硬化工程と、前記第1樹脂硬化工程後に前記溝に第2樹脂を供給する樹脂供給工程と、前記供給した第2樹脂全体を硬化させる第2樹脂硬化工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る光導波路回路の製造方法は、前記第1樹脂と前記第2樹脂とが同じ種類であることを特徴とする。
また、本発明に係る光導波路回路の製造方法は、前記第1樹脂と前記第2樹脂とが異なる種類であることを特徴とする。
また、本発明に係る光導波路回路の製造方法は、前記溝の外周の少なくとも一部の位置にヒータを形成するヒータ形成工程を含み、前記第1樹脂は熱硬化型樹脂であり、第1樹脂硬化工程は、前記形成したヒータで加熱することによって行うことを特徴とする。
また、本発明に係る光導波路回路の製造方法は、前記第1樹脂は熱硬化型樹脂であり、第1樹脂硬化工程は、前記溝の外周の少なくとも一部の位置に光を照射することによって行うことを特徴とする。
また、本発明に係る光導波路回路の製造方法は、前記第1樹脂は紫外線硬化型樹脂であり、第1樹脂硬化工程は、前記溝の外周の少なくとも一部の位置に紫外光を照射することによって行うことを特徴とする。
また、本発明に係る光導波路回路は、クラッド部と、前記クラッド部内に配置され、前記クラッド部よりも屈折率が高いコア部と、前記クラッド部の表面から前記コア部を横切るように形成された溝と、前記溝に充填されるとともに前記クラッド部上で盛り上がるように形成され、かつ外周の少なくとも一部に隆起部が形成された樹脂と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、光導波路回路の特性に悪影響を及ぼさずに樹脂が供給された光導波路回路を提供できるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。 図2は、図1のA−A線要部断面図である。 図3は、実施の形態1に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。 図4は、図3のA−A線要部断面図である。 図5は、実施の形態1に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。 図6は、図5のA−A線要部断面図である。 図7は、実施の形態2に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。 図8は、図7のA−A線要部断面図である。 図9は、実施の形態2に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。 図10は、図9のA−A線要部断面図である。 図11は、実施の形態2に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。 図12は、図11のA−A線要部断面図である。 図13は、実施の形態2に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。 図14は、図13のA−A線要部断面図である。 図15は、実施の形態3に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。 図16は、図16のA−A線要部断面図である。 図17は、実施の形態3に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。 図18は、図17のA−A線要部断面図である。 図19は、実施の形態3に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。 図20は、図19のA−A線要部断面図である。 図21は、実施の形態2の変形例に係る製造方法を説明する図である。 図22は、実施の形態3の変形例に係る製造方法を説明する図である。 図23は、実施の形態4に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。 図24は、実施の形態4に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。 図25は、実施の形態4に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。 図26は、実施の形態4に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。
以下に、図面を参照して本発明に係る光導波路回路の製造方法および光導波路回路の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(実施の形態1)
図1〜6は、本発明の実施の形態1に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。図2、4、6は、それぞれ図1、3、5のA−A線要部断面図である。本実施の形態1に係る製造方法では、まず、図1、2に示す光導波路回路100を作製する。この光導波路回路100は、波長合分波器であって、クラッド部10内に配置されたコア部20が光導波路を構成しているものである。クラッド部10は、たとえばB、Pなどを添加した石英系ガラスからなる。コア部20は、たとえばGeOが添加された石英系ガラスからなり、クラッド部10よりも屈折率が高く設定されている。
コア部20は、光入力ポート21、22と、光入力ポート21、22に接続したMZI23と、MZI23に接続した光出力ポート24、25とを構成している。MZI23は、方向性結合器23aと、方向性結合器23aに接続したアーム部23b、23cと、アーム部23b、23cに接続した方向性結合器23dとで構成されている。
アーム部23b、23cには、コア部20の幅が拡大されたスポットサイズ拡大部23ba、23caがそれぞれ形成されている。また、クラッド部10の表面から、スポットサイズ拡大部23baを横切る複数の溝30、およびスポットサイズ拡大部23caを横切る複数の溝31が形成されている。これらの溝30、31はクラッド部10の表面から形成された溝である連結部32、33によって互いに連結しており、かつクラッド部10の表面から形成された窪みである樹脂溜34に連結している。
また、光導波路回路100には、溝30、31、連結部32、33および樹脂溜34の外周を全周囲む位置に、同心状にヒータ41、42が形成されている。ヒータ41、42はリード線を介して電極パッド43に接続している。ヒータ41、42の形状は四角形に限らず他の多角形や円形等でもよい。
一方、MZI23のアーム部23b、23cの一部の上方にも、トリミング用のヒータ51、52が形成されている。ヒータ51、52はリード線を介して電極パッド53に接続している。ヒータ41、42、51、52はたとえばタンタル等の金属製薄膜からなるヒータである。
なお、ヒータ41、42は、図2に示すようにクラッド部10の表面に形成されており、かつ絶縁膜60で覆われている。ヒータ51、52も同様である。
この光導波路回路100を作製する際は、まず公知の火炎堆積(Flame Hydrolysis Deposition、FHD)法により、シリコンまたは石英ガラス等の基板上に石英系ガラスの微粒子を堆積し、これを加熱してガラス微粒子を透明ガラス化し、クラッド部10の下層部層を形成する。つぎに、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、コア部20となる石英系ガラス微粒子層を堆積する。つぎに、フォトリソグラフィ技術とエッチングとによって、石英系ガラス微粒子層をコア部20の光導波路回路の形状にパターニングする。その後、再びFHD法により、石英系ガラスの微粒子を堆積し、これを加熱してガラス微粒子を透明ガラス化し、クラッド部10およびコア部20全体を完成させる。つぎに、スパッタ法等によってヒータ41、42、51、52を形成する。このように、ヒータ41、42は、トリミング用のヒータ51,52と同じ工程で一度に形成できる。つぎに、CVD法によって絶縁膜60を形成した後に、フォトリソグラフィ技術とエッチングとによって、溝30、31、連結部32、33および樹脂溜34を形成する。
つぎに、図3に示すように、電極パッド43に電源Sを接続し、ヒータ41に通電して加熱する。この状態で、樹脂溜34に、熱硬化性樹脂であり、温度補償材料として機能するシリコーン樹脂70を供給し、毛細管現象によって溝30、31、連結部32、33にシリコーン樹脂70を流し込む。さらに図4に示すようにシリコーン樹脂70をクラッド部60上で盛り上がるように滴下する。
このとき、シリコーン樹脂70は溝30、31、連結部32、33および樹脂溜34の外側に流れるが、溝30、31、連結部32、33および樹脂溜34の外周の全周を囲むように形成されたヒータ41が加熱されているため、流れたシリコーン樹脂70はヒータ41の上で硬化し、それ以上外側に流れることが阻止される。なお、ヒータ41の温度は、シリコーン樹脂70を硬化でき、かつシリコーン樹脂70が熱で劣化しない程度の温度とする。
シリコーン樹脂70がトリミング用のヒータ51、52まで流れてしまうと、上述したように光導波路回路100の特性に悪影響を及ぼすおそれがある。しかしながら、本製造方法によれば、シリコーン樹脂70がヒータ41の外側に流れることが阻止されるので、かかる悪影響の発生が防止される。
その後、シリコーン樹脂70の供給終了後に、光導波路回路100を80℃のホットプレートで5分間加熱することで、供給したシリコーン樹脂70全体を硬化させる。
つぎに、図5に示すように、電極パッド43に電源Sを接続し、ヒータ42に通電して加熱する。この状態で、シリコーン樹脂70上に熱硬化性樹脂であり、シリコーン樹脂70よりも低透湿性である低透湿性樹脂80を滴下する。低透湿性樹脂80は、後工程で光導波路回路をアルコールに浸して洗浄する際にシリコーン樹脂70に水分等が浸入して変質することを防止するために、シリコーン樹脂70を覆うように形成する。低透湿性樹脂80は、たとえばフッ素エラストマーからなるものである。なお、低透湿性樹脂80はシリコーン樹脂70よりも粘度が低く、より流れやすい場合がある。
このとき、低透湿性樹脂80はシリコーン樹脂70上を流れて溝30、31、連結部32、33および樹脂溜34の外側に流れるが、溝30、31、連結部32、33および樹脂溜34の外周の全周を囲むように形成されたヒータ42が加熱されているため、流れた低透湿性樹脂80はヒータ42の上で硬化し、それ以上外側に流れることが阻止される。なお、ヒータ42の温度は、低透湿性樹脂80を硬化でき、かつ低透湿性樹脂80が熱で劣化しない程度の温度とする。
その結果、低透湿性樹脂80がトリミング用のヒータ51、52まで流れてしまうことによる悪影響の発生が防止される。
その後、低透湿性樹脂80の供給終了後に、光導波路回路100を120℃の電気炉で24分間加熱することで、シリコーン樹脂70全体および低透湿性樹脂80全体を完全に硬化させる。その後、洗浄、素子分離等の必要な処理を行うことによって、温度無依存型の光導波路回路100を完成することができる。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、光導波路回路の特性に悪影響を及ぼさずに樹脂を供給し、温度無依存型の光導波路回路100を製造することができる。
(実施の形態2)
図7〜14は、本発明の実施の形態2に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。図8、10、12、14は、それぞれ図7、9、11、13のA−A線要部断面図である。本実施の形態2に係る製造方法では、実施の形態1の場合と同様に、まず、図1、2に示す光導波路回路100の構造を作製する。
つぎに、図7に示すように、電極パッド43に電源Sを接続し、ヒータ41に通電して加熱する。この状態で、ヒータ41上にシリコーン樹脂70を滴下して硬化させ、図8に示すように樹脂隆起部71を形成する。
つぎに、図9に示すように、樹脂溜34に、熱硬化性樹脂であり、樹脂隆起部71と同一の材料であり、温度補償材料として機能するシリコーン樹脂70を供給し、毛細管現象によって溝30、31、連結部32、33にシリコーン樹脂70を流し込む。さらに図10に示すようにシリコーン樹脂70をクラッド部60上で盛り上がるように滴下する。
このとき、シリコーン樹脂70は溝30、31、連結部32、33および樹脂溜34の外側に流れるが、樹脂隆起部71によってそれ以上外側に流れることが阻止される。その結果、シリコーン樹脂70がトリミング用のヒータ51、52まで流れてしまうことによる悪影響の発生が防止される。
その後、シリコーン樹脂70の供給終了後に、光導波路回路100を80℃のホットプレートで5分間加熱することで、供給したシリコーン樹脂70全体を硬化させる。
つぎに、図11に示すように、電極パッド43に電源Sを接続し、ヒータ42に通電して加熱する。この状態で、ヒータ42上に低透湿性樹脂80を滴下して硬化させ、図12に示すように樹脂隆起部81を形成する。
つぎに、図13に示すようにシリコーン樹脂70上に低透湿性樹脂80を滴下する。このとき、低透湿性樹脂80はシリコーン樹脂70上を流れて溝30、31、連結部32、33および樹脂溜34の外側に流れるが、樹脂隆起部81によって、図14に示すようにそれ以上外側に流れることが阻止される。その結果、低透湿性樹脂80がトリミング用のヒータ51、52まで流れてしまうことによる悪影響の発生が防止される。
その後、低透湿性樹脂80の供給終了後に、光導波路回路100を120℃の電気炉で24分間加熱することで、シリコーン樹脂70全体および低透湿性樹脂80全体を完全に硬化させる。その後、洗浄、素子分離等の必要な処理を行うことによって、温度無依存型の光導波路回路100を完成することができる。
以上説明したように、本実施の形態2によれば、光導波路回路の特性に悪影響を及ぼさずに樹脂を供給し、温度無依存型の光導波路回路100を製造することができる。
(実施の形態3)
図15〜20は、本発明の実施の形態3に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。図16、18、20は、図15、17、19のA−A線要部断面図である。本実施の形態3に係る製造方法では、実施の形態1の場合と同様に、まず、図1、2に示す光導波路回路100の構造を作製する。
つぎに、図15に示すように、電極パッド43に電源Sを接続し、ヒータ42に通電して加熱する。この状態で、ヒータ42上に低透湿性樹脂80を滴下して硬化させ、図16に示すように樹脂隆起部81を形成する。
つぎに、図17に示すように、樹脂溜34に、熱硬化性樹脂であり、樹脂隆起部81とは異なる材料であり、温度補償材料として機能するシリコーン樹脂70を供給し、毛細管現象によって溝30、31、連結部32、33にシリコーン樹脂70を流し込む。さらに図18に示すようにシリコーン樹脂70をクラッド部60上で盛り上がるように滴下する。
このとき、シリコーン樹脂70は溝30、31、連結部32、33および樹脂溜34の外側に流れるが、樹脂隆起部81によってそれ以上外側に流れることが阻止される。その結果、シリコーン樹脂70がトリミング用のヒータ51、52まで流れてしまうことによる悪影響の発生が防止される。
その後、シリコーン樹脂70の供給終了後に、光導波路回路100を80℃のホットプレートで5分間加熱することで、供給したシリコーン樹脂70全体を硬化させる。
つぎに、図19に示すようにシリコーン樹脂70上に低透湿性樹脂80を滴下する。このとき、低透湿性樹脂80はシリコーン樹脂70上を流れて溝30、31、連結部32、33および樹脂溜34の外側に流れるが、樹脂隆起部81によって、図20に示すようにそれ以上外側に流れることが阻止される。その結果、低透湿性樹脂80がトリミング用のヒータ51、52まで流れてしまうことによる悪影響の発生が防止される。
その後、低透湿性樹脂80の供給終了後に、光導波路回路100を120℃の電気炉で24分間加熱することで、シリコーン樹脂70全体および低透湿性樹脂80全体を完全に硬化させる。その後、洗浄、素子分離等の必要な処理を行うことによって、温度無依存型の光導波路回路100を完成することができる。
以上説明したように、本実施の形態3によれば、光導波路回路の特性に悪影響を及ぼさずに樹脂を供給し、温度無依存型の光導波路回路100を製造することができる。
(実施の形態2の変形例)
図21は、実施の形態2の変形例に係る製造方法を説明する図であり、図8、10に対応するものである。図21(a)〜(c)に示すように、この変形例では、フォトリソグラフィ技術とドライエッチングとによってヒータ41上の絶縁膜60を除去してから、シリコーン樹脂70を滴下して樹脂隆起部71を形成し、その後、シリコーン樹脂70を溝30等に供給する。これによって、ヒータ41の熱がシリコーン樹脂70に伝わりやすくなるため、より効率的に樹脂隆起部71を形成することができる。なお、その他の工程は実施の形態2の工程と同様である。
(実施の形態3の変形例)
図22は、実施の形態3の変形例に係る製造方法を説明する図であり、図16、18、20に対応するものである。図22(a)〜(d)に示すように、この変形例では、フォトリソグラフィ技術とドライエッチングとによってヒータ42上の絶縁膜60を除去してから、低透湿性樹脂80を滴下して樹脂隆起部81を形成し、その後、シリコーン樹脂70を溝30等に供給し、さらに、低透湿性樹脂80を滴下する。これによって、ヒータ42の熱が低透湿性樹脂80に伝わりやすくなるため、より効率的に樹脂隆起部81を形成することができる。なお、その他の工程は実施の形態3の工程と同様である。
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態4に係る製造方法では、樹脂隆起部の形成を紫外線の照射によって行う。
図23〜26は、本実施の形態4に係る光導波路回路の製造方法を説明する図である。図24、26は、それぞれ図23、25のA−A線要部断面図である。本実施の形態4に係る製造方法では、実施の形態1の場合と同様に、まず、図1、2に示す光導波路回路100の構成においてヒータ41、42、電極パッド43を除去した構成の光導波路回路100Aを作製する。
つぎに、溝30、31、連結部32、33および樹脂溜34の外周の全周を囲む線L1に沿って、光を照射する。この光の照射は、たとえばレーザ光やLEDからのスポット状の光を線L1に沿って走査しながら行ってもよいし、たとえば図24に示すように、線L1の形状に貫通溝Faが形成された枠部材Fを通して光Lを照射することによって行ってもよい。これによって、線L1上の領域が加熱される。この状態で、実施の形態2と同様に、線L1上にシリコーン樹脂70を滴下して熱硬化させ、樹脂隆起部71を形成する。
つぎに、実施の形態2と同様に、樹脂溜34に、シリコーン樹脂70を供給し、毛細管現象によって溝30、31、連結部32、33にシリコーン樹脂70を流し込む。さらに図10と同様にシリコーン樹脂70をクラッド部60上で盛り上がるように滴下し、その後ホットプレートで硬化させる。
つぎに、線L1と同心状の線L2(図23参照)に沿って、光を照射する。これによって、線L2上の領域が加熱される。この状態で、線L2上に低透湿性樹脂80を滴下して熱硬化させ、樹脂隆起部81を形成し、さらに、シリコーン樹脂70上に低透湿性樹脂80を滴下する(図25、26参照)。その後、光導波路回路100Aを120℃の電気炉で24分間加熱することで、シリコーン樹脂70全体および低透湿性樹脂80全体を完全に硬化させる。そして、洗浄、素子分離等の必要な処理を行うことによって、温度無依存型の光導波路回路100Aを完成することができる。
本実施の形態4によれば、ヒータ41、42が不要なので、トリミング用のヒータを備えない光導波路回路を製造する際に適用が容易である。
また、たとえば樹脂を硬化させる光を紫外光とすることで、温度補償材料として紫外線硬化性樹脂を用いることができる。従って、温度補償材料としての樹脂の選択の自由度を高めることができる。
なお、上記実施の形態では、ヒータ41、42、および光Lを照射する線L1は、溝30、31、連結部32、33および樹脂溜34の外周の全周を囲んでいる。しかし、ヒータ41、42を形成する部分、および光Lを照射する部分は、シリコーン樹脂70や低透湿性樹脂80が流れるのを阻止したい要素側、たとえばヒータ51、52側だけでもよい。したがって、シリコーン樹脂70や低透湿性樹脂80が流れても問題無い側には、ヒータ41、42の形成や光Lの照射は必ずしも行わなくてもよい。同様に、ヒータ41、42、または光Lによって形成される樹脂隆起部71、81も、シリコーン樹脂70や低透湿性樹脂80が流れるのを阻止したい要素側にだけ形成されていてもよい。
同様に、光Lの照射、および形成される樹脂隆起部71、81は、必ずしも連続した線状でなくてもよく、シリコーン樹脂70や低透湿性樹脂80が流れるのを阻止できるのであれば、たとえば破線状や点線状(樹脂隆起部71、81については柵状)でもよい。
シリコーン樹脂70や低透湿性樹脂80が流れるのを阻止したい要素としては、トリミング用のヒータを含めた各種ヒータや、波長板、フィルタ等の、光導波路回路に設けられる各種光学素子や、電気パッド、サーミスタ、光導波路回路モジュールのリッド(蓋)や上板、光導波路回路のチップ端面等である。これらの樹脂は、発熱体であるヒータに流れると回路の信頼性上好ましくない。樹脂が光学素子、リッド、または上板に流れると、これらの要素を接着している接着剤と接触して変質させるおそれがあるため、特性上及び信頼性上好ましくない。樹脂がサーミスタに流れると、測定温度が不正確になるおそれがあり、回路の信頼性上好ましくない。樹脂がチップ端面に流れると、回路の取り扱いの際や回路に光ファイバを接続する際の障害となり、好ましくない。
また、上記実施の形態は、溝に温度補償材料としての樹脂を充填しているが、本発明は溝に樹脂が充填された構成を有する各種の光導波路回路およびその製造方法に適用できる。たとえば、本発明は、光導波路を溝が横切り、この溝に波長板やフィルタ等の光学素子が挿入され、この溝が樹脂接着剤で充填された構成を有する光導波路回路およびこれを製造する場合にも適用できる。
また、本発明は、MZI、AWGなどの光干渉計素子の他、各種の光導波路回路およびその製造方法に適用できる。
また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
10 クラッド部
20 コア部
21、22 光入力ポート
23 MZI
23a、23d 方向性結合器
23b、23c アーム部
23ba スポットサイズ拡大部
23ca スポットサイズ拡大部
24、25 光出力ポート
30、31 溝
32、33 連結部
34 樹脂溜
41、42、51、52 ヒータ
43、53 電極パッド
60 絶縁膜
70 シリコーン樹脂
71、81 樹脂隆起部
80 低透湿性樹脂
81 樹脂隆起部
100、100A 光導波路回路
F 枠部材
Fa 貫通溝
L 光
L1、L2 線
S 電源

Claims (8)

  1. クラッド部と、前記クラッド部内に配置され、前記クラッド部よりも屈折率が高いコア部とを備え、前記クラッド部の表面から前記コア部を横切るように形成された溝を有する光導波路回路を作製する光導波路回路作製工程と、
    前記溝に第1樹脂を供給しながら、前記溝の外側に流れた前記第1樹脂を該溝の外周の少なくとも一部の位置にて硬化させる第1樹脂硬化工程と、
    前記第1樹脂の供給終了後に、該供給した第1樹脂全体を硬化させる第2樹脂硬化工程と、
    を含むことを特徴とする光導波路回路の製造方法。
  2. クラッド部と、前記クラッド部内に配置され、前記クラッド部よりも屈折率が高いコア部とを備え、前記クラッド部の表面から前記コア部を横切るように形成された溝を有する光導波路回路を作製する光導波路回路作製工程と、
    前記溝の外周の少なくとも一部の位置に第1樹脂を滴下し、樹脂が隆起した状態に硬化させる第1樹脂硬化工程と、
    前記第1樹脂硬化工程後に前記溝に第2樹脂を供給する樹脂供給工程と、
    前記供給した第2樹脂全体を硬化させる第2樹脂硬化工程と、
    を含むことを特徴とする光導波路回路の製造方法。
  3. 前記第1樹脂と前記第2樹脂とが同じ種類であることを特徴とする請求項2に記載の光導波路回路の製造方法。
  4. 前記第1樹脂と前記第2樹脂とが異なる種類であることを特徴とする請求項2に記載の光導波路回路の製造方法。
  5. 前記溝の外周の少なくとも一部の位置にヒータを形成するヒータ形成工程を含み、
    前記第1樹脂は熱硬化型樹脂であり、
    第1樹脂硬化工程は、前記形成したヒータで加熱することによって行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光導波路回路の製造方法。
  6. 前記第1樹脂は熱硬化型樹脂であり、
    前記第1樹脂硬化工程は、前記溝の外周の少なくとも一部の位置に光を照射することによって行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光導波路回路の製造方法。
  7. 前記第1樹脂は紫外線硬化型樹脂であり、
    前記第1樹脂硬化工程は、前記溝の外周の少なくとも一部の位置に紫外光を照射することによって行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光導波路回路の製造方法。
  8. クラッド部と、
    前記クラッド部内に配置され、前記クラッド部よりも屈折率が高いコア部と、
    前記クラッド部の表面から前記コア部を横切るように形成された溝と、
    前記溝に充填されるとともに前記クラッド部上で盛り上がるように形成され、かつ外周の少なくとも一部に隆起部が形成された樹脂と、
    を備えることを特徴とする光導波路回路。
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