JP2014167344A - ティルティングパッド軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】JOP機構を採用したティルティングパッド軸受装置において、軸受パッド全域に亘り潤滑性能を高く維持する。
【解決手段】回転軸15の周囲に配置されて回転軸を回転自在に支持する複数の軸受パッド14と、前記軸受パッドと軸受ハウジングの間に介在され、各軸受パッドを揺動可能に支持する支持部材38と、1個以上の前記軸受パッドの軸受面に形成した油溝に潤滑油を供給可能に構成した給油機構を備えたティルティングパッド軸受装置であって、前記支持部材は、1個以上の軸受パッドの前記回転軸の回転方向における中央位置に対し、前記回転軸の回転方向上流側又は回転方向下流側にオフセットして配置され、前記回転軸の周方向における各々の前記油溝の中心位置を該油溝の開口面積で重み付けした前記少なくとも1個の油溝の加重平均位置が、前記支持部材の配置位置に対して、前記中央位置を基準とした前記支持部材のオフセット方向にずれている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、蒸気タービンの滑り軸受のように、大型回転機械の回転軸を揺動可能な複数の軸受パッドで支承するティルティングパッド軸受装置に関する。
タービンや発電機等の大型回転機械においては、回転軸を安定に支承するため、ティルティングパッド軸受装置が用いられている。ティルティングパッド軸受装置は、滑り軸受の一種であり、軸受ハウジング内で回転軸の周囲に揺動可能な複数の軸受パッド(ティルティングパッド)を配置したものである。軸受は、油浴潤滑又はノズル噴射によって潤滑される。そして、回転軸の回転によって、潤滑油を回転軸の外周面とティルティングパッドの軸受面との間に導き、これらの間にくさび状油膜を形成して回転軸を支承し、振動を減衰するようにしている。特許文献1には、かかるティルティングパッド軸受装置が開示されている。
このようなティルティングパッド軸受装置においては、油膜のくさび効果による十分な負荷能力が得られない回転開始時や低速回転時に、回転軸の外周面とティルティングパッドの軸受面との接触をなくし、軸受面の焼付きを防ぐ必要がある。そのため、ジャッキング・オイル・ポンプ(JOP)と呼ばれる機構が採用されることがある。この機構は、軸受面に給油口を開口させ、この給油口に給油通路を介してポンプから高圧の潤滑油を供給し、軸受面に油膜を形成し、回転軸を油膜で浮上させるものである。軸受面には、広い範囲に潤滑油を行き渡らせるため、溝が形成される。かかる機構が特許文献2に開示されている。例えば、発電用蒸気タービンでは、回転開始から回転数が600rpm付近までは、回転軸と軸受面との間に高圧の潤滑油を供給し、回転数が600rpm以上になると、潤滑油の供給を止め、回転軸の回転によるくさび効果で潤滑作用を保持する。
特許文献3には、回転軸の回転に伴う遠心力の影響で軸受面上の潤滑油の流れが放射方向に偏在するのを防止するため、軸受パッドの内周端に沿って軸受面に潤滑油導入溝を形成することが開示されている。これによって、潤滑油が不足しやすい部位へも潤滑油の行き渡りを良くしている。
JOP機構を採用したティルティングパッド軸受装置の一例を図13及び図14により説明する。図13において、回転軸100の周囲には、回転軸100の周方向に複数の軸受パッド102が設けられている(図13では1個のみ図示)。軸受パッド102は、軸受ハウジング104の内側に設けられたピボット106によって揺動可能に支持されている。ピボット106の位置を境にして、ピボット106より回転方向(図中矢印r方向)上流側の軸受面に形成されるJOPによる油膜圧分布Pのピボット周りのモーメントの総計と、回転方向下流側の軸受面に形成されるJOPによる油膜圧分布Pのピボット周りのモーメントの総計とがバランスするように軸受パッド102が揺動する。前記両モーメントがバランスしたところで、軸受パッド102の回転方向前端102bと回転軸100の外周面との隙間s1と、軸受パッド102の回転方向後端102cと回転軸100の外周面との隙間s2とが形成される。
ピボット106は、回転軸100の回転方向中央位置から回転方向下流側又は上流側にオフセットして配置されることがある。例えば、図13に示すピボット106は、軸回転時のくさび状油膜の性能向上を目的として、軸受パッド102の回転方向中央位置から回転方向下流側にオフセットされた位置に配置されている。この場合、回転軸100の荷重はピボット106の支持点を中心に軸受パッド102に付加されることから、一般的には、ピボット106の周方向位置と同じ位置の軸受面102aに給油口108が形成される。
図13に示すGは、回転軸100の中心とピボット106の支持点を通る直線であり、図14に示すGは、ピボット106の支持点を通り、回転軸100の軸線と平行な直線である。矢印a方向は回転軸の軸方向を示す。給油口108には、給油路110を介してポンプ112から高圧の潤滑油が供給される。図14に示すように、軸受面102aには、給油口108に連通して、給油口108の周囲に油溝114が形成されている。油溝114は、例えば、幅8mm、深さ0.5mmなどの寸法を有し、潤滑油を導入することで、油膜圧の形成を促進する。
公報特開2001−124062号公報 米国特許公開第2004/0055f825号公報 特開平7−113422号公報
ところで、ピボット106が回転軸100の回転方向中央位置から回転方向下流側又は上流側にオフセットして配置され、且つ、給油口108及び油溝114もピボット106と同様にオフセットして配置される場合、回転軸100の回転開始時又は低速回転時におけるJOP機構の作動中に、油膜圧によるピボット106まわりのモーメントのバランスが崩れて、軸受パッド102が傾いてしまうことがある。例えば、図13に示すようにピボット106が回転軸100の回転方向中央位置から回転方向下流側にずれて配置されており、油溝36もピボット106に合わせて回転方向下流側にずれて配置されている場合、ピボット106の支持位置を境にして、回転方向上流側領域に発生するJOPによる油膜圧分布Pのピボット周りのモーメントが、回転方向下流側領域に発生するJOPによる油膜圧分布Pのピボット周りのモーメントより大きくなりがちとなる。そのため、隙間s1が大きく広がった状態で、両領域の油膜圧がバランスするので、隙間s2が小さくなる。これによって、回転方向下流側領域の油膜厚さが小さくなり、回転方向下流側領域で回転軸100と軸受パッド102とが接触するリスクがある。
本発明の少なくとも一実施形態の目的は、JOP機構を採用したティルティングパッド軸受装置であって、回転軸と軸受パッドとの接触を防止し、かつ軸受パッド全域に亘り潤滑性能を高く維持し得るティルティングパッド軸受装置を提供することである。
本発明の少なくとも一実施形態に係るティルティングパッド軸受装置は、
回転軸の周囲に配置され、前記回転軸を回転自在に支持する複数の軸受パッドと、
前記複数の軸受パッドとこれら軸受パッドを支持する軸受ハウジングとの間に介在され、各軸受パッドを揺動可能に支持する支持部材と、
前記複数の軸受パッドのうちの1個以上の軸受パッドの軸受面に形成された少なくとも1個の油溝に潤滑油を供給するように構成された給油機構とを備えたティルティングパッド軸受装置であって、
前記支持部材は、前記1個以上の軸受パッドの前記回転軸の回転方向における中央位置に対し、前記回転軸の回転方向上流側又は回転方向下流側にオフセットして配置され、
前記回転軸の周方向における各々の前記油溝の中心位置を該油溝の開口面積で重み付けした前記少なくとも1個の油溝の加重平均位置が、前記支持部材の配置位置に対して、前記中央位置を基準とした前記支持部材のオフセット方向にずれていることを特徴とする。
ティルティングパッド軸受装置の軸受パッドには、回転軸の回転開始時又は低速回転時におけるJOP機構の作動中(すなわち潤滑油の供給中)、回転軸と軸受パッドとの間に形成される油膜圧の分布に応じて、支持部材による軸受パッドの支持点まわりのモーメントが加わる。このモーメントは、軸受面上の任意の位置における油膜圧と、該位置の支持点からの距離との積である局所的なモーメントを軸受面上の全ての位置について積算したものである。この局所的なモーメントの符号は、支持部材による軸受パッドの支持点の両側において逆転する。したがって、支持部材による軸受パッドの支持点の両側におけるモーメントの絶対値の大小関係により、回転軸と軸受パッドとの間に形成される油膜圧の分布に応じた正味のモーメントの方向が決まる。ここで、各油溝の局所的なモーメントへの寄与は、各油溝の中心位置xと、当該油溝が作る油膜圧の大きさに影響する当該油溝の開口面積Sとの積xによって表わされる。よって、油膜圧の分布に応じた正味のモーメントの方向は、基本的には、全油溝についての局所的モーメントへの寄与の総和Σxによって決まる。換言すれば、総和Σxを全油溝の開口面積の総和ΣSで除して得られる値(各々の油溝の中心位置xを油溝の開口面積Sで重み付けした油溝の加重平均位置x)と支持部材の位置との配置関係に応じて、油膜圧の分布に応じた正味のモーメントの方向が定まる。
上記ティルティングパッド軸受装置では、各々の油溝の中心位置xを油溝の開口面積Sで重み付けした油溝の加重平均位置が支持部材の配置位置に対して支持部材のオフセット方向にずれるようにしたので、支持部材がオフセットされていても、オフセット側の軸受パッド端部と回転軸の外周面との隙間が、オフセットした方向とは反対側の軸受パッド端部と回転軸の外周面との隙間より小さくなることを抑制できる。よって、回転軸の回転開始時又は低速回転時に、回転軸が傾くことを抑制し、回転軸と軸受パッドが接触することを防止できる。
幾つかの実施形態では、前記少なくとも1個の油溝の各々が、前記回転軸の回転時に前記軸受面と前記回転軸の外周面との間に形成される油膜の圧力が同一である位置を通る等圧線に沿って設けられている。
各油溝は、それぞれ、連通した1つの空間によって形成されるので、油溝内はいずれの位置も同一の圧力となる。したがって、異なる等圧線にまたがるように油溝を形成した場合、回転軸の回転時に油溝内の圧力が均一化して動圧軸受としての機能が損なわれる可能性がある。そこで、上記実施形態のように、各油溝をそれぞれ等圧線に沿って設けることによって、各等圧線位置における油溝内の圧力を維持し、動圧軸受としての機能を良好に保てる。
幾つかの実施形態において、前記少なくとも1個の油溝は、前記油膜の前記圧力が第1圧力である位置を通る第1等圧線に沿って設けられる第1油溝と、前記油膜の前記圧力が前記第1圧力とは異なる第2圧力である位置を通る第2等圧線に沿って設けられる第2油溝とを含み、前記給油機構は、前記第1油溝に連通する第1給油路と、前記第2油溝に連通する第2給油路とを含み、前記第1給油路と前記第2給油路とは、少なくとも前記回転軸の回転時に互いに異なる圧力に維持可能に別系統として設けられている。
上記実施形態によれば、第1油溝に連通する第1給油路と、第2油溝に連通する第2給油路とが、少なくとも回転軸の回転時に互いに異なる圧力に維持可能に別系統として設けられている。これにより、異なる等圧線(第1等圧線と第2等圧線)に沿って設けられる第1油溝および第2油溝の圧力が、回転軸の定格回転時において均一化されることを回避でき、動圧軸受としての機能を良好に保持できる。
幾つかの実施形態において、前記第1等圧線に沿って設けられる複数個の前記第1油溝は、前記第1給油路を介して互いに連通するように構成される。
このように、同一の等圧線に沿って設けられる複数個の油溝については給油路が互いに連通する構成を採用すれば、給油路やバルブ等の給油機構の構成を簡素化することもできる。
幾つかの実施形態において、前記第1給油路に設けられ、前記第1油溝への前記潤滑油の供給量を調整するための第1バルブと、前記第2給油路に設けられ、前記第2油溝への前記潤滑油の供給量を調整するための第2バルブとをさらに備える。
回転軸の回転開始時又は低速回転時のようにJOP機構を作動させる場合には各バルブの開度を調節することによって各油溝への潤滑油の供給量を調整可能であり、一方、回転軸の定格回転時のように軸受面へ潤滑油を供給しない場合には、各バルブで油路を遮断することによって油路からの潤滑油の漏出を防止可能であるため、軸受面の油膜圧を適切に保持できる。
本発明において、給油口を回転軸の軸方向に複数個形成し、各給油孔に連通する油溝を夫々独立して形成することができる。これによって、各油溝への潤滑油の供給量を独立して調整でき、各油溝の油膜圧を独立して調整できる。そのため、回転軸の軸方向で偏当りが起っても、各油溝の油膜圧を独立して調整することで、偏当りを矯正できる。
本発明において、連続して形成された1個の油溝は、回転軸の回転時、軸受パッドの軸受面に形成されるくさび状油膜による油膜圧が同等となる領域内に配置されているとよい。回転軸と軸受パッドとの間で形成される油膜圧が異なる領域に跨って連続した1個の油溝を形成すると、該油溝の油膜圧は、低い方の油膜圧に合わせて低下する。これに対し、連続した1個の油溝を油膜圧が同等の領域内に形成することで、かかる油膜圧の低下を防止できる。
回転軸の回転時、一般的に、軸受パッドの軸受面に形成される油膜圧が同等となる等圧領域が、回転軸より回転方向下流側で、最大油膜圧領域を中心とし油膜圧が徐々に低圧となる領域が該最大油膜圧領域の外側に同心状に広がるように形成される。そこで、油溝を一つの等圧線に沿って配置するとよい。これによって、連続して形成された1個の油溝の全域を等圧領域に位置決めするのが容易になる。
本発明によれば、各々の油溝の中心位置xを油溝の開口面積Sで重み付けした油溝の加重平均位置が支持部材の配置位置に対して支持部材のオフセット方向にずれるようにしたので、支持部材がオフセットされていても、オフセット側の軸受パッド端部と回転軸の外周面との隙間が、オフセットした方向とは反対側の軸受パッド端部と回転軸の外周面との隙間より小さくなることを抑制できる。よって、回転軸の回転開始時又は低速回転時に、回転軸が傾くことを抑制し、回転軸と軸受パッドが接触することを防止できる。
本発明の第1実施形態に係る軸受装置の全体構成図である。 本発明の第1実施形態における軸受パッドの断面図である。 本発明の第1実施形態における軸受パッドの軸受面の展開図である。 油溝の加重平均位置を説明するための図である。 本発明の第2実施形態における軸受パッドの軸受面の展開図である。 本発明の第2実施形態における油膜圧分布図である。 本発明の第3実施形態に係る軸受パッドの軸受面の展開図である。 (A)は第1実施形態に係る油溝の油膜圧分布を示す線図であり、(B)は、第3実施形態に係る油溝の油膜圧分布を示す線図である。 第3実施形態の変形例における軸受パッドの軸受面の展開図である。 第3実施形態の変形例における給油機構及びその周辺構造を示す図である。 第3実施形態の他の変形例における軸受パッドの軸受面の展開図である。 第3実施形態の他の変形例における給油機構及びその周辺構造を示す図である。 従来の軸受パッドの断面図である。 従来の軸受パッドの軸受面の展開図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るティルティングパッド軸受装置10の全体的な概略構成について説明する。なお、図1は本発明の第1実施形態に係る軸受装置の全体構成図である。
幾つかの実施形態において、図1に示す軸受ハウジング12は2つ割り型の軸受ハウジングであり、半円形のハウジング片12a及び12bで構成されている。ハウジング片12a及び12bは、互いの合わせ面が当接された状態でボルト等の結合具で結合される。軸受ハウジング12の内周面に沿って複数(図1では4個)の軸受パッド14が設けられ、軸受パッド14の内周面が軸受面14aを形成している。軸受面14aの内側に、タービンや発電機等、大型回転機械の回転軸15(図2参照)が配置される。複数の軸受パッド14,14,…のうちの1個以上の軸受パッド14の軸受面14aには、給油口34が開口し、かつ給油口34に連通した油溝36が刻設されている。一実施形態において油溝36は、回転軸15の軸方向に沿って給油口34を挟むように配置され、菱形形状をしている。給油口34及び油溝36が形成される軸受パッド14は、回転軸15の周囲に配置される複数の軸受パッド14,14,…のうち、少なくとも回転軸15の周方向下方に位置する軸受パッド14である。すなわち、回転軸15の停止時に、回転軸15の自重を支持する位置に配置される軸受パッド14に、給油口34及び油溝36が形成される。勿論、回転軸15の周方向上方に位置する軸受パッド14にも給油口34及び油溝36が形成されていてもよい。
なお、油溝36の菱形形状の周方向の回転上流側の頂点部36aは、後述する図3中の直線Gを跨る位置に配置することが好ましい。
以下、給油口34に潤滑油を供給する給油機構16の構成を説明する。ポンプ18はモータ20によって駆動され、図示しない油タンクから高圧の潤滑油oを給油路22に吐出する。油路22にはリリーフ弁24が設けられ、給油路22を流れる潤滑油oの圧力が許容値を超えたとき、潤滑油の一部をタンク26に放出して潤滑油oの圧力を許容値以下に低減する。給油路22は下流側で分岐路28a及び28bに分岐する。分岐路28a及び28bには、夫々バルブ(流量調整弁)30a及び30bが設けられている。分岐路28a及び28bは、夫々ハウジング片12b及び軸受パッド14に形成された給油孔32a及び32bを経て、夫々の軸受パッド14に形成された給油口34に連通している。
次に、図2〜図4を参照して、ティルティングパッド軸受装置10の各部位の具体的な構成について説明する。
図2は本発明の第1実施形態における軸受パッドの断面図である。図3は本発明の第1実施形態における軸受パッドの軸受面の展開図である。図4は油溝の加重平均位置を説明するための図である。なお、図3は、曲率を有する軸受パッド14を平面上に展開した図である。
図2において、Gは、回転軸15の中心とピボット38の支持点を通る直線である。図3において、Cは、回転軸15の回転方向における軸受パッド14(軸受面14a)の中央位置を通る直線である。この中央位置Cは回転軸15の軸線に平行である。Gは、ピボット38による軸受パッド14の支持点を通り、回転軸15の軸線と平行な直線である。矢印aは回転軸15の軸方向を示す。また、図3及び図4において、回転軸15の回転方向をx軸とし、ピボット38の支持点(支持部材の配置位置)を通る直線Gの位置をx=0に設定する。さらに、ピボット38の支持点を通る直線Gよりも回転方向下流側(図3及び図4では右側)を正の向き、直線Gよりも回転方向上流側(図3及び図4では左側)を負の向きとしている。
一実施形態において、図2及び図3に示す各軸受パッド14は、ハウジング片12bの内周面に設けられたピボット38によって揺動可能に支持されている。ピボット38は、回転軸15の回転方向における軸受パッド14の中央位置Cに対し、回転軸15の回転方向下流側にオフセットして配置される。なお、図3においてピボット38の配置位置(軸受パッド14の支持点)は、軸受パッド14の中央位置Cに対してx軸の正の方向にオフセットして配置されている。例えば、図2に示すように回転方向前端14bを0%とし、回転方向後端14cを100%としたとき、ピボット38は、例えば60%の位置に配置される。
軸受パッド14の軸受面14aには、給油口34が開口し、かつ給油口34に連通した油溝36が刻設されている。油溝36は、給油口34の回転軸15の軸方向両側に配置された一対の菱形形状の油溝を含んでいる。この油溝36は、油溝36の加重平均位置Xが、ピボット38の配置位置を通る直線Gに対して、軸受パッド14の中央位置Cを基準としたピボット38の支持点のオフセット方向にずれるように配置される。ここで、油溝36の加重平均位置とは、回転軸15の周方向における油溝36の中心位置Cを該油溝36の開口面積で重み付けした値であり、以下に詳述する。
図4を用いて、油溝の構成について詳細に説明する。なお、図4では一例として、ピボット38の支持点を通る直線Gの両側にそれぞれ、開口面積の異なる2つの油溝37a及び油溝37bが設けられた場合を示している。油溝37aは直線Gよりも回転軸15の回転方向下流側(図4において直線Gよりも右側)に設けられ、油溝37bは直線Gよりも回転方向上流側(図4において直線Gよりも左側)に設けられている。ここでは、X軸上における直線Gの位置を原点(X=0)とするので、X軸上における油溝37aの中心位置を示す座標Xは正(X>0)となり、X軸上における油溝37bの中心位置を示す座標Xは負(X<0)となる。
本実施形態において油溝37a及び油溝37bは、これら2つの油溝37a,37bの加重平均位置Aが、ピボット38の支持点を通る直線G(ピボット38の配置位置)に対して、軸受パッ14の中央位置Cを基準としたピボット38の支持点のオフセット方向にずれるように構成される。なお、図4では、ピボット38が回転軸15の回転方向中央位置Cより回転方向下流側にオフセットされて配置される場合(回転方向に沿った方向がオフセット方向)を示している。この場合、油溝37a及び油溝37bの加重平均位置Aが、ピボット38の支持点を通る直線Gよりも回転方向下流側にずれるように油溝37a及び油溝37bがそれぞれ形成される。
図示しないが、他の実施形態では、ピボット38が、回転軸15の中央位置Cより回転方向上流側にオフセットされて配置される。この場合、油溝37a及び油溝37bの加重平均位置がピボット38の支持点を通る直線Gよりも回転方向上流側にずれるように油溝37a及び油溝37bがそれぞれ形成される。
ティルティングパッド軸受装置10の軸受パッド14には、回転軸15の回転開始時又は低速回転時におけるJOP機構の作動中(すなわち潤滑油の供給中)、回転軸15と軸受パッド14との間に形成される油膜圧の分布(図2参照)に応じて、ピボット38による軸受パッド14の支持点まわりのモーメントが加わる。このモーメントは、軸受面14a上の任意の位置における油膜圧と、該位置の支持点からの距離との積である局所的なモーメントを軸受面14a上の全ての位置について積算したものである。この局所的なモーメントの符号は、ピボット38による軸受パッド14の支持点の両側において逆転する。したがって、ピボット38による軸受パッド14の支持点の両側におけるモーメントの絶対値の大小関係により、回転軸15と軸受パッド14との間に形成される油膜圧の分布に応じた正味のモーメントの方向が決まる。ここで、各油溝37a,37bの局所的なモーメントへの寄与は、各油溝37a,37bの中心位置x(i=1,2)と、当該油溝37a,37bが作る油膜圧の大きさに影響する当該油溝37a,37bの開口面積S(i=1,2)との積xによって表わされる。よって、油膜圧の分布に応じた正味のモーメントの方向は、基本的には、全油溝37a,37bについての局所的モーメントへの寄与の総和Σx(i=1,2)によって決まる。換言すれば、総和Σxを全油溝の開口面積の総和ΣSで除して得られる値(各々の油溝の中心位置xを油溝37a,37bの開口面積Sで重み付けした油溝の加重平均位置x)とピボット38の位置との配置関係に応じて、油膜圧の分布に応じた正味のモーメントの方向が定まる。
上記ティルティングパッド軸受装置10では、各々の油溝37a,37bの中心位置xを油溝の開口面積Sで重み付けした油溝37a,37bの加重平均位置Xがピボット38の配置位置に対してピボット38のオフセット方向にずれるようにしたので、ピボット38が軸受パッド14の中央位置xに対してオフセットされていても、オフセット側の軸受パッド14の端部と回転軸15の外周面との隙間が、オフセットした方向とは反対側の軸受パッド14の端部と回転軸15の外周面との隙間より小さくなることを抑制できる。よって、回転軸15の回転開始時又は低速回転時に、回転軸15が傾くことを抑制し、回転軸15と軸受パッド14が接触することを防止できる。なお、図4では軸受面14aに2つの油溝37a,37bが設けられた場合について例示したが、油溝の数、形状、配置構成等については限定されない。
一実施形態では、ピボット38の位置を境にして、ピボット38より回転方向(図中矢印r方向)上流側の軸受面14aに形成されるJOPによる油膜圧分布Pのピボット周りのモーメントの総計と、ピボット38より回転方向下流側の軸受面14aに形成されるJOPによる油圧分布Pのピボット周りのモーメントの総計とがバランスするように、軸受パッド14の回転方向前端14bと回転軸15の外周面との隙間s1と、軸受パッド14の回転方向後端14cと回転軸15の外周面との隙間s2とが形成されるようにしてもよい。
給油口34及び油溝36の回転方向位置は、ピボット38よりさらに回転方向下流側であって、かつピボット38より回転方向上流側領域のJOPによる油膜圧分布Pのピボット周りのモーメントの総計と、ピボット38より回転方向下流側領域のJOPによる油膜圧分布Pのピボット周りのモーメントの総計とがバランスしたとき、隙間s1が隙間s2と同等となる領域に配置してもよい。給油口34は例えば70%の位置に配置される。
このように、給油口34及び油溝36をピボット38より回転方向下流側領域に配置することにより、回転方向下流側領域の油膜厚さを確保できると共に、隙間s1が隙間s2より同等となる領域に配置することにより、回転方向上流側領域の油膜厚さも確保できる。こうして、軸受面14aの全域で均等な油膜圧を保持することも可能である。
(実施形態2)
次に、本発明の第2実施形態を図5及び図6により説明する。図5は本発明の第2実施形態における軸受パッドの軸受面の展開図である。図6は本発明の第2実施形態における油膜圧分布図である。
図5に示すように、本実施形態では、軸受パッド14に2個の給油口40a及び40bが設けられている。給油口40a及び40bには、夫々油溝42a及び42bが連通している。給油口40aは、軸受パッド14に形成された給油路44a及び給油路46aを介して、高圧潤滑油を給油口40a及び40bに供給するポンプ50に接続されている。給油口40bは、軸受パッド14に形成された給油路44b及び給油路46bを介してポンプ50に接続されている。給油路46a及び46bには、夫々バルブ(流量調整弁48a及び48b)が設けられている。油溝42a及び42bは、菱形形状を有し、軸方向(矢印a方向)に離れた位置で互いに独立して形成されている。
なお、油溝42a及び42bの菱形形状の周方向の回転上流側の頂点部42cは、図4中の直線Gを跨る位置にすることが好ましい。
図5及び図6にピボットは図示されていないが、ピボット及び油溝42a、42bの回転方向の位置関係は、上述の第1実施形態と同一である。すなわち、ピボットの配置位置Gは、軸受パッド14の中央位置Cから回転軸15の軸方向xに対してオフセットされている。そして、2つの油溝42a、42bの加重平均位置Xが、ピボットの配置位置Cに対してオフセット方向へずれるように、2つの油溝42a、42bはそれぞれ構成されている。なお、図5では一例として、オフセット方向を回転軸15の回転方向下流側(図5の右側)としている。
給油機構は、ポンプ50から給油路46a、46b及び給油路44a、44bを経由して給油口40a、40bに潤滑油を供給する構成となっている。このとき、バルブ48a、48bで給油路46a、46bを流れる潤滑油oの圧力を別々に調整できる。本実施形態によれば、第1実施形態で得られる作用効果に加えて、回転軸15の軸方向で偏当りが生じたとき、偏当りが生じた領域の油溝へ供給する潤滑油量を多くし、油膜圧を高くすることで、偏当りをなくすことができる。
(実施形態3)
次に、本発明の第3実施形態を図7及び図8に基づいて説明する。図7は本発明の第3実施形態に係る軸受パッドの軸受面の展開図である。図8(A)は第1実施形態に係る油溝の油膜圧分布を示す線図であり、(B)は、第3実施形態に係る油溝の油膜圧分布を示す線図である。
回転軸15の高速回転時、軸受パッド14の軸受面14aに開口した給油口への潤滑油の供給は停止されている。この時、潤滑油は回転軸15と共に連れ回りしながら油膜圧を形成し、図7に示すような油膜圧分布が形成される。図7中、ラインp1〜p5は軸回転によるくさび状油膜の等圧線であり、p1の内側領域が最大油膜圧を呈し、外側へ行くに従って油膜圧は順々に低下していく。図示のように、最大油膜圧領域Rを中心とし、等圧域が同心状に広がる楕円形を呈する。ここで、等圧線は、回転軸15の回転時に軸受面14aと回転軸15の外周面との間に形成される油膜の圧力が同一である位置を通る線である。
本実施形態では、給油口52a及び52bの各々が等圧線p4上に設けられている。また、給油口52aに連通した油溝54aが等圧線p4に沿って設けられ、同様に給油口52bに連通した油溝54bが等圧線p4に沿って設けられている。油溝54aと油溝54bとは互いに独立している。ピボット(図示省略)の回転方向xに対する配置位置は第1実施形態及び第2実施形態と同一である。
また、回転軸15の回転方向に対する油溝54a及び54bの加重平均位置Xは、ピボットよりさらに回転方向下流側である。
各油溝54a,54bは、それぞれ、連通した1つの空間によって形成されるので、各油溝54a,54b内はいずれの位置も同一の圧力となる。したがって、異なる等圧線にまたがるように油溝54a,54bを形成した場合、回転軸15の回転時に各油溝54a,54b内の圧力が均一化して動圧軸受としての機能が損なわれる可能性がある。そこで、上記実施形態のように、各油溝54a,54bをそれぞれ等圧線に沿って設けることによって、各等圧線位置における油溝54a,54b内の圧力を維持し、動圧軸受としての機能を良好に保てる。
また、回転軸15の回転方向に対する油溝54a及び54bの位置が、ピボットより回転方向上流側領域のJOPによる油膜圧分布Pのピボット周りのモーメントの総計と、ピボットより回転方向下流側領域のJOPによる油膜圧分布Pのピボット周りのモーメントの総計とがバランスしたとき、隙間s1と隙間s2とが同等となる領域であってもよい。油溝54a又は54bは、夫々全領域内の油膜圧が等圧に保持されているので、油溝54a又は54bで油膜圧の低下は起こらない。この現象を図7で説明する。図7(A)は第1実施形態の油溝36の場合を示し、図7(B)は本実施形態の油溝54aの場合を示す。油溝36は、油膜圧が異なる等圧線に跨って配置されるおそれがある。そのため、図7(A)に示すように、油溝36の領域全体が低圧側の油膜圧となるおそれがあり、軸回転によるくさび状の油膜圧分布paに低圧域Prが発生するおそれがある。これに対し、本実施形態の油溝54a又は54bは、全領域で油膜圧が等圧であるので、図7(B)に示すように、軸回転によるくさび状の油膜圧分布pbに低圧域が発生することはない。
また、油溝54a及び54bは、ピボット38に対し軸方向で対称に配置されているので、回転軸15の軸方向で同一の油膜圧を形成するのが容易である。そのため、回転軸15の偏当りを抑制できる。
なお、油溝54a又は54bの周方向の回転上流側の油溝端部54cは、図6中の直線Gを跨る位置に配置することが好ましい。
次に、前記第3実施形態の変形例を図9及び図10により説明する。図9は第3実施形態の変形例における軸受パッドの軸受面の展開図である。図10は第3実施形態の変形例における給油機構及びその周辺構造を示す図である。
本変形例では、軸受パッド14の軸受面14aに4個の給油口56a、56b、56c及び56dを形成すると共に、夫々の給油口に独立して油溝58a、58b、58c及び58dを形成したものである。給油口56a〜56d及び油溝58a〜58dは、等圧線p4に沿って配置される。さらに、給油口56a〜56d及び油溝58a〜58dは、ピボット38に対して軸方向に対称に配置されてもよい。給油口56a〜56dに接続された給油機構は、第3実施形態と同様に、潤滑油の供給量を独立して制御できるようになっていてもよいが、以下のように構成されてもよい。
図10に示す給油機構は、給油口56aを介して第1油溝58aに潤滑油を供給するための第1給油路46cと、給油口56cを介して第1油溝58cに潤滑油を供給するための第1給油路46dとを有する。ここで、第1油溝58a及び第1油溝58cは、同一圧力の等圧線に沿って設けられている。さらに、第1油溝58a及び第1油溝58cは、第1給油路46c,46dを介して互いに連通するように構成されている。例えば、第1給油路46c,46dが基部側で合流しており、合流した第1給油路46c(46d)とポンプ50との間に第1バルブ48cが設けられる。第1バルブ48cは、第1油路46c,46dへの潤滑油の供給量を調節する構成となっている。
そして、回転軸15の回転開始時又は低速回転時には、第1バルブ48cを開いた状態とし、ポンプ50を作動させて第1給油路46c,46dを介して第1油溝58a及び第1油溝58cに潤滑油を供給する。一方、回転軸15の定格回転時には、第1バルブ48cを閉じた状態とし、ポンプ50を停止して第1給油路46c,46dを介した第1油溝58a及び第1油溝58cへの潤滑油の供給を遮断する。
なお、図10では第1油溝58a,58cを例示したが、第1油溝58b,58dに対しても上記と同様の給油機構の構成を採用できる。
上記第3実施形態の変形例によれば、同一の等圧線に沿って設けられる複数個の油溝58a,58cについては給油路46c,46dが互いに連通する構成を採用すれば、給油路46c,46dやバルブ48c等の給油機構の構成を簡素化することもできる。
また、本変形例によれば、第3実施形態と同様に、各油溝での油圧低下は起こらない。また、各油溝は、ピボット38に対して軸方向に対称の位置に配置されているので、回転軸15の軸方向で同一の油膜圧を形成するのが容易である。そのため、回転軸15の偏当りを抑制できる。
なお、前記実施形態は、いずれもピボット38が軸受パッド14を点支持するものであるが、軸受けパッド38を回転軸15の軸方向に延びる線で支持するピボット38を用いた場合でも、本発明を適用できる。
続いて、上述した第3実施形態の他の変形例を図11及び図12により説明する。図11は第3実施形態の他の変形例に係る軸受パッドの軸受面の展開図である。図12は第3実施形態の他の変形例に係る給油機構を示す軸受装置の断面図である。
図11及び図12に示す給油機構は、第1給油口56c,56dと、第1油溝58c,58dと、第2給油口57a,57bと、第2油溝59a,59bと、第1給油路46fと、第2給油路46eと、第1バルブ48eと、第2バルブ48dと、ポンプ50とを有している。
第1油溝58c,58dと第2油溝59a,59bとは、異なる油膜圧を示す等圧線に沿って設けられている。第1油路46f及び第2油路46eは、少なくとも回転軸15の回転時に互いに異なる圧力に維持可能に別系統として設けられる。第1油路46f及び第2油路46eは、ポンプ50に接続されて、ポンプ50によって潤滑油が供給されるようになっている。第1油路46f及び第2油路46eとポンプ50との間には、それぞれ、第1バルブ48e,第2バルブ48dが設けられており、第1油路46f及び第2油路46eへの潤滑油の供給量が調節可能に構成される。
そして、回転軸15の回転開始時又は低速回転時には、第1バルブ48e及び第2バルブ48dをそれぞれ開いた状態とし、ポンプ50を作動させて第1油路46f及び第2油路46eを介して第1油溝58c(58d)と第2油溝59a(59b)に潤滑油を供給する。各油溝58c,59aへの潤滑油の供給量は、各バルブ48e,48dの開度によって調節してもよい。一方、回転軸15の定格回転時には、、第1バルブ48e及び第2バルブ48dを閉じた状態とし、ポンプ50を停止して第1油路46f及び第2油路46eを介した第1油溝58c(58d)及び第2油溝59a(59b)への潤滑油の供給を遮断する。このとき、第1油溝58c(58d)第2油溝59a(59b)とは連通していないため、各油溝58c(58d),59a(59b)の圧力は独立して保たれる。
このように、第1油溝57aに連通する第1給油路46eと、第2油溝56cに連通する第2給油路46fとが、少なくとも回転軸15の回転時に互いに異なる圧力に維持可能に別系統として設けられることにより、異なる等圧線(第1等圧線と第2等圧線)に沿って設けられる第1油溝57a及び第2油溝56cの圧力が、回転軸15の定格回転時において均一化されることを回避でき、動圧軸受としての機能を良好に保持できる。
以上説明したように、上述の実施形態によれば、油溝の加重平均位置が、ピボット38の配置位置に対して、ピボット38の中心位置を基準としたオフセット方向にずれるように構成することによって、ピボット38がオフセットされていても、オフセット側の軸受パッド14の端部と回転軸15の外周面との隙間が、オフセットした方向とは反対側の軸受パッド14の端部と回転軸15の外周面との隙間より小さくなることを抑制できる。よって、回転軸15の回転開始時又は低速回転時に、回転軸15が傾くことを抑制し、回転軸15と軸受パッド14が接触することを防止できる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
例えば、上述の実施形態では、ピボット38が、軸受パッド14の回転軸15の回転方向における中央位置Cに対し、回転軸15の回転方向下流側にオフセットして配置された場合について例示したが、ピボット38は回転軸15の回転方向上流側にオフセットして配置されてもよい。その場合、油溝の加重平均位置は、ピボット38の回転方向に対する位置に対して、回転軸15の回転方向上流側にずれて位置する。
本発明によれば、JOP機構を採用したティルティングパッド軸受装置において、軸受パッド全域に亘り潤滑性能を高く維持できる。
10 ティルティングパッド軸受装置
12,104 軸受ハウジング
12a,12b ハウジング片
14,102 軸受パッド
14a 軸受面
14b 回転方向前端
14c 回転方向後端
15,100 回転軸
16 給油機構
18 ポンプ
20 モータ
22,44a,44b,110 給油路
24 リリーフ弁
26 タンク
28a,28b 分岐路
30a,30b バルブ
32a,32b 給油孔
34,40a,40b,52a,52b,56a〜56d,108 給油口
36,37a,37b,42a,42b,54a,54b,58a〜58d 油溝
36a,42c 頂点部
54c 油溝端部
38,106 ピボット
46a,46b 給油路
48a,48b バルブ
48c,48d 第1バルブ
48e 第2バルブ
50 ポンプ
P JOPによる油膜圧分布
Pr 低圧域
最大油膜圧領域
o 潤滑油
pa、pb 軸回転によるくさび状油膜の圧力分布
p1〜p5 軸回転によるくさび状油膜の等圧線
s1,s2 隙間

Claims (10)

  1. 回転軸の周囲に配置され、前記回転軸を回転自在に支持する複数の軸受パッドと、
    前記複数の軸受パッドとこれら軸受パッドを支持する軸受ハウジングとの間に介在され、各軸受パッドを揺動可能に支持する支持部材と、
    前記複数の軸受パッドのうちの1個以上の軸受パッドの軸受面に形成された少なくとも1個の油溝に潤滑油を供給するように構成された給油機構とを備えたティルティングパッド軸受装置であって、
    前記支持部材は、前記1個以上の軸受パッドの前記回転軸の回転方向における中央位置に対し、前記回転軸の回転方向上流側又は回転方向下流側にオフセットして配置され、
    前記回転軸の周方向における各々の前記油溝の中心位置を該油溝の開口面積で重み付けした前記少なくとも1個の油溝の加重平均位置が、前記支持部材の配置位置に対して、前記中央位置を基準とした前記支持部材のオフセット方向にずれていることを特徴とするティルティングパッド軸受装置。
  2. 前記少なくとも1個の油溝の各々が、前記回転軸の回転時に前記軸受面と前記回転軸の外周面との間に形成される油膜の圧力が同一である位置を通る等圧線に沿って設けられたことを特徴とする請求項1に記載のティルティングパッド軸受装置。
  3. 前記少なくとも1個の油溝は、前記油膜の前記圧力が第1圧力である位置を通る第1等圧線に沿って設けられる第1油溝と、前記油膜の前記圧力が前記第1圧力とは異なる第2圧力である位置を通る第2等圧線に沿って設けられる第2油溝とを含み、
    前記給油機構は、前記第1油溝に連通する第1給油路と、前記第2油溝に連通する第2給油路とを含み、
    前記第1給油路と前記第2給油路とは、少なくとも前記回転軸の回転時に互いに異なる圧力に維持可能に別系統として設けられたことを特徴とする請求項2に記載のティルティングパッド軸受装置。
  4. 前記第1等圧線に沿って設けられる複数個の前記第1油溝は、前記第1給油路を介して互いに連通するように構成されることを特徴とする請求項3に記載のティルティングパッド軸受装置。
  5. 前記第1給油路に設けられ、前記第1油溝への前記潤滑油の供給量を調整するための第1バルブと、
    前記第2給油路に設けられ、前記第2油溝への前記潤滑油の供給量を調整するための第2バルブとをさらに備えることを特徴とする請求項3又は4に記載のティルティングパッド軸受装置。
  6. 前記支持部材は、前記回転軸の周方向における前記軸受パッドの中央位置よりも前記回転軸の回転方向下流側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のティルティングパッド軸受装置。
  7. 前記給油口が前記回転軸の軸方向に複数個形成され、各給油口に連通する前記油溝が夫々独立して形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のティルティングパッド軸受装置。
  8. 前記少なくとも1個の油溝は、前記回転軸の回転時、前記軸受面に形成されるくさび状油膜による油膜圧が同等となる領域内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のティルティングパッド軸受装置。
  9. 前記回転軸の回転時、前記軸受面に形成されるくさび状油膜による油膜圧が同等となる等圧領域が、最大油膜圧領域を中心とし油膜圧が徐々に低圧となる領域が該最大油膜圧領域の外側に同心状に広がるように形成され、
    前記油溝が一つの等圧線に沿って配置されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のティルティングパッド軸受装置。
  10. 前記回転軸の回転時に前記回転軸の外周面と前記軸受面との間に発生する油膜圧により、前記回転軸と前記軸受パッドの回転方向上流端との隙間が、前記回転軸と前記軸受パッドの回転方向下流端との隙間と同等となる領域に分布していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のティルティングパッド軸受装置。
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