JP2014166057A - 押し込み充電機能付き急速充電装置 - Google Patents

押し込み充電機能付き急速充電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 二次電池に発生し得る充電時の過充電および熱逸走を防止することができる押し込み充電機能付き急速充電装置を提供する。
【解決手段】 二次電池200に充電電圧Ecまたは充電電流Icを供給する充電手段110と、電圧値を検知する電圧検知手段120と、電流値を検知する電流検知手段130と、充電手段110による充電を制御する充電制御装置140と、二次電池200の充電状態において熱逸走の発生を予測または検知する熱逸走検知手段150を備えた構成とする。充電制御装置140が、パルス充電制御の基準に基づいて充電対象となっている二次電池200へ充電電圧Ecとチェック電圧Eckを切替ながら印加してパルス充電制御を実行するが、充電制御装置140はパルス充電制御の主基準に加え、熱逸走検知手段150の熱逸走発生予測または検知に基づく熱逸走制御基準の2つの基準を組み合わせることによって、充電手段110を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム電池、リチウムイオン電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素金属電池、鉛蓄電池等の二次電池を充電するための充電装置の技術に関するものである。特に、従来問題となっていた熱逸走の発生を防止しつつ急速に充電を行うことができる押し込み充電機能付き急速充電装置に関する。
電子機器の利用が増える中、特に、携帯型電子機器の小型電源や、停止できないシステム向けの無停電電源(UPS)、電気自動車の電源向けなど、多種多様の電池が数多く使用されている。携帯型電子機器の電池はいわゆる使い捨ての電池ではなく、二次電池、すなわち繰り返し充放電可能な再充電可能な電池となっており、各々の用途に合わせて各社、電池の特性改善や劣化防止などの開発が進められている。
二次電池は仕様通りの性能を発揮するためには、それら電子機器の使用環境条件のみならず、二次電池の繰り返し充電の充電条件も制御する必要がある。特に、充電条件は放電後の電池にダメージを与えることなく、如何に“急速に”かつ“充電容量いっぱいまで”充電するかが重要である。このため、充電完了時の検出方法、過充電を防止する方法等を含めて、二次電池の種類および用途別に適した充電方法が研究されている。
従来技術における充電方法のうち代表的なものを説明する。
二次電池は、コバルト複合酸化物を正極とするリチウムイオン電池を例として説明する。なお、リチウムイオン電池の最大充電電圧は4.2Vとされている。
まず、従来技術における充電方法の1つとしては定電圧充電法がある。
定電圧充電法は、充電器から一定電圧(この例では4.2V)を電池に印加する方法である。この定電圧充電法によれば、定電圧である4.2Vを充電器から印加するのみであるので簡単な装置構成で済むというメリットがある。
図17(a)は、定電圧充電法を用いて充電する場合の二次電池電圧の時間変化と充電電流の時間的変化の充電特性の概略を簡単に示した図である。図17(a)の縦軸は充電電池電圧または充電電流であり、横軸が時間となっている。
しかし、この定電圧充電法には大きな欠点がある。図17(a)に示したように、充電初期に大きな電流が流れてしまい二次電池を傷めてしまうおそれがあるという問題である。また、充電期間の後半において電流が減衰してゆくが、十分に充電容量が満たされるまでには時間がかかるという問題もある。そのため、初期電流を抑制し、後半の電流を大きくする工夫が必要となってくる。
定電圧充電法において、印加電圧を定格電圧としつつ初期電流を抑制するよう工夫するものもある。この定格電圧充電の場合、その充電特性は図17(b)に示すようになる。
図17(b)は、定格電圧充電にて充電する場合の二次電池電圧の時間変化と充電電流の時間的変化の充電特性の概略を簡単に示した図である。図17(b)の縦軸は充電電池電圧または充電電流であり、横軸が時間となっている。
定格電圧充電にて充電する場合、充電初期における大電流の通電が抑制されているが、その充電特性は時間経過とともに緩やかに減衰してゆくいわゆるロングテール形となっており、十分に充電容量が満たされるまでには時間がかかるという問題は依然残されている。
次に、従来技術における充電方法の1つとして定電流定電圧充電法がある。
定電流定電圧充電法は、充電開始後しばらくは定電流充電とし、二次電池の電圧が所定電圧に到達した後、定格電圧による定電圧充電に切り換える方法である。この定電流定電圧充電法によれば、比較的高速に充電することができるというメリットがあり、かつ、充電期間の初期においても過充電がなく、充電期間の終期においても定格電圧の印加である限り、過充電が発生することはないというメリットがある。
高い電圧の過充電状態において有機電解質が分解する恐れの高いリチウム系二次電池では、定電流・定電圧充電技術が採用される。
定電流充電時の電流値が大きくても許容されるよう、電池構成を工夫することができれば、さらに充電時間を短縮することができる。
図18(a)は、定電流定電圧充電法を用いて充電する場合の二次電池電圧の時間変化と充電電流の時間的変化の充電特性の概略を簡単に示した図である。図18(a)の縦軸は充電電池電圧または充電電流であり、横軸が時間となっている。なお、コバルト複合酸化物を正極とするリチウムイオン電池の場合、4.2Vまでは定電流充電であり、二次電池の電圧が4.2Vとなった後は4.2Vで定電圧充電となっている。
なお、図18(a)には不可逆化学反応領域が併せて示されている。不可逆化学反応領域とは、二次電池に悪影響を及ぼす不可逆化学反応が生じるような、充電電流と印加電圧との関係で画定される領域のことであり、この範囲にある電圧が印加されると、二次電池内では酸化還元反応がさらに進んで不可逆な電気分解反応を惹き起こし、負性抵抗特性が現れる範囲である。負性抵抗特性が現れると意図しない発熱反応や、膨潤等の異常が発生し、ともすれば二次電池の内部構造の破壊に繋がる恐れがある。また、不可逆化学反応が進むと二次電池のサイクル寿命に大きな影響を与えてしまう。
図18(a)に示すように、定電流定電圧充電法によれば、図17に示した定電圧充電法に比べて、充電期間の初期から中盤あたりである定電流域における充電量が大きく確保することができ、充電期間が比較的短くて済むというメリットが得られる。
しかし、定電流定電圧充電法でも、やはり充電時間が長くなってしまうという問題は残っている。図18(a)に示したように、充電初期の定電流域では定格電流で充電されるため、充電初期における大電流の通電が抑制され、その後の定電圧域においても電流値は低下してゆくため、その充電特性は、定格電圧充電よりも充電時間は短くなるが、やはり充電時間がまだ長く、十分に充電容量が満たされるまでには時間がかかるという問題がある。
次に、従来技術における充電方法の1つとして、高電位充電を伴ういわゆるパルス充電法がある。
理想的な高電位充電は、図18(b)に示すように、定格電圧値を超えるが不可逆化学反応領域には達しない許容最大値(Emax)を用いて充電を行うものである。定格電圧値(Eo)よりも高い許容最大値(Emax)にて充電を行うので、定電流定電圧充電法よりも急速充電が期待できる。しかし、許容最大値(Emax)にて充電を行うので、許容最大値(Emax)のまま充電が進むと充電容量が満たされた後に過充電となってしまう。
もっとも理想的な高電位充電が可能であれば、二次電池に対して充電電位Ecとして不可逆化学反応領域には達しない限界の許容最大値(Emax)を印加すると、二次電池には定格充電Ioを超える高充電電流Imaxである充電電流Icにより効率よく充電され、内部電圧Eが定格電圧Eoに達すると充電容量が満たされた状態となり、ここで、即座に停止するものである。つまり、過充電になる前にいわゆる“寸止め”するものである。
しかし、充電状態が正確には把握しづらい二次電池の内部状態を正確に把握してそのような充電制御を行うことは難しい。また、もともと二次電池には種類、個体差、内部状態が各々異なり、また、電極構造の違い、電極金属の違い、電解質種の違い等二次電池の種類によって充電時における特性は異なる。さらには、同一種、同型番の二次電池であっても、充電時の環境条件の違い、二次電池の劣化度合い、電気化学的状態等によってその特性が大きく異なってくる。
そこで、パルス充電法と呼ばれる、実際の二次電池の充電状態をモニタしながら充電を進めて行く方法が研究されている。
パルス充電法とは、IC&C方式(Interrupted Check & Charge)とも呼ばれる方式であり、二次電池の充電状態をチェックするチェック期間を間挿し、定格値(Eo)をチェック電圧値として二次電池に印加し、流れるチェック電流またはチェック電圧をモニタして二次電池の状態を検知し、充電容量が満たされたか、過充電は発生していないかを確認しながら充電する方式である。このように、充電期間とチェック期間を交互に繰り返しながら定格値を超える許容最大値(Emax)をパルス状に印加するためパルス充電と呼ばれている。
図19はパルス充電法を用いて充電する場合の二次電池電圧の時間変化と充電電流の時間的変化の充電特性の概略を簡単に示した図である。図19の縦軸は充電電圧、充電電流であり、横軸が時間となっている。なお、コバルト複合酸化物を正極とするリチウムイオン電池の場合、定格電圧値(Eo)は略4.2Vであり、許容最大値(Emax)は4.5V程度とする。
図19はパルス状に印加される充電電圧、充電電流を象徴的に示したものである。図19に示すように、充電期間には許容最大値(Emax)が印加され、チェック期間にはチェック電圧(Eo)が印加されている。なお、実際のチェック期間は短くて良く、実際には、例えば、チェック期間は5秒程度で良く、充電期間の長さは100秒程度で良い。図19では図示しやすいようにパルス幅が大きく描かれており、また、充電期間とチェック期間の比率は不正確に描かれている。
従来技術のパルス充電(IC&C)は、過充電になることを回避するため、チェック期間で充電状態をモニタしながら充電を制御するものである。そのため、チェック期間でのモニタにより、チェック電流が一定値以下、ここでは切替電圧(図19のI1)になったことを検知すると、余裕をもって充電を停止する。
このように、従来技術のパルス充電(IC&C)を用いると急速充電が可能となる。
特許第3430439号公報
一般に、二次電池に対して、仕様の定格電圧よりも高い充電電圧にて充電したり、仕様の定格電流よりも高い充電電流で充電したり、定格時間よりも長く充電したりすると過充電となるおそれがあり、過充電になると様々な不具合が発生し得ることが知られている。例えば、過充電状態が続くと、負極に金属リチウムが析出したり、リチウムイオンの過度の抜き取りによって正極が溶解したりする問題が発生する。さらに、電解液が分解してしまう問題や、発熱による火災も発生し得る。過充電により引き起こされる化学反応(負極に金属リチウムが析出したり正極が溶解したりする現象)は不可逆な反応であるため、バッテリの充電容量を低下させるとともに、バッテリが劣化し、寿命が短くなってしまう。
上記した定電圧充電法、定電流定電圧充電法では、いずれも、バッテリごとに定められている定格電圧、定格電流、定格時間にて充電を行うものとなっている。しかし充電時間が長くなるなどの不便がある。
上記したパルス充電法(IC&C)は、充電期間に充電器から印加する充電印加電圧は、定格電圧値(Eo)よりも大きな電圧を印加するものの、チェック期間を間挿し、チェック期間では定格電圧値(Eo)を印加してチェック電流を調べることで、過充電が発生しないように担保することを狙った技術である。
しかし、これら、上記した定電圧充電法、定電流定電圧充電法、パルス充電法(IC&C)のいずれを採用するにしても、二次電池の種類、個体差、二次電池の使用状態の影響、二次電池の劣化度合いなど、充電対象となっている二次電池の種類、個体差、状態の影響による過充電、さらには“熱逸走”という大きな問題がある。
つまり、これらの充電方法において、充電終了タイミングの判断方法を二次電池の状態を無視して一律に適用すると二次電池の種類、個体差、内部状態に応じて過充電や熱逸走の不具合が生じ得る。熱逸走が発生すると、二次電池内部で異常な化学反応を引き起こして発熱し、電気エネルギーが熱エネルギーに変換されるため充電効率は低下する事態が発生するおそれがある。
図20は熱逸走が発生するパターンを示している。本来、充電電流IcはIC&C方式において定電圧域に入れば漸減してゆくが、熱逸走が発生すると逆に充電電流が増加して暴走する事態が発生する。充電電流が増加するのに合わせて内部電圧Eは低下してゆく。
特に、近年は充電時間の短縮化を狙い、定格電圧、定格電流付近での効率的な充電制御を行うことが多く、そのため二次電池の個体差や状態の違いの影響を受けやすいとも言える。その結果、熱逸走などの不具合の発生について防止策が求められている。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、二次電池の種類、個体差、内部状態の違いにより発生し得る充電時の過充電および熱逸走を防止することができる押し込み充電機能付き急速充電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置は、二次電池に充電電圧または充電電流を供給する充電手段と、前記二次電池の端子電圧を検知する電圧検知手段と、前記二次電池に通電される充電電流の電流値を検知する電流検知手段と、前記充電手段から供給される充電電圧または充電電流を、前記二次電池の許容最大値の充電印加電圧値と、前記二次電池の許容最大値以下のチェック電圧値とに交互に切り換える切換手段と、前記切換手段を制御して前記二次電池に前記充電印加電圧値を印加する充電期間と前記チェック電圧値を印加するチェック期間とを切り替えるタイミング制御手段と、前記充電期間と前記チェック期間を交互に繰り返しながら前記許容最大値をパルス状に印加するパルス充電を制御する充電制御装置を備えた急速充電装置において、前記充電制御装置が前記二次電池の充電状態において熱逸走の発生を予測または検知する熱逸走検知手段を備え、前記充電制御装置が、前記パルス充電制御の主基準と、前記熱逸走検知手段の熱逸走発生予測または検知に基づく熱逸走制御基準の2つの基準を組み合わせることによって、前記パルス充電制御の主基準では充電を停止する充電状態となっても前記熱逸走制御基準の範囲内であれば充電を継続するという押し込み充電を行うよう制御することを特徴とする押し込み充電機能付き急速充電装置である。
充電制御装置が、パルス充電制御の主基準と、熱逸走検知手段の熱逸走発生予測または検知に基づく熱逸走制御基準の2つの基準を組み合わせて充電手段を制御することにより、熱逸走発生を事前に予測、または、熱逸走の発生を検知して確実に熱逸走という問題の発生を回避することができる。
パルス充電制御を行うことは、充電期間においては定格電圧以上の高い充電印加電圧をかけるため、普及している定電流定電圧充電法よりも過充電の領域に隣接しており、熱逸走に至らないように制御する必要があるが、本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置は、効率的に熱逸走の発生を予測または検知することができる。
ここで、本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置における、熱逸走制御基準と、それら熱逸走制御基準に該当する事象が検知された場合に処置として行う熱逸走抑制制御による二次電池への充電制御のパターンの例について述べる。
以下に、熱逸走制御基準として、第1の熱逸走制御基準から第7の熱逸走制御基準の7つの基準を示す。また、処置として行う熱逸走抑制制御として、それぞれ3つ通りの熱逸走抑制制御の処置を説明する。
第1の熱逸走制御基準は、充電電流の増加を検知したことを基準とするものである。
充電電流の増加が見られれば、熱逸走が起こっているか、熱逸走に至るような発熱などの異常事態が起こりつつあると予測でき、本発明はこの充電電流の増加を検知すれば、充電制御装置は、熱逸走抑制制御に遷移するものである。
この第1の熱逸走制御基準に該当した場合に実行される熱逸走抑制制御としては、下記の第1の熱逸走抑制制御から第3の熱逸走抑制制御の3通りのものがある。
第1の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである。
第2の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後または充電電流が所定値以下に低下した場合に停止させる押し込み充電処理を行うものである。
第3の熱逸走抑制制御は、前記第1の熱逸走制御基準における前記充電電流の増加の有無の判断値を所定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記充電電流が増加するかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度前記充電電流の増加が検知されれば前記判断値更新手順において前記直近の前記判断値を所定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、前記判断値更新手順の実行が一定回数以上になれば、前記充電手段を介した前記二次電池への前記押し込み充電処理を停止させるものである。
充電電流の増加が見られても一時的な誤動作や一時的な化学現象で熱逸走に至らない場合もあり、また、充電電流を低下させることにより発熱が抑制され熱逸走状態から回避できる可能性もあるため、第2の熱逸走抑制制御では所定の時間だけ押し込み充電を行うか、または、充電電流が所定値以下に低下することが検知できることで停止するものである。また、第3の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設け、その間は押し込み充電をする工夫をしているものである。
次に、第2の熱逸走制御基準は、チェック電流の増加の検知を基準とするものである。
充電電流の増加と同様、チェック電流の増加をモニタすることによっても、熱逸走が起こっているか、熱逸走に至るような発熱などの異常事態が起こりつつあると予測でき、本発明はこのチェック電流の増加を検知すれば、充電制御装置は、熱逸走抑制制御に遷移するものである。
この第2の熱逸走制御基準に該当した場合に実行される熱逸走抑制制御としては、下記の第4の熱逸走抑制制御から第6の熱逸走抑制制御の3通りのものがある。
第4の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである。
第5の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後または充電電流が所定値以下に低下した場合に停止させる押し込み充電処理を行うものである。
第6の熱逸走抑制制御は、前記第2の熱逸走制御基準における前記チェック電流の増加の有無の判断値を所定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記チェック電流が増加するかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度前記チェック電流の増加が検知されれば前記判断値更新手順において前記直近の前記判断値を一定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、前記判断値更新手順の実行が一定回数以上になれば、前記充電手段を介した前記二次電池への前記押し込み充電処理を停止させるものである。
チェック電流の増加が見られても、一時的な誤動作や一時的な化学現象で熱逸走に至らない場合もあり、また、充電電流を低下させることにより発熱が抑制され熱逸走状態から回避できる可能性もあるため、第5の熱逸走抑制制御では所定の時間だけ押し込み充電を行うか、または、充電電流が所定値以下に低下することが検知できることで停止するものである。また、第6の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設けて押し込み充電をする工夫をしているものである。
次に、第3の熱逸走制御基準は、充電電圧の低下を検知したことを基準とするものである。
充電電圧の低下が見られれば、熱逸走が起こっているか、熱逸走に至るような発熱などの異常事態が起こりつつあると予測でき、本発明はこの充電電圧の低下を検知すれば、充電制御装置は、熱逸走抑制制御に遷移するものである。
この第3の熱逸走制御基準に該当した場合に実行される熱逸走抑制制御としては、下記の第7の熱逸走抑制制御から第9の熱逸走抑制制御の3通りのものがある。
第7の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである。
第8の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後に停止させる押し込み充電処理を行うものである。
第9の熱逸走抑制制御は、前記第3の熱逸走制御基準における前記充電電圧の低下を判断する判断値を一定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記充電電圧が低下するかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度前記充電電圧の低下が検知されれば前記判断値更新手順において直近の前記判断値を一定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、前記判断値更新手順の実行が一定回数以上になれば、前記充電手段を介した前記二次電池への前記押し込み充電処理を停止させるものである。
充電電圧の低下が見られても、一時的な誤動作や一時的な化学現象で熱逸走に至らない場合もあるため、第8の熱逸走抑制制御では所定の時間だけ押し込み充電を行うものである。また、第9の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設けて押し込み充電をする工夫をしているものである。
次に、第4の熱逸走制御基準は、充電電流の電流値の低下速度が判断値以下となったことを基準とするものである。
充電電流の低下速度が判断値以下になれば、例えば、ゼロ近くになれば、低下しなくなりつつあり、そのまま充電を続ければ、充電電流が増加に反転したり、さらには熱逸走に至るような発熱が見られたりするなど、異常事態が起こりつつあると予測できるからである。
この第4の熱逸走制御基準に該当した場合に実行される熱逸走抑制制御としては、下記の第10の熱逸走抑制制御から第12の熱逸走抑制制御の3通りのものがある。
第10の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである。
第11の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後に停止させる押し込み充電処理を行うものである。
第12の熱逸走抑制制御は、前記第4の熱逸走制御基準における前記判断値を一定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記充電電流の電流値の低下速度が前記判断値以下となるかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度前記充電電流の電流値の低下速度が前記判断値以下となったことが検知されれば前記判断値更新手順において直近の判断値を一定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、前記判断値更新手順の実行が一定回数以上になれば、前記充電手段を介した前記二次電池への前記押し込み充電処理を停止させるものである。
前記充電電流の電流値の低下速度が判断値以下となったとしても、一時的な誤動作や一時的な化学現象で熱逸走に至らない場合もあるため、第11の熱逸走抑制制御では所定の時間だけ押し込み充電を行うものである。また、第12の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設けて押し込み充電をする工夫をしているものである。
次に、第5の熱逸走制御基準は、前記チェック電流の電流値の低下速度が判断値以下となったことを検知したことを基準とするものである。
チェック電流の低下速度が判断値以下になれば、たとえばゼロ近くになれば、充電電流の低下速度もゼロ近くに低下しているおそれがあり、そのまま充電を続ければ、充電電流が増加に反転し、さらには熱逸走に至るような発熱などの異常事態が起こりつつあると予測できるからである。
この第5の熱逸走制御基準に該当した場合に実行される熱逸走抑制制御としては、下記の第13の熱逸走抑制制御から第15の熱逸走抑制制御の3通りのものがある。
第13の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである。
第14の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後に停止させる押し込み充電処理を行うものである。
第15の熱逸走抑制制御は、前記熱逸走制御基準における前記判断値を一定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記チェック電流の電流値の低下速度が前記判断値以下となったかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度前記チェック電流の電流値の低下速度が前記判断値以下となったことが検知されれば前記判断値更新手順において直近の前記判断値を一定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、
前記判断値更新手順の実行が一定回数以上になれば、前記充電手段を介した前記二次電池への前記押し込み充電処理を停止させるものである。
前記チェック電流の電流値の低下速度が判断値以下となっても、一時的な誤動作や一時的な化学現象で熱逸走に至らない場合もあるため、第14の熱逸走抑制制御では所定の時間だけ押し込み充電を行うものである。また、第15の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設けて押し込み充電をする工夫をしているものである。
次に、第6の熱逸走制御基準は、前記充電電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しないことを検知したこと、または、前記充電電流が所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも遅延していることを検知したことを基準とするものである。
充電電流が所定値まで低下しなかったり、所定値まで低下したものの遅延したりする場合、異常事態が起こりつつあり、そのまま充電を続ければ、充電電流が増加に反転し、さらには熱逸走に至るような発熱などの異常事態が起こるおそれがあると予測できるからである。
この第6の熱逸走制御基準に該当した場合に実行される熱逸走抑制制御としては、下記の第16の熱逸走抑制制御から第18の熱逸走抑制制御の3通りのものがある。
第16の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである。
第17の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後に停止させる押し込み充電処理を行うものである。
第18の熱逸走抑制制御は、前記第6の熱逸走制御基準における前記充電電流が所定時間を経過して所定値まで低下したかの判断値、または、前記充電電流が所定値まで低下する時間が遅延しているかの判断値を一定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記充電電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しないか、または、前記充電電流が所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも遅延しているかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度当該事象が検知されれば前記判断値更新手順において直近の前記判断値を一定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、前記判断値更新手順の実行が一定回数以上になれば、前記充電手段を介した前記二次電池への前記押し込み充電処理を停止させるものである。
前記充電電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しなかったり、前記充電電流が所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも遅延したりしても、一時的な誤動作や一時的な化学現象で熱逸走に至らない場合もあるため、第17の熱逸走抑制制御では所定の時間だけ押し込み充電を行うものである。また、第18の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設けて押し込み充電をする工夫をしているものである。
次に、第7の熱逸走制御基準は、チェック電流の電流値の低下速度が判断値以下となったことを検知したこと前記電流検知手段により前記チェック電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しないことを検知したこと、または、前記チェック電流が所定値まで低下する時間が予定される時間よりも遅延していることを検知したことを基準とするものである。
チェック電流が所定値まで低下しなかったり、所定値まで低下したものの遅延したりする場合、充電電流も同様に所定値まで低下しなかったり所定値まで低下するものの遅延したりする異常事態が起こりつつあり、そのまま充電を続ければ、充電電流が増加に反転し、さらには熱逸走に至るような発熱などの異常事態が起こるおそれがあると予測できるからである。
この第7の熱逸走制御基準に該当した場合に実行される熱逸走抑制制御としては、下記の第19の熱逸走抑制制御から第21の熱逸走抑制制御の3通りのものがある。
第19の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである。
第20の熱逸走抑制制御は、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後に停止させる押し込み充電処理を行うものである。
第21の熱逸走抑制制御は、前記第7の熱逸走制御基準における前記チェック電流が所定時間を経過して所定値まで低下したかの判断値、または、前記チェック電流が所定値まで低下する時間が遅延しているかの判断値を一定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記チェック電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しないか、または、前記チェック電流が所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも遅延しているかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度当該事象が検知されれば前記判断値更新手順において直近の前記判断値を一定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、前記判断値更新手順の実行が一定回数以上になれば、前記充電手段を介した前記二次電池への前記押し込み充電処理を停止させるものである。
前記チェック電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しなかったり、前記チェック電流が所定値まで低下する時間が予定される時間よりも長くかかったりしても、一時的な誤動作や一時的な化学現象で熱逸走に至らない場合もあるため、第20の熱逸走抑制制御では所定の時間だけ押し込み充電を行うものである。また、第21の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設けて押し込み充電をする工夫をしているものである。
本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置によれば、充電制御装置が、パルス充電制御の主基準と、熱逸走検知手段の熱逸走発生予測または検知に基づく熱逸走制御基準の2つの基準を組み合わせて充電手段を制御することにより、熱逸走発生を検知して熱逸走という問題の発生を回避する対処を実行する、または、熱逸走の発生を事前に予測して熱逸走という問題の発生を回避する対処を実行することができる。
パルス充電制御を行うことは、充電期間においては定格電圧以上の高い充電印加電圧をかけるため、普及している定電流定電圧充電法よりも過充電の領域に隣接しており、熱逸走に至らないように制御する必要があるが、本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置は、効率的に熱逸走の発生を予測または検知することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例により具体的に説明する。なお、本発明の技術的思想の範囲はこれらの実施例の具体的な形状や数値に限定されるものではない。
本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置は、二次電池を充電するための充電装置に適用されるものである。二次電池であれば、特に限定されず広く適用することができる。一例として、リチウム電池、リチウムイオン電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素金属電池、鉛蓄電池等であっても適用することができるものであることが理解されよう。特にことわりがない限り、以下、リチウム電池を例として説明する。
また、充電制御は、基本的にはパルス充電(IC&C)制御としつつ、熱逸走抑制制御を組み込んだものとして説明する。
最初に、熱逸走現象の発生の概要について説明し、次に、本発明にかかる押し込み充電機能付き急速充電装置1の各構成要素の説明をし、次に、本発明にかかる押し込み充電機能付き急速充電装置1の動作の流れを鳥瞰する。
熱逸走現象は様々な充電方式において発生し得るが、ここでは、パルス充電方式を採用している充電装置において生じる熱逸走現象について説明する。
二次電池の充電時おける熱逸走とは以下のような現象を言う。
バッテリに対し充電を行った場合、通常は充電の進行によるバッテリ起電圧の上昇に伴い定電圧領域で暫時充電電流Icが低下していくが、バッテリの劣化などの要因により、充電時におけるバッテリ温度上昇に伴って、ある程度充電電流Ic低下した時点から逆に電流増加現象を生じたり、または、電流低下せずに高電流のまま充電電圧Ecが低下していく現象が生じたりすることがある。二次電池の温度が高い時に大電流で充電を続けると、二次電池には内部抵抗があるため大電流により二次電池の温度がさらに上昇し、その温度上昇によりさらに電流増加現象が生じたり充電電圧Ecの低下現象が生じたりするという悪循環を起こすことがある。この現象を“熱逸走”と言う。バッテリの充電において熱逸走が起こるとバッテリ温度は急激に上昇し、バッテリの劣化をさらに急進させ、バッテリの寿命を短くする不具合を起こす可能性がある。
図1は、パルス充電方式を採用した場合の充電特性を表わす図である。図1に見るように、大きな劣化のない二次電池に対して充電している場合には、充電初期から中盤まで“定電流域”であり、その後充電終期まで“定電圧域”となっている。
定電流域では、二次電池に対して充電電位Ecとして不可逆化学反応領域には達しない限界の許容最大値(Eo)を印加する。その際、二次電池には高充電電流Ioが充電電流Icとして効率よく充電される。この定電流域では、二次電池の内部電圧Eは、二次電池に対して高充電電流Ioにより充電されるにつれ、漸増してゆく。
充電手段から二次電池に印加される許容最大値(Eo)につれ内部電圧Eは漸増してゆく。いずれ定格電圧Eo付近に到達する。ここで、充電を止めても充電容量の多くは満たされるものの、さらに多くの電気エネルギーを貯蔵させるため、いわゆる“押し込み充電”として充電を継続する。
定電圧域では、二次電池への充電電流Icは、充電手段から二次電池に印加される充電電圧Ecである定格電圧値Eoと、二次電池の端子に現れる内部電圧E(1)との電位差により流れ、二次電池の端子に現れる内部電圧E(1)が充電の進行により徐々に昇圧されるため、二次電池への充電電流Icは、図1に示すような漸減してゆくように流れることとなる。
ここで、二次電池の個体差や二次電池の劣化などの要因により、定電圧域における二次電池への充電電流Icは、充電特性に応じた曲線に従って低下して行くこととなる。
しかし、ここで、上記した熱逸走という現象が発生すると、図1において様々なパターンが起こり得る。
例えば、図1に示す曲線Aのような熱逸走曲線がある。曲線Aのような熱逸走曲線は、充電電流Icが一旦減少した後、増加に転じているような曲線である。このようにある程度充電電流Ic低下した時点から逆に電流増加現象は、充電時における二次電池の温度上昇に伴って熱暴走を始めた可能性があると判断できるのである。
また、上記の熱逸走現象は、充電期間における充電電流Icの増加検出のみならず、チェック期間におけるチェック電流Ickの増加も伴うものと考えられる。そこで、チェック期間におけるチェック電流Ickの増加をモニタすることによっても熱逸走現象発生を予測することができる。
そこで、本発明の急速充電装置では、この曲線Aの熱逸走曲線を描く現象が発生していることを熱逸走制御基準の一つとする。
また、例えば、図1に示す曲線Bのような熱逸走曲線がある。曲線Bのような熱逸走曲線は、充電電圧Ecが定格電圧Eoを維持できず、低下しているような曲線である。その一方で充電電流Icは大電流が流れている。このように充電電圧Ecが定格電圧Eoを維持できず低下する電圧低下現象は、充電時における二次電池の温度上昇に伴って熱暴走を始めた可能性があると判断できるのである。
また、上記の熱逸走現象は、充電期間における充電電圧Ecの低下検出のみならず、チェック期間における電圧の低下も伴うものと考えられる。そこで、チェック期間における電圧の低下をモニタすることによっても熱逸走現象発生を予測することができる。
本発明の急速充電装置では、この曲線Bの熱逸走曲線を描く現象が発生していることを熱逸走制御基準の一つとする。
ここで、図1に示したような充電特性の曲線を解析すれば、二次電池内でまだ熱逸走は発生していないが、このまま充電を継続すると熱逸走が発生するおそれがあると“熱逸走発生の予測”ができる場合もある。
熱逸走が起こったことを検知した対処も重要であるが、熱逸走が起こることを事前に予測することができれば早めの対処を行うことができる。
例えば、図1に示す熱逸走曲線Aを解析すると、以下のことが予測できる。
第1の予測は、二次電池の内部電圧の上昇からみて予定される充電時間よりも早い時間帯において、充電電流Icの低下速度が急に小さくなることを検知すれば、熱逸走が発生するおそれがあると予測するものである。熱逸走曲線Aに沿う充電電流Icの変化がある場合、実際には充電電流Icが増加していなくとも、充電電流Icが増加に転じる前には、充電電流Icの低下速度が急に小さくなることが分かる。なお、この充電電流Icの低下速度が急に小さくなる現象が二次電池の内部電圧の上昇からみて充電時間の終了付近であれば、通常の低下現象と言えるが、予定される充電時間よりも早い時間帯にその低下現象が検知されれば、充電電流Icが増加に転じて熱逸走に向かう直前にあると予測できる。この予測を熱逸走制御基準の一つとする。
また、上記の熱逸走現象は、充電期間における充電電流Icの低下速度の落ち込みの検出のみならず、チェック期間におけるチェック電流Ickの低下速度の落ち込みも伴うものと考えられる。そこで、チェック期間におけるチェック電流Ickの低下速度の落ち込みをモニタすることによっても熱逸走現象発生を予測することができる。
第2の予測は、二次電池の内部電圧の上昇からみて予定される充電時間よりも遅い時間帯において、充電電流Icが所定値まで低下しないこと、または、充電電流Icが所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも遅延していることを検知すれば、熱逸走が発生するおそれがあると予測するものである。熱逸走曲線Aに沿う充電電流Icの変化がある場合、実際には充電電流Icが増加反転にまで至らなくとも、充電電流が中々収束に向かわず、充電電流の低下が遅延している場合、異常事態が起こりつつあり、そのまま充電を続ければ、いずれ充電電流が増加に反転し、さらには熱逸走に至るような発熱などの異常事態が起こるおそれがあると予測できるからである。この予測を熱逸走制御基準の一つとする。
また、上記の熱逸走現象は、充電期間における充電電流Icの変化のみならず、チェック期間におけるチェック電流Ickの変化も同様であるものと考えられる。そこで、チェック期間におけるチェック電流Ickが所定値まで低下しないこと、または、チェック電流Ickが所定値まで低下する時間が遅延していることを検知することによっても熱逸走現象発生を予測することができる。
本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置では、上記の種々の熱逸走制御基準を用いて熱逸走制御を行う。この実施例では、熱逸走検知手段において、上記のさまざまな熱逸走制御基準を装備しているものとする。
図2は、実施例1にかかる押し込み充電機能付き急速充電装置1の基本構成を模式的に示した図である。各構成物を分かりやすくするため適宜図示を簡略化している。
図2に示すように、本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置100は、充電手段110、電圧検知手段120、電流検知手段130、充電制御装置140、熱逸走検知手段150の各構成要素を備えている。なお、二次電池200が併せて示されている。
充電手段110は、二次電池200に対して、後述する充電制御装置140の制御に従って、指定された充電電圧Ec、充電電流Icの値にて充電電圧Ecまたは充電電流Icを供給することができる電気的構成要素である。
ここでは、充電手段110は、充電電位端子111と、チェック電位端子112と切替スイッチ113を備えており、後述する充電制御装置140の指令に基づいて切替スイッチ113により二次電池200に印加する電位を切り替えつつ充電を行う。なお、後述するように、充電電位端子111は、充電制御装置140の指令に基づいて定電流域では高電位Emaxを供給し、定電圧域では定格電圧Eoを供給する。
電圧検知手段120は、二次電池200の接続端子に接続され、二次電池200の内部電圧を検知することができる電気的構成要素である。ここでは、電圧検知手段120は、チェック期間、充電期間ともに二次電池200の内部電圧を検知することができるよう構成されている例とする。
電流検知手段130は、二次電池200に流れる充電電流Icの値を検出できるよう二次電池200の周辺に配置され、二次電池200への充電電流Icを検知することができる電気的構成要素である。ここでは、電流検知手段130は、チェック期間ではチェック電流Ick、充電期間では充電電流Icを検知することができるよう構成されている例とする。
充電制御装置140は、充電手段110を制御して二次電池200に対して供給する充電電圧Ecまたはチェック電圧Eckを制御する要素である。
この構成例では、充電制御装置140は基本的には充電対象となっている二次電池200へのパルス充電制御を行うものであり、パルス充電制御のための基準(主基準)を備えている。
充電制御装置140は、パルス充電制御のための基準(主基準)に基づいて、充電手段110を介して、充電期間では充電制御装置140が指定した充電電圧Ec、充電電流Icの値にて充電が行われ、チェック期間では充電制御装置140が指定したチェック電圧Eck、チェック電流Ickの値にて二次電池200の充電状態がモニタされる。
熱逸走検知手段150は、充電制御装置140が二次電池200の充電状態において熱逸走の発生を予測または検知するものであり、熱逸走の検知のため熱逸走制御基準を備えている。この構成例では、熱逸走検知手段150は充電制御装置140に包含されている。
この構成例では、図2に示すように、充電制御装置140が熱逸走検知手段150を備え、パルス充電制御の主基準と、熱逸走検知手段150の熱逸走発生予測または検知に基づく熱逸走制御基準の2つの基準を組み合わせて熱逸走の検知または予測を行うことができる仕組みとなっている。
以下、本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置100による二次電池200の充電制御の流れを説明する。
なお、以下の図において、見やすいように電圧、電流ともパルス状の表現は省略して連続線で示している。
本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置100がこれから充電しようとする二次電池200の充電特性が図3(a)に示すようなものであるとする。
本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置100と二次電池200との正常な電気的接続が確保され、二次電池200に対する充電が開始される(図3(b)ステップS301)。充電期間においては切替スイッチ113が充電電位端子111に接続されて充電電圧Ecが印加され、チェック期間においてはチェック電位端子112に接続されてチェック電圧Eckが印加され、二次電池200の充電の進行状況は、電圧検知手段120および電流検知手段130によりモニタされている。
熱逸走検知手段150は「電流検知手段により充電電流Icの増加を検知したこと」という「熱逸走制御基準1」を搭載しているものとする。
ここで、充電が進み、図3(a)に示すように低下しつつあった充電電流Icが反転して増加に転じて点a1に到達したとする。熱逸走検知手段150が、充電電流Icが反転して増加に転じて点a1に到達したことを検出すると、この「熱逸走制御基準1」に該当する事象が発生したと検知する(図3(b)のステップS302:Y)。
ここでは、熱逸走検知手段150が「熱逸走制御基準1」を検知した場合、電圧制御装置140はそれの検知を受け、アルゴリズムに基づいて第1の熱逸走抑制制御、第2の熱逸走抑制制御、第3の熱逸走抑制制御のいずれかを開始する。いずれを選択するかは設定されるアルゴリズムによる。
まず、第1の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準1」に基づいて第1の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を即座に停止させる。
熱逸走現象につながる電流増加という現象が検知された場合に、充電処理を即座に停止することによりそれ以上の熱逸走の進展を有効に抑制することができる。
次に、第2の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準1」に基づいて第2の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を所定時間の経過後に停止させる。
熱逸走現象につながる電流増加という現象が検知された場合に、充電処理を停止することにより熱逸走の進展を抑制するが、熱逸走そのものはまだ発生していないため、まだ適量であれば押し込み充電は可能である。そこで、電圧制御装置140の制御のもと所定時間のみ充電を継続して押し込み充電を行い、その後に充電を停止するものである。
次に、第3の熱逸走抑制制御について述べる。第3の熱逸走抑制制御についてはフローチャートを参照しつつ説明する。
図4は、第3の熱逸走抑制制御のフローチャートである。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準1」に基づいて第3の熱逸走抑制制御を開始した場合(図4ステップS401)、監視を続けて様子を見る期間を設けつつ押し込み充電を試みる。第2の熱逸走抑制制御では一定時間だけ押し込み充電を行うものであったが、第3の熱逸走抑制制御ではより具体的に「熱逸走制御基準1」に該当する事象が抑えられるか否かを確認しつつ押し込み充電を試みるものである。具体的には、「判断値更新手順」としてパルス充電制御の主基準における充電電流の増加の有無の判断値を所定幅変動させ(例えば、充電電流の増加の有無の判断値を所定幅増加させる)(ステップS402)、「熱逸走制御基準1」に該当する基準を緩和する。充電電流Icの増加は一時的な現象として二次電池200に対する押し込み充電を試みてみる(ステップS404)。監視手順として再度充電電流が増加するかを監視し(ステップS405)、その結果、再度充電電流の増加が検知されれば(ステップS405:Y)、再度「判断値更新手順」に戻り、パルス充電制御の主基準における充電電流の増加の有無の判断値を所定幅変動させる(ステップS402)。この「判断値更新手順」の繰り返しループの回数が所定回数に至ったら(ステップS403:Y)、「熱逸走制御基準1」に該当する現象が解消せず、これ以上の押し込み充電を行うべきではないと判断して押し込み充電を終了する。
ループ回数については運用基準に従うが、例えば3回程度とする。3回連続して熱逸走検知手段150における充電電流Icの増加が検出されれば、誤動作や一時的な化学現象ではなく、熱逸走が発生したと判断でき、充電手段110を介した二次電池200への充電を停止させる処理とする。つまり、一度でも充電電流Icの増加が検知されたとしても一時的な誤動作や一時的な化学現象であって熱逸走に至らない場合もあるため、第3の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設けて押し込み充電をする工夫をしているものである。
なお、チェック電流Ickをモニタすることでも同様の処理が可能である。
熱逸走検知手段150は「チェック電流Ickの増加を検知したこと」という「熱逸走制御基準2」を搭載しているものとする。
ここで、充電が進み、図5(a)に示すように低下しつつあったチェック電流Ickが反転して増加に転じて点a2に到達したとする。熱逸走検知手段150が、チェック電流Ickが反転して増加に転じて点a2に到達したことを検出すると、この「熱逸走制御基準2」に該当する事象が発生したと検知する(図5(b)のステップS602:Y)。
ここでは、熱逸走検知手段150が「熱逸走制御基準2」を検知した場合、電圧制御装置140はその検知を受け、アルゴリズムに基づいて第4の熱逸走抑制制御、第5の熱逸走抑制制御、第6の熱逸走抑制制御のいずれかを開始する。いずれを選択するかは設定されるアルゴリズムによる。
まず、第4の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準2」に基づいて第4の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を即座に停止させる。
熱逸走現象につながる電流増加という現象が検知された場合に、充電処理を即座に停止することによりそれ以上の熱逸走の進展を有効に抑制することができる。
次に、第5の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準2」に基づいて第5の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を所定時間の経過後に停止させる。
熱逸走現象につながる電流増加という現象が検知された場合に、充電処理を停止することにより熱逸走の進展を抑制するが、熱逸走そのものはまだ発生していないため、まだ適量であれば押し込み充電は可能である。そこで、電圧制御装置140の制御のもと所定時間のみ充電を継続して押し込み充電を行い、その後に充電を停止するものである。
次に、第6の熱逸走抑制制御について述べる。第6の熱逸走抑制制御についてはフローチャートを参照しつつ説明する。
図6は、第6の熱逸走抑制制御のフローチャートである。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準2」に基づいて第6の熱逸走抑制制御を開始した場合(図6ステップS601)、監視を続けて様子を見る期間を設けつつ押し込み充電を試みる。第5の熱逸走抑制制御では一定時間だけ押し込み充電を行うものであったが、第6の熱逸走抑制制御ではより具体的に「熱逸走制御基準2」に該当する事象が抑えられるか否かを確認しつつ押し込み充電を試みるものである。具体的には、「判断値更新手順」としてパルス充電制御の主基準におけるチェック電流Ickの増加の有無の判断値を所定幅変動させ(例えば、チェック電流Ickの増加の有無の判断値を所定幅増加させる)(ステップS602)、「熱逸走制御基準2」に該当する基準を緩和する。チェック電流Ickの増加は一時的な現象として二次電池200に対する押し込み充電を試みてみる(ステップS604)。監視手順として再度チェック電流Ickが増加するかを監視し(ステップS605)、その結果、再度チェック電流Ickの増加が検知されれば(ステップS605:Y)、再度処理を繰り返し「判断値更新手順」としてパルス充電制御の主基準におけるチェック電流Ickの増加の有無の判断値を所定幅変動させる(ステップS602)。この「判断値更新手順」の繰り返しループの回数が所定回数に至ったら(ステップS603:Y)、「熱逸走制御基準2」に該当する現象が解消せず、これ以上の押し込み充電を行うべきではないと判断して押し込み充電を終了する。
ループ回数については運用基準に従うが、例えば3回程度とする。3回連続して熱逸走検知手段150におけるチェック電流Ickの増加が検出されれば、誤動作や一時的な化学現象ではなく、熱逸走が発生したと判断でき、充電手段110を介した二次電池200への充電を停止させる処理とする。つまり、一度でもチェック電流Ickの増加が検知されたとしても一時的な誤動作や一時的な化学現象であって熱逸走に至らない場合もあるため、第6の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設けて押し込み充電をする工夫をしているものである。
本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置100がこれから充電しようとする二次電池200の充電特性が図7(a)に示すようなものであるとする。
本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置100と二次電池200との正常な電気的接続が確保され、二次電池200に対する充電が開始される(図7(b)ステップS701)。充電期間においては切替スイッチ113が充電電位端子111に接続されて充電電圧Ecが印加され、チェック期間においてはチェック電位端子112に接続されてチェック電圧Eckが印加され、二次電池200の充電の進行状況は、電圧検知手段120および電流検知手段130によりモニタされている。
熱逸走検知手段150は「内部電圧Eの低下を検知したこと」という「熱逸走制御基準3」を搭載しているものとする。
ここで、充電が進み、図7(a)に示すように充電により増加しつつあった内部電圧Eが反転して低下に転じて点bに到達したとする。熱逸走検知手段150が、内部電圧Eが反転して低下に転じて点bに到達したことを検出すると、この「熱逸走制御基準3」に該当する事象が発生したと検知する(図7(b)のステップS702:Y)。
ここでは、熱逸走検知手段150が「熱逸走制御基準3」を検知した場合、電圧制御装置140はそれの検知を受け、アルゴリズムに基づいて第7の熱逸走抑制制御、第8の熱逸走抑制制御、第9の熱逸走抑制制御のいずれかを開始する。いずれを選択するかは設定されるアルゴリズムによる。
まず、第7の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準3」に基づいて第7の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を即座に停止させる。
熱逸走現象につながる電圧低下という現象が検知された場合に、充電処理を即座に停止することによりそれ以上の熱逸走の進展を有効に抑制することができる。
次に、第8の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準3」に基づいて第8の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を所定時間の経過後に停止させる。
熱逸走現象につながる電圧低下という現象が検知された場合に、充電処理を停止することにより熱逸走の進展を抑制するが、熱逸走そのものはまだ発生していないため、まだ適量であれば押し込み充電は可能である。そこで、電圧制御装置140の制御のもと所定時間のみ充電を継続して押し込み充電を行い、その後に充電を停止するものである。
次に、第9の熱逸走抑制制御について述べる。第9の熱逸走抑制制御についてはフローチャートを参照しつつ説明する。
図8は、第9の熱逸走抑制制御のフローチャートである。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準3」に基づいて第9の熱逸走抑制制御を開始した場合(図8ステップS801)、監視を続けて様子を見る期間を設けつつ押し込み充電を試みる。第8の熱逸走抑制制御では一定時間だけ押し込み充電を行うものであったが、第9の熱逸走抑制制御ではより具体的に「熱逸走制御基準3」に該当する事象が抑えられるか否かを確認しつつ押し込み充電を試みるものである。具体的には、「判断値更新手順」としてパルス充電制御の主基準における内部電圧の低下の有無の判断値を所定幅変動させ(例えば、内部電圧の低下の有無の判断値を所定幅低下させる)(ステップS802)、「熱逸走制御基準3」に該当する基準を緩和する。内部電圧Eの低下は一時的な現象として二次電池200に対する押し込み充電を試みてみる(ステップS804)。監視手順として再度内部電圧が低下するかを監視し(ステップS805)、その結果、再度内部電圧の低下が検知されれば(ステップS805:Y)、再度「判断値更新手順」に戻り、パルス充電制御の主基準における内部電圧の低下の有無の判断値を所定幅変動させる(ステップS802)。この「判断値更新手順」の繰り返しループの回数が所定回数に至ったら(ステップS803:Y)、「熱逸走制御基準3」に該当する現象が解消せず、これ以上の押し込み充電を行うべきではないと判断して押し込み充電を終了する。
ループ回数については運用基準に従うが、例えば3回程度とする。3回連続して熱逸走検知手段150における内部電圧Eの低下が検出されれば、誤動作や一時的な化学現象ではなく、熱逸走が発生したと判断でき、充電手段110を介した二次電池200への充電を停止させる処理とする。つまり、一度でも内部電圧Eの低下が検知されたとしても一時的な誤動作や一時的な化学現象であって熱逸走に至らない場合もあるため、第9の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設けて押し込み充電をする工夫をしているものである。
次に、他の熱逸走抑制処理の流れの例を説明する。
上記の熱逸走制御基準1、熱逸走制御基準2、熱逸走制御基準3は、充電中の異常の発生を検知するものであったが、以下の熱逸走制御基準4、熱逸走制御基準5、熱逸走制御基準6、熱逸走制御基準7は、熱逸走を検知する手前の時点において、充電中の異常の発生をもとに、熱逸走に到るおそれのある事態を事前に予測するものである。
本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置100がこれから充電しようとする二次電池200の充電特性が図9(a)に示すような充電特性曲線であるとする。
本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置100と二次電池200との正常な電気的接続が確保され、二次電池200に対する充電が開始される(図9(b)ステップS901)。充電期間においては切替スイッチ113が充電電位端子111に接続されて充電電圧Ecが印加され、チェック期間においてはチェック電位端子112に接続されてチェック電圧Eckが印加され、二次電池200の充電の進行状況は、電圧検知手段120および電流検知手段130によりモニタされている。
熱逸走検知手段150は「充電電流の電流値の低下速度が所定の判断値以下となったこと」という「熱逸走制御基準4」を搭載しているものとする。
ここで、充電が進み、図9(a)の充電特性の点cに到達したとする。この点cに到達した状態では、充電電流Icの低下速度が判断値以下となったこと(例えば、充電電流Icが十分に低下して充電特性曲線の底部付近に到達したこと)が検知され得る。熱逸走検知手段150が、充電電流Icの低下速度が判断値以下となったことを検出すると、この「熱逸走制御基準4」に該当する事象が発生したと検知する(図9(b)のステップS902:Y)。
ここでは、熱逸走検知手段150が「熱逸走制御基準4」を検知した場合、電圧制御装置140はそれの検知を受け、アルゴリズムに基づいて第10の熱逸走抑制制御、第11の熱逸走抑制制御、第12の熱逸走抑制制御のいずれかを開始する。いずれを選択するかは設定されるアルゴリズムによる。
まず、第10の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準4」に基づいて第10の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を即座に停止させる。
熱逸走現象につながり得る充電電流の低下速度が落ちてくる現象が検知された場合には、やがて充電電流が反転して増加に向かう可能性があり、充電処理を即座に停止することによりそれ以上の熱逸走の進展を有効に抑制することができる。
次に、第11の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準4」に基づいて第11の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を所定時間の経過後に停止させる。
熱逸走現象につながり得る充電電流の低下速度の減少という現象が検知された場合には、やがて充電電流が反転して増加に向かう可能性があるが、熱逸走そのものはまだ発生していないため、まだ適量であれば押し込み充電は可能である。そこで、電圧制御装置140の制御のもと所定時間のみ充電を継続して押し込み充電を行い、その後に充電を停止するものである。
次に、第12の熱逸走抑制制御について述べる。第12の熱逸走抑制制御についてはフローチャートを参照しつつ説明する。
図10は、第12の熱逸走抑制制御のフローチャートである。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準4」に基づいて第12の熱逸走抑制制御を開始した場合(図10ステップS1001)、監視を続けて様子を見る期間を設けつつ押し込み充電を試みる。第11の熱逸走抑制制御では一定時間だけ押し込み充電を行うものであったが、第12の熱逸走抑制制御ではより具体的に「熱逸走制御基準4」に該当する事象が抑えられるか否かを確認しつつ押し込み充電を試みるものである。具体的には、「判断値更新手順」としてパルス充電制御の主基準における充電電流の低下速度の減少の判断値を所定幅変動させ(例えば、充電電流の低下速度の減少の判断値を所定幅減少させる)(ステップS1002)、「熱逸走制御基準4」に該当する基準を緩和する。充電電流Icの低下速度の所定値以下への減少は一時的な現象として二次電池200に対する押し込み充電を試みてみる(ステップS1004)。監視手順として再度充電電流の低下速度が所定値以下へ低下するかを監視し(ステップS1005)、その結果、再度充電電流の低下速度の所定値以下への低下が検知されれば(ステップS1005:Y)、再度「判断値更新手順」に戻り、パルス充電制御の主基準における充電電流の低下速度の低下の判断値を所定幅変動させる(ステップS1002)。この「判断値更新手順」の繰り返しループの回数が所定回数に至ったら(ステップS1003:Y)、「熱逸走制御基準4」に該当する現象が解消せず、これ以上の押し込み充電を行うべきではないと判断して押し込み充電を終了する。
ループ回数については運用基準に従うが、例えば3回程度とする。3回連続して熱逸走検知手段150における充電電流Icの低下速度の所定値以下への減少が検出されれば、誤動作や一時的な化学現象ではなく、熱逸走が発生するおそれがあると判断でき、充電手段110を介した二次電池200への充電を停止させる処理とする。つまり、一度でも充電電流Icの低下速度の減少が検知されたとしても一時的な誤動作や一時的な化学現象であって熱逸走に至らない場合もあるため、第12の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設けて押し込み充電をする工夫をしているものである。
なお、チェック電流Ickをモニタすることでも同様の処理が可能である。
熱逸走検知手段150は「チェック電流Ickの電流速度の所定値以下への低下を検知したこと」という「熱逸走制御基準5」を搭載しているものとする。
ここで、充電が進み、図11(a)に示すように低下しつつあったチェック電流Ickの低下速度が減少して点cに到達したとする。熱逸走検知手段150が、チェック電流Ickの低下速度が減少して点cに到達したことを検出すると、この「熱逸走制御基準5」に該当する事象が発生したと検知する(図11(b)のステップS1102:Y)。
ここでは、熱逸走検知手段150が「熱逸走制御基準5」を検知した場合、電圧制御装置140はその検知を受け、アルゴリズムに基づいて第13の熱逸走抑制制御、第14の熱逸走抑制制御、第15の熱逸走抑制制御のいずれかを開始する。いずれを選択するかは設定されるアルゴリズムによる。
まず、第13の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準5」に基づいて第13の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を即座に停止させる。
熱逸走現象につながり得るチェック電流Ickの低下速度が落ちてくる現象が検知された場合には、やがて充電電流が反転して増加に向かう可能性があり、充電処理を即座に停止することによりそれ以上の熱逸走の進展を有効に抑制することができる。
次に、第14の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準5」に基づいて第14の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を所定時間の経過後に停止させる。
熱逸走現象につながり得るチェック電流Ickの低下速度の減少という現象が検知された場合には、やがて充電電流が反転して増加に向かう可能性があるが、熱逸走そのものはまだ発生していないため、まだ適量であれば押し込み充電は可能である。そこで、電圧制御装置140の制御のもと所定時間のみ充電を継続して押し込み充電を行い、その後に充電を停止するものである。
次に、第15の熱逸走抑制制御について述べる。第15の熱逸走抑制制御についてはフローチャートを参照しつつ説明する。
図12は、第15の熱逸走抑制制御のフローチャートである。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準5」に基づいて第15の熱逸走抑制制御を開始した場合(図12ステップS1201)、監視を続けて様子を見る期間を設けつつ押し込み充電を試みる。第14の熱逸走抑制制御では一定時間だけ押し込み充電を行うものであったが、第15の熱逸走抑制制御ではより具体的に「熱逸走制御基準5」に該当する事象が抑えられるか否かを確認しつつ押し込み充電を試みるものである。具体的には、「判断値更新手順」としてパルス充電制御の主基準におけるチェック電流Ickの低下速度の減少の判断値を所定幅変動させ(例えば、チェック電流Ickの低下速度の有無の判断値を所定幅低下させる)(ステップS1202)、「熱逸走制御基準5」に該当する基準を緩和する。チェック電流Ickの増加は一時的な現象として二次電池200に対する押し込み充電を試みてみる(ステップS1204)。監視手順として再度チェック電流Ickの低下速度が所定値以下へ減少するかを監視し(ステップS1205)、その結果、再度チェック電流Ickの低下速度の所定値以下への減少が検知されれば(ステップS1205:Y)、再度処理を繰り返し「判断値更新手順」としてパルス充電制御の主基準におけるチェック電流Ickの低下速度の減少の有無の判断値を所定幅変動させる(ステップS1202)。この「判断値更新手順」の繰り返しループの回数が所定回数に至ったら(ステップS1203:Y)、「熱逸走制御基準5」に該当する現象が解消せず、これ以上の押し込み充電を行うべきではないと判断して押し込み充電を終了する。
ループ回数については運用基準に従うが、例えば3回程度とする。3回連続して熱逸走検知手段150におけるチェック電流Ickの低下速度の減少が検出されれば、誤動作や一時的な化学現象ではなく、熱逸走が発生しうる状態に近づいたと予測でき、充電手段110を介した二次電池200への充電を停止させる処理とする。つまり、一度でもチェック電流Ickの低下速度の減少が検知されたとしても一時的な誤動作や一時的な化学現象であって熱逸走に至らない場合もあるため、第15の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設けて押し込み充電をする工夫をしているものである。
次に、他の熱逸走抑制処理の流れの例を説明する。
以下の熱逸走制御基準6、熱逸走制御基準7は、熱逸走を検知する手前の時点において、充電中の異常の発生をもとに、熱逸走に到るおそれのある事態を事前に予測するものである。
本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置100がこれから充電しようとする二次電池200の充電特性が図13(a)に示すような充電特性曲線であるとする。
本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置100と二次電池200との正常な電気的接続が確保され、二次電池200に対する充電が開始される(図13(b)ステップS1301)。充電期間においては切替スイッチ113が充電電位端子111に接続されて充電電圧Ecが印加され、チェック期間においてはチェック電位端子112に接続されてチェック電圧Eckが印加され、二次電池200の充電の進行状況は、電圧検知手段120および電流検知手段130によりモニタされている。
熱逸走検知手段150は「充電電流Icが所定時間を経過しても所定値まで低下しないことを検知したこと、または、充電電流Icが所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも長くかかっていることを検知したこと」という「熱逸走制御基準6」を搭載しているものとする。
ここでは2通りの判断があり得る。
1つは、充電開始後、充電が進み、時間T2において図13(a)の充電特性の点d1aに到達したとする。この点d1aに到達した状態では、定格では充電電流Icが電流値Iaまで低下するものとすると、d1aはIc>Iaである。つまり充電電流Icが所定時間T2を経過しても所定値Iaまで低下しないことが検知される。熱逸走検知手段150が、この充電電流Icの低下が定格値付近まで低下しないことを検出すると、この「熱逸走制御基準6」に該当する事象が発生したと検知する(図13(b)のステップS1302:Y)。
ここで、検出される電流値Icが定格電流値のIaよりどの程度大きいと異常であると判断するかの所定の閾値はアルゴリズムの中で定めておけば良い。
もう1つは、充電開始後、充電が進み、時間T3において図13(a)の充電電流Icが点d2aに到達したとする。この点d2aに到達した状態は、充電電流Icが電流値Iaまで低下しているが、時間がT3までかかっている。つまり、d2aでは、T3>T2であり、充電電流Icが所定値Iaまで低下したものの遅延していることが検知される。熱逸走検知手段150が、この充電電流Icの低下が遅延していることを検出すると、この「熱逸走制御基準7」に該当する事象が発生したと検知する(図13(b)のステップS1302:Y)。
ここでは、熱逸走検知手段150が「熱逸走制御基準6」を検知した場合、電圧制御装置140はそれの検知を受け、アルゴリズムに基づいて第16の熱逸走抑制制御、第17の熱逸走抑制制御、第18の熱逸走抑制制御のいずれかを開始する。いずれを選択するかは設定されるアルゴリズムによる。
まず、第16の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準6」に基づいて第16の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を即座に停止させる。
充電電流が定格通りに低下しないという現象が検知された場合には、充電状態が異常であり、熱逸走につながるおそれがある。そこで、充電処理を即座に停止することにより熱逸走への進展を有効に抑制することができる。
次に、第17の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準6」に基づいて第17の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を所定時間の経過後に停止させる。
充電電流が定格通りに低下しないという現象が検知された場合には、充電状態が異常であり、熱逸走につながるおそれがあるが、熱逸走そのものはまだ発生していないため、まだ適量であれば押し込み充電は可能である。そこで、電圧制御装置140の制御のもと所定時間のみ充電を継続して押し込み充電を行い、その後に充電を停止するものである。
次に、第18の熱逸走抑制制御について述べる。第18の熱逸走抑制制御についてはフローチャートを参照しつつ説明する。
図14は、第18の熱逸走抑制制御のフローチャートである。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準6」に基づいて第18の熱逸走抑制制御を開始した場合(図14ステップS1401)、監視を続けて様子を見る期間を設けつつ押し込み充電を試みる。第18の熱逸走抑制制御では一定時間だけ押し込み充電を行うものであったが、第18の熱逸走抑制制御ではより具体的に「熱逸走制御基準6」に該当する事象が抑えられるか否かを確認しつつ押し込み充電を試みるものである。
この例では2通りある。
1つは、「判断値更新手順」としてパルス充電制御の主基準における充電電流が定格付近に低下しないと判断する閾値を所定幅変動させ(例えば、閾値を所定幅増加させる)(ステップS1402)、「熱逸走制御基準6」に該当する基準を緩和するやり方である。充電電流Icが定格付近に低下しないことは一時的な現象として二次電池200に対する押し込み充電を試みてみる(ステップS1404)。監視手順として再度充電電流が所定値以下へ低下するかを監視し(ステップS1405)、その結果、再度充電電流が所定値以下へ低下しないことを検知すれば(ステップS1405:Y)、再度「判断値更新手順」に戻り、パルス充電制御の主基準における充電電流が定格付近に低下したか否かの判断値を所定幅変動させる(ステップS1402)。この「判断値更新手順」の繰り返しループの回数が所定回数に至ったら(ステップS1403:Y)、「熱逸走制御基準6」に該当する現象が解消せず、これ以上の押し込み充電を行うべきではないと判断して押し込み充電を終了する。
もう1つは、「判断値更新手順」としてパルス充電制御の主基準における充電電流が注目する定格値(Ia)に低下した時間がT3であり、定格時間のT2よりも遅延していると判断する閾値Tを所定幅変動させ(例えば、閾値Tを所定幅増加させる)(ステップS1402)、「熱逸走制御基準6」に該当する基準を緩和するやり方である。充電電流Icの低下が遅延していることは一時的な現象として二次電池200に対する押し込み充電を試みてみる(ステップS1404)。監視手順として再度充電電流が閾値T以内に所定値へ低下するかを監視し(ステップS1405)、その結果、再度充電電流の低下が遅延していることを検知すれば(ステップS1405:Y)、再度「判断値更新手順」に戻り、パルス充電制御の主基準における充電電流の低下が遅延しているか否かの判断値を所定幅変動させる(ステップS1402)。この「判断値更新手順」の繰り返しループの回数が所定回数に至ったら(ステップS1403:Y)、「熱逸走制御基準6」に該当する現象が解消せず、これ以上の押し込み充電を行うべきではないと判断して押し込み充電を終了する。
ループ回数については運用基準に従うが、例えば3回程度とする。3回連続して熱逸走検知手段150における充電電流Icが所定値へ低下しない、または低下するが遅延していることを検出すれば、誤動作や一時的な化学現象ではなく、熱逸走が発生するおそれがあると判断でき、充電手段110を介した二次電池200への充電を停止させる処理とする。つまり、一度でも充電電流Icが定格値付近まで低下しないまたは遅延していることが検知されたとしても一時的な誤動作や一時的な化学現象であって熱逸走に至らない場合もあるため、第18の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設けて押し込み充電をする工夫をしているものである。
なお、チェック電流Ickをモニタすることでも同様の処理が可能である。
熱逸走検知手段150は「チェック電流Ickが所定時間を経過しても所定値まで低下しないことを検知したこと、または、チェック電流Ickが所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも長くかかっていることを検知したこと」という「熱逸走制御基準7」を搭載しているものとする。
ここでは2通りの判断があり得る。
1つは、充電開始後、充電が進み、時間T2において図15(a)のチェック電流が点d1bに到達したとする。この点d1bに到達した状態では、定格ではチェック電流Ickが電流値Iackまで低下するものとすると、d1bでは、Ick>Iackである。つまりチェック電流Ickが所定時間T2を経過しても所定値Iackまで低下しないことが検知される。熱逸走検知手段150が、このチェック電流Ickの低下が定格値付近まで低下しないことを検出すると、この「熱逸走制御基準7」に該当する事象が発生したと検知する(図15(b)のステップS1502:Y)。
ここで、検出されるチェック電流Ickが定格のチェック電流値のIackよりどの程度大きいと異常であると判断するかの所定の閾値はアルゴリズムの中で定めておけば良い。
もう1つは、充電開始後、充電が進み、時間T3において図15(a)のチェック電流Ickが点d2bに到達したとする。この点d2bに到達した状態は、チェック電流Ickが電流値Iackまで低下しているが、時間がT3までかかっている。つまり、d2bでは、T3>T2であり、チェック電流Ickが所定値Iackまで低下したものの遅延していることが検知される。熱逸走検知手段150が、このチェック電流Ickの低下が遅延していることを検出すると、この「熱逸走制御基準7」に該当する事象が発生したと検知する(図15(b)のステップS1502:Y)。
ここでは、熱逸走検知手段150が「熱逸走制御基準7」を検知した場合、電圧制御装置140はそれの検知を受け、アルゴリズムに基づいて第19の熱逸走抑制制御、第20の熱逸走抑制制御、第21の熱逸走抑制制御のいずれかを開始する。いずれを選択するかは設定されるアルゴリズムによる。
まず、第19の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準7」に基づいて第17の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を即座に停止させる。
チェック電流Ickが定格通りに低下しないという現象が検知された場合には、充電状態が異常であり、熱逸走につながるおそれがある。そこで、充電処理を即座に停止することにより熱逸走への進展を有効に抑制することができる。
次に、第20の熱逸走抑制制御について述べる。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準7」に基づいて第20の熱逸走抑制制御を開始した場合、充電手段110を介した二次電池への充電を所定時間の経過後に停止させる。
チェック電流Ickが定格通りに低下しないという現象が検知された場合には、充電状態が異常であり、熱逸走につながるおそれがあるが、熱逸走そのものはまだ発生していないため、まだ適量であれば押し込み充電は可能である。そこで、電圧制御装置140の制御のもと所定時間のみ充電を継続して押し込み充電を行い、その後に充電を停止するものである。
次に、第21の熱逸走抑制制御について述べる。第21の熱逸走抑制制御についてはフローチャートを参照しつつ説明する。
図16は、第21の熱逸走抑制制御のフローチャートである。
電圧制御装置140が「熱逸走制御基準7」に基づいて第21の熱逸走抑制制御を開始した場合(図16ステップS1601)、監視を続けて様子を見る期間を設けつつ押し込み充電を試みる。第21の熱逸走抑制制御では一定時間だけ押し込み充電を行うものであったが、第21の熱逸走抑制制御ではより具体的に「熱逸走制御基準7」に該当する事象が抑えられるか否かを確認しつつ押し込み充電を試みるものである。
この例では2通りある。
1つは、「判断値更新手順」としてパルス充電制御の主基準におけるチェック電流Ickが定格付近に低下しないと判断する閾値を所定幅変動させ(例えば、閾値を所定幅増加させる)(ステップS1602)、「熱逸走制御基準7」に該当する基準を緩和するやり方である。チェック電流Ickが定格付近に低下しないことは一時的な現象として二次電池200に対する押し込み充電を試みてみる(ステップS1604)。監視手順として再度チェック電流Ickが所定値以下へ低下するかを監視し(ステップS1605)、その結果、再度チェック電流Ickが所定値以下へ低下しないことを検知すれば(ステップS1605:Y)、再度「判断値更新手順」に戻り、パルス充電制御の主基準におけるチェック電流Ickが定格付近に低下したか否かの判断値を所定幅変動させる(ステップS1602)。この「判断値更新手順」の繰り返しループの回数が所定回数に至ったら(ステップS1603:Y)、「熱逸走制御基準7」に該当する現象が解消せず、これ以上の押し込み充電を行うべきではないと判断して押し込み充電を終了する。
もう1つは、「判断値更新手順」としてパルス充電制御の主基準におけるチェック電流Ickが注目する定格値(Ia)に低下した時間がT3であり、定格時間のT2よりも遅延していると判断する閾値Tを所定幅変動させ(例えば、閾値Tを所定幅増加させる)(ステップS1602)、「熱逸走制御基準7」に該当する基準を緩和するやり方である。チェック電流Ickの低下が遅延していることは一時的な現象として二次電池200に対する押し込み充電を試みてみる(ステップS1604)。監視手順として再度チェック電流Ickが閾値T以内に所定値へ低下するかを監視し(ステップS1605)、その結果、再度チェック電流Ickの低下が遅延していることを検知すれば(ステップS1605:Y)、再度「判断値更新手順」に戻り、パルス充電制御の主基準におけるチェック電流Ickの低下が遅延しているか否かの判断値を所定幅変動させる(ステップS1602)。この「判断値更新手順」の繰り返しループの回数が所定回数に至ったら(ステップS1603:Y)、「熱逸走制御基準7」に該当する現象が解消せず、これ以上の押し込み充電を行うべきではないと判断して押し込み充電を終了する。
ループ回数については運用基準に従うが、例えば3回程度とする。3回連続して熱逸走検知手段150におけるチェック電流Ickが所定値へ低下しない、または低下するが遅延していることを検出すれば、誤動作や一時的な化学現象ではなく、熱逸走が発生するおそれがあると判断でき、充電手段110を介した二次電池200への充電を停止させる処理とする。つまり、一度でもチェック電流Ickが定格値付近まで低下しないまたは遅延していることが検知されたとしても一時的な誤動作や一時的な化学現象であって熱逸走に至らない場合もあるため、第21の熱逸走抑制制御では監視手段により監視を続けて様子を見る期間を設けて押し込み充電をする工夫をしているものである。
以上、本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置における好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本発明の押し込み充電機能付き急速充電装置は、二次電池を充電するための充電装置に適用されるものであり、二次電池であれば、特に限定されず広く適用することができる。一例として、リチウム電池、リチウムイオン電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素金属電池、鉛蓄電池等であっても適用することができるものであることが理解されよう。
熱逸走現象の発生の概要を説明する図である。 実施例1にかかる押し込み充電機能付き急速充電装置1の基本構成を模式的に示した図である。 押し込み充電機能付き急速充電装置100による熱逸走抑制処理の流れの一例を説明する図(その1)である。 第3の熱逸走抑制制御のフローチャートである。 押し込み充電機能付き急速充電装置100による熱逸走抑制処理の流れの一例を説明する図(その2)である。 第6の熱逸走抑制制御のフローチャートである。 押し込み充電機能付き急速充電装置100による熱逸走抑制処理の流れの一例を説明する図(その3)である。 第9の熱逸走抑制制御のフローチャートである。 押し込み充電機能付き急速充電装置100による熱逸走抑制処理の流れの一例を説明する図(その4)である。 第12の熱逸走抑制制御のフローチャートである。 押し込み充電機能付き急速充電装置100による熱逸走抑制処理の流れの一例を説明する図(その5)である。 第15の熱逸走抑制制御のフローチャートである。 押し込み充電機能付き急速充電装置100による熱逸走抑制処理の流れの一例を説明する図(その6)である。 第18の熱逸走抑制制御のフローチャートである。 押し込み充電機能付き急速充電装置100による熱逸走抑制処理の流れの一例を説明する図(その7)である。 第21の熱逸走抑制制御のフローチャートである。 従来技術における定電流・定電圧充電法を用いて充電する場合の二次電池電圧の時間変化と充電電流Icの時間的変化の充電特性の概略を簡単に示した図である。 従来の定電流定電圧充電の充電特性および理想的な高電位充電の充電特性の例を示した図である。 従来のパルス充電(IC&C充電)の充電特性の例を示した図である。 パルス充電(IC&C充電)において熱逸走が発生する場合の説明図である。
100 押し込み充電機能付き急速充電装置
110 充電手段
111 充電電圧
112 チェック電圧
113 切替スイッチ
120 電圧検知手段
130 電流検知手段
140 充電制御装置
150 熱逸走検知手段

Claims (22)

  1. 二次電池に充電電圧または充電電流を供給する充電手段と、前記二次電池の端子電圧を検知する電圧検知手段と、前記二次電池に通電される充電電流の電流値を検知する電流検知手段と、前記充電手段から供給される充電電圧または充電電流を、前記二次電池の許容最大値の充電印加電圧値と、前記二次電池の許容最大値以下のチェック電圧値とに交互に切り換える切換手段と、前記切換手段を制御して前記二次電池に前記充電印加電圧値を印加する充電期間と前記チェック電圧値を印加するチェック期間とを切り替えるタイミング制御手段と、前記充電期間と前記チェック期間を交互に繰り返しながら前記許容最大値をパルス状に印加するパルス充電を制御する充電制御装置を備えた急速充電装置において、
    前記充電制御装置が前記二次電池の充電状態において熱逸走の発生を予測または検知する熱逸走検知手段を備え、前記充電制御装置が、前記パルス充電制御の主基準と、前記熱逸走検知手段の熱逸走発生予測または検知に基づく熱逸走制御基準の2つの基準を組み合わせることによって、前記パルス充電制御の主基準では充電を停止する充電状態となっても前記熱逸走制御基準の範囲内であれば充電を継続するという押し込み充電を行うよう制御することを特徴とする押し込み充電機能付き急速充電装置。
  2. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準が、前記充電電流の増加を検知したことを基準とする第1の熱逸走制御基準であり、前記第1の熱逸走制御基準に該当すると第1の熱逸走抑制制御を開始するものであり、
    当該第1の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  3. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準が、前記充電電流の増加を検知したことを基準とする第1の熱逸走制御基準であり、前記第1の熱逸走制御基準に該当すると第2の熱逸走抑制制御を開始するものであり、
    前記第2の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後に停止させる押し込み充電処理を行うものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  4. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準が、前記充電電流の増加を検知したことを基準とする第1の熱逸走制御基準であり、前記第1の熱逸走制御基準に該当すると第3の熱逸走抑制制御を開始するものであり、
    当該第3の熱逸走抑制制御が、前記第1の熱逸走制御基準における前記充電電流の増加の有無の判断値を所定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記充電電流が増加するかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度前記充電電流の増加が検知されれば前記判断値更新手順において前記直近の前記判断値を所定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、
    前記判断値更新手順の実行が一定回数以上になれば、前記充電手段を介した前記二次電池への前記押し込み充電処理を停止させるものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  5. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記チェック電流の増加を検知したことを基準とする第2の熱逸走制御基準であり、前記第2の熱逸走制御基準に該当すると第4の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    当該第4の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  6. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記チェック電流の増加を検知したことを基準とする第2の熱逸走制御基準であり、前記第2の熱逸走制御基準に該当すると第5の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第5の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後に停止させる押し込み充電処理を行うものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  7. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記チェック電流の増加を検知したことを基準とする第2の熱逸走制御基準であり、前記第2の熱逸走制御基準に該当すると第6の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    当該第6の熱逸走抑制制御が、前記第2の熱逸走制御基準における前記チェック電流の増加の有無の判断値を所定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記チェック電流が増加するかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度前記チェック電流の増加が検知されれば前記判断値更新手順において前記直近の前記判断値を一定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、
    前記判断値更新手順の実行が一定回数以上になれば、前記充電手段を介した前記二次電池への前記押し込み充電処理を停止させるものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  8. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記充電電圧の低下を検知したことを基準とする第3の熱逸走制御基準であり、前記第3の熱逸走制御基準に該当すると第7の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第7の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  9. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記充電電圧の低下を検知したことを基準とする第3の熱逸走制御基準であり、前記第3の熱逸走制御基準に該当すると第8の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第8の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後に停止させる押し込み充電処理を行うものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  10. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記充電電圧の低下を検知したことを基準とする第3の熱逸走制御基準であり、前記第3の熱逸走制御基準に該当すると第9の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第9の熱逸走抑制制御が、前記第3の熱逸走制御基準における前記充電電圧の低下を判断する判断値を一定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記充電電圧が低下するかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度前記充電電圧の低下が検知されれば前記判断値更新手順において直近の前記判断値を一定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、
    前記判断値更新手順の実行が一定回数以上になれば、前記充電手段を介した前記二次電池への前記押し込み充電処理を停止させるものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  11. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記充電電流の電流値の低下速度が判断値以下となったことを基準とする第4の熱逸走制御基準であり、前記第4の熱逸走制御基準に該当すると第10の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第10の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  12. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記充電電流の電流値の低下速度が判断値以下となったことを基準とする第4の熱逸走制御基準であり、前記第4の熱逸走制御基準に該当すると第11の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第11の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後に停止させる押し込み充電処理を行うものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  13. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記充電電流の電流値の低下速度が判断値以下となったことを基準とする第4の熱逸走制御基準であり、前記第4の熱逸走制御基準に該当すると第12の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第12の熱逸走抑制制御が、前記第4の熱逸走制御基準における前記判断値を一定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記充電電流の電流値の低下速度が前記判断値以下となるかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度前記充電電流の電流値の低下速度が前記判断値以下となったことが検知されれば前記判断値更新手順において直近の判断値を一定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、
    前記判断値更新手順の実行が一定回数以上になれば、前記充電手段を介した前記二次電池への前記押し込み充電処理を停止させるものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  14. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記チェック電流の電流値の低下速度が判断値以下となったことを検知したことを基準とする第5の熱逸走制御基準であり、前記第5の熱逸走制御基準に該当すると第13の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第13の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  15. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記チェック電流の電流値の低下速度が判断値以下となったことを検知したことを基準とする第5の熱逸走制御基準であり、前記第5の熱逸走制御基準に該当すると第14の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第14の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後に停止させる押し込み充電処理を行うものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  16. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記チェック電流の電流値の低下速度が所定の判断値以下となったことを検知したことを基準とする第5の熱逸走制御基準であり、前記第5の熱逸走制御基準に該当すると第15の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第15の熱逸走抑制制御が、前記第5の熱逸走制御基準における前記判断値を一定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記チェック電流の電流値の低下速度が前記判断値以下となったかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度前記チェック電流の電流値の低下速度が前記判断値以下となったことが検知されれば前記判断値更新手順において直近の前記判断値を一定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、
    前記判断値更新手順の実行が一定回数以上になれば、前記充電手段を介した前記二次電池への前記押し込み充電処理を停止させるものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  17. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記充電電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しないことを検知したこと、または、前記充電電流が所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも遅延していることを検知したことを基準とする第6の熱逸走制御基準であり、前記第6の熱逸走制御基準に該当すると第16の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第16の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  18. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記充電電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しないことを検知したこと、または、前記充電電流が所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも遅延していることを検知したことを基準とする第6の熱逸走制御基準であり、前記第6の熱逸走制御基準に該当すると第17の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第17の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後に停止させる押し込み充電処理を行うものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  19. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記充電電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しないことを検知したこと、または、前記充電電流が所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも遅延していることを検知したことを基準とする第6の熱逸走制御基準であり、前記第6の熱逸走制御基準に該当すると第18の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第18の熱逸走抑制制御が、前記第6の熱逸走制御基準における前記充電電流が所定時間を経過して所定値まで低下したかの判断値、または、前記充電電流が所定値まで低下する時間が遅延しているかの判断値を一定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記充電電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しないか、または、前記充電電流が所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも遅延しているかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度当該事象が検知されれば前記判断値更新手順において直近の前記判断値を一定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、
    前記判断値更新手順の実行が一定回数以上になれば、前記充電手段を介した前記二次電池への前記押し込み充電処理を停止させるものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  20. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記チェック電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しないことを検知したこと、または、前記チェック電流が所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも遅延していることを検知したことを基準とする第5の熱逸走制御基準であり、前記第7の熱逸走制御基準に該当すると第19の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第19の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を即座に停止させるものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  21. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記チェック電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しないことを検知したこと、または、前記チェック電流が所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも遅延していることを検知したことを基準とする第7の熱逸走制御基準であり、前記第7の熱逸走制御基準に該当すると第20の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第20の熱逸走抑制制御が、前記充電手段を介した前記二次電池への充電を既定時間経過後に停止させる押し込み充電処理を行うものである請求項1に記載の押し込み充電機能付き急速充電装置。
  22. 前記熱逸走検知手段の前記熱逸走制御基準の一つが、前記チェック電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しないことを検知したこと、または、前記チェック電流が所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも遅延していることを検知したことを基準とする第7の熱逸走制御基準であり、前記第7の熱逸走制御基準に該当すると第21の熱逸走抑制制御を開始することであり、
    前記第21の熱逸走抑制制御が、前記第7の熱逸走制御基準における前記チェック電流が所定時間を経過して所定値まで低下したかの判断値、または、前記チェック電流が所定値まで低下する時間が遅延しているかの判断値を一定幅変動させる判断値更新手順と、その後再度前記チェック電流が所定時間を経過しても所定値まで低下しないか、または、前記チェック電流が所定値まで低下する時間が予定される定格充電時間よりも遅延しているかを監視する監視手順と、前記監視手順において再度当該事象が検知されれば前記判断値更新手順において直近の前記判断値を一定幅変動させるという手順を繰り返すことによる押し込み充電処理を行い、
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