JP2014163555A - 集光装置、太陽熱発電装置および太陽光発電装置 - Google Patents

集光装置、太陽熱発電装置および太陽光発電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】効率よく太陽光を被照射部に集光することのできる集光装置を提供すること。
【解決手段】第1回転軸13回りに回転可能であるとともに第2回転軸14回りに回転可能な複数の反射部11と、各反射部11からの反射光で照射される被照射部(12)と、を備え、第1回転軸13は、反射部11毎に、被照射部に設定された被照射軸線(Ra)および対応する反射部11の中心位置Cを含む第1平面P1に直交するとともに中心位置Cを通る線分としている。
【選択図】図4

Description

本発明は、太陽光等を集光する集光装置、それを用いた太陽熱発電装置および太陽光発電装置に関する。
従来、太陽エネルギーを利用して発電するために、太陽光を集光することが考えられている。そのような太陽エネルギーを利用する発電方式として、太陽熱(熱エネルギー)を利用すべくタワーの上に被照射部として受熱器を設けるとともに、タワーの周辺に集光装置としての複数のミラーを設ける所謂タワー型の太陽熱発電方式(太陽熱発電装置)がある(例えば、特許文献1参照)。このものでは、各ミラーによりタワーの上に設けた受熱器の1点に集光するものであることから、連続的に設けることによる大規模な発電施設を構築することには不向きである。
このため、集光装置として、南北方向に長尺な複数の反射部を東西方向に並列して設けるとともに、その上方に被照射部として南北方向に長尺な受熱部を設ける所謂線形フレネル型のものが考えられており、この線形フレネル型の集光装置を用いる太陽熱発電方式(太陽熱発電装置)が考えられている。この線形フレネル型の集光装置では、各反射部が南北方向に伸びる軸線回りに回転可能とされており、太陽の日周運動に合わせて各反射部を適宜回転させることにより、朝から夕刻まで太陽光を受熱部(被照射部)に集光する。この集光装置では、南北方向に長尺な複数の反射部の上方に、同じく南北方向に長尺な受熱部を設けるものであることから、受熱部の北側の端部および南側の端部を複数の反射部の外方へと延ばすことができる。このため、線形フレネル型の集光装置を用いる太陽熱発電方式(太陽熱発電装置)では、南北方向に連続して複数の集光装置を設けることにより、大規模な発電施設を簡易に構築することができる。
しかしながら、線形フレネル型の集光装置では、太陽の日周運動に合わせて各反射部を回転させても、太陽の高度の変化に起因して各反射部での太陽光を受ける面積(各反射部に入射する光束の量)が低減する所謂コサイン損失が生じることを抑制するには限界がある。このため、線形フレネル型の集光装置では、太陽の高度の低い朝夕に効率よく太陽光を受熱部(被照射部)に集光することが困難であり、効率よく太陽エネルギー(この場合は熱エネルギー)を得ることが困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、効率よく太陽光を被照射部に集光することのできる集光装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の集光装置は、第1回転軸回りに回転可能であるとともに第2回転軸回りに回転可能な複数の反射部と、前記各反射部からの反射光で照射される被照射部と、を備え、前記第1回転軸は、前記反射部毎に、前記被照射部に設定された被照射軸線および対応する前記反射部の中心位置を含む第1平面に直交するとともに前記中心位置を通る線分としていることを特徴とする。
本発明に係る集光装置では、効率よく太陽光を被照射部に集光することができる。
本発明の集光装置10を備える太陽熱発電装置30の構成を示す説明図である。 集光装置10の受熱部12の構成を示す説明図である。 集光装置10の構成を示す説明図であり、(a)は天頂方向で天頂側から見た様子を示し、(b)は南北方向で南側から見た様子を示し、(c)は東西方向で東側から見た様子を示す。 反射部11における第1回転軸13および第2回転軸14の設定を説明するための説明図であり、反射ラインL1において南側から6つめの単一の反射部11の受熱部12に対する位置関係を模式的な斜視図で示している。 各反射部11における第1回転軸13および第2回転軸14の設定を説明するための説明図であり、反射ラインL1において南側から4つめの反射部11から南側から7つめの反射部11までの4つの反射部11の受熱部12に対する位置関係を、東西方向で東側から見た様子で示している。 集光装置10における第1駆動部21および第2駆動部22を説明するための説明図であり、反射ラインL1および反射ラインL2において南側に存在する2つの反射部11(合計4つ)に対応する第1駆動部21および第2駆動部22のみを示している。 線形フレネル型の集光装置50の構成を示す説明図であり、(a)は天頂方向で天頂側から見た様子を示し、(b)は南北方向で南側から見た様子を示し、(c)は東西方向で東側から見た様子を示す。 コサイン損失を説明するための説明図である。 分割式の線形フレネル型の集光装置60の構成を示す説明図であり、(a)は天頂方向で天頂側から見た様子を示し、(b)は南北方向で南側から見た様子を示し、(c)は東西方向で東側から見た様子を示す。 集光装置60において、1つの反射部61を例にして受熱部62に対する位置関係を表す説明図であり、受熱平面Pr上に照射領域IAを形成したものとして示している。 集光装置60において、受熱平面Pr(受熱部62)上において、照射領域IAが回転する様子を説明するための説明図である。 集光装置60において、反射部61が第1回転軸64回りに回転することにより、軸上点p1と軸上点p2とが第3平面P3の面上を移動する様子を説明するための説明図である。 集光装置60において、反射部61が第1回転軸64回りに回転することにより、軸上点p1と軸上点p2との移動に対応して受熱平面Pr上の反射軸上点rp1と反射軸上点rp2とが受熱軸線Ra上から移動する様子を説明するために、図12を東西方向で西側から見た模式図で示す説明図であり、(a)は反射部61が回転されていない状態を示し、(b)は反射部61が図12に二点鎖線で示す位置まで回転された状態を示す。 集光装置60において、反射部61の第1回転軸64および第2回転軸65を設置基準面Pbに固定した場合で、緯度35度の地点で春分の日の太陽の日周運動に追従して回転する反射部61と、その回転に伴って受熱部62(受熱平面Pr)において照射領域IA(照射軸線Ia)が回転する様子と、を示すグラフであり、横軸を時刻(時)で示し、縦軸を回転角(°)で示す。 集光装置60において、反射部61の第2回転軸65を設置基準面Pbに固定するとともに、反射部61の第1回転軸64を第2回転軸65回りの反射部61の回転とともに回転するものとした場合で、緯度35度の地点で春分の日の太陽の日周運動に追従して回転する反射部61と、その回転に伴って受熱部62(受熱平面Pr)において照射領域IA(照射軸線Ia)が回転する様子と、を示すグラフであり、横軸を時刻(時)で示し、縦軸を回転角(°)で示す。 集光装置10において、反射部11が第1回転軸13回りに回転することにより、軸上点p3と軸上点p4とが第1平面P1の面上を移動する様子を説明するための説明図である。 集光装置10において、反射部11が第1回転軸13回りに回転することにより、軸上点p3と軸上点p4とが移動しても受熱平面Pr上の反射軸上点rp3と反射軸上点rp4とは受熱軸線Ra上から移動しない様子を説明するために、図16を東西方向で西側から見た模式図で示す説明図であり、(a)は反射部11が回転されていない状態を示し、(b)は反射部11が図16に二点鎖線で示す位置まで回転された状態を示す。 集光装置10において、緯度35度の地点で夏至の日の太陽の日周運動に追従して回転する受熱部12に対する距離Lが−10mの反射部61と、その回転際の受熱部62(受熱平面Pr)における照射領域IA(照射軸線Ia)の様子と、を示すグラフであり、横軸を時刻(時)で示し、縦軸を回転角(°)で示す。 集光装置10において、緯度35度の地点で夏至の日の太陽の日周運動に追従して回転する受熱部12に対する距離Lが10mの反射部61と、その回転際の受熱部62(受熱平面Pr)における照射領域IA(照射軸線Ia)の様子と、を示すグラフであり、横軸を時刻(時)で示し、縦軸を回転角(°)で示す。 集光装置10において、緯度35度の地点で夏至の日の太陽の日周運動に追従して回転する受熱部12に対する距離Lが20mの反射部61と、その回転際の受熱部62(受熱平面Pr)における照射領域IA(照射軸線Ia)の様子と、を示すグラフであり、横軸を時刻(時)で示し、縦軸を回転角(°)で示す。 集光装置10において、緯度35度の地点で春分の日の太陽の日周運動に追従して回転する受熱部12に対する距離Lが−10mの反射部61と、その回転際の受熱部62(受熱平面Pr)における照射領域IA(照射軸線Ia)の様子と、を示すグラフであり、横軸を時刻(時)で示し、縦軸を回転角(°)で示す。 集光装置10において、緯度35度の地点で春分の日の太陽の日周運動に追従して回転する受熱部12に対する距離Lが10mの反射部61と、その回転際の受熱部62(受熱平面Pr)における照射領域IA(照射軸線Ia)の様子と、を示すグラフであり、横軸を時刻(時)で示し、縦軸を回転角(°)で示す。 集光装置10において、緯度35度の地点で春分の日の太陽の日周運動に追従して回転する受熱部12に対する距離Lが20mの反射部61と、その回転際の受熱部62(受熱平面Pr)における照射領域IA(照射軸線Ia)の様子と、を示すグラフであり、横軸を時刻(時)で示し、縦軸を回転角(°)で示す。 集光装置10において、緯度35度の地点で冬至の日の太陽の日周運動に追従して回転する受熱部12に対する距離Lが−10mの反射部61と、その回転際の受熱部62(受熱平面Pr)における照射領域IA(照射軸線Ia)の様子と、を示すグラフであり、横軸を時刻(時)で示し、縦軸を回転角(°)で示す。 集光装置10において、緯度35度の地点で冬至の日の太陽の日周運動に追従して回転する受熱部12に対する距離Lが10mの反射部61と、その回転際の受熱部62(受熱平面Pr)における照射領域IA(照射軸線Ia)の様子と、を示すグラフであり、横軸を時刻(時)で示し、縦軸を回転角(°)で示す。 集光装置10において、緯度35度の地点で冬至の日の太陽の日周運動に追従して回転する受熱部12に対する距離Lが20mの反射部61と、その回転際の受熱部62(受熱平面Pr)における照射領域IA(照射軸線Ia)の様子と、を示すグラフであり、横軸を時刻(時)で示し、縦軸を回転角(°)で示す。 集光装置10において、緯度0度の地点で春分の日の太陽の日周運動に追従して回転する受熱部12に対する距離Lが10mの反射部61と、その回転際の受熱部62(受熱平面Pr)における照射領域IA(照射軸線Ia)の様子と、を示すグラフであり、横軸を時刻(時)で示し、縦軸を回転角(°)で示す。 本発明の他の例としての集光装置10´を備える太陽光発電装置40の構成を示す説明図である。 反射部11´を備える本発明の他の例としての集光装置10´´の構成を示す図5と同様の説明図である。
以下に、本発明に係る集光装置、それを用いた太陽熱発電装置および太陽光発電装置の実施例について図面を参照しつつ説明する。
本発明に係る集光装置の一実施例としての集光装置10の概略的な構成を、図1から図3を用いて説明する。以下の説明では、設置平面上における東西南北の方向(方位)を用いており、各図で東を符号Eで、西を符号Wで、南を符号Sで、北を符号Nで、示している。その設置平面は、天頂方向(鉛直方向)に直交する平坦な面とする。なお、図1では、理解容易とするために、各反射部11における第1回転軸13を回転中心とする回転が為されていないものとしている。
集光装置10は、本実施例では、図1に示すように、太陽熱発電装置30において太陽光を集光するために用いられている。その集光装置10は、複数の反射部11と、その反射部11の上方に設けられた受熱部12と、を備える。その各反射部11は、鏡で形成されており、自らを照射する太陽光を受熱部12へと反射すべく設けられている。各反射部11は、本実施例では、互いに等しいものとしており、法線方向で見て長方形状を呈する平坦な鏡で形成している。その各反射部11は、中心位置C(本実施例では反射面における中心位置とする(図3から図5等参照))における設置平面からの高さ位置(天頂方向(鉛直方向)で見た位置)が互いに等しいものとされて設けられている。以下では、その各反射部11の中心位置Cが存在する面を設置基準面Pb(図5等参照)とする。この設置基準面Pbは、天頂方向(鉛直方向)に直交する平坦な面となり、設置平面と所定の間隔を置きつつ平行な位置関係とされている。
各反射部11は、基本的に設置基準面Pb(図5等参照)上において、長尺方向(長方形における長辺が伸びる方向)を東西方向に沿わせるとともに、短尺方向(長方形における短辺が伸びる方向)を南北方向に沿わせて設けられている。ここで、長尺(短尺)方向を東西(南北)方向に沿わせることに関して、基本的にとしたのは、後述するように各反射部11が第1回転軸13および第2回転軸14(図4および図5等参照)回りに回転可能とされていることから、それぞれの回転方向での回転角度の変化により設置基準面Pb(図5等参照)上における長尺(短尺)方向の向きが変化することによる。
その各反射部11は、設置基準面Pb(図5等参照)上において、中心位置Cの南北方向で見た位置が互いに等しくされて複数(図1の例では4個)並列されているとともに、中心位置Cの東西方向で見た位置が互いに等しくされて複数(図1の例では9個)並列されている。すなわち、集光装置10では、設置平面上の一定の範囲にわたり、複数(図1の例では9個)の反射部11が南北方向に並んで配置されており、南北方向に伸びる反射ラインLn(nは0を除く自然数)が形成されている。また、集光装置10では、その反射ラインLnが、東西方向に複数(図1の例では4つ)並列されて配置されている。このように、各反射部11は、東西方向で見て複数の反射ラインLn(図1の例では4列(n=1〜4))を形成しつつ、各反射ラインLnにおいて南北方向に複数個(図1の例では9個)並列されて設けられている。なお、反射部11の個数、すなわち形成する反射ラインLnの数および各反射ラインLnにおける反射部11の個数は、適宜設定すればよく、本実施例に限定されるものではない。
この反射部11では、第1回転軸13および第2回転軸14(図4および図5等参照)が個別に設定されており、それぞれの回転軸を回転中心として回転することが可能とされている。その第1回転軸13は、基本的に各反射部11(その反射面)を、東側へ向けることと西側へ向けることとを可能とすべく設けられている。また、第2回転軸14は、基本的に各反射部11(その反射面)を、南側へ向けることと北側へ向けることとを可能とすべく設けられている。この第1回転軸13および第2回転軸14の設定については、後に詳細に説明する。各反射部11では、第1回転軸13および第2回転軸14(図4および図5等参照)による回転角度を適宜調整することにより、太陽の日周運動に対応しつつ太陽の高度の変化に対応して、自らを照射する(自らが受けた)太陽光の反射光を受熱部12へ向けて照射する。
その受熱部12は、各反射部11の上方の所定の高さ位置で、その各反射部11で形成した反射ラインLnを東西方向に跨いで設けている。受熱部12は、本実施例では、各反射ラインLnのうちの真ん中(南北方向で見た真ん中)に存在する反射部11の中心位置Cの上方(天頂方向)に受熱軸線Ra(受熱部12の中心軸線)が存在する位置関係とされており、天頂方向で見た設置基準面Pb(中心位置C)からの高さ寸法Hを14mとしている。この受熱部12は、各反射部11から照射される太陽光の反射光を受光して集熱する。このため、受熱部12は、各反射部11からの反射光で照射される被照射部として機能し、受熱軸線Raがその被照射部としての受熱部12に設定された被照射軸線として機能する。
受熱部12は、本実施例では、図2に示すように、複数の集熱パイプ15と、断熱外壁16と、吸熱網17と、を有する。その各集熱パイプ15と断熱外壁16と吸熱網17とは、東西方向に伸びる受熱部12の全長に渡って同様の構成とされている。その各集熱パイプ15は、ステンレス等の材料で形成したパイプ(管)であり、東西方向で見た両端部が後述する循環パイプ31(図1参照)に接続さている。各集熱パイプ15は、内部に熱媒体(空気、蒸気等)が充填されており、両端部に接続された循環パイプ31と協働して熱媒体を循環させる経路を形成している。本実施例では、各集熱パイプ15に充填されて循環させる熱媒体として、COガス(炭酸ガス)を用いている。その集熱パイプ15は、図2に示す例では、6本が並列されて設けられている。各集熱パイプ15は、各反射部11からの反射光で照射されることにより加熱され、その熱を熱媒体に伝える(移動させる)ことで熱媒体を加熱して当該熱媒体の温度を上昇させる。そして、各集熱パイプ15(受熱部12)は、循環パイプ31との協働により、温度を上昇させた熱媒体を循環させて後述する熱供給源としてのタービン32(図1参照)に供給する。
断熱外壁16は、熱を遮断する機能を有する材料で形成されている。この断熱外壁16は、断面形状が円弧状を呈し、全ての集熱パイプ15の上方を掛け渡すように各集熱パイプ15の上方を覆って設けられている。断熱外壁16では、南北方向で見た両端となる両側縁部16aが、吸熱網17(その縁部)の近傍位置を通りつつ当該吸熱網17よりも下方へと張り出している。
その吸熱網17は、断熱外壁16の内方(下側)において、全ての集熱パイプ15の下方を塞ぐように設けられている。この吸熱網17は、線状部材が井桁状あるいはハニカム構造等とされることで所定の厚さ寸法(図2を正面視した上下方向で見た大きさ寸法)とされて構成されている。吸熱網17は、本実施例では、ステンレス材料からなる線状部材が用いられており、所謂ステンレスメッシュとされている。この吸熱網17は、各反射部11からの反射光の透過を許して各集熱パイプ15へと到達を可能とするとともに、放射光(熱輻射)が内側(断熱外壁16の内方であって各集熱パイプ15側)から出ることを阻む構造となっている。このように構成されていることから、受熱部12では、断熱外壁16内で上昇気流が生じることに起因する対流熱損失を大幅に抑制することができる。なお、この受熱部12は、図2の他の図面においては、理解容易のために、単純に受熱軸線Ra(東西方向)が伸びる方向に伸びる長尺な円柱状の部材として示している。本実施例では、受熱軸線Raは、受熱部12の中心軸線としているが、受熱部12を上記したように構成していることから、各反射部11からの反射光で照射される吸熱網17の中心位置(中心軸線)、もしくはその反射光からの熱を集める複数の集熱パイプ15の中心位置(中心軸線)としてもよく、本実施例に限定されるものではない。
この受熱部12を反射光で照射する各反射部11は、図3に示すように、反射ラインLn毎に、受熱部12に対して、東西方向に伸びる受熱軸線Raに直交する方向で反射光が向かうように角度の設定が為される(図3(b)参照)。この角度の設定は、主に後述する第1回転軸13(図4および図5等参照)を回転中心とする回転により調整される。このため、同一の反射ラインLnに設けられた各反射部11は、東西方向で見ると、中心位置Cからの反射光が受熱部12における等しい位置を照射することとなり、異なる反射ラインLnの反射部11とは受熱部12における照射する範囲が重複しないものとされている。これにより、受熱部12では、その長尺方向(東西方向)で見て、反射ラインLn毎に照射される範囲が設定されることとなる。
また、同一の反射ラインLnに設けられた各反射部11は、南北方向で見て中央の反射部11の上方に存在する受熱部12へと反射光が向かうように角度の設定が為される(図3(c)参照)。この角度の設定は、主に後述する第2回転軸14(図4および図5等参照)を回転中心とする回転により調整される。このため、同一の反射ラインLnに設けられた各反射部11は、南北方向で見た一定の範囲(反射ラインLn(そこを構成する複数の反射部11)が存在する範囲)に注がれた太陽光の反射光を、受熱部12へと集める(集光する)。これにより、受熱部12では、東西方向で見て各反射ラインLnが存在する範囲毎に、それぞれに対応する反射ラインLnの各反射部11から受熱軸線Raに直交する方向で反射光が集光されることとなり、反射ラインLn毎に集熱する。
このように、集光装置10は、被照射部としての受熱部12に対して、複数の反射ラインLn(図示の例ではn=1〜4)毎に集光する、換言すると、受熱部12における集光される箇所が各反射ラインLn(そこに存在する複数の反射部11)に対応して長尺方向(東西方向)に分割されて構成されている線形フレネル型の太陽光集光装置である。そして、その各反射ラインLnでは、反射する箇所が複数の反射部11により長尺方向に分割されて構成されている。このため、集光装置10は、所謂分割式の線形フレネル型の太陽光集光装置とされている。
なお、各反射部11における並列方向(その反射ラインLnの方向およびそれが並列される方向)および受熱部12(その受熱軸線Ra)の伸びる方向は、上述したように各反射部11からの太陽光の反射光を受熱部12に効率よく受光させることができるものであれば、反射ラインLnが南北方向に完全には一致しないものとしたり受熱部12が東西方向と完全には一致しないものとしたりしてもよく、それぞれの向きを異なるものとしてもよく、設置平面(設置基準面Pb)上での東西南北に対する方向(方位)は本実施例の設定に限定されるものではない。
また、東西方向に設置された受熱部12を境とする北側と南側の反射ラインLnの長さは必ずしも同一である必要はない。例えば、北半球では太陽の軌跡が受熱部12に対して南側を通ることから、この集光装置10を北半球に設置する場合は、反射ラインLnの長さを南側よりも北側に長くして、北側の反射部11(ミラー)の設置面積をより広く採ることにより、集光、集熱効率を高めることができる。他方、集光装置10を南半球に設置する場合は、北半球に設置する場合と反対に、反射ラインLnの長さを北側よりも南側に長くすることにより、集光、集熱効率を高くすることができる。
さらに、複数の反射部11が設置される土地占有領域については、受熱部12が伸びる方向(本実施例では東西方向)よりも各反射ラインLnが伸びる方向(本実施例では南北方向)を長くすることができる。これは、上述したように、東西方向に伸びて設けた受熱部12に対して、各反射部11(ミラー)を角度調整して照射(集光)する構成をとしていることから、各反射ラインLnが伸びる方向を相対的に長くすることにより、後述する線形フレネル型の太陽光集光装置(集光装置50(図7参照))に比べて光損失の少ない集光光学系が得られることによる。このため、各反射ラインLnが伸びる方向(南北方向)に拡張した反射部11群(ミラーセグメント)を構成することにより、エネルギー損失(ロス)を低減して効率よく集熱(集光)することができ、熱エネルギー(太陽エネルギー)を効率よく得ることができる。また、後述する線形フレネル型の太陽光集光装置(集光装置50(図7参照))と比較して、受熱部12の長さ寸法を短く設定することができるため、吸収した熱の再放熱による熱損失を低減することもできる。
ついで、受熱部12における設置基準面Pbからの高さ寸法Hや、各反射部11(その中心位置C)の設置平面からの高さ位置すなわち設置基準面Pbからの各反射部11(その中心位置C)の高さ寸法は、例えば、集光装置10(太陽熱発電装置30)を設置する周辺の環境に応じて効率良く太陽光を受ける(照射される)ことを可能とすること等を勘案して適宜設定すればよく、本実施例の設定に限定されるものではない。
その集光装置10を備える太陽熱発電装置30は、図1に示すように、循環パイプ31とタービン32と発電機33と凝集機34とを備える。その循環パイプ31は、パイプ(管)であり、外表面に断熱部材が設けられている。循環パイプ31は、受熱部12(その各集熱パイプ15(図2参照))の一端部に接続されるとともに、タービン32および凝集機34を経て受熱部12(各集熱パイプ15)の他端部に接続されている。このため、循環パイプ31は、受熱部12(その各集熱パイプ15)で温度が上昇された熱媒体をタービン32に供給し、そのタービン32および凝集機34を経た熱媒体を再び受熱部12(各集熱パイプ15)へと供給することで、熱媒体を循環させる。
タービン32は、受熱部12(各集熱パイプ15)で温度が上昇された熱媒体を動翼列(図示せず)にあてることで、その熱媒体の運動エネルギー(熱エネルギー)を、動翼列の回転運動に変換する。すなわち、タービン32は、天然ガス等の燃料を燃焼させて高温高圧の燃焼ガスを用いることに代えて、集光装置10(その受熱部12(各集熱パイプ15))で太陽光の熱エネルギーを利用して温度を上昇させた熱媒体を用いるものである。このタービン32は、動翼列の回転軸が発電機33の回転軸に連結されている。
その発電機33は、回転軸が回転駆動されることにより電力を生成(発電)する。発電機33は、本実施例では、回転軸に連結された発電機33の動翼列(図示せず)の回転運動を利用して電力を生成(発電)する。このため、太陽熱発電装置30は、太陽エネルギーから電力を生成するソーラー発電装置のうちの太陽光の熱エネルギーを利用して発電する発電装置となる。この発電機33には、出力線35が設けられている。この出力線35は、配電路に接続されており、発電機33で生成(発電)した電力を配電路へと出力することができる。
凝集機34は、タービン32を駆動(動翼列を回転)させた熱媒体を冷却するものである。この凝集機34は、冷却した熱媒体を受熱部12(各集熱パイプ15)へと供給する。なお、凝集機34では、凝集機34と受熱部12との間を接続する箇所以外の循環パイプ31において、熱媒体の熱を交換するものであってもよい。
次に、集光装置10の各反射部11における第1回転軸13および第2回転軸14の設定について説明する。ここで、集光装置10では、被照射部としての受熱部12における集光される箇所を各反射ラインLn(複数の反射部11)に対応して長尺方向(東西方向)に分割するものであって、南北方向で見た各反射部11の設定位置が各反射ラインLnで互いに等しくされている。このため、本実施例の集光装置10では、各反射部11における第1回転軸13および第2回転軸14の設定が、反射ラインLn毎に互いに等しいものとされている。このことから、以下では反射ラインL1の各反射部11における第1回転軸13および第2回転軸14の設定について説明し、他の反射ラインLnの各反射部11における第1回転軸13および第2回転軸14の設定については省略する。
先ず、第1回転軸13について、図4から図6を用いて説明する。なお、図4では、理解容易とするために、反射ラインL1において南側から6つめの単一の反射部11の受熱部12に対する位置関係を示している。また、図5では、理解容易とするために、反射ラインL1において南側から4つめの反射部11から、南側から7つめの反射部11までの4つの反射部11の受熱部12に対する位置関係を示している。さらに、図5では、理解容易とするために、各反射部11における第1回転軸13を回転中心とする回転が為されていないものとしている。図6では、理解容易とするために、反射ラインL1および反射ラインL2において南側に存在する2つの反射部11(合計4つ)に対応する第1駆動部21および第2駆動部22のみを示している。
第1回転軸13は、図4および図5に示すように、受熱部12の受熱軸線Raおよび各反射部11における中心位置Cを含む平面(以下では第1平面P1にとする)に直交するとともに、その中心位置Cを通る線分に設定する。このため、第1回転軸13は、反射ラインL1(等しい反射ラインLn)に設けられている各反射部11においては、各反射部11の中心位置Cを含み受熱軸線Ra(受熱部12)に直交する同一の平面(以下では第2平面P2(図5では紙面に沿う面)にとする)上に存在されている。ここで、面上に存在するとは、当該面を構成する1点とされていることをいう。また、第1回転軸13は、上記した設定とされていることから、等しい反射ラインL1に設けられている反射部11であっても、第2平面P2上における設置基準面Pbに対する角度が反射部11毎に異なるものとされている(図5等参照)。これにより、各第1回転軸13は、図5に示すように、受熱軸線Ra(東西方向)に直交する面すなわち第2平面P2に沿って(紙面に沿う方向)設けられているとともに、その第2平面P2上で設置基準面Pbに対する角度が互いに異なるものとされている。
詳細には、各反射部11は、中心位置Cが設置基準面Pb上に存在されて設けられていることから、天頂方向で見た中心位置Cでの受熱部12に対する間隔が、何れも受熱部12の設置基準面Pbからの高さ寸法H(本実施例では14m)となる。そして、各反射部11では、反射ラインL1における南北方向で見た位置に応じて、南北方向で見た受熱部12に対する中心位置Cでの距離Lが変化することとなる。ここで、第2平面P2(図4参照)上において、受熱部12の受熱軸線Raと各反射部11の中心位置Cとを結ぶ線分を反射光路Rpとする。この反射光路Rpは、各反射部11から受熱部12へと向かう反射光のうちの反射部11の中心位置Cから受熱部12の受熱軸線Raへと向かうものであり、各反射部11に対応する第1平面P1と第2平面P2とが交差する箇所となる。その各反射光路Rpは、第1平面P1上に存在することから、対応する反射部11の中心位置Cを通る第1回転軸13と直交する。すると、反射光路Rpと設置基準面Pbとが為す傾斜角度αは、tan−1(H/L)となる。その傾斜角度αは、第1回転軸13と反射光路Rpとが為す傾斜角度(90度)から、第1回転軸13と設置基準面Pbとが為す傾斜角度βを減算したものとなる。このため、第1回転軸13は、設置基準面Pbに対する傾斜角度βを(90−tan−1(H/L))で示すことができる。このことから、第1回転軸13では、受熱部12に対する反射部11の位置関係により、設置基準面Pb(そこと平行とされた設置平面)に対する傾斜角度βと、受熱部12に対する向きと、が決定される。このため、第1回転軸13は、受熱部12に対する各反射部11の位置関係により、反射部11毎に設定される。この各第1回転軸13は、受熱軸線Raを中心としつつ対応する反射部11の中心位置Cを通る円に対する接線方向に設定されていることとなる。各第1回転軸13は、第2回転軸14を回転中心とする反射部11の回転姿勢の変化に拘らず、受熱部12に対する絶対的な位置関係が変化しないものとされている。
第2回転軸14は、図4に示すように、第1平面P1上(第1平面P1に含まれるもの)であって、対応する反射部11の中心位置Cを通る線分に設定する。ここで、第2回転軸14は、反射光路Rpと一致しないものとする必要がある。このため、各反射部11では、第1回転軸13と第2回転軸14との双方が、等しい回転中心としての中心位置Cを通る線分とされている。また、各反射部11では、第1回転軸13が、反射光路Rpと直交するとともに、第2回転軸14と直交するものとされている。その第2回転軸14は、本実施例では、対応する反射部11の中心位置Cを通りつつ、受熱部12の受熱軸線Raと平行な線分に設定している。このため、第2回転軸14は、等しい反射ラインL1に設けられている各反射部11においては、設置基準面Pb上において受熱軸線Raと平行に伸びつつ南北方向に並列されている(図5参照)。また、第2回転軸14は、各反射ラインLnが上述したように東西方向に並列されて構成されていることから、反射ラインLn毎に南北方向で見て等しい位置に設けられている各反射部11においては、受熱軸線Raと平行に伸びる同一の直線上に存在されている。この各第2回転軸14は、本実施例では、第1回転軸13を回転中心とする反射部11の回転姿勢の変化に拘らず、受熱部12に対する絶対的な位置関係が変化しないものとされている。
このため、集光装置10では、各反射部11が、自らに設定された第1回転軸13を回転中心として回転することが可能とされているとともに、自らに設定された第2回転軸14を回転中心として回転すること(以下では、回転軸回りの回転ともいう)が可能とされている。この第1回転軸13は、東西方向に伸びる受熱部12(その受熱軸線Ra)と平行な方向に対して直交するものであることから、対応する反射部11を回転させることにより、主に日周運動による太陽の東西方向での位置の変化に対応させることができる。また、第2回転軸14は、東西方向に伸びる受熱部12(その受熱軸線Ra)と平行なものであることから、対応する反射部11を回転させることにより、主に太陽の高度の変化(南北方向での位置)に対応させることができる。これにより、集光装置10では、第1回転軸13および第2回転軸14回りに各反射部11を適宜回転することにより、太陽の日周運動に対応して、常に受熱軸線Raに直交する方向で反射ラインLn毎に受熱部12へと集光することができる。
集光装置10では、図6に示すように、各反射部11において、第1駆動部21と第2駆動部22と、が設けられている。第1駆動部21は、第1回転軸13回りに反射部11を回転駆動させる。第2駆動部22は、第2回転軸14回りに反射部11を回転駆動させる。その各第1駆動部21および各第2駆動部22は、制御部23に接続されている。その制御部23は、内蔵するプログラムに基づいて各第1駆動部21および各第2駆動部22の動作を制御する。制御部23には、太陽位置検出部24が接続されている。その太陽位置検出部24は、太陽の位置を検出するセンサであり、例えば、4分割光センサを用いることにより構成することができる。また、制御部23では、内蔵するプログラムにより、計算上の太陽の位置を算出することが可能とされている。この制御部23は、基本的に太陽位置検出部24からの検出結果に基づいて、各第1駆動部21および各第2駆動部22を介して、各反射部11を第1回転軸13および第2回転軸14回りに適宜回転させる。そして、制御部23は、例えば曇天時のように太陽位置検出部24から良好な検出結果が得られない場合、計算上の太陽の位置に基づいて、各第1駆動部21および各第2駆動部22を介して、各反射部11を第1回転軸13および第2回転軸14回りに適宜回転させる。このため、集光装置10では、天候の変化に拘らず、太陽の日周運動に対応して、常に受熱軸線Raに直交する方向で反射ラインLn毎に受熱部12へと集光することができる。
次に、集光装置10と同様に太陽光を被照射部(受熱部)に集光する集光装置における技術の課題について、図7から図13を用いて説明する。集光装置50は、図7に示すように、南北方向に長尺な複数の反射部51と、その上方に設けられた南北方向に長尺な受熱部52と、を備える所謂線形フレネル型の太陽光集光装置である。その複数の反射部51は、東西方向に並列して設けられている。各反射部51には、図示を略す駆動部により回転駆動される回転軸53が、南北方向に伸びて設けられている。この各反射部51は、回転軸53回りに回転可能とされている。その上方に設けられた受熱部52は、上記した集光装置10の受熱部12と同様の構成とされている。
この線形フレネル型の集光装置50では、各反射部51を適宜回転させて太陽光の反射光を受熱部52へと向かわせる(図7(b)参照)ことにより、その受熱部52に集光することができる。このため、太陽の日周運動に合わせて各反射部51を適宜回転させることにより、朝から夕刻まで太陽光を受熱部52に集光することができる。このとき、集光装置50では、各反射部51が南北方向に伸びるものであるとともに受熱部52が南北方向に伸びるものであることから、太陽の高度が変化しても、各反射部51から受熱部52へと向かう角度と当該受熱部52への入射位置とが変化はするが、反射光を受熱部52へと向かわせることができる(図7(c)参照)。
ここで、線形フレネル型の集光装置50では、コサイン損失が生じることを抑制することには限界がある。そのコサイン損失とは、図8に示すように、太陽光が入射する方向に対して正対する状態の反射部51(二点鎖線で示す反射部51参照)で受けることのできる面積(入射する光束の量)に対して、適宜回転された反射部51(実線で示す反射部51参照)で受けることのできる面積(入射する光束の量)が減少することをいう(図8の太陽光においてドットが付されている箇所参照)。このため、太陽光が入射する方向と、反射部51の法線方向と、が為す角度を小さくすることにより、コサイン損失を抑制することができ、太陽光を受熱部52に効率よく集光することができる。しかしながら、線形フレネル型の集光装置50では、図7に示すように、南北方向に伸びる受熱部52に対して、その受熱部52を挟んで東側と西側とに複数の反射部51が設けられていることから、東西方向で見た中央位置(受熱部52)を境とした東側の各反射部51と西側の各反射部51とで太陽の位置に対応するための態様が異なるものとなってしまう。詳細には、例えば、図7(b)に示すように、太陽が東側に存在する場合、受熱部52に対して西側に存在する各反射部51では、法線方向と太陽光が入射する方向とが為す角度を小さくしつつそれらからの反射光を受熱部52へと向かわせることができる。ところが、受熱部52に対して東側に存在する各反射部51では、法線方向と太陽光が入射する方向とが為す角度を小さくしつつそれらからの反射光を受熱部52へと向かわせることは困難である。このことは、太陽が西側に存在する場合であっても、東側と西側とが逆転するだけで同様である。このため、線形フレネル型の集光装置50では、全ての反射部51のうちの約半分の反射部51でコサイン損失が大きくなってしまう。このことは、特に太陽の高度の低い朝夕に影響が大きくなるので、朝夕に効率よく太陽光を受熱部52に集光することが困難となってしまう。このため、線形フレネル型の集光装置50では、南中時刻と太陽の高度の低い朝夕との間で、得られる太陽エネルギー(熱エネルギー)の変動が大きくなってしまう。
このため、図9に示すような集光装置60が考えられる。この集光装置60は、東西方向に長尺な複数の反射部61と、その上方に設けられた東西方向に長尺な受熱部62と、を備える。その各反射部61は、南北方向に複数(図9の例では9個)並列されて、南北方向に長尺な反射ライン63を形成している。その反射ライン63は、東西方向に複数(図9の例では4個)並列されている。このため、集光装置60は、各反射ライン63が複数の反射部61により南北方向(長尺方向)に分割されて構成されている、所謂分割式の線形フレネル型の太陽光集光装置である。各反射ライン63の各反射部61では、図示を略す第1駆動部により回転駆動される第1回転軸64が、南北方向に伸びて設けられている。そして、その各反射部61では、図示を略す第2駆動部により回転駆動される第2回転軸65が、東西方向に伸びて設けられている。その上方に設けられた受熱部62は、上記した集光装置10の受熱部12と同様の構成とされている。すなわち、この集光装置60は、2つの回転軸(その伸びる方向)の設定が異なることを除くと、本発明の集光装置10(図3等参照)と同様の構成とされている。
このため、分割式線形フレネル型の集光装置60では、主に第1回転軸64回りに各反射ライン63を適宜回転させることにより、反射ライン63毎に各反射部61からの反射光が受熱部62に対して直交する方向で当該受熱部62に向かうものとされる(図9(b)参照)。また、主に第2回転軸65回りに各反射部61を適宜回転させることにより、同一の反射ライン63に設けられた各反射部61からの反射光が、南北方向で見て中央の上方に存在する受熱部62へと向かうものとされる(図9(c)参照)。これにより、受熱部62では、東西方向で見て各反射ライン63が存在する範囲毎に、それぞれ対応する反射ライン63の各反射部61から直交する方向で反射光が集光されることとなる。このため、太陽の日周運動に合わせて各反射部61を適宜回転させることにより、朝から夕刻まで太陽光を受熱部62に集光することができる。
この分割式線形フレネル型の集光装置60では、東西方向に伸びる受熱部62に対して、東西方向で見て各反射ライン63が存在する範囲毎に反射光を集光するものであることから、東西方向で見た中央位置を境とした東側の各反射部61と西側の各反射部61との太陽の位置に対応するための態様を等しいものとすることができる。加えて、集光装置60では、各反射ライン63の各反射部61から、受熱部62に対して直交する方向に反射光を集光するものであることから、太陽の高度が低い場合であっても太陽光が入射する方向と各反射部61の法線方向とが為す角度を小さくすることができる。このため、分割式線形フレネル型の集光装置60では、太陽が東側にあるか西側にあるかに拘らず、全ての反射部61でコサイン損失が生じることを抑制することができ(図9(b)参照)、太陽の高度の低い朝夕であっても効率よく太陽光を受熱部62に集光することができる。
しかしながら、この分割式線形フレネル型の集光装置60では、各反射部61からの反射光による照射領域IA(図10等参照)の受熱部62に対する回転の問題が生じてしまう。これは以下のことによる。なお、その照射領域IAとは、図10に示すように、反射部61からの反射光が受熱部62(その表面)を照らす領域をいう。その図10では、理解容易のために、受熱平面Pr上に照射領域IAを形成したものとして示している。その受熱平面Prは、受熱部62(受熱部12)の受熱軸線Raおよび反射部61における中心位置Cを含む第1平面P1に対して直交するとともに、受熱部62の受熱軸線Raを含む(通る)平面である。
集光装置60では、南北方向に並列して設けられた複数の反射部61で受熱部62へ向けて集光するものであることから、複数の反射部61が南北方向で見て受熱部62が設けられた位置から南北方向へと変位して、すなわち受熱部62に対して南北方向へと変位して設けられている(図9等参照)。その各反射部61は、受熱部62(その受熱軸線Ra)が伸びる方向(東西方向)に長尺な長方形状とされている。このため、反射部61が形成する照射領域IAは、図10および図11に示すように、受熱平面Pr上において、受熱軸線Raに沿ってすなわち東西方向に伸びて形成されている。その照射領域IAと第1平面P1とが交わる箇所で規定される直線を、照射領域IAにおける照射軸線Iaとする。この照射軸線Iaは、受熱軸線Raと一致している。
ここで、反射部61は、上述したように、南北方向に伸びる第1回転軸64回りに回転することが可能とされている。この反射部61を、太陽の位置の変化に対応させて照射領域IAを受熱平面Pr(受熱部62)上に形成すべく、図10に矢印A1(南側から見て時計回りの方向)で示すように、第1回転軸64回りに回転して二点鎖線で示す状態へと移行させたものとする。このとき、実際には太陽の高度も変化した場合には、第2回転軸65回りに適宜回転させる必要があるが、理解容易とするために省略する。すると、受熱平面Pr(受熱部62)上では、照射領域IAが図11に矢印A2で示すように、その中心位置を回転中心として回転し、二点鎖線で示す状態へと移行してしまう。
詳細には、反射部61は、第1回転軸64回りに回転すると、図12に破線で示す円柱状の軌跡を描くこととなる。ここで、反射部61において、中心位置Cを通りつつ東西方向に伸びる軸線上の両端部に、目安として軸上点p1と軸上点p2とを設定したものとする。ここで、線上とは、当該線を構成する1点であることをいう。そして、照射領域IAにおいて軸上点p1と対応する箇所を反射軸上点rp1とし、照射領域IAにおいて軸上点p2と対応する箇所を反射軸上点rp2とする。軸上点p1と軸上点p2とは、反射部61の軸線上に存在することから、反射部61が回転されていない状態では、反射軸上点rp1と反射軸上点rp2とは、受熱平面Prにおいて受熱軸線Ra上に存在することとなる(図12および図13(a)参照)。その軸上点p1と軸上点p2とは、反射部61が第1回転軸64回りに回転することにより、南北方向に伸びる第1回転軸64に直交しつつ中心位置Cを通る第3平面P3の面上を移動する。すると、軸上点p1と軸上点p2とは、第1平面P1の面上に存在する状態から、第1平面P1の外方へと移動する(図12参照)。このため、反射部61が図10および図12に二点鎖線で示すように第1回転軸64を回転中心として南側から見て時計回りの方向に回転されたものとすると、図12および図13(b)に示すように、軸上点p1が第3平面P3の面内で第1平面P1よりも上方へと移動し、軸上点p2が第3平面P3の面内で第1平面P1よりも下方へと移動する。このとき、反射部61における中心位置Cの箇所では、第1回転軸64回りに反射部61が回転しても移動しないので、図13(b)に示すように、第1平面P1(設置基準面Pb)の面内で太陽光を受けることにより、その反射光を受熱平面Prの受熱軸線Ra上に向かわせる。これに対して、反射部61における軸上点p1の箇所では、第1平面P1よりも上方で太陽光を受けることにより、その反射光を受熱平面Prにおいて受熱軸線Raよりも上方へと向かわせて、受熱軸線Raの上方に反射軸上点rp1を形成する。また、反射部61における軸上点p2の箇所では、第1平面P1よりも下方で太陽光を受けることにより、その反射光を受熱平面Prにおいて受熱軸線Raよりも下方へと向かわせて、受熱軸線Raの下方に反射軸上点rp2を形成する。
このことから、東西方向に伸びる受熱部62に対して、南北方向に伸びる第1回転軸64回りに反射部61が回転すると、受熱部62(受熱平面Pr)上で照射領域IAがその中心位置を回転中心として回転してしまい、その照射軸線Iaが受熱軸線Raに対して傾斜してしまう(図11に二点鎖線で示す照射領域IA(その照射軸線Ia)参照)。このため、第1回転軸64回りに反射部61が回転すると、第2回転軸65回りの反射部61の回転に拘らず、照射領域IAが受熱部62に対して回転してしまう。
ここで、上記した反射部61を適宜回転させることにより太陽の日周運動に追従させて受熱部62(受熱平面Pr)に照射領域IAを形成した際、当該照射領域IAが回転する様子を図14および図15のグラフで示す。この図14および図15では、集光装置60を緯度35度の地点に上述した構成で設置し、春分の日の太陽の日周運動に対応させたものとしている。また、図14および図15では、受熱部62の設置基準面Pbからの高さ寸法Hを14mとし、反射部61の南北方向で見た受熱部62に対する距離L(北側を正側とする)を10mとしている。すなわち、反射部61は、受熱部62に対して北側10mの位置に設けられており、中心位置Cから受熱部62の受熱軸線Raへと伸びる線分(第1平面P1)の天頂角が35.54度(東側から見て反時計回りの回転方向が正側)とされている。その図14では、反射部61の第1回転軸64および第2回転軸65を設置基準面Pbに固定した場合を示しており、図15では、第2回転軸65を設置基準面Pbに固定するとともに、第1回転軸64を第2回転軸65回りの反射部61の回転とともに回転するもの(その回転後の軸を第1回転軸64´とする)としている。図14および図15では、受熱平面Prにおいて受熱軸線Raと照射領域IAの照射軸線Iaとが為す角度を角度θa(図11参照)とし、受熱平面Prを反射部61側から見て反時計回りの回転方向を角度θaの正方向としている。また、図14および図15では、第2回転軸65回りに回転した際の反射部61と設置基準面Pbとが為す角度を角度θ2とし、東側から見て反時計回りの回転方向を角度θ2の正方向としている。さらに、図14では、第1回転軸64回りに回転した際の反射部61と設置基準面Pbとが為す角度を角度θ1とし、南側から見て反時計回りの回転方向を角度θ2の正方向としている。図15では、第2回転軸65回りの反射部61の回転とともに回転する第1回転軸64´を回転中心として回転した際の反射部61と設置基準面Pbとが為す角度を角度θ1とし、第1回転軸64´における南側から見て反時計回りの回転方向を角度θ1の正方向としている。
この図14および図15に示すように、反射部61では、第1回転軸64を設置基準面Pbに固定するか否かに拘らず、照射領域IA(その照射軸線Ia)を、受熱平面Prすなわち受熱部62(その受熱軸線Ra)に対して回転させてしまう。そして、その回転角度は、図14および図15における角度θaの変化からも解るように、太陽の高度の低い朝夕で大きくなってしまう。このことは、照射領域IAの受熱部62上からのはみ出し(図11に二点鎖線で示す照射領域IA参照)を招いてしまうので、効率よく太陽光を受熱部62に集光することができなくなってしまう。このため、分割式線形フレネル型の集光装置60でも、南中時刻と太陽の高度の低い朝夕との間で、得られる太陽エネルギー(熱エネルギー)の変動が大きくなってしまう。ここで、受熱平面Pr上で受熱軸線Raに直交する方向で見た受熱部62の大きさ寸法を、照射領域IAにおけるその照射軸線Iaが伸びる方向で見た大きさ寸法よりも十分に大きくすれば、照射領域IAの回転に起因して当該照射領域IAが受熱部62上からはみ出すことを防止することができる。しかしながら、受熱部62の大きさ寸法の増大は、当該受熱部62の表面積の増大を招くことから、熱輻射が増大してしまうので損失の増大を招いてしまう。これは、熱輻射は、絶対温度(K)(正確には絶対温度から周囲の温度を減算した値)の4乗と、表面積の大きさと、に比例することによる。また、照射領域IAにおける照射軸線Iaが伸びる方向で見た大きさ寸法の減少は、反射部61における受熱軸線Raと平行な方向の大きさ寸法の減少を招くことから、複数の反射部11の配置のための領域を等しいものとすると、当該反射部61の個数の増加を招くとともに、図示を略す第1駆動部および第2駆動部の増加を招いてしまい、効率の悪化を招いてしまう。さらに、照射領域IAの受熱部62(受熱平面Pr)に対する回転角度が大きくなることに起因して照射領域IAが受熱部62上からはみ出してしまう時間帯での利用を停止することも考えられるが、太陽エネルギーを利用する時間の低下を招くことから、根本的な解決とはならない。
これに対して、本発明の集光装置10では、上述したように第1回転軸13および第2回転軸14を設定していることから、照射領域IA(その照射軸線Ia)を、被照射部としての受熱部62(受熱平面Pr(受熱軸線Ra(被照射軸線)))に対して回転することを防止することができる。これを、図16および図17を用いて以下で説明する。なお、反射部11が第1回転軸13回りに回転される前である図17(a)の状態と、反射部11が第1回転軸13回りに回転される後である図17(b)の状態と、では、東西方向で西側から見た際の反射部11の設置基準面Pbに対する角度(傾き)が変化するが(図16に実線と二点鎖線とで示す反射部11参照)、図17では理解容易のために反射部11の設置基準面Pbに対する角度(傾き)を一定のものとして表している。また、図17では、理解容易のために、反射部11を設置基準面Pbに平行(反射部11を水平)とした状態で示しているが、以下で述べる説明は反射部11の設置基準面Pbに対する角度(傾き)が異なる場合であっても同様である。その第1回転軸13回りの回転に起因する反射部11の設置基準面Pbに対する角度(傾き)の変化は、第2回転軸14回りの反射部11の回転により調整することができる。ここで、その反射部11の設置基準面Pbに対する角度(傾き)の変化は、反射部11において中心位置Cを通りつつ東西方向に伸びる軸線(後述する軸上点p3および軸上点p4を含む線分)回りの回転により生じるものであることから、反射部11の回転に伴う後述する軸上点p3および軸上点p4の移動に影響を及ぼすことない。
本発明の分割式線形フレネル型の集光装置10では、第1回転軸13を、受熱部12の受熱軸線Raおよび各反射部11における中心位置Cを含む第1平面P1に直交するとともに、その中心位置Cを通る線分としている。このため、反射部11は、第1回転軸13回りに回転すると、図16に破線で示す円柱状の軌跡を描くこととなる。ここで、反射部11において、中心位置Cを通りつつ東西方向に伸びる軸線上の両端部に、反射部61における軸上点p1および軸上点p2(図12等参照)と同様に、目安として軸上点p3と軸上点p4とを設定したものとする。そして、軸上点p1の照射領域IAにおいて対応する箇所を反射軸上点rp3とし、軸上点p2の照射領域IAにおいて対応する箇所を反射軸上点rp4とする。軸上点p3と軸上点p4とは、反射部11の軸線上に存在することから、反射部11が回転されていない状態では、反射軸上点rp3と反射軸上点rp4とは、受熱平面Prにおいて受熱軸線Ra上に存在することとなる(図16および図17(a)参照)。そして、軸上点p3と軸上点p4とは、第1回転軸13回りに反射部11が回転すると、上記した設定とされた第1回転軸13に直交する第1平面P1の面内を移動する。すなわち、軸上点p3と軸上点p4とは、第1回転軸13回りに反射部11が回転しても、第1平面P1上に存在する状態を維持する。このため、反射部11が図16に二点鎖線で示すように第1回転軸13を回転中心として南側から見て時計回りの方向に回転されたものとすると、図16および図17(b)に示すように、軸上点p3および軸上点p4は第1平面P1上で移動する。このとき、反射部11における中心位置Cの箇所では、第1回転軸13回りに反射部11が回転しても移動しないので、図17(b)に示すように、第1平面P1(設置基準面Pb)の面内で太陽光を受けることにより、その反射光を受熱平面Prの受熱軸線Ra上に向かわせる。ここで、線上とは、当該線を構成する1点であることをいう。そして、反射部11における軸上点p3の箇所では、第1平面P1上において設置基準面Pbよりも上方で太陽光を受けることにより、その反射光を受熱平面Prにおいて受熱軸線Ra上へと向かわせて、受熱軸線Ra上に反射軸上点rp3を形成する。また、反射部11における軸上点p4の箇所では、第1平面P1上において設置基準面Pbよりも下方で太陽光を受けることにより、その反射光を受熱平面Prにおいて受熱軸線Ra上へと向かわせて、受熱軸線Ra上に反射軸上点rp4を形成する。
このため、東西方向に伸びる受熱部12に対して、上記したように設定した第1回転軸13回りに反射部11が回転しても、反射軸上点rp3および反射軸上点rp4が常に受熱軸線Ra上に形成されることとなる。このことから、東西方向に伸びる受熱部12に対して、上記したように設定した第1回転軸13回りに反射部11が回転しても、被照射部としての受熱部12(受熱平面Pr)上の照射領域IAが回転することはなく、その照射軸線Iaが被照射軸線としての受熱軸線Raに対して傾斜することを防止することができる。
加えて、本発明の分割式線形フレネル型の集光装置10では、第2回転軸14を、第1平面P1上(第1平面P1に含まれるもの)であって、対応する反射部11の中心位置Cを通る線分としている。このため、その第2回転軸14回りに反射部11が回転しても、照射領域IAにおいて中心位置Cに対応する箇所すなわち照射領域IAの中心位置を受熱平面Pr(受熱部12)における受熱軸線Ra上に存在させると、照射領域IAにおいて軸上点p3および軸上点p4に対応する箇所である反射軸上点rp3および反射軸上点rp4を、受熱平面Pr(受熱部12)において受熱軸線Ra上に存在させることができる。このため、第1回転軸13回りの反射部11の回転、および第2回転軸14回りの反射部11の回転に拘らず、照射領域IAが受熱部12に対して回転することを防止することができる。
なお、反射部11では、第1回転軸13および第2回転軸14回りに回転する際、少なくとも計算上は先に第2回転軸14回りに回転してから、第1回転軸13回りに回転する必要がある。これは、上述したように、第2回転軸14回りに反射部11を回転して照射領域IAの中心位置を受熱平面Pr(受熱部12)における受熱軸線Ra上に存在させた際、照射領域IAにおける反射軸上点rp3および反射軸上点rp4を受熱平面Pr(受熱部12)における受熱軸線Ra上に存在させる必要があることによる。ここで、少なくとも計算上としたのは、反射部11における第1回転軸13および第2回転軸14回りの回転の態様により、先に第1回転軸13回りに回転してから第2回転軸14回りに回転させても、照射領域IAの中心位置を受熱平面Pr(受熱部12)における受熱軸線Ra上に存在させた際、照射領域IAにおける反射軸上点rp3および反射軸上点rp4が受熱平面Pr(受熱部12)における受熱軸線Ra上に存在させることが可能とするものであればよいことによる。このような態様で、反射部11を第1回転軸13および第2回転軸14回りに回転させることにより、その順番(同時も含む)に拘らず、照射領域IAにおける反射軸上点rp3および反射軸上点rp4を受熱平面Pr(受熱部12)における受熱軸線Ra上に存在させることができる。ここで、照射領域IAにおける反射軸上点rp3および反射軸上点rp4は、厳密には、回転の最中に一度受熱平面Pr(受熱部12)における受熱軸線Ra上から外れることとなる。しかしながら、実際には、反射部11は、太陽の日周運動に追従させるために、第1回転軸13および第2回転軸14回りに回転されるものであることから、短時間で極めて小さな移動を繰り返すことにより、実質的に反射軸上点rp3および反射軸上点rp4が受熱軸線Ra上から外れていないものとすることができる。
本実施例では、反射部11を、先に第2回転軸14回りに回転してから第1回転軸13回りに回転することにより、反射部11の角度を調整して太陽の日周運動に追従させて受熱部12(受熱平面Pr)に照射領域IAを形成するものとしている。詳細には、先に第2回転軸14回りに反射部11を回転させることにより、当該反射部11からの反射光を受熱部12(受熱平面Pr)に向かわせるものとし、その後で第1回転軸13回りに反射部11を回転することにより反射光が受熱軸線Raに直交する方向で受熱部12(受熱平面Pr)に向かわせるものとする。これにより、照射領域IAの中心位置を受熱平面Pr(受熱部12)における受熱軸線Ra上に存在させた際、照射領域IAにおける反射軸上点rp3および反射軸上点rp4を受熱平面Pr(受熱部12)における受熱軸線Ra上に存在させるための、反射部11の回転駆動制御(反射部11の角度設定およびそのための駆動制御)を簡易なものとすることができる。
ここで、上記した反射部11を適宜回転させることにより太陽の日周運動に追従させて受熱部12(受熱平面Pr)に照射領域IAを形成した際の当該照射領域IAの様子を図18から図27のグラフで示す。この図18から図27のグラフでは、上述した設定で受熱部12(その受熱軸線Ra)に対する絶対的な位置を固定(絶対的な位置関係が変化しない)した第1回転軸13および第2回転軸14回りに反射部11を回転した場合であっても、太陽の日周運動に追従させて受熱部12(受熱平面Pr)に照射領域IAを形成することができることを示している。その図18から図20では、集光装置10を緯度35度の地点に上述した構成で設置し、夏至の日の太陽の日周運動に対応させたものとしている。図21から図23では、集光装置10を緯度35度の地点に上述した構成で設置し、春分の日の太陽の日周運動に対応させたものとしている。図24から図26では、集光装置10を緯度35度の地点に上述した構成で設置し、冬至の日の太陽の日周運動に対応させたものとしている。図27では、集光装置10を緯度0度の地点に上述した構成で設置し、春分の日の太陽の日周運動に対応させたものとしている。
そして、図18から図27では、受熱部12の設置基準面Pbからの高さ寸法Hを14mとしている。図18、図21および図24では、反射部11の南北方向で見た受熱部12に対する距離Lを−10mとしている。すなわち、反射部11は、受熱部12に対して南側10mの位置に設けられており、中心位置Cから受熱部12の受熱軸線Raへと伸びる線分(第1平面P1)の天頂角が−35.54度(東側から見て反時計回りの回転方向が正側)とされている。この天頂角は、距離Lが−10mとなる反射部11の第1回転軸13と設置基準面Pbとが為す角度と等しいものとなる。図19、図22、図25および図27では、反射部11の南北方向で見た受熱部12に対する距離Lを10mとしている。すなわち、反射部11は、受熱部12に対して北側10mの位置に設けられており、中心位置Cから受熱部12の受熱軸線Raへと伸びる線分(第1平面P1)の天頂角が35.54度とされている。この天頂角も、距離Lが10mとなる反射部11の第1回転軸13と設置基準面Pbとが為す角度と等しいものとなる。図20、図23および図26では、反射部11の南北方向で見た受熱部12に対する距離Lを20mとしている。すなわち、反射部11は、受熱部12に対して北側20mの位置に設けられており、中心位置Cから受熱部12の受熱軸線Raへと伸びる線分(第1平面P1)の天頂角が55.01度とされている。この天頂角も、距離Lが20mとなる反射部11の第1回転軸13と設置基準面Pbとが為す角度と等しいものとなる。
図18から図27では、受熱平面Prにおいて受熱軸線Raと照射領域IAの照射軸線Iaとが為す角度を角度θaとし、受熱平面Prを反射部11側から見て反時計回りの回転方向を角度θaの正方向としている。また、図18から図27では、第2回転軸14回りに回転した際の反射部11と設置基準面Pbとが為す角度を角度θ2とし、東側から見て反時計回りの回転方向を角度θ2の正方向としている。この角度θ2は、南北方向と天頂方向とを含む面において、その天頂方向を基準として、中心位置Cにおける反射光(中心位置Cからの反射光束)が向かう方向が為す角度を示している。さらに、図18から図27では、第1回転軸13回りに回転した際の第1平面P1上での反射部11と設置基準面Pbとが為す角度を角度θ1とし、第1回転軸13における南側から見て反時計回りの回転方向を角度θ1の正方向としている。この角度θ1は、中心位置Cにおける反射光(中心位置Cからの反射光束)が向かう方向と、受熱軸線Ra(東西方向)に直交する第2平面P2と、が為す角度を示しており、南中時刻には0度となる。
この図18から図27では、受熱平面Prにおいて受熱軸線Raと照射領域IAの照射軸線Iaとが為す角度θaが常に0度であることから、太陽の日周運動に対応させた第1回転軸13および第2回転軸14回りの反射部11の回転に起因して、照射領域IAが受熱部12(その受熱軸線Ra)に対して回転することが防止されていることがわかる。そして、図18から図20、図21から図23もしくは図24から図26に示すように、受熱部12に対する各反射部11の位置(受熱部12に対する距離L(受熱部12に対する南北の変化も含む))の変化に起因して太陽の日周運動に対応させた第1回転軸13および第2回転軸14回りの各反射部11の回転の態様が異なるものとされても、照射領域IAが受熱部12(その受熱軸線Ra)に対して回転することが防止されていることがわかる。また、図18から図20と、図21から図23と、図24から図26と、を比較して明らかなように、季節の変化に起因して太陽の日周運動に対応させた第1回転軸13および第2回転軸14回りの反射部11の回転の態様が異なるものとされても、照射領域IAが受熱部12(その受熱軸線Ra)に対して回転することが防止されている。さらに、図22と図27とを比較して明らかなように、集光装置10の設置位置(緯度)の変化に起因して太陽の日周運動に対応させた第1回転軸13および第2回転軸14回りの反射部11の回転の態様が異なるものとされても、照射領域IAが受熱部12(その受熱軸線Ra)に対して回転することが防止されている。このことは、明確な図示は略すが、設置位置が北半球と南半球とで変化した場合であっても同様である。よって、本発明の分割式線形フレネル型の集光装置10では、効率よく太陽光を受熱部12に集光することができることがわかる。
このことから、本発明に係る実施例の集光装置10では、各反射部11の第1回転軸13を、受熱部12(被照射部)の受熱軸線Ra(被照射軸線)および各反射部11における中心位置Cを含む第1平面P1に直交するとともに当該中心位置Cを通る線分としているので、各反射部11を対応する第1回転軸13回りに回転させても、被照射部としての受熱部12(その被照射面)に形成する照射領域IAが受熱軸線Ra(被照射軸線)に対して回転することを防止することができる。
また、集光装置10では、各反射部11を対応する第1回転軸13回りに回転させても、受熱部12(その被照射面)に形成する照射領域IAが回転することを防止することができるので、太陽の位置の変化に応じて第1回転軸13回りに各反射部11を回転させても、常に効率よく太陽光を受熱部12に集光することができる。
さらに、集光装置10では、太陽の位置の変化に応じて第1回転軸13回りに各反射部11を回転させても、受熱部12(その被照射面)に形成する照射領域IAが回転することを防止することができるので、各反射部11における第1回転軸13回りの回転角度が大きくなる場面であっても、効率よく太陽光を受熱部12に集光することができる。このため、集光装置10では、南中時刻と太陽の高度の低い朝夕との間で得られる太陽エネルギー(熱エネルギー)の変動を小さくすることができる。
集光装置10では、各反射部11を対応する第1回転軸13回りに回転させても、受熱部12(その被照射面)に形成する照射領域IAが回転することを防止することができるので、効率よく集光する観点から受熱部12(その被照射面)の大きさ寸法に適合させて各反射部11が形成する照射領域IAの大きさ寸法を設定することにより、太陽の位置の変化に応じる第1回転軸13回りの各反射部11の回転姿勢の変化に拘らず、常により効率よく太陽光を受熱部12に集光することができる。
集光装置10では、受熱部12に対する各反射部11の位置関係により反射部11毎に第1回転軸13を設定するものであることから、第1回転軸13の設定のために各反射部11の配置および大きさ寸法や受熱部12の配置および大きさ寸法が制限されることを防止することができる。
集光装置10では、第1回転軸13の設定のために各反射部11の配置および大きさ寸法や受熱部12の配置および大きさ寸法が制限されることを防止することができるので、効率よく集光する観点から受熱部12(その受熱軸線Ra)と平行な方向で見た各反射部11の大きさ寸法を大きく設定することができる。このため、複数の反射部11の配置のための領域を等しいものとすると、反射部11の個数を低減しつつ同等の集光性能を得ることができる。
集光装置10では、受熱軸線Ra(被照射軸線)を東西方向と平行として受熱部12(被照射部)を設けることにより、太陽の位置の変化に応じて第1回転軸13回りに各反射部11を回転させることで、基本的に太陽の日周運動に対応して反射光を受熱部12へと向かわせることができるので、太陽の高度の低い朝方から夕刻に渡ってより効率よく太陽光を受熱部12に集光することができる。
集光装置10では、各反射部11の第2回転軸14を、第1平面P1に含まれるもの(第1平面P1上)であって対応する反射部11の中心位置Cを通る線分としているので、その第2回転軸14回りに各反射部11を回転させても、受熱部12(その被照射面)に形成する照射領域IAが回転することを防止することができる。
集光装置10では、各反射部11を対応する第1回転軸13および第2回転軸14回りに回転させても、受熱部12(その被照射面)に形成する照射領域IAが回転することを防止することができるので、太陽の位置の変化に適切に対応して第1回転軸13および第2回転軸14回りに各反射部11を回転させることで、常に効率よく換言すると効率を安定化させて太陽光を受熱部12に集光することができる。このため、集光装置10では、南中時刻と太陽の高度の低い朝夕との間で得られる太陽エネルギー(熱エネルギー)の変動をより小さくすることができる。
集光装置10では、太陽の位置の変化に適切に対応して第1回転軸13および第2回転軸14回りに各反射部11を回転させても、受熱部12(その被照射面)に形成する照射領域IAが回転することを防止することができるので、各反射部11における第1回転軸13および第2回転軸14回りの回転角度が大きくなる場面であっても、効率よく太陽光を受熱部12に集光することができる。
集光装置10では、受熱部12に対する各反射部11の位置関係により反射部11毎に第1回転軸13および第2回転軸14を設定するものであることから、第1回転軸13および第2回転軸14の設定のために各反射部11の配置および大きさ寸法や受熱部12の配置および大きさ寸法が制限されることを防止することができる。
集光装置10では、第1回転軸13および第2回転軸14の設定のために各反射部11の配置および大きさ寸法や受熱部12の配置および大きさ寸法が制限されることを防止することができるので、効率よく集光する観点から受熱部12(その受熱軸線Ra)と平行な方向で見た各反射部11の大きさ寸法を大きく設定することができる。このため、複数の反射部11の配置のための領域を等しいものとすると、反射部11の個数を低減しつつ同等の集光性能を得ることができる。
集光装置10では、受熱軸線Raを東西方向と平行として受熱部12を設けることにより、太陽の位置の変化に応じて第1回転軸13および第2回転軸14回りに各反射部11を回転させることで、太陽の日周運動に適切に対応して反射光を受熱部12へと向かわせることができるので、太陽の高度の低い朝方から夕刻に渡ってより効率よく太陽光を受熱部12に集光することができる。
集光装置10では、受熱軸線Ra(被照射軸線)を東西方向と平行として受熱部12(被照射部)を設けるとともに、第2回転軸14を対応する反射部11の中心位置Cを通りつつ、受熱部12の受熱軸線Raと平行な線分に設定していることから、受熱軸線Raと平行な東西方向で並ぶ複数の反射部11の第2回転軸14を共通化することができる。すなわち、受熱軸線Raと平行な東西方向で並ぶ複数の反射部11においては、互いに等しい位置で受熱軸線Ra(東西方向)に伸びるものとすることができるので、それぞれの第2回転軸14を互いに繋ぎ合わせて単一のものとすることができる。このため、第2回転軸14回りに反射部11を回転駆動させる第2駆動部22の個数を低減することができ、より簡易な構成とすることができる。
集光装置10では、第2回転軸14を対応する反射部11の中心位置Cを通りつつ受熱部12の受熱軸線Raと平行な線分に設定していることから、何れの反射部11であっても第1回転軸13と第2回転軸14とを直交させることができる。このため、各反射部11の角度設定(そのための駆動制御)を容易なものとすることができる。
集光装置10では、季節の変化に起因して、太陽の日周運動に対応させた第1回転軸13および第2回転軸14回りの各反射部11の回転の態様を異なるものとしても、照射領域IAが受熱部12(その受熱軸線Ra)に対して回転することを防止することができるので、1年を通してより効率よく換言すると効率を安定化させて太陽光を受熱部12に集光することができる。
集光装置10では、設置位置の変化に起因して、太陽の日周運動に対応させた第1回転軸13および第2回転軸14回りの各反射部11の回転の態様を異なるものとしても、照射領域IAが受熱部12(その受熱軸線Ra)に対して回転することを防止することができるので、設置位置が制限されることを防止することができる。
集光装置10では、受熱軸線Raと平行な方向で見て、受熱部12の両端部が、各反射部11が設けられた箇所の外方へと伸びるものとされていることから、それぞれの受熱部12の端部を接続して複数設けることで、大規模な太陽光集光施設を簡易に構築することができる。
太陽熱発電装置30では、集光装置10を備えるものであることから、その集光装置10において上述した各効果を得ることができるので、当該集光装置10により受熱部12に集光された太陽光から取得した熱を利用して発電することにより、効率よく太陽エネルギー(熱エネルギー)を利用して電力を生成(発電)することができる。
太陽熱発電装置30では、設置位置の変化に拘らず1年を通してより効率よく太陽光を受熱部12に集光することができる集光装置10を備えることから、その受熱部12で取得した熱を用いることで季節や設置位置の変化に拘らず1日を通じてより効率よく、換言すると効率を安定化させて太陽エネルギー(熱エネルギー)を利用して電力を生成(発電)することができる。
太陽熱発電装置30では、大規模な太陽光集光施設を簡易に構築することができる集光装置10を備えることから、簡易に大規模な太陽光発電施設とすることができる。
したがって、本発明に係る実施例の集光装置10では、効率よく太陽光を被照射部としての受熱部12に集光することができる。
なお、上記した実施例では、本発明に係る集光装置の一例としての集光装置10について説明したが、第1回転軸回りに回転可能であるとともに第2回転軸回りに回転可能な複数の反射部と、前記各反射部からの反射光で照射される被照射部と、を備え、前記第1回転軸は、前記反射部毎に、前記被照射部に設定された受熱軸線および対応する前記反射部の中心位置を含む第1平面に直交するとともに前記中心位置を通る線分としている集光装置であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、被照射軸線としての受熱軸線Raを東西方向に沿わせて(東西方向と平行として)被照射部としての受熱部12を設けていたが、第1回転軸13を受熱部12の受熱軸線Raおよび各反射部11における中心位置Cを含む第1平面P1に直交するとともに当該中心位置Cを通る線分とするものであれば、受熱部12(受熱軸線Ra)の伸びる方向は適宜設定すればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例では、集光装置10における被照射部として受熱部12を設けていたが、被照射部は、各反射部11により集光された太陽エネルギーを利用すべく設けられるものであれば、図28に示すように受熱部12に換えて太陽光(その光エネルギー)を直接電力に変換する電力機器である太陽電池41を設ける集光装置10´であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。その図28では、集光装置10´を備えて構成した太陽光発電装置40を示している。その太陽光発電装置40では、集光装置10´の被照射部を太陽電池41としていることから、上記した太陽熱発電装置30のように循環パイプ31とタービン32と発電機33と凝集機34(図1参照)とを設けることなく、太陽エネルギー(その光エネルギー)を利用して電力を生成することができる。このため、太陽光発電装置40では、集光装置10´の太陽電池41に出力線42が設けられている。その出力線42は、配電路に接続されており、太陽電池41で生成(発電)した電力を配電路へと出力することができる。なお、集光装置10´は、受熱部12を太陽電池41に換えたことを除くと、集光装置10と同様の構成とされている。このように、太陽光発電装置40は、太陽エネルギーから電力を生成するソーラー発電装置のうちの太陽の光エネルギーを利用して電力を生成(発電)する発電装置となる。このように太陽光発電装置40を構成する場合であっても、被照射部の大きさ寸法を増大させることは太陽電池41の増加を招くことから望ましくない。このため、太陽光発電装置40では、上記した集光装置10のように各反射部11を対応する第1回転軸13回りに回転させても受熱部12(被照射部)に形成する照射領域IAが受熱軸線Ra(被照射軸線)に対して回転することを防止することで、太陽の位置の変化に応じて第1回転軸13回りに各反射部11を回転させても常に効率よく太陽光を受熱部12に集光することができることにより、効率よく太陽エネルギーを利用して電力を生成(発電)することができる。なお、このように太陽光発電装置40を構成する場合、太陽電池41におけるエネルギー変換効率の低下を防止するために、太陽電池41を冷却する機構を設けることが望ましい。
上記した実施例では、平坦な鏡で形成された各反射部11を用いていたが、図29に示すように、反射面における受熱部12(被照射部)の受熱軸線Ra(被照射軸線)に沿う方向(図示の例では東西方向)では直線状であって、反射面における受熱部12の受熱軸線Raと直交する方向(図示の例では南北方向)に沿う方向では曲線状とされた鏡で形成した各反射部11´を用いる集光装置10´´であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。この集光装置10´´は、各反射部11が各反射部11´とされていることを除くと、集光装置10と同様の構成とされている。その反射部11´では、南北方向に沿う方向で湾曲(曲線状と)されていることから、南北方向に沿う方向に集光する作用を有し、かつ東西方向に沿う方向では集光する作用を有していない。
上記した実施例では、各反射部11が、平坦な鏡で形成されて法線方向で見ると長方形状とされていたが、各反射部11を対応する第1回転軸13回りに回転させた際に被照射部としての受熱部12(被照射部)に形成する照射領域IAが受熱軸線Ra(被照射軸線)に対して回転することにより受熱部12(その被照射面)における照射領域IAの態様が変化するものであれば、法線方向で見た形状は適宜設定すればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、各反射部11が、受熱軸線Ra(被照射軸線)が伸びる方向に沿う照射領域IAを受熱部12(被照射部)に形成するものとされていたが、照射領域IAにおいて太陽の像を受熱部12に形成するものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、被照射部を被照射軸線(受熱軸線Ra)方向に長尺な受熱部12として複数の反射ラインLn(図1の例では4列(n=1〜4)を跨いで設けていたが、各反射部11を対応する第1回転軸13回りに回転させた際に被照射部に形成する照射領域IAが被照射軸線に対して回転することを防止することにより同様の効果を得ることができるものであれば、各反射部11が形成する照射領域IAと一致する形状とされているものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、被照射部としての受熱部12が、複数の集熱パイプ15と断熱外壁16と吸熱網17とを有するものとされていたが、各反射部11から照射される太陽光の反射光を受光して集熱するものであれば、例えば、熱媒体を循環させる筒状のパイプ部材のみで構成されていてもよく、そのパイプ部材の上方に断熱部材を設けるものであってもよく、そのパイプ部材や集熱パイプ15に集光すべく複合放物面トラフ鏡(CPC=Compound Parabolic Concentrator(多焦点放物面鏡))を設けるものであってもあってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、各反射部11の中心位置Cを、その反射部11における中心位置としていたが、各反射部11の第1回転軸13および第2回転軸14回りの回転の共通する中心位置となるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
以上、本発明の集光装置、それを用いた太陽熱発電装置および太陽光発電装置を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
10、10´、10´´ 集光装置
11 反射部
12 (被照射部としての)受熱部
13 第1回転軸
14 第2回転軸
30 太陽熱発電装置
32 タービン
33 発電機
40 太陽光発電装置
41 (被照射部としての)太陽電池
C 中心位置
P1 第1平面
Ra (被照射軸線としての)受熱軸線
特開2010−286200号公報

Claims (10)

  1. 第1回転軸回りに回転可能であるとともに第2回転軸回りに回転可能な複数の反射部と、
    前記各反射部からの反射光で照射される被照射部と、を備え、
    前記第1回転軸は、前記反射部毎に、前記被照射部に設定された被照射軸線および対応する前記反射部の中心位置を含む第1平面に直交するとともに前記中心位置を通る線分としていることを特徴とする集光装置。
  2. 前記被照射部は、前記被照射軸線が伸びる方向に長尺であることを特徴とする請求項1に記載の集光装置。
  3. 前記第2回転軸は、前記反射部毎に、前記第1平面に含まれるものであって対応する前記反射部の前記中心位置を通る線分としていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の集光装置。
  4. 前記第2回転軸は、前記被照射軸線と平行であることを特徴とする請求項3に記載の集光装置。
  5. 前記各反射部は、前記被照射部の下方において、前記被照射軸線と平行な方向と、該被照射軸線と直交する方向と、で並列されて設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の集光装置。
  6. 前記各反射部は、前記被照射部の下方において、前記被照射軸線と平行な方向と、該被照射軸線と直交する方向と、で並列されて設けられ、
    前記第2回転軸は、前記被照射軸線と平行な方向で並列された前記各反射部においては、互いに繋ぎ合わせて単一のものとすることを特徴とする請求項4に記載の集光装置。
  7. 前記被照射軸線は、東西方向に沿って設定されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の集光装置。
  8. 前記各反射部は、前記被照射軸線と直交する方向に集光する作用を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の集光装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の集光装置と、
    前記集光装置で取得した熱エネルギーを回転運動に変換するタービンと、
    前記タービンの回転運動により電力を生成する発電機と、を備え、
    前記集光装置では、前記被照射部として、前記各反射部から照射される反射光を受光して集熱する受熱部を設けていることを特徴とする太陽熱発電装置。
  10. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の集光装置を備え、
    前記集光装置では、前記被照射部として、前記各反射部から照射される反射光を電力に変換する太陽電池を設けていることを特徴とする太陽光発電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015001323A (ja) * 2013-06-14 2015-01-05 株式会社リコー 集光装置

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