JP2014163416A - 電動アクチュエータ - Google Patents

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Yasushi Tateishi
康司 立石
Yoshinori Ikeda
良則 池田
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Abstract

【課題】歯車減速機構の騒音の発生を抑制すると共に、組立工数を削減し、組立作業性を向上させて低コスト化を図った電動アクチュエータを提供する。
【解決手段】ボールねじ機構8が、ハウジング2に対し一対の支持軸受14、15を介して回転可能に、かつ軸方向移動不可に支持され、内周に螺旋状のねじ溝13aが形成されたナット13と、これに多数のボール12を介して内挿され、駆動軸7と同軸状に一体化されて外周に螺旋状のねじ溝10aが形成され、ハウジング2に対し回転不可に、かつ軸方向移動可能に支持されたねじ軸10で構成された電動アクチュエータ1において、ナット13の外周に大歯車5と、この両側に一対の支持軸受14、15が大歯車5を挟持した状態で位置決め固定されると共に、小歯車4と大歯車5が、ねじれ角が5°〜15°の範囲に設定された焼結体製のはす歯歯車で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の駆動部に使用されるボールねじ機構を備えた電動アクチュエータ、詳しくは、自動車のトランスミッションやパーキングブレーキ等で、電動モータからの回転入力を、ボールねじ機構を介して駆動軸の直線運動に変換する電動アクチュエータに関するものである。
各種駆動部に使用される電動アクチュエータにおいて、電動モータの回転運動を軸方向の直線運動に変換する機構として、台形ねじあるいはラックアンドピニオン等の歯車機構が一般的に使用されている。これらの変換機構は、滑り接触部を伴うため動力損失が大きく、電動モータの大型化や消費電力の増大を余儀なくされている。そのため、より効率的なアクチュエータとしてボールねじ機構が採用されるようになってきた。
従来、図3に示すような電動アクチュエータが知られている。この電動アクチュエータ50は、回転運動を直線運動に変換するボールねじ51を備えたアクチュエータ本体52と、電動モータ53の回転運動をアクチュエータ本体52に伝達する歯車減速機構54と、歯車減速機構54を構成する第1大歯車55に係合してアクチュエータ本体52を位置保持する位置保持機構56とを備えている。
ボールねじ51は、外周面に螺旋状のねじ溝57aが形成され、出力軸としてのねじ軸57と、このねじ軸57に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝58aが形成されたナット58と、対向する両ねじ溝57a、58aによって形成された転動路に転動自在に収容された多数のボール59とを備えている。
アクチュエータ本体52は、ハウジング60の内周に、ナット58が一対の玉軸受61、62を介して回転自在に支持されると共に、ねじ軸57が、ハウジング60に対して相対回転不能で、かつ軸方向に移動自在に支持されている。そして、ナット58が歯車減速機構54を介して回転駆動されることにより、ねじ軸57が直線運動に変換される。
歯車減速機構54は、電動モータ53のモータ軸53aに固定された小径の平歯車からなる第1大歯車55と、この第1大歯車55に噛合し、ナット58の外周に一体に形成された大径の平歯車からなる第2歯車63とから構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
こうした自動車等の車両の駆動部に使用される電動アクチュエータ50において、耐久性の向上や低コスト化は無論のこと、最近、エンジンの静寂性が進み、以前にも増してこうした電動アクチュエータ50に対して、騒音(NOISE)、振動(VIBRATION)、不快音(HARSHNESS)、所謂NVHの向上に対する要望が強くなってきている。そのため、歯車減速機構等の騒音を抑える改良がなされている。
例えば、可変圧縮比機構に適用されるアクチュエータにおいて、モータと送りねじ機構をなすアクチュエータシャフトとはす歯歯車で構成された歯車列とを備え、機関圧縮比を高圧縮比側から低圧縮比側に変更する際に、筒内圧に起因してアクチュエータシャフトに作用するアクチュエータシャフトの軸方向に沿った第1スラスト力の作用方向と同じ方向に、歯車列の最終歯車にスラスト力が生じるよう歯車列を設定し、送りねじ機構の軸方向に沿ったバックラッシュを除去して異音の発生を抑制する機構(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
特開2009−156416号公報 特開2007−247538号公報
然しながら、このアクチュエータでは、送りねじからなる変換機構が滑り接触であるため動力損失が大きく、騒音の発生が余儀なくされるだけでなく、歯車列の機構が複雑で部品点数が多く、組立工数が嵩んで製造コストが高騰する問題があった。
本発明は、こうした従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、歯車減速機構のはす歯歯車におけるねじれ角を最適化に着目し、歯車減速機構の騒音の発生を抑制すると共に、組立工数を削減し、組立作業性を向上させて低コスト化を図った電動アクチュエータを提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、円筒状のハウジングと、このハウジングに取り付けられた電動モータと、この電動モータの回転力を、モータ軸を介して伝達する減速機構と、この減速機構を介して前記電動モータの回転運動を駆動軸の軸方向の直線運動に変換するボールねじ機構と、を備え、このボールねじ機構が、前記ハウジングに装着された一対の支持軸受を介して回転可能に、かつ軸方向移動不可に支持され、内周に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、このナットに多数のボールを介して内挿され、前記駆動軸と同軸状に一体化されて外周に前記ナットのねじ溝に対応する螺旋状のねじ溝が形成され、前記ハウジングに対して回転不可に、かつ軸方向移動可能に支持されたねじ軸とで構成されると共に、前記減速機構が前記モータ軸に固定された小歯車と、この小歯車に噛合され、前記ナットの外周に設けられた大歯車とで構成された自動車の駆動部に使用される電動アクチュエータにおいて、前記ナットの外周に前記大歯車と、この両側に前記一対の支持軸受が前記大歯車を挟持した状態で位置決め固定されると共に、前記小歯車と大歯車がはす歯歯車で構成されている。
このように、電動モータの回転力を伝達する減速機構と、この減速機構を介して電動モータの回転運動を駆動軸の軸方向の直線運動に変換するボールねじ機構と、を備え、ボールねじ機構が、ハウジングに装着された一対の支持軸受を介して回転可能に、かつ軸方向移動不可に支持され、内周に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、このナットに多数のボールを介して内挿され、駆動軸と同軸状に一体化されて外周にナットのねじ溝に対応する螺旋状のねじ溝が形成され、ハウジングに対して回転不可に、かつ軸方向移動可能に支持されたねじ軸とで構成されると共に、減速機構がモータ軸に固定された小歯車と、この小歯車に噛合され、ナットの外周に設けられた大歯車とで構成された自動車の駆動部に使用される電動アクチュエータにおいて、ナットの外周に大歯車と、この両側に一対の支持軸受が大歯車を挟持した状態で位置決め固定されると共に、小歯車と大歯車がはす歯歯車で構成されているので、減速機構の騒音の発生を抑制すると共に、部品点数の削減に伴う組立工数を削減し、組立作業性を向上させて低コスト化を図った電動アクチュエータを提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記小歯車と大歯車のねじれ角が5°〜15°の範囲に設定されていれば、軸方向からの組立を可能にし、ハウジングの分割を最小限にすることができると共に、両歯車の噛み合いにより発生する誘起スラスト荷重を小さくすることができ、抜け構造部材を簡素化することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記小歯車と大歯車のうち少なくとも前記大歯車が焼結体で形成されていれば、大歯車とナットを一体に成形することもでき、部品点数を削減して低コスト化を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記小歯車と大歯車が焼結含油金属で成形されていれば、潤滑油の保持容積を確保する点で非常に好適であり、摩耗や焼付きを効果的に防止することができ、減速機構の耐久性を向上させることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記小歯車と大歯車の噛み合い率が略2.0に規定されていれば、誤差の周期的な変動が減少し、切削された歯車に遜色なく良好な運転性能を発揮することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記小歯車が前記モータ軸の端部に装着された止め輪によって位置決め固定されると共に、前記大歯車が前記ナットの外周面に形成された鍔部によって位置決め固定され、前記ねじれ角の方向に対して、誘起スラスト荷重が発生する方向と抜け止めの方向が一致するように設定されていれば、モータ軸を段付き形状にして抜け止めする必要がなくなり、モータ軸をストレート形状にすることができると共に、抜け構造部材としての鍔部の構造を大掛かりな構造にすることなく簡素化することができる。
本発明に係る電動アクチュエータは、円筒状のハウジングと、このハウジングに取り付けられた電動モータと、この電動モータの回転力を、モータ軸を介して伝達する減速機構と、この減速機構を介して前記電動モータの回転運動を駆動軸の軸方向の直線運動に変換するボールねじ機構と、を備え、このボールねじ機構が、前記ハウジングに装着された一対の支持軸受を介して回転可能に、かつ軸方向移動不可に支持され、内周に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、このナットに多数のボールを介して内挿され、前記駆動軸と同軸状に一体化されて外周に前記ナットのねじ溝に対応する螺旋状のねじ溝が形成され、前記ハウジングに対して回転不可に、かつ軸方向移動可能に支持されたねじ軸とで構成されると共に、前記減速機構が前記モータ軸に固定された小歯車と、この小歯車に噛合され、前記ナットの外周に設けられた大歯車とで構成された自動車の駆動部に使用される電動アクチュエータにおいて、前記ナットの外周に前記大歯車と、この両側に前記一対の支持軸受が前記大歯車を挟持した状態で位置決め固定されると共に、前記小歯車と大歯車がはす歯歯車で構成されているので、減速機構の騒音の発生を抑制すると共に、部品点数の削減に伴う組立工数を削減し、組立作業性を向上させて低コスト化を図った電動アクチュエータを提供することができる。
本発明に係る電動アクチュエータの一実施形態を示す縦断面図である。 図1のアクチュエータ本体を示す縦断面図である。 従来の電動アクチュエータを示す縦断面図である。
円筒状のハウジングと、このハウジングに取り付けられた電動モータと、この電動モータの回転力を、モータ軸を介して伝達する減速機構と、この減速機構を介して前記電動モータの回転運動を駆動軸の軸方向の直線運動に変換するボールねじ機構と、を備え、このボールねじ機構が、前記ハウジングに装着された一対の支持軸受を介して回転可能に、かつ軸方向移動不可に支持され、内周に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、このナットに多数のボールを介して内挿され、前記駆動軸と同軸状に一体化されて外周に前記ナットのねじ溝に対応する螺旋状のねじ溝が形成され、前記ハウジングに対して回転不可に、かつ軸方向移動可能に支持されたねじ軸とで構成されると共に、前記減速機構が前記モータ軸に固定された小歯車と、この小歯車に噛合され、前記ナットの外周に設けられた大歯車とで構成された自動車の駆動部に使用される電動アクチュエータにおいて、前記ナットの外周に前記大歯車と、この両側に前記一対の支持軸受が前記大歯車を挟持した状態で位置決め固定されると共に、前記小歯車と大歯車が、ねじれ角が5°〜15°の範囲に設定された焼結体製のはす歯歯車で構成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る電動アクチュエータの一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1のアクチュエータ本体を示す縦断面図である。
この電動アクチュエータ1は、図1に示すように、円筒状のハウジング2と、このハウジング2に取り付けられた電動モータ3と、この電動モータ3の回転力を、モータ軸3aを介して伝達する後述する一対の歯車4、5からなる減速機構6と、この減速機構6を介して電動モータ3の回転運動を駆動軸7の軸方向の直線運動に変換するボールねじ機構8と、このボールねじ機構8を備えたアクチュエータ本体9とを備えている。
ハウジング2は、第1のハウジング2aと、その端面に衝合された第2のハウジング2bとからなり、A6061やADC12等のアルミ合金からダイキャストによって形成されている。また、ハウジング2には、高温に加熱して固溶体を形成させる溶体化処理、それを水中で急速冷却する焼き入れ処理、続いて室温に保持あるいは低温(100〜200℃)に加熱して析出させる時効硬化処理(焼きもどし処理)で構成される熱処理によって、析出相に大きな格子ひずみを生じさせ硬化させる方法、所謂析出硬化処理が施されている。これにより、量産性が良くなり、低コスト化を図ることができる共に、強度を高めてアルミ使用量を削減し、軽量化を達成することができる。そして、固定ボルト(図示せず)によって一体に固定されている。第1のハウジング2aには電動モータ3が取り付けられている。
電動モータ3のモータ軸3aの端部に入力側の小歯車4が圧入により相対回転不能に取り付けられ、この小歯車4に噛合する出力側の大歯車5は、後述するボールねじ機構8を構成するナット13の外径に固定されている。
駆動軸7は、ボールねじ機構8を構成するねじ軸10と一体に構成され、駆動軸7の一端部(図中右端部)に、例えば、電動パーキングブレーキ機構のワイヤー(図示せず)に連結するための孔7aが形成され、駆動軸7は、第1のハウジング2aに装着されたブッシュ11等により摺動可能、かつ回転不能に支持されている。
ボールねじ機構8は、図2に拡大して示すように、ねじ軸10と、このねじ軸10にボール12を介して外挿されたナット13とを備えている。ねじ軸10は、外周に螺旋状のねじ溝10aが形成され、軸方向移動自在に、かつ回転不可に支承されている。一方、ナット13は、ねじ軸10に外装されると共に、内周にねじ軸10のねじ溝10aに対応する螺旋状のねじ溝13aが形成され、これらねじ溝10a、13aとの間に多数のボール12が転動自在に収容されている。そして、ナット13は、ハウジング(図示せず)に対して、一対の支持軸受14、15を介して回転自在に、かつ軸方向移動不可に支承されている。16は、ナット13のねじ溝13aを連結して循環部材を構成する駒部材で、この駒部材16によって多数のボール12が無限循環することができる。
各ねじ溝10a、13aの断面形状は、サーキュラアーク形状であってもゴシックアーク形状であっても良いが、ここではボール12との接触角が大きくとれ、アキシアルすきまが小さく設定できるゴシックアーク形状に形成されている。これにより、軸方向荷重に対する剛性が高くなり、かつ振動の発生を抑制することができる。
ナット13はSCM415やSCM420等の肌焼き鋼からなり、真空浸炭焼入れによってその表面に55〜62HRCの範囲に硬化処理が施されている。これにより、熱処理後のスケール除去のためのバフ加工等を省略することができ、低コスト化を図ることができる。一方、ねじ軸10はS55C等の中炭素鋼あるいはSCM415やSCM420等の肌焼き鋼からなり、高周波焼入れ、あるいは浸炭焼入れによってその表面に55〜62HRCの範囲に硬化処理が施されている。
ナット13の外周面13bには減速機構6を構成する出力側の大歯車5がキー17を介して固定されると共に、この大歯車5の両側に一対の支持軸受14、15が所定のシメシロを介して圧入されている。そして、一対の支持軸受14、15が大歯車5を挟持した状態で、ナット13の一端部(図中左側)に形成された鍔部18によって位置決め固定されている。
小歯車4と大歯車5は焼結含油金属(以下、焼結体という。)から成形されている。この焼結体は、以下の工程によって製造される。すなわち、金属粉末(例えばCu系粉末やFe系粉末等、合金粉末やこれら異種金属の混合粉末を含む。)を成形金型内部に充填し、これを圧縮成形することで完成品に近い形状の圧粉成形体を得る。次に、この圧粉成形体を、原料となる金属粉末の焼結温度まで加熱することで焼結し、焼結多孔質体を得る。その後、この焼結多孔質体に対し、適当な金型を用いて圧迫力を付与することで、当該焼結多孔質体を所定形状に整形すると共に、その寸法(例えば外径寸法や軸方向寸法)を所定範囲内に仕上げる、所謂サイジング工程を経て、焼結体に熱処理を施し、最後に、焼結体に潤滑流体としての潤滑油(または潤滑グリース)を含浸させることによって得られる。
前述した工程で得られた焼結体に対し、適当な熱処理を施し、焼結体のうち歯面となる領域の硬度を、例えば、浸炭焼き入れを行うことで、焼結体の表層部の硬度を向上させるようにしている。また、複数の焼結体をバレル型容器内に投入し、このバレル型容器を回転あるいは回転軸に沿って往復運動等させることにより、容器内の焼結体に相互の研磨作用を付与し、歯面を含む焼結体の表面を研磨する。これにより、先の熱処理時に焼結体表面に形成されたスケールなどの不純物を除去することができる。
焼結体に潤滑油を含浸させる含油工程では、所定の減圧環境下で、潤滑油で満たした潤滑油浴中に焼結体を一定時間浸漬させることで、内部空孔に潤滑油を含浸させると共に、含油後の状態では、歯面も潤滑油の膜で覆われた状態となっている。本実施形態では、小歯車4と大歯車5が焼結含油金属で成形されているので、潤滑油の保持容積を確保する点で非常に好適であり、摩耗や焼付きを効果的に防止することができ、減速機構6の耐久性を向上させることができる。なお、大歯車5とナット13を焼結含油金属で一体に成形しても良い。これにより、部品点数を削減できると共に、ボールねじ機構8の潤滑を簡素化でき、一層の低コスト化を図ることができる。
一対の支持軸受14、15は深溝玉軸受で構成されている。一方(図中左側)の支持軸受14は、内輪14aと、この内輪14aにボール14bを介して外挿された外輪14cとからなり、外輪14cの両端部にシールド板14d、14dが装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から摩耗粉等が軸受内部に侵入するのを防止している。また、他方(図中右側)の支持軸受15は、支持軸受14よりも小さいサイズの深溝玉軸受で構成され、内輪15aと、この内輪15aにボール15bを介して外挿された外輪15cとからなり、外輪15cの両端部にシールド板15d、15dが装着されている。
そして、前述した駆動軸7からのスラスト荷重および大歯車5を介して負荷されるラジアル荷重と誘起スラスト荷重の両方を負荷することができる。具体的には、支持軸受14は、ねじ軸10の軸端より受ける主荷重(図中矢印にて示す)に対して、主にスラスト荷重を負荷し、支持軸受15は、主にラジアル荷重を負荷する。
小歯車4と大歯車5は、それぞれはす歯歯車で構成されている。はす歯歯車は、従来から騒音を抑制する減速機構等に使用され、通常、そのねじれ角は20°〜45°の範囲で設定されている。この場合、歯車の組立は、径方向(上下方向)から組み立てる必要があり、軸方向(横方向)から組み立てるのは困難である。これでは、ハウジング2をさらに分割(3つ以上に)しなければならず、部品点数が増加すると共に、組立工数が増えて煩雑になり、製造コストの高騰を招くことになる。
本実施形態では、小歯車4と大歯車5のねじれ角が小さく設定されている。具体的には、5°〜15°の範囲に設定され、噛み合い率が略2.0に規定されている。これにより、軸方向からの組立を可能にし、ハウジング2の分割を最小限(2つ)にすることができる。また、小歯車4と大歯車5のねじれ角を小さく設定することにより、誘起スラスト荷重を小さくすることができ、抜け構造部材、ここでは、ナット13の端部に形成する鍔部18の構造を大掛かりな構造にすることなく簡素化できる。したがって、減速機構6の騒音の発生を抑制すると共に、部品点数の削減に伴う組立工数を削減し、組立作業性を向上させて低コスト化を図った電動アクチュエータを提供することができる。
一方、小歯車4と大歯車5の噛み合い率に関して、通常、誤差の周期的な変動(ウネリ)は噛み合い長さに起因し、この誤差をなくすためには、噛み合い長さ変動が生じない歯車緒元、すなわち、重なり噛み合い率を整数にする緒元を設定する必要がある。本実施形態では、小歯車4と大歯車5の噛み合い率が略2.0に設定されている。これにより、誤差の周期的な変動が減少し、切削された歯車に遜色なく良好な運転性能を発揮することができる。ここで、「略2.0」の略とは、例えば、設計の狙い値であって実質的に2.0、すなわち、加工誤差等によって生じるバラツキは当然許容されるべきものである。
また、小歯車4と大歯車5の荷重発生方向については、電動モータ3側の小歯車4は、モータ軸3aの端部(図1の右側)に抜け止め用としてC型止め輪19が装着されている。すなわち、誘起スラスト荷重が発生する方向と抜け止めの方向が一致するようにねじれ角の方向を設定させておくことにより、モータ軸3aを段付き形状にして抜け止めする必要がなくなり、モータ軸3aをストレート形状にすることができる。
一方、ナット13側の大歯車5には、小歯車4に発生する誘起スラスト荷重と大きさが同じで方向が逆になる誘起スラスト荷重が発生するが、この誘起スラスト荷重に対して、ナット13の鍔部18によって負荷することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る電動アクチュエータは、一般産業用の電動機、自動車等の駆動部に使用され、電動モータからの回転入力をボールねじ機構を介して駆動軸の直線運動に変換するボールねじ機構を備えた電動アクチュエータに適用できる。
1 電動アクチュエータ
2 ハウジング
2a 第1のハウジング
2b 第2のハウジング
3 電動モータ
3a モータ軸
4 小歯車
5 大歯車
6 減速機構
7 駆動軸
7a 孔
8 ボールねじ機構
9 アクチュエータ本体
10 ねじ軸
10a、13a ねじ溝
11 ブッシュ
12 ボール
13 ナット
13b ナットの外周面
14、15 支持軸受
14a、15a 内輪
14b、15b 転動体
14c、15c 外輪
14d、15d シールド板
16 駒部材
17 キー
18 鍔部
19 止め輪
50 電動アクチュエータ
51 ボールねじ
52 アクチュエータ本体
53 電動モータ
53a モータ軸
54 歯車減速機構
55 第1歯車
56 位置保持機構
57 ねじ軸
57a、58a ねじ溝
58 ナット
59 ボール
60 ハウジング
61、62 玉軸受
63 第2歯車

Claims (6)

  1. 円筒状のハウジングと、
    このハウジングに取り付けられた電動モータと、
    この電動モータの回転力を、モータ軸を介して伝達する減速機構と、
    この減速機構を介して前記電動モータの回転運動を駆動軸の軸方向の直線運動に変換するボールねじ機構と、を備え、
    このボールねじ機構が、前記ハウジングに装着された一対の支持軸受を介して回転可能に、かつ軸方向移動不可に支持され、内周に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、
    このナットに多数のボールを介して内挿され、前記駆動軸と同軸状に一体化されて外周に前記ナットのねじ溝に対応する螺旋状のねじ溝が形成され、前記ハウジングに対して回転不可に、かつ軸方向移動可能に支持されたねじ軸とで構成されると共に、
    前記減速機構が前記モータ軸に固定された小歯車と、この小歯車に噛合され、前記ナットの外周に設けられた大歯車とで構成された自動車の駆動部に使用される電動アクチュエータにおいて、
    前記ナットの外周に前記大歯車と、この両側に前記一対の支持軸受が前記大歯車を挟持した状態で位置決め固定されると共に、前記小歯車と大歯車がはす歯歯車で構成されていることを特徴とする電動アクチュエータ。
  2. 前記小歯車と大歯車のねじれ角が5°〜15°の範囲に設定されている請求項1に記載の電動アクチュエータ。
  3. 前記小歯車と大歯車のうち少なくとも前記大歯車が焼結体で形成されている請求項1または2に記載の電動アクチュエータ。
  4. 前記小歯車と大歯車が焼結含油金属で成形されている請求項1または2に記載の電動アクチュエータ。
  5. 前記小歯車と大歯車の噛み合い率が略2.0に規定されている請求項1乃至4いずれかに記載の電動アクチュエータ。
  6. 前記小歯車が前記モータ軸の端部に装着された止め輪によって位置決め固定されると共に、前記大歯車が前記ナットの外周面に形成された鍔部によって位置決め固定され、前記ねじれ角の方向に対して、誘起スラスト荷重が発生する方向と抜け止めの方向が一致するように設定されている請求項1乃至5いずれかに記載の電動アクチュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111903294A (zh) * 2020-08-14 2020-11-10 上海联适导航技术有限公司 一种用于农业机械无人驾驶的控制装置

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