JP2014163303A - 水冷式エンジンのサーモスタット装置 - Google Patents

水冷式エンジンのサーモスタット装置 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却水温上昇に伴う開弁開始時期を全開到達時の冷却水温度付近まで保持し得る水冷式エンジンのサーモスタット装置を提供する。
【解決手段】感熱膨張体35の体積変化により移動して複数のポート13、14、15のうちの特定のポート13を開閉する弁体31を備えた弁部材21とを備え、閉弁温度以下の範囲にあるときは閉弁位置をとり、冷却水の温度が予め設定された全開弁温度で全開弁位置をとるサーモスタット装置において、冷却水温度が予め設定された開弁開始温度に達したときに拘束を解除する弁動作制限部40を備える。開弁開始温度を全開弁温度付近まで高くすることで開弁開始温度と全開弁温度との温度差が小さくなり開弁高速応答性が確保できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、水冷式エンジンのサーモスタット装置に関し、特にワックス等の感熱膨張体により駆動されるサーモスタット装置に関する。
従来より、水冷式エンジンの冷却水温度を制御するサーモスタット装置としてワックス(パラフィンの粉末結晶体)等の感熱膨張体により駆動されるサーモスタット装置が広く使用されている。
例えば、特許文献1に開示されるサーモスタット装置100は、図5に冷却システムを示すように、ウォーターポンプ111でエンジン112からラジエータ113へ冷却水を流す流路のエンジン112とラジエータ113の冷却水入口との間に設置される。
このサーモスタット装置100は、図6に示すように、冷却水温の上昇に応じてピストン102を突出させて弁体103を弁座105から離して開弁させる第1感温素子101と、温度上昇に応じてピストン107を突出させて第1感温素子101のピストン102の先端を押して第1感温素子101及び弁体103を移動させて開弁させる第2感温素子106とを有し、第2感温素子106のピストン突出開始温度を第1感温素子101より高温に設定し、かつ第2感温素子106の温度変化当たりのピストン突出量を第1感温素子101より大きく設定して温度上昇による弁体リフト量の変化を開弁途中から急激に増大させる。
これによりサーモスタット100が小さな温度幅で閉弁状態から全開弁状態に達することで、外気温によるラジエータ113の冷却効率が変化しても、冷却水温の変化が抑制されて、エンジン112の作動状態の変化を小さく抑えることができる。
特許文献2に開示される冷却水温度制御装置は、冷却水通路中に設けた支持部材に固定したサーモスタット軸と、サーモスタット軸に沿って摺動する感温部と、感温部に沿って摺動可能なサーモスタット弁と、サーモスタット弁が当接して冷却水通路を閉路し、エンジンの負荷に応じて所定の位置となる可動弁座とを具備し、高負荷時にはサーモスタット弁の感温部による開弁温度が低くなり、低負荷時には開弁温度が高くなるように可動式弁座及びサーモスタット弁の感温部に対する位置を制御することで、内燃機関の負荷に応じて開弁温度を制御する。
特許文献3には、冷却水路中に設けられた弁と、流体温度に応じて弁体を移動させて弁を開閉する感温作動体を設けたサーモスタットであって、外気温に応じてヒータによって感温特性を変える可変感温特性サーモスタットが開示される。
特開昭61−101617号公報 特開昭58−30413号公報 特開昭60−121377号公報
上記引用文献1のサーモスタット装置によると、ピストンを突出させて弁体を弁座から離して開弁させる第1感温素子と、ピストンを突出させて第1感温素子のピストンを押して第1感温素子及び弁体を移動させて開弁させる第2感温素子を備え、第2感温素子のピストン突出開始温度を第1感温素子より高温に設定することで、比較的小さな温度幅で開弁開始から全開弁状態に移行できる。
しかし、ワックス等の感熱膨張体を用いた第1感温素子及は、冷却水の昇温に伴い熱膨張体が熱膨張を始める熱膨張開始温度で開弁を開始し、更なる昇温に従って次第に大きく開弁して全開弁に達し、同様に第2感温素子においても感熱膨張体の熱膨張に伴って第1感温素子及び弁体を移動させることから開弁開始と全開弁との間に冷却水の温度差が生じる。
特許文献2によると、高負荷時には感温部による開弁温度が低くなり、低負荷時には開弁温度が高くなるように制御することで、エンジンの負荷に応じた開弁温度が得られる。特許文献3によると外気温に応じた感温特性のサーモスタット特性が得られる。
ここで、エンジンの暖機性や燃費向上の観点から開弁開始温度を高く設定する要求がある一方、全開弁温度はエンジンの過熱、いわゆるオーバーヒート耐力を考慮すると低く設定する要求がある。
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、冷却水温上昇に伴う開弁開始時期を全開到達時の冷却水温度付近に設定し得る水冷式エンジンのサーモスタット装置を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1の水冷式エンジンのサーモスタット装置は、エンジンの冷却水循環路に接続される複数のポートに連通するバルブ作動室が形成されたサーモスタットハウジングと、前記バルブ作動室内に設けられ、前記バルブ作動室内の冷却水温度変化により熱膨張又は収縮する感熱膨張体を内蔵し、該感熱膨張体の体積変化により移動して前記複数のポートのうちの特定のポートを開閉する弁体を備えた弁部材とを備え、前記弁体が、冷却水の温度が予め設定された閉弁温度以下の範囲にあるときは前記特定のポートを閉じる閉弁位置をとり、冷却水の温度が予め設定された全開弁温度で前記特定のポートを開放する全開弁位置をとるように冷却水温度に応じて変位するエンジンのサーモスタット装置において、冷却水温度が予め設定された開弁開始温度に達するまでの初期段階では前記弁部材を閉弁位置に拘束し、該開弁開始温度に達したときに前記拘束を解除する弁動作制限部を備えたことを特徴とする。
これによると、エンジンの始動時の初期段階において感熱膨張体が凝固収縮して感熱膨張体圧力が低く、弁体が閉弁状態で特定のポートを閉鎖した状態であり、冷却水温が上昇して熱膨張開始温度に達するまで弁動作制限部によって弁部材の移動が拘束されて閉弁状態が維持されて感熱膨張体の内部圧力が高まる。
一方、冷却水温が開弁開始温度に達したときに、弁動作制限部による作動体の拘束を解除することで、開弁開始温度が全開弁温度付近に高く設定されて開弁開始温度と全開弁温度との差が小さくなり開弁高速応答性が確保できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水冷式エンジンのサーモスタット装置において、前記エンジンの冷却水出口とラジエータの冷却水取入口を連結するラジエータインレット通路を備え、前記複数のポートは、前記エンジンの冷却水取入口側に接続されるエンジン側出口ポートと、前記エンジンの冷却水出口側に接続されるバイパス通路に接続されるバイパス側入口ポートと、前記ラジエータの冷却水出口側に接続するラジエータ側入口ポートと、を備え、上記特定のポートは、前記ラジエータ側入口ポートであることを特徴とする。
これによると、エンジン始動時の初期段階において、ラジエータ側からエンジン側に冷却水を導入するラジエータ側入口ポートが熱膨張開始温度に達しても閉弁状態が維持され、バイパス通路を通ってエンジンの冷却水通路内に戻されるので、冷却水の温度が可及的速やかに上昇してエンジンの暖機が促進される。一方、開弁開始温度に達すると弁動作制限部による作動体の拘束を解除することでラジエータ側入口ポートが開放されてラジエータにおいて冷却された冷却水がエンジンの冷却水通路に送られ、エンジンを冷却した冷却水がラジエータインレット通路を介してラジエータに戻る冷却水循環路に切り換えられる。これにより、開弁開始温度が全開弁温度付近に設定されて開弁高速応答性が確保できると共に、エンジンの暖機性や燃費向上が得られ、かつ全開弁温度の上昇が抑制されてしてエンジンの過熱、いわゆるオーバーヒート耐力を確保することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の水冷式エンジンのサーモスタット装置において、前記弁体が、ラジエータ側入口ポートを閉じる閉弁位置のときバイパス側入口ポートを開放する全開弁位置をとり前記弁体がラジエータ側入口ポートを開放する全開弁位置のときバイパス側入口ポートを閉じる閉弁位置をとる前記弁部材に設けられた第2の弁体を備えたことを特徴とする。
これによると、弁体がラジエータ側入口ポートを閉じる閉弁位置からバイパス側入口ポートを開放する全開弁位置に移行する際に連動して、第2の弁体を閉弁位置に移動してバイパス側入口ポートを閉じることで、よりエンジンの暖機性や燃費向上が得られ、エンジンの過熱、いわゆるオーバーヒート耐力を確保することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水冷式エンジンのサーモスタット装置において、前記弁動作制限部は、前記弁部材に設けられた係合部と、冷却水温度変化により熱膨張又は収縮する感熱膨張体を内蔵する温度感知部と、該感熱膨張体の体積変化によって係合位置と係合解除位置との間で移動するロックピンとを備えた、ことを特徴とする。
これによると、弁動作制限部を、弁部材に設けられた係合部と、冷却水温度変化により熱膨張又は収縮する感熱膨張体の体積変化によって係合位置と係合解除位置との間で移動するロックピンによる簡単な構成で、複雑な制御手段を要することなく形成することができる。
本発明によると、エンジンの始動時の初期段階において感熱膨張体が収縮してその感熱膨張体圧力が低く、弁体が閉弁状態で特定のポートを閉鎖した状態であり、冷却水温が上昇して熱膨張開始温度に達しても弁動作制限部によって弁部材の移動が拘束されて閉弁状態が維持されて感熱膨張体圧力が高まる。一方、冷却水温が開弁開始温度に達したときに、弁動作制限部による作動体の拘束を解除することで、開弁開始温度が全開弁温度付近に高く設定されて開弁開始温度と全開弁温度との差が小さくなり開弁高速応答性が確保できる。
実施の形態における水冷式エンジンのサーモスタット装置が適用された自動車用エンジンの冷却システムを示す説明図である。 サーモスタット装置の閉弁状態を示す断面図である。 サーモスタット装置の開弁開始状態を示す断面図である。 冷却水温に対する開弁応答特性を示す特性図である。 従来のサーモスタット装置を説明する冷却システムを示す説明図である。 従来のサーモスタット装置を断面図である。
以下、本発明に係る水冷式エンジンのサーモスタット装置の一実施の形態を、図1乃至図4に基づいて説明する。
図1は本実施の形態のサーモスタット装置が適用された自動車用エンジンの冷却システムを示す説明図、図2はサーモスタット装置の閉弁状態を示す断面図、図3はサーモスタット装置の開弁開始状態を示す断面図、図4は冷却水温に対する開弁応答特性を示す特性図である。
まず、この実施の形態のサーモスタット装置10を用いた自動車用冷却システムの全体概要を図1に基づいて説明する。図において1は模式的に示すエンジン、2はラジエータ、3は室内暖房用ヒータであり、エンジン1のシリンダブロック1A及びシリンダヘッド1Bには矢印で示したウォータジャケット等の冷却水通路が形成され、ラジエータ2及びヒータ3にそれぞれ冷却水通路が形成される。
シリンダブロック1Aにウォータポンプ4が配設され、このウォータポンプ4の吐出側にエンジン1に形成された冷却水通路の冷却水取入口1aが接続される。
ウォータポンプ4の吸込み側にサーモスタット装置10を介在して接続されたラジエータアウトレット通路5がラジエータ2の冷却水通路の冷却水出口2bに接続される。エンジン1の冷却水通路の冷却水出口1bがラジエータインレット通路6によってラジエータ2の冷却水通路の冷却水取入口2aに連通する。このラジエータインレット通路6の途中の部位とサーモスタット装置10を連通するバイパス通路7を有する。
ヒータ3の冷却水取入口3aがヒータインレット通路8によってラジエータインレット通路6の途中の部位に連通し、冷却水出口3bがヒータアウトレット通路9によってサーモスタット装置10に接続する。
エンジン1の運転により、図示しないクランク軸に連動してウォータポンプ4が駆動されると、ラジエータ2内の冷却水はラジエータアウトレット通路5、サーモスタット装置10及びウォータポンプ4を介してエンジン1の冷却水通路に供給される。エンジン1の冷却水通路に供給された冷却水はエンジン1を冷却した後、冷却水出口1bからラジエータインレット通路6を介してラジエータ2に戻され、ラジエータ2に戻された冷却水はラジエータ2内で冷却される。また、エンジン1を冷却して高温となった冷却水の一部は、ラジエータインレット通路6から分岐されたバイパス通路7を介してサーモスタット装置10からウォータポンプ4に戻る。
一方、エンジン1を冷却して高温となった冷却水の一部は、ラジエータインレット通路6から分岐されたヒータインレット通路8を介してヒータ3に供給される。そして、ヒータ3を通過した冷却水は、ヒータアウトレット通路9を介してサーモスタット装置10からウォータポンプ4に戻る。
これら、エンジン1、ラジエータ2、ヒータ3、ウォータポンプ4及びラジエータアウトレット通路5、ラジエータインレット通路6、バイパス通路7、ヒータインレット通路8、ヒータアウトレット通路9及びサーモスタット装置10によって冷却水循環路が形成される。
このような冷却水循環路における冷却水の流れと流量とを、冷却水の温度に応じてサーモスタット装置10によって制御する。即ち、冷却水温度が低いときは、図1に矢印cで示すように、冷却水をウォータポンプ4からエンジン1及びバイパス通路7を介して循環させる一方、冷却水温度が高くなったときは矢印hで示すようにウォータポンプ4からエンジン1、ラジエータインレット通路6、ラジエータ2、ラジエータアウトレット通路5を介して循環させることで、ラジエータ2側で冷却された冷却水をエンジン1に循環する。
次に、このサーモスタット装置10の構成及び作用を図2及び図3に基づいて説明する。
サーモスタット装置10は、サーモスタットハウジング11とサーモスタットハウジング11内部に配置されて冷却水通路を選択的に開通する2弁式のサーモスタット20をする。
サーモスタットハウジング11は、サーモスタット20を収容するバルブ作動室12を有し、バルブ作動室12の一方に円筒状のラジエータ側入口ポート13が設けられ、他方にラジエータ側入口ポート13と対向してバイパス側入口ポート15が形成される。更にバルブ作動室12にはラジエータ側入口ポート13の延在方向中心軸Oに対して交差する方向にエンジン側出口ポート14及びヒータ側入口ポート17が形成される。また、突出するラジエータ側入口ポート13の接続端部13aに環状のサーモスタット保持部13bが形成され、バイパス側入口ポート15の開口部に環状の第2の弁座16が形成される。
このように形成されたサーモスタットハウジング11のラジエータ側入口ポート13がラジエータアウトレット通路5に、エンジン側出口ポート14がウォータポンプ4の吸込み側に、バイパス側入口ポート15がバイパス通路7に、ヒータ側入口ポート17がヒータアウトレット通路9にそれぞれ接合される。
サーモスタット20は、冷却水の温度変化によって作動する弁部材21の一端に第1の弁体31が設けられ、その弁部材21の他端に第2の弁体32が設けられ、第1の弁体31を閉弁位置に付勢する付勢手段であるコイルスプリング29と本体フレーム30を備えると共に、冷却水の温度変化によって第1の弁体31の閉弁動作を規制する弁動作制限部40を有する。
弁部材21は、中空状の温度感知部22とガイド部23と弁棒24とからなり、冷却水温を検知して膨張又は収縮するワックス等の感熱膨張体35が温度感知部22内に内蔵され、温度感知部22の先端から延出した筒状のガイド部23にプランジャ25が内嵌される。このプランジャ25の先端には、プランジャ25を押圧させる押受体26が設けられている。
第1の弁体31は、ガイド部23に設けられており、押受体26の周囲に第1の弁体31と対向する第1弁座27が環状に形成され、押受体26の外周にラジエータ側入口ポート13のサーモスタット保持部13bに嵌合するフランジ状の取付部26aが形成され、取付部26aの外周にパッキン28が装着されている。
押受体26の第1弁座27の近傍と温度感知部22との間が筒状の本体フレーム30によって連結される。
第2の弁体32は、温度感知部22の後端から延出した弁棒24に留め具32aによって取り付けられ、その第2の弁体32と温度感知部22との間に介装したコイルスプリング33によって第2の弁体32が弁棒24の端部側に押圧付勢されている。
また、付勢手段であるコイルスプリング29は、第1の弁体31と本体フレーム30との間に圧縮付与状態で設けられ、第1の弁体31を常時閉弁位置に付勢する。
このようなサーモスタット20は、パッキン28が装着された押受体26の取付部26aをラジエータ側入口ポート13のサーモスタット保持部13bに嵌合した状態で、ラジエータ側入口ポート13の接続端部13aとラジエータアウトレット通路5との端部5aと間に狭持して取り付けられる。
弁動作制限部40は、弁棒24の先端に延設されてバイパス側入口ポート15内に延在する軸部41の先端部に、この軸部41の延在方向と直交して貫通形成された係合穴42によって構成された係止部と、冷却水温の変化によって作動して係合穴42に選択的に係脱して作動体21の移動を規制する開弁規制部45とによって構成される。
開弁規制部45は、バイパス側入口ポート15の流路から分岐してバイパスするコ字状の制御通路46を有し、作動規制部50が配置される。作動規制部50は、冷却水温の変化によって膨張又は収縮するワックス等の感熱膨張体56が内蔵される中空状の温度感知部51と、温度感知部51からバイパス側入口ポート15の径方向外方に延出した筒状のガイド部52とを有し、ガイド部52にロックピン53の基端が内嵌される。
このロックピン53は、ガイド部52から突出すると共にコ字状に折曲して先端がバイパス側入口ポート15の流路内に延在し、先端に軸部41の係合穴42に挿入可能な係止部54が形成される。また、ロックピン53と制御通路46の内周面との間にロックピン53をガイド部52の内方方向に押圧付勢するスプリング55が配置される。
この開弁規制部45は、温度感知部51内の感熱膨張体56が冷却水温の上昇により熱膨張する体積変化でロックピン53を押圧することでスプリング55の付勢力に抗して作動する。これによりロックピン53の係止部54が軸部41の係合穴42に挿入係止した係止位置から係合穴42から抜け出した係止解除位置に移動する。
このようなサーモスタット装置10は、第1の弁体31が第1の弁座27に接離してラジエータ側入口ポート13を開閉し、第2の弁体32が第2の弁座16に接離してバイパス側入口ポート15を開閉するように位置しており、冷却水温の上昇による温度感知部22の感熱膨張体35の体積変化によってプランジャ25を押圧することで、弁部材21がコイルスプリング29に抗して移動する。これにより第1の弁体31が開弁位置に移動してラジエータ側入口ポート13を開放すると共に、第2の弁体32が第2の弁座16に当接する閉弁位置に移動してバイパス側入口ポート15を閉鎖する。
また、冷却水温の下降により感熱膨張体35が収縮し、プランジャ25の押圧力が減少することで、コイルスプリング29の付勢力で第1の弁体31を第1の弁座27に当接する閉弁位置に移動してラジエータ側入口ポート13を閉鎖すると共に、第2の弁体32を開弁位置に移動してバイパス側入口ポート15を開放する。
一方、弁動作制限部40は、冷却水温が低く温度感知部51内の感熱膨張体56が収縮した状態では、ロックピン53がスプリング55によって押圧付勢されて、係止部54が軸部41の係合穴42に挿入して作動体21の移動を拘束して第1の弁体31を閉弁位置に保持する。また、温度感知部51内の感熱膨張体56が冷却水温の上昇により熱膨張する体積変化によってロックピン53を押圧することで係止部54が軸部41の係合穴42から抜け出し、弁部材21の拘束を解除する。
このようにサーモスタット装置10は、温度関知式自動弁として冷却水循環路内で、エンジン1によって暖められた冷却水と、ラジエータ2から冷やされた冷却水とを混合及び切換えることで、エンジン1に送られる冷却水温を適温に制御する。
次に、この実施の形態の作用を図2、図3及び図4を参照して説明する。図4は冷却水温に対する開弁応答特性を示す特性図である。
エンジン1が冷間始動された場合、つまりエンジン1の始動時の初期段階において、サーモスタット装置10の近傍の冷却水が低温であり、サーモスタット装置10は、図2に示すように温度感知部22内の感熱膨張体35が凝固収縮してその感熱膨張体圧力が低くプランジャ25がガイド部23内に引き込まれ、かつコイルスプリング29によって第1の弁体31が押受体26に形成された第1の弁座27に圧接する閉弁状態でラジエータ入口ポート13を閉鎖する。また、第2の弁体32は第2の弁座26から離れた開弁状態であり、バイパス入口ポート15とエンジン側出口ポート14がサーモスタット室12を介して連通状態となる。
一方、開弁規制部45の温度感知部51内の感熱膨張体56が凝固収縮して感熱膨張体圧力が低くロックピン53がガイド部52内に引き込まれ、かつスプリング55によって押圧されて係止部54が軸部41の係合穴42に挿入した係止位置に保持される。このロックピン53の係止部54が係合穴42に嵌挿することで、弁部材21の移動が拘束されて第1の弁体31が閉弁位置に保持される。
このようにエンジン1の始動時の初期段階においてサーモスタット装置10の第1の弁体31が閉弁位置に維持されてラジエータ側入口ポート13が閉じられているので、図1に矢印cで示すように、エンジン1の冷却水通路の冷却水がバイパス通路7を介してびサーモスタット装置10のバイパス側入口ポート15に導入され、バルブ作動室12、エンジン側出口ポート14を経由してウォータポンプ4によってエンジン1の冷却水通路に戻される。
第1の弁体31が閉弁位置に維持されてラジエータ側入口ポート13が閉じられている間は、エンジン1側の冷却水がラジエータ2を経由することなく、比較的少量の冷却水のみがバイパス通路7を通ってエンジン1の冷却水通路内に戻されるので、冷却水の温度が可及的速やかに上昇し、エンジン1の暖機が促進される。
ここで、開弁規制部45におけるロックピン53の係止部54が軸部41の係合穴42に嵌挿して弁部材21及び第1の弁体31の移動が拘束され、かつガイド部23に内嵌されたプランジャ25が押受体26によって移動が拘束されることで、温度感知部22の感熱膨張体35は、図4に示すように冷却水温が上昇して熱膨張開始温度Tsに達しても熱膨張による体積変化が抑制されて感熱膨張体35の内部圧力、いわゆる感熱膨張体圧力が高まるが、第1の弁体31の移動が拘束されて閉弁状態が維持される。なお、仮に開弁規制部45等により作動体21の移動を拘束しない場合、即ち従来のサーモスタット装置にあっては感熱膨張体35が熱膨張により体積変化して仮想線bで示すように第1の弁体31が開弁を開始する。
一方、開弁規制部45のおいては、冷却水温が上昇して熱膨張開始温度Tsに達すると温度感知51内の感熱膨張体56の熱膨張が開始され、冷却水温の上昇に伴う感熱膨張体56の体積変化によりロックピン53がスプリング55の付勢力に抗して係止位置から移動し、ロックピン53の係止部54が軸部42の係合穴42から徐々に抜け出す。
冷却水温が上昇して開弁開始温度Toに達すると、ロックピン53が係止解除位置に移動して軸部41の係合穴42から係止部54が抜け出し、作動体21の閉弁位置への拘束が解除される。
作動体21の拘束解除により、温度感知部22内の圧力が高められた感熱膨張体35の急激な体積変化によってプランジャ25が瞬時に押し出され、作動体21がコイルスプリング29の付勢力に抗して開弁方向に移動し、図3に示すように第1の弁体31が全開弁位置fに近接した開弁開始位置sに移動し、第2の弁体32が閉弁位置近傍に移動する。この弁部材21の移動に伴ってスプリング55によって付勢されたロックピン53の先端は軸部41の側面に摺接して係止解除位置に維持される。
これによりラジエータ2において冷却された冷却水がラジエータアウトレット通路5を介してサーモスタット装置10のラジエータ側入口ポート13からバルブ作動室12に導入され、エンジン側出口ポート14を経由してウォータポンプ4によってエンジン1の冷却水通路に送られ、エンジン1を冷却した冷却水がラジエータインレット通路6を介してラジエータ2に戻ると共に、バイパス通路7側からの少量の冷却水がバイパス側入口ポート15からバルブ作動室12に導入される冷却水循環路に切り換えられる。
しかる後、冷却水が全開弁温度Tfに上昇すると、感熱膨張体35の熱膨張によってプランジャ25が押し出され、弁部材21がコイルスプリング29の付勢力に抗して開弁方向に移動して、第1の弁体31を全開弁位置fに移動し、第2の弁体32を閉弁位置に移動する。
これによりラジエータ2において冷却された冷却水がラジエータアウトレット通路5を介してサーモスタット装置10のラジエータ側入口ポート13からバルブ作動室12に導入され、エンジン側出口ポート14を経由してウォータポンプ4によってエンジン1の冷却水通路に送られ、エンジン1を冷却した冷却水がラジエータインレット通路6を介してラジエータ2に戻る冷却水循環路に切り換えられる。
この第1の弁体31が全開弁位置fに移動してラジエータ側入口ポート13を開放すると共に第2の弁体32がバイパス側入ポート15を閉鎖することになり、ラジエータ2で冷却された冷却水がエンジン1の冷却水通路に送られる冷却水温が適温に制御される。
一方、エンジン1の停止や低負荷等により冷却水温が全開弁温度から低下すると、冷却水温の低下に伴って温度感知部22内の感熱膨張体35が徐々に収縮し、感熱膨脹体35の体積変化によりプランジャ25がガイド部内に引き込められると共に、コイルスプリング29の付勢によって作動体21及び第1の弁体31が閉弁方向に押動される一方、第2の弁体32が開弁方向に移動し、閉弁温度Tcにおいて第1の弁体31が閉弁位置となり、第2の弁体32が全開位置となる。一方、ロックピン53の先端は、この作動体21の開弁位置から閉弁位置への移動に伴う軸部41の側面に当接して移動が規制され、閉弁位置に移動した際に係合穴42に嵌りこむ。
従って、このサーモスタット装置10によると、冷却水温の変化による感熱膨張体の熱膨張及び収縮による体積変化によってラジエータ2側から冷却水が導入されるラジエータ側入口ポート13を開弁する第1弁体31を備え、低水温状態では感熱膨張体35の体積変化を規制して感熱膨張圧力を高め開弁開始温度Toを全開弁温度Tf付近まで高くすることで開弁開始温度Toと全開弁温度Tfの温度差が小さくなり開弁高速応答性が確保できる。これにより、エンジン1の暖機性や燃費向上が得られ、かつ全開弁温度の上昇を抑制して低く設定することでエンジンの過熱、いわゆるオーバーヒート耐力を確保することができる。
また、弁作動制限部40は、作動規制部50において感熱膨張体56の熱膨張による体積変化によりロックピン53の先端に形成した係止部54を軸部41の係止穴42に挿入することで弁部材21の移動を規制することから、複雑な電気的制御が不要であり、従来のサーモスタット装置の基本的構成を大きく変更することなく弁作動部40を付加する簡単な構成でサーモスタット装置10を構成することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば上記実施の形態では、作動規制部50において感熱膨張体56の熱膨張により押動するロックピン53の先端に形成した係止部54を軸部41の係止穴42に挿入することで弁部材21の移動を規制するよう構成したが、先端に折曲して係合部が形成されたロックピンを揺動自在に支持し、感熱膨張体の熱膨張でロックピンを揺動して軸部の係止穴に挿入して作動体の移動を規制するリンク機構より作動規制部を構成することもできる。更に、冷却水の温度変化に従って作動体の移動を拘束する弁動作制限部は他の構成に形成すると共に他の任意の部位に配置することもできる。
1 エンジン
2 ラジエータ
4 ウォータポンプ
5 ラジエータアウトレット通路
6 ラジエータインレット通路
7 バイパス通路
10 サーモスタット装置
11 サーモスタットハウジング
12 バルブ作動室
13 ラジエータ側入口ポート
14 エンジン側出口ポート
15 バイパス側入口ポート
16 第2の弁座
20 サーモスタット
21 弁部材
22 温度感知部
25 プランジャ
26 押受体
27 第1の弁座
29 コイルスプリング(付勢手段)
30 本体フレーム
31 第1の弁体
32 第2の弁体
33 コイルスプリング
35 ワックス等の熱膨張体
40 弁動作制限部
41 軸部
42 係合穴(係合部)
45 開弁規制部
46 制御通路
50 作動規制部
51 温度感知部
53 ロックピン
54 係止部
56 熱膨張体

Claims (4)

  1. エンジンの冷却水循環路に接続される複数のポートに連通するバルブ作動室が形成されたサーモスタットハウジングと、
    前記バルブ作動室内に設けられ、前記バルブ作動室内の冷却水温度変化により熱膨張又は収縮する感熱膨張体を内蔵し、該感熱膨張体の体積変化により移動して前記複数のポートのうちの特定のポートを開閉する弁体を備えた弁部材とを備え、
    前記弁体が、冷却水の温度が予め設定された閉弁温度以下の範囲にあるときは前記特定のポートを閉じる閉弁位置をとり、冷却水の温度が予め設定された全開弁温度で前記特定のポートを開放する全開弁位置をとるように冷却水温度に応じて変位するエンジンのサーモスタット装置において、
    冷却水温度が予め設定された開弁開始温度に達するまでの初期段階では前記弁部材を閉弁位置に拘束し、該開弁開始温度に達したときに前記拘束を解除する弁動作制限部を備えたことを特徴とする水冷式エンジンのサーモスタット装置。
  2. 前記エンジンの冷却水出口とラジエータの冷却水取入口を連結するラジエータインレット通路を備え、
    前記複数のポートは、
    前記エンジンの冷却水取入口側に接続されるエンジン側出口ポートと、
    前記エンジンの冷却水出口側に接続されるバイパス通路に接続されるバイパス側入口ポートと、
    前記ラジエータの冷却水出口側に接続するラジエータ側入口ポートと、を備え、
    上記特定のポートは、前記ラジエータ側入口ポートであることを特徴とする請求項1に記載の水冷式エンジンのサーモスタット装置。
  3. 前記弁体が、ラジエータ側入口ポートを閉じる閉弁位置のときバイパス側入口ポートを開放する全開弁位置をとり前記弁体がラジエータ側入口ポートを開放する全開弁位置のときバイパス側入口ポートを閉じる閉弁位置をとる前記弁部材に設けられた第2の弁体を備えたことを特徴とする請求項2に記載の水冷式エンジンのサーモスタット装置。
  4. 前記弁動作制限部は、
    前記弁部材に設けられた係合部と、
    冷却水温度変化により熱膨張又は収縮する感熱膨張体を内蔵する温度感知部と、
    該感熱膨張体の体積変化によって係合位置と係合解除位置との間で移動するロックピンとを備えた、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水冷式エンジンのサーモスタット装置。
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